JP2006028395A - 金属厚膜被覆用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃焼時の有害ガス発生の懸念が無く、工業的生産が容易であり、且つ、厚塗りしても、塗膜のふくれや亀裂が発生せず、垂直面や天井面に塗布しても垂れや落下がない金属厚膜被覆用樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 ガラス転移温度(Tg)が0〜100℃、酸価が7〜60mgKOH/g、トルエン/n−ヘプタン(60/40重量比)溶剤浸漬によるゲル分率が60重量%以上、トルエン溶剤浸漬によるゲル分率が95重量%以下である合成ゴムラテックス及び/又はアクリルエマルジョン(A)、充填剤(B)、及び沸点が300℃以上の液状炭化水素化合物(C)を含有することを特徴とする金属厚膜被覆用樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属厚膜被覆用樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくは、合成ゴムラテックス及び/又はアクリルエマルジョン、充填剤及び高沸点の炭化水素化合物からなる、アルミニウムや亜鉛のメッキ鋼板、また、アルミニウム系、亜鉛系、鉛系の合金メッキ鋼板に対する厚膜被覆材として好適に用いる事ができ、得られる厚膜塗膜のふくれ、亀裂がなく、垂直面や天井面に塗布しても垂れや落下がない金属厚膜被覆用樹脂組成物に関するものである。
従来、自動車用耐チッピング塗料等には金属厚膜被覆樹脂組成物として塩化ビニル樹脂プラスチゾルが用いられているが、燃焼時の塩酸ガスやダイオキシン発生の問題があり、塩化ビニル樹脂粉末に替えてアクリル樹脂粉末を用いたいわゆるアクリルゾルが使われるようになってきてもいる(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、アクリル樹脂粉末を得るためには、特別な乾燥装置を必要とし、工業的大量生産には不向きであり改良が求められている。
また、ポリウレタン樹脂粒子を含有する可塑剤相を水性分散体中に分散されてなるポリウレタン樹脂−可塑剤水性分散体、および該水性分散体から水性分散媒相を分離、除去して得られるポリウレタン樹脂ペーストゾルが開示されている(例えば、特許文献2参照)が、ポリウレタン樹脂−可塑剤水性分散体、およびポリウレタン樹脂ペーストゾルを用いて得られる塗膜は燃焼により青酸ガスが発生するため、塩化ビニル樹脂プラスチゾルの代替品としての使用ができない。
特表平6−502209号公報(第2−4頁) 特開2002−332402号公報(第3−7頁)
上記のような実状に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、燃焼時の有害ガス発生の懸念が無く、工業的生産が容易であり、且つ、厚塗りしても、塗膜のふくれや亀裂が発生せず、垂直面や天井面に塗布しても垂れや落下がない金属厚膜被覆用樹脂組成物を提供することにある。
本発明者等は、上記の課題を解決すべく、鋭意検討の結果、特定の物性を有する合成ゴムラテックス及び/又はアクリルエマルジョン、充填剤、及び沸点が300℃以上の液状炭化水素化合物を必須成分とする樹脂組成物が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、ガラス転移温度(Tg)が0〜100℃、酸価が7〜60mgKOH/g、トルエン/n−ヘプタン(60/40重量比)溶剤浸漬によるゲル分率が60重量%以上、トルエン溶剤浸漬によるゲル分率が95重量%以下である合成ゴムラテックス及び/又はアクリルエマルジョン(A)、充填剤(B)、及び沸点が300℃以上の液状炭化水素化合物(C)を含有することを特徴とする金属厚膜被覆用樹脂組成物を提供するものである。
本発明の金属厚膜被覆用樹脂組成物によれば、得られた厚膜塗膜のふくれ、亀裂がなく、垂直面や天井面に塗布しても垂れや落下がない金属厚膜被覆材を得ることができる。
本発明で用いる合成ゴム及び/又はアクリルエマルジョン(A)のガラス転移温度(Tg)は0〜100℃であることを必須とし、所望とする塗膜の硬さ、伸び、強度等により適宜選択されるものであるが、好ましくは10〜90℃である。また、金属に対する密着性に有効なカルボキシル基を有する事が好ましく、酸価として7〜60mgKOH/gである事を必須とし、好ましくは10〜50mgKOH/gである。さらに、後述する液状炭化水素化合物(C)に常温では溶解せず、加工焼き付け時に溶解するために、トルエン/n−ヘプタン(60/40重量比)溶剤浸漬によるゲル分率が60重量%以上であることを必須とし、好ましくは60〜97重量%である。同様にトルエン溶剤浸漬によるゲル分率は95%重量以下であることを必須とし、好ましくは30〜95重量%である。
