JP2006028879A - 木質部材の接合工法及び接合構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】製材又は集成材若しくは単板積層材等の木質部材を一連に突き合わせて、又は柱・梁等の関係に接合するような場合に好適に実施される木質部材の接合工法及び接合構造を提供する。
【解決手段】接合するべき木質部材1A、1Bの接合面に、相互に嵌り合う凹部3bと凸部3aを互い違いの配置に形成すると共に各凸部3aには横方向からカンヌキ部材4を共通に刺し通すことができる配置、形状の通し孔5を形成して成る結合板2A、2Bを一体的に取り付ける。接合するべき木質部材1A、1Bは前記の結合板2A、2B同士を突き合わせて各々の凹部3bと凸部3aを相互に嵌め合わせ、横並びに噛み合った凸部3a、3aの通し孔5へカンヌキ部材4を共通に通して接合する。
【選択図】図1
Description
この発明は、製材又は集成材若しくは単板積層材(LVL)等の木質部材を一連に突き合わせて、又は柱・梁等の関係に接合するような場合に好適に実施される木質部材の接合工法及び接合構造の技術分野に属する。
木質部材を柱や梁などの構造材に用いて木造構造物を構築する場合、最も重要なのは接合部である。即ち、木造構造物の場合、接合部の設計の良否が、構造物の安全性のみならず、デザイン面での評価にも影響する。
規模が大きい木造構造物において、断面の大きい木質部材同士を接合する従来技術として、例えば下記の特許文献1には、木質部材の接合端部から材軸方向にスリットを切り込み、前記スリットに接合プレートを差し込み、これを直角方向に通した複数のドリフトピン又はボルトで緊結した上で、前記の接合プレート同士を重ね合わせボルト接合する接合工法及び接合構造が開示されている。
規模が大きい木造構造物において、断面の大きい木質部材同士を接合する従来技術として、例えば下記の特許文献1には、木質部材の接合端部から材軸方向にスリットを切り込み、前記スリットに接合プレートを差し込み、これを直角方向に通した複数のドリフトピン又はボルトで緊結した上で、前記の接合プレート同士を重ね合わせボルト接合する接合工法及び接合構造が開示されている。
特許文献2には、上記特許文献1と同様に木質部材の接合端部へ差し込みドリフトピン等で緊結した接合プレートをそれぞれ、箱形構造の支圧ブロックと突き合わせてボルト接合する接合工法及び接合構造が開示されている。
更に、特許文献3には、木質部材を材軸方向に一連に突き合わせ接合する方法として、木質部材の接合端面から材軸方向へ一部分を突き刺した鉄筋を配置して突き合わせた二つ木質部材の接合部分の外周に型枠を設け、同型枠の中へコンクリートや合成樹脂などの硬化材を打ち込み、同硬化材の硬化により一連に接合する接合工法が開示されている。
更に、特許文献3には、木質部材を材軸方向に一連に突き合わせ接合する方法として、木質部材の接合端面から材軸方向へ一部分を突き刺した鉄筋を配置して突き合わせた二つ木質部材の接合部分の外周に型枠を設け、同型枠の中へコンクリートや合成樹脂などの硬化材を打ち込み、同硬化材の硬化により一連に接合する接合工法が開示されている。
上述した従来の木質部材の接合工法及び接合構造は、それなりの作用効果を奏するものと認められる。しかし、特許文献1及び2の技術は、木質部材へスリットを加工し、ドリフトピン等を通す多数の孔あけ加工を行い、多数のドリフトピン等で接合プレートを緊結する。更に接合プレート同士を直接に、又は箱形構造の支圧ブロックを介在させてボルト接合する等々、多くの接合金物を必要とする上に、重量が大きく高価な接合部になってしまい、構造設計に不利である。また、接合作業の工数も大変多くて手間が掛かるなど、施工面及びコスト面で改善すべき点が多く認められる。しかも接合部分に金属製の接合プレートや支圧ブロックなどがもろに露出するので、せっかくの木造構造の特長が意匠的美観の面で台無しになってしまうという問題点が大きい。
