JP2006028846A - 頭部変形抑止型岩部用アンカー及び密着式防護網構造 - Google Patents

頭部変形抑止型岩部用アンカー及び密着式防護網構造 Download PDF

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Abstract

【課題】過大なロープ張力に耐え、頭部が変形し難く、斜面の防護性能に優れる頭部変形抑止型岩部用アンカー及びそれを備えた密着式防護網構造を提供する。
【解決手段】斜面に沿って防護網を張設するための縦横ロープを定着させる頭部変形抑止型岩部用アンカーであって、斜面に少なくとも2箇所で接して地上に露出する頭部3bと、頭部の一端側から延び出し、岩部に打設される主アンカーロッド部3aと、主アンカーロッド部と実質的に平行に前記頭部の他端側から延び出し、主アンカーロッド部より短く、主アンカーロッド部から所定の距離だけ離れた岩部に打設される副アンカーロッド部3cとを有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、落石や土砂崩壊等の防護工として山腹等の斜面(法面)に沿って張設される防護網を斜面(法面)に密着させる縦横ロープをアンカーするための頭部変形抑止型岩部用アンカー及びそれを用いた密着式防護網構造に関する。
従来の岩部用アンカーは、図6に示すように異形棒鋼又は丸棒の一端にネジ52を切り、ナット53と座金を用いてその端部にロープ2aを係留するものである。その施工は、削岩機で岩盤に所定径のボアホールを形成し、このなかにカプセル状のセメントミルク(接着剤)56を挿入し、棒鋼を差し込んで固化させ、アンカーとする。
特許文献1には落石等を防止するための密着式防護網構造と十手形ピンアンカーが開示されている。十手形ピンアンカーは頭部にフック状の係止部を備えており、この係止部により周囲の防護網又はロープ2aが斜面30から浮き上がらないように押え付け、斜面に対する網の密着性を高めようとしたものであり、補助的なものである。
特開平7−300819号公報
しかしながら、従来のアンカー50に過大な荷重が掛かると、棒鋼の許容剪断荷重に至るまでに図6(a)に示すように地際線からアンカー頭部が曲がるおそれがある。このため、図6(b)に示すパイプ56と座金55を組合せた補強金具51を用いてアンカー頭部の強度不足を補う必要があるが、この補強金具51の取り付けには多大の労力と時間を要するので、施工コストが増大する。
また、従来のアンカー50に過大な荷重が掛かった場合に、岩の軟度や初期ひび割れの状態などの地盤条件によっては図5に示すようにアンカー50の近傍からひび割れ60が成長して伝播し、岩盤の一部が剥落するおそれがある。このように従来の岩部用アンカー50は、頭部の変形抵抗性能が小さく、また斜面の防護性能が不十分であるという問題点がある。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、過大なロープ張力に耐えられ、頭部が変形し難く、斜面の防護性能に優れた頭部変形抑止型岩部用アンカー及びそれを備えた密着式防護網構造を提供することを目的とする。
本発明に係る頭部変形抑止型岩部用アンカーは、斜面に沿って防護網を張設するための縦横ロープを定着させる頭部変形抑止型岩部用アンカーであって、
斜面に少なくとも2箇所で接して地上に露出する頭部と、前記頭部の一端側から延び出し、岩部に打設される主アンカーロッド部と、前記主アンカーロッド部と実質的に平行に前記頭部の他端側から延び出し、前記主アンカーロッド部より短く、前記主アンカーロッド部から所定の距離だけ離れた岩部に打設される副アンカーロッド部とを具備することを特徴とする。