なお、ここでいうガラス転移温度とは、下記式(1)で計算されるガラス転移温度である。なお、下記式(1)で得られるガラス転移温度は絶対温度(K)である。
Figure 2006028395
[ここで重合体は、i=1〜nまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの重量分率で、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度である。モノマーのホモポリマーのガラス転移温度は、Polymer Handbook(4th Edition)J.Brandrup,E.H.Immergut,E.A.Grulke著(Wiley Interscience)記載の値を使用した。]
前記酸価は、重合体製造時に使用したカルボキシル基含有単量体の仕込量から求めた計算値を重合体の酸価として算出した。
また、ゲル分率の測定方法は、下記手法によって求めた値である。まず、ガラス板上に乾燥後の膜厚が0.5mmとなるように合成ゴムラテックス、又はアクリルエマルジョンを塗工し、40℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離し、更に140℃で5分間乾燥したものを直径29mmの円形に切り取り、試料とした。次に、予め試料の溶剤浸漬前の重量(G1)を測定しておき、トルエン/n−ヘプタン(60/40重量比)溶剤、又はトルエン溶剤中に25℃で24時間浸漬した後の試料の溶剤不溶解分を80メッシュ金網で濾過することにより分離し、110℃で1時間乾燥した後の重量(G2)を測定し、以下の式に従ってゲル分率を求めた。
ゲル分率(重量%)=G2/G1×100
本発明で用いる合成ゴムラテックス及び/又はアクリルエマルジョン(A)としては、前記物性を有するものであればよく、製造方法や単量体組成等については特に限定されるものではない。製造方法としては、例えば、重合性単量体を複数用いて乳化重合する方法等が挙げられる。また、合成ゴムラテックス及び/又はアクリルエマルジョン(A)としては、単独でも、2種以上の混合物として使用しても良い。
合成ゴムラテックス及び/又はアクリルエマルジョン(A)に用いる事が出来る重合性単量体としては、脂肪族共役ジエン単量体として、1,2−ブタジエン、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン単量体;エチレン性不飽和芳香族単量体として、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン、2,4−ジブロモスチレン等が挙げられる。また、エチレン性不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタルクル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、メタアクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル等のアクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステル;アクリロニトリル、メタクロニトリル等の不飽和ニトリル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;塩化ビニリデン臭化ビニリデン等のビニリデンハライド;アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキルエチル等のエチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエチレン性不飽和カルボン酸のグリシジルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロ−ルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸およびその無水物、フマル酸、イタコン酸、不飽和ジカルボン酸モノアルキルエステル、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノエチル、イタコン酸モノノルマルブチル等のエチレン性不飽和カルボン酸等のラジカル重合可能な単量体が挙げられる。
また、乳化重合を行なう際には、必要に応じて、重合開始剤、重合促進剤、乳化剤、連鎖移動剤、塩基性化合物を後述する比率で使用する事が好ましい。
前記重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過酸化水素等の水性触媒、tert−ブチルハイドパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の油性触媒が挙げられ、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムが好ましい。該重合開始剤の使用量としては、乳化重合に供される重合性単量体の全量100重量部に対して、0.1〜0.7重量部使用するのが好ましい。
