JP2006026740A - ダイカストマシンの真空制御装置および真空ダイカスト方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 安価で正圧に対しても耐久性のある相対圧真空計を用いて金型内キャビティの圧力を測定しながら、実質的には、絶対圧真空計を用いたのと同様に正確な真空圧値を表示し、それに基づいて真空ポンプを制御し、キャビティ内の真空度を設定値通りの値まで真空度を高める。
【解決手段】 予めダイカストマシン周辺の大気圧を測定し、その結果を金型キャビティ内への溶湯注入時の真空度測定装置にフィードバックし、大気圧分をオフセットにして前記相対圧真空計で金型キャビティ内の絶対圧真空度を測定しながら金型キャビティ内を減圧する。
【選択図】 図1
【解決手段】 予めダイカストマシン周辺の大気圧を測定し、その結果を金型キャビティ内への溶湯注入時の真空度測定装置にフィードバックし、大気圧分をオフセットにして前記相対圧真空計で金型キャビティ内の絶対圧真空度を測定しながら金型キャビティ内を減圧する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、予め金型キャビティ内を真空にした後、同金型キャビティ内に溶湯を注入する真空ダイカスト方法に係り、特に、金型キャビティ内の真空度を相対圧真空圧計を用いて測定しながら、実質上は絶対圧真空度測定を行いながら鋳造する真空ダイカスト方法に関する。
最近では、自動車部品等のアルミニウム製大型部品を製作するに際し、小型のアルミニウム鋳造品を溶接により接合して、大型部品を製作する方法が周知になっている。そのためには、高品質な小型のアルミニウム鋳造品を鋳造する必要がある。高品質な鋳造品を製造する技術としては、真空ダイカスト方法が知られている。
真空ダイカスト方法では、金型キャビティ内を高真空度に保つことにより、溶湯のガスの含有量を少なくできるので、ガスの起因する製品品質のばらつきをなくし、高品質で精密な部品を鋳造することができる。一般に、高品質な鋳造品にするための製品中のガス含有量については、製品重量100グラムあたり含有されるガス気泡の体積が1cc以下にする必要があるとされている。
従来、金型キャビティ内の真空度を高めるには、真空ポンプによりキャビティ内を減圧することがことが行われている。本出願人は、製品中のガス含有量を小さくするため、よりキャビティの真空度を高められるようにすべく、真空ポンプとキャビティを連通する排気路の途中にバルブを設けるとともに、この排気路のバルブの弁体を電磁力によって開閉方向に直動させる電磁駆動手段を設けることを提案している(特許文献1)この従来技術によれば、弁体の応答性がよいため、減圧を短時間で効率よくこうキャビティ内を高い真空状態にすることができる。
上記のようなキャビティの減圧技術を使った従来の真空ダイカスト法によりアルミニウム鋳造品を鋳造を実際に行った結果、金型キャビティ内の真空度を5hPa以下に保ち、良品を鋳造する条件であるガス含有量を製品重量100グラムあたり1cc以下にすることが可能であった。
特開2002−239705号
しかしながら、同一の運転条件で、常に、金型キャビティ内の真空度を5hPa以下にできるか、というと、日によって、あるいは時間により、できる場合、できない場合があった。
本発明者は、同一運転条件でも日によりあるいは時間により金型キャビティ内を常に所定値(5hPa)以下にすることができなかったという問題点を解決すべく、種々のテスト、研究を重ねた結果、以下のような知見を得た。
まず、金型キャビティ内の真空度を測定する従来の真空計には、絶対圧真空計と、相対圧真空計とがある。絶対圧真空計は、文字通り真空度の絶対値を測定できるが、価格が高価である上に、鋳造時にキャビティに発生する正圧に耐えられず破損し易いという重大な欠点がある。このため、従来は、安価である上に、対加圧を基準とする相対的な真空度を測定するため、鋳造時に発生する正圧に耐えられる相対圧真空計を用いている。
