JP2006028902A - 既設鉄塔の耐震補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 座屈耐力のみを向上させる必要のある既設鉄塔の耐震補強構造の提供。
【解決手段】
既設鉄塔の耐震補強構造において、鉄塔1を構成する鋼製閉断面部材4または鋼製L字状断面部材の長手方向の外面に渡ってモルタルまたはコンクリートの付着を防止する付着防止被膜11が形成され、付着防止被膜11が形成された鋼製閉断面部材4またはL字状断面部材の外側にこれを囲むように複数の分割型座屈拘束片12相互を結合して構成した筒状座屈拘束部材10が配置されると共に、付着防止被膜11と筒状座屈拘束部材10との間にモルタルまたはコンクリート5が充填・硬化される。鋼製閉断面部材4またはL字状断面部材の長手方向に間隔をおいて対向する短尺の局部座屈防止用補強部材7を固定すると共に付着防止被膜11を設け、これらを囲むように筒状座屈拘束部材10が配置され、付着防止被膜11と筒状座屈拘束部材10との間にモルタルまたはコンクリート5が充填・硬化される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、無線通信鉄塔あるいは送電用鉄塔等の既設鉄塔の耐震補強構造に関する。
一般に、危険地震地域等の耐震設計基準の見直しが行なわれると、既存の構造物でも耐震補強の必要性が生じるが、特に、無線通信鉄塔あるいは送電用鉄塔等の鉄塔は、特に重要な構造物であるので、優先的に地震時の耐震補強が進められる構造物である。
従来、図9に示すような既設鉄塔1を耐震補強する場合に、既設鉄塔1における既存主柱2あるいは斜材3等の円形断面の鋼製閉断面部材4または鋼製L字状断面部材を耐震補強することにより、既設鉄塔1を耐震補強することが考えられる。例えば、鋼製閉断面部材4の耐震補強構造としては、(1)図10(a)に示すように、既存主柱2あるいは斜材3等の鋼製閉断面部材4の内部にコンクリートまたはモルタル5を充填して既存主柱等の鋼製閉断面部材4を耐震補強する内部充填形式の耐震補強構造が考えられる(例えば、特許文献1参照)。
また、(2)図10(b)に示すように、既存主柱2等の鋼製閉断面部材4の外側に間隔をおいて外管6を配置すると共に、既存主柱2と外管6の間にコンクリートまたはモルタル5を充填して既存主柱2等の鋼製閉断面部材4を耐震補強する、外管・内部充填形式の耐震補強構造も考えられる(例えば、特許文献2参照)。
前記(1)および(2)の従来のいずれの形式も既存主柱2等の鋼製閉断面部材4と付着し一体化されるコンクリートまたはモルタル5または外管6を備えた構造であり、このような構造とすることにより、充填したモルタルまたはコンクリート5も圧縮力を負担する構造とされていると共に既存主柱等の鋼製閉断面部材4の局部座屈を防ぐため、既存主柱2等の鋼製閉断面部材の座屈耐力は増加するのみならず圧縮耐力を増大させる耐震構造となる。このような構造を地震時の圧縮耐力を保有する既設鉄塔に適用した場合、鉄塔全体としてみた場合、局部的な既存主柱等の鋼製閉断面部材4の剛性を高める耐震補強構造となる。
特開平8−326014号公報 特開平10−88819号公報
前記のような鋼管閉断面部材4の耐震補強あるいは同様な構造の鋼製L字状断面部材の耐震補強では、確かに、コンクリートまたはモルタル5または外管6の一体化により、地震時の軸力負担性能の向上、せん断抵抗力の向上、曲げ抵抗力の向上により鋼製閉断面部材4または鋼製L字状断面部材の各々の剛性が高まり、このような補強が必要な既設鉄塔1に対しては有効な手段である。しかし、せん断抵抗力の向上および曲げ抵抗力の向上並びにせん断曲げ剛性の向上を必要としない鋼製閉断面部材4の既設鉄塔1または鋼製L字状断面部材の既設鉄塔で、かつ構造部材の座屈耐力のみを向上させる必要のある既設鉄塔1では、前記のような一体化する耐震補強した部分以外の鋼構造部分および鉄塔を支える基礎構造15は既存の状態のままであるので、基礎構造15を含めた全体の剛性バランスが崩れると共に、既設鉄塔1自身の鉄塔全体としての剛性バランスも崩れ、強風時や地震時における既設鉄塔1の応答に対して、補強した鋼管閉断面部材4または鋼製L字状断面部材は座屈することを防ぐことができても、鋼製閉断面部材4または鋼製L字状断面部材における耐震補強した部分から離れた位置で相対的に剛性が急激に弱くなる状態になり、鋼製閉断面部材4または鋼製L字状断面部材における耐震補強した部分以外の部分で損傷を受けるという問題がある。
