JP2006030405A - 光反射材および成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境汚染の畏れが無く、熱安定性に優れ、光反射特性の優れた、ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる光反射材およびその成形品を提供する。
【解決手段】芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対し、酸化チタン(b)3〜50重量部、熱重量分析における5%減量温度が300℃以上である紫外線吸収剤(e)0.01〜2重量部を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を成形して成る光反射材。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂と酸化チタンを含む組成物を成形してなる光反射材に関し、詳しくは、良好な光反射性及び耐光性、ならびに、良好な外観を示す光線反射材およびその成形品に関する。
ポリカーボネート樹脂は優れた機械的性質を有しており、自動車分野、OA機器分野、電気・電子分野をはじめ工業的に広く利用されている。例えば、ポリカーボネート樹脂に酸化チタン等の白色顔料を添加したポリカーボネート樹脂組成物は、コンピュータの表示装置あるいはテレビ等の液晶表示装置のバックライト、照光式プッシュスイッチ、光電スイッチの反射板などの、高度の光反射率が要求される表示装置における、光線反射板の材料として使用されている。
例えば、特許文献1には、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、シリコーン樹脂0.1〜5重量部、ポリテトラフルオロエチレン0.01〜0.5重量部、衝撃改良剤0.5〜10重量部を配合してなる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物において、シリコーン樹脂が、ケイ素原子と結合する置換基が芳香族炭化水素基と炭素数2以上の脂肪族炭化水素基からなるシリコーン樹脂であり、衝撃改良剤が、ポリオルガノシロキサン成分とポリアルキル(メタ)アクリレート成分が相互に絡み合った構造を核(コア)として有し、ポリアクリル(メタ)アクリレート成分を殻(シェル)として有する複合ゴム系グラフト共重合体であることを特徴とする難燃性ポリカーボネート樹脂組成物が開示されている。そして、該組成物の用途として、反射板用成形品が挙げられている。
また、特許文献2には、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、ガラスフィラー1〜150重量部、酸化チタン3〜30重量部及び有機スルホン酸塩0.01〜5重量部を配合してなるポリカーボネート樹脂組成物が開示されている。そして、該組成物の用途として、反射板が挙げられている。
特開2001−342338号公報 特開2003−226805号公報
しかしながら、近年、光反射板は、光反射率と共に、耐光性が求められ、更に機械的物性、耐熱性等も良好であることが要求されつつある。特に、近年、光反射材は、反射板、反射枠等いずれも肉薄のものが多くなる傾向にあり、厚み0.4mm程度未満のものも認められる。ここで、肉薄のものについては特に、外観や光反射率、耐光性が劣る傾向にあることが分かった。
本発明はかかる現状に鑑みなされたものであって、肉薄のものにも対応でき、環境汚染の畏れが無く、熱安定性に優れ、光反射特性の優れた、ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる光反射材およびその成形品を提供することにある。
上記課題の下、本発明者が鋭意検討した結果、成形条件下での紫外線吸収剤の気散が光反射率や成形品の外観に影響を与えることが分かった。すなわち、従来からポリカーボネート樹脂の紫外線吸収剤として用いられている、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、ヒンダードアミン系等のものは、一般的には減量開始温度が低いものが多い。そして、これらの紫外線吸収剤は、成形過程で、分解されてしまい、ガス発生の原因となり、得られる成形品においてシルバーストリークが発生したり、モールドデポジット等の不良現象が生じる場合がある。さらに、成形品における紫外線吸収剤の残存量が低下する為、本来の耐光性効果も低減することが分かった。
例えば、トリアゾール系紫外線吸収剤として一般的な、2−(2’−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールの場合、5%減量温度が248℃程度であるが、成形可能時の気散の原因となる場合が認められた。
本発明者は、上述の課題を見出し、これを解決するため種々検討した結果、驚くべきことに、トリアゾール系の紫外線吸収剤の中でも、熱重量分析における5%減量温度が300℃以上の化合物を使用する事により、この問題を解決し得ることを見出し、本発明を達成した。
具体的には、以下の手段により達成された。
(1)芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対し、酸化チタン(b)3〜70重量部、熱重量分析における5%減量温度が300℃以上である紫外線吸収剤(e)0.01〜2重量部を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を成形して成る光反射材。
(2)前記紫外線吸収剤(e)が、下記一般式(I)で表されるベンゾトリアゾール系化合物である、(1)に記載の光反射材。
一般式(I)
Figure 2006030405

(一般式(I)式中、R11およびR12は各々独立に、炭素数2〜20のアルキル基を表す。)
(3)前記酸化チタン(b)が、該酸化チタンに対して0〜2重量%の無機処理剤で表面処理されていることを特徴とする、(1)または(2)に記載の光反射材。
(4)前記酸化チタン(b)が、さらに、有機処理剤にて表面処理されてなる、(3)に記載の光反射材。
(5)前記芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、さらに芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対し、難燃剤(c)を、30重量部以下含有している、(1)〜(4)のいずれかに記載の光反射材。
(6)前記難燃剤(c)が、シリコーン系難燃剤(c−1)、リン酸エステル系難燃剤(c−2)および有機酸のアルカリ(土類)金属塩(c−3)から選択された少なくとも一種である、(5)に記載の光反射材。
(7)前記シリコーン系難燃剤(c−1)が、シリカ粉末の表面にポリオルガノシロキサンを担時させてなる粉末シリコーン(c−1−1)である、(6)に記載の光反射材。
(8)前記シリコーン系難燃剤(c−1)が、主鎖が分岐構造を有し、かつケイ素原子に結合する芳香族基を有する分岐シリコーン樹脂(c−1−2)である、(6)に記載の光反射材。
(9)前記芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、前記シリコーン系難燃剤(c−1)を、前記芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対し0.5〜10重量部含有する、(6)〜(8)のいずれかに記載の光反射材。
(10)前記芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、前記リン酸エステル系難燃剤(c−2)を、前記芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対し2〜20重量部含有する、(6)〜(9)のいずれかに記載の光反射材。
(11)前記有機酸のアルカリ(土類)金属塩(c−3)が、有機スルホン酸金属塩である、(6)〜(10)のいずれかに記載の光反射材。
(12)前記芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、ポリテトラフルオロエチレン(d)を、芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対し0.01〜1重量部含有する、(5)〜(11)のいずれかに記載の光反射材。