ところが、この相対圧真空計を用いた場合、天候による大気圧変動の影響を受けるため、それが原因となつて、真空度にばらつきが生じることが判明した。例えば、図3に示すように、相対圧真空計では、A状態の1013hPaのときよりも、大気圧の高いB状態の1063hPaのときは、金型キャビティ内の圧力も高く、この圧力状態から減圧していくと、絶対圧力は所定値(5hPa)に達していないにもかからずに、大気圧との差圧Pは同一であるため、所定値(5hPa)に達したようにみえることになる。
そこで、本発明の目的は、前記従来技術の有する問題点を解消し、安価で正圧に対しても耐久性のある相対圧真空計を用いて金型内キャビティの圧力を測定しながら、実質的には、絶対圧真空計を用いたのと同様にして、真空ポンプや真空タンクによりキャビティ内の真空度を設定値通りの値に大気圧の影響を受けずに常に一定にできるようにしたダイカストマシンの真空制御装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、あらかじめダイカストマシン周辺の大気圧を測定し、その結果を使って大気圧の変動を修正して、あたかもキャビティ内の絶対圧真空度を測定しながら設定値どおりの真空状態を実現した上で溶湯を注入できるようにした真空ダイカスト方法を提供することにある。
前記の目的を達成するために、本発明は、固定金型と移動金型によって形成されるキャビティ内を減圧して成形を行うダイカストマシンの真空制御装置において、前記キャビティ内を減圧する真空ポンプを含む真空回路と、ダイカストマシン機外の大気圧を検出する手段と、前記大気圧を基準にして、前記キャビティ内の相対的な真空圧を測定する相対圧真空計と、前記相対圧真空計の測定データを取り込み、大気圧値をオフセットにして、前記相対真空計で測定した真空圧の値を絶対圧真空度に変換する演算手段と、前記絶対圧真空度を表示器に表示する真空度表示手段と、を具備したことを特徴とするものである。
また、本発明は、固定金型と移動金型によって形成されるキャビティ内を減圧して成形を行うダイカストマシンの真空制御装置において、ダイカストマシン機外の大気圧を検出する手段と、前記大気圧を基準にして、前記キャビティ内の相対的な真空圧を測定する相対圧真空計と、真空タンクと、真空ポンプと、前記真空タンク内の真空度を測定するタンク内真空計と、前記真空タンクと前記キャビティとを連通する排気路を開閉するバルブと、を具備する真空回路と、前記相対圧真空計の測定データを取り込み、大気圧値をオフセットにして、前記相対真空計で測定した真空圧の値を絶対圧真空度に変換する演算手段と、前記絶対圧真空度を表示器に表示する真空度表示手段と、前記真空タンク内の真空度を所定の真空度に保つように真空ポンプの運転を制御するポンプ制御手段と、成形中は前記バルブを開き、前記キャビティと前記真空タンクを連通させるバルブ制御手段と、を具備し、キャビティ内の真空度を前記相対圧真空計で測定しながら前記真空タンクにより所定の絶対圧真空度まで減圧することを特徴とするものである。
また、本発明に係る真空ダイカスト方法は、鋳造を開始するに際し、あらかじめ金型キャビティ内を減圧した後、同金型キャビティ内に溶湯を注入する真空ダイカスト方法において、予めダイカストマシン周辺の大気圧を測定する工程と、前記金型を閉じキャビティ内に溶湯を注入する工程と、大気圧の測定結果を金型キャビティ内への溶湯注入時の真空度測定装置にフィードバックし、大気圧分をオフセットにして前記相対圧真空計で金型キャビティ内の絶対圧真空度を測定しながら金型キャビティ内を減圧する工程と、減圧を停止後キャビティ内を大気に開放し、金型を開く工程と、からなることを特徴とするものである。
本発明によれば、安価で正圧に対しても耐久性のある相対圧真空計を用いて金型内キャビティの圧力を測定しながら、実質的には、絶対圧真空計を用いたのと同様に正確な真空圧値を表示し、それに基づいて真空ポンプを制御し、大気圧の影響を受けずにキャビティ内の真空度を設定値通りの値に常に一定にできる。
また、本発明によれば、真空タンクやシャットオフバルブなどを組み合わせ、相対圧真空計を用いて金型内キャビティの圧力を測定しながら、実質的には、絶対圧真空計を用いたのと同様にして、大気圧の変動の影響を受けずに、金型キャビティを効率よく正確に減圧できる。