前記重合促進剤としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、グルコース、ホルムアルデヒド、L−アスコルビン酸、ナトリウムスルホキシレート等の還元剤、エチレンジアミン四酢酸アンモニウム塩、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩、エチレンジアミンジオルトヒドロキシフェニル酢酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム塩、オキザリニド、ジカルボン酸ジヒドラジド、ジカルボン−ビス−フェニルヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、ビス−サリチロイル−ジカルボン酸ジヒドラジド、サリチロイル−ヒドラジノトリアジン、グリシン、アラニン、ベンゾトリアゾール等のキレート剤が好ましく、中でも、エチレンジアミン四酢酸アンモニウム塩、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩が特に好ましい。前記重合促進剤の使用量としては、重合中に凝集物が発生しにくい点から、乳化重合に供される重合性単量体の全量100重量部に対して、0.2重量部以下で使用するのが特に好ましい。
前記反応で用いる乳化剤としては、特に限定される物ではないが、例えば、脂肪酸石鹸、ロジン酸石鹸、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩等のアニオン系重合乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系重合乳化剤等が挙げられる。アニオン系またはノニオン系重合乳化剤のいずれか単独または両者を組み合わせて使用することができ、またノニオン系、またはアニオン系の複数併用系のいずれも使用することができ、その使用法は何等限定されるものではない。前記乳化剤の使用量としては、得られる合成ゴムラテックス及び/又はアクリルエマルジョン(A)の保存安定性に優れる点から、乳化重合に供される重合性単量体の全量100重量部に対して、0.3重量部以上が好ましく、乾燥被膜の耐水性が良好なことから8重量部以下が好ましい。
前記連鎖移動剤として、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン等のメルカプタン類、ターピノーレン、t−テルピネン、α−メチルスチレンダイマー、エチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンスルフィド、アミノフェニルスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド等が挙げられる。前記連鎖移動剤の使用量としては、ゲル分率と架橋密度の点から、乳化重合に供される重合性単量体の全量100重量部に対して、1.0重量部以下が好ましい。
前記の反応では塩基性化合物を用いることができる。例えば、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン等のアルキルアミン類;ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、アミノメチプロパノール等のアルコールアミン類;モルホリン、またエチレンジアミン、ジエチレントリアミン等の多価アミン類、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基性化合物が使用できるが、これらの中でもアンモニア、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが特に好ましい。塩基性化合物の使用量としては、重合率が低下せず、粒子径が増大せず、得られる合成ゴムラテックス及び/又はアクリルエマルジョン(A)の乾燥皮膜の表面常態が良好な点から乳化重合に供される重合性単量体の全量100重量部に対して、0.3重量部以下が好ましい。
本発明で用いる合成ゴムラテックス及び/又はアクリルエマルジョン(A)を製造するには、例えば、前記した単量体混合物を、乳化剤、重合開始剤、重合促進剤、連鎖移動剤、塩基性化合物の存在下で、55℃〜95℃で重合を行なえばよい。温度、時間条件は、前記した単量体混合物、乳化剤、重合開始剤、重合促進剤、連鎖移動剤、塩基性化合物の種類、量によって適宜決定される。
本発明で用いる合成ゴムラテックス及び/又はアクリルエマルジョン(A)としては、重合反応終了後に未中和の酸基を塩基性化合物により中和して、pHを6.0〜9.0に調整することにより安定化することができる。中和に用いる塩基性化合物は、重合に用いる前記塩基性化合物と同様の化合物が使用できる。