本発明に係る密着式防護網構造は、斜面に沿って張設された防護網と、前記防護網を斜面に押え付けて密着させる縦横ロープと、前記縦横ロープの交差部および端末部をそれぞれ岩部に定着させる複数の頭部変形抑止型岩部用アンカーと、前記頭部変形抑止型岩部アンカーが設けられた箇所以外の箇所の前記縦横ロープを岩部に補助的に定着させるか、または前記防護網を岩部に直接定着させる複数のピンアンカーとを具備する密着式防護網構造であって、
前記頭部変形抑止型岩部用アンカーは、斜面に少なくとも2箇所で接して地上に露出する頭部と、前記頭部の一端側から延び出し、岩部に打設される主アンカーロッド部と、前記主アンカーロッド部と実質的に平行に前記頭部の他端側から延び出し、前記主アンカーロッド部より短く、前記主アンカーロッド部から所定の距離だけ離れた岩部に打設される副アンカーロッド部とを具備することを特徴とする。
上記の主アンカーロッド部の埋設長さL1と副アンカーロッド部の埋設長さL2との比率L1/L2は、9:1〜3:1の範囲とすることが好ましく、6:1〜4:1の範囲とすることが更に好ましく、9:2とすることが最も好ましい。これらの数値より比率L1/L2が小さくなると、副アンカーロッド部の定着強度(埋設深さ)が不足して、頭部がロープ張力に抵抗できずに変形して副アンカーロッド部が抜けるおそれがあり、またアンカー周囲の岩盤にひび割れを生じやすくなるからである。一方、上記数値より比率L1/L2が大きくなると、アンカー設置作業に要する労力と使用材料が増加して施工コストが上昇するからである。
副アンカーロッド部の埋設長さL2は、100〜600mmの範囲とすることが好ましく、150〜300mmの範囲とすることが更に好ましく、200±20mmとすることが最も好ましい。埋設長さL2が100mmを下回ると、所望の定着強度が得られなくなるからである。一方、埋設長さL2が600mmを超えると、アンカー設置作業に要する労力と使用材料が増加して施工コストが上昇するからである。
なお、主アンカーロッド部の埋設長さL1は、地形や岩盤の性状に応じて適宜設計することができるが、通常は800〜1500mmの範囲のうちから最適の長さが選択される。
また、主アンカーロッド部と副アンカーロッド部とは同径であっても異径であってもいずれでもよいが、製作コストの低減の観点からは主アンカーロッド部と副アンカーロッド部とを同径にすることが望ましい。頭部の径についても同様である。1本の棒鋼を曲げ加工する方法がアンカーを最も容易に製作できるからである。
頭部は、直径Dの2〜4倍の曲率半径r(=2D〜4D)で半円状に湾曲していることが好ましく、直径の3倍の曲率半径r(=3D)で半円状に湾曲していることが最適である。頭部が変形し難くなるからである。また、ロープ張力が頭部を介して主アンカーロッド部と副アンカーロッド部とにバランス良く配分され、周囲の岩盤に伝播される力の分散が良好になり、岩盤のびび割れ等が生じ難くなるからである。
主アンカーロッド部と副アンカーロッド部との中心間距離L3は、頭部の曲率半径rとアンカー直径Dから自ずと決まってくるものであるが、通常は80〜200mmの範囲とするのが一般的である。なお、アンカー直径Dは、呼び径16〜29mmの範囲とするのが一般的である。
ロープ張力が作用する向きとは反対側の位置に副アンカーロッド部が打設されていることが好ましい。このような配置とすることによりアンカー全体としての剛性が高まり、ロープ張力が作用する方向とは逆向きの変形抵抗が増強されて、頭部が曲がり難くなるからである。
ロープ定着部にはアイスプライス、クリップ止め、くさび止め、ソケット止め、シングルロック、トヨロック等の各種タイプのロープ端末構造を採用することができる。特にアイスプライスは簡易な構造であり、作業性が良好であるので、本発明には最適である。
なお、ロープ定着部をアンカーに係留するための保持部材(シンブル)は、アンカー頭部に嵌め込むだけの嵌め込み方式であってもよいし、あるいはアンカー頭部に溶接や接着剤を用いて固着する固定方式であってもよい。但し、アンカー頭部にネジ切り部を形成して保持部材を螺合する締結方式は、ネジ部の強度が低下すること、およびネジ部が錆付きやすいことから好ましくない。
