JP2008189804A - ポリカーボネート樹脂組成物およびこれを成形してなる導光板、並びに光拡散性部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 優れた耐光性、全光線透過率、光拡散性、熱安定性を有するポリカーボネート樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いた各種照明用カバー、照明看板、光透過型スクリーン、各種ディスプレイ、液晶表示装置の光拡散シート等の光拡散性部品を提供する。
【解決手段】 ポリカーボネート樹脂(A)と、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(B)からなり、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(B)の含有量が1〜1000ppmであることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 ポリカーボネート樹脂(A)と、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(B)からなり、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(B)の含有量が1〜1000ppmであることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物及びこれを成形してなる樹脂成形体、具体的には導光板、光拡散板に関する。詳しくは、ポリカーボネート樹脂本来の特性を維持しつつ、優れた耐光性、全光線透過率や光拡散性等の光学特性、そして熱安定性を有する、ポリカーボネート樹脂組成物、及び樹脂成形体に関する。
ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性、耐熱性、透明性に優れた熱可塑性樹脂として幅広い用途があり、さらに、無機ガラスに比べて軽量であり、生産性にも優れているので、液晶表示装置等の導光板や光拡散板の他、各種照明カバー、照明看板、光透過型スクリーン等の光拡散板等に使用されている。
導光板用途は、ポリカーボネート樹脂の透明性を生かした用途であり、また光拡散板用途は、ポリカーボネート樹脂に光拡散性を付与するために、従来から様々な光拡散性粒子を添加した技術が提案されている。
一般的にポリカーボネート樹脂は、無機フィラー等を配合すると耐衝撃性、全光線透過率、そして耐光性等が低下する。そして有機高分子系微粒子を配合した場合には耐光性や熱安定性が低下する。この様な諸物性の低下により、ポリカーボネート樹脂成形体は着色の発生や機械強度の低下が生じ、実用に支障が発生するという問題があった。
特に近年、各種表示装置が大型化し、画像に対する鮮明性の要求が高まるにつれて光源の輝度や光量の増加が著しくなり、導光板や光拡散板に対する、光や熱による変色や機械的強度低下の抑制、つまり耐候性や色相安定性が強く求められてきている。
これに対し、ポリカーボネート樹脂の耐光性を向上させる為に、各種紫外線吸収剤を添加する方法が提案されている。例えば、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤5重量部〜25重量部、クマリン化合物およびナフタルイミド化合物のうち1種または2種のものからなる蛍光増白剤0.1〜10重量部を含有してなる樹脂組成物が挙げられる(例えば特許文献1参照)。
しかし紫外線吸収剤及び蛍光増白剤の含有率が高い為に、溶融混練時のガス発生や、樹脂成形体の使用中に紫外線吸収剤がブリードアウトして外観不良が生じるなど、実用性に乏しいという問題があった。
またポリカーボネート樹脂に特定径のビーズ状架橋アクリル樹脂と蛍光増白剤を特定量配合してなる面発光性ポリカーボネート樹脂組成物(例えば特許文献2参照)、ポリカーボネート樹脂、高分子微粒子系光拡散剤、特定のトリアジン系紫外線吸収剤からなる導光板が提案されている(例えば特許文献3参照)。しかしこれらも、耐光性が不十分であり、黄変し易い為に、実用性に乏しという問題があった。
一方で、光拡散板としては、芳香族ポリカーボネート樹脂に炭酸カルシウム、ガラス短繊維、ホスファイト、ホスフェート化合物及びフェノール系酸化防止剤を配合し、さらに任意成分として蛍光増白剤や紫外線吸収剤を配合した樹脂組成物が提案されている(例えば特許文献4参照)。
またポリカーボネート樹脂に、平均粒径1〜30μの透明微粒子、蛍光増白剤、及び任意成分として紫外線吸収剤を配合した樹脂組成物より形成された厚み0.5〜3.0mmのポリカーボネート樹脂製直下型バックライト用光拡散板が提案されている(例えば特許文献5参照)。しかしこれら何れの樹脂成形体においても耐光性は未だ不十分であった。
そしてポリカーボネート樹脂および平均粒径0.1〜50μmの光拡散剤からなる厚み0.3〜10mmのポリカーボネート樹脂製シートの少なくとも一方の面に、紫外線吸収剤含有樹脂被覆層を積層したポリカーボネート樹脂製直下型バックライト用光拡散板も提案されている(例えば特許文献6参照)。しかし被覆層剥離や、工業的規模での生産が困難であるという問題があった。
蛍光増白剤としてベンゾオキサゾールを用いる技術としては、酸化チタン、及びベンゾオキサゾール誘導体を含む光反射性樹脂組成物が提案されている(例えば特許文献7参照)。しかしポリカーボネート樹脂の透明性を生かした導光板や光拡散板についての課題等の記載はなく、またベンゾオキサゾール誘導体として挙げられているスチルベンベンゾオキサゾール誘導体は、ベンゾオキサゾール環が無置換か、一方の環のみ置換基を有するものか、或いは炭素数4以上の置換値を有するもののみが記載されているに過ぎなかった。
更には、スチルベンベンゾオキサゾール誘導体として特定構造の4,4’−ビス(ベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン類を用いることで、樹脂成分への練り込みを改善する方法が提案されている(例えば特許文献8参照)。そしてこの4,4’−ビス(ベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン類として、両方のスチルベン骨格に置換基を有するものは、この様な改善効果がないとされていた。
更に特許文献8に記載の樹脂成形体は、完全な不透明系であり、その白度にのみ注目したものであった。また樹脂成分としては、ポリオレフィン樹脂や塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられているのみであり、ポリカーボネート樹脂等の、エンジニアリングプラスチックス類での挙動は全く不明であり、また導光板や光拡散板における課題などは、示唆すらされていなかった。
本発明の目的は、ポリカーボネート樹脂本来の特性である透明性を維持し、高い全光透過率を示し、且つ優れた耐光性、色相、そして熱安定性を有する、ポリカーボネート樹脂組成物、及びこれを成形してなる樹脂成形体、具体的には導光板や光拡散板等を提供することにある。
具体的には、各種ディスプレイ、液晶表示装置等の情報表示装置等の表示部材部品である、光拡散板や導光板等、そして各種照明用カバー、照明看板、光透過型スクリーン等の光拡散板部品を提供することにある。
本発明者らは上記問題を解決するため、ポリカーボネート樹脂組成物について鋭意検討した。そして蛍光増白剤としてスチルベンベンゾオキサゾール誘導体に着目した。その結果、二つのベンゾオキサゾール環双方のフェニル縮合環部分に、炭素数の少ない炭化水素置換基を有する化合物、具体的には4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベンは、意外にも、ポリカーボネート樹脂への練り込みが良好であることを見出した。
そして得られるポリカーボネート樹脂組成物は全光線透過率に優れ、耐熱性、色相、そして熱安定性にも優れたものとなり、更に光拡散微粒子を含有させることで優れた光拡散性を奏することをも見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明の要旨は、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベンを1〜1000ppm含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物に関する。また本発明の今ひとつの要旨は、このポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる導光板に関する。また別の本発明の要旨は、更に光拡散性微粒子を含有したポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる光拡散板に関する。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、優れた耐光性、全光線透過率、光拡散性及び熱安定性を有するので、導光板の他、各種照明用カバー、照明看板、光透過型スクリーン、信号機レンズ及びレンズカバー、各種ディスプレイ、液晶表示装置の光拡散シート等の光拡散板として幅広く使用できる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。尚、各種化合物が有する「基」は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、置換基を有していてもよいことを意味する。
