JP2006028779A - アンカー部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 非通電性であるとともに、簡略な構成で壁体の削孔に対して高い定着性を確保し確実に壁面被覆材を壁体に支持固定できる有効適切なアンカー部材を提供する。
【解決手段】 スリーブ部4の先端部に拡径部7が形成され基端部にヘッド部8が形成されているアンカー本体5と、その中心孔に基端側から打ち込むことで拡径部を拡径させるアンカーピン6とからなり、それらをいずれも不導体である高強度樹脂を素材とする樹脂成形品とする。アンカーピンとしてアラミドロッドを用いる。アンカーピンの長さをアンカー本体の長さよりも大きくして、その先端部を接着材3によって削孔2内の先端部に固着せしめて定着する。接着材が含浸可能かつ柔軟な素材からなる環状の緩衝材16をアンカー本体のヘッド部の裏面側に装着する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、たとえばトンネル等のコンクリート壁面に対して補強用あるいは止水用の壁面被覆材を取り付ける際に用いて好適なアンカー部材に関する。
従来より、例えばトンネルの覆工コンクリート等の壁体の表面を保護してその剥落や崩落を防止すべく、アラミド繊維シート等の壁面被覆材で壁面を被覆することが広く行われている。その際には、壁面被覆材を単に壁面に対して接着材等で固着するのみでなく、例えば特許文献1に示されるようなアンカー装置や、特許文献2に示されるようなアンカーピン等を用いて、壁面被覆材を壁面に対して支持固定することが一般的となっている。
特開2003−269100号公報 特開平11−36610号公報
しかし、特許文献1や特許文献2に示されるような従来一般のこの種のアンカー手段はいずれも導電性を有する金属製であることから、帯電や感電の危険性等の保安上の問題から電気関連施設へは適用し難い場合がある。また、特許文献1に示されるアンカー装置や特許文献2に示されるアンカーピンは、いずれも先端部の拡径による機械的な固定と削孔内に充填した接着材による接着とを併用して定着するものであるが、前者は構成が複雑に過ぎて高価であるばかりでなく作業性も良くなく、後者は充分な定着強度が期待できない場合があって信頼性の点で難があり、いずれも広く普及するに至っていない。
上記事情に鑑み、本発明は、非通電性であるとともに、簡略な構成で壁体の削孔に対して高い定着性を確保し確実に壁面被覆材を壁体に支持固定できる有効適切なアンカー部材を提供することを目的としている。
請求項1の発明は、壁体に形成された削孔内に定着されることにより、壁面を被覆している壁面被覆材を削孔周囲の壁面に支持固定する構成のアンカー部材であって、スリーブ部の先端部に拡径部が形成され基端部にヘッド部が形成されているアンカー本体と、そのアンカー本体の中心孔に基端側から打ち込むことで拡径部を拡径させるアンカーピンとからなり、前記アンカー本体および前記アンカーピンは、いずれも不導体である高強度樹脂を素材とする樹脂成形品からなり、前記アンカー本体の拡径部は、前記スリーブ部の少なくとも先端部をスリットによって複数の分割片に分割するとともに、スリーブ部の先端部における中心孔の内径寸法をアンカーピンの外径寸法よりも小さくすることで形成され、前記アンカー本体のスリーブ部を接着材が充填されている削孔内に挿入してその中心孔にアンカーピンを打ち込むことにより、拡径部を拡径してアンカー本体を削孔に対して固定するとともに、アンカー本体およびアンカーピンの全体を接着材により固着して壁体に定着する構成としたことを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1の発明のアンカー部材であって、アンカーピンは、アラミド繊維を束ねて樹脂により棒状に固着せしめた樹脂成形品であるアラミドロッドからなることを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明のアンカー部材であって、アンカーピンの全長をアンカー本体の全長よりも長くして、アンカー本体に打ち込んだアンカーピンの先端部をアンカー本体先端よりも前方に突出せしめることにより、そのアンカーピンの先端部を接着材によって削孔内の先端部に固着せしめて定着する構成としたことを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項1,2または3の発明のアンカー部材であって、柔軟かつ接着材が含浸可能な素材からなる環状の緩衝材を、アンカー本体のヘッド部の裏面側に装着する構成としたことを特徴としている。
