JP2006028474A - 難接着樹脂製被着体の接着方法および難接着樹脂製被着体の接着構造 - Google Patents
難接着樹脂製被着体の接着方法および難接着樹脂製被着体の接着構造 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ポリアセタールからなる被着体をポリウレタン接着剤を用いて接着するに際し、安定・確実に高い接着強度を発現させる。
【解決手段】ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂またはポリエチレン樹脂からなる被着体を接着対象に対してポリウレタン接着剤により接着する方法において、被着体の接着面に物理的表面改質処理を施して接着性を向上させるとともに、被着体及び接着対象の少なくとも一方に、イソシアネート化合物を含むプライマーを塗布し、かつ接着剤として、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを20重量%以上含む湿気硬化型ポリウレタン接着剤を用いることとする。
【選択図】なし
【解決手段】ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂またはポリエチレン樹脂からなる被着体を接着対象に対してポリウレタン接着剤により接着する方法において、被着体の接着面に物理的表面改質処理を施して接着性を向上させるとともに、被着体及び接着対象の少なくとも一方に、イソシアネート化合物を含むプライマーを塗布し、かつ接着剤として、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを20重量%以上含む湿気硬化型ポリウレタン接着剤を用いることとする。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂またはポリエチレン樹脂からなる難接着樹脂製被着体の接着方法および接着構造に関するものである。
自動車ガラス用接着剤は、自動車用ガラスに対し、インナーミラー取り付け用ブラケットや、モール、プロテクター、位置決め用基準ピン、ヒンジ等の各部材を取り付けるために使用されており、通常、エポキシ系、ウレタン系、シリコン系、変性シリコン等の接着剤が使用されている。
特にポリウレタン接着剤はポリウレタンを主成分とした可塑剤、顔料等を配合した組成物であって、目地材、シーリング材、接着剤および被覆材等に使用されている(例えば特許文献1参照)。例えば、ポリウレタン接着剤は自動車ガラスと自動車ボディーを接着する際のダイレクトグレージング用やそれらの被着体を接着する接着剤として広く使用される。特に後者の場合は被着体の一方は合せガラスや強化ガラスに代表される自動車ガラスであり、もう一方の被着体はSUSやアルミニウムに代表される金属、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ナイロンなどの一般的なエンジニアリングプラスチックが使用されている。
しかし、これら被着体の中で、難接着樹脂と称されるポリアセタールはポリウレタン接着剤との相性が悪く、いわゆるプライマーを用いても接着力は低く、剥がれ易いことが問題であった。また、ポリアセタールの表面改質処理として、活性酸素やオゾンによる紫外線表面改質、コロナ放電、プラズマ放電等の物理的処理が知られているが、満足のいく効果は期待できなかった。
一方、近年では、軽量化(低比重)、易成型性、易リサイクル性などの特徴をもったポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂のニーズが高まっており、これらの樹脂で成型される被着体も増えてきている。しかし、これらのポリプロピレン樹脂およびポリエチレン樹脂も、難接着樹脂とされており、ポリウレタン接着剤との相性は特に悪く、ポリアセタール同様、プライマーや表面改質だけでは満足のいく効果は期待できなかった。
特表2004−506075号公報
そこで、本発明の主たる課題は、難接着樹脂製被着体をポリウレタン接着剤を用いて接着するに際し、安定・確実に高い接着強度を発現させることにある。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意研究した結果、被着体に対する紫外線照射処理等の物理的表面改質処理の適用、特定のプライマーの使用、ならびに特定の湿気硬化型ポリウレタン接着剤の使用を組み合わせることにより、各処理等からは想像できないレベルで、安定した接着強度の向上を図りうるとの知見を得て、本発明をなしたものである。
すなわち、上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂またはポリエチレン樹脂からなる被着体を接着対象に対してポリウレタン接着剤により接着する方法において、
前記被着体の接着面に物理的表面改質処理を施して接着性を向上させるとともに、
前記被着体及び接着対象の少なくとも一方に、イソシアネート化合物を含むプライマーを塗布し、かつ
前記接着剤として、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを20重量%以上含む湿気硬化型ポリウレタン接着剤を用いること、
を特徴とする難接着樹脂製被着体の接着方法。
<請求項1記載の発明>
ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂またはポリエチレン樹脂からなる被着体を接着対象に対してポリウレタン接着剤により接着する方法において、
前記被着体の接着面に物理的表面改質処理を施して接着性を向上させるとともに、
前記被着体及び接着対象の少なくとも一方に、イソシアネート化合物を含むプライマーを塗布し、かつ
