JP2006028371A - 筆記具用インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 経時安定性に優れると共に、隠蔽性が高く鮮明な筆跡を長期に亘り維持することができる筆記具用インキ組成物を提供する。
【解決手段】 真密度が1.0g/cm以下の高分子樹脂中に隠蔽性粒子が分散されている複合粒子を含有することを特徴とする筆記具用インキ組成物。
隠蔽性粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛及び中空樹脂粒子の中から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
また、複合粒子中には染料、顔料の着色性を有する色材の少なくとも1種を含有することが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、隠蔽性が高く鮮明な筆跡を長期に亘り維持することができる筆記具用インキ組成物に関する。
一般に、酸化チタンは、その優れた光散乱効果により、白色度、隠蔽度を付与することができる顔料であり、白色顔料及び隠蔽型修正液として使用されている。その使用方法としては、酸化チタンそのものを水や有機溶媒からなる液体媒体中に分散させた水性又は油性などのインキ組成物を調製し、修正液や筆記具用インキなどとして使用されている。
しかしながら、酸化チタン自身の比重は、3.8〜4.1と非常に大きく、分散体中の粒子径を小さくしても沈降及び分離現象が発生する大きな欠点を有している。
このような欠点を解消するものとして、筆記具用インキでは、例えば、酸化チタンとサクシノグルカンからなる高分子多糖類と水とより少なくともなる水性インキ組成物(例えば、特許文献1参照)や、酸化チタンとオレイン酸を必須成分として含むボールペン用水性インキ(例えば、特許文献2参照)、また、必須成分として酸化チタンを内包したマイクロカプセル顔料と、水と、水溶性有機溶剤とから少なくともなるボールペン用水性インキ組成物(例えば、特許文献3参照)が知られている。
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載される水性インキ組成物では、当初は酸化チタンの沈降分離が若干抑制されるが、時間がたつにつれ沈降及び分離現象が生じるなどの点に未だ課題があるものである。また、上記特許文献3に記載される水性インキ組成物は、沈降及び分離現象は幾分解消されるものであるが、マイクロカプセル顔料製造時の隠蔽性粒子の脱落があったり、隠蔽性粒子の粒子径の均一化が難しく、更に、マイクロカプセルの粒子径の均一化及びマイクロカプセル内の粒子数の均一化が難しく、安定な品質を有するマイクロカプセル顔料を得ることが難しい点に未だ課題があるものである。
特開平8−113752号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平10−251588号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2000−265105号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題に鑑み、これを解消しようとするものであり、従来の白色顔料である酸化チタン粒子より比重が低く、白色性及び隠蔽性に優れる品質の安定な複合粒子を使用して、隠蔽性が高く鮮明な筆跡を長期に亘り維持することができる筆記具用インキ組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、真密度が特定値以下の高分子樹脂中に隠蔽性粒子が分散されている複合粒子を含有せしめることにより、上記目的の筆記具用インキ組成物が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(7)に存する。