請求項1の発明のアンカー部材は、その全体すなわちアンカー本体およびアンカーピンの双方がいずれも不導体により成形されているので、電気関連施設に対しても保安上の問題なく支障なく適用でき、安全な作業環境を確保することが可能である。また、アンカー本体はその先端部に形成されている拡径部がアンカーピンの打ち込みにより拡径して削孔内壁に押圧されることで削孔に対して機械的に強固に固定されるのみならず、削孔内に予め接着材を充填しておくことによりアンカー本体およびそれに打ち込んだアンカーピンの全体が接着材により固着されることになり、上記のような拡径部の拡径による機械的な固定と接着材による接着の双方によりアンカー部材を削孔内に確実強固に定着することができ、優れた定着強度と信頼性を確保することができる。
請求項2の発明のアンカー部材は、アンカーピンとして小径であっても優れた強度を有するアラミドロッドを採用しているので、打ち込みの際にそれが折れたり曲がったりすることを確実に防止できるし、それ自体が優れた引っ張り強度を有するのでこのアンカーピン自体による定着強度の増強効果も得られる。また、アンカーピンを充分に小径とできることから、それを打ち込むスリーブ部の断面径や、アンカー本体を挿入するための削孔径も小断面とでき、工費削減と作業効率の向上を図ることができる。
請求項3の発明のアンカー部材は、アンカーピンを接着材によってアンカー本体に一体に固着するのみならず、アンカーピンの先端部をアンカー本体の前方に突出させることによりアンカーピンの先端部が削孔内の先端部に対して直接的に定着されることになり、したがってアンカーピン自体がより確実に定着されるとともに定着有効長さがより大きくなり、アンカー部材全体としての定着強度をより高めることができる。
請求項4の発明のアンカー部材は、アンカー本体の基端部に形成されているヘッド部の裏面側に柔軟な緩衝材を装着することにより、その変形により壁面の不陸や壁面に対する削孔の傾きを吸収できるので、この緩衝材を介してヘッド部によって壁面被覆材を壁面に対して確実に押圧し支持固定することができる。また、接着材が含浸可能な緩衝材を用いることにより、削孔内にアンカー本体を挿入する際に削孔内から溢れ出す接着材、あるいは壁面被覆材に塗布する接着材が緩衝材に含浸してそれによる接着効果も期待できる。
本発明のアンカー部材の一実施形態を図1〜図4に示す。本実施形態のアンカー部材は、図4(c)に示すように、壁体1に形成した削孔2内に固定され、かつ削孔2に予め充填された接着材3によって固着されることにより、壁体1に対して確実強固に定着されるものである。
本実施形態のアンカー部材は、図1に示すようにアンカー本体5とアンカーピン6とを主体として構成されたものであるが、それらアンカー本体5およびアンカーピン6はいずれも不導体である高強度樹脂を素材とする樹脂成形品であり、特にアンカーピン6としては多数のアラミド繊維を束ねて樹脂により小径の棒状に形成した高強度のアラミドロッドが採用されている。
本実施形態のアンカー部材におけるアンカー本体5は、図1〜図3に示すようにスリーブ部4の先端部に拡径部7が形成され、基端部にはヘッド部8が一体に形成されているものである。
アンカー本体5におけるスリーブ部4は外径がたとえば9mm程度、全長がたとえば60mm程度とされ、そのスリーブ部4の先端部はやや先細り形状とされていて、スリーブ部4の周面にほぼ全長にわたって形成されたスリット9によって先端部が2つの分割片10に分割されることでそこが拡径部7とされている。そして、図3(a)に示すようにスリーブ部4の中心孔11の断面寸法は、スリーブ部4の基端側ではアンカーピン6の外径寸法を上回る程度(たとえば4mm程度)とされているが、先端側においてはテーパ部12を介して絞られてアンカーピン6の外径寸法よりも小さく(たとえば1mm程度)されており、それにより同図(b)に示すようにアンカーピン6をスリーブ部4の先端部まで打ち込むことにより両側の分割片10がそれぞれ外側に押し広げられて拡径されるようになっている。なお、スリーブ部4の分割片10の上部周面には、抜け止めとして機能して削孔2への定着強度を高めるための鈎状の段部13が多段に形成されている。