前記接着剤として、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを20重量%以上含む湿気硬化型ポリウレタン接着剤を用いること、
を特徴とする難接着樹脂製被着体の接着方法。
(作用効果)
このように、被着体に対する紫外線照射処理等の物理的表面改質処理の適用、特定のプライマーの使用、ならびに特定の湿気硬化型ポリウレタン接着剤の使用を組み合わせることにより、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂またはポリエチレン樹脂からなる被着体をポリウレタン接着剤を用いて接着する場合であっても、安定・確実に高い接着強度を発現させることができるようになる。
このように、被着体に対する紫外線照射処理等の物理的表面改質処理の適用、特定のプライマーの使用、ならびに特定の湿気硬化型ポリウレタン接着剤の使用を組み合わせることにより、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂またはポリエチレン樹脂からなる被着体をポリウレタン接着剤を用いて接着する場合であっても、安定・確実に高い接着強度を発現させることができるようになる。
<請求項2記載の発明>
前記接着対象が自動車用ガラスである、請求項1記載の難接着樹脂製被着体の接着方法。
前記接着対象が自動車用ガラスである、請求項1記載の難接着樹脂製被着体の接着方法。
(作用効果)
本発明自動車用ガラスに対してポリアセタール被着体を接着する場合に特に好適である。
本発明自動車用ガラスに対してポリアセタール被着体を接着する場合に特に好適である。
<請求項3記載の発明>
ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂またはポリエチレン樹脂からなる被着体を接着対象に対してポリウレタン接着剤により接着してなる接着構造において、
前記被着体の接着面は、物理的表面改質処理が施されて接着性が向上されているとともに、
前記被着体及び接着対象の少なくとも一方に、イソシアネート化合物を含むプライマーが塗布されており、かつ
前記接着剤として、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを20重量%以上含む湿気硬化型ポリウレタン接着剤が用いられていること、
を特徴とする難接着樹脂製被着体の接着構造。
ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂またはポリエチレン樹脂からなる被着体を接着対象に対してポリウレタン接着剤により接着してなる接着構造において、
前記被着体の接着面は、物理的表面改質処理が施されて接着性が向上されているとともに、
前記被着体及び接着対象の少なくとも一方に、イソシアネート化合物を含むプライマーが塗布されており、かつ
前記接着剤として、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを20重量%以上含む湿気硬化型ポリウレタン接着剤が用いられていること、
を特徴とする難接着樹脂製被着体の接着構造。
(作用効果)
請求項1記載の発明と同様の作用効果が奏せられる。
請求項1記載の発明と同様の作用効果が奏せられる。
以上のとおり、本発明によれば、難接着樹脂からなる被着体をポリウレタン接着剤を用いて接着する場合であっても、安定・確実に高い接着強度を発現させることができるようになる等の利点がもたらされる。
以下、本発明の一実施形態について詳説する。
(ポリウレタン接着剤について)
本発明では、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを20重量%以上含む湿気硬化型ポリウレタン接着剤を用いる。本発明における「末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー」とは、水の存在によりイソシアネート基部分がウレタン結合を形成しながら、架橋、硬化して高分子となる化合物であり、ポリヒドロキシル化合物とポリイソシアネート化合物との反応生成物である。本発明に用いる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーは、一般に、一液型ウレタン組成物に用いられるものであればいかなるものでもよく、特に限定されるものではない。
(ポリウレタン接着剤について)
本発明では、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを20重量%以上含む湿気硬化型ポリウレタン接着剤を用いる。本発明における「末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー」とは、水の存在によりイソシアネート基部分がウレタン結合を形成しながら、架橋、硬化して高分子となる化合物であり、ポリヒドロキシル化合物とポリイソシアネート化合物との反応生成物である。本発明に用いる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーは、一般に、一液型ウレタン組成物に用いられるものであればいかなるものでもよく、特に限定されるものではない。
ウレタンプレポリマーの一方の製造原料であるポリヒドロキシル化合物としては、一般にウレタン化合物の製造に用いられる種々のポリエーテルポリオール、もしくはポリエステルポリオール、またはポリマーポリオールが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとは、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアキレンオキサイドの1種または2種以上を、2個以上の活性水素を有する化合物に付加重合させた生成物である。ここで、2個以上の活性水素を有する化合物としては、例えば、多価アルコール類、アミン類、アルカノールアミン類、多価フェノール類等が挙げられる。多価アルコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が、また、アミン類としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が、アルカノールアミン類としては、エタノールアミン、プロパノールアミン等が、そして多価フェノール類としては、レゾルシン、ビスフェノール類等を挙げることができる。