(1) 真密度が1.0g/cm以下の高分子樹脂中に隠蔽性粒子が分散されている複合粒子を含有することを特徴とする筆記具用インキ組成物。
(2) 隠蔽性粒子が酸化チタン、酸化亜鉛及び中空樹脂粒子の中から選ばれる少なくとも1種である上記(1)記載の筆記具用インキ組成物。
(3) 複合粒子中に染料、顔料の着色性を有する色材の少なくとも1種を含有する上記(1)又は(2)に記載の筆記具用インキ組成物。
(4) 複合粒子の表面に酸化チタン、酸化亜鉛及び中空樹脂粒子の中から選ばれる少なくとも1種の隠蔽性粒子が固定化されている上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の筆記具用インキ組成物。
(5) 複合粒子の粒径が1〜200μmである上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の筆記具用インキ組成物。
(6) ELD粘度計における25℃、50rpmの筆記具用インキ組成物の粘度が、3〜50mPa・sである上記(1)〜(5)の何れか一つに記載の筆記具用インキ組成物。
(7) 筆記具用インキ組成物がサインペン用インキ組成物である上記(1)〜(6)の何れか一つに記載の筆記具用インキ組成物。
本発明によれば、経時安定性に優れると共に、隠蔽性が高く鮮明な筆跡を長期に亘り維持することができる筆記具用インキ組成物が提供される。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の筆記具用インキ組成物は、真密度が1.0g/cm以下の高分子樹脂中に隠蔽性粒子が分散されている複合粒子を含有することを特徴とするものである。
図1(a)は、本発明の第1実施形態に用いる複合粒子を示す概略断面図であり、(b)は本発明の第2実施形態に用いる複合粒子を示す概略断面図である。
この第1実施形態の複合粒子Aは、図1(a)に示すように、真密度が1.0g/cm3以下の高分子樹脂10中に隠蔽性粒子11,11…が分散されているものである。また、第2実施形態の複合粒子Bは、図1(b)に示すように、真密度が1.0g/cm3以下の高分子樹脂10中に隠蔽性粒子11,11…が分散されているものであり、この隠蔽性粒子11,11…が分散された高分子樹脂の外表面に上記隠蔽性粒子11,11と同じ隠蔽性粒子12が固定化されているもの、すなわち、この第2実施形態は、上記第1実施形態の複合粒子Aの外表面に隠蔽性粒子12が固定化されているものである。
これらの実施形態において、真密度が1.0g/cm以下の高分子樹脂10としては、真密度が1.0g/cm以下となる高分子樹脂であれば特に限定されるものでないが、好ましくは、本発明の効果を更に発揮せしめる点から、真密度が0.97g/cm以下、更に好ましくは、0.70〜0.97g/cmとなるものが望ましい。
具体的には、低密度ポリエチレン(モアテック0218、真密度0.916g/cm、出光石油化学社製)、高密度ポリエチレン(HD110J、真密度0.962g/cm、出光石油化学社製)、低密度ポリプロピレン、(J707G、真密度0.910g/cm、三井化学社製)、高密度ポリプロピレン(J105G、真密度0.910g/cm、三井化学社製)などの少なくとも1種(各単独又は2種以上、以下同様)が挙げられる。
この真密度が1.0g/cmを超える高分子樹脂では、複合粒子としたときの比重が大きくなり、沈降しやすくなり、好ましくない。
これらの真密度が1.0g/cm以下の高分子樹脂の含有量は、複合粒子全量に対して、好ましくは、10〜90重量%(以下、単に「%」という)、更に好ましくは、20〜80%とすることが望ましい。
