JP2006027834A - 画像記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長期間にわたって記録画像に走査ムラが発生するのを防止する。
【解決手段】 写真プリンタの露光装置に搬送ユニット39を設ける。搬送ユニット39に、第1キャプスタンローラ45及び第1ニップローラ46より構成される第1搬送ローラ対41と、第2キャプスタンローラ49及び第2ニップローラ50より構成される第2搬送ローラ対42とを露光位置43の上下流側にそれぞれ設ける。第1及び第2キャプスタンローラ45,49として、ローラ周面が樹脂ビーズを含有したウレタンコーティング層で被覆された金属ローラを用いるようにしたので、ローラ周面のタック性を低くするとともに、耐磨耗性を向上させることができる。ローラ45,49の周面に紙粉などの異物が付着しにくくなるので、長期間にわたって記録画像に走査ムラが発生するのが防止される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、記録位置の上流側及び下流側の少なくともいずれかに配置された搬送ローラ対を用いて記録材料を挟持搬送しながら画像記録を行う画像記録装置に関するものである。
複数の搬送ローラ対を用いてカットシート状の感光材料(記録材料)を副走査方向に挟持搬送しながら、デジタルな画像データに基づいて強度変調された記録光を副走査方向と直交する主走査方向に走査して、いわゆる走査露光による画像記録を行う写真プリンタがよく知られている。この写真プリンタでは、走査露光時に感光材料の搬送速度が変動してしまうと記録画像に走査ムラが生じてしまうので、走査露光時には露光位置の搬送方向上流側や下流側に配置されている搬送ローラ対により感光材料を一定速度で精密に搬送している。
このような搬送ローラ対を構成する駆動ローラ(キャプスタンローラ)及び圧着ローラ(ニップローラ)としては、シリコンゴム等からなるゴムローラを用いるのが通常であるが、ゴムローラは感光材料を挟持させたときに変形するので、特にキャプスタンローラにゴムローラを用いると感光材料の送り精度が低下してしまう。その結果、感光材料の搬送速度に僅かに変動が生じて記録画像にムラが発生してしまうおそれがある。また、ゴムローラは、そのローラ径を設計値通りに精密に加工するのに手間が掛かるという問題もある。
このような問題を解決するため、例えば特許文献1及び2に記載されているように、キャプスタンローラとして、変形しにくく且つ高精度に加工可能なアルミ製やステンレス製の金属ローラを用いている写真プリンタがよく知られているが、金属ローラの周面は平滑に形成されているので、その周面の摩擦係数は非常に小さくなる。従って、走査露光中に感光材料がスリップして走査ムラが発生するのを防止するには、感光材料を挟持する際の挟持圧力を高くする必要があるが、挟持圧力を過度に高くすると感光材料が変形してしまうおそれがある。
そのため、例えば特許文献3及び4に記載されているように、金属ローラの周面に複数の微小突起を形成したり、或いは例えば特許文献5に記載されているように、金属ローラの周面にセラミックコーティングを施したりすることで、キャプスタンローラと感光材料との間に一定の摩擦力を確保する方法がある。この場合には、挟持圧力を高くしなくとも感光材料に対する摩擦力を大きくすることができるが、ローラ周面の突起やセラミックコーティング層の凹凸によって、感光材料やニップローラの周面に傷を付けてしまうおそれがある。
そこで、これらの問題点を解決するため、例えば前記特許文献2及び5や、特許文献6に記載されているように、金属ローラなどの硬質ローラの周面にゴム層を薄く形成したり、ウレタンコーティングを施したりすることで、挟持時のローラの変形を抑えるとともに、挟持圧力を高くすることなく感光材料との間に一定の摩擦力を確保し、さらに感光材料やニップローラの周面に傷が付かないようにしている。
特開平09−156797号公報(第6頁、第2図) 特開2000−1240号公報(第5頁、第7頁) 特開平10−120233号公報(第3頁、第1図) 特開平05−116791号公報(第9図) 特開2003−165660号公報(第5頁、第5図) 特開平02−158541号公報(第2頁、第9図)
ところで、前記特許文献2,5,6に記載されているように、金属製のキャプスタンローラの周面にゴム層を薄く形成したり、ウレタンコーティングを施したりした場合には、そのローラ周面が高いタック性(粘着性)を有してしまう。そのため、長期間にわたって写真プリンタを稼動させると、ローラの周面にゴミや紙粉などの異物が付着してしまう。
そのため、ローラ周面の摩擦係数が小さくなり、走査露光中に感光材料がスリップして走査ムラが発生するおそれがある。また、異物付着前の初期状態からローラ周面の状態が変化してしまうので、感光材料の搬送速度が変わることによって走査ムラが発生するおそれもある。さらに、付着した異物によってローラ周面に傷がついて、ローラの耐久性が低下するおそれもある。
本発明は上記問題点を解決するためのものであり、走査露光中に記録材料を挟持搬送する搬送ローラ対の送り精度を長期間にわたって高精度に維持して、記録画像に走査ムラが発生しないようにした画像記録装置を提供することを目的とする。
本発明は、シート状の記録材料の記録位置の搬送方向上流側及び搬送方向下流側の少なくともいずれかに配置された搬送ローラ対で前記記録材料を挟持搬送しながら画像記録を行う画像記録装置において、前記搬送ローラ対を構成する駆動ローラは、周面が樹脂ビーズを含有した弾性層で被覆された硬質ローラであることを特徴とする。
また、前記搬送ローラ対は、前記記録位置の搬送方向上流側と搬送方向下流側とにそれぞれ配置され、前記搬送方向上流側に配置された第1の搬送ローラ対と、前記搬送方向下流側に配置された第2の搬送ローラ対とであることが好ましい。さらに、前記第1及び第2搬送ローラ対を前記記録材料を挟持搬送する挟持状態、及び前記記録材料の挟持を解除する解除状態の間で切り替え可能な切替機構と、前記記録材料の通過を検出する検出手段と、前記第1搬送ローラ対により搬送される前記記録材料の先端が前記解除状態にある前記第2搬送ローラ対を通過した後に、前記第2搬送ローラ対を前記挟持状態に切り替え、前記記録材料の後端が前記挟持状態にある前記第1の搬送ローラ対から離れる前に、前記第1搬送ローラ対を前記解除状態に切り替えるように前記切替機構を制御する制御手段とが設けられていることが好ましい。さらに、前記弾性層はウレタンゴムから形成されていることが好ましい。