また、ポリエステルポリオールとは、多価アルコールと多塩基性カルボン酸の縮合物、多価アルコールとヒドロキシカルボン酸の縮合物、ラクトンの重合物等であり、これらに使用される多価アルコール類としては、先にポリエーテルポリオールの項で例示した化合物等が挙げられる。多塩基性カルボン酸類としては、例えば、アジピン酸、グルタール酸、アゼライン酸、フマール酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、ダイマー酸、ピロメリット酸等が挙げられる。さらに、多価アルコールとヒドロキシカルボン酸の縮合物としては、ヒマシ油、ヒマシ油とエチレングリコールの反応生成物、ヒマシ油とプロピレングリコールの反応生成物等も有用である。また、ラクトンの重合物とは、ε−カプロラクタム、α−メチル−ε−カプロラクタム、ε−メチル−ε−カプロラクタム等を適当な重合開始剤で開環重合させた物をいう。
また、ポリマーポリオールとは、例えば、前記ポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオールに、アクリロニトリル、スチレン、メチル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和化合物をグラフト重合させたものや、1,2−ポリブタンジオールまたは1,4−ポリブタンジオール、またはこれらの水素添加物等をいう。これらのヒドロキシル化合物としては上記の物があり、単独あるいは2種以上を併用してもよいが、重量平均分子量は100〜10,000程度のものが好ましく、500〜5,000程度のものがさらに好ましい。
ウレタンプレポリマーの他方の原料であるポリイソシアネート化合物としては、通常のポリウレタン樹脂の製造に用いられている種々のものを用いることができる。具体的には、2,4−トリレンジイソシアナートまたは2,6−トリレンジイソシアナート、フェニレンジイソシアナート、キシレンジイソシアナート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアナート、ナフチレン−1,5−ジイソシアナート、およびこれらに水素添加した化合物、エチレンジイソシアナート、プロピレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、1−メチル−2、4−ジイソシアナートシクロヘキサン、1−メチル−2、6−ジイソシアナートシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアナート等が挙げられる。これらのポリイソシアナート化合物は単独でも2種以上を併用してもよい。
末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー製造の際の、ポリヒドロキシル化合物とポリイソシアネート化合物の量比は、ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基1個あたり、ポリヒドロキシル化合物中のヒドロキシル基が1個以下となる量比とするのが好ましく、特に0.95〜0.75個とするのが好ましい。また、ウレタンプレポリマーの製造条件は、通常のウレタンプレポリマーの製造条件を適用できる。すなわち、前述のヒドロキシル化合物とポリイソシアネート化合物を反応温度50〜100℃程度で、常圧下で反応させればよい。
本発明のポリウレタン接着剤には、充填剤、可塑剤、酸化防止剤、顔料、シランカップリング剤、分散剤、溶剤等を添加することができる。
本発明のポリウレタン接着剤に添加する「充填剤」としては炭酸カルシウム、シリカ等が挙げられる。炭酸カルシウムは重質炭酸カルシウムと沈降性炭酸カルシウムに大別されるが、イソシアネート基と水分との反応を妨げ貯蔵安定性を向上させるために、脂肪酸エステルで表面を処理してなる沈降性炭酸カルシウムであることが好ましい。炭酸カルシウムの表面処理を行う脂肪酸エステルは、これを構成する脂肪酸、エステル共に限定されない。例えば、ステアリン酸ステアレート、ステアリン酸ラウレート、パルミチン酸ステアレート、パルミチン酸ラウレートである。また、一価アルコールから得られるエステルも有用である。表面処理に使用する脂肪酸エステルの量は、特に限定されないが、炭酸カルシウムの粒度に応じて増減することが好ましい。一般的には、炭酸カルシウム重量の1〜20%程度を使用する。
上記の脂肪酸エステルで表面処理した沈降性炭酸カルシウムの添加量は、ウレタンプレポリマー100重量部に対して50〜150重量部の範囲であることが好ましい。シリカは親水性グレードのものと疎水性グレードのものとがあるが、いずれのグレードのものを用いてもよい。
また、本発明のポリウレタン接着剤に添加する「可塑剤」としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジラウリルフタレート(DLP)、ジブチルベンジルフタレート(BBP)、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、トリオクチルフォスフェート、トリス(クロロエチル)フォスフェート、トリス(ジクロロプロピル)フォスフェート、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル、エポキシステアリン酸アルキル、エポキシ化大豆油が挙げられ、単独、あるいは混合して使用することができる。