(13)前記ポリテトラフルオロエチレン(d)が、フィブリル形成能を有するものである、(12)に記載の光反射材。
(14)光反射材が、光反射板、光反射シート、または光反射枠である(1)〜(13)のいずれかに記載の光反射材。
(15)押出成形または射出成形により成形された、(1)〜(14)のいずれかに記載の光反射材。
(16)押出成形されてなる光反射シートである、(1)〜(13)のいずれかに記載の光反射材。
(17)(16)に記載の光反射シートを熱形成して得られる成形品。
(18)前記成形品が、光反射板または光反射枠である、(17)に記載の成形品。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、特定の紫外線吸収剤を添加する事で、高温成形時における不良現象、例えばシルバーストリークス等を抑制し、良好な反射特性を有する色相変化の少ない反射材を提供することが可能になった。特に、成形条件の厳しい反射枠等の薄肉成形品での用途に好適に使用できる。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
芳香族ポリカーボネート樹脂(a)
本発明に使用される芳香族ポリカーボネート樹脂(a)は、本発明の趣旨を逸脱しない限り特に定めるものではなく、広く公知のものを採用できる。例えば、芳香族ヒドロキシ化合物またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物を、ホスゲンまたは炭酸ジエステル等と反応させることによって得られる、分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体である。従って、芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法についても、特に限定されるものではなく、公知の方法、例えばホスゲン法(界面重合法)あるいは溶融法(エステル交換法)等で製造することができる。
芳香族ポリカーボネート樹脂の原料である芳香族ジヒドロキシ化合物は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノールおよび4,4−ジヒドロキシジフェニルなどが好ましい例として挙げられ、ビスフェノールAがより好ましい。さらに、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物を使用することにより、難燃性を付与、あるいは、さらに高めることもできる。
分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂を得るには、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどのポリヒドロキシ化合物、あるいは、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチン、5,7−ジクロルイサチン、5−ブロムイサチンなどを前記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部として用いればよい。使用量は、0.01〜10モル%が好ましく、0.1〜2モル%がより好ましい。
芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量を調節するには、一価の芳香族ヒドロキシ化合物を用いればよく、例えばm−またはp−メチルフェノール、m−またはp−プロピルフェノール、p−t−ブチルフェノールおよびp−長鎖アルキル置換フェノールなどが使用される。
芳香族ポリカーボネート樹脂(a)としては、好ましくは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導される芳香族ポリカーボネート樹脂、または2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導される芳香族ポリカーボネート共重合体である。さらにシロキサン構造を有するポリマーあるいはオリゴマーを共重合させてもよい。
芳香族ポリカーボネート樹脂(a)としては、これらのうち2種以上の樹脂を混合して用いることもできる。
芳香族ポリカーボネート樹脂(a)の分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量で、16,000〜30,000が好ましく、17,000〜25,000がより好ましい。
ここで、粘度平均分子量(M)とは、オストワルド粘度計を用い、芳香族ポリカーボネート樹脂の0.5g/Lの塩化メチレン溶液について25℃で極限粘度[η]を求め、次のSchnellの粘度式、すなわち [η]=1.23×10-50.83 から算出される値を意味する。
酸化チタン(b)
本発明における酸化チタン(b)の平均粒子径は、0.05〜0.5μmのものが好ましい。このような範囲内にすることにより、遮光性および光反射率をより高めることができ、特に、0.5μm以下とすることにより、成形品表面に肌荒れを起したり、衝撃強度の低下を生じやすくなるのをより効果的に防止できる。酸化チタンの平均粒子径は、より好ましくは0.1〜0.5μmであり、最も好ましくは0.15〜0.35μmである。
酸化チタンは、いずれの方法で製造されたものであってもよいが、塩素法または硫酸法で製造されたものが好ましく、塩素法で製造されたものがより好ましい。塩素法で製造された酸化チタンは、硫酸法で製造された酸化チタンよりも、白度等の点でより優れていることによるものである。酸化チタンの結晶形態としては、本発明の趣旨を逸脱しない限り特に定めるものではないが、ルチル型またはアナターゼ型が好ましく、ルチル型がより好ましい。ルチル型は、アナターゼ型の酸化チタンよりも、白度、光反射率および耐候性の点でさらに優れていることによるものである。
市販されている酸化チタンは、通常、シリカ、アルミナ、ジルコニア等の含水酸化物により表面処理されている。本発明における酸化チタン(b)も、無機処理剤にて表面処理されていてもよい。
ただ、無機処理により酸化チタンの分散性は向上するものの、表面に形成された無機処理層の吸着水により、かかる酸化チタンを含有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、成形物の外観不良、燃焼時のドリッピング等の不具合を生じる可能性がある。さらに、成形機中で組成物を滞留させた場合に樹脂の分子量低下を起こさないためにも、水分量は少ない方が好ましい。
一般的には、酸化チタンに対して2重量%より多く4重量%以下程度の無機処理が行われている酸化チタンが多いが、本発明では、特に成形機中で組成物を滞留させた場合の樹脂の分子量低下を防ぐためには、無機処理剤の量が酸化チタンに対し0〜2重量%であるものが好ましく、0〜1.5重量%がより好ましく、0〜0.8重量%がさらに好ましく、0重量%(無機処理なし)が特に好ましい。無機処理なしの場合、特に、後述する有機処理剤によって処理されていることが好ましい。
なお、耐候性やハンドリング性(2次凝集防止)を考慮すると、0.5重量%程度以上の無機処理剤で処理されているとよい。
無機処理を行う場合には、処理剤は、好ましくは、シリカ、アルミナおよびジルコニア、ならびに、これらの混合物であり、より好ましくは、シリカおよびアルミナ、ならびに、これらの混合物である。ここで、シリカは吸水性が高く水分の影響を受けやすい傾向にあるので、シリカを用いる場合および他の処理剤と併用する場合はシリカの量が少ないこと(無機処理剤全体の30重量%以下)がより好ましい。
本発明における酸化チタン(b)は、有機処理剤により表面処理されたものであることが好ましく、無機処理剤を用いずに有機処理剤によってのみ処理するのがより好ましい。少ない無機処理剤により処理された酸化チタン、特に、無機処理をしない酸化チタンの場合は、酸化チタン表面の活性を抑え、組成物中で不必要な副反応を生じさせないために、有機処理が極めて有効である。