スリーブ部4の基端部に形成されているヘッド部8は、たとえば直径45mm程度の円盤状をなし、その中心には上記の中心孔11が開口しているとともに、上面には放射状に4本のリブ14が厚肉部として形成され、それらリブ14の間には図3に示すように上面側が大きく下面側で小さくされた擂り鉢状の貫通孔15が形成されている。
アンカーピン6は上述のようにアラミドロッドからなるもので、直径がわずか3mm程度の小径のものであっても鋼材等に勝る強度を有するものである。本実施形態ではアンカーピン6の全長はアンカー本体5の全長にほぼ等しくされていて、このアンカーピン6をアンカー本体5の基端側から中心孔11に打ち込むことで上述のように拡径部7を拡径してアンカー本体5を削孔2内に固定するとともに、そのアンカーピン6自体も接着材3によってアンカー本体5とともに削孔2内に定着されることにより、その優れた引っ張り強度によってこのアンカー部材全体の定着強度を高める機能を備えたものである。
また、アンカー本体5の基端部におけるヘッド部8の裏面側には環状の緩衝材16が装着されるようになっている。緩衝材16は柔軟かつ接着材が含浸可能な素材、たとえばウレタンフォーム等により形成されたもので、これを装着したアンカー本体5を削孔2に挿入して緩衝材16をヘッド部8と壁体1との間に介装することにより、緩衝材16の変形によって壁面の不陸や壁面に対する削孔2の傾きを吸収し得るようになっており、またこの緩衝材16も接着材3によって壁体1およびアンカー本体5に対して固着されるようになっている。
上記アンカー部材によって、トンネルの覆工コンクリートとしての壁体1にそれを保護するための壁面被覆材20を取り付ける場合の作業手順を図4に示す。
まず、図4(a)に示すように、必要に応じてサンダーケレン等による壁面の下地処理、プライマー材の塗布、不陸修正材21の塗布を行う。次いで、壁面被覆材20を接着するための接着材22の下塗りを行った後、壁面被覆材20を貼り付ける。上記のプライマー材、不陸修正材21、下塗り用の接着材22としてはいずれもエポキシ樹脂や変成アクリル樹脂が好適に採用可能であり、壁面被覆材20としては不導体であるアラミド繊維シートが好適に採用可能である。
そして、壁面被覆材20の上から壁体1の所定位置に削孔2を形成し、その削孔2内には接着材3を充填する。削孔2の径寸法はスリーブ部4の外径よりもやや大きい程度(たとえば10.5mm程度)とし、削孔2の深さは少なくともスリーブ部4の全体を挿入できる程度とする。削孔2内に充填する接着材3としてはたとえば変成アクリル樹脂が好適に採用可能である。削孔2への接着材3の充填量は、アンカー本体5を挿入しアンカーピン6を打ち込んだ状態で少なくとも削孔2内全体に接着材3が満たされるように設定しておく必要があるが、後述のようにその際に削孔2内から溢れ出すように充分な量の接着材3を充填しておくと良い。
図4(b)に示すように、アンカー本体5に緩衝材16を予め装着してそのスリーブ部4を削孔2内に挿入し、アンカー本体5の中心孔11にテーパ部12(図3(a)参照)の位置までアンカーピン6を差し込んだ後、ハンマー等によりアンカーピン6の全体をアンカー本体5に対して打ち込む。これにより(c)に示すように拡径部7が拡径されて削孔2内面に押圧されることでアンカー本体5は削孔2に対して強固に固定され、同時にアンカー本体5も削孔2内に打ち込まれてそのヘッド部8が緩衝材16を介して削孔2周囲の壁面に押し付けられ、これにより壁面被覆材20が支持される。その際、削孔2内に充分な量の接着材3を充填しておくことにより、その接着材3が削孔2内全体に満たされるばかりでなく、スリーブ部4とアンカーピン6の体積相当分の接着材3が削孔2外に溢れ出し、それが緩衝材16に含浸され、さらにヘッド部8に形成されている貫通孔15(図3参照)を通してヘッド部8の表面側にも漏れ出すことになる。
所定の養生期間が経過すれば、削孔2内の接着材3が硬化してスリーブ部4およびアンカーピン6は削孔2内において一体に固着された状態でその全体が削孔2に対して固着され、また、削孔2内から溢れ出した接着材3によって緩衝材16やヘッド部8も壁体1に対して固着され、これにより壁面被覆材20が確実強固に支持固定される。以降は、図示は省略したが、壁面被覆材20の小片によってヘッド部8を被覆し、壁面被覆材20の全面に接着材を上塗りし、それが硬化すれば作業完了となる。