本発明の画像記録装置は、画像記録中に記録材料を挟持搬送する搬送ローラ対の駆動ローラとして、周面が樹脂ビーズを含有した弾性層で被覆された硬質ローラを用いるようにしたので、駆動ローラの周面のタック性を低くすることができる。その結果、駆動ローラの周面にゴミや紙粉などが付着しにくくなり、装置を長時間駆動しても駆動ローラと記録材料との間に一定の摩擦力を確保することができる。また、駆動ローラの周面の状態を初期状態に近い状態で維持できるため、記録紙材料の搬送速度をほぼ一定に保つことができる。また、異物付着による駆動ローラの周面の傷付きも防止できる。さらに、記録材料の幅が短いときでも、挟持搬送時にこの記録材料が搬送ローラ対を構成する可動ローラから受ける搬送力を小さくすることができる。また、弾性層に樹脂ビーズを含有させることで、駆動ローラの耐磨耗性を向上させることができる。これにより、長期間にわたって駆動ローラによる記録材料の搬送を高精度に行うことができるので、走査ムラの発生が抑えられる。
また、前記記録材料の記録位置を挟んで搬送方向上流側及び下流側に第1搬送ローラ対及び第2搬送ローラ対をそれぞれ配置して、前記第1搬送ローラ対を構成する第1駆動ローラ、及び前記第2搬送ローラ対を構成する第2駆動ローラとして、前記樹脂ビーズを含有した弾性層で被覆された硬質ローラを用いるようにしたので、長期間にわたって記録材料の搬送を高精度に行うことができる。その結果、走査ムラの発生が抑えられる。
また、前記第1搬送ローラ対により搬送される前記記録材料の先端が挟持解除状態にある前記第2搬送ローラ対を通過した後に、前記第2搬送ローラ対を挟持状態に切り替え、前記記録材料の後端が前記挟持状態にある前記第1の搬送ローラ対から離れる前に、前記第1搬送ローラ対を前記解除状態に切り替えるようにしたので、記録材料の先端が前記第2搬送ローラ対に突き当たる時の衝撃や、その後端が前記第1搬送ローラ対から抜け出る際の衝撃に起因する走査ムラの発生が抑えられる。
図1は、本発明を実施した写真プリンタ10の概略図を示したものである。写真プリンタ10は、カットシート状の感光記録紙(記録材料)を2列同時搬送及び同時露光して写真プリントを生成するものであり、図1に示すように大別して、画像入力装置12、画像処理装置13、供給装置14、裏印字装置15、スキュー補正装置16、露光装置17、現像装置18等から構成されている。これら写真プリンタ10を構成する各部は、図示しない配線を介して制御部20に接続されている。そして、この制御部20によって写真プリンタ10の全体の動作が制御される。
画像入力装置12は、写真フイルムに記録された画像の投影光をCCDイメージセンサなどの撮像装置を用いて光電的に読み取ることで画像データを生成する。また、メモリカードやCDR、DVDRなどの記録媒体に記録された画像データを読み出して画像データを取得する。この他に、画像入力装置12がインターネットに接続されている場合には、ネット注文により送られた画像データも取り扱う。この画像データは画像処理装置12に送られ、カラーバランス補正や濃度補正などの画像処理が行われる。画像処理が行われた画像データは露光装置17に送られる。
供給装置14には、マガジン24a,24bがセットされる。このマガジン24a,24b内には、感光記録紙25をロール状に巻き取った記録紙ロール26が収納される。各マガジン24a,24b内には給紙ローラ対28a,28bが設けられており、給紙ローラ対28a,28bは図示しない給紙モータの駆動を受けて感光記録紙25を外部に送り出す。ここで、本実施例では2つのマガジン24a,24bが設けられているが、マガジンは1個または3個以上であってもよい。
給紙ローラ対28a,28bによりマガジン24a,24bから送り出された感光記録紙25は、それぞれカッタ29a,29bによりプリントサイズに応じた長さに切断され、記録紙シート31a,31b(図2参照)が形成される。なお、カッタを2つ設ける代わりに、単一のカッタを裏印装置15の近傍に配置してもよい。カットされた記録紙シート31a,31bは、複数の搬送ローラ対及び図示しないガイドプレートからなる搬送路32(図中点線で表示)に沿って、裏印装置15、スキュー補正装置16、露光装置17、現像装置18の順に搬送される。ここで、搬送路32を構成する各搬送ローラ対の間隔は、プリントサイズの最小長の長さよりも長くなるように配置されているが、図面では煩雑化を避けるために、適宜図示を省略している。
裏印字装置15は、写真の撮影日、プリント日、コマ番号、各種ID等のプリント情報を、記録紙シート31a,31bの裏面(記録面と反対側の面)に記録する裏印字ヘッド34を備える。裏印字ヘッド34としては、ドットインパクトヘッド、インクジェットヘッド、熱転写プリントヘッド等の公知のプリントヘッドが用いられる。
スキュー補正装置16は、露光装置17における露光位置・角度ずれを防止するために、記録紙シート31a,31bの傾きを補正するレジスト用ローラ対36と、このレジスト用ローラ対36の前後に配置される複数の搬送ローラ対から構成される。レジスト用ローラ対36によるスキュー補正の方法は、公知の方法を用いることができ、例えば、特開昭60−153358号公報や特開平11−349191号公報に記載の方法を適用することができる。なお、同時露光の制御を簡単にするため、記録紙シート31a,31bのスキューを補正するのと同時に、記録紙シート31a,31bの先端の位置を揃えておくことが好ましい。
露光装置17は、露光ユニット38と本発明を実施した搬送ユニット39とから構成されている。露光ユニット38は画像メモリを有し、この画像メモリには上述の画像処理装置13から送られてきた画像データが記憶される。露光ユニット38は、搬送ユニット39の記録紙シート31a,31bの送りに同期させて、記録する画像に対して強度変調されたレーザ光を搬送方向(副走査方向)と直交する主走査方向に走査し、記録紙シート31a,31bに画像を露光する。露光済みの記録紙シート31a,31bは、現像装置18に送られて、現像、定着、水洗、乾燥などの各処理が行われて、写真プリントとして排出される。