本発明の頭部変形抑止型岩部用アンカーは、接地点が2箇所となるため頭部の剪断曲げ強度が倍加して、過大なロープ張力にも耐えられるようになり、アンカー頭部が実質的に曲がらなくなる。
また、本発明によれば、岩の破壊影響面が広くなるため(図4(a)参照)、岩部の剥落が減少する。
また、従来アンカーは実験室レベルの負荷試験において曲がってしまうために実荷重での引張り試験ができないでいたが、本発明アンカーにおいては実荷重条件での引張り試験が可能となる。
また、本発明によれば、アンカー頭部にネジ部を形成しないので、棒鋼の全断面積を剪断曲げ剛性に有効に利用することができるとともに、錆付きにくくなり耐用年数が延長される。
また、本発明によれば、従来の補強金具やロープ抜け防止用ナット等の付属品が不要になるので、施工コストが大幅に削減される。
また、本発明によれば、岩部を前後2箇所で穿孔することになるが、この穿孔時に岩が壊れない良好な箇所の選定から見ると、近くに別の穿孔をすることで岩盤強度の判定が容易になるという利点がある。
以下、添付の図面を参照して本発明を実施するための最良の実施の形態について説明する。
図1の(a)(b)は本発明の密着式防護網構造の一実施例を示す図である。図2の(a)(b)は本発明の頭部変形抑止型岩部用アンカーの一実施例を示す図である。図1(a)において、符合1は密着式防護網構造、符合10は斜面に張設された防護網、符合2aは網10上に張設した縦ロープ、符合2bは網10上に張設した横ロープ、符合3は縦横ロープ2a,2bの両端末を斜面に定着させるための頭部変形抑止型岩部用アンカー、符合5はロープ交差部を法面30に定着させるための頭部変形抑止型岩部用アンカー、符合7はピンアンカーをそれぞれ示す。また、図1(b)において、符合30は落石や土砂崩壊等のおそれがある斜面(法面)、符合3aは頭部変形抑止型岩部用アンカーの主アンカーロッド部、符合5cは同アンカーの副アンカーロッド部、符合8a,8cはアンカー固定用充填固化物としてのセメントをそれぞれ示す。
防護網10は、防護網工の規模等に対応させて各種のサイズの通常の金網や厚幅に形成した厚金網、ラス金網、厚ネット、各種の繊維網等を使用し、落石や土砂崩壊等のおそれがある斜面30に沿って設けられている。
縦ロープ2aは、斜面30の高所から低所にわたって互いにほぼ等ピッチ間隔に張設されている。横ロープ2bは、斜面30の等高線に沿って互いにほぼ等ピッチ間隔に張設されている。これらの縦横ロープ2a,2bは、防護網10上に適宜の左右、上下間隔を置きその全面にわたり配置し、少なくとも防護網10の周縁部では網目に挿通され、適度の張力を付与して張設され、その両端部が斜面30周囲の比較的に強い岩盤に本発明の頭部変形抑止型岩部用アンカー3を用いて定着されている。なお、縦横ロープ2a,2bには防護網工の規模等に対応させて各種のワイヤロープや繊維ロープが用いられる。また、縦横ロープ2a,2bの交差部にも本発明の頭部変形抑止型岩部用アンカー5が用いられ、斜面30から浮き上がらないように縦横ロープ2a,2bが要所要所で強固に定着されている。さらに、縦ロープ2a又は横ロープ2bと網10あるいは網10のみを、多数のピンアンカー7を用いて定着させ、網10を斜面30に密着させるようにしている。これらのピンアンカー7は、例えば特許文献1に記載された頭部にフック状の係止部を備えた十手形ピンアンカーが用いられ、そのフック状係止部によって周囲の防護網10または縦横ロープ2a,2bが斜面30から浮き上がらないように押え付ける補助的なものである。
次に、図2〜図4を参照して本発明の頭部変形抑止型岩部用アンカーについて詳しく説明する。
本発明の頭部変形抑止型岩部用アンカー3,5は、上述したように縦横ロープ2a,2bの両端部および交差部にそれぞれ設けられており、これらは実質的に同じ構造を有するものである。ここでは縦ロープ2aの端末部の定着に用いられるアンカー3の例をとって説明する。