上記特許文献3の場合、現場で木質部材間に鉄筋を配置して突き合わせ、二つの接合するべき木質部材の接合部分の外周に型枠を設け、同型枠の中へコンクリートや合成樹脂などの硬化剤を打ち込むという面倒で時間と手間の掛かる作業を要求される上に、同硬化材の硬化に必要十分な養生時間を待たねばならず、工期が長引くという問題点が大きい。また、接合部分にコンクリートや合成樹脂などの硬化材の成形品(塊)がもろに露出するので、せっかくの木造構造の特長が意匠的美観の面で台無しになってしまうという問題点も大きい。
本発明の目的は、施工性の向上と、工期の短縮、及びコスト面での利点が大きい上に、意匠的外観に優れ、木造デザインの設計自由度が大であり、しかも靱性が大きく、エネルギ吸収能力を有して耐震性能に優れた木質部材の接合工法及び接合構造を提供することである。
上述した従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る木質部材の接合工法は、
接合するべき木質部材1A、1Bの接合面に、相互に嵌り合う凹部3bと凸部3aを互い違いの配置に形成すると共に各凸部3aには横方向からカンヌキ部材4を共通に刺し通すことができる配置、形状の通し孔5を形成して成る結合板2A、2Bを一体的に取り付け、
接合するべき木質部材1A、1Bは前記の結合板2A、2B同士を突き合わせて各々の凹部3bと凸部3aを相互に嵌め合わせ、横並びに噛み合った凸部3a、3aの通し孔5へカンヌキ部材4を共通に通して接合することを特徴とする。
接合するべき木質部材1A、1Bの接合面に、相互に嵌り合う凹部3bと凸部3aを互い違いの配置に形成すると共に各凸部3aには横方向からカンヌキ部材4を共通に刺し通すことができる配置、形状の通し孔5を形成して成る結合板2A、2Bを一体的に取り付け、
接合するべき木質部材1A、1Bは前記の結合板2A、2B同士を突き合わせて各々の凹部3bと凸部3aを相互に嵌め合わせ、横並びに噛み合った凸部3a、3aの通し孔5へカンヌキ部材4を共通に通して接合することを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した木質部材の接合工法において、
接合するべき木質部材1A、1Bの結合板2A、2B同士を突き合わせて各々の凹部3bと凸部3aを相互に嵌め合わせ、横並びに噛み合った凸部3a、3aの通し孔5へカンヌキ部材4を共通に通して接合した接合部分の外周を目隠し用の木片7で覆うことを特徴とする。
接合するべき木質部材1A、1Bの結合板2A、2B同士を突き合わせて各々の凹部3bと凸部3aを相互に嵌め合わせ、横並びに噛み合った凸部3a、3aの通し孔5へカンヌキ部材4を共通に通して接合した接合部分の外周を目隠し用の木片7で覆うことを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1に記載した木質部材の接合工法において、
木質部材1の接合面へ当てがった結合板2は、ラグスクリュー6又は埋め込み接着ボルト若しくは通しボルトで木質部材1へ一体的に取り付けていることを特徴とする。
木質部材1の接合面へ当てがった結合板2は、ラグスクリュー6又は埋め込み接着ボルト若しくは通しボルトで木質部材1へ一体的に取り付けていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明に係る木質部材の接合構造は、
接合するべき木質部材1A、1Bの接合面に、相互に嵌り合う凹部3bと凸部3aを互い違いの配置に形成すると共に各凸部3aには横方向からカンヌキ部材4を共通に刺し通すことができる配置、形状の通し孔5を形成して成る結合板2A、2Bが一体的に取り付けられており、
木質部材1A、1Bは前記の結合板2A、2B同士を突き合わせて各々の凹部3bと凸部3aが相互に嵌め合わされ、横並びに噛み合った凸部3a、3aの通し孔5へカンヌキ部材4を共通に通し接合されていることを特徴とする。