本発明で用いる合成ゴムラテックス及び/又はアクリルエマルジョン(A)としては、未反応単量体の臭気を低減する等のため、例えば減圧水蒸気蒸留等の方法によって必要とされる固形分含量に濃縮、脱臭されて使用することができる。
本発明で用いる充填剤(B)としては、無機化合物、有機化合物のいずれでも良く、例えば、マイカ、グラファイト等の板状、またはカルシウムメタシリケート、ゾノライト、チタン炭酸カリ、アルミニウムシリケート、ロックウール短繊維、ガラスファイバー短繊維、アラミドファイバー短繊維、その他有機短繊維等の繊維状の充填剤、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ、カーボンブラック、活性炭、酸化チタン、セピオライト、セラミックス、ガラス粉末等の無機系充填剤、ポリエチレン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール含浸紙の粉末等の有機系充填剤等が挙げられ、更にこれらを併用しても良い。
前記充填剤(B)の使用量としては、得られる塗料の乾燥成膜性が良好であり、厚塗りした場合の垂れ、フクレの発生が生じず、且つクラックの発生を抑えられる点から、合成ゴムラテックス及び/又はアクリルエマルジョン(A)の固形分100重量部に対して100〜600重量部であることが好ましい。
また、本発明で用いる液状炭化水素化合物(C)は沸点が300℃以上であることを必須とする。沸点が300℃未満では乾燥時に揮散したり、塗膜形成後に徐々に揮散したりする問題があるために好ましくない。
また、前記液状炭化水素化合物(C)のアニリン点または混合アニリン点としては、この値が低い場合には合成ゴムラテックス及び/又はアクリルエマルジョン(A)との相溶性があり、得られる樹脂組成物の室温におけるエマルジョン安定性に問題が生じやすくなり、高い場合には加熱乾燥時に合成ゴムラテックス及び/又はアクリルエマルジョン(A)を溶解する事が出来ず、成膜しない事があるため、該アニリン点または混合アニリン点が10〜70℃の範囲にある事が好ましい。
前記液状炭化水素化合物(C)としては、例えば、日石ハイゾールSAS−LH、アルケン22、アルケン200P(以上新日本石油化学株式会社製)、合成ゴムエクステンダーオイル等が挙げられる。前記液状炭化水素化合物(C)の使用量としては、得られる塗料の成膜性、密着性に優れ、且つ、厚塗りした場合の垂れ、フクレの発生を抑えられる点から、合成ゴムラテックス及び/又はアクリルエマルジョン(A)の固形分100重量部に対して50〜200重量部であることが好ましい。
本発明の金属厚膜被覆用樹脂組成物には、その他必要に応じて添加剤を加えることができる。前記添加剤としては、例えば、粘性調整のための増粘剤、有機顔料等の着色剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、殺菌剤、防腐剤、湿潤剤、架橋剤、キレート剤、感熱ゲル化剤、撥水・撥油剤を挙げることができる。かかる添加剤の選択、添加量、添加順序等は、金属被覆用樹脂組成物の製造条件、作業性、安定性、更に加工適性、塗布量等を考慮して、適宜に決定されれば良い。
前記増粘剤としては、保水性が良好であれば、特に限定されないが、例えばポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸アンモニウム、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシルプロポキシルメチルセルロース、ポバール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、いわゆる会合性増粘剤、澱粉等の有機系増粘剤の他、ベントナイト等の無機系増粘剤が挙げられ、これらの中単独または複数種を併用してもよい。配合比率としては、特に限定されないが、合成ゴムラテックス及び/又はアクリルエマルジョン(A)の固形分100重量部に対して、増粘剤を10重量部以下で使用する事が好ましい。
本発明の金属厚膜被覆用樹脂組成物を用いて、被覆材として使用する際の塗装方法としては、特に限定されるものではなく、必要に応じた方法をとることができるが、エアレススプレー、スリットノズル押しだし等が好ましい。また、乾燥塗膜の膜厚としてもなんら限定されるものではないが、本発明の効果を発現させるためには0.5mm以上である事が好ましく、特に2〜8mmになるように塗装する事が好ましい。塗布する基材についてもなんら限定されるものではなく、例えば、アルミニウムや亜鉛のメッキ鋼板、また、アルミニウム系、亜鉛系、鉛系の合金メッキ鋼板等が挙げられ、塗装後、例えば、80〜160℃で20分〜1時間加熱することにより厚膜の被覆を得る事が出来る。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、例中の部および%はすべて重量基準である。