芳香族ポリカーボネート樹脂(A)
本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂は、具体的には例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを、又はこれらに併せて少量のポリヒドロキシ化合物等を反応させてなる、直鎖または分岐の熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体、又は共重合体である。
本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂は、具体的には例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを、又はこれらに併せて少量のポリヒドロキシ化合物等を反応させてなる、直鎖または分岐の熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体、又は共重合体である。
本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂は、特に限定されるものではなく、従来公知の任意のものを使用できる。またその製造方法も任意であり、従来公知の任意の方法を採用できる。具体的には例えば、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマ−の固相エステル交換法等を挙げることができる。
これらポリカーボネート樹脂の製造方法において原料として使用される芳香族ジヒドロキシ化合物としては、具体的には例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノ−ルA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブロモビスフェノ−ルA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1−トリクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシアリ−ル)アルカン類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリ−ル)シクロアルカン類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノ−ル類;
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエ−テル等のジヒドロキシジアリ−ルエ−テル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリ−ルスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリ−ルスルホキシド類;
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリ−ルスルホン類;ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。
これらの中でもビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、特に耐衝撃性の点から2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[=ビスフェノ−ルA]が好ましい。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、一種または任意の割合で二種以上を併用してもよい。
芳香族ジヒドロキシ化合物と反応させるカーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カーボネートエステル、ハロホルメ−ト等が使用される。具体的には例えば、ホスゲン;ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリ−ルカーボネート類;
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;二価フェノ−ルのジハロホルメ−ト等が挙げられる。これらのカーボネート前駆体もまた、一種または任意の割合で二種以上を併用してもよい。
次に、本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法について説明する。芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法のうち、まず界面重合法について説明する。この製造方法における重合反応は、反応に不活性な有機溶媒、及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、芳香族ジヒドロキシ化合物と、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)および芳香族ジヒドロキシ化合物の酸化防止のための酸化防止剤を用い、ホスゲンと反応させた後、第三級アミンまたは第四級アンモニウム塩等の重合触媒を添加し、界面重合を行うことによってポリカーボネートを得る。
分子量調節剤の添加はホスゲン化時から重合反応開始時までの間であれば特に限定されない。なお、反応温度は、例えば、0〜40℃で、反応時間は、例えば、数分(例えば、10分)〜数時間(例えば、6時間)である。
反応に不活性な有機溶媒としては、具体的には例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素等;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等;が挙げられる。またアルカリ水溶液に用いられるアルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物が挙げられる。
分子量調節剤としては、例えば一価のフェノ−ル性水酸基を有する化合物が挙げられ、具体的には、m−メチルフェノ−ル、p−メチルフェノ−ル、m−プロピルフェノ−ル、p−プロピルフェノ−ル、p−tert−ブチルフェノ−ル、及びp−長鎖アルキル置換フェノ−ル等が挙げられる。分子量調節剤の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物100モルに対して50〜0.5モルであることが好ましく、中でも30〜1モルであることが好ましい。
重合触媒としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリヘキシルアミン、ピリジン等の第三級アミン類;トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等;が挙げられる。
次に溶融エステル交換法について説明する。この製造方法における重合反応は、例えば、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応である。炭酸ジエステルとしては、具体的には例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物、ジフェニルカーボネートおよびジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネート等が挙げられる。炭酸ジエステルは、中でもジフェニルカーボネートまたは置換ジフェニルカーボネートであることが好ましく、特にジフェニルカーボネートが好ましい。
また本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂は、その末端水酸基量が熱安定性、加水分解安定性、色調等に大きな影響を及ぼすので、従来公知の任意の方法によって適宜調整してもよい。溶融エステル交換反応においては、通常、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物との混合比率や、エステル交換反応時の減圧度を調整して、所望の分子量および末端水酸基量を調整した芳香族ポリカーボネートを得ることができる。
通常、溶融エステル交換反応においては、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して炭酸ジエステルを等モル量以上、中でも1.01〜1.30モル用いることが好ましい。また、より積極的な調整方法としては、反応時に別途、末端停止剤を添加する方法が挙げられる。末端停止剤としては、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類が挙げられる。
溶融エステル交換法によりポリカーボネートを製造する際には、通常、エステル交換触媒が使用される。エステル交換触媒は従来公知の任意のものを使用でき、具体的には例えば、アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物が好ましい。また補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物またはアミン系化合物などの塩基性化合物を併用してもよい。