有機処理に使用する表面処理剤としては、アルコキシ基、エポキシ基、アミノ基、またはSi−H結合を有する、有機シラン化合物または有機シロキサン化合物等が挙げられ、アルコキシ基、エポキシ基、アミノ基、あるいはSi−H結合を有する有機シロキサン化合物がより好ましく、ハイドロジェンポリシロキサン(Si−H結合を有するシロキサン化合物)がさらに好ましい。有機処理剤の処理量は、酸化チタンに対して1〜5重量%、好ましくは1.5〜3重量%である。
本発明における、酸化チタンの無機処理および有機処理の方法に特に制限はなく、公知の方法にて行うことができる。例えば、無機処理はシリカ、アルミナ、ジルコニア等の塩類水溶液を加え、これを中和するアルカリまたは酸を加えて、生成する含水酸化物で酸化チタン粒子表面を被覆する方法などが挙げられる。有機処理については、有機シロキサン化合物と酸化チタンをスーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、V型タンブラー等の混合装置により混合攪拌処理する方法等が挙げられる。
酸化チタンについて無機処理および有機処理の両方を行う場合は、酸化チタンに対し、0.1〜2重量%の無機処理および1〜4重量%の有機処理を行うことが好ましい。
さらに、この場合の無機処理剤と有機処理剤の組み合わせとしては、シリカ、アルミナおよびジルコニア、ならびに、これらの混合物のいずれかと、アルコキシ基、エポキシ基、アミノ基、またはSi−H結合を有する、有機シラン化合物または有機シロキサン化合物の組み合わせが好ましく、ジルコニアおよびアルミナ、ならびに、これらの混合物とSi−H結合を有するシロキサン化合物の組み合わせがより好ましい。
酸化チタン(b)の含有量(表面処理剤の量を含む。以下同様。)は、芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対して3〜70重量部、好ましくは10〜50重量部、より好ましくは15〜40重量部である。酸化チタン(b)の含有量が3重量部未満であると遮光性が不充分になりやすい。また、70重量部以上を越えると耐衝撃性が不十分になる場合がある。
難燃剤(c)
本発明における反射材料は、更に難燃剤(c)を含有していてもよい。難燃剤(c)の種類は、本発明の趣旨を逸脱しない限り特に定めるものではなく、例えば、ポリカーボネート樹脂を含む組成物に、難燃剤を付与するものとして一般的に用いられているものを広く採用することができる。この中でも、シリコーン系難燃剤(c−1)、リン酸エステル系難燃剤(c−2)、有機酸のアルカリ(土類)金属塩(c−3)、ハロゲン系難燃剤が好ましく、シリコーン系難燃剤(c−1)、リン酸エステル系難燃剤(c−2)、有機酸のアルカリ(土類)金属塩(c−3)がより好ましい。シリコーン系難燃剤(c−1)、リン酸エステル系難燃剤(c−2)および有機酸のアルカリ(土類)金属塩(c−3)は、安全性、廃棄・焼却時の環境への影響や成型時の金型腐食、省資源化におけるリサイクル適性などにも優れているためである。
なお、本明細書において「アルカリ(土類)金属塩」とは、「アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩」を意味する。
難燃剤(c)の配合量は、その種類にもよるが、芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対し、好ましくは30重量部以下であり、より好ましくは0.001〜30重量部であり、さらに好ましくは0.001〜20重量部である。難燃剤の配合量を30重量部以下とすることにより、機械的物性が低下してしまうのをより効果的に防ぐことが可能となる。
シリコーン系難燃剤(c−1)
本発明に使用されるシリコーン系難燃剤(c−1)としては、ポリカーボネート樹脂に添加した場合、その難燃性を改良することができる種々のシリコーン、或いはシリコーン含有化合物が含まれる。
シリコーン系難燃剤(c−1)の配合量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対し、好ましくは0.5〜10重量部であり、より好ましくは0.5〜7重量部であり、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。10重量部以下とすることにより、機械的物性や耐熱性などが低下してしまうのをより効果的に防ぐことができる。
さらに、具体的には、シリカ粉末の表面にポリオルガノシロキサンを担持させた粉末状シリコーン(c−1−1)、主鎖が分岐構造を有し、かつケイ素に結合する芳香族基を有する分岐シリコーン化合物(c−1−2)、芳香族基含有環状ポリオルガノシロキサンおよび直鎖状ポリオルガノシロキサンを含有するシリコーン化合物(c−1−3)等が好ましく使用される。さらに、ハンドリング性に優れ、且つ芳香族ポリカーボネート樹脂への分散性・混合性がより向上していることから、シリカ粉末の表面にポリオルガノシロキサンを担持させた粉末状シリコーン(c−1−1)、または、主鎖が分岐構造を有し、かつケイ素に結合する芳香族基を有する分岐シリコーン化合物(c−1−2)がより好ましい。
粉末状シリコーン(c−1−1)
(c−1−1)シリカ粉末の表面にポリオルガノシロキサンを担持させた粉末状シリコーンに用いられるシリカ粉末としては、フュームドシリカ、沈殿法または採掘形態から得られた微粉砕シリカ等が挙げられる。フュームドシリカおよび沈殿法により得られたシリカは、表面積が50〜400m2/gの範囲のものが好ましい。表面積がこの範囲にあると、その表面にポリオルガノシロキサンを担持(例えば、吸収、吸着または保持)させ易くなる。採掘シリカを用いる場合は、少なくとも等重量のヒュームまたは沈殿シリカを組み合わせて、混合物の表面積を50〜400m2/gの範囲とするのが好ましい。
なお、シリカ粉末は、ポリオルガノシロキサン以外の表面処理剤によって表面を前処理されていてもよい。前処理剤としては、ヒドロキシ基またはアルコキシ基を末端基に有する低分子量のポリオルガノシロキサン、ヘキサオルガノジシロキサン、およびヘキサオルガノジシラザンなどが挙げられる。これらの中で特に好ましいものは、ヒドロキシル基を末端基とする平均重合度が2〜100のオリゴマーであって、常温で液状ないし粘稠な油状を呈するポリジメチルシロキサンである。
シリカ粉末或いは表面処理されたシリカ粉末は更に、その表面をポリオルガノシロキサン(なお、前処理剤との相違を明確にするため、ポリオルガノシロキサン重合体と称することがある。)で処理される。ポリオルガノシロキサン重合体は、平均重合度が100〜10000のものが好ましく、100〜5000のものがより好ましい。さらに、ポリオルガノシロキサン重合体は、直鎖であっても分岐鎖を有してもよいが、直鎖のポリジオルガノシロキサン重合体がより好ましい。ポリオルガノシロキサン重合体が有する有機基(オルガノ基)は、炭素数が1〜20のアルキル基、ハロゲン化炭化水素基等の置換アルキル基、ビニルおよび5−ヘキセニル等のアルケニル基、シクロヘキシル等のシクロアルキル基、ならびにフェニル、トリル、およびベンジル等のアリール基、アラルキル基等が好ましい例として挙げられ、炭素原子数が1〜4の低級アルキル基、フェニル基、および、3,3,3−トリフルオロプロピル等のハロゲン置換アルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
ポリオルガノシロキサン重合体は、分子鎖中に官能基を有していてもよい。官能基としてはメタクリル基またはエポキシ基等が好ましい。メタクリル基またはエポキシ基を有すると、燃焼時に芳香族ポリカーボネート樹脂(a)との架橋反応を起させることができるので、樹脂組成物の難燃性を一層向上させることができる。ポリオルガノシロキサン重合体分子鎖中の官能基の量は、0.01〜1モル%が好ましく、0.03〜0.5モル%がより好ましく、0.05〜0.3モル%がさらに好ましい。
ポリオルガノシロキサン重合体をシリカ粉末に担持させる際には、さらに接着促進剤を用いてもよい。接着促進剤を用いることによって、シリカ粉末とポリオルガノシロキサン重合体との界面をより一層強固に接着させることができる。接着促進剤としては、例えば、アルコキシシラン系接着促進剤が挙げられる。
アルコキシシラン系接着促進剤として、好ましくは、下記一般式(1)、
Y−Si(OMe)3