また、本発明のポリウレタン接着剤に添加する「酸化防止剤」は、種々の自動酸化性物質に対し、光や熱などの条件下における酸素の作用を防止ないし抑制する性質をもつ有機化合物をいい、ラジカル連鎖禁止剤としては、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等のフェノール誘導体、ジフェニルアミン、フェニレンジアミン等の芳香族アミン、亜リン酸トリフェニル等の亜リン酸エステルなどを挙げることができる。
また、本発明のポリウレタン接着剤に添加する「顔料」は、無機顔料と有機顔料とを問わず使用できる。無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ等の金属酸化物、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム等の硫黄物、塩酸塩、硫酸塩等を挙げることができる。有機顔料としては、アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料等を挙げることができる。
また、本発明のポリウレタン接着剤に添加する「シランカップリング剤」としては、相互になじみの悪いガラス、シリカ、金属、粘土等の無機材料と高分子等の有機材料とを化学結合できる官能基を有する下記式(1)で表される有機ケイ素化合物を用いることができる。
Y〜CH2SiX3・・・ (1)
(式中のXはアルコキシ基やアセトキシ基、イソプロペノキシ基、アミノ基、ハロゲン等の加水分解性の置換基で、無機と反応し、Yは有機質と反応しやすいビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基などである。)
Y〜CH2SiX3・・・ (1)
(式中のXはアルコキシ基やアセトキシ基、イソプロペノキシ基、アミノ基、ハロゲン等の加水分解性の置換基で、無機と反応し、Yは有機質と反応しやすいビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基などである。)
また、本発明のポリウレタン接着剤に添加する「分散剤」は、固体を微細な粒子にして液中に分散させる物質をいい、ヘキサメタリン酸ナトリウム、縮合ナフタレンスルホン酸ナトリウム、界面活性剤を挙げることができる。
さらにまた、本発明のウレタン接着剤には溶剤を用いても良い。この溶剤としては、キシレン、トルエン等の芳香族系炭化水素溶剤を好適に用いることができる。
他方、本発明のウレタン接着剤の製造方法は、特に限定されないが、好ましくは各成分を減圧下または不活性雰囲気下に十分混練、均一に分散させて組成物とするのがよい。なお、本発明に用いうる市販品のウレタン接着剤としては、横浜ゴム(株)よりハマタイトWS−292、WS−95、Henkel社よりTerostat−8899、Dow Chemical社よりEssex U−414等を挙げることができる。
また、本発明のウレタン接着剤の使用量は、接着対象に接着する被着体の質量や形状等に応じて適宜変更可能であるが、通常の場合、単位接着面積当りの塗布量が0.02〜0.1g/cm2となるようにするのが好ましい。
(難接着樹脂製被着体について)
本発明はポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂またはポリエチレン樹脂からなる被着体を接着対象とするものである。ポリアセタールは直鎖状の高分子でポリエーテルの1種であり、ホモポリマーとコポリマーの2種類が存在するが、特に限定されない。ポリアセタール樹脂に強度を付加する上でガラス繊維を含有したグレードを用いても問題はない。本発明に用いられるポリアセタール樹脂の市販品としては、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)の商品名ユピタール、ポリプラスチックス(株)の商品名ジュラコン、デュポンジャパン(株)の商品名デルリン、旭化成工業(株)の商品名テナック等を挙げることができる。
本発明はポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂またはポリエチレン樹脂からなる被着体を接着対象とするものである。ポリアセタールは直鎖状の高分子でポリエーテルの1種であり、ホモポリマーとコポリマーの2種類が存在するが、特に限定されない。ポリアセタール樹脂に強度を付加する上でガラス繊維を含有したグレードを用いても問題はない。本発明に用いられるポリアセタール樹脂の市販品としては、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)の商品名ユピタール、ポリプラスチックス(株)の商品名ジュラコン、デュポンジャパン(株)の商品名デルリン、旭化成工業(株)の商品名テナック等を挙げることができる。
また、ポリプロピレン樹脂はプロピレンをアルミニウムアルキル/四塩化チタン系のチーグラー・ナッタ触媒を用いて溶剤存在下に重合させて得られるアイソタクチックポリマーである。成型材料としては分子量4万程度以上のものが、一般的で、密度は0.90とあらゆるプラスチックの中で最も小さい部類に属し、引張り強さ、耐熱性などの優れたポリマーである。ポリプロピレンの組成によりホモポリマー(単体重合体)と共重合体であるランダムポリマー、ブロックコポリマーなどに分類されるが、本発明では特に限定なく使用でき、また、衝撃性や剛性を向上させるために、ゴム成分、ガラス繊維、フィラーなどを添加した特殊グレードを用いることもできる。このような樹脂は日本ポリプロ(株)からノバテックPP、出光興産(株)からIDEMITSU PPという商品名で市販されている。