用いることができる隠蔽性粒子11としては、隠蔽性及び白色性を発揮せしめる粒子であれば特に限定されるものでないが、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛及び中空樹脂粒子の中から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの粒子は、粒子表面が親油性表面処理されている隠蔽性粒子であってよいものである。
好ましくは、隠蔽性が高く鮮明な筆跡を発揮せしめうる点から、用いる隠蔽性粒子としては、酸化チタン単独の使用、酸化チタンと中空樹脂粒子等との併用が挙げられる。なお、隠蔽性粒子中の酸化チタンの含有量は、50%以上とすることが望ましい。
また、高分子中に内包できるという点から、用いる隠蔽性粒子は、平均粒子径が0.05〜20μmの使用が好ましく、特に好ましくは、平均粒子径が0.1〜10μmの隠蔽性粒子が望ましい。
具体的に用いることができる隠蔽性粒子11として、酸化チタンとしてはルチル型、アナターゼ型等の酸化チタンが使用でき、例えば、KR−380(チタン工業社製、平均粒径0.5μm、親油性処理TiO)、ITT−2 CR−50(日光ケミカルズ社製、平均粒径0.3μm、有機チタネート処理TiO)、ITT−7 TTO−S−3(日光ケミカルズ社製、平均粒径0.05μm、有機チタネート処理微粒子TiO)などが挙げられる。
酸化亜鉛としては、例えば、NANOFINE P−2(堺化学工業社製、平均粒径0.05μm)などが挙げられる。
中空樹脂粒子は、樹脂粒子中に中空部があるものであり、例えば、SX866(A)(JSR社製、平均粒径0.3μm、架橋スチレンアクリル中空粒子)などが挙げられる。
これらの隠蔽性粒子の形状は、特に限定されず、例えば、球状、楕円状、針状などが挙げられる。
これらの隠蔽性粒子の含有量は、複合粒子全量に対して、好ましくは、10〜90%、更に好ましくは、20〜80%とすることが望ましい。
この隠蔽性粒子の含有量が10%未満であると、複合粒子を含むインキの隠蔽性が不十分となり、一方、90%を超えると、高分子樹脂に内包しきれなくなり、複合粒子の比重が大きくなって沈降したりして、好ましくない。
また、複合粒子A又はB中には、染料、顔料の着色性を有する色材を含有せしめてもよいものである。用いることができる顔料としては、例えば、アゾ系顔料、縮合ポリアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、金属錯塩顔料、チオインジゴ顔料、染料レーキ顔料、蛍光顔料等の有機顔料及びカーボンブラック、酸化チタン等の無機顔料が挙げられ、更に、表面を樹脂コーティングで加工した加工顔料、例えば、マイクロリスAタイプ各種、ASブラック、ASブルー、IKレッド等の少なくとも1種が挙げられ、また、染料としては、例えば、油溶性染料、スピリットソルブル染料等のソルベント染料、ロイコ染料などの少なくとも1種を挙げることができる。
これらの色材の含有量は、複合粒子粒子全量に対して、好ましくは、0〜30%、更に好ましくは、0〜20%とすることが望ましい。
これらの色材を含有せしめることにより、更に、被筆記体の色相を隠蔽し良好に発色するマーキング性能を有した筆記具用インキ組成物を提供することができるものとなる。
この第1実施形態の複合粒子Aは、上記真密度が1.0g/cm以下の高分子樹脂と隠蔽性粒子、必要に応じて好ましくは含有することができる上記色材をケミカル粉砕法などにより、微粒子状に調製することにより得られるものである。
ケミカル粉砕法は、湿式プロセスによる粉砕法であり、真密度が1.0g/cm以下の高分子樹脂と隠蔽性粒子等をキシレンやトルエン又はジクロロメタン等の溶媒に溶解または分散させた後、該高分子樹脂の溶解度変化(温度、圧力変化や溶媒の添加等の操作を伴なう)を利用した後、脱溶媒し複合粒子を形成させ、更に必要に応じて解砕、分級処理して目的の複合粒子を作製する方法である。
上記真密度が1.0g/cm以下の高分子樹脂と隠蔽性粒子の使用量は、上記各範囲に設定されることが好ましいものであると共に、その配合比としては、好ましくは、重量比で、10:90〜90:10、更に好ましくは、20:80〜80:20とすることが望ましい。