本発明は、前記従来の耐震補強構造の問題点を解決せんとしたものであり、鋼製閉断面部材4または鋼製L字状断面部材のある既設鉄塔1で、構造部材の座屈耐力のみを向上させる必要のある既設鉄塔1に最適で、鉄塔全体としての剛性バランスをほとんど崩すことなく、鋼製閉断面部材4または鋼製L字状断面部材における耐震補強した部分から離れた位置で相対的に弱くなることがなく、地震時において鋼製閉断面部材4または鋼製L字状断面部材における耐震補強した部分以外の部分で損傷を受ける恐れがない既設鉄塔の耐震補強構造を提供することを目的とする。
前記の従来の問題点を有利に解決するために、第1発明の既設鉄塔の耐震補強構造においては、既設鉄塔の耐震補強構造において、鉄塔を構成する鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材の長手方向の外面に渡ってモルタルまたはコンクリートの付着を防止する付着防止被膜が形成され、その付着防止被膜が形成された前記鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材の外側にこれを囲むように軸方向に延長する複数の分割型座屈拘束片相互を結合して構成した筒状座屈拘束部材が配置されると共に、前記付着防止被膜と前記筒状座屈拘束部材との間にモルタルまたはコンクリートが充填・硬化されていることを特徴とする。
第2発明の既設鉄塔の耐震補強構造においては、既設鉄塔の耐震補強構造において、鉄塔を構成する鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材の長手方向に間隔をおいて対向するように短尺の局部座屈防止用補強部材が固定され、長手方向に対向する前記局部座屈防止用補強部材にわたる前記鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材の外面および局部座屈防止用補強部材の長手方向の対向する端部に渡ってモルタルまたはコンクリートの付着を防止する付着防止被膜が形成され、長手方向に対向する前記各局部座屈防止用補強部材の対向端部にわたって、前記鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材および局部座屈防止用補強部材の外側にこれらを囲むように軸方向に延長する複数の分割型座屈拘束片相互を結合して構成した筒状座屈拘束部材が配置されると共に、前記付着防止被膜と前記筒状座屈拘束部材との間にモルタルまたはコンクリートが充填・硬化されていることを特徴とする。
また、第3発明では、第2発明の既設鉄塔の耐震補強構造において、前記短尺の局部座屈防止用補強部材が、前記鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材の外面に複数の半筒状体を同心状に配置されて結合された筒状部材が固着されて構成されていることを特徴とする。
さらに、第4発明では、第2発明の既設鉄塔の耐震補強構造において、前記短尺の局部座屈防止用補強部材が、前記鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材の外面に固着された補強リブにより構成されていることを特徴とする。
第1発明によると、既設鉄塔の耐震補強構造において、鉄塔を構成する鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材の長手方向の外面に渡ってモルタルまたはコンクリートの付着を防止する付着防止被膜が形成され、その付着防止被膜が形成された前記鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材の外側にこれを囲むように軸方向に延長する複数の分割型座屈拘束片相互を結合して構成した筒状座屈拘束部材が配置されると共に、前記付着防止被膜と前記筒状座屈拘束部材との間にモルタルまたはコンクリートが充填・硬化されているので、既設鉄塔の剛性を高めることなく、しかも、コンクリートまたはモルタルと一体化された筒状座屈拘束部材は、地震時に軸力、せん断力、曲げ力も負担しないので、構造部材の座屈耐力のみを向上させた既設鉄塔の耐震補強構造とすることができ、基礎構造を含めた全体の剛性バランスをほとんど崩すことないと共に、鉄塔自身の鉄塔全体としての剛性バランスもほとんど崩れることがない。