合成例1
攪拌装置を備えた耐圧重合容器に水191部、ニューコール271A(日本乳化剤株式会社製アルキルジフェニルエーテル硫酸塩)2.8部、エチレンジアミン四酢酸アンモニウム塩0.2部、ブタジエン11.5部、スチレン211.6部、80%アクリル酸8.6部、およびラックスター6310E(大日本インキ化学工業株式会社製SARラテックス)9.2部を仕込み、攪拌、昇温を開始し、重合容器内温度が60℃に達したとき、10%過硫酸アンモニウム水溶液18.4部を添加して反応を開始させた。10時間後に85℃に昇温し、8時間後冷却を行なった。次いで、25%アンモニアでpHを8.5に調整し、固形分50.6%の合成ゴムラテックス(A1−1)を得た。得られたラテックス(A1−1)のTgは81℃、固形分酸価は23mgKOH/gであった。トルエン/n−ヘプタン(60/40)ゲル分率は71%、トルエンゲル分率は55%であった。
合成例2
合成例1において、ブタジエン23部、スチレン193部、80%アクリル酸10.8部を用いるように変更した以外は、合成例1と同様にして固形分50.4%の合成ゴムラテックス(A1−2)を得た。得られたラテックス(A1−2)のTgは65℃、固形分酸価は47mgKOH/gであった。トルエン/n−ヘプタン(60/40)ゲル分率は94%、トルエンゲル分率は91%であった。
合成例3
合成例1において、ブタジエン46部、スチレン179部、80%アクリル酸5.8部を用いるように変更した以外は、合成例1と同様にして固形分50.2%の合成ゴムラテックス(A1−3)を得た。得られたラテックス(A1−3)のTgは39℃、固形分酸価は16mgKOH/gであった。トルエン/n−ヘプタン(60/40)ゲル分率は94%、トルエンゲル分率は93%であった。
合成例4
合成例1において、ブタジエン69部、スチレン150部、80%アクリル酸14.3部を用いるように変更した以外は、合成例1と同様にして固形分50.2%の合成ゴムラテックス(A1−4)を得た。得られたラテックス(A1−4)のTgは15℃、固形分酸価は39mgKOH/gであった。トルエン/n−ヘプタン(60/40)ゲル分率は95%、トルエンゲル分率は94%であった。
合成例5
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に水400部を入れ、窒素を吹き込みながら80℃まで昇温した。撹拌下、ノイゲンEA−80(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、第一工業製薬株式会社製)3部、過硫酸ナトリウム1部を添加し、続いて2−エチルヘキシルアクリレート525部、スチレン504部、80%メタクリル酸26部からなる単量体混合物に、アクアロンHS−1025(反応性乳化剤、第一工業製薬株式会社製)130部と水210部を加えて乳化させたモノマープレエマルジョンの一部(15部)を添加し、反応容器内温度を80℃に保ちながら20分間で重合させた。引き続き、反応容器内温度を80℃に保ちながら、残りのモノマープレエマルジョンと、過硫酸ナトリウムの水溶液(有効成分5%)84部を、各々別の滴下漏斗を使用して、反応容器内温度を80℃に保ちながら240分間かけて滴下して重合させた。滴下終了後、同温度にて120分間撹拌し、内容物を冷却し、その後、pHが8.0になるように25%アンモニア水で調整し、固形分55%のアクリルエマルジョン(A2−1)を得た。得られたエマルジョン(A2−1)のTgは24℃、固形分酸価は13mgKOH/gであった。トルエン/n−ヘプタン(60/40)ゲル分率は67%、トルエンゲル分率は34%であった。
合成例6
合成例5において2−エチルヘキシルアクリレート294部、メタアクリル酸メチル717部、80%メタクリル酸49部からなる単量体混合物に、ニューコール707SF(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸塩、日本乳化剤株式会社製)70部、ノイゲンEM−230D(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、第一工業製薬株式会社製)15部と水258部を加えて乳化させたモノマープレエマルジョンを用いるほかは、合成例1同様にして、固形分54.9%のアクリルエマルジョン(A2−2)を得た。得られたエマルジョン(A2−2)のTgは43℃、固形分酸価は25mgKOH/gであった。トルエン/n−ヘプタン(60/40)ゲル分率は81%、トルエンゲル分率は43%であった。
比較合成例1
合成例1において、ブタジエン115部、スチレン110部、80%アクリル酸5.8部を用いるように変更した以外は、実施例1と同様にして、固形分50.7%の合成ゴムラテックス(A1’−1)を得た。得られたラテックス(A1’−1)のTgは−22℃、固形分酸価は16mgKOH/gであった。トルエン/n−ヘプタン(60/40)ゲル分率は98%、トルエンゲル分率は97%であった。