次に搬送ユニット39について、図2〜図4を用いて説明する。図2は搬送ユニット39の要部を示す上面図であり、図3は同側面図である。また、図4は詳しくは後述するが搬送ユニット39を構成する搬送ローラ対のキャプスタンローラ及びそのローラ駆動機構の概略図である。なお、図2〜図4において、図面の煩雑化を避けるために、主要な構成の概略のみを表示している。搬送ユニット39は、このユニット39の各部を覆うように形成された機枠(図示せず)内に2つの搬送ローラ対を設けて構成されており、上流側の第1搬送ローラ対41と、下流側の第2搬送ローラ対42との間が露光位置43とされている。
第1搬送ローラ対41は、本発明の駆動ローラに相当する第1キャプスタンローラ45と、第1ニップローラ46とから構成されている。これら各ローラ45,46は軸方向で複数個に分割された串型ローラとされている。そして、これらのローラ45,46は、記録紙シート31a,31bを支持するガイド板48を挟み込むように配置されており、ガイド板48に設けた切欠き48aから第1キャプスタンローラ45の周面が僅かに突出している。第2搬送ローラ対42も、第1搬送ローラ対41と同様に構成されており、第2キャプスタンローラ49と第2ニップローラ50とから構成されている。
図4に示すように、第1及び第2キャプスタンローラ45,49は、ガイド板48の下方で水平に、且つ側板51に軸受け(ボールベアリング)53a,53bを介して回動自在に取り付けられている。これらのキャプスタンローラ45,49の一端には、同期回転用クラウンプーリ(以下、単に第1、第2クラウンプーリという)54,55がそれぞれ固定されている。そして、各プーリ54,55間には無端平ベルト56が掛け渡されて、各キャプスタンローラ45,49が同期して回転する。また、第1キャプスタンローラ45の第1クラウンプーリ54が設けられた軸端とは反対側の端部には、従動プーリ57が固定されており、搬送モータ58の駆動軸に設けられた駆動プーリ59との間にスチールベルト60が掛け渡されている。従って、搬送モータ58を回転駆動することで、ベルト56,60及びプーリ54,55,57,59を介して各キャプスタンローラ45,49が同期して回転する。
また、第1及び第2キャプスタンローラ45,49のローラ軸45a,49aと、これらをそれぞれ保持する軸受け53a,53bとの間にガタが生じないように、ローラ軸45a,49aをその軸と平行な方向(スラスト方向)に付勢する第1付勢機構61a,61bと、その軸と垂直な方向(ラジアル方向)に付勢する第2付勢機構62a,62bとがそれぞれ側板51に設けられている。
第1付勢機構61a,61bは、ローラ軸45a,49aの軸端に固定された内リング65と、図示しないベアリング等を介して内リング65の外周面に回動自在に取り付けられた外リング66と、外リング66をスラスト方向(図中右方向)に付勢する板バネ67とから構成されている。また、第2付勢機構62a,62bは、側板51に形成された凸部に取り付けられた板バネ69と、板バネ69の先端に取り付けられた板70とから構成され、各ローラをもう一方のローラに向かう方向に付勢している。なお、第1付勢機構61a,61b及び第2付勢機構62a,62bとしては、これらに限定されるものではなく、各ローラ軸45a,49aをそれぞれスラスト方向、ラジアル方向に付勢できれば任意の機構を用いてよい。
第1及び第2ニップローラ46,50は、それぞれローラフレーム72,73に軸受け74a,74bを介して回動自在に取り付けられている。ローラフレーム72,73は、それぞれ機枠の側板75(図2参照、図3では図示を省略)に取付け軸77,78を介して回動自在に取り付けられている。また、ローラフレーム72,73の上面には、ニップローラ46,50の上方位置でコイルバネ保持部72a,73a(図3参照)が突出して形成されている。このコイルバネ保持部72a,73aと機枠の上カバー80との間には、コイルバネ81が縮装される。このコイルバネ81によって、第1及び第2ニップローラ46,50がそれぞれ第1及び第2キャプスタンローラ45,49に接触するように付勢され、キャプスタンローラ45,49及びニップローラ46,50により記録紙シート31a,31bが挟持搬送される。
ローラフレーム72,73の一端部には、固定軸83,84(図2参照)を介してカムフォロア86,87が取り付けられる。固定軸83,84は、図示しない側板に形成された長孔(図示せず)を貫通するように配置されており、その軸端部にカムフォロア86,87がそれぞれ取り付けられる。また、側板には、カム機構89が設けられている。カム機構89は、第1及び第2ニップローラ46,50を上下方にシフトさせて、記録紙シート31a,31bの挟持(ニップ)及び挟持解除(ニップ解除)を行う。カム機構89は、カムモータ91と、このカムモータ91によりプーリ92,93及びベルト94を介して駆動されるカム95とから構成される。
カム95は、プーリ部97と、第1ニップローラシフト用のカム本体98と、第2ニップローラシフト用のカム本体99とにより一体的に形成されている。各カム本体98,99の周面には、対応するカムフォロア86,87がそれぞれ係合しており、記録紙シート31a,31bの先端及び後端の通過に合わせてカム95を1回転させることにより、ローラフレーム72,73をそれぞれ一定角度範囲内で揺動させ、キャプスタンローラ45,49とニップローラ46,50とによる記録紙シート31a,31bの挟持及び挟持解除を行う。
また、ローラフレーム72,73の取付け軸77,78には、それぞれ第1及び第2ガイドローラプレート101,102が回動自在に取り付けられる。各ガイドローラプレート101,102には、その先端にそれぞれ小径の第1及び第2ガイドローラ103,104が取り付けられており、各ガイドローラ103,104により記録紙シート31a,31bをガイド板48に押え付ける。ガイドローラプレート101,102とローラフレーム72,73との間には、ねじりコイルバネ106(図2では図示を省略)が設けられており、このねじりコイルバネ106は、ガイドローラプレート101,102がローラフレーム72,73を離れる方向、つまり、各ガイドローラ103,104が記録紙シート31a,31bを押え付ける方向(図中下方向)に付勢している。また、ローラフレーム72,73には、ガイドローラプレート101,102の後端部が当接してそれ以上の回動を阻止するストッパ107が形成されて、ローラフレーム72,73に対するガイドローラプレート101,102の取付け角度を一定範囲内に維持している。