したがって、強風時や地震時における既設鉄塔の応答に対して、補強した鋼管閉断面部材または鋼製L字状断面部材が座屈することを防ぐことができ、また、鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材における耐震補強した部分から離れた位置で相対的に剛性が急激に弱くなることもなく、鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材における耐震補強した部分以外の部分で損傷を受ける恐れもない。
このように本発明の既設鉄塔の耐震補強構造では、鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材のある既設鉄塔で、かつ構造部材の座屈耐力のみを向上させる必要のある既設鉄塔に最適な既設鉄塔の耐震補強構造とすることができる。
また、第2発明によると、鉄塔を構成する鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材の長手方向に間隔をおいて対向するように短尺の局部座屈防止用補強部材が固定され、長手方向に対向する前記局部座屈防止用補強部材にわたる前記鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材の外面および局部座屈防止用補強部材の長手方向の対向する端部に渡ってモルタルまたはコンクリートの付着を防止する付着防止被膜が形成され、長手方向に対向する前記各局部座屈防止用補強部材の対向端部にわたって、前記鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材および局部座屈防止用補強部材の外側にこれらを囲むように軸方向に延長する複数の分割型座屈拘束片相互を結合して構成した筒状座屈拘束部材が配置されると共に、前記付着防止被膜と前記座屈拘束部材との間にモルタルまたはコンクリートが充填・硬化されているので、前記第1発明の効果に加えてさらに、短尺の局部座屈防止用補強部材を設けるだけで、既設鉄塔の剛性をほとんど高めることなく、座屈拘束部材の軸方向外側における鋼製閉鎖断面部材または鋼製L字状断面部材の部分が相対的に急激に座屈耐力が弱い部分に変化することがない。
第3発明のように、短尺の局部座屈防止用補強部材が、前記鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材の外面に複数の半筒状体を同心状に配置されて結合された筒状部材が固着されて構成されていると、鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材の全周わたり均一に局部的に補強することができ、座屈拘束した部分から離れた外側において、筒状座屈拘束部材を取付けたとたんに相対的に急激に座屈耐力が弱い部分に変化することなく、比較的剛性の大きい連結部に接続させることができる。
第4発明のように、短尺の局部座屈防止用補強部材が、前記鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材の外面に固着された鋼板製補強リブにより構成されていると、安価な鋼板を使用して、しかも簡単な構造で、筒状座屈拘束部材の軸方向外側における鋼製閉鎖断面部材または鋼製L字状断面部材の部分が相対的に急激な剛性の弱い部分とならないので、局部座屈を防止することができる。
次に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図3は本発明の既設鉄塔の耐震補強構造の一実施形態を示すものであって、トラス構造の既設鉄塔1における部材軸方向に直角な横断面が閉断面とされている鋼管主柱2あるいは斜材3等の鋼製閉断面部材4を耐震補強することにより既設鉄塔1を耐震補強した場合が示されている。図1に示す既設鉄塔1の耐震補強では、横梁材16により区画された既設鉄塔1の下部の複数層にわたり主柱2および斜材3が耐震補強されている。