(一般式(1)中、Meはメチル基を表し、Yはエポキシアルキル基、アクリルオキシアルキル基、メタクリルオキシアルキル基、ビニル基、フェニル基またはN−β−(N−ビニルベンジルアミノ)エチル−γ−アミノアルキル・モノハイドロジェンヒドロ・クロリド基を表す。)
で表される化合物が挙げられる。具体的には、γ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドオキシプロピルプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルペンジルアミノ)エチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・モノハイドロジェンヒドロ・クロリド、フェニルトリメトキシシランおよびビニルトリメトキシシラン等が好ましい例として挙げられる。
接着促進剤は、前記シリカ粉末100重量部に対し、好ましくは、0.5〜15重量部の範囲で添加される。これを添加する時期は、シリカ粉末とポリオルガノシロキサン重合体を混合する際と同時であるのが望ましい。
本発明に使用されるシリコーン粉末(c−1−1)におけるポリオルガノシロキサン重合体の含有量について、該ポリオルガノシロキサン重合体として最も好ましいポリジメチルシロキサン重合体を使用する場合を例に説明すると、シリカ粉末とポリジメチルシロキサン重合体との配合割合は、シリカ粉末10〜90重量%、ポリジメチルシロキサン重合体90〜10重量%が好ましく、シリカ粉末20〜80重量%、ポリジメチルシロキサン重合体80〜20重量%がより好ましく、シリカ粉末20〜50重量%、ポリジメチルシロキサン重合体80〜50重量%がさらに好ましい。
シリコーン粉末を構成するシリカ粉末の量を10重量%以上とすることにより、ポリジメチルシロキサン重合体をより効果的に担持することができ、90重量%以下とすることにより、成形品に外観不良が生じるのをより効果的に防ぐことができる。
尚、上記好ましいシリカ粉末の量は、表面を無機処理されている場合は表面処理剤の量を含むものである。その他のポリオルガノシロキサン重合体を用いる場合も、本発明の光反射材における含有量は上述と同様である。
上記粉末状シリコーンは、公知のものを採用でき、例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン社、シリコーン粉末が好ましい例として挙げられる。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物中の粉末状シリコーン(c−1−1)の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対して、好ましくは、0.5〜10重量部、より好ましくは0.5〜7重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。
粉末状シリコーン(c−1−1)の量を0.1重量部以上とすることにより、光反射材の難燃性、機械的強度、耐熱性をより良好なものとし、10重量部以下とすることにより光反射材の耐衝撃性や流動性をより良好なものとすることができ、さらに、難燃性もより向上する。
主鎖が分岐構造を有し、かつケイ素に結合する芳香族基を有する分岐シリコーン化合物(c−1−2)
本発明に使用される、主鎖が分岐構造を有し、かつケイ素原子に結合する芳香族基を有する分岐シリコーン化合物(c−1−2)は、構成単位として、下記一般式で表されるシロキサン単位(D単位)、シロキサン単位(T単位)およびシロキサン単位(Q単位)の少なくとも1つを含むものが好ましい。
D単位 R12SiO2/2
T単位 R3SiO3/2
Q単位 SiO4/2
上記式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立に、炭素数1〜10の置換または非置換の1価炭化水素基であり、少なくともその1部が芳香族基であるシリコーン化合物である。
分岐シリコーン化合物(c−1−2)は、D単位を含有し、TおよびQの少なくとも一方を含有し、更に末端基としてRSiO1/2(但し、1分子中に含まれるRは、同一であっても異なっていてもよい、一価の基であり、好ましくは炭化水素基、アルコキシ基、水酸基等である。)を有するものがより好ましく、T単位/D単位系、T単位/D単位/Q単位系、D単位/Q単位系等がさらに好ましい。
D単位を含有することで、可とう性が改善され、難燃性をさらに改善することができる。また、T単位およびQ単位の少なくとも一方を含有することにより、主鎖が分岐構造を有するため好ましい。
分岐シリコーン化合物中の各単位の割合は、D単位、T単位およびQ単位の合計に対しモル比で、D単位が好ましくは20〜50%、より好ましくは20〜40%、T単位が好ましくは0〜90%、より好ましくは60〜80%、Q単位が好ましくは0〜50%、より好ましくは0.01〜50%である。
1〜R3で示される1価の炭化水素基は、脂肪族基としては、低級アルキル基、特にメチル基が好ましく、芳香族基としては、フェニル基が好ましい。フェニル基量は40モル%以上であることが好ましい。
分岐シリコーン化合物(c−1−2)は、重量平均分子量が、2,000〜50,000の範囲であることが好ましい。分岐シリコーン化合物(c−1−2)は、例えば、特開平11−140294号公報、特開平10−139964号公報および特開平11−217494号公報に記載の方法で製造できる。また、市販品も広く採用できる。
本発明組成物中の分岐シリコーン化合物(c−1−2)の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対して0.5〜10重量部であることが好ましく、0.5〜5重量部であることがより好ましい。0.1重量部以上とすることにより、燃焼性をより効果的に保つことが可能となり、10重量部以下とすることにより、成形品外観および弾性率等の低下をより効果的に防ぎ、かつ、難燃性を十分に保つことが可能となる。
芳香族基含有環状ポリオルガノシロキサンおよび直鎖状ポリオルガノシロキサンを含有するシリコーン化合物(c−1−3)
本発明に使用される、芳香族基含有環状ポリオルガノシロキサンおよび直鎖状ポリオルガノシロキサンを含有するシリコーン化合物(c−1−3)とは、下記一般式(3)の環状ポリオルガノシロキサン単位、および一般式(4)の直鎖状ポリオルガノシロキサン単位を含有し、一般式(3)および一般式(4)の繰り返し単位の合計に対し、一般式(3)の繰り返し単位が5〜95重量%の化合物である。
一般式(3)
Figure 2006030405
一般式(4)
Figure 2006030405
(一般式(3)および一般式(4)中、n1は2以上の整数であり、n2は3以上の整数である。R4は、それぞれ、炭素数6〜20の芳香族基を含有する1価の炭化水素基であり、R5は、それぞれ、炭素数1〜20の1価の脂肪族炭化水素基である。R6およびR7は、それぞれ、水素原子またはトリオルガノシリル基を表す。)
一般式(3)および一般式(4)において、R4で示される炭素数6〜20の芳香族基を含有する1価の炭化水素基としては、アラルキル基、アルキル基で置換された芳香族炭化水素基、および芳香族炭化水素基が好ましい例として挙げられ、芳香族炭化水素基がより好ましい。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチルが好ましく、アルキル基としては、トリル基、キシリル基が好ましく、芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好ましい。特に好ましくはフェニル基である。
また、一般式(3)および一般式(4)において、R5で示される炭素数1〜20の1価の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基が好ましい例として挙げられ、より好ましくはメチル基である。
一般式(3)で示される芳香族基含有環状ポリオルガノシロキサンのn2は特に上限はないが、好ましくは3〜6程度であり、一般式(4)で示される直鎖状ポリオルガノシロキサンは通常n1が10〜10000が好ましく、10〜5000がより好ましい。