上記原料を用いたエステル交換反応は、通常、100〜320℃の温度で反応を行い、最終的には2mmHg以下の減圧下、芳香族ヒドロキシ化合物等の副生成物を除去しながら溶融重縮合反応を行えばよい。
溶融重縮合は、バッチ式、連続式の何れの方法でも行うことができる。中でも、本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂や、本発明の樹脂組成物の安定性等を考慮すると、連続式で行うことが好ましい。溶融エステル交換法に用いる触媒失活剤としては、該エステル交換反応触媒を中和する化合物、例えばイオウ含有酸性化合物またはそれより形成される誘導体を使用することが好ましい。
この様な、触媒を中和する化合物の添加量は、該触媒が含有するアルカリ金属に対して0.5〜10当量、中でも1〜5当量であることが好ましく、更にはポリカーボネートに対して、1〜100ppm、中でも1〜20ppmであることが好ましい。
本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、溶液粘度から換算した粘度平均分子量[Mv]で、10000〜40000、更には10000〜30000のものが好ましい。この様に、粘度平均分子量を10000以上とすることで機械的強度がより向上する傾向にあり、機械的強度の要求の高い用途に用いる場合により好ましいものとなる。一方、40000以下とすることで流動性低下を、より抑制し改善する傾向にあり、成形加工性容易の観点からより好ましい。
粘度平均分子量は中でも、10000〜22000、更には12000〜22000、特に14000〜20000であることが好ましい。また粘度平均分子量の異なる2種類以上の芳香族ポリカーボネート樹脂を混合してもよく、この際には、粘度平均分子量が上記好適範囲外である芳香族ポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
ここで粘度平均分子量[Mv]とは、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度20℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式、すなわち、η=1.23×10−4M0.83、から算出される値を意味する。また極限粘度[η]とは、各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出した値である。
本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂として、分岐ポリカーボネートを用いる際、その製造方法は特に制限はなく、従来公知の任意の製造方法を用いることが出来る。具体的には例えば、特開平8−259687号公報、特開平8−245782号公報等に記載の様に、溶融法(エステル交換法)により芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸のジエステルとを反応させる際、触媒の条件または製造条件を選択することにより、分岐剤を添加することなく、構造粘性指数が高く、加水分解安定性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂を得ることができる。
また他の方法として、上述の芳香族ポリカーボネート樹脂の原料である、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体の他に、三官能以上の多官能性芳香族化合物を用い、ホスゲン法、又は溶融法(エステル交換法)にて、これらを共重合する方法が挙げられる。
三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、具体的には例えば、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)べンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のポリヒドロキシ化合物類;
3,3−ビス(4−ヒドロキシアリ−ル)オキシインド−ル(=イサチンビスフェノ−ル)、5−クロロイサチン、5,7−ジクロロイサチン、5−ブロムイサチン等が挙げられる。中でも1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。
多官能性芳香族化合物は、前記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部を置換して使用することができ、その使用量は芳香族ジヒドロキシ化合物に対して0.01〜10モル%、中でも0.1〜3モル%であることが好ましい。
溶融法(エステル交換法)によって得られた芳香族ポリカーボネート樹脂に含まれる分岐構造は、具体的には例えば、以下の一般式(1)〜(4)の構造が挙げられる。
本発明に用いる分岐芳香族ポリカーボネート樹脂は、通常、構造粘性指数Nが1.2以上である。この様な分岐芳香族ポリカーボネート樹脂を用いると、滴下防止効果、とりわけ火のついた溶融樹脂の滴下防止効果が向上するので好ましい。ここで構造粘性指数Nとは、例えば公知文献(小野木重治著「化学者のためのレオロジー」;15〜16頁)等に記載の値である。
本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂の末端水酸基濃度は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、通常、1000ppm以下であり、中でも800ppm以下、特に600ppm以下であることが好ましい。またその下限は、特にエステル交換法で製造する芳香族ポリカーボネート樹脂では10ppm以上、中でも30ppm以上、特に40ppm以上であることが好ましい。
末端水酸基濃度を10ppm以上とすることで、分子量低下を抑制し、樹脂組成物の機械的特性が、より向上する傾向にあるので好ましい。また末端基水酸基濃度を1000ppm以下にすることで、樹脂組成物の滞留熱安定性や色調がより向上する傾向にあるので好ましい。
尚、末端水酸基濃度の単位は、芳香族ポリカーボネート樹脂重量に対する、末端水酸基の重量をppmで表示したものであり、測定方法は、四塩化チタン/酢酸法による比色定量(Macromol.Chem.88 215(1965)に記載の方法)である。
本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネート樹脂単独(ポリカーボネート樹脂単独とは、ポリカーボネート樹脂の1種のみを含む態様に限定されず、例えば、モノマー組成や分子量が互いに異なる複数種のポリカーボネート樹脂を含む態様を含む意味で用いる。)や、ポリカーボネート樹脂と他の熱可塑性樹脂(以下、単に「他の樹脂」ということがある。)とのアロイ(混合物)の他、例えば、本発明の目的である難燃性を更に高める目的で、シロキサン構造を有するオリゴマーまたはポリマーとの共重合体等の、ポリカーボネート樹脂を主体とする共重合体をも含むものである。
他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリスチレン樹脂、高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリメタクリレート樹脂等が挙げられ、これらは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、成形品外観の向上や流動性の向上を図るため、本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族ポリカーボネートリゴマーを含有していてもよい。この芳香族ポリカーボネートリゴマーの粘度平均分子量[Mv]は、通常1500〜9500、中でも1500〜8000、特に2000〜7000であることが好ましい。芳香族ポリカーボネートリゴマーは、芳香族ポリカーボネート樹脂の30重量%以下とすることが好ましい。
芳香族ポリカーボネート樹脂の、アロイや共重合体においては、本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対する他の熱可塑性樹脂(共重合体の場合にはそのブロック部分)の含有量が、100重量部以下、中でも70重量部以下、更には60重量部以下、特に50重両部以下であることが好ましい。
更に本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂は、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生された芳香族ポリカーボネート樹脂、いわゆるマテリアルリサイクルされた再生芳香族ポリカーボネート樹脂を使用してもよい。使用済みの製品としては、光学ディスク等の光記録媒体、導光板、自動車窓ガラス・自動車ヘッドランプレンズ・風防等の車両透明部材、水ボトル等の容器、メガネレンズ、防音壁・ガラス窓・波板等の建築部材等が好ましく挙げられる。
また規格不適合品やスプルー、ランナー等から得られた粉砕品や、それらを溶融して得られるペレット等も用いることが出来る。この様な再生芳香族ポリカーボネート樹脂は、本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂中、80重量%以下、中でも50重量%以下であることが好ましい。