この配合比が10:90未満であると、隠蔽性粒子リッチとなり、複合粒子の比重が大きくなって沈降しやすくなり、一方、90:10を超えると、高分子樹脂がリッチとなり、複合粒子の比重が小さくなって、浮遊しやすくなり、また、隠蔽性が低下して、好ましくない。
また、上記第2実施形態〔図1(b)〕の複合粒子Bは、上記複合粒子Aの外表面に酸化チタン、酸化亜鉛及び中空樹脂粒子の中から選ばれる少なくとも1種の隠蔽性粒子12,12……が固定化されているものであり、複合粒子Aと上記隠蔽性粒子を混合し、ハイブリダイザー(奈良機械製作所社製)などを利用してメカノケミカル的な衝撃を与えることにより、複合粒子(A)の表面に隠蔽性材料となる隠蔽性粒子を固定化することができるものである。なお、図1(b)中の11は酸化チタン粒子、11aは中空樹脂粒子とを併用したものである。
この第2実施形態では、第1実施形態の複合粒子Aよりも更に外表面に隠蔽性粒子が固定化されているので、更に白色度、隠蔽度を付与することができ、更に本発明の効果を発揮せしめることができることとなる。なお、複合粒子の表面に固定化される隠蔽性粒子の厚さとして、更なる本発明の効果の向上の点から、0.1〜1μmとすることが望ましい。
得られる複合粒子A又はBの平均粒径は、隠蔽性や筆記具用インキとしての流出性の点から、好ましくは、1〜200μm、更に好ましくは、10〜100μmとすることが望ましい。
この複合粒子の平均粒径が1μm未満であると、内包できる隠蔽性粒子が少なくなり、結果として複合粒子としての隠蔽性が低下し、また、この平均粒径が200μmを超えると、粒子間の隙間が大きくなり、結果として隠蔽性が低下し、好ましくない。
なお、上記好適な範囲となる複合粒子の平均粒径は、分砕、分級等を調整することにより容易に得ることができる。
この複合粒子A及び/又はBの含有量は、インキ種(水性、油性、ゲルインキ)、用途(ボールペン用、サインペン用等)により変動するものであるが、筆記具用インキ組成物全量に対して、1〜50%含有せしめることが好ましく、更に好ましくは、5〜30%とすることが望ましい。
この複合粒子の含有量が1%未満であると、所定の白色度や隠蔽性が得られず、一方、50%を超えて含有されると、インキ組成物の経時的な安定性が低下し、凝集及び沈降が起こることがあり、好ましくない。
本発明の筆記具用インキ組成物は、上記複合粒子A及び/又はBを含有するものであり、当該必須成分の他、インキ種(水性、油性、ゲルインキ)により、各種の筆記具用インキの各成分を配合することができるものであり、好ましくは、上記複合粒子Aの分散性を向上させて本発明の効果を発揮せしめる点から、分散剤、粘性調整剤を更に含有せしめることが望ましい。
用いることができる分散剤としては、高級脂肪酸、水溶性高分子、界面活性剤や高分子界面活性剤、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤、高分子型界面活性剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの分散剤の含有量としては、用いる複合粒子や溶媒種によって適宜決定されるが、分散安定性やインキ粘度の点から、インキ組成物全量に対して、好ましくは、0.1〜30%、更に好ましくは、0.5〜20%とすることが望ましい。
また、本発明の筆記具用インキ組成物には、粘性調整剤を含有することができる。
用いることができる粘性調整剤は、水に分散又は溶解して使用するものであり、例えば、スメクタイト、変性スメクタイト、ヒドロキシエチルセルロースや、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどの少なくとも1種が挙げられる。