芳香族基含有環状ポリオルガノシロキサンおよび直鎖状ポリオルガノシロキサンを含有するシリコーン化合物(c−1−3)は、特開2002−53746号公報等公知の方法で製造することができる。例えば、芳香族含有ジクロロシランR45SiCl2や芳香族含有ジアルコキシシランR45Si(OR')2を、加水分解重合することにより、通常末端がシラノール基である直鎖状ポリオルガノシロキサン(4)と環状ポリオルガノシロキサン(3)の混合物が得られる。なお、R4およびR5は前記一般式(3)におけると同義であり、R'はアルキル基である。
本発明組成物中のシリコーン化合物(c−1−3)の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対して0.5〜10重量部であることが好ましく、0.5〜5重量部であることがより好ましい。0.5重量部以上にすることにより、難燃性をより効果的に保ち、10重量部以下とすることにより、成形品外観および弾性率等の低下をより効果的に防ぎ、また、難燃性もより効果的に保つことができる。
リン酸エステル系難燃剤(c−2)
本発明において使用されるリン酸エステル系難燃剤は、本発明の趣旨を逸脱しない限り特に定めるものではないが、モノリン酸エステルあるいは縮合リン酸エステル等が好ましく、縮合リン酸エステルがより好ましい。
具体的には、下記の一般式(5)で表されるリン系化合物が挙げられる。
一般式(5)
Figure 2006030405
(一般式(5)中、R8、R9、R10およびR11は、それぞれ、炭素数1〜6のアルキル基またはアルキル基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を示し、p、q、rおよびsは、それぞれ0または1であり、mは1〜5の整数であり、Xはアリーレン基を示す。)
上記一般式(5)で表されるリン系化合物は、mが1〜5の縮合リン酸エステルであり、mが異なる縮合リン酸エステルの混合物として使用する場合については、mの値はそれらの混合物の平均値とする。Xはアリーレン基を示し、例えばレゾルシノール、ハイドロキノン、ビスフェノールA等のジヒドロキシ化合物から誘導される基である。上記一般式(5)で表されるリン系化合物の具体例としては、XがビスフェノールAから誘導されたものである場合は、フェニル・ビスフェノール・ポリホスフェート、クレジル・ビスフェノール・ポリホスフェート、フェニル・クレジル・ビスフェノール・ポリホスフェート、キシリル・ビスフェノール・ポリホスフェート、フェニル-P-t-ブチルフェニル・ビスフェノール・ポリホスフェート、フェニル・イソプロピルフェニル・ビスフェノールポリホスフェート、クレジル・キシリル・ビスフェノール・ポリホスフェート、フェニル・イソプロピルフェニル・ジイソプロピルフェニル・ビスフェノールポリホスフェート等が好ましい例として挙げられ、フェニル・ビスフェノールポリホスフェートが好ましい例として挙げられる。
リン酸エステル系難燃剤(c−2)の配合量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、2〜20重量部が好ましく、5〜15重量部がより好ましい。リン系難燃剤の添加量を2重量部以上とすることにより、難燃性をより効果的に保つことができ、20重量部以下とすることにより、機械的物性が低下してしまうのをより効果的に防止できる。
有機酸のアルカリ(土類)金属塩(c−3)
本発明に使用される有機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩(c−3)としては、芳香族ポリカーボネート樹脂に添加した場合、その難燃性を改良することができる金属塩である。具体的には、有機スルホン酸金属塩が好ましく、スルホン酸アルカリ金属塩および/またはスルホン酸アルカリ土類金属塩等がより好ましい。
より具体的にはパーフルオロアルカンスルホン酸金属塩、パーフルオロアルキレンジスルホン酸金属塩、芳香族スルホン酸金属塩が好ましく、パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩、パーフルオロアルキレンジスルホン酸金属塩がより好ましい。
パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩としては、パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩、パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ土類金属塩などが好ましい例として挙げられ、炭素数1〜8のパーフルオロアルカン基を有するスルホン酸アルカリ金属塩、炭素数1〜8のパーフルオロアルカン基を有するスルホン酸アルカリ土類金属塩がより好ましい。
パーフルオロアルカンスルホン酸の具体例としては、パーフルオロメタンスルホン酸、パーフルオロエタンスルホン酸、パーフルオロプロパンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、パーフルオロヘキサンスルホン酸、パーフルオロヘプタンスルホン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸などが好ましい例として挙げられる。
パーフルオロアルキレンジスルホン酸金属塩の具体例としては、下記一般式(6)および一般式(6)が挙げられる。
一般式(6)
Figure 2006030405
一般式(6)中、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を示す。aは、Mがアルカリ金属の場合は2を、Mがアルカリ土類金属の場合は1を示す。bは1〜12の整数であり、好ましくは1〜8である。bの数が12を超えると樹脂組成物との相溶性が悪化する場合があり、そのため成形品の外観が悪化するおそれがある。
一般式(6)で示されるパーフルオロアルカンジスルホン酸金属塩としては、パーフルオロメタンジスルホン酸、パーフルオロエタンジスルホン酸、パーフルオロプロパンジスルホン酸、パーフルオロイソプロパンジスルホン酸、パーフルオロブタンジスルホン酸、パーフルオロペンタンジスルホン酸、パーフルオロヘキサンジスルホン酸、パーフルオロヘプタンジスルホン酸、パーフルオロオクタンジスルホン酸等の塩が好ましい例として挙げられ、パーフルオロプロパンジスルホン酸またはパーフルオロブタンジスルホン酸の塩が芳香族ポリカーボネート樹脂との相溶性および難燃性付与の点からより好ましい。
一般式(7)
Figure 2006030405
一般式(7)中、R12は炭素数4〜7個のパーフルオロシクロアルキル基で置換されていても良い、総炭素数2〜12の直鎖状または分岐状パーフルオロアルキレン基を示し、M’はアルカリ金属またはアルカリ土類金属を示す。cはM’の価数である。
一般式(7)で示される難燃性化合物としては、パーフルオロエタンジスルホン酸イミド、パーフルオロプロパンジスルホン酸イミド、パーフルオロブタンジスルホン酸イミド、パーフルオロペンタンジスルホン酸イミド、パーフルオロヘキサンジスルホン酸イミド等の塩が好ましい例として挙げられ、パーフルオロプロパンジスルホン酸イミドまたはパーフルオロブタンジスルホン酸イミドの塩が芳香族ポリカーボネート樹脂との相溶性および難燃性付与の点からより好ましい。
芳香族スルホン酸金属塩としては、芳香族スルホンスルホン酸アルカリ金属塩、芳香族スルホンスルホン酸アルカリ土類金属塩などが好ましい例として挙げられ、これらは重合体であってもよい。
芳香族スルホンスルホン酸金属塩としては、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のカリウム塩、4・4’−ジブロモジフェニル−スルホン−3−スルホンのナトリウム塩、4・4’−ジブロモジフェニル−スルホン−3−スルホンのカリウム塩、4−クロロ−4’−ニトロジフェニルスルホン−3ースルホン酸のカルシウム塩、ジフェニルスルホン−3・3’−ジスルホン酸のジナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3・3’−ジスルホン酸のジカリウム塩などが好ましい例として挙げられる。