スチルベンベンゾオキサゾール誘導体(B)
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベンを1〜1000ppm含有することを特徴とする。4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(B)(以下、成分(B)と略記することがある。)は従来公知の任意の方法、例えば特公昭41−20225号公報や、特表2002−535393号公報等に記載の方法により、得ることが出来る。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベンを1〜1000ppm含有することを特徴とする。4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(B)(以下、成分(B)と略記することがある。)は従来公知の任意の方法、例えば特公昭41−20225号公報や、特表2002−535393号公報等に記載の方法により、得ることが出来る。
本発明における、成分(B)の含有量は、1〜1000ppmである。この含有量が1ppm未満では、耐光性や色相、熱安定性の改良効果が不十分であり、逆に1000ppmを越えても、含有量の増加に見合う効果の向上が期待できないばかりか、滞留熱安定性や外観が低下する場合がある。
本発明においては、その効果を損ねない範囲で、成分(B)以外の、従来公知の任意の他の蛍光増白剤を併用してもよい。成分(B)以外の蛍光増白剤としては、具体的には例えば、クマリン系、ナフトトリアゾリルスチルベン系、ベンゾオキサゾール系、ベンズイミダゾール系、およびジアミノスチルベン−ジスルホネート系蛍光増白剤等が挙げられる。
本発明において、成分(B)と、成分(B)以外の蛍光増白剤を併用する場合には、蛍光増白剤全体に占める成分(B)の含有率は20重量%以上であることが好ましい。中でも30重量%以上、更には40重量%以上、特に50重量%以上であることが好ましい。成分(B)の含有量が低すぎると、得られるポリカーボネート樹脂組成物や樹脂成形体における耐光性や色相、そして全光線透過率の改良が不十分となる場合がある。
紫外線吸収剤(C)
本発明においては、更に耐光性を向上させる目的で、紫外線吸収剤(C)を含有していてもよい。紫外線吸収剤としては、従来公知の任意のものを使用できる。具体的には例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、ヒンダードアミン系等の紫外線吸収剤が挙げられる。
本発明においては、更に耐光性を向上させる目的で、紫外線吸収剤(C)を含有していてもよい。紫外線吸収剤としては、従来公知の任意のものを使用できる。具体的には例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、ヒンダードアミン系等の紫外線吸収剤が挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤としては、フェニルサルチレート、2−4−ジターシャリーブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられ、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート等が挙げられる。
本発明に用いる紫外線吸収剤(C)としては、上記以外に紫外線の保有するエネルギーを、分子内で振動エネルギーに変換し、その振動エネルギーを、熱エネルギー等として放出する機能を有する化合物が含まれる。さらに、酸化防止剤あるいは着色剤等との併用で効果を発現するもの、あるいはクエンチャーと呼ばれる、光エネルギー変換剤的に作用する光安定剤等も併用することができる。
本発明における紫外線吸収剤(C)の含有量は、通常、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して0.03〜3重量部である。紫外線吸収剤(C)の含有量が少なすぎると、耐光性の改良効果が不十分であり、逆に多すぎても黄味が強くなり色相が低下したり、またブリードアウトが生ずる場合がある。
よって本発明における紫外線吸収剤(C)の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、中でも0.05〜2重量部であることが好ましく、特に0.1〜1重量部であることが好ましい。
微粒子(D)
本発明においては、ポリカーボネート樹脂(A)と、スチルベンベンゾオキサゾール誘導体である、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(B)とからなるポリカーボネート樹脂組成物に、光拡散性粒子として、微粒子(D)(但しメソポーラス無機フィラーを除く。以下、単に微粒子(D)ということがある。)を含有させて、光拡散性樹脂組成物、及びこれを成形してなる光拡散板とすることができる。
本発明においては、ポリカーボネート樹脂(A)と、スチルベンベンゾオキサゾール誘導体である、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(B)とからなるポリカーボネート樹脂組成物に、光拡散性粒子として、微粒子(D)(但しメソポーラス無機フィラーを除く。以下、単に微粒子(D)ということがある。)を含有させて、光拡散性樹脂組成物、及びこれを成形してなる光拡散板とすることができる。
本発明に用いる微粒子(D)は所望の光拡散性を考慮し、適宜選択して決定すればよいが、通常、重量平均径が0.1〜50μm、好ましくは0.5〜30μmの微粒子を用いる。重量平均径が小さすぎると、光拡散性不十分となり、光拡散板を通して光源が透けて見えてしまう場合があり、逆に大きすぎても、樹脂成形体である光拡散板表面のぎらつきが顕著となってしまい、視認性が低下する場合がある。よって本発明に用いる微粒子(D)の重量平均径は、中でも0.7〜20μmであることが好ましく、特に0.7〜10μmであることが好ましい。
本発明の光拡散性樹脂組成物及び光拡散板においては、用いる微粒子(D)とポリカーボネート樹脂(A)の屈折率の差の絶対値は適宜選択して決定すればよいが、小さすぎると光拡散性が不十分となり、逆に大きすぎても光線透過率が不十分となることがある。よってこの屈折率の差の絶対値は通常、0.01以上、0.2以下であることが好ましい。
更に、本発明の光拡散性樹脂組成物及び光拡散板においては、優れた光拡散性、全光線透過率、溶融加工時や使用時の熱安定性を良好なものとするために、微粒子(D)として有機微粒子を用いることが好ましい。有機微粒子としては、具体的には例えば、アクリル系樹脂やシリコーン系樹脂の、光拡散性微粒子が挙げられる。
本発明に用いる、アクリル樹脂系光拡散性微粒子としては、アクリル系モノマー単独、又は、アクリル系モノマーとスチレン系モノマーとの共重合体が挙げられる。そして微粒子(D)の所望の屈折率に応じて共重合比を適宜選択して決定すればよく、これらモノマーを、必要に応じて、架橋剤等を用いて、懸濁重合法等により重合することで得られる。
この重合体からなる微粒子(D)の屈折率は通常、1.493〜1.590である。スチレン系モノマーの共重合比が高過ぎると、本発明のポリカーボネート樹脂組成物における耐光性が不十分となり、また黄変しやすくなる場合がある。逆にアクリル系モノマーの共重合比が高くなりすぎても、微粒子(D)とポリカーボネート樹脂(A)との屈折率の差が大きくなり過ぎて、本発明のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる樹脂成形体表面の光反射、いわゆる”ぎらつき”が顕著となって光透過率が低下し、視認性が低下する場合がある。
よって本発明に用いる微粒子(D)としてアクリル−スチレン系共重合体微粒子を用いる場合には、微粒子(D)とポリカーボネート樹脂(A)の屈折率の差の絶対値が0.01以上0.2以下となる様に、アクリル系モノマーとスチレン系モノマーとの共重合比を調整すればよい。
アクリル系モノマーとしては、具体的には例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリレート系モノマー;メチルアクリレート、エチルアクリレート等のアクリレート系モノマー;アクリルアミド等が挙げられる。またスチレン系モノマーとしては、具体的には例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
これらモノマーの重合または共重合に際しては、これらを主成分として、必要に応じて、更に他のモノマーを架橋剤等として共重合してもよい。この様な架橋剤としては、一般的にエチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、1、6−ヘキサンジオール、トリメチルプロパントリメタクリレート、トリメチルプロパントリメタクリレート、トリメチルプロパントリアクリレート等、種々の多官能性モノマーが挙げられる。