ねじりコイルバネ106によって、ガイドローラプレート101,102は下方に向けて付勢されているため、第1及び第2ニップローラ46,50が記録紙シート31a,31bの挟持を解除した挟持解除位置から挟持位置に向かうようにローラフレーム72,73を揺動させると、その途中の位置ではガイドローラ103,104が記録紙シート31a,31bをガイド板48に軽く押え付ける。また、第1及び第2ニップローラ46,50が挟持位置から挟持解除位置に向かうようにローラフレーム72,73を揺動させるときも、その途中の位置ではガイドローラ103,104は記録紙シート31a,31bをガイド板48に軽く押え付ける。
本実施例では、これらガイドローラ103,104(ガイドローラプレート101,102)のみによる記録紙シート31a,31bのガイド板48への弱い押し付け状態を仮押さえ状態と呼ぶ。そして、記録紙シート31a,31bの先端及び後端の通過に合わせてカム95を1回転させることにより、ガイドローラ103,104を押さえ解除状態、仮押さえ状態、押さえ状態、仮押さえ状態、押さえ解除状態のサイクルで一巡させる。なお、ガイドローラ103,104が押さえ状態にあるときは、ガイドローラプレート101,102もローラフレーム72,73の回動に伴って回転変位し、この分だけねじりコイルバネ81の反発力が増加するため、仮押さえ状態にあるときよりも記録紙シート31a,31bをガイド板48に強く押さえつけられる。
並列搬送される記録紙シート31a,31bの先端及び後端の通過を検出する検出手段として、フォトセンサ108a,108bが、ローラフレーム72の上流側に各列毎に設けられている。また、画像記録開始用のフォトセンサ109a,109bが、ローラフレーム72と露光位置43との間に各列毎に設けられている。各フォトセンサ108a,108b,109a,109bは、それぞれ記録紙シート31a,31bの搬送経路を挟み込むように配置された発光素子と受光素子とからなる。各フォトセンサ108a,108b,109a,109bからの検出信号は、写真プリンタ10の制御部20(図3参照)に送られる。
制御部20は、フォトセンサ108a,108bからの検出信号と、記録紙シート31a,31bの搬送速度情報とから、各記録紙シート31a,31b先端及び後端の位置をトラッキングする。また、フォトセンサ108a,108bからの検出信号に基づき、露光ユニット38による走査露光を開始する。ここで、本実施例では記録紙シート31a,31bが第1搬送ローラ対41を通過するときのずれを考慮して、フォトセンサ109a,109bを設けているが、このずれがほとんど発生しない場合には、フォトセンサ109a,109bを設けなくともよい。
そして、制御部20は、トラッキングした結果に基づき、並列搬送される記録紙シート31a,31bの先端及び後端がそれぞれ各ローラ46,50,103,104まで搬送されるのに合わせて、カムモータ91を回転駆動してカム95を回転させる。具体的には、記録紙シート31a,31bの先端が第2ガイドローラ104、第2搬送ローラ対42に達する際には、第2ガイドローラ104及び第2ニップローラ50をそれぞれシートの押さえを解除可能な押さえ解除位置、シートの挟持を解除可能な挟持解除位置に移動させておく。そして、記録紙シート31a,31bの先端が第2ガイドローラ104を通過したら第2ガイドローラ104をシートの仮押さえを可能な仮押さえ位置に移動させ、その先端が第2搬送ローラ対42を通過したら、第2ガイドローラ104及び第2ニップローラ50をそれぞれシートの押さえを可能な押さえ位置、シートの挟持を可能な挟持位置に移動させる。また、記録紙シート31a,31bの後端が第1搬送ローラ対41を通過する前に、第1ニップローラ46及び第1ガイドローラ103を挟持解除位置、仮押さえ位置に移動させ、その後端が第1ガイドローラ103を通過したら第1ガイドローラ103を押さえ解除位置に移動させる。
本実施例では、各記録紙シート31a,31bが搬送ユニット39内に搬送されてから送り出されるまでの間の各ローラの位置の組み合わせを、詳しくは後述するが計6通り設ける。そして、カム95を1回転させる間に各ローラが、この6通りの組み合わせ順に移動するように、カム本体98,99の形状及び大きさを調整する。
また、カム95を回転させる際の回転速度、つまり、各ローラ46,50,103,104の移動速度は、特に第2ニップローラ50を解除位置から挟持位置に移動させる際、及び第1ニップローラ46を挟持位置から挟持解除位置に移動させる際の振動で、記録紙シート31a,31bに走査むらが発生しないような低い速度に制御されている。従って、記録紙シート31a,31bの先端または後端が、対応する各ローラ46,50,103,104を通過する前にカム95の回転を開始する。
本実施例では、シート挟持時に記録紙シート31a,31bが変形するのを防止するため、第1及び第2キャプスタンローラ45,49として、アルミ材やステンレス材などの金属材料で形成された金属ローラ110(図5参照)の周面をウレタンゴムからなる弾性層(ウレタンコーティング層)で被覆したものを用いる。
上述したように、第1及び第2キャプスタンローラ45,49の周面を単にウレタンコーティング層で被覆すると、その周面のタック性(粘着性)が高くなってしまう。その結果、写真プリンタ10を長時間駆動させると、ローラ45,49の周面にゴミや紙粉などの異物が付着して、記録紙シート31a,31bとの間に一定の摩擦力を確保できなくなるおそれがある。また、ローラ45,49の周面の状態が異物付着前の初期状態から変化することで、記録紙シート31a,31bの搬送速度が変わるおそれもある。さらに、付着した異物によってキャプスタンローラ45,49の周面に傷が付いてしまうおそれもある。
そこで、本実施例では図5に示すように、第1及び第2キャプスタンローラ45,49を構成する金属ローラ110の周面を、樹脂ビーズ111を含有させたウレタンコーティング層112で被覆することで、ウレタンコーティングを施したときの利点を生かしつつ、キャプスタンローラ45,49の周面のタック性を低くさせる。ここで、図5は、第1キャプスタンローラ45の周面の断面を拡大した拡大図を示したものである。また、第2キャプスタンローラ49は第1キャプスタンローラ45と同一構造であるので、ここでは図示を省略する。