接合するべき木質部材1A、1Bの接合面に、相互に嵌り合う凹部3bと凸部3aを互い違いの配置に形成すると共に各凸部3aには横方向からカンヌキ部材4を共通に刺し通すことができる配置、形状の通し孔5を形成して成る結合板2A、2Bが一体的に取り付けられており、
木質部材1A、1Bは前記の結合板2A、2B同士を突き合わせて各々の凹部3bと凸部3aが相互に嵌め合わされ、横並びに噛み合った凸部3a、3aの通し孔5へカンヌキ部材4を共通に通し接合されていることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項4に記載した木質部材の接合構造において、
木質部材1A、1Bの結合板2A、2B同士を突き合わせて各々の凹部3bと凸部3aが相互に嵌め合わされ、横並びに噛み合った凸部3aの通し孔5へカンヌキ部材4を共通に通して接合された接合部分の外周が、目隠し用の木片7で覆われていることを特徴とする。
木質部材1A、1Bの結合板2A、2B同士を突き合わせて各々の凹部3bと凸部3aが相互に嵌め合わされ、横並びに噛み合った凸部3aの通し孔5へカンヌキ部材4を共通に通して接合された接合部分の外周が、目隠し用の木片7で覆われていることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、請求項4又は5に記載した木質部材の接合構造において、
上記のカンヌキ部材は板状材4a又は棒状材4bであり、凸部3aの通し孔は前記の板状材4a又は棒状材4bを密接に刺し通すことができる形状、大きさの孔5a又は5bであることを特徴とする。
上記のカンヌキ部材は板状材4a又は棒状材4bであり、凸部3aの通し孔は前記の板状材4a又は棒状材4bを密接に刺し通すことができる形状、大きさの孔5a又は5bであることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、請求項4又は5若しくは6に記載した木質部材の接合構造において、
上記のカンヌキ部材4は極低降伏点鋼から成ることを特徴とする。
上記のカンヌキ部材4は極低降伏点鋼から成ることを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、請求項4又は5若しくは6に記載した木質部材の接合構造において、
結合板2A、2Bは鋳造品又はアルミニウムダイキャスト製品、若しくは鋼材の組み立て品又は合成樹脂成形品であることを特徴とする。
結合板2A、2Bは鋳造品又はアルミニウムダイキャスト製品、若しくは鋼材の組み立て品又は合成樹脂成形品であることを特徴とする。
本発明の接合工法及び接合構造は、木質部材1A、1Bの接合面に結合板2A、2Bを予め工場で又は現場サイトで一体的に取り付けておき、現場では、接合するべき二つの木質部材1A、1Bの結合板2A、2B同士を突き合わせて各々の凹部3bと凸部3aを相互に嵌め合わせ、横並びに噛み合った凸部3a、3aの通し孔5へカンヌキ部材4を共通に通す作業により接合を完成する。即ち、接合作業を簡単、迅速に行うことができ、施工性に優れる。よって現場作業の省力化と工期の短縮化を図れる。
しかも前記の接合部分には、結合板2A、2Bとカンヌキ部材4の外端部が覗き見える程度で、それが割合に小作りであり、武骨な存在感ではなく、意匠的外観もすっきりとシンプルで、スマートである。
しかも前記の接合部分には、結合板2A、2Bとカンヌキ部材4の外端部が覗き見える程度で、それが割合に小作りであり、武骨な存在感ではなく、意匠的外観もすっきりとシンプルで、スマートである。
前記結合板2A、2Bの取り付けは、木質部材1A、1Bの接合面へ当てがった結合板2A、2Bを、木質部材の材軸方向に十分に長いラグスクリュー6又は埋め込み接着ボルト若しくは通しボルトで一体的に取り付けるだけであるから、やはり施工性に優れるし、接合部の確実性と信頼性に優れる。前記の取り付け作業は木材工場で行うことが出来るし、現場サイトでも予め行うことが出来、現場作業の省力化を図れる。また、結合板2A、2B及びカンヌキ部材4は共に小作りのものであるから、重量も軽く、接合部の自重量軽減に利するところ大であり、ひいては木造架構全体の構造設計を有利に行うことができる。