さらに具体的に説明すると、鋼管主柱2または斜材3とされている鋼製閉断面部材4の長手方向に間隔をおいて対向するように短尺の局部座屈防止用補強部材7が固定されている。前記の局部座屈防止用補強部材7は、図示の形態では、複数の断面半円状の短尺の鋼製半筒状体8を鋼管主柱2または斜材3における連結部9(フランジ等による接続部9aまたは補強リブにより補強された格点部9b)に近接した位置に配置すると共に囲むように配置して、溶接等により鋼製半筒状体8相互を結合すると共に、鋼製主柱2または斜材3に溶接等により固定されている。
前記短尺の局部座屈防止用補強部材7の対向端部は、後記の座屈拘束部材10の端部内に位置するように配置され、座屈拘束部材10の軸方向外側において、鋼製閉断面部材4の局部座屈を防ぐための部材であり、比較的強度の大きい連結部9に接続するように配置されている。前記の局部座屈防止用補強部材7の形態としては、図示を省略するが、鋼管主柱2または斜材3の端部の連結部9に近接した位置に、鋼製閉断面部材4の軸方向の長さが短い鋼板製リブを鋼製主柱2または斜材3等の鋼製閉断面部材4の周方向に間隔をおいて配設して溶接等により固定してもよく、このようにすると、安価な鋼板を使用して、しかも簡単な構造で、座屈拘束部材10の軸方向外側における鋼製閉鎖断面部材4の部分が相対的に急激な剛性の弱い部分とならないので、局部座屈を防止することができる。また、筒状座屈拘束部材10の端部を複雑な形状の連結部9から離れるので、筒状座屈拘束部材10の端部の形状を単純化させることができる。
前記のように局部座屈防止用補強部材7を各鋼製主柱2および斜材3に固定した後、長手方向に対向する前記局部座屈防止用補強部材7にわたる前記鋼製閉断面部材4の外面および局部座屈防止用補強部材の長手方向の対向する端部に渡って付着防止被膜11が形成されている。
前記の付着防止被膜11としては、ゴムアスファルト等その他公知の材料を使用することができる。この付着防止被膜11はこれによって、その外側に配置されるコンクリートまたはモルタル5および座屈拘束部材10と、鋼管主柱2または斜材3が付着して一体化するのを防止するために使用され、鋼管主柱2または斜材3の座屈耐力のみを向上させるために使用される。
前記のように付着防止被膜11を形成した後、長手方向に対向する前記各局部座屈防止用補強部材7の対向端部にわたって前記鋼製閉断面部材4および局部座屈防止用補強部材7の外側にこれらを囲むように軸方向に延長する複数の半筒状分割型座屈拘束片12端部相互を溶接Wにより結合して構成した筒状座屈拘束部材10が配置されると共に、適宜、筒状座屈拘束部材10の軸方向端部(例えば、下端部または上下両端部)に端部型枠(図示を省略した。)を配置して、モルタルまたはコンクリート5が筒状座屈拘束部材10内側の下端間隙(または上下両端部の間隙)から漏洩するのを防止した後、前記付着防止被膜11と前記筒状座屈拘束部材10との間にモルタルまたはコンクリート5が充填(または圧入充填)されて硬化されている。また、前記端部型枠は必要に応じ取り外されて(図示の場合)、既設鉄塔の耐震補強がされている。
なお、前記のモルタルまたはコンクリート5は筒状座屈拘束部材10と付着一体化され、モルタルまたはコンクリート5を含む筒状座屈拘束部材10は、付着防止被膜11によって、鋼製閉断面部材4と一体化されず分離された状態になり、主柱2および斜材3等の鋼製閉断面部材4の地震時の軸力、せん断力、曲げ力も負担しない部材であり、専ら、鋼製閉断面部材4の座屈耐力のみを向上させる部材である。前記の付着防止被膜11の厚みは、鋼製閉断面部材4のポアソン比を考慮して設計により設定され、付着防止被膜11により、鋼製閉断面部材4の座屈モード時にも、モルタルまたはコンクリート5を含む筒状座屈拘束部材10との一体化を防止し、前記軸力,せん断力,曲げ力を負担しないようにされる。
前記のように複数の半筒状体8を使用して局部座屈防止用補強部材7を設けると、閉断面部材4の全周わたり均一に局部的に補強することができ、座屈拘束した部分から離れた外側において、筒状座屈拘束部材10を設けることによって相対的に急激に座屈耐力が弱い部分に変化することなく、比較的剛性の大きい連結部9に接続させることができる。なお、局部座屈防止用補強部材7を設けると、対向する局部座屈防止用補強部材7の内側に段差部生じるので、その段差部によりモルタルまたはコンクリート5を含む筒状座屈拘束部材10の自重による軸方向の位置ずれを防止できる。