本発明に用いる微粒子(D)として、シリコーン樹脂系の光拡散性微粒子を用いる際には、従来公知の任意のものを使用でき、その屈折率は1.45〜1.46が好ましい。この様なシリコーン樹脂系の光拡散性微粒子としては、例えば東芝シリコーン社製トスパール(登録商標)シリーズや、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製トレフィル(登録商標)シリーズ、信越化学工業社製シリコーンパウダー等が挙げられる。
本発明における微粒子(D)の含有量は適宜選択して決定すればよいが、通常、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して0.05〜20重量部であり、中でも0.1〜10重量部であることが好ましい。微粒子(D)の含有量が少なすぎると、光拡散性の向上効果が不十分であり、光拡散性部材の肉厚が厚くても光源が透けて見えてしまう場合がある。逆に多すぎても、光拡散性部材の肉厚が薄くても全光線透過率の低下や、更には機械的強度、そして耐熱性が低下する場合がある。
また微粒子(D)の含有量は、光拡散板等の光拡散性樹脂成形体肉厚に応じて、適宜選択して決定すればよい。具体的には例えば、光拡散性樹脂成形体の肉厚が0.1〜2mmの場合には、微粒子(D)の含有量をポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して1〜20重とすることが好ましい。またこの肉厚が2mmを超えて5mm以下の場合には、例えばアクリル−スチレン系共重合体微粒子を用いる場合には、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して0.05〜5重量部とすることが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、更に、溶融加工時や、高温下での長期間使用時等に生ずる黄変抑制、更に機械的強度低下抑制等の目的で、熱安定剤(E)や酸化防止剤(F)を含有することが好ましい。
熱安定剤(E)としては従来公知の任意のものを使用でき、中でもリン系化合物が好ましい。そして酸化防止剤(F)も従来公知の任意のものを使用でき、中でもフェノール化合物が好ましい。またこれらは併用してもよい。リン系化合物は一般的に、ポリカーボネート樹脂を溶融混練する際、高温下での滞留安定性や樹脂成形体使用時の耐熱安定性向上に有効であり、フェノール化合物は一般的に、耐熱老化性等の、ポリカーボネート樹脂成形体使用時の耐熱安定性に効果が高い。またリン系化合物とフェノール化合物を併用することによって、着色性の改良効果が一段と向上する。
本発明に用いるリン系化合物としては、亜リン酸、リン酸、亜リン酸エステル、リン酸エステル等が挙げられ、中でも3価のリンを含み、変色抑制効果を発現しやすい点で、ホスファイト、ホスホナイト等の亜リン酸エステルが好ましい。
ホスファイトとしては、具体的には例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジラウリルハイドロジェンホスファイト、トリエチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、モノフェニルジデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、水添ビスフェノールAフェノールホスファイトポリマー、ジフェニルハイドロジェンホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニルジ(トリデシル)ホスファイト)、テトラ(トリデシル)4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジラウリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(4−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、水添ビスフェノールAペンタエリスリトールホスファイトポリマー、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
また、ホスホナイトとしては、テトラキス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、およびテトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイトなどが挙げられる。
また、アシッドホスフェートとしては、例えば、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、プロピルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、デシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、ベヘニルアシッドホスフェート、フェニルアシッドホスフェート、ノニルフェニルアシッドホスフェート、シクロヘキシルアシッドホスフェート、フェノキシエチルアシッドホスフェート、アルコキシポリエチレングリコールアシッドホスフェート、ビスフェノールAアシッドホスフェート、ジメチルアシッドホスフェート、ジエチルアシッドホスフェート、ジプロピルアシッドホスフェート、ジイソプロピルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジラウリルアシッドホスフェート、ジステアリルアシッドホスフェート、ジフェニルアシッドホスフェート、ビスノニルフェニルアシッドホスフェート等が挙げられる。
亜リン酸エステルの中では、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましく、耐熱性が良好であることと加水分解しにくいという点で、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトが特に好ましい。
酸化防止剤(F)としては、特定の構造を分子内に有するフェノール化合物が好ましく、具体的には例えば、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリエチレングリコールビス[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオールビス[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、オクタデシル[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。
中でも、ポリカーボネート樹脂と混練される際に耐熱性が必要となる点で、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンが好ましく、特に、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンが好ましい。
本発明における熱安定剤(E)、および酸化防止剤(F)の含有量は、適宜選択して決定すればよいが、通常、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して1〜5000ppm、中でも3〜3000ppm、特に10〜1000ppmであることが好ましい。熱安定剤(E)や酸化防止剤(F)の含有量が少なすぎると効果が不十分であり、逆に多すぎてもポリカーボネート樹脂の分子量低下や、色相低下が生ずる場合がある。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、更に必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、各種樹脂添加剤を含有させてもよい。具体的には例えば、難燃剤、離型剤、無機フィラー、染顔料、帯電防止剤、防曇剤、滑剤・アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、防菌剤等が挙げられる。中でも、難燃性や離型性は、ポリカーボネート樹脂成形体の製造時や使用に於いて、特に重要な要件となるので、以下に難燃剤(G)と離型剤(H)について説明する。
難燃剤(G)は、本発明の趣旨を逸脱しない限り特に定めるものではなく、例えば、ポリカーボネート樹脂を含む組成物に、難燃性を付与するものとして一般的に用いられているものを広く採用することができる。これらの中でも、特開2005−320457号公報に記載の有機酸のアルカリ(土類)金属塩(G−1)、シリコーン系難燃剤(G−2)が好ましい。有機酸のアルカリ(土類)金属塩(G−1)やシリコーン系難燃剤(G−2)は、安全性、廃棄・焼却時の環境への影響や成型時の金型腐食、省資源化におけるリサイクル適性などにも優れているためである。なお、本明細書において「アルカリ(土類)金属塩」とは、「アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩」を意味する。