上記したように、本発明の接合構造は、割合に小作りであり、武骨なボルト頭やドリフトピンなどが露出しないので意匠的な外観が良い。のみならず、接合部分の外周を目隠し用の木片7で覆う(請求項2、5の発明)ことにより、木質部材特有の意匠的美観、質感を確保できる。木片7の取り付けを緻密に行うと、視覚的に接合部の存在さえ認識させない外観を提供することができる。よって、木質構造の意匠設計の美的及び質的向上と自由度を高めることが出来る。
請求項7に記載した発明のように、結合板2A、2B同士を突き合わせ相互に嵌め合わせることにより横並びに噛み合った凸部3a、3aの通し孔5へ通すカンヌキ部材4を極低降伏点鋼板で製作すると、接合部が変形した場合の靱性が高く(変形能力が大きく)なり、エネルギ吸収能力が大きいものとなり、耐震性に優れた接合部を実現出来る。
接合するべき木質部材1A、1Bの接合面に、相互に嵌り合う凹部3bと凸部3aを互い違いの配置に形成すると共に各凸部3aには横方向からカンヌキ部材4を共通に刺し通すことができる配置、形状の通し孔5を形成して成る結合板2A、2Bを一体的に取り付ける。
接合するべき木質部材1A、1Bは、各々の結合板2A、2B同士を突き合わせて各々の凹部3bと凸部3aを相互に嵌め合わせ、横並びに噛み合った凸部3a、3aの通し孔5、5へカンヌキ部材4を共通に通して接合する。
更に、前記したように接合するべき木質部材1A、1Bの結合板2A、2B同士を突き合わせて各々の凹部3bと凸部3aを相互に噛み合わせ、横並びに噛み合った凸部3a、3aの通し孔5へカンヌキ部材4を共通に通して接合した接合部分の外周は、目隠し用の木片7で覆い隠す。
接合するべき木質部材1A、1Bは、各々の結合板2A、2B同士を突き合わせて各々の凹部3bと凸部3aを相互に嵌め合わせ、横並びに噛み合った凸部3a、3aの通し孔5、5へカンヌキ部材4を共通に通して接合する。
更に、前記したように接合するべき木質部材1A、1Bの結合板2A、2B同士を突き合わせて各々の凹部3bと凸部3aを相互に噛み合わせ、横並びに噛み合った凸部3a、3aの通し孔5へカンヌキ部材4を共通に通して接合した接合部分の外周は、目隠し用の木片7で覆い隠す。
図1〜図3は、接合するべき二つの木質部材1A、1B(但し、木質部材を単に符号1で表現する場合もある。)の接合面に、相互に嵌り合う凹部3bと凸部3aを互い違いの配置に形成すると共に、各凸部3aには横方向からカンヌキ部材4(4a又は4bの場合を含む。)を共通に刺し通すことができる通し孔5を形成して成る結合板2A、2B(但し、結合板を単に符号2で表現する場合もある。)を一体的に取り付けた状態を示している。
結合板2A、2Bの凹部3bと凸部3aを互い違いの配置に形成するとは、図1及び図2Bと図3Bとを対照して見ると明らかなように、凹部3bと凸部3aとが二つの結合板2A、2Bにおいて丁度向かい合う関係の配置と形状であることを意味する。
各凸部3aに形成した通し孔5は、図4と図5に示したように、上記のように互い違いに嵌り合い、横並びに噛み合った複数の凸部3a、3aへ横方向からカンヌキ部材4(4a)を共通に刺し通すことができるように形成される。もっとも、横方向からカンヌキ部材4を共通に刺し通すとは、横並びに噛み合った複数の凸部3a、3aを横断する形に通す意味であり、図示した実施例のように水平方向に刺し通す場合のほか、上下方向に刺し通す場合をも包含する。
結合板2A、2Bの凹部3bと凸部3aを互い違いの配置に形成するとは、図1及び図2Bと図3Bとを対照して見ると明らかなように、凹部3bと凸部3aとが二つの結合板2A、2Bにおいて丁度向かい合う関係の配置と形状であることを意味する。