以上で説明したように、本実施形態のアンカー部材によれば、アンカー本体5およびアンカーピン6をいずれも電気的な絶縁材である樹脂成形品としたので、電気関連施設に対しても保安上の問題なく支障なく適用することができることはもとより、アンカーピン6によって拡径部7が拡径されることによるアンカー本体5の機械的な固定と、アンカー本体5およびアンカーピン6の全体が接着材3によって削孔2内に固着されることによって、優れた定着強度と信頼性が得られる。特に、アンカーピン6の打ち込みによって拡径部7が拡径されることでスリーブ部4の周面に形成されているスリット9が先端側ほど大きく開かれることになるから、そのスリット9を通してアンカーピン6の周囲にまで接着材3が確実に回り込み、したがってアンカー本体5のみならずアンカーピン6も確実に固着することができる。
しかも、そのアンカーピン6としてアラミドロッドを採用したことにより、打ち込みの際に折れたり曲がったりすることを確実に防止できるし、それ自体が優れた引っ張り強度を有するのでこのアンカーピン6自体による定着強度の増強効果も得られる。また、アンカーピン6を充分に小径とすることが可能であるのでスリーブ部4の小径化と削孔2の小径化を実現でき、工費削減と作業効率の向上を図ることができる。
また、アンカー本体5に緩衝材16を装着したことにより、その緩衝材16によって壁面の不陸や壁面に対する削孔2の傾きを吸収し得るし、削孔2内に充填した接着材3を溢れ出させて緩衝材16に含浸させるようにすれば、その緩衝材16やアンカー本体5のヘッド部8も壁体1に対して自ずと接着することができる。
以上で本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものでは勿論なく、たとえば以下に列挙するように様々な応用や変形が可能である。
上記実施形態では削孔2の深さおよびアンカーピン6の長さをスリーブ部4の全長と同等にしたが、図5に示すように削孔2をスリーブ部4の全長よりも深くし、かつアンカーピン6もスリーブ部4の全長よりも長くして、アンカーピン6をアンカー本体5に打ち込んだ状態ではその先端部がアンカー本体5の前方に突出するようにしても良い。そのようにすれば、アンカーピン6の先端部が接着材3により削孔2内の先端部に直接的に定着されることになり、アンカーピン6自体の定着強度がより増強されるとともに定着長さが長くなることから、アンカー部材全体としての定着強度をより高めることができる。また、アンカーピン6の外周面が粗となる表面形状にすると、さらに定着強度が増し好適である。
アンカーピン6としては上記実施形態のようなアラミドロッドが最適であるが、必ずしもそれに限るものではなく、アラミドロッドと同等程度の強度を有するような樹脂成形品であれば他の素材も採用可能である。また、高強度繊維の樹脂成形品とする場合、繊維を単に束ねるだけでなくそれを編組したり撚り合わせた上で樹脂成形することも考えられる。なお、アンカーピン6をハンマー等により打ち込む際にその衝撃によってアンカーピン6の頭部が変形したり潰れるようなことが想定される場合には、アンカーピン6の頭部に保護用のキャップを装着することも考えられる。その場合、たとえば図6に示すように、ABS樹脂等の高強度樹脂により(a)に示すようなキャップ25を製作しておいて、それを(b)に示すようにアンカーピン6の頭部に装着した状態でアンカーピン6を打ち込むことにより、(c)に示すようにヘッド部8の中心部に凹部として形成されている中心孔11の上端部内にキャップ25をそのまま嵌め込んでしまうことが考えられる。あるいは、アンカーピン6を打ち込むための適宜の治具を用意しておき、それを保護用のキャップを兼ねて頭部に装着して打ち込みを行い、打ち込み後には取り外すようにしても良い。
アンカー本体5の素材や各部の形状、寸法は、例示したものに限らず適宜設計すれば良いことは言うまでもない。たとえば、上記実施形態ではスリーブ部4の周面をスリット9により2分割することで2つの分割片10による拡径部7を形成したが、スリーブ部4の周面をより多数のスリット9によって3分割ないし4分割あるいはそれ以上に分割するようにして、3つ以上の分割片10による拡径部7を形成しても良い。また、上記実施形態ではアンカー本体5の中心孔11の断面寸法をテーパ部12を介して先端側を絞り込むようにしたが、たとえば図7に模式的に示すように中心孔11全体を基端から先端にかけて連続的に漸次小径となるようなテーパ状に形成しても良い。