ウレタンコーティング層112は、例えば樹脂ビーズ111を混ぜたウレタンコーティング剤(図示せず)を金属ローラ110の周面に所定の厚さだけ塗布して、乾燥させることにより形成されるが、製造方法はこれに限定されない。ウレタンコーティング層112の厚みW1は、記録紙シート31a,31bを挟持したときにキャプスタンローラ45,49(ウレタンコーティング層112)が変形するのを防止するため、10〜50μmの範囲で形成され、例えば本実施例では30μmの厚みとされている。また、形成されたウレタンコーティング層112の厚みW1にバラツキがあると、キャプスタンローラ45,49が一回転される毎に記録紙シート31a,31bの搬送速度が周期的に変動して、記録画像に周期的なムラが発生するおそれがある。そのため、コーティング層の厚みW1のバラツキ、つまり、ウレタンコーティング層112の厚みW1の設計値と実測値との差が、ローラの全周面にわたって例えば±10μm以内になるようにウレタンコーティング層112が形成されている。
樹脂ビーズ111は球形状に形成されており、本実施例ではその直径W2が例えば5〜20μmのものを用いる。また、本実施例ではウレタンコーティング層112に含有される樹脂ビーズ111の含有率は、ウレタンコーティング層112の全体積の例えば10〜40%であり、樹脂ビーズ111はウレタンゴム112内にほぼ均一に分散されている。この樹脂ビーズ111は、所定の硬度を有していれば任意の樹脂材料から形成されたものを用いてよい。
樹脂ビーズ111は、ウレタンコーティング層112内にほぼ均一に分散されているので、ウレタンコーティング層112の表面上には、多数の樹脂ビーズ111が露呈される。樹脂ビーズ111は粘着性を有さないので、樹脂ビーズ111が含有されていない場合と比較してキャプスタンローラ45,49の周面のタック性を低くすることができる。その結果、キャプスタンローラ45、49の周面にゴミや紙粉などが付着しにくくなる。これにより、写真プリンタ10を長時間駆動してもローラ45,49と記録紙シート31a,31bとの間に一定の摩擦力を確保することができる。また、ローラ45,49の周面の状態を初期状態に近い状態で維持できるため、記録紙シート31a,31bの搬送速度をほぼ一定に保つことができる。さらに、異物付着によるローラ45,49の周面の傷付きも防止できる。
また、搬送ローラ対41,42により記録紙シート31a,31bを挟持させると、ニップローラ46,50は若干撓むため、その両端部がキャプスタンローラ45,49に密着してしまう。特に、例えば図6に示すように、単列搬送される記録紙シート114を挟持したときには、そのシート幅L1が短いほどニップローラ46,50とキャプスタンローラ45,49とが密着する部分が増える。従って、キャプスタンローラ45,49の周面のタック性が高いと、ニップローラ46,50がキャプスタンローラ45,49により回転駆動されて、記録紙シート114がニップローラ46,50から受ける搬送力が大きくなってしまう。なお、図6は搬送ユニット39を搬送方向上流側から見た概略図であり、本実施例では記録紙シートは2列搬送されるが、ここでは発明の効果を明確にするために、記録紙シートが単列搬送される場合を例に説明を行う。
この場合においても、本実施例ではローラ45,49の周面のタック性を低くすることができるので、詳しくは後述するが、ローラ45,49の周面をウレタンコーティングした場合と比較して、記録紙シート114がニップローラ46,50から受ける搬送力を小さくすることができる。
また、図5に示すように、樹脂ビーズ111は球形状に形成され、その径も5〜20μm程度なので、この樹脂ビーズ111がウレタンコーティング層112の表面から露呈していても、記録紙シート31a,31bやニップローラ46、50に傷を付けたり、ニップローラ46、50を磨耗させたりするおそれはない。さらに、ウレタンコーティング層112の表面に樹脂ビーズ111を露呈させることで、ウレタンコーティング層112の耐磨耗性を向上させることができるので、長期間にわたってキャプスタンローラ45,49の送り精度を良い状態で維持することができる。
第1及び第2ニップローラ46,50としては、シリコンゴム等からなるゴムローラ、アルミやステンレス等からなる金属ローラや、金属ローラの周面にウレタンコーティングを施したものなどの任意のローラを用いてよい。また、第1及び第2キャプスタンローラ45,49と同じものを用いてもよい。
次に、本構成の写真プリンタ10の作用について図7〜図10を用いて説明する。ここで、図7〜図10は図3を簡略化した概略図である。ユーザよりプリント指示がなされると、図1に示したように、各マガジン24a,24bの記録紙ロール26から感光記録紙25が送り出されて、カッタ29a,29bによって所定長の記録紙シート31a,31bにカットされる。そして、各マガジン24a,24bから送り出された記録紙シート31a,31bは、搬送路32に沿って裏印字装置15に並列に送り込まれて、そこで、フイルムIDやコマ番号などの必要情報が印字される。
裏印字された記録紙シート31a,31bは、スキュー補正装置16でスキューの補正がなされた後、露光装置20内の搬送ユニット39に並列搬送される。記録紙シート31a,31bが搬送されてくる前の初期状態では、図7に示すように、第1及び第2ニップローラ46,50及び第1及び第2ガイドローラ103,104は、それぞれ挟持解除位置及び押さえ解除位置にある(第1の組み合わせ)。
図8に示すように、搬送ユニット39に記録紙シート31a,31bが並列に搬送されたときに、シートの先端がフォトセンサ108a,108bによって検出されたら、制御部20は各記録紙シート31a,31bの先端及び後端の位置をトラッキングする。同時に制御部20は、カムモータ91を回転駆動してカム95を回転させ、第1ニップローラ46及び第1ガイドローラ103をそれぞれ挟持位置、押さえ位置に移動させる(第2の組み合わせ)。
また、制御部20は搬送モータ58を回転駆動して、駆動プーリ59,従動プーリ57及びスチールベルト60を介して第2キャプスタンローラ45を所定の周速で回転させる。第2キャプスタンローラ45が回転されると、第1、第2クラウンプーリ54,55及び無端平ベルト56を介して、第2キャプスタンローラ49もほぼ同一の周速で回転される。第1及び第2キャプスタンローラ45,49を同期回転させられるので、記録紙シート31a,31bがスリップして走査ムラが発生してしまうのを防止できる。