図5は、本発明において分割型座屈拘束片12相互を結合して筒状座屈拘束部材10を構成する場合の他の形態を示したものであって、分割型座屈拘束片12の周方向の一端側における表裏に鋼板製継手13の基端部を溶接等により固定すると共に、鋼板製継手13の先端部に軸方向に間隔をおいてボルト挿通孔を半径方向に貫通するように設け、かつ分割型座屈拘束片12の周方向他端側に、軸方向に間隔をおいてボルト挿通孔を前記鋼板製継手13におけるボルト挿通孔と対応する位置に設けた一対の継手付き鋼製半筒状体8を使用して、一方の継手付き分割型座屈拘束片12における鋼板製継手13間に他方の継手付き分割型座屈拘束片12の他端側を嵌設した状態で、各鋼板製継手13のボルト孔と他方の継手付き分割型座屈拘束片12の他端側のボルト孔に渡って挿通配置すると共に緊締したワンサイドボルト等のボルト14により結合した形態を示したものである。
前記各実施形態のように、溶接あるいは、半径方向(法線方向)のボルトにより分割型座屈拘束片12相互を結合すると、分割型座屈拘束片12に半径方向外側に外向きフランジを設けて、分割型座屈拘束片12のフランジ相互を結合する場合よりも、分割型座屈拘束片12相互が外開きしない筒状座屈拘束部材10となり好ましい。その他の構成は、前記実施形態と同様であるので、同様な部分には、同様な符号を付して説明を省略する。
前記実施形態のように、局部座屈防止用補強部材7を設けて鋼製閉断面部材4の全周わたり均一に局部的に補強する必要のない場合には、図6〜図8に示す第2実施形態のように局部座屈防止用補強部材7を省略してもよい。なお、このように局部座屈防止用補強部材7を省略する場合には、比較的強度の大きい連結部9に近づくように、筒状座屈拘束部材10と付着防止被膜11とコンクリートまたはモルタル5とを、鋼製閉断面部材4のほぼ全長に設ける方が、筒状座屈拘束部材10により鋼製閉断面部材4の座屈を防ぐ点で望ましく、この場合、筒状座屈拘束部材10の下端部を連結部9の縦リブ等に載置し、筒状座屈拘束部材10の上端部を連結部9から僅かに離しておけばよい。なお、付着防止被膜11の材質によってはその粘性が小さいことにより、筒状座屈拘束部材10がその自重により鋼製閉断面部材4の軸方向に位置ずれする恐れがある場合は、鉄塔側に吊り下げ支持させる手段(吊り下げ用条体等)を付属させることができる。その他の構成は、前記実施形態と同様であるので、同様な部分には、同様な符号を付して説明を省略する。
前記実施形態では、鋼製閉断面部材4の既設鉄塔1の耐震補強構造について説明したが、本発明は鋼製閉断面部材4以外にも、既設鉄塔1における既存主柱2あるいは斜材3等を、等辺あるいは不等辺山形鋼等の鋼製断面L字状部材とする既設鉄塔にも適用してもよい。このような既設鉄塔に対しては、例えば、図11に示すように、既存主柱2あるいは斜材3を構成する鋼製断面L字状部材17に対しては、その内側および外側に配置する鋼製L型断面部材18、19とこれらの間で端部に位置する端部鋼製帯板材20を一方の鋼製L型断面部材18(19)に固定したり、これらの間にスペーサとして介在させて構成される複数の半筒状体の分割型座屈拘束片12相互をボルト・ナット21により結合して構成した筒状座屈拘束部材10を配置するようにすればよい。
また、短尺の局部座屈防止用補強部材7としては、既設鉄塔を構成する鋼製断面L字状部材17を中心としてその内側および外側の外面にほぼ断面L型の鋼製半筒状体8を同心状に配置されて結合された鋼製筒状部材とし、鋼製断面L字状部材17に溶接により固定してもよい。すなわち、本発明において同心状とは、数学的な1点を中心とする同心円状ばかりでなく、鋼製閉断面部材4あるいは鋼製断面L字状部材17全体を中心部とした同心(芯)状に局部座屈防止用補強部材7を配置する形態を含む意味で使用している。
また、図示を省略するが、既設鉄塔を構成する鋼製断面L字状部材17に直接補強リブを設けて局部座屈防止用補強部材7としてもよい。また、付着防止被膜11に関する事項および付着防止被膜11と筒状座屈拘束部材10との間にモルタルまたはコンクリート5が充填・硬化されることは、前記実施形態と同様である。