アンカー3は、直径13〜35mmで、かつ強度レベルが500N/mm2級の棒鋼(日本工業規格JIS G 3112相当品)を左右非対称な長さのところで180°曲げ加工して製作される。曲げた部分がアンカー頭部3bとなり、長いほうの脚が主アンカーロッド部3aとなり、短いほうの脚が副アンカーロッド部3cとなる。両脚の先端部3d,3eは斜めに切断されて鋭角をなしている。
本実施例ではアンカー頭部3bの曲率半径rを棒鋼の直径Dの3倍とした。また、主アンカーロッド部3aの長さL1を900mm、副アンカーロッド部3cの長さL2を200mmとした。また、主アンカーロッド部3aの埋設先端部3dの切込み角度θ1は30〜45°、副アンカーロッド部3cの埋設先端部3eの切込み角度θ2は30〜45°とした。なお、アンカー材料としての棒鋼の表面にはアンカー強度を高めるためにインデント(表面凹凸)が形成されている。
図2の(a),(b)に示すように、縦ロープ2aまたは横ロープ2bの端末部(横ロープ2bは図示せず)において縦ロープ2aに巻付グリップ2gがそれぞれ取り付けられ、巻付グリップ2gの端部にロープ定着部としてのアイスプライス21が形成されている。アイスプライス21は環状をなし、保持部材としてのシンブル9に嵌め込まれている。シンブル9は、アイスプライス21が嵌まり込む溝を有し、アンカー頭部3bの主アンカーロッド部3a側の首部に溶接により固定されている。
主アンカーロッド部3aは、岩部に穿孔された長いほうの縦長孔に充填されたセメント8aによって固定されている。また、副アンカーロッド部3cは、前述の長いほうの縦長孔から所定距離L3だけ離れたところに穿孔された浅いほうの縦長孔に充填されたセメント8aによって固定されている。主アンカーロッド部3aの埋設深さL1は約900mm、副アンカーロッド部3cの埋設深さL2は約200mmである。充填固化物としてのセメント8a,8cは、所定成分のセメントモルタル材料からなるものであり、カプセル状のセメントミルクを固化させたものであってもよいし、これ以外の他の不定形物を凝固又は固化させたもの(セメントの他に樹脂やガラス成分を含む混合物)であってもよい。
次に、本発明の密着式防護網構造を構築するときの施工手順の概要を説明する。
先ず、施工対象となる斜面30を測地し、その測地結果に基づいて防護網を張設すべき領域の範囲を決定する。決定した領域範囲にマーキングし、そのマーキングに従って斜面30の上部から下部に向かってピンアンカー7を打設しながら防護網10が斜面30に密着するように張設していく。
防護網10の張設後、アンカー打設予定点(縦横ロープの端部と交差部に該当する点)を決定し、それぞれにマーキングする。マーキングに従って穿孔機によりアンカー打設予定点ごとに岩盤に浅深2つの縦長孔を穿孔し、穿孔したボアホールにカプセル状のセメントミルクをそれぞれ挿入していく。
次いで、縦ロープ2aと横ロープ2bを斜面30に沿って張り渡すとともに、本発明の頭部変形抑止型岩部用アンカー3,5を打設していく。縦横ロープ2a,2bの両端部および交差部には環状のロープ定着部21が予め形成されており、このロープ定着部21に主アンカーロッド部3aを通し、ロープ定着部21を保持部材9に嵌め込み、図示しない打設機(ブレーカー、ピツクブレーカー等)にアンカー3を保持させて、主アンカーロッド部3aと副アンカーロッド部3cを2つの縦長孔に同時に打ち込む。アンカー3を打ち込むと、その打込負荷がアンカーロッド部3a,3cの軸線に沿って伝達され、アンカーロッド部3a,3cが所望の方向に能率、効率良く打ち込み推進されて、格別の変形もなく高精度に、頭部3bのみを地上に残してアンカーロッド部3a,3cの全長が打ち込まれる。このときアンカー先端部3d,3eがカプセルをそれぞれ突き破り、カプセルからセメントミルクが流出し、ボアホール内部がセメントミルクで満たされる。所定時間が経過すると、セメントミルクが固化して、アンカー3が岩部に強固に固着される。