有機スルホン酸金属塩の金属としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属などが好ましい例として挙げられる。アルカリ金属およびアルカリ土類金属としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムなどが好ましい例として挙げられ、アルカリ金属塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウムの塩が、また、アルカリ土類金属塩としてはマグネシウム、カルシウムの塩が、芳香族ポリカーボネート樹脂との相溶性および難燃性付与の点からより好ましい。有機スルホン酸金属塩は、2種以上の混合物であってもよい。
有機スルホン酸金属塩の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対し、0.001〜5重量部が好ましく、0.001〜2重量部がより好ましく、0.01〜0.1重量部がさらに好ましい。有機スルホン酸金属塩の配合量を0.01重量部以上とすることにより、難燃性をより効果的に保つことが可能となり、2重量部以下とすることにより、熱安定性をより向上させることができる。
ハロゲン系難燃剤としては、ハロゲン化エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノキシ樹脂、ハロゲン化ポリカーボネート樹脂およびそれらのオリゴマー等が好ましく、ハロゲン化ポリカーボネートオリゴマーがより好ましい。
さらに、本発明の光反射材には、これら難燃剤に加え、難燃化効率をより向上させる観点から、難燃助剤を用いても良い。難燃助剤としては、酸化アンチモン、シリカ等が好ましい例として挙げられる。特に、シリコーン系難燃剤(c−1)と併用するにはシリカが好ましく、ハロゲン系難燃剤と併用するには酸化アンチモンが好ましい。
難燃剤の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対し、通常0.1〜3重量部程度である。
ポリテトラフルオロエチレン(d)
本発明における芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、ポリテトラフルオロエチレン(d)を含有していてもよい。
ポリテトラフルオロエチレン(d)は、フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンが好ましい。フィブリル形成能とは、例えば、重合体中に容易に分散し、かつ重合体同士を結合して繊維状構造を作る性質を有するものをいう。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンはASTM規格でタイプ3に分類される。具体的には、例えば、市販品を採用することができ、三井・デュポンフロロケミカル(株)製「テフロン(登録商標)(R)6J」、あるいは、ダイキン化学工業(株)製「ポリフロン」等の粉末系のもの、三井デュポンフロロケミカル(株)製「テフロン(R)30J」、あるいは、ダイキン化学工業(株)製「フルオンD−1」等の水性分散液系のもの、三菱レイヨン(株)製「メタブレンA−3800」等のビニル系単量体を重合してなる多層構造系等が好ましい例として挙げられる。
なお、本発明のポリテトラフルオロエチレン(d)として、一般的には、コスト面から粉末系が好ましく用いられるが、より外観の良好な成形品を得るために、高い分散性を求める場合には、水系分散液系あるいは多層構造系のものが好ましい。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物中のポリテトラフルオロエチレン(d)の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対し、好ましくは0.01〜1重量部、より好ましくは0.02〜0.8重量部、さらに好ましくは0.05〜0.6重量部である。0.01重量部以上とすることにより難燃性をより効果的に保つことができ、1重量部以下とすることにより、成形品外観が低下してしまうのをより効果的に防止することができる。
紫外線吸収剤(e)
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に使用される紫外線吸収剤は、熱重量分析における5%減量温度が300℃以上であれば特に制限はなく、公知のものを広く採用することができる。例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾオキサジン系、サリチル酸フェニル系、ヒンダードアミン系等が好ましい。これらのうち、熱安定性の点から、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。
5%減量温度が300℃以上である紫外線吸収剤(e)を使用することにより、射出成形時あるいは押出整形時の不良現象、例えばモールドデポジット、シルバーストリークス、ロール汚れなどを抑制し、かつ成形品の使用時の耐光性を向上させることもできる。
紫外線吸収剤の熱特性評価方法(熱重量分析における5%減量温度測定方法)は、熱天秤において、10℃/分の昇温速度で化合物を加熱し、その重量が5%減量するときの温度を測定する。
5%減量温度が300℃以上である紫外線吸収剤を配合することにより、射出成形時或いは押出成形時の不良現象、たとえばモールドデポジット、シルバーストリークス、ロール汚れ等を抑制し、成形品の使用時の耐光性を向上させることができるため好ましい。
減量温度の評価方法は、熱天秤において、10℃/分の昇温速度で温度を変化させ、化合物(紫外線吸収剤)の重量が5%減少するときの温度とする。
このような熱特性を有する例として、例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば下記一般式(I)で表される二量体が挙げられる。
一般式(I)
Figure 2006030405
一般式(I)中、R31及びR32は炭素数2〜20のアルキル基(より好ましくは、炭素数2〜12のアルキル基)を示す。
具体的には、下記化合物が特に好ましい。
Figure 2006030405
また、下記構造式で表されるベンゾオキサジン系紫外線吸収剤も、好適に使用できる。
Figure 2006030405
本発明の性能を損なわない範囲で、上記以外に紫外線の保有するエネルギーを、分子内で振動エネルギーに変換し、その振動エネルギーを、熱エネルギー等として放出する機能を有する化合物を含有していてもよい。さらに、酸化防止剤あるいは着色剤等との併用で効果を発現するもの、あるいはクエンチャーと呼ばれる、光エネルギー変換剤的に作用する光安定剤等も併用することができる。
本発明組成物中の紫外線吸収剤の配合量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対し、0.01〜2重量部であり、好ましくは0.05〜1.8重量部であり、さらに好ましくは0.1〜1.5重量部である。
紫外線吸収剤が0.01重量部未満であると耐侯性が不十分となるおそれがあり、2重量部を越えると黄味が強くなるので調色性に劣る傾向があり、またブリードアウトの原因にもなりやすい。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、上記(a)〜(e)成分以外に、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で蛍光増白剤、衝撃改良剤、酸化防止剤、前述(e)以外の紫外線吸収剤等の安定剤、顔料、染料、滑剤、離型剤、摺動性改良剤等の添加剤、ガラス繊維、ガラスフレーク等の強化材あるいはチタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム等のウィスカー、芳香族ポリカーボネート樹脂以外の熱可塑性樹脂を配合することができる。
蛍光増白剤は、成形品を明るく見せるため、成形品に加えられる顔料あるいは染料であり、成形品の黄色味を消し、明るさを増加させる添加剤であるため、光反射特性の向上に効果的である。本発明で採用する蛍光増白剤としては、クマリン系、ナフトトリアゾリルスチルベン系、ベンズオキサゾール系、ベンズイミダゾール系、およびジアミノスチルベン-ジスルホネート系等が好ましい例として挙げられ、クマリン系およびベンズイミダゾール系がより好ましく、クマリン系がさらに好ましい。