比較合成例2
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に水643部、スチレンスルホン酸ソーダ2gを入れ、窒素を吹き込みながら80℃まで昇温した。撹拌下、過硫酸ナトリウム1部を添加し、続いてスチレン980部、80%メタクリル酸25部からなる単量体混合物に、ノイゲンEA−230D(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、第一工業製薬株式会社製)14.3部、ニューコール707SF(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、日本乳化剤株式会社製)66.7部と水200部を加えて乳化させたモノマープレエマルジョンの一部(13部)を添加し、反応容器内温度を80℃に保ちながら30分間で重合させた。引き続き、反応容器内温度を80℃に保ちながら、残りのモノマープレエマルジョンと、過硫酸ナトリウムの水溶液(有効成分4%)100部を、各々別の滴下漏斗を使用して、3時間かけて滴下して重合させた。滴下終了後、同温度にて1時間撹拌し、過硫酸アンモニウム水溶液(有効成分10%)20部および重亜硫酸ソーダ水溶液(有効成分10%)20部を15分間かけて滴下してさらに重合させた。内容物を冷却し、その後、pHが8.5になるように25%アンモニア水で調整し、固形分50%のアクリルエマルジョン(A2’−1)を得た。得られたエマルジョン(A2’−1)のTgは100℃、固形分酸価は16mgKOH/gであった。トルエン/n−ヘプタン(60/40)ゲル分率は49%、トルエンゲル分率は1%であった。
実施例1〜6
合成例1〜6で得られた合成ゴムラテックス(A1−1)〜(A1−4)、及びアクリルエマルジョン(A2−1)〜(A2−2)を用いて、下記の材料を用いて塗料配合し、次いで下記の基材について、下記条件で塗装し、更に、得られた塗膜について下記の評価項目について試験を行った。得られた結果を表1に示す。
比較例
比較合成例1〜2で得られた合成ゴムラテックス(A1’−1)、アクリルエマルジョン(A2’−1)を用いて、下記の材料を用いて配合し金属厚膜被覆用樹脂組成物を得た。次いで下記の基材について、下記の条件で塗装し、更に、得られた塗膜について下記の評価項目について試験を行った。得られた結果を表1に示す。
塗料配合(固形分比)
樹脂/炭化水素化合物/重質炭酸カルシウム/タルク/カーボンブラック/分散剤/消泡剤=100/100/100/100/1/1/0.8
塗料濃度は、不揮発分として85%とした。
液状炭化水素化合物:日石ハイゾールSAS−LH(新日本石油化学株式会社製、混合アニリン点 21.0℃、蒸留範囲350〜400℃)
重質炭酸カルシウム:SL−700(竹原化学工業株式会社製)
タルク:HA(ソブエクレー株式会社製)
カーボンブラック:MA−100(三菱化学株式会社製)
分散剤:ノプコスパース44C (サンノプコ株式会社製)
消泡剤:ノプコ8034L(サンノプコ株式会社製)
基材:0.8mm亜鉛メッキ鋼板
乾燥塗膜厚さ:5mm
塗布面積:90×200mm
乾燥条件:塗布後直ちに垂直に立て、常温30分+100℃×20分+140℃×20分乾燥
評価項目:ふくれ、亀裂、垂れ、ずれを目視にて評価
なお、垂れとは塗膜が基材に付着したまま垂れ下がった状態をいい、ずれとは塗膜が基材から離れて垂れ下がった状態をいうものとする。
Figure 2006028395

Claims (4)

  1. ガラス転移温度(Tg)が0〜100℃、酸価が7〜60mgKOH/g、トルエン/n−ヘプタン(60/40重量比)溶剤浸漬によるゲル分率が60重量%以上、トルエン溶剤浸漬によるゲル分率が95重量%以下である合成ゴムラテックス及び/又はアクリルエマルジョン(A)、充填剤(B)、及び沸点が300℃以上の液状炭化水素化合物(C)を含有することを特徴とする金属厚膜被覆用樹脂組成物。
  2. 合成ゴムラテックス及び/又はアクリルエマルジョン(A)のトルエン/n−ヘプタン(60/40重量比)溶剤浸漬によるゲル分率が60〜97重量%であり、且つ、トルエン溶剤浸漬によるゲル分率が30〜95重量%である請求項1記載の金属厚膜被覆用樹脂組成物。
  3. 液状炭化水素化合物(C)のアニリン点又は混合アニリン点が10〜70℃である請求項2記載の金属厚膜被覆用樹脂組成物。
  4. 合成ゴムラテックス及び/又はアクリルエマルジョン(A)の固形分100重量部に対して、充填剤(B)を100〜600重量部、且つ液状炭化水素化合物(C)を50〜200重量部含有する請求項1〜3の何れか1項記載の金属厚膜被覆用樹脂組成物。
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