また、ポリエチレン樹脂はエチレンを高温、高圧下でのラジカル重合か、チーグラー・ナッタ触媒を用いて溶剤存在下に重合させて得られるアイソタクチックポリマーである。その重合方法の相違、さらにこの相違から生じるポリマーの性質の特徴から、高圧法ポリエチレン(低密度ポリエチレンLDPE)、中低圧法ポリエチレン(高密度ポリエチレンHDPE)及び低圧法による低密度ポリエチレン(L−LDPE)などに大別されるが、本発明では特に限定なく使用できる。ただし、今回のような被着体として用いる場合は高密度ポリエチレンが特に好ましい。このような樹脂は日本ポリプロ(株)からノバテックPE、出光興産(株)からIDEMITSU PE、住友化学工業(株)からスミカセンという商品名で市販されている。
これら難接着樹脂は公知の射出成型等により所望形状の被着体として成型することができるが、本発明は成型手法や形状により限定されるものではない。
本発明の難接着樹脂製被着体は、接着の前に、埃や油分を除去する為に、脱脂をしても良い。脱脂は通常、有機溶剤で行うことができる。このような有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコールや、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類が代表的であるが、これらに限定されず、他の脱脂剤を用いることもできる。
(難接着樹脂製被着体の物理的表面改質処理について)
本発明は、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂またはポリエチレン樹脂からなる被着体の接着面に物理的表面改質処理を施すものである。物理的表面改質処理は、紫外線照射、コロナ放電、プラズマ処理等をいうものであり、科学的処理や機械的処理と大別されるものである。コロナ放電やプラズマ処理は2極間で電子を飛ばす為に、フィルム等の薄い被着体に適している。これに対して、紫外線照射方式は位置決めピンのような立体的なものに適している。
本発明は、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂またはポリエチレン樹脂からなる被着体の接着面に物理的表面改質処理を施すものである。物理的表面改質処理は、紫外線照射、コロナ放電、プラズマ処理等をいうものであり、科学的処理や機械的処理と大別されるものである。コロナ放電やプラズマ処理は2極間で電子を飛ばす為に、フィルム等の薄い被着体に適している。これに対して、紫外線照射方式は位置決めピンのような立体的なものに適している。
紫外線照射方式は、酸素に185nmの紫外線を照射してオゾンに変化させ、更にそのオゾンに254nmの紫外線を照射し、オゾンを酸素と活性酸素に分解し、この活性酸素により対象物表面にある有機汚染物質を水や二酸化炭素に分解し洗浄するとともに、対象物の表面層の化学結合を切断し、活性酸素がその切断した表面層の分子に結合し、接着に有効な親水性の高い官能基に変換するものである。光源ランプの照度や照射対象との距離、照射対象の材質により、照射時間は任意に変更できる。このような紫外線照射システムは市販されている。
(プライマーについて)
本発明では、改質された難接着樹脂製被着体あるいは接着対象に対し、イソシアネート化合物を含むプライマーを塗布する。
本発明では、改質された難接着樹脂製被着体あるいは接着対象に対し、イソシアネート化合物を含むプライマーを塗布する。
本発明のプライマー組成物中のイソシアネート化合物には特に限定はなく、例えば、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、水添(水素添加)MDI、水添TDI、水添XDI、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、芳香族脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス−p−イソシアネートフェニルチオフォスフェイト等や、これらを適宜組み合わせて混合したものを用いることができる。イソシアネート化合物は、単独で使用するよりも数種組み合わせて使用することが好ましく、芳香族と脂肪族のイソシアネート化合物を併用すると特に好ましい。
本発明のイソシアネート含有プライマー組成物は、公知の溶剤にイソシアネート化合物を溶解・拡散させることにより得ることができ、この際、必要に応じて各種添加剤を添加できる。このようなイソシアネート含有プライマー組成物の製造方法としては、各成分を十分に混合できる各種の公知の方法が適用可能である。
本発明のイソシアネート含有プライマー組成物における溶剤としては、イソシアネート化合物に対して不活性なものであれば公知の各種溶剤が使用できる。具体例としては酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤やメチルエチルケトン、アセトンなどのケトン類やトルエンなどの芳香族系溶剤を挙げることができる。なかでも、酢酸エチルなどのエステル系やメチルエチルケトンなどのケトン系が人体に対する影響の点から好ましく、酢酸エチルなどのエステル系溶剤が特に好ましい。
また、添加物としては、例えばプライマー組成物に耐候性を付与する為に、カーボンブラックを添加するのが好ましい。
本発明のイソシアネート含有プライマー組成物中の総固形分は2〜30重量%、塗布時の粘度や接着性を考慮して、好ましくは5〜20重量%である。
このようなイソシアネート含有プライマー組成物は通常のプライマーと同様に被着体に塗布でき、塗布後適切な時間放置した後、接着に供することができる。塗布方法としては、筆や刷毛による塗布、スプレーによる塗布等を使用できるが、本発明は塗布方法によりに限定されるものではない。