各凸部3aに形成した通し孔5は、図4と図5に示したように、上記のように互い違いに嵌り合い、横並びに噛み合った複数の凸部3a、3aへ横方向からカンヌキ部材4(4a)を共通に刺し通すことができるように形成される。もっとも、横方向からカンヌキ部材4を共通に刺し通すとは、横並びに噛み合った複数の凸部3a、3aを横断する形に通す意味であり、図示した実施例のように水平方向に刺し通す場合のほか、上下方向に刺し通す場合をも包含する。
結合板2A、2Bは、鋳造品又は軽量なアルミニウムダイキャスト製品、若しくは鋼材の組み立て品、或いはエンジニアリングプラスチックの如く強度、剛性が大きい合成樹脂の成形品、更に好ましくは接合部分の木質感を演出するように木質模様に成形された合成樹脂成形品などとして製作し使用する(請求項8に記載した発明)。
このような結合板2A、2Bは、図2及び図3に示したように、木質部材1の接合面へ当てがい、ラグスクリュー6(又は埋め込み接着ボルト若しくは通しボルトなどでも可)で木質部材1へ強固に一体的に取り付けられる。結合板2A、2Bを木質部材1の接合面へ取り付ける作業は、木材加工工場で、又は現場サイトで行うことができる(請求項3記載の発明)。
このような結合板2A、2Bは、図2及び図3に示したように、木質部材1の接合面へ当てがい、ラグスクリュー6(又は埋め込み接着ボルト若しくは通しボルトなどでも可)で木質部材1へ強固に一体的に取り付けられる。結合板2A、2Bを木質部材1の接合面へ取り付ける作業は、木材加工工場で、又は現場サイトで行うことができる(請求項3記載の発明)。
上記のように結合板2A、2Bを取り付けて用意された木質部材1A、1Bは、各々の結合板2A、2B同士を突き合わせ、各々の凹部3bと凸部3aを相互に嵌め合わせる。そして、横並びに噛み合った凸部3a、3aの通し孔5、5へカンヌキ部材4を共通に通すことにより、図4および図5に示した形態の接合が簡単に迅速に確実に完成する(以上、請求項1及び4に記載した発明)。
本発明の接合構造の特徴は、二つの結合板2A、2Bが相互に密着状態に突き合わされて成り、接合構造が小作りであること、及び既往の接合部のようにドリフトピントやボルト頭などが多数突き出た武骨さがなく、いわば2枚の板状部材が突き合わされた程度にシンプルでスマートな外観を呈することである(図5A参照)。
その上、上記したように二つの木質部材1A、1Bの結合板2A、2B同士を突き合わせて各々の凹部3bと凸部3aを相互に嵌め合わせ、横並びに噛み合った凸部3a、3aの通し孔5、5へカンヌキ部材4を共通に刺し通して接合した接合部分の外周を、好ましくは同材質の目隠し用木片7を取り付けてきっちり覆うことにより、結合板2A、2Bの存在さえ隠すことができる。目隠し用木片7の取り付けを緻密に精巧に行うことにより、接合部が存在することすらも視覚から隠す仕上げ処理を行うことが出来、意匠的美観に優れたものとなる(請求項2及び5記載の発明)。
ところで、図1〜図4に示す実施例は、上記のカンヌキ部材4が鋼製の板状材4aである場合を示している。必然、凸部3aの通し孔5は、前記の板状材4aをきっちりと密接な状態に、つまりガタのない状態に刺し通すことができるように、ほぼ同形、同大の細長い矩形孔5aである構成を示している。
しかし、カンヌキ部材4は、上記のように嵌め合わされた結合板2A、2Bの横並びに噛み合った凸部3a、3a同士を刺し通して所要の強度及び剛性で接合できればよいのであって、前記板状材4aの限りではない。
図6に例示したように、カンヌキ部材を鋼製の棒状材4bとし、凸部3aの通し孔は、前記の棒状材4bをきっちりと密接状態に、つまりガタの少ない状態に刺し通すことができる同形、同大の孔5bの構成で実施することができ、ほぼ同様な作用、効果を得ることが出来る(請求項6に記載した発明)。
しかし、カンヌキ部材4は、上記のように嵌め合わされた結合板2A、2Bの横並びに噛み合った凸部3a、3a同士を刺し通して所要の強度及び剛性で接合できればよいのであって、前記板状材4aの限りではない。