難燃剤(G)の配合量は、難燃剤の種類によってかわり、有機酸のアルカリ(土類)金属塩(G−1)の場合、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し0.01〜3重量部、好ましくは0.03〜2重量部、さらに好ましくは0.05〜1重量部配合される。0.01重量部未満では難燃性が不足し、3重量部を越えると熱安定性が低下する。また、シリコーン系難燃剤(G−2)の場合、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し0.1〜10重量部、より好ましくは0.3〜7重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。0.1重量部未満では難燃性が不足し、10重量部を越えると耐熱性や機械的強度が低下することがある。
本発明に使用される有機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩(G−1)としては、ポリカーボネートに添加した場合、その難燃性を改良することが出来る金属塩である。最も好ましいのは有機スルホン酸金属塩であり、具体的にはパーフルオロアルカンスルホン酸金属塩、パーフルオロアルキレンジスルホン酸金属塩、芳香族スルホン酸金属塩などが挙げられる。中でも更に好ましいのは、パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩、パーフルオロアルキレンジスルホン酸金属塩である。
パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩の具体例としては、パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩、パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ土類金属塩などが挙げられる。中でも好ましいのは、炭素数が1〜8個のパーフルオロアルカン基を有するスルホン酸アルカリ金属塩、炭素数が1〜8個のパーフルオロアルカン基を有するスルホン酸アルカリ土類金属塩などである。
パーフルオロアルカンスルホン酸としては、パーフルオロメタンスルホン酸、パーフルオロエタンスルホン酸、パーフルオロプロパンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、パーフルオロヘキサンスルホン酸、パーフルオロヘプタンスルホン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸等が挙げられる。
パーフルオロアルキレンジスルホン酸金属塩の具体例としては、パーフルオロメタンジスルホン酸、パーフルオロエタンジスルホン酸、パーフルオロプロパンジスルホン酸、パーフルオロイソプロパンジスルホン酸、パーフルオロブタンジスルホン酸、パーフルオロペンタンジスルホン酸、パーフルオロヘキサンジスルホン酸、パーフルオロヘプタンジスルホン酸、パーフルオロオクタンジスルホン酸、パーフルオロエタンジスルホン酸イミド、パーフルオロプロパンジスルホン酸イミド、パーフルオロブタンジスルホン酸イミド、パーフルオロペンタンジスルホン酸イミド、パーフルオロヘキサンジスルホン酸イミド等の塩が挙げられる。これらの中ではパーフルオロプロパンジスルホン酸またはパーフルオロブタンジスルホン酸の塩や、パーフルオロプロパンジスルホン酸イミドまたはパーフルオロブタンジスルホン酸イミドの塩がポリカーボネート樹脂との相溶性及び難燃性付与の点から好ましい。
芳香族スルホンスルホン酸金属塩の具体例としては、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のカリウム塩、4・4’−ジブロモジフェニル−スルホン−3−スルホンのナトリウム塩、4・4’−ジブロモジフェニル−スルホン−3−スルホンのカリウム塩、4−クロロ−4’−ニトロジフェニルスルホン−3ースルホン酸のカルシウム塩、ジフェニルスルホン−3・3’−ジスルホン酸のジナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3・3’−ジスルホン酸のジカリウム塩などが挙げられる。
有機スルホン酸金属塩の金属としては、好ましくは、アルカリ金属およびアルカリ土類金属などが挙げられる。アルカリ金属およびアルカリ土類金属としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムなどが挙げられる。中でも、アルカリ金属塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウムの塩が、また、アルカリ土類金属塩としてはマグネシウム、カルシウムの塩が、ポリカーボネート樹脂との相溶性及び難燃性付与の点から好ましい。有機スルホン酸金属塩は、2種以上の混合物であってもよい。
本発明に使用されるシリコーン系難燃剤(G−2)としては、ポリカーボネート樹脂(A)に添加した場合、その難燃性を改良することができる種々のシリコーン、或いはシリコーン含有化合物が含まれる。具体的には、シリカ粉末の表面にポリオルガノシロキサンを担持させた粉末状シリコーン(G−2−1)、主鎖が分岐構造を有し、かつ珪素に結合する芳香族基を有する分岐シリコーン化合物(G−2−2)、芳香族基含有環状ポリオルガノシロキサン及び直鎖状ポリオルガノシロキサンを含有するシリコーン化合物等(G−2−3)が好ましく使用される。
シリカ粉末の表面にポリオルガノシロキサンを担持させた粉末状シリコーン(G−2−1) に用いられるシリカ粉末としては、フュームドシリカ、沈殿法または採掘形態から得られた微粉砕シリカ等が挙げられる。フュームドシリカ及び沈殿法により得られたシリカは、表面積が50〜400m2/gの範囲のものが好ましい。表面積がこの範囲にあると、その表面にポリオルガノシロキサンを担持(吸収、吸着又は保持)させ易くなる。
なお、シリカ粉末は、ポリオルガノシロキサン以外の表面処理剤によって表面を前処理されていてもよい。前処理剤としては、ヒドロキシ基またはアルコキシ基を末端基に有する低分子量のポリオルガノシロキサン、ヘキサオルガノジシロキサン、およびヘキサオルガノジシラザンなどが挙げられる。これらの中で特に好ましいものは、ヒドロキシル基を末端基とする平均重合度が2〜100のオリゴマーであって、常温で液状、乃至、粘稠な油状を呈するポリジメチルシロキサンである。
シリカ粉末或いは表面処理されたシリカ粉末は更に、その表面をポリオルガノシロキサン(なお、前処理剤との相違を明確にするため、ポリオルガノシロキサン重合体と言うことがある。)で処理される。ポリオルガノシロキサン重合体は、通常、重合度100〜10000程度、好ましくは100〜5000程度であり、直鎖でも分岐鎖を有してもよいが、直鎖のポリジオルガノシロキサン重合体がより好ましい。
ポリオルガノシロキサン重合体が有する有機基(オルガノ基)は、炭素数が1〜20のアルキル基、ハロゲン化炭化水素基等の置換アルキル基;ビニル基、5−ヘキセニル等のアルケニル基、シクロヘキシル等のシクロアルキル基、並びにフェニル、トリル、及びベンジル基等のアリール基;アラルキル基等から選ばれる。中でも炭素原子数が1〜4の低級アルキル基;フェニル基;及び3,3,3−トリフルオロプロピル等のハロゲン置換アルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
ポリオルガノシロキサン重合体は、分子鎖中に官能基を有していてもよい。官能基としてはメタクリル基またはエポキシ基等が好ましい。メタクリル基またはエポキシ基を有すると、燃焼時にポリカーボネート樹脂(A)との架橋反応を起させることができるので、樹脂組成物の難燃性を一層向上させることができる。ポリオルガノシロキサン重合体分子鎖中の官能基の量は、通常0.01〜1モル%程度であり、中でも0.03〜0.5モル%、特に0.05〜0.3モル%であることが好ましい。
ポリオルガノシロキサン重合体をシリカ粉末に担持させる際には、さらに接着促進剤を用いることもできる。接着促進剤を用いることによって、シリカ粉末とポリオルガノシロキサン重合体との界面を一層強固に接着させることができる。
接着促進剤としては、具体的には例えば、γ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドオキシプロピルプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルペンジルアミノ)エチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・モノハイドロジェンヒドロ・クロリド、フェニルトリメトキシシラン、及びビニルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン系化合物が挙げられる。
接着促進剤は、前記シリカ粉末100重量部に対し、好ましくは、0.5〜15重量部の範囲で添加される。これを添加する時期は、シリカ粉末とポリオルガノシロキサン重合体を混合する際と同時であるのが望ましい。この様な粉末状シリコーンとしては、具体的には例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン社社製「シリコーン粉末」が挙げられる。
本発明に使用される、主鎖が分岐構造を有し、かつ珪素原子に結合する芳香族基を有する分岐シリコーン化合物(G−2−2)は、構成単位として、R1R2SiO2/2で表されるシロキサン単位(D単位)、R3SiO3/2で表されるシロキサン単位(T単位)、および/又はSiO4/2で表されるシロキサン単位(Q単位)を含む。R1、R2およびR3は各々独立に、炭素数1〜10の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、少なくともその1部が芳香族基であるシリコーン化合物である。