各記録紙シート31a,31bが第1搬送ローラ対41を通過して、その先端がフォトセンサ108a,108bの間を通過すると、制御部20はフォトセンサ109a,109bからの検出信号と記録紙シート31a,31bの搬送速度情報とに基づいて、露光ユニット39により各記録紙シート31a,31bに走査露光を開始する。
制御部20は、記録紙シート31a,31bの先端が第2ガイドローラ74を通過したら、カム95を回転させて、第2ガイドローラ104を仮押さえ位置に移動させる(第3の組み合わせ)。次いで、その先端が第2搬送ローラ対42を通過したら、カム95を回転させて、図9に示すように、第2ガイドローラ104を押さえ位置に移動させるとともに、第2ニップローラ50を挟持位置に移動させる(第4の組み合わせ)。
各記録紙シート31a,31bの後端がそれぞれフォトセンサ108a,108bの間を通過したら、制御部20は、記録紙シート31a,31bの後端が第1搬送ローラ対41から離れる前に、カム95を回転させて、図10に示すように、第1ニップローラ46を挟持解除位置に移動させるとともに、第1ガイドローラ103を仮押さえ位置に移動させる(第5の組み合わせ)。次いで、記録紙シート31a,31bの後端が第1ガイドローラ103を離れる前に、カム95を回転させて、第1ガイドローラ103を押さえ解除位置に移動させる(第6の組み合わせ)。
各記録紙シート31a,31bの走査露光が終了し、全て第2搬送ローラ対42を通過したら、カム95を初期状態の位置まで回転させて、第2ニップローラ50及び第2ガイドローラ104をそれぞれ挟持解除位置及び押さえ解除位置に移動させる。そして、次の記録紙シート31a,31bが搬送ユニット39に搬送されてきたら上述の処理を繰り返して行えばよい。各ローラ46,50,103,104を上述の6通りの組み合わせ順に移動させるように、カム本体98,99の形状、大きさなどを調整することで、記録紙シート31a,31bの先端が第2搬送ローラ対42に突き当たる時の衝撃や、その後端が第1搬送ローラ対41から抜け出る際の衝撃に起因する走査ムラの発生が抑えられる。
本実施例では、第1及び第2キャプスタンローラ45,49として、金属ローラの周面を樹脂ビーズ111を含有したウレタンコーティング層112で被覆するようにしたので、ローラ45,49の周面のタック性を低くすることができる。その結果、キャプスタンローラ45、49の周面にゴミや紙粉などが付着しにくくなり、写真プリンタ10を長時間駆動してもローラ45,49と記録紙シート31a,31bとの間に一定の摩擦力を確保することができる。また、ローラ45,49の周面の状態を初期状態に近い状態で維持できるため、記録紙シート31a,31bの搬送速度をほぼ一定に保つことができる。さらに、異物付着によるローラ45,49周面の傷付きも防止できる。
また、記録紙シートのシート幅が短いときでも、この記録紙シートがニップローラ46,50から受ける搬送力を小さくすることができる。さらに、樹脂ビーズ111を含有させることで、キャプスタンローラ45,49の耐磨耗性を向上させることができる。これにより、長期間にわたってキャプスタンローラ45,49による記録紙シート31a,31bの搬送を高精度に行うことができるので、走査ムラの発生が抑えられる。
さらに、キャプスタンローラ45,49の周面をウレタンコーティング層112で被覆しているので、記録紙シート31a,31b挟持時・挟持解除時の衝撃をこのウレタンコーティング層112で吸収することができる。その結果、特に第2ニップローラ50を解除位置から挟持位置に移動させる際、及び第1ニップローラ46を挟持位置から挟持解除位置に移動させる際の振動(衝撃)で、記録紙シート31a,31bに走査むらが発生するのを防止できる。
露光済みの記録紙シート31a,31bは、露光装置17から現像装置18に搬送されて、発色現像、定着、洗浄、乾燥の各処理が施されて、写真プリントとして写真プリンタ10の外部へ送り出される。
なお、本実施形態では第1及び第2キャプスタンローラ45,49として、ローラ周面が樹脂ビーズ111を含有したウレタンコーティング層112で被覆された金属ローラを用いているが、本発明は金属ローラに限定されるものではなく、記録紙シート31a,31b挟持時に変形しなければ、例えば硬化プラスチックやセラミックなどから形成された各種の硬質ローラを金属ローラの代わりに用いてもよい。さらに、硬質ローラの周面を被覆するコーティング層をウレタンゴムから形成する代わりに、樹脂ビーズ111を含有させた各種のゴム材料から形成させるようにしてもよい。
また、本実施形態では樹脂ビーズ111は球形状に形成されているが、記録紙シート31a,31bやニップローラ46、50に傷を付けたりしなければ、略球形状、例えば楕円形状に形成されていてもよい。
なお、本実施形態では、露光位置43の搬送方向上流側に配置された第1搬送ローラ対41と、露光位置43の搬送方向下流側に配置された第2搬送ローラ対42との2つの搬送ローラ対で記録紙シート31a,31bを挟持搬送しながら走査露光を行うようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、露光位置43の搬送方向上流側または搬送方向下流側に配置された1つの搬送ローラ対で記録紙シート31a,31bを挟持搬送しながら走査露光を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、搬送ユニット39により記録紙シート31a,31bを2列搬送して、2列同時露光させるようにしているが、搬送ユニット39により搬送される記録紙シートの列数は2列に限定されるものではなく、単列または3列以上でもよい。
なお、本実施形態では、第1及び第2ニップローラ46,50はそれぞれ別個に従動回転されるが、本発明はこれに限定されるものでなく、一方のニップローラが回転しているときは、他方のニップローラもそれに同期して回転させるようにしてもよい。これにより、どちらか一方のニップローラが記録紙シート31a,31bを搬送する方向に回転していれば、他方のニップローラを同方向に同速度で回転させながら、記録紙シート31a,31bの挟持または挟持解除を行うことができるので、記録紙シート31a,31b挟持時及び挟持解除時の衝撃を小さくすることができる。