また、本発明によれば、あらかじめダイカストマシン周辺の大気圧を測定し、その結果を使って相対圧真空計の受ける大気圧の変動を修正して、あたかもキャビティ内の絶対圧真空度を測定するのと同じようにして真空状態を実現できるので、天候等による左右される大気圧の影響を受けることなく、常に、金型キャビティ内の真空度を良品を鋳造するのに必要な値まで確実に高めることができるので、ガス含有量を確実に一定量以下に抑え、品質の高い鋳造品を安定して製造することが可能になる。
以下、本発明によるダイカストマシンの真空制御装置および真空ダイカスト方法の一実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態による真空制御装置およびダイカストマシンの要部を示す。参照番号1は金型装置を示す。この金型装置は、固定金型2と移動金型3とからなり、固定金型2には内部固定金型2aが取り付けられ、移動金型3には内部移動金型3aが取り付けられている。そして、固定金型2に対して移動金型3が図1において左右方向に移動し、金型当接面Cで固定金型2に移動金型3が当接したときに、内部固定金型2aと内部固定金型3aとによって金型キャビティ4が形成される。
図1は、本実施形態による真空制御装置およびダイカストマシンの要部を示す。参照番号1は金型装置を示す。この金型装置は、固定金型2と移動金型3とからなり、固定金型2には内部固定金型2aが取り付けられ、移動金型3には内部移動金型3aが取り付けられている。そして、固定金型2に対して移動金型3が図1において左右方向に移動し、金型当接面Cで固定金型2に移動金型3が当接したときに、内部固定金型2aと内部固定金型3aとによって金型キャビティ4が形成される。
主真空ポンプ8は、逆止弁であるシャットオフバルブ5を介して金型キャビティ4に連通している。シャットオフバルブ5、主真空ポンプ8は、主真空回路を形成している。シャットオフバルブ5は、排気路を開閉する弁体5aを開閉方向に直動する電磁アクチュエータ10を備えている。電磁アクチュエータ10により、排気路が開かれると、主真空ポンプ8の負圧によって金型キャビティ4が減圧され、排気路が閉じられると減圧が停止される。電子アクチューエータ10は、制御モジュール20と接続されている。このようなシャットオフバルブ5では、電磁アクチュエータ10の応答性の高さにより、排気路の開閉をごく短時間に行い、真空度制御の精度を高めることに寄与する。
これに対して、補助真空ポンプ9は、副真空回路を形成している。この副真空回路は、固定金型2と内部固定金型2aとの連結面にできる隙間や、移動金型3と内部固定金型3aとの連結面にできる隙間などを真空に保つためのものである。この副真空回路を併用することにより、減圧中に金型キャビティ4に空気が進入することを防止できる。
参照番号11は、射出装置を示している。図示しない油圧シリンダから延びるピストンロッド12の先端には、プランジャチップ12aが取り付けられ、このプランジャチップ12aは射出スリーブ13に進退可能に嵌合している。鋳造に際して、プランジャチップ12aは図中左方向に前進して、供給口14から供給された溶湯を金型キャビティ4に射出する。参照番号15は押出しピンで、製品取り出しに際し、固定金型2と移動金型3が開いたときに、金型キャビティ4内に残された製品を金型キャビティ4内から突き出すためのものである。
参照番号16は、金型キャビティ4内の真空度を測定する相対圧真空計を示す。この相対圧真空計16は、大気圧を基準にして、その相対的な真空度を測定する真空計である。参照番号17は、機外の大気圧を測定する気圧計である。これら相対圧真空計16、気圧計17は制御装置18に接続されている。
次に、制御装置18について説明する。この制御装置18は、相対圧真空計16および気圧計17の測定データを入力するために入力インターフェースを構成する圧力入力モジュール19、主真空ポンプ8、補助真空ポンプ9の運転を制御し、また、電磁アクチューエータ10の動作を制御するポンプ制御モジュール20と、演算装置22、マシンインタフェース23、表示・操作パネル24を備えている。これらはバス21を介して相互に接続されている。演算装置22は、比較演算手段25、データを記憶する記憶部26、バス21との間でデータを出力するため出力手段27と、表示操作パネル24の有するモニタなどの表示部を制御し、金型キャビティ4内の真空度をはじめとして、運転状況データなどさまざまデータを表示させる表示手段28を備えている。なお、金型キャビティ4内の目標とする真空度、例えば、絶対圧で5hPaを表示操作パネル24から入力し、記憶部26に記憶することができる。