具体的に用いることができる粘性調整剤としては、ルーセンタイトSWN(合成スメクタイト、コープケミカル社製)、ゴーセノール GL−05(日本合成化学工業社製、ポリビニルアルコール)、ゼオラスクリーム(旭化成社製、結晶セルロース分散品)などが挙げられる。
これらの粘性調整剤の含有量は、沈降防止、インキ粘度の点から、複合粒子全量に対して、好ましくは、0.1〜10%、更に好ましくは、0.1〜5%とすることが望ましい。
本発明の筆記具用インキ組成物は、上記複合粒子A及び/又はB、分散剤、粘性調整剤のほか、インキ種(水性、油性、ゲルインキ)により、好適な溶媒、例えば、水性では、水を含む水溶性溶剤、油性では有機溶剤を含有せしめることができ、更にインキ種により顔料、水溶性染料、油溶性染料等を含有せしめることができ、更にまた、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分(添加剤)、例えば、アニオン系、ノニオン系、カチオン系などの界面活性剤、乾燥防止剤、防錆剤、防黴剤、沈降抑制剤、染料や顔料等の色材などを適宜必要に応じて含有することができる。
本発明の筆記具用インキ組成物は、上記特性の複合粒子A及び/又はB、分散剤、粘性調整剤、各インキ成分(溶剤、樹脂、色材、添加剤)等を用いて従来公知の筆記具用インキ組成物の製造方法を適用して製造することができる。すなわち、複合粒子A及び/又はB、分散剤、粘性調整剤、色材、樹脂、溶剤、添加剤を分散混合機、撹拌機を用いて、混合することによって目的の筆記具用の水性インキ、油性インキ、ゲルインキ組成物等を得ることができる。
なお、製造時、有機顔料などの粗大粒子を除去するためにフィルター、遠心分離機等を用いることなど必要に応じて使用できる。
本発明の筆記具用インキ組成物の粘度は、好ましくは、流出量やインキ安定性の点から、ELD粘度計における25℃、50rpmの粘度が、3〜50mPa・s、更に好ましくは、3〜30mPa・sとすることが望ましい。
この粘度が50mPa・sを越えて粘度が高くなると、筆感が重くなり、滑らかに書きづらくなり、逆に、3mPa・s未満であると、著しいペン先での顔料沈降、滲み等があり、好ましくない。
本発明において、筆記具用インキ組成物は、ボールペン用、サインペン用、筆ペン用の水性インキ、油性インキ、ゲルインキ等に好適に用いることができるものであり、本発明の筆記具用インキ組成物を充填する筆記具の構造としては、上記筆記具用インキ組成物が充填され本発明の効果が発揮できるように筆記できるものであれば、その構造は特に限定されるものではない。
好ましくは、低粘度であり、隠蔽性を有する複合粒子を長期間安定に分散せしめるインキという点から、本発明の筆記具用インキ組成物を吸蔵するインキ吸蔵体を収容した中綿式筆記具用のサインペン用インキとして好適に用いることができる。
このように構成される本発明の筆記具用インキ組成物が、何故これまでの発明と比較して優れているという理由としては、以下のように推察される。
従来、酸化チタン顔料を使用した筆記具用インキ組成物は、その比重の大きさのため、インキ組成物中に長期的安定に分散させることができなかった。これに対して、本発明の筆記具用インキ組成物では、用いる複合粒子が、真密度が1.0g/cm以下の高分子樹脂中に隠蔽性粒子が分散されている複合粒子A、及び/又は、該複合粒子Aの表面に隠蔽性材料となる隠蔽性粒子を固定化してなる複合粒子Bが含有されるものとなるので、比重が小さく、隠蔽性、白色性に優れ、長期に安定で沈降しない白色性、隠蔽性が高く鮮明な筆跡を長期に亘り維持することができる筆記具用インキ組成物を提供することができるものとなる。