また、本発明は写真プリンタに限定されるものではなく、記録位置の搬送方向上流側及び搬送方向下流側の少なくともいずれか一方に配置された搬送ローラ対により記録材料を挟持搬送しながら画像記録を行う各種の画像記録装置、例えば、感熱プリンタ、熱転写プリンタ、インクジェットプリンタなどにも適用することが可能である。
[実施例]
次に本発明の効果を明確にするために、第1及び第2キャプスタンローラ45,49の周面を樹脂ビーズ111を含有したウレタンコーティング層で被覆した本実施例「樹脂ビーズ入りウレタン」と、従来のキャプスタンローラ45,49を用いた比較例とに分けて、後述する13の評価項目における優劣を比較した。
比較例としては、下記の表1に示すようにローラ45,49の周面に、ウレタンコーティングのみを施した第1比較例「ウレタン」と、粉体状のセラミックとアクリル樹脂とを混合したものを電着塗装した第2比較例「粉体セラミック」と、セラミックまたは金属をプラズマ溶射してセラミック層または金属層を形成した第3比較例「プラズマ溶射」と、プライマー処理(エポキシ樹脂を5〜6μm塗布)を施したものに粉体セラミックを吹き付けて接着固定した第4比較例「接着セラミック」と、ローラ45,49をシリコンゴム等から形成した第5比較例「ゴムローラ」との計5つのローラを用いた。
本実施例のキャプスタンローラ45,49として(有)ミゾグチ工業の#783を用いた。また、第1比較例として(有)ミゾグチ工業の#781と(株)大東製作所のタック中、タック小とを用いた。また、第2比較例として(有)ミゾグチ工業の#260、#300、#400を用いた。さらに、第3比較例として(株)大東製作所のグレールアルミナ+チタニア、SUS316を用いた。また、第4比較例として建設ゴム(株)の#600を用いた。また、第5比較例として東立エンジニアリング製のゴムローラを用いた。なお、ニップローラ46,50は、各例(本実施例及び比較例1〜5)共通でシリコンゴムからなる東立エンジニアリング製のゴムローラを用いた。
評価項目としては、下記表1に示すように、項目No1「摩擦係数」、項目No2「紙粉の付着」、項目No3「送り精度」、項目No4「ロバスト性」、項目No5「シートのスキュー」、項目No6「ムラ特性」、項目No7「カブリ特性」、項目No8「スタチック特性」、項目No9「耐久性」、項目No10「傷:ニップローラ」、項目No11「傷:シート」、項目No12「衝撃に対する強度」と、項目No13「ニップローラとの貼り付き」の計13項目で評価した。
項目No1「摩擦係数」では、各例毎にキャプスタンローラ45(49)とニップローラ46(50)との間にシートを挟み込んでフォースゲージにて搬送力を測定して評価を行った。また、テストピース(試験片)を用いて摩擦試験機にて摩擦係数を測定して評価を行った。そして、これら2つの評価結果が最もよいものに「◎」、測定結果が所定の規格値を満たしているときは「○」、規格値と同等のときは「△」、規格値から外れるときは「×」を下記表1の評価欄に記入した。
項目No2「紙粉の付着」では、シートのキャプスタンローラ側の面(裏面)に紙粉をまぶした状態で項目No1と同様に搬送力を測定して評価を行った。そして、測定された搬送力の値が最も良いものに「◎」、測定結果が所定の規格値を満たしているときは「○」、規格値と同等のときは「△」、規格値から外れるときは「×」を下記表1の評価欄に記入した。
項目No3「送り精度」では、搬送ローラ対41(42)のニップ圧を可変させ、各ニップ圧におけるシートの送り長をガラススケールにより測定して評価を行った。そして、測定結果が最も良いものに「◎」、測定結果が所定の規格値内に収まっているときは「○」、規格値と同等のときは「△」、規格値から外れるときは「×」を下記表1の評価欄に記入した。
項目No4「ロバスト性」では、ガイドローラ103(104)の搬送負荷に起因するシートの送り長さの変化をガラススケールにより測定して評価を行った。そして、測定結果が最も良いものに「◎」、測定結果が所定の規格値内に収まっているときは「○」、規格値と同等のときは「△」、規格値から外れるときは「×」を下記表1の評価欄に記入した。
項目No5「シートのスキュー」では、搬送ローラ対41(42)により搬送されたシートのスキュー量(傾き角)の大きさをエッジセンサで測定して評価を行った。そして、測定結果が所定の規格値内に収まるときは「○」、規格値から外れるときは「×」を下記表1の評価欄に記入した。
項目No6「ムラ特性」では、所定のテストパターンを記録したプリントを作成し、走査ムラのレベルを限度見本との比較により評価した。そして、走査ムラのレベルが所定の規格内に収まるときは「○」、規格と同等であるときは「△」、規格から外れるときは「×」を下記表1の評価欄に記入した。
項目No7「カブリ特性」では、キャプスタンローラとして使用のものをテストピース化した。そして、そのテストピースを記録紙シート(感光材料)に接触させ、高温高湿環境下に一定時間放置させた後、記録紙シートのカブリを判定した。そして、カブリが無いときは「○」、カブリが有るときは「×」を下記表1の評価欄に記入した。
項目No8「スタチック特性」では、低温低湿環境下にて一定時間シートを通紙(搬送)させた後のキャプスタンローラ45(49)の周面、及びシートの表面及び裏面の両方の帯電量を表面電位計により測定して評価を行った。そして、測定結果が所定の規格値内に収まるときは「○」、規格値から外れるときは「×」を下記表1の評価欄に記入した。
項目No9「耐久性」では、シートを一定枚数通紙させた後のキャプスタンローラ45(49)の周面の磨耗量をレーザ変位計により測定して評価を行った。そして、測定結果が所定の規格値内に収まるときは「○」、規格値と同等であるときは「△」、規格値から外れるときは「×」を下記表1の評価欄に記入した。
項目No10「傷:ニップローラ」では、シートを一定枚数通紙させた後のキャプスタンローラ45(49)の周面に傷や削れが発生しているか否かを目視で確認して評価を行った。そして、ローラ周面に傷や削れが発生していないときは「○」、発生しているときは「×」を下記表1の評価欄に記入した。