以上のようにして密着式防護網構造1が完成する。本発明の頭部変形抑止型岩部用アンカー3,5を要所要所に用いることにより、斜面30に対する縦横ロープの定着性と網10の密着性が向上し、浮石や土砂等の保有性が高められ、斜面30の防護性能と信頼性がさらに高められる。
従来のアンカー50では埋設部が1つのみであるので図4の(a)に示すように岩の破壊影響面63の広がりが限定されているのに対して、実施例のアンカー3では2つのアンカーロッド部3a,3bを埋設することによって図4の(a)に示すように岩の破壊影響面61,62が倍加する。このため、ロープ張力の分散がバランス良く行われ、斜面から岩部の一部が剥落することが抑制される。
表1に、各種サイズのアンカーについて、ロープ張力による剪断曲げに対して有効に働く断面積を実施例と比較例とを比べて示した。比較例はネジ部を有する従来のアンカーを対象とし、ネジ部有効断面積をA(cm2)とした。実施例はネジ部が無い本発明のアンカーを対象とし、表面にインデントが形成された異形棒鋼の公称断面積をB(cm2)とした。5種類の呼び径D16,D19,D22,D25,D29について比較したところ、断面積比B/Aはそれぞれ1.26、1.82、1.57、1.43、1.39であった。このように実施例アンカーは、呼び径が同じであれば、比較例アンカーに比べて棒鋼の公称断面積を剪断曲げ剛性に有効に利用することができるので、強度設計において非常に有利である。
Figure 2006028846
本発明は、落石や土砂崩壊等の防護工として山腹等の斜面(法面)に沿って張設される防護網を斜面(法面)に密着させる縦横ロープをアンカーするための頭部変形抑止型岩部用アンカー及びそれを用いた密着式防護網構造に用いることができる。
(a)は本発明の密着式防護網構造を示す概略平面図、(b)は(a)のA−A矢視断面図。 (a)は本発明の頭部変形抑止型岩部用アンカーを示す拡大断面図、(b)は本発明の頭部変形抑止型岩部用アンカーを上方から見て示す平面図。 本発明の頭部変形抑止型岩部用アンカーの断面模式図。 (a)は本発明の頭部変形抑止型岩部用アンカーの周囲岩盤に作用する力を模式的に示す平面図、(b)は従来アンカーの周囲岩盤に作用する力を模式的に示す平面図。 従来のアンカーを用いて防護施工された斜面を模式的に示す図。 (a)は従来のアンカーを示す断面図、(b)は従来アンカーの補強金具を示す図。
符号の説明
1…密着式防護網構造、
2a…縦ロープ、2b…横ロープ、
2g…巻付グリップ、
21…アイスプライス(ロープ定着部)、
3…頭部変形抑止型岩部用アンカー(ロープ端部用)、
3a…主アンカーロッド部、3b…頭部、3c…副アンカーロッド部、
3d,3e…埋設先端部、
5…頭部変形抑止型岩部用アンカー(ロープ交差部用)、
7…ピンアンカー、
8a,8c…セメント(充填固化物、接着剤)、
9…シンブル(保持部材)、
10…防護網(厚ネット)、
30…斜面(法面)、
61,62,63…岩の破壊影響面。

Claims (14)

  1. 斜面に沿って防護網を張設するための縦横ロープを定着させる頭部変形抑止型岩部用アンカーであって、
    斜面に少なくとも2箇所で接して地上に露出する頭部と、
    前記頭部の一端側から延び出し、岩部に打設される主アンカーロッド部と、
    前記主アンカーロッド部と実質的に平行に前記頭部の他端側から延び出し、前記主アンカーロッド部より短く、前記主アンカーロッド部から所定の距離だけ離れた岩部に打設される副アンカーロッド部と、
    を具備することを特徴とする頭部変形抑止型岩部用アンカー。
  2. 前記主アンカーロッド部の埋設長さと前記副アンカーロッド部の埋設長さとの比率を9:1〜3:1の範囲とすることを特徴とする請求項1記載のアンカー。