具体的には、市販品である、ハッコールケミカル(株)製「ハッコール PSR」、ヘキストAG製「HOSTALUX KCB」、住友化学(株)製「WHITEFLOUR PSN CONC」等が挙げられる。
蛍光増白剤の配合量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対し、0.005〜0.1重量部の範囲が好ましい。0.005重量部以上とすることにより、成形品の黄色味を消し、明るさを増加させるという機能が十分に発揮されないおそれがあり、また0.1重量部を超えると本樹脂組成物の熱安定性を低下させる場合がある。
芳香族ポリカーボネート樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、HIPS樹脂あるいはABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂が好ましい例として挙げられる。芳香族ポリカーボネート樹脂以外の熱可塑性樹脂の配合量は、好ましくは、芳香族ポリカーボネート樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂以外の熱可塑性樹脂との合計量の40重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましい。
本発明における芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法は、特に制限されるものではなく、例えば、芳香族ポリカーボネート樹脂(a)、酸化チタン(b)、紫外線吸収剤(e)、必要に応じて難燃剤(c)やポリテトラフルオロエチレン(d)など、さらに必要により配合される蛍光増白剤等の添加剤などを一括溶融混練する方法;芳香族ポリカーボネート樹脂(a)と酸化チタン(b)、紫外線吸収剤(e)、(含有させる場合には)難燃剤(c)をあらかじめ混練後、(含有させる場合には)ポリテトラフルオロエチレン(d)、および必要により含有させる蛍光増白剤等を配合し溶融混練する方法;芳香族ポリカーボネート樹脂(a)と(含有させる場合には)難燃剤(c)を予め混合後、酸化チタン(b)、紫外線吸収剤(e)、(含有させる場合には)ポリテトラフルオロエチレン(d)、および必要により含有させる蛍光増白剤等を配合し、溶融混練する方法;などが挙げられる。
本発明の光反射材は、上記芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を押出成形または射出形成することにより製造されることが好ましい。射出成形の場合、成形の温度は、好ましくは280℃以上で、より好ましくは、300℃以上で、さらに好ましくは、300〜340℃である。一方、押出成形の場合は、ダイス温度240〜270℃程度(好ましくは250〜260℃程度)、ロール温度125〜175℃程度(好ましくは145〜175℃程度)である。
押出成形の場合、上述の方法等で調製した芳香族ポリカーボネート樹脂組成物をペレット化した後、シートを押出成形する方法、上述の方法等で調製した芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を溶融混練と同時に(ペレット化することなく)押出成形する方法等が好ましい例として挙げられる。
より好ましくは、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物をペレット化した後、シートを押出成形する方法であり、さらに好ましくは、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を予め二軸押出機によりペレット化した後、押出成形を行いシート化する方法である。このような方法を採用することにより、酸化チタンの分散性がより改善され、より良好な外観の成形品が得られる。
一方、混練とシート化を一括で実施する場合は、超臨界押出成形法を利用するのが好ましい。このような方法を採用することにより、酸化チタンの分散性がより改善され、より良好な反射特性の成形品が得られる。
また、射出成形の場合は、上述の方法などで調製した芳香族ポリカーボネート樹脂組成物をペレット化した後で射出成形に供する方法、または上述の方法などで調製した芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を溶融混練と同時に(ペレット化することなく)射出成形する方法などが挙げられる。
射出成形は、光反射板や光反射枠などのように、形状が複雑で押出成形では製造が困難な成形品の場合に好ましく、また押出成形は、光反射シートなどのように、薄肉で肉厚が均一な形状の成形品に適している。
さらに、本発明に係る光反射材は、押出成形などにより得られた光反射シートを、さらに成形することにより得られるものであっても良い。本発明における前記ポリカーボネート樹脂組成物を用いた光反射シートは熱成形性を有し、特定の熱成形条件により、例えば光源の本数や形状に合わせた反射面を有する光反射材を製造することが出来る。
本発明の熱成形法は特に限定されないが、プレス成形、真空成形、真空圧空成形、熱板成形、波板成形等を用いることが出来る。
光反射シートの熱成形によって得られる成形品に、特に制限はないが、例えば前述したように、光源の本数や形状に合わせた反射面を有する光反射板や、光反射枠(通常、液晶表示装置の光もれを防ぐものため、外枠部分に設置するもの)など、光反射機能が求められる様々な形状の成形品が挙げられる。
さらに、本発明の光反射材は、上述した光反射シートに、その反射特性を大きく阻害しない範囲で、他の材料を積層してなる積層体であってもよい。例えば、光反射面に、帯電防止剤や耐光剤等を含む、透明ポリカーボネート層やアクリル樹脂層を積層したり、光反射面の裏面に、薄肉のアルミ等の金属層や、アルミ等を含む塗料を用いてなる塗布層などの光遮蔽材や、構造補強のための層を設けることが出来る。熱拡散のために、アルミ箔等の金属層を設けても良い。
本発明の光反射材は、可視光波長領域における光反射率と光線遮光性に優れている。具体的には、例えば波長500nmにおいて、光反射率が95%以上と高い値を示す。従って、本発明の光反射材は、光反射板や光反射シート、光反射枠などとして採用することができる。
本発明の反射板用成形品は、光反射率に優れており、例えば、液晶表示装置のバックライト用光線反射板、光反射枠、電気・電子機器、広告灯などの照明用装置、自動車用メーターパネルなどの自動車用機器など反射板として有用である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
(1)(a)芳香族ポリカーボネート樹脂(PC)
ポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニルカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)、ユーピロンS−3000、粘度平均分子量21,000)を採用した。
(2)(b)酸化チタン
無機処理無しの酸化チタン(デュポン(株)製「R−104」)を3%のハイドロジェンポリシロキサン(有機処理剤)を配合し、スーパーミキサーにて、攪拌しながら温度を140℃まで上昇させ、1時間保持した後、温度を下げて取り出してハイドロジェンシロキサン処理酸化チタンを得た。
(3)(e)紫外線吸収剤
(UV−1) 下記構造式で表されるベンゾトリアゾール系化合物を採用した。
熱天秤において10℃/分の温速度で昇温した時のTGA5%減量温度は369℃であった。ここで、TGAとは、熱重量分析である。
Figure 2006030405
(UV−2) 2−(2‘−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール(シプロ化成(株)製、シーソーブ709)を採用した。
熱天秤において10℃/分の温速度で昇温した時の5%減量温度は248℃であった。
(4)(c)難燃剤
(c−1−1)シリコーン1
60000cStの粘度を有するポリジメチルシロキサンをシリカに担持した粉末(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、トレフィルF202、ポリジメチルシロキサン含有量 60重量%)を採用した。
(c−1−2)シリコーン2