次に、本実施形態によるダイカストマシンの真空制御装置の作用効果について説明する。
鋳造工程を開始するにあたり、まず、気圧計17により大気圧Paを測定しておく。その大気圧の測定信号は、気圧計17から圧力入力モジュール19を介してA/D変換されてから、バス18を介して大気圧Paとして記憶部26に記憶される。また、主真空ポンプ8、補助真空ポンプ9を起動しておく。
次に、固定金型2に対して移動金型3が閉じられ、両金型を型締めした状態の下で、溶湯の射出工程が開始される。すなわち、図1において、供給口14から射出スリーブ13内に溶湯が供給され、図示しない油圧シリンダがプランジャチップ12aが前進すると、射出スリーブ13内の溶湯が金型キャビティ4に射出される。
プランジャチップ12aが前進して供給口14を閉塞すると、制御モジュール20からの指令によりシャットオフバルブ5の電磁アクチューエータ10が作動し、弁体5aが前進して排気路が開かれる。これにより、主真空ポンプ8の負圧により金型キャビティ8の減圧が開始される。
そこで、減圧の開始にともない、相対圧真空計16により金型キャビティ4の真空度を測定する。このとき測定された真空度の測定信号は、圧力入力モジュール19を介してA/D変換されて制御装置18に取り込まれ、相対圧真空度Prとしてバス18を介して記憶部26に記憶される。
比較演算手段25は、記憶部26から大気圧Paおよび相対圧真空度VPrのデータを読み込み、大気圧Paをオフセットにして、相対圧真空度Prの値を絶対圧真空度VPaに変換する演算を行う。例えば、大気圧Paが1063hPaであったとすると、相対圧真空計16で測定できるのは、この1063気圧を基準として、−600hPaであるというような相対圧真空度である。そこで、大気圧Paの値分をオフセットにすれば、463hPaというように絶対圧真空度に変換することができる。このようにして絶対圧真空度に変換されたデータは、記憶部26に記憶されるともに表示手段28に転送され、表示・操作パネル24のモニタにリアルタイムで表示される。したがって、この表示を見れば、減圧状況を絶対圧真空度で把握することができる。このように、相対圧真空計16は、そのときどきの気候等による大気圧変動の影響を受けるが、大気圧計17で大気圧の値を取り込み、相対圧真空計16を使いながらも大気圧の変動を修正した正しい値を表示できるできるようになる。
やがて、金型キャビティ4内の真空度が高まり、真空度の変化が安定し、測定される目標とする真空度に到達すると、制御モジュール20は、主真空ポンプ8、補助真空ポンプ9の停止を指令し、減圧を停止する。そして、シャットオフバルブ5の弁体5aが後退して排気路が閉じられる。
こうして、天候等により左右される大気圧変動による影響を受ける相対圧真空度を絶対圧真空度に修正して、金型キャビティ内の真空度を設定された値まで減圧することができる。その後、製品が凝固したら、図示しない逃がし弁を開き、金型キャビティ4を大気に開放してから固定金型2と移動金型3が開く。そして、押出しピン15が作動し、金型キャビティ4内に残された製品を金型キャビティ4内から突き出すので、製品を取り出し、鋳造サイクルが終了する。
以上のように、天候等による左右される大気圧変動の影響を受けることなく、常に、金型キャビティ内の真空度を良品を鋳造するのに必要な値、例えば、5hPaまで確実に高めることができるので、ガス含有量を確実に一定量以下に抑え、品質の高い鋳造品を安定して製造することが可能になる。
ところで、以上のような鋳造サイクルを繰り返していくことで、記憶部26には、前回以前の鋳造サイクルでの金型キャビティ4内の真空度について測定データが蓄積されてくる。そこで、これらの真空度データに基づいて比較演算手段25で演算した金型キャビティ4内の真空度の目標値を用いるようにしてもよい。