また、特開2000−265105号公報に記載される酸化チタンを内包したマイクロカプセル顔料を含有するボールペン用水性インキ組成物は、沈降及び分離現象は幾分解消されるものであるが、マイクロカプセル顔料製造時の隠蔽性粒子の脱落があったり、隠蔽性粒子の粒子径の均一化が難しく、更に、マイクロカプセルの粒子径の均一化及びマイクロカプセル内の粒子数の均一化が難しいものであるが、本発明では、真密度が1.0g/cm3以下の高分子樹脂中に隠蔽性粒子が分散されている複合粒子を用いるので、隠蔽性粒子の脱落がなく、隠蔽性粒子の粒子径の均一化、更に、複合粒子径の均一化及び粒子数の均一化が達成された安定な品質を有する複合粒子を用いることとなるため、単に酸化チタンを内包したマイクロカプセル顔料に較べ、優れた機能、すなわち、今までにない長期に安定で沈降しない白色性、隠蔽性が高く鮮明な筆跡を長期に亘り維持することができる筆記具用インキ組成物が得られるものとなる。
次に、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〜6及び比較例1〜4〕
下記表1に示す各配合組成(複合粒子、隠蔽性粒子、分散剤、粘性調整剤、溶媒)をガラスビーズを用いてペイントシェーカーで60分間分散し、筆記具用インキ組成物を調製した。
用いた複合粒子1〜4、隠蔽性粒子1〜3、分散剤1〜2、粘性調整剤1〜2は、下記の材料を用いた。
複合粒子1〔図1(a)準拠〕:
低密度ポリプロピレン(真比重0.91g/cm)/隠蔽性粒子、平均粒径0.3μmの酸化チタン(ITT−2 CR−50、日光ケミカルズ社製、有機チタネート処理TiO)〔重量比60:40〕の複合粒子、平均粒径12μm
複合粒子2〔図1(a)準拠〕:
低密度ポリプロピレン(真比重0.91g/cm)/隠蔽性粒子、平均粒径0.05μmの酸化チタン(ITT−7 TTO−S−3、日光ケミカルズ社製、有機チタネート処理微粒子TiO)/平均粒径0.3μmの中空粒子〔SX866(A)、JSR社製、架橋スチレンアクリル中空粒子〕〔重量比60:20:20〕の複合粒子、平均粒径15μm
複合粒子3〔図1(b)準拠〕:
低密度ポリプロピレン(真比重0.91g/cm)/隠蔽性粒子、平均粒径0.3μmの酸化チタン(ITT−2 CR−50、日光ケミカルズ社製、有機チタネート処理TiO)〔重量比80:20〕の複合粒子 + 平均粒径0.05μmの酸化チタン(ITT−7 TTO−S−3、日光ケミカルズ社製、有機チタネート処理微粒子TiO)のコーティング〔複合粒子/ITT−7 TTO−S−3コーティングの重量比=10:1〕、平均粒径13μm
複合粒子4〔図1(a)準拠〕:
低密度ポリプロピレン(真比重0.91g/cm)/隠蔽性粒子,平均粒径0.3μmの酸化チタン(ITT−7 CR−50、日光ケミカルズ社製、有機チタネート処理微粒子TiO)〔重量比70:30〕の複合粒子、平均粒径12μm
複合粒子5〔図1(a)準拠〕:
アクリル樹脂(MX−1000,綜研化学社製、真比重1.19g/cm)/隠蔽性粒子、平均粒径0.3μmの酸化チタン(ITT−2 CR−50、日光ケミカルズ社製、有機チタネート処理TiO)〔重量比60:40〕の複合粒子、平均粒径12μm
上記複合粒子1、2、4及び5は、上記各構成の真密度の高分子樹脂と隠蔽性粒子をキシレンに溶解または分散させた後、該高分子樹脂の溶解度変化、温度、圧力変化や溶媒の添加等の操作を伴なうを利用して、脱溶媒、解砕、分級して各複合粒子1、2、4及び5を作製した。
また、上記複合粒子3は、上記方法と同様に作製した上述の複合粒子を上述の隠蔽性粒子を上記重量比で混合し、ハイブリダイザー(奈良機械製作所社製)を利用してメカノケミカル的な衝撃を与えることにより、複合粒子の表面に隠蔽性粒子(厚さ0.5μm)を固定化することにより作製した。
隠蔽性粒子1:平均粒径0.3μmの酸化チタン(ITT−2 CR−50、日光ケミカルズ社製、有機チタネート処理TiO
隠蔽性粒子2:平均粒径0.05μmの酸化チタン(ITT−7 TTO−S−3、日光ケミカルズ社製、有機チタネート処理微粒子TiO
隠蔽性粒子3:平均粒径0.3μmの中空粒子〔SX866(A)、JSR社製、架橋スチレンアクリル中空粒子〕
分散剤1:不均化ロジン酸エステル(バンディス G−25K、ハリマ化成社製)