  3. 前記副アンカーロッド部の埋設長さを100〜600mmの範囲とすることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項記載のアンカー。
  4. 前記頭部は、直径の2〜4倍の曲率半径で半円状に湾曲していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のアンカー。
  5. 前記主アンカーロッド部および副アンカーロッド部は、岩部に穿孔された浅深2つの縦長孔に充填された充填固化物によって岩部にそれぞれ固定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のアンカー。
  6. ロープ張力が作用する向きとは反対側の位置に前記副アンカーロッド部が打設されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のアンカー。
  7. 前記頭部の前記主アンカーロッド部側に取り付けられ、前記縦ロープ又は横ロープあるいは前記縦ロープ及び横ロープの定着部を係留保持する保持部材をさらに有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のアンカー。
  8. 斜面に沿って張設された防護網と、
    前記防護網を斜面に押え付けて密着させる縦横ロープと、
    前記縦横ロープの交差部および端末部をそれぞれ岩部に定着させる複数の頭部変形抑止型岩部用アンカーと、
    前記頭部変形抑止型岩部用アンカーが設けられた箇所以外の箇所の前記縦横ロープを岩部に補助的に定着させるか、または前記防護網を岩部に直接定着させる複数のピンアンカーと、を具備する密着式防護網構造であって、
    前記頭部変形抑止型岩部用アンカーは、
    斜面に少なくとも2箇所で接して地上に露出する頭部と、
    前記頭部の一端側から延び出し、岩部に打設される主アンカーロッド部と、
    前記主アンカーロッド部と実質的に平行に前記頭部の他端側から延び出し、前記主アンカーロッド部より短く、前記主アンカーロッド部から所定の距離だけ離れた岩部に打設される副アンカーロッド部と、
    を具備することを特徴とする密着式防護網構造。
  9. 前記主アンカーロッド部の埋設長さと前記副アンカーロッド部の埋設長さとの比率を9:1〜3:1の範囲とすることを特徴とする請求項8記載の密着式防護網構造。
  10. 前記副アンカーロッド部の埋設長さを100〜600mmの範囲とすることを特徴とする請求項8又は9のいずれか1項記載の密着式防護網構造。
  11. 前記頭部は、直径の2〜4倍の曲率半径で半円状に湾曲していることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項記載の密着式防護網構造。
  12. 前記主アンカーロッド部および副アンカーロッド部は、岩部に穿孔された浅深2つの縦長孔に充填された充填固化物によって岩部にそれぞれ固定されていることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項記載の密着式防護網構造。
  13. ロープ張力が作用する向きとは反対側の位置に前記副アンカーロッド部が打設されていることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項記載の密着式防護網構造。
  14. 前記頭部の前記主アンカーロッド部側に取り付けられ、前記縦ロープ又は横ロープあるいは前記縦ロープ及び横ロープの定着部を係留保持する保持部材をさらに有することを特徴とする請求項8乃至13のいずれか1項記載の密着式防護網構造。
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