ところで、以上のような鋳造サイクルを繰り返していくことで、記憶部26には、前回以前の鋳造サイクルでの金型キャビティ4内の真空度について測定データが蓄積されてくる。そこで、これらの真空度データに基づいて比較演算手段25で演算した金型キャビティ4内の真空度の目標値を用いるようにしてもよい。
例えば、前回のサイクルで金型キャビティ4内が落ち着いたときの真空度の値、前々回の真空度の値、…を記憶部26から読み込み、これらの真空度の値から移動平均を演算して、その値を今回の真空度の目標値に設定するようにしてもよい。
金型キャビティ4内の真空度を測定する場合には、減圧の開始当初は圧力の変動が大きく、金型キャビティ4内の圧力が落ち着いて安定してくるのは、減圧の終局段階に近くなったときであり、正確な測定ができるのはごく短時間しかない。そこで、上記のように、前回、前々回、…の減圧終局段階の真空度データを使って、誤差を排除するため移動平均を算出するなどの処理を行い、これを目標値とすることにより、鋳造サイクルを繰り返すにしたがって、真空度は一定の値に近づいていき、真空度制御の精度を高めることが可能となる。
次に、図2は、本発明の第2実施形態による真空制御装置を示す。
この第2実施形態では、主真空タンク6は、金型キャビティ4の容量に対して必要十分な容量を有し、主真空ポンプ8と接続されている。この主真空タンク6は、主真空回路に設けてあるバルブV1およびシャットオフバルブ5を間に介して金型キャビティ4に連通している。シャットオフバルブ5は、金型キャビティ4内において主真空回路の排気口を開閉する。
副真空タンク7が設けられた副真空回路にもバルブV2が設けられ、副真空タンク7は、副真空ポンプ9に接続されるとともに、バルブV2を介して固定金型2と内部固定金型2aとの連結面にできる隙間や、移動金型3と内部固定金型3aとの連結面にできる隙間と連通と連通するようになっている。
そして、主真空タンク6、副真空タンク7には、それぞれタンク内の相対的な真空度を測定する真空計S1、S2が取り付けられており、これらの真空計S1、S2は、制御装置18の圧力入力モジュール19と接続されている。バルブV1、V2は、制御モジュール20と接続されており、この制御モジュール20により開閉動作が制御される。
次に、本実施形態の作用について説明する。
鋳造工程を開始するにあたり、まず、気圧計17により大気圧Paを測定しておく。その大気圧の測定信号は、気圧計17から圧力入力モジュール19を介してA/D変換されてから、バス18を介して大気圧Paとして記憶部26に記憶される。また、主真空ポンプ8、副真空ポンプ9の運転により、それぞれ主真空タンク6、副真空タンク7を所定の真空度まで減圧させておく。
鋳造工程を開始するにあたり、まず、気圧計17により大気圧Paを測定しておく。その大気圧の測定信号は、気圧計17から圧力入力モジュール19を介してA/D変換されてから、バス18を介して大気圧Paとして記憶部26に記憶される。また、主真空ポンプ8、副真空ポンプ9の運転により、それぞれ主真空タンク6、副真空タンク7を所定の真空度まで減圧させておく。
次に、固定金型2に対して移動金型3が閉じられ、両金型が型締めされた時点で、制御モジュール20からの指令により、バルブV1が開く。このとき、シャットオフバルブ5の弁体5aは閉じたままである。この段階では、主真空タンク6からシャットオフバルブ5までの排気路内が所定の真空度まで減圧されている。
この状態の下で、溶湯の射出工程が開始される。すなわち、図2において、供給口14から射出スリーブ13内に溶湯が供給され、図示しない油圧シリンダがプランジャチップ12aが前進すると、射出スリーブ13内の溶湯が金型キャビティ4に射出される。
プランジャチップ12aが前進して供給口14が閉塞されると、制御モジュール20からの指令によりシャットオフバルブ5の電磁アクチューエータ10が作動し、弁体5aが前進して排気路が開かれる。これにより、主真空タンク6の負圧により金型キャビティ8の減圧が開始される。この主真空タンク6による減圧では、主真空タンク6は十分な容量をもちシャットオフバルブ5のところまですでに減圧されていること、シャットオフバルブ5が応答性が高い電磁アクチューエータ10により作動されるので、シャットオフバルブ5の開放により速やかに金型キャビティ4を減圧できる。