分散剤2:ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム(エレミノール ES−12、三洋化成工業社製)
粘性調整剤1:結晶セルロース分散品(ゼオラスクリーム、旭化成社製)
粘性調整剤2:合成スメクタイト(ルーセンタイトSWN、コープケミカル社製)
得られた各筆記具用インキ組成物の粘度、沈降性、隠蔽性、経時保存後の隠蔽性、筆記性を下記評価方法で評価した。
これらの結果を下記表1に示す。
(粘度の測定方法)
得られた各実施例及び比較例の水性インキ組成物の25℃条件下におけるELD型粘度計〔TV−20(トキメック社製)〕で50rpmの粘度を測定した。
(沈降性の評価方法)
得られた各実施例及び比較例の筆記具用インキ組成物を、直径2cm、長さ20cmの沈降管に充填し、室温(25℃)下で1ヶ月放置し、沈降性を目視で下記の評価基準で評価した。
評価基準
○:分離、凝集はなく、沈降は認められない。
△:上層部に若干の濃淡の変化が認められる。
×:分離又は凝集があり、沈降が明確に認められる。
(隠蔽性の評価方法)
得られた各インキを黒画用紙に100μmのバーコーターで塗布し、白色度を目視で下記の評価基準で評価した。
評価基準:
○:白色である。
△:やや黒味を帯びた白色である。
×:隠蔽が弱く黒味を強く感じる。
(経時保存後の隠蔽性の評価方法)
得られた各インキ組成物を三菱鉛筆社製PWB−7M(中綿式タイプマーキングペン)軸に6g充填し、ペン先を上向きの状態で25℃下で1ヵ月保存した後の黒画用紙への筆記描線の隠蔽性を目視で下記の評価基準で評価した。
評価基準:
○:白色である。
△:やや黒味を帯びた白色である。
×:隠蔽が弱く黒味を強く感じる。
(筆記性の評価方法)
得られた各インキ組成物を三菱鉛筆社製PWB−7M(中綿式タイプマーキングペン)軸に6g充填し、下記評価基準で筆記性を評価した。
評価基準:
○:良好に筆記できる。
△:ややカスレを感じる。
×:筆記できない、あるいは、著しくカスレを感じる。
Figure 2006028371
上記表1の結果から明らかなように、本発明の範囲となる実施例1〜6は、本発明の範囲外となる比較例1〜4に比べて、沈降もなく、筆記性、隠蔽性に優れ、加えて経時安定性にも優れたものであることが判明した。
(a)は、本発明の第1実施形態に用いる複合粒子を説明する概略断面図、(b)は、本発明の第2実施形態に用いる複合粒子を説明する概略断面図である。
符号の説明
A 複合粒子
10 真密度が1.0g/cm以下の高分子樹脂
11 隠蔽性粒子

Claims (7)

  1. 真密度が1.0g/cm以下の高分子樹脂中に隠蔽性粒子が分散されている複合粒子を含有することを特徴とする筆記具用インキ組成物。
  2. 隠蔽性粒子が酸化チタン、酸化亜鉛及び中空樹脂粒子の中から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の筆記具用インキ組成物。
  3. 複合粒子中に染料、顔料の着色性を有する色材の少なくとも1種を含有する請求項1又は2に記載の筆記具用インキ組成物。
  4. 複合粒子の表面に酸化チタン、酸化亜鉛及び中空樹脂粒子の中から選ばれる少なくとも1種の隠蔽性粒子が固定化されている請求項1〜3の何れか一つに記載の筆記具用インキ組成物。
  5. 複合粒子の粒径が1〜200μmである請求項1〜4の何れか一つに記載の筆記具用インキ組成物。
  6. ELD粘度計における25℃、50rpmの筆記具用インキ組成物の粘度が、3〜50mPa・sである請求項1〜5の何れか一つに記載の筆記具用インキ組成物。
  7. 筆記具用インキ組成物がサインペン用インキ組成物である請求項1〜6の何れか一つに記載の筆記具用インキ組成物。
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