また、上記実施形態ではスリット9をスリーブ部4のほぼ全長にわたって形成したうえで、中心孔11に形成したテーパ部12の位置から先端側を拡径部7としたが、図7に併せて示しているように、スリット9をスリーブ部4の中間部にまで形成するにとどめてそのスリット9を形成した部分の全体をそのまま拡径部7とすることでも良い。さらに、上記実施形態ではアンカー本体5の周面に抜け止めとして機能する鈎状の段部13を設けたが、同じく図7に示しているようにそのような段部13を省略してスリーブ部4をより単純な形状とすることでも良い。
上記実施形態ではアンカー本体5に緩衝材16を装着するものとしたが、緩衝材16が不要であれば省略しても良い。また、上記実施形態のように削孔2内から接着材3を溢れ出させて緩衝材16やヘッド部8も壁体1に対して接着することでも良いが、必ずしもそうすることはない。いずれにしても、最終的には壁面被覆材20全体を壁体1に対して接着するための接着材22がさらに上塗りされるので、その接着材22によってアンカー本体5のヘッド部8や緩衝材16も壁体1に対して自ずと固着されてしまうことになり、その際にはヘッド部8に形成されている擂り鉢状の貫通孔15に自ずと接着剤が充填されて優れた接着効果が得られる。
上記実施形態はトンネルの覆工コンクリートとしての壁体1にそれを保護するための壁面被覆材20を取り付ける場合の適用例であるが、それに限らず、壁体1はたとえば岩盤であっても良い。また、壁面被覆材20についてもアラミド繊維シートに限るものではなく、壁面に設置したいシート状の材料であれば何れを用いても良く、不導体である必要がなければ炭素繊維シート等も採用可能である。加えて、上記実施形態では壁面被覆材20で壁体1を保護するに際し、壁面に不陸修正材21や下塗りの接着材22を層状に重ねた上で壁面被覆材20を貼り付けるようにしたが、その具体的な工法も任意である。
本発明の実施形態であるアンカー部材の全体概略構成を示す斜視図である。 同、アンカー本体の上面図、側面図、底面図である。 同、断面図である。 同、壁体への取り付け作業手順を示す図である。 同、変形例を示す図である。 同、アンカーピンにキャップを装着する場合の例を示す図である。 同、他の構成例を模式的に示す図である。
符号の説明
1 壁体
2 削孔
3 接着材
4 スリーブ部
5 アンカー本体
6 アンカーピン
7 拡径部
8 ヘッド部
9 スリット
10 分割片
11 中心孔
12 テーパ部
13 段部
14 リブ
15 貫通孔
16 緩衝材
20 壁面被覆材
21 不陸修正材
22 接着材
25 キャップ

Claims (4)

  1. 壁体に形成された削孔内に定着されることにより、壁面を被覆している壁面被覆材を削孔周囲の壁面に支持固定する構成のアンカー部材であって、
    スリーブ部の先端部に拡径部が形成され基端部にヘッド部が形成されているアンカー本体と、そのアンカー本体の中心孔に基端側から打ち込むことで拡径部を拡径させるアンカーピンとからなり、
    前記アンカー本体および前記アンカーピンは、いずれも不導体である高強度樹脂を素材とする樹脂成形品からなり、
    前記アンカー本体の拡径部は、前記スリーブ部の少なくとも先端部をスリットによって複数の分割片に分割するとともに、スリーブ部の先端部における中心孔の内径寸法をアンカーピンの外径寸法よりも小さくすることで形成され、
    前記アンカー本体のスリーブ部を接着材が充填されている削孔内に挿入してその中心孔にアンカーピンを打ち込むことにより、拡径部を拡径してアンカー本体を削孔に対して固定するとともに、アンカー本体およびアンカーピンの全体を接着材により固着して壁体に定着する構成としたことを特徴とするアンカー部材。
  2. 請求項1記載のアンカー部材であって、
    アンカーピンは、アラミド繊維を束ねて樹脂により棒状に固着せしめた樹脂成形品であるアラミドロッドからなることを特徴とするアンカー部材。
  3. 請求項1または2記載のアンカー部材であって、
    アンカーピンの全長をアンカー本体の全長よりも長くして、アンカー本体に打ち込んだアンカーピンの先端部をアンカー本体先端よりも前方に突出せしめることにより、そのアンカーピンの先端部を接着材によって削孔内の先端部に固着せしめて定着する構成としたことを特徴とするアンカー部材。
  4. 請求項1,2または3記載のアンカー部材であって、
    柔軟かつ接着材が含浸可能な素材からなる環状の緩衝材を、アンカー本体のヘッド部の裏面側に装着する構成としたことを特徴とするアンカー部材。
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