本発明のイソシアネート含有プライマー組成物の被着体への乾燥膜厚は、1〜30μmが好ましく、それ以下またはそれ以上であると、プライマーとしての効果が発現し難くなる。特に好ましい乾燥膜厚は5〜15μmである。
本発明のイソシアネート含有プライマー組成物の市販品の例としては、横浜ゴム(株)の商品名RC−50E、商品名GS−81を挙げることができる。
(接着対象について)
本発明は接着対象により限定されるものではないが、特に自動車用ガラスに対してポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂またはポリエチレン樹脂からなる被着体を接着するのに好適である。自動車用ガラスには、自動車用の強化ガラス、黒色セラミックプリントガラス、中間層にポリビニルブチラールを使用した合せガラス等があるが、本発明はいずれにも適用でき、特に限定されるものではない。
本発明は接着対象により限定されるものではないが、特に自動車用ガラスに対してポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂またはポリエチレン樹脂からなる被着体を接着するのに好適である。自動車用ガラスには、自動車用の強化ガラス、黒色セラミックプリントガラス、中間層にポリビニルブチラールを使用した合せガラス等があるが、本発明はいずれにも適用でき、特に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリアセタール樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ガラス繊維強化グレードFG2025)を用いて、公知の射出成型法にて、接着面積が約434mm2になるように自動車ガラス用位置決めピンを作製した。
作製したポリアセタール製位置決めピンの接着面に、紫外線洗浄・改質装置(商品名OC−2506、岩崎電気(株)製)を用いて、照射ランプと被着体の接着面の距離が5mmになるように設定し、10分間の紫外線照射処理を行い、更に接着面にイソシアネートポリマーが主成分のプライマー組成物である横浜ゴム(株)製・RC−50E(固形分:約20%)を乾燥後の膜厚が約10μmになるように塗布した。
次いで、プライマー塗布後のポリアセタール製位置決めピンに対し、横浜ゴム(株)製・ハマタイトWS−292(湿気硬化型ウレタンシーラント:ウレタンプレポリマー含有31重量%)約2gを用いて、自動車用ガラスに接着させ、温度40℃、湿度60%RHの環境下で48時間養生乾燥した後、引張試験機(オートグラフ AGS−10KNG(島津製作所製))を用い、剪断強度を測定した。
ポリアセタール樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ガラス繊維強化グレードFG2025)を用いて、公知の射出成型法にて、接着面積が約434mm2になるように自動車ガラス用位置決めピンを作製した。
作製したポリアセタール製位置決めピンの接着面に、紫外線洗浄・改質装置(商品名OC−2506、岩崎電気(株)製)を用いて、照射ランプと被着体の接着面の距離が5mmになるように設定し、10分間の紫外線照射処理を行い、更に接着面にイソシアネートポリマーが主成分のプライマー組成物である横浜ゴム(株)製・RC−50E(固形分:約20%)を乾燥後の膜厚が約10μmになるように塗布した。
次いで、プライマー塗布後のポリアセタール製位置決めピンに対し、横浜ゴム(株)製・ハマタイトWS−292(湿気硬化型ウレタンシーラント:ウレタンプレポリマー含有31重量%)約2gを用いて、自動車用ガラスに接着させ、温度40℃、湿度60%RHの環境下で48時間養生乾燥した後、引張試験機(オートグラフ AGS−10KNG(島津製作所製))を用い、剪断強度を測定した。
(比較例1)
紫外線照射による表面改質を行わずに、かつプライマー組成物も未塗布にした以外は実施例1と同様にして、試料の作製および剪断強度の測定を行った。
紫外線照射による表面改質を行わずに、かつプライマー組成物も未塗布にした以外は実施例1と同様にして、試料の作製および剪断強度の測定を行った。
(比較例2)
プライマー組成物を未塗布にした以外は実施例1と同様にして、試料の作製および剪断強度の測定を行った。
プライマー組成物を未塗布にした以外は実施例1と同様にして、試料の作製および剪断強度の測定を行った。
(比較例3)
紫外線照射による表面改質を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、試料の作製および剪断強度の測定を行った。
紫外線照射による表面改質を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、試料の作製および剪断強度の測定を行った。
(測定結果−その1)
ポリアセタール樹脂被着体に関する測定結果を表1に示した。同表から明らかなように、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの含有量が組成物重量の20重量%以上を主成分とする湿気硬化型ポリウレタン接着剤を用いて、表面が改質されたポリアセタール被着体の接着面にイソシアネート化合物を含むプライマー組成物を塗布し、接着することで、従来にない高強度が発現し、安定製造できるようになることが判明した。
ポリアセタール樹脂被着体に関する測定結果を表1に示した。同表から明らかなように、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの含有量が組成物重量の20重量%以上を主成分とする湿気硬化型ポリウレタン接着剤を用いて、表面が改質されたポリアセタール被着体の接着面にイソシアネート化合物を含むプライマー組成物を塗布し、接着することで、従来にない高強度が発現し、安定製造できるようになることが判明した。
(実施例2)