本発明を実施する場合、鋼製閉断面部材4および鋼製断面L字状部材17の最外側に配置される筒状座屈拘束部材10の断面形態としては、円形、楕円形、矩形、三角形、多角形、図11に示すような異形多角形等、中空筒状であれば適宜の断面形態でよく、したがって、筒状座屈拘束部材10を構成する分割型座屈拘束片12の断面形態も半筒状体であれば、適宜の断面形態でもよい。
本発明における第1実施形態の既設鉄塔の耐震補強構造を実施して、耐震補強された鉄塔を示す正面図である。 図1の一部を拡大して示す正面図である。 図2の一部を拡大して示す縦断正面図である。 筒状座屈拘束部材により座屈拘束補強した主柱または斜材の断面図である。 分割型座屈拘束片相互の結合をワンサイドボルトにより結合して筒状座屈拘束部材を使用して耐震補強した場合を示す断面図である。 本発明における第2実施形態の既設鉄塔の耐震補強構造を実施して、耐震補強された鉄塔を示す正面図である。 図6の一部を拡大して示す正面図である。 図7の一部を拡大して示す縦断正面図である。 既設鉄塔の一形態を示す正面図である。 (a)および(b)は、それぞれ従来の鋼管柱等を閉断面部材の耐震補強構造の一例を示す断面図である。 本発明の実施形態を示し、筒状座屈拘束部材により座屈拘束補強した鋼製断面L字状部材の主柱または斜材の断面図である。
符号の説明
1 既設鉄塔
2 主柱
3 斜材
4 鋼製閉断面部材
5 コンクリートまたはモルタル
6 分割型外管
7 局部座屈防止用補強部材
8 鋼製半筒状体
9 連結部
10 筒状座屈拘束部材
11 付着防止被膜
12 分割型座屈拘束部片
13 鋼板製継手部材
14 ボルト
15 基礎構造
16 横梁材
17 鋼製断面L字状部材
18 鋼製L型断面部材
19 鋼製L型断面部材
20 端部鋼製帯板材
21 ボルト・ナット

Claims (4)

  1. 既設鉄塔の耐震補強構造において、鉄塔を構成する鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材の長手方向の外面に渡ってモルタルまたはコンクリートの付着を防止する付着防止被膜が形成され、その付着防止被膜が形成された前記鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材の外側にこれを囲むように軸方向に延長する複数の分割型座屈拘束片相互を結合して構成した筒状座屈拘束部材が配置されると共に、前記付着防止被膜と前記筒状座屈拘束部材との間にモルタルまたはコンクリートが充填・硬化されていることを特徴とする既設鉄塔の耐震補強構造。
  2. 既設鉄塔の耐震補強構造において、鉄塔を構成する鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材の長手方向に間隔をおいて対向するように短尺の局部座屈防止用補強部材が固定され、長手方向に対向する前記局部座屈防止用補強部材にわたる前記鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材の外面および局部座屈防止用補強部材の長手方向の対向する端部に渡ってモルタルまたはコンクリートの付着を防止する付着防止被膜が形成され、長手方向に対向する前記各局部座屈防止用補強部材の対向端部にわたって、前記鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材および局部座屈防止用補強部材の外側にこれらを囲むように軸方向に延長する複数の分割型座屈拘束片相互を結合して構成した筒状座屈拘束部材が配置されると共に、前記付着防止被膜と前記筒状座屈拘束部材との間にモルタルまたはコンクリートが充填・硬化されていることを特徴とする既設鉄塔の耐震補強構造。
  3. 前記短尺の局部座屈防止用補強部材が、前記鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材の外面に複数の半筒状体を同心状に配置されて結合された筒状部材が固着されて構成されていることを特徴とする請求項2に記載の既設鉄塔の耐震補強構造。
  4. 前記短尺の局部座屈防止用補強部材が、前記鋼製閉断面部材または鋼製L字状断面部材の外面に固着された補強リブにより構成されていることを特徴とする請求項2に記載の既設鉄塔の耐震補強構造。
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