図6に例示したように、カンヌキ部材を鋼製の棒状材4bとし、凸部3aの通し孔は、前記の棒状材4bをきっちりと密接状態に、つまりガタの少ない状態に刺し通すことができる同形、同大の孔5bの構成で実施することができ、ほぼ同様な作用、効果を得ることが出来る(請求項6に記載した発明)。
更に、本発明に係る木質部材の接合工法又は接合構造の異なる実施例として、前記カンヌキ部材4(板状材4aおよび棒状材4b)を極低降伏点鋼で構成し実施することが好ましい。何故なら、本発明の接合構造は、例えば中地震程度までは図5Aに示した平常状態を保つが、大地震時には図5Bのようにカンヌキ部材4を曲げて変形する可能性がある。そうした変形時に極低降伏点鋼で作られたカンヌキ部材4は塑性変形を生じてエネルギを吸収する。或いは大きな靱性を発揮して、優れた耐震性能を有する接合部を構成することができるからである(請求項7に記載した発明)。
以上に本発明の実施例を説明したが、もちろん、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。本発明の思想原理に反することなく、要旨を逸脱しない範囲において、種々な態様で実施できるものであることを、ここに念のため付言する次第である。
1(1A、1B) 木質部材
2(2A、2B) 結合板
3a 凸部
3b 凹部
4 カンヌキ部材
5 通し孔
6 ラグスクリュー
7 木片
2(2A、2B) 結合板
3a 凸部
3b 凹部
4 カンヌキ部材
5 通し孔
6 ラグスクリュー
7 木片
Claims (8)
- 接合するべき木質部材の接合面に、相互に嵌り合う凹部と凸部を互い違いの配置に形成すると共に各凸部には横方向からカンヌキ部材を横並びの凸部へ共通に刺し通すことができる配置、形状の通し孔を形成して成る結合板を一体的に取り付け、
接合するべき木質部材は前記の結合板同士を突き合わせて各々の凹部と凸部を相互に嵌め合わせ、横並びに噛み合った凸部の通し孔へカンヌキ部材を共通に通して接合することを特徴とする、木質部材の接合工法。 - 接合するべき木質部材の結合板同士を突き合わせて各々の凹部と凸部を相互に嵌め合わせ、横並びに噛み合った凸部の通し孔へカンヌキ部材を共通に通して接合した接合部分の外周を、目隠し用の木片で覆うことを特徴とする、請求項1に記載した木質部材の接合工法。
- 木質部材の接合面へ当てがった結合板は、ラグスクリュー又は埋め込み接着ボルト若しくは通しボルトで木質部材へ一体的に取り付けていることを特徴とする、請求項1に記載した木質部材の接合工法。
- 接合するべき木質部材の接合面に、相互に嵌り合う凹部と凸部を互い違いの配置に形成すると共に各凸部には横方向からカンヌキ部材を共通に刺し通すことができる配置、形状の通し孔を形成して成る結合板が一体的に取り付けられており、
木質部材は前記の結合板同士を突き合わせて各々の凹部と凸部が相互に嵌め合わされ、横並びに噛み合った凸部の通し孔へカンヌキ部材を共通に通し接合されていることを特徴とする、木質部材の接合構造。 - 木質部材の結合板同士を突き合わせて各々の凹部と凸部が相互に噛み合わされ、横並びに噛み合った凸部の通し孔へカンヌキ部材を共通に通して接合された接合部分の外周が、目隠し用の木片で覆われていることを特徴とする、請求項4に記載した木質部材の接合構造。
- カンヌキ部材は板状材又は棒状材であり、凸部の通し孔は前記の板状材又は棒状材を密接に刺し通すことができる形状、大きさの孔であることを特徴とする、請求項4又は5に記載した木質部材の接合構造。
- カンヌキ部材は極低降伏点鋼から成ることを特徴とする、請求項4又は5若しくは6に記載した木質部材の接合構造。
- 結合板は鋳造品又はアルミニウムダイキャスト製品、若しくは鋼材の組み立て品又は合成樹脂成形品であることを特徴とする、請求項4又は5若しくは6に記載した木質部材の接合構造。
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