ポリプロピレン樹脂(出光興産(株)製 IDEMITSU PP J700GP)を用いて、公知の射出成型法にて、接着面積が約314mm2になるように自動車ガラス用位置決めピンを作製した。
作製したポリプロピレン製位置決めピンの接着面に、紫外線洗浄・改質装置(商品名OC−2506、岩崎電気(株)製)を用いて、照射ランプと被着体の接着面の距離が10mmになるように設定し、30分間の紫外線照射を行い、更に接着面にイソシアネートポリマーが主成分のプライマー組成物である横浜ゴム(株)製・RC−50E(固形分:約20%)を乾燥後の膜厚が約10μmになるように塗布した。
次いで、プライマー塗布後のポリプロピレン製位置決めピンに対して、横浜ゴム(株)製・ハマタイトWS−292(湿気硬化型ウレタンシーラント:ウレタンプレポリマー含有31重量%)約2gを用いて、自動車用ガラスに接着させ、温度40℃、湿度60%RHの環境下で48時間養生乾燥した後、引張試験機(オートグラフ AGS−10KNG(島津製作所製))を用い、剪断強度を測定した。
ポリプロピレン樹脂(出光興産(株)製 IDEMITSU PP J700GP)を用いて、公知の射出成型法にて、接着面積が約314mm2になるように自動車ガラス用位置決めピンを作製した。
作製したポリプロピレン製位置決めピンの接着面に、紫外線洗浄・改質装置(商品名OC−2506、岩崎電気(株)製)を用いて、照射ランプと被着体の接着面の距離が10mmになるように設定し、30分間の紫外線照射を行い、更に接着面にイソシアネートポリマーが主成分のプライマー組成物である横浜ゴム(株)製・RC−50E(固形分:約20%)を乾燥後の膜厚が約10μmになるように塗布した。
次いで、プライマー塗布後のポリプロピレン製位置決めピンに対して、横浜ゴム(株)製・ハマタイトWS−292(湿気硬化型ウレタンシーラント:ウレタンプレポリマー含有31重量%)約2gを用いて、自動車用ガラスに接着させ、温度40℃、湿度60%RHの環境下で48時間養生乾燥した後、引張試験機(オートグラフ AGS−10KNG(島津製作所製))を用い、剪断強度を測定した。
(実施例3、4)
実紫外線照射時間を60分(実施例3)、90分(実施例4)と延長した以外は、実施例2と同様にして、試料の作製および剪断強度の測定を行った。
実紫外線照射時間を60分(実施例3)、90分(実施例4)と延長した以外は、実施例2と同様にして、試料の作製および剪断強度の測定を行った。
(比較例4)
紫外線照射による表面改質を行わずに、かつプライマー組成物も未塗布にした以外は実施例2と同様にして、試料の作製および剪断強度の測定を行った。
紫外線照射による表面改質を行わずに、かつプライマー組成物も未塗布にした以外は実施例2と同様にして、試料の作製および剪断強度の測定を行った。
(比較例5、6、7)
プライマー組成物を未塗布にした以外は実施例2と同様(比較例5)、実施例3と同様(比較例6)、および実施例4と同様(比較例7)にして、試料の作製および剪断強度の測定を行った。
プライマー組成物を未塗布にした以外は実施例2と同様(比較例5)、実施例3と同様(比較例6)、および実施例4と同様(比較例7)にして、試料の作製および剪断強度の測定を行った。
(比較例8、9、10)
プライマー組成物としてP82(塩素化ポリマー系、ダイヤボンド製)を使用した以外は実施例2と同様(比較例8)、実施例3と同様(比較例9)、および実施例4と同様(比較例10)にして、試料の作製および剪断強度の測定を行った。
プライマー組成物としてP82(塩素化ポリマー系、ダイヤボンド製)を使用した以外は実施例2と同様(比較例8)、実施例3と同様(比較例9)、および実施例4と同様(比較例10)にして、試料の作製および剪断強度の測定を行った。
(測定結果−その2)
ポリプロピレン樹脂被着体に関する測定結果を表2に示した。同表から明らかなように、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの含有量が組成物重量の20重量%以上を主成分とする湿気硬化型ポリウレタン接着剤を用いて、表面が改質されたポリプロピレン樹脂被着体の接着面にイソシアネート化合物を含むプライマー組成物を塗布し、接着することで、従来にない高強度が発現し、安定製造できるようになることが判明した。
ポリプロピレン樹脂被着体に関する測定結果を表2に示した。同表から明らかなように、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの含有量が組成物重量の20重量%以上を主成分とする湿気硬化型ポリウレタン接着剤を用いて、表面が改質されたポリプロピレン樹脂被着体の接着面にイソシアネート化合物を含むプライマー組成物を塗布し、接着することで、従来にない高強度が発現し、安定製造できるようになることが判明した。
(実施例5)
HDPE系ポリエチレン樹脂(日本ポリプロ(株)製 ノバテック HJ290)を用いて、公知の射出成型法にて、接着面積が約314mm2になるように自動車ガラス用位置決めピンを作製した。
作製したポリエチレン製位置決めピンの接着面に、紫外線洗浄・改質装置(商品名OC−2506、岩崎電気(株)製)を用いて、照射ランプと被着体の接着面の距離が10mmになるように設定し、10分間の紫外線照射を行い、更に接着面にイソシアネートポリマーが主成分のプライマー組成物である横浜ゴム(株)製・RC−50E(固形分:約20%)を乾燥後の膜厚が約10μmになるように塗布した。
次いで、プライマー塗布後のポリエチレン製位置決めピンに対して、横浜ゴム(株)製・ハマタイトWS−292(湿気硬化型ウレタンシーラント:ウレタンプレポリマー含有31重量%)約2gを用いて、自動車用ガラスに接着させ、温度40℃、湿度60%RHの環境下で48時間養生乾燥した後、引張試験機(オートグラフ AGS−10KNG(島津製作所製))を用い、剪断強度を測定した。