これらシロキサン単位の組合
せとして、好ましくはT単位/D単位系、T単位/D単位/Q単位系、D単位/Q単位系等が挙げられる。これらの組合せは、D単位を含有し、TおよびQの少なくとも一方を含有し、更に末端基としてRSiO1/2(Rは同じ又は異なって、一価の基であり、好ましくは炭化水素基、アルコキシ基、水酸基等である。)を含有する重合体である。D単位を含有することで、可とう性が改善され、難燃性の改善に繋がる。又、TおよびQの少なくとも一方を含有することで主鎖が分岐構造を有す。
せとして、好ましくはT単位/D単位系、T単位/D単位/Q単位系、D単位/Q単位系等が挙げられる。これらの組合せは、D単位を含有し、TおよびQの少なくとも一方を含有し、更に末端基としてRSiO1/2(Rは同じ又は異なって、一価の基であり、好ましくは炭化水素基、アルコキシ基、水酸基等である。)を含有する重合体である。D単位を含有することで、可とう性が改善され、難燃性の改善に繋がる。又、TおよびQの少なくとも一方を含有することで主鎖が分岐構造を有す。
分岐シリコーン化合物中の各単位の割合は、D、TおよびQの合計に対しモル比で、D単位が20〜50%、好ましくは20〜40%、T単位が0〜90モル%、好ましくは60〜80%、Q単位が0〜50%、好ましくは0.01〜50%である。R1〜R3で示される1価の炭化水素基は、脂肪族基としては、低級アルキル基、特にメチル基が好ましく、芳香族基としては、フェニル基が好ましい。フェニル基量は40モル%以上であることが好ましい。
分岐シリコーン化合物(G−2−2)は、重量平均分子量が、2,000〜50,000の範囲であることが好ましい。分岐シリコーン化合物(G−2−2)は、例えば、特開平11−140294号公報、特開平10−139964号公報及び特開平11−217494号公報に記載の方法で製造される。又、一部は市販されており、容易に入手することができる。
本発明に使用される、芳香族基含有環状ポリオルガノシロキサン及び直鎖状ポリオルガノシロキサンを含有するシリコーン化合物(G−2−3)は、特開2002−53746号公報等に記載された、公知の方法で製造することができる。例えば、芳香族含有ジクロロシランR4R5SiCl2や芳香族含有ジアルコキシシランR4R5Si(OR’)2を、加水分解重合することにより、通常末端がシラノール基である直鎖状ポリオルガノシロキサン(2)と環状ポリオルガノシロキサン(1)の混合物が得られる。なお、R4およびR5は前記式(1)におけると同義であり、R’はアルキル基である。
本発明におけるシリコーン系難燃剤(G−2)としては、ハンドリング性に優れ、且つ樹脂への分散性・混合性が向上していることから、シリカ粉末の表面にポリオルガノシロキサンを担持させた粉末状シリコーン(G−2−1)、または、主鎖が分岐構造を有し、かつ珪素に結合する芳香族基を有する分岐シリコーン化合物(G−2−2)が好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に難燃剤(G)を配合する場合、溶融樹脂の滴下防止し、難燃性を向上させるためにポリフルオロエチレンを併用することが好ましい。ポリフルオロエチレンとしては、例えば、フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンが挙げられ、ポリテトラフルオロエチレンは樹脂組成物に容易に分散し、かつ樹脂同士を結合して繊維状構造を作る傾向を示すものである。
フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンは通常、ASTM規格でタイプ3に分類される。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンは、種々市販されており、具体的には例えば、三井・デュポンフロロケミカル社製「テフロン(登録商標)6J」や、ダイキン化学工業社製「ポリフロン(登録商標)」が挙げられる。
ポリテトラフルオロエチレンの水性分散液としては、三井デュポンフロロケミカル社製「テフロン(登録商標)30J」や、ダイキン化学工業社製「フルオンD−1」等が挙げられる。更にビニル系単量体を重合してなる多層構造を有するポリテトラフルオロエチレン重合体も使用され、この市販品としては三菱レイヨン社製「メタブレン(登録商標)A−3800」等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂組成物中のポリテトラフルオロエチレンの配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜1重量部であることが好ましい。ポリテトラフルオロエチレンの量が0.01重量部未満であると難燃剤が不十分となるおそれがあり、1重量部を越えると成形品外観が低下しやすい。より好ましくは、ポリテトラフルオロエチレンの量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して0.02〜0.8重量部である。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物配合できる離型剤(H)は、本発明の趣旨を逸脱しない限り特に定めるものではなく、例えば、ポリカーボネート樹脂を含む組成物に、離型性を付与するものとして一般的に用いられているものを広く採用することができる。例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸エステル、数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルから選ばれた少なくとも1種の化合物を挙げることができる。これらの中で、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸エステルから選ばれた少なくとも1種が好ましく用いられる。
脂肪族カルボン酸としては、飽和又は不飽和の脂肪族モノカルボン酸、ジカルボン酸又はトリカルボン酸が挙げられる。ここで脂肪族カルボン酸は、脂環式カルボン酸も包含する。中でも炭素数6〜36のモノ又はジカルボン酸が好ましく、特に炭素数6〜36の脂肪族飽和モノカルボン酸が好ましい。この様な脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、吉草酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸エステルを構成する脂肪族カルボン酸成分としては、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、脂肪族カルボン酸エステルを構成するアルコール成分としては、飽和又は不飽和の1価アルコール、飽和又は不飽和の多価アルコール等が挙げられる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基等の置換基を有していてもよい。
これらのアルコールのうち、炭素数30以下の1価又は多価の飽和アルコールが好ましく、さらに炭素数30以下の脂肪族飽和1価アルコール又は多価アルコールが好ましい。ここで脂肪族アルコールは、脂環式アルコールも包含する。
これらのアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
これらの脂肪族カルボン酸エステルは、不純物として脂肪族カルボン酸及び/又はアルコールを含有していてもよく、複数の化合物の混合物であってもよい。脂肪族カルボン酸エステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸オクチルドデシル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレートが挙げられる。
離型剤(H)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して3重量部以下であり、好ましくは1重量部以下、さらに好ましくは0.5重量部以下である。3重量部を超えると耐加水分解性の低下、射出成形時の金型汚染等の問題がある。該離型剤は1種でも使用可能であるが、複数併用して使用することもできる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物配合できる他の樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、PETやPBT等のポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂などが挙げられる。
他の樹脂の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して50重量部以下であり、好ましくは30重量部以下、さらに好ましくは20重量部以下である。50重量部を越えると全光線透過率や機械的強度が低下することがある。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物配合できる無機フィラーとしては、例えば、ガラス繊維、ガラスミルドファイバー、ガラスフレーク、ガラスビーズ、炭素繊維、シリカ、アルミナ、硫酸カルシウム粉体、石膏、石膏ウィスカー、硫酸バリウム、タルク、マイカ、珪酸カルシウム、カーボンブラック、グラファイト等の無機フィラーが挙げられる。これらは、公知の表面処理剤で処理してもよく、一種類でも二種類以上を組み合わせて使用することもできる。