主鎖が分岐構造を有し、ケイ素原子に結合するフェニル基含有シリコーン化合物(信越化学(株)製、X−40−9805)を採用した。
(c−2)リン酸エステル
レゾルシンジキシリルホスフェート(旭電化工業(株)製、FP500)を採用した。
(5)蛍光増白剤
3−フェニル−7−(2H−ナフト(1,2−d)−トリアゾール−2−イル)クマリン、(ハッコールケミカル(株)製、ハッコール PSR)を採用した。
(6)(d)ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
ポリテトラフルオロエチレン、(ダイキン(株)製、ポリフロンF−201L)を採用した。
(7)安定剤
(I)ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト(旭電化(株)製、PEP−36)、及び(II)ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)](チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、Irgnox1010)の混合物を採用した。
添加量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、(I)0.07重量部、(II)0.18重量部とした。
(8)離型剤
ステアリン酸(日本油脂(株)製、NAA180)及びペンタエリスリトールジステアレート(日本油脂(株)製、H−476D)を採用した。
添加量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、(I)0.07重量部、(II)0.07重量部とした。
樹脂組成物は下記の方法で試験、評価した。
(1)外観:厚み2mmの角板を、試験片として、名機製作所製M150A成形機にて、シリンダー温度300℃、金型温度80℃で射出成形した。得られた成形品につき、外観(シルバーストリークスの有無)を目視にて判定した。「○」が良好、「△」がやや良好、「×」が、シルバーストリークスが発生しており不良であることを意味する。
なお、該試験片を通常成形条件(成形サイクル45秒)で1000ショット成形後の金型につき、付着物の有無を目視判定した。金型付着物は「○」が付着物なし、「×」が付着物ありを表す。
(2)光反射率:成形品厚み2mmの角板を試験片として、波長500nmでの光反射率を測定した。具体的には、島津製作所製可視紫外分光光度計UV−3100PCにて測定した。
(3)燃焼性:1.6mm厚みのUL−94規格の試験片を成形し、垂直燃焼試験を行い、評価した。
実施例1
表1に示すとおり、芳香族ポリカーボネート樹脂(a)(PC)100重量部に対し、酸化チタンを14重量部、UV−1を0.35重量部、安定剤0.25重量部、離型剤0.14重量部を配合し、タンブラーにて20分混合後、30mm二軸押出機にてシリンダー温度270℃で溶融、混練、押出ししてペレット化した。得られたペレットを用い、シリンダー温度300℃にて、各種試験片を成形し、評価を行った。評価結果を表2に示した。
実施例2〜5及び比較例1〜3
表1に示す処方で原料を配合する以外は実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂組成物ペレットを製造し、実施例1と同様にして試験片を成形し、評価した。結果を表2に示した。
Figure 2006030405
Figure 2006030405
表2から明らかなように、5%減量温度が300℃以上の紫外線吸収剤を添加することにより、成形品外観も良好で光反射率も500nmで95%と高く、これらの効果は各種難燃剤を添加しても、その安定性は変わらず良好な反射特性を示す事がわかった。
本発明の光反射材、特に、光反射板や光反射シートは、光反射率に優れており、例えば、液晶表示装置のバックライト用光線反射板または光反射シート、ならびに、電気・電子機器、広告灯などの照明用装置、自動車用メーターパネルなどの自動車用機器などの光線反射板または光反射シートとして有用である。

Claims (18)

  1. 芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対し、酸化チタン(b)3〜70重量部、熱重量分析における5%減量温度が300℃以上である紫外線吸収剤(e)0.01〜2重量部を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を成形して成る光反射材。
  2. 前記紫外線吸収剤(e)が、下記一般式(I)で表されるベンゾトリアゾール系化合物である、請求項1に記載の光反射材。
    一般式(I)
    Figure 2006030405
    (一般式(I)式中、R11およびR12は各々独立に、炭素数2〜20のアルキル基を表す。)
  3. 前記酸化チタン(b)が、該酸化チタンに対して0〜2重量%の無機処理剤で表面処理されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の光反射材。
  4. 前記酸化チタン(b)が、さらに、有機処理剤にて表面処理されてなる、請求項3に記載の光反射材。
  5. 前記芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、さらに芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対し、難燃剤(c)を、30重量部以下含有している、請求項1〜4のいずれかに記載の光反射材。
  6. 前記難燃剤(c)が、シリコーン系難燃剤(c−1)、リン酸エステル系難燃剤(c−2)および有機酸のアルカリ(土類)金属塩(c−3)から選択された少なくとも一種である、請求項5に記載の光反射材。
  7. 前記シリコーン系難燃剤(c−1)が、シリカ粉末の表面にポリオルガノシロキサンを担時させてなる粉末シリコーン(c−1−1)である、請求項6に記載の光反射材。
  8. 前記シリコーン系難燃剤(c−1)が、主鎖が分岐構造を有し、かつケイ素原子に結合する芳香族基を有する分岐シリコーン樹脂(c−1−2)である、請求項6に記載の光反射材。
  9. 前記芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、前記シリコーン系難燃剤(c−1)を、前記芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対し0.5〜10重量部含有する、請求項6〜8のいずれかに記載の光反射材。
  10. 前記芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、前記リン酸エステル系難燃剤(c−2)を、前記芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対し2〜20重量部含有する、請求項6〜9のいずれかに記載の光反射材。
  11. 前記有機酸のアルカリ(土類)金属塩(c−3)が、有機スルホン酸金属塩である、請求項6〜10のいずれかに記載の光反射材。
  12. 前記芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、ポリテトラフルオロエチレン(d)を、芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対し0.01〜1重量部含有する、請求項5〜11のいずれかに記載の光反射材。
  13. 前記ポリテトラフルオロエチレン(d)が、フィブリル形成能を有するものである、請求項12に記載の光反射材。
  14. 光反射材が、光反射板、光反射シート、または光反射枠である請求項1〜13のいずれかに記載の光反射材。
  15. 押出成形または射出成形により成形された、請求項1〜14のいずれかに記載の光反射材。
  16. 押出成形されてなる光反射シートである、請求項1〜13のいずれかに記載の光反射材。
  17. 請求項16に記載の光反射シートを熱形成して得られる成形品。
  18. 前記成形品が、光反射板または光反射枠である、請求項17に記載の成形品。
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