HDPE系ポリエチレン樹脂(日本ポリプロ(株)製 ノバテック HJ290)を用いて、公知の射出成型法にて、接着面積が約314mm2になるように自動車ガラス用位置決めピンを作製した。
作製したポリエチレン製位置決めピンの接着面に、紫外線洗浄・改質装置(商品名OC−2506、岩崎電気(株)製)を用いて、照射ランプと被着体の接着面の距離が10mmになるように設定し、10分間の紫外線照射を行い、更に接着面にイソシアネートポリマーが主成分のプライマー組成物である横浜ゴム(株)製・RC−50E(固形分:約20%)を乾燥後の膜厚が約10μmになるように塗布した。
次いで、プライマー塗布後のポリエチレン製位置決めピンに対して、横浜ゴム(株)製・ハマタイトWS−292(湿気硬化型ウレタンシーラント:ウレタンプレポリマー含有31重量%)約2gを用いて、自動車用ガラスに接着させ、温度40℃、湿度60%RHの環境下で48時間養生乾燥した後、引張試験機(オートグラフ AGS−10KNG(島津製作所製))を用い、剪断強度を測定した。
(実施例6、7)
実紫外線照射時間を20分(実施例6)、30分(実施例7)と延長した以外は、実施例5と同様にして、試料の作製および剪断強度の測定を行った。
実紫外線照射時間を20分(実施例6)、30分(実施例7)と延長した以外は、実施例5と同様にして、試料の作製および剪断強度の測定を行った。
(比較例11)
紫外線照射による表面改質を行わずに、かつプライマー組成物も未塗布にした以外は実施例5と同様にして、試料の作製および剪断強度の測定を行った。
紫外線照射による表面改質を行わずに、かつプライマー組成物も未塗布にした以外は実施例5と同様にして、試料の作製および剪断強度の測定を行った。
(比較例12、13、14)
プライマー組成物を未塗布にした以外は実施例5と同様(比較例12)、実施例6と同様 (比較例13)、および実施例7と同様(比較例14)にして、試料の作製および剪断強度の測定を行った。
プライマー組成物を未塗布にした以外は実施例5と同様(比較例12)、実施例6と同様 (比較例13)、および実施例7と同様(比較例14)にして、試料の作製および剪断強度の測定を行った。
(比較例15、16、17)
プライマー組成物としてP82(塩素化ポリマー系、ダイヤボンド製)を使用した以外は実施例5と同様(比較例15)、実施例6と同様(比較例16)、および実施例7と同様(比較例17)にして、試料の作製および剪断強度の測定を行った。
プライマー組成物としてP82(塩素化ポリマー系、ダイヤボンド製)を使用した以外は実施例5と同様(比較例15)、実施例6と同様(比較例16)、および実施例7と同様(比較例17)にして、試料の作製および剪断強度の測定を行った。
(測定結果−その3)
ポリエチレン樹脂被着体に関する測定結果を表3に示した。同表から明らかなように、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの含有量が組成物重量の20重量%以上を主成分とする湿気硬化型ポリウレタン接着剤を用いて、表面が改質されたポリエチレン樹脂被着体の接着面にイソシアネート化合物を含むプライマー組成物を塗布し、接着することで、従来にない高強度が発現し、安定製造できるようになることが判明した。
ポリエチレン樹脂被着体に関する測定結果を表3に示した。同表から明らかなように、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの含有量が組成物重量の20重量%以上を主成分とする湿気硬化型ポリウレタン接着剤を用いて、表面が改質されたポリエチレン樹脂被着体の接着面にイソシアネート化合物を含むプライマー組成物を塗布し、接着することで、従来にない高強度が発現し、安定製造できるようになることが判明した。
本発明は、自動車用ガラスに対し、インナーミラー取り付け用ブラケットや、モール、プロテクター、位置決め用基準ピン、ヒンジ等の各部材を取り付けるのに好適であるが、これに限定されず、広範な用途に適用できるものである。
Claims (3)
- ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂またはポリエチレン樹脂からなる被着体を接着対象に対してポリウレタン接着剤により接着する方法において、
前記被着体の接着面に物理的表面改質処理を施して接着性を向上させるとともに、
前記被着体及び接着対象の少なくとも一方に、イソシアネート化合物を含むプライマーを塗布し、かつ
前記接着剤として、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを20重量%以上含む湿気硬化型ポリウレタン接着剤を用いること、
を特徴とする難接着樹脂製被着体の接着方法。 - 前記接着対象が自動車用ガラスである、請求項1記載の難接着樹脂製被着体の接着方法。
- ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂またはポリエチレン樹脂からなる被着体を接着対象に対してポリウレタン接着剤により接着してなる接着構造において、
前記被着体の接着面は、物理的表面改質処理が施されて接着性が向上されているとともに、
前記被着体及び接着対象の少なくとも一方に、イソシアネート化合物を含むプライマーが塗布されており、かつ
前記接着剤として、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを20重量%以上含む湿気硬化型ポリウレタン接着剤が用いられていること、
を特徴とする難接着樹脂製被着体の接着構造。
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-
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