無機フィラーの配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して30重量部以下であり、好ましくは20重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。30重量部を越えると全光線透過率、機械的強度、外観が低下することがある。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法は、特に制限されるものではなく、例えば、ポリカーボネート樹脂(A)、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(B)、重量平均径0.7〜30μmの微粒子(D)、さらには必要に応じて使用される紫外線吸収剤(C)、熱安定剤(E)および/または酸化防止剤(F)、その他の添加剤等を一括溶融混練する方法、ポリカーボネート樹脂(A)と重量平均径0.7〜30μmの微粒子(D)をあらかじめ混練後、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(B)及び必要に応じて、紫外線吸収剤(C)、熱安定剤(E)および/または酸化防止剤(F)、その他の添加剤等を配合し、溶融混練する方法などが挙げられる。
本発明により得られたポリカーボネート樹脂組成物は、各種製品(成形品)の製造(成形)用樹脂材料に使用される。樹脂成形体の製造方法は、従来公知の任意の方法から、適宜選択して決定すればよい。具体的には、一般的な射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシストなどの中空成形法、断熱金型を用いた成形法、急速加熱金型を用いた成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、インモールドコーティング(IMC)成形法、押出成形法、フィルム成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法などが挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物はおよびこれを成形してなる樹脂成形体は、ポリカーボネート樹脂本来の特性を維持しつつ、優れた耐光性、全光線透過率、光拡散性、熱安定性、そして光拡散性微粒子を含有させた際には優れた光拡散性を有するので、導光板や光拡散板等の光拡散性部品として、幅広く使用することが出来る。
その用途としては、具体的には例えば、各種照明用カバー、照明看板、光透過型スクリーン、信号機レンズ及びレンズカバー、各種ディスプレイ、液晶表示装置の導光板・光拡散板等の光拡散性部品として幅広く使用できる。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
ポリカーボネート:三菱エンジニアリングプラスチックス社製 芳香族ポリカーボネート樹脂(ユーピロンH−4000FN)、Mv;16000
蛍光増白剤:4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン):以下の方法により製造した。23.7重量部の2−(p−フォミル−フェニル)−5−メチルベンゾオキサゾール、22.3重量部の2−(p−トリル)−5−メチルベンゾオキサゾール、及び塩化亜鉛10重量部をよく混合し、200〜250℃にて5時間反応を行わせた。放冷後、生成物を微粉砕し、2%塩酸水200重量部と共に60℃に加温し、ろ過後、よく水洗した。さらに200重量部のメタノールと加温し、ろ過し、残さをジクロロベンゼンにより精製し、黄色結晶性固体の4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベンを得た。このもののジメチルフォルムアミド溶液の紫外部吸収最大波長は378mμを示す。
光拡散性微粒子:ガンツ化成社製 メタクリル酸エステル重合体(スタフィロイドGM−0630H) 平均粒子径:6μm
紫外線吸収剤:シプロ化成社製 ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(シーソーブ709)
安定剤:旭電化工業社製 リン系熱安定剤(アデカスタブ2112)
試験方法
(1)拡散率:MURAKAMI COLOR RESEARCH LABORATORY社製のGP−5 GONIOPHOTOMETERを使用し、50×50×2[mm]の測定試験片の輝度を測定した。拡散率(%)は、測定条件として入射光0°、煽り角0°、受光範囲0°〜90°、光束絞り2.0、受光絞り3.0とし、拡散率(%)={(20°の輝度値+70°の輝度値)/(5°の輝度値×2)}×100にて求めた。
(1)拡散率:MURAKAMI COLOR RESEARCH LABORATORY社製のGP−5 GONIOPHOTOMETERを使用し、50×50×2[mm]の測定試験片の輝度を測定した。拡散率(%)は、測定条件として入射光0°、煽り角0°、受光範囲0°〜90°、光束絞り2.0、受光絞り3.0とし、拡散率(%)={(20°の輝度値+70°の輝度値)/(5°の輝度値×2)}×100にて求めた。
(2)光線透過率:50×50×2[mm]の測定試験片を用い、濁度計(日本電色工業社製「NDH−2000型」)を使用し、光源にD65を用いて全光線透過率を測定した。
(3)初期色相(YI):50×50×2[mm]の測定試験片を用い、分光式色彩計(日本電色工業社製「SE−2000型」)により測定した。
(4)耐光性(ΔYI):スガ試験機社製 Super Xenon Weather Meterを用い、50×50×2[mm]の測定試験片に、照射強度156W/m2で紫外線を600時間照射後、(2)と同様に色相(YI)を測定し、初期色相(YI)との差を求めた。
(実施例1、2及び比較例1〜4)
PC100重量部に対して、蛍光増白剤およびその他添加剤を表1に示す比率(重量部)で配合し、タンブラーにて15分ブレンドを行い、その後、二軸押し出し機にて300℃のシリンダー温度にて押し出しペレット化した。そのペレットを射出成形機にて280℃のシリンダー温度、80℃の金型温度にて各種試験片を成形し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
PC100重量部に対して、蛍光増白剤およびその他添加剤を表1に示す比率(重量部)で配合し、タンブラーにて15分ブレンドを行い、その後、二軸押し出し機にて300℃のシリンダー温度にて押し出しペレット化した。そのペレットを射出成形機にて280℃のシリンダー温度、80℃の金型温度にて各種試験片を成形し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
表1から明らかな通り、本発明のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる光拡散性部材は、ポリカーボネート樹脂本来の特性を損なうことなく、優れた耐光性、全光線透過率、光拡散性を有するので、該樹脂組成物からなる成形品は、各種光拡散性部材として好適であることが判る。一方、蛍光増白剤を含まない比較例1、2では、初期色相YIが不十分であり、蛍光増白剤および紫外線吸収剤を含まない比較例3、4では初期色相YI、及び耐光性ΔYIが不十分であった。
Claims (6)
- ポリカーボネート樹脂(A)と、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(B)からなり、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(B)の含有量が1〜1000ppmであることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
- 更に、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、紫外線吸収剤(C)を0.03〜3重量部含有することを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 更に、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し、重量平均径0.7〜30μmの微粒子(D)(但しメソポーラス無機フィラーを除く。)を0.05〜20重量部含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 微粒子(D)が、アクリル系及び/またはシリコーン系光拡散性微粒子であることを特徴とする請求項3に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる導光板。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂を成形してなる光拡散板。
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