項目No11「傷:シート」では、搬送ローラ対41(42)により搬送されたシートの表面(キャプスタンローラ45(49)との接触面)に傷が発生しているか否かを目視で確認して評価を行った。そして、シート表面に傷が発生していないときは「○」、発生しているときは「×」を下記表1の評価欄に記入した。
項目No12「衝撃に対する強度」では、キャプスタンローラ45(49)を所定の高さから自由落下させて、ローラ周面のコーティング層が剥がれているか否かを目視で確認して評価を行った。そして、コーティング層に剥がれが発生していないときは「○」、微小な剥がれが発生しているときは「△」、剥がれが多数発生しているときは「×」を下記表1の評価欄に記入した。
項目No13「ニップローラとの貼り付き」では、高温高湿環境下にて一定時間、一定圧力でニップローラ46(50)をキャプスタンローラ45(49)に押し付けた後、ニップローラ46(50)とキャプスタンローラ45(49)とを剥離させるのに必要な力をフォースゲージにより測定して評価を行った。そして、測定結果が所定の規格値内に収まるときは「○」、規格値と同等であるときは「△」、規格値から外れるときは「×」を下記表1の評価欄に記入した。
Figure 2006027834
表1に示すように、本実施例のキャプスタンローラ45,49は、他の比較例1〜5の
ローラ45,49と比較して、全ての評価項目おいて同等または優れているということが確認された。特に比較例1の評価結果と比較した結果、樹脂ビーズ111をウレタンコーティング層112に含有させることで、ローラ45,49の送り精度、ロバスト性、耐久性が向上することが確認された。また、ローラ45,49のタック性が低くなって、紙粉が付着しにくくなるとともに、ニップローラ46,50との密着力が弱くなることも確認された。
次に、本実施例のキャプスタンローラ45,49を備えた搬送ローラ対41,42と、上述の比較例1のローラ45,49を備えた搬送ローラ対41,42とにおいて、単列搬送される記録紙シート114のシート幅L1(mm)を89mm〜305mmの間で変えたときのシートの搬送速度(mm/sec)の変化を比較した(図6参照)。この実験結果を図11のグラフに示す。
図11に示すように、本実施例及び比較例1共にシート幅L1が長くなるほどシート搬送速度は線形的に遅くなる。そして、本実施例ではシート幅L1が短くなるほどシート搬送速度が線形的に速くなる一方で、比較例1ではシート搬送速度が線形的に速くならず、本実施例と比較してシート搬送速度が遅くなっている。
これにより、比較例1ではローラ周面45,49のタック性が高いため、シート幅L1が短くなるにつれて記録紙シート114がニップローラ46,50から受ける搬送力が大きくなり、記録紙シート114の搬送がキャプスタンローラ45,49から受ける搬送力のみに依存しなくなることが確認された。逆に本実施例ではローラ45,49の周面のタック性が低いため、シート幅L1が短くなっても記録紙シート114がニップローラ46,50から受ける搬送力は比較例1ほど大きくならず、記録紙シート114の搬送がキャプスタンローラ45,49から受ける搬送力にほぼ依存することが確認された。本実施例では、シート幅L1の増減に対応してシート搬送速度が線形的に増減するので、異なるシート幅の記録紙シートを搬送するときに、シート搬送速度の調整を容易に行うことができる。
本発明を実施した写真プリンタの概略図である。 同写真プリンタの搬送ユニットの上面図である。 同搬送ユニットの側面図である。 同搬送ユニットを構成する搬送ローラ対のキャプスタンローラ及びそのローラ駆動機構の概略図である。 同キャプスタンローラの周面の断面を拡大した拡大図である。 同搬送ユニットを搬送方向上流側から見た概略図である。 同搬送ユニットを側面から見た概略図であり、初期状態における各ローラの位置を示したものである。 同搬送ユニットを側面から見た概略図であり、記録紙シートが搬送ユニットに搬送されたときの各ローラの位置を示したものである。 同搬送ユニットを側面から見た概略図であり、記録紙シートの先端が第2搬送ローラ対を通過した後の各ローラの位置を示したものである。 搬送装置を側面から見た概略図であり、記録紙シートの後端が第1搬送ローラ対を通過する直前の各ローラの位置を示したものである。 同キャプスタンローラ及び従来のキャプスタンローラにより搬送される記録紙シートのシート幅を変えたときのシートの搬送速度の変化を示したグラフである。
符号の説明
10 写真プリンタ
17 露光装置
31a,31b 記録紙シート
39 搬送ユニット
43 第1搬送ローラ対
44 第2搬送ローラ対
45 第1キャプスタンローラ
49 第2キャプスタンローラ
111 樹脂ビーズ
112 ウレタンコーティング層

Claims (4)

  1. シート状の記録材料の記録位置の搬送方向上流側及び搬送方向下流側の少なくともいずれかに配置された搬送ローラ対で前記記録材料を挟持搬送しながら画像記録を行う画像記録装置において、
    前記搬送ローラ対を構成する駆動ローラは、周面が樹脂ビーズを含有した弾性層で被覆された硬質ローラであることを特徴とする画像記録装置。
  2. 前記搬送ローラ対は、前記記録位置の搬送方向上流側と搬送方向下流側とにそれぞれ配置され、
    前記搬送方向上流側に配置された第1の搬送ローラ対と、前記搬送方向下流側に配置された第2の搬送ローラ対とであることを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
  3. 前記第1及び第2搬送ローラ対を前記記録材料を挟持搬送する挟持状態、及び前記記録材料の挟持を解除する解除状態の間で切り替え可能な切替機構と、
    前記記録材料の通過を検出する検出手段と、
    前記第1搬送ローラ対により搬送される前記記録材料の先端が前記解除状態にある前記第2搬送ローラ対を通過した後に、前記第2搬送ローラ対を前記挟持状態に切り替え、前記記録材料の後端が前記挟持状態にある前記第1の搬送ローラ対から離れる前に、前記第1搬送ローラ対を前記解除状態に切り替えるように前記切替機構を制御する制御手段とが設けられていることを特徴とする請求項2記載の画像記録装置。
  4. 前記弾性層はウレタンゴムから形成されていることを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つ記載の画像記録装置。

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