減圧の開始にともない第1実施形態と同様にして、相対圧真空計16による金型キャビティ4の真空度を測定が実行される。
やがて、金型キャビティ4内の真空度が高まり、真空度の変化が安定し、測定される値と、目標とする真空度が一致するにいたる。この真空度の到達により、制御モジュール20からの指令により、シャットオフバルブ5の弁体5aが開くとともに、バルブV1を閉じて減圧を停止する。そして、図示しない逃がし弁が開放されて、金型キャビティ4が大気に開放される。
製品が凝固したら、型開きを行う。金型キャビティ4は大気に開放されていることで、円滑に固定金型2と移動金型3が開き、押出しピン15が作動し、金型キャビティ4内に残された製品が取り出され、鋳造サイクルが終了する。
以上のような鋳造サイクルを繰り返していくことで、記憶部26には、前回以前の鋳造サイクルでの金型キャビティ4内の真空度測定データが蓄積されてくる。そこで、第1実施形態と同様にこれらの真空度データに基づいて比較演算手段25により演算した値を金型キャビティ4内の真空度の目標値に用いるようにしてもよい。この目標値としては、例えば、前回のサイクルで金型キャビティ4内が落ち着いたときの真空度の値、前々回の真空度の値、…を記憶部26から読み込み、これらの真空度の値から移動平均を演算して、その値を今回の真空度の目標値に設定することが好適である。
なお、金型キャビティ4の減圧と並行して、副真空タンク7ではバルブV2が開き、固定金型2と内部固定金型2aとの連結面にできる隙間や、移動金型3と内部固定金型3aとの連結面にできる隙間が減圧され、これにより連結面から空気が金型キャビティ4に進入してくるのを防ぐことができる。この連結面の真空度の目標値は、主真空タンク6の真空度と同じにしたり、あるいは実験的に決定したり、適当な値を適宜設定すればよい。また、バルブV2の開閉のタイミングは、バルブV1と同時でもよいし、実験結果により適宜変更してもよい。
なお、金型キャビティ4の減圧と並行して、副真空タンク7ではバルブV2が開き、固定金型2と内部固定金型2aとの連結面にできる隙間や、移動金型3と内部固定金型3aとの連結面にできる隙間が減圧され、これにより連結面から空気が金型キャビティ4に進入してくるのを防ぐことができる。この連結面の真空度の目標値は、主真空タンク6の真空度と同じにしたり、あるいは実験的に決定したり、適当な値を適宜設定すればよい。また、バルブV2の開閉のタイミングは、バルブV1と同時でもよいし、実験結果により適宜変更してもよい。
1 金型装置
2 固定金型
3 移動金型
4 金型キャビティ
5 シャットオフバルブ
6 主真空タンク
7 副真空タンク
8 主真空ポンプ
9 副真空ポンプ
10 電磁アクチューエータ
11 射出装置
12a プランジャチップ
13 射出スリーブ
15 押出ピン
16 相対圧真空計
17 絶対圧真空計
18 制御装置
22 演算装置
2 固定金型
3 移動金型
4 金型キャビティ
5 シャットオフバルブ
6 主真空タンク
7 副真空タンク
8 主真空ポンプ
9 副真空ポンプ
10 電磁アクチューエータ
11 射出装置
12a プランジャチップ
13 射出スリーブ
15 押出ピン
16 相対圧真空計
17 絶対圧真空計
18 制御装置
22 演算装置
Claims (9)
- 固定金型と移動金型によって形成されるキャビティ内を減圧して成形を行うダイカストマシンの真空制御装置において、
前記キャビティ内を減圧する真空ポンプを含む真空回路と、
ダイカストマシン機外の大気圧を検出する手段と、
前記大気圧を基準にして、前記キャビティ内の相対的な真空圧を測定する相対圧真空計と、
前記相対圧真空計の測定データを取り込み、大気圧値をオフセットにして、前記相対真空計で測定した真空圧の値を絶対圧真空度に変換する演算手段と、
前記絶対圧真空度を表示器に表示する真空度表示手段と、
を具備したことを特徴とするダイカストマシンの真空制御装置。 - 成形中のキャビティ内の真空度が任意の絶対圧真空度になるように、前記真空ポンプの運転を制御するポンプ制御手段を具備したことを特徴とする請求項1に記載のダイカストマシンの真空制御装置。
- 現在成形中のキャビティ内の真空度が、前回鋳造サイクル以前の成形中に測定した前記キャビティ内の絶対圧真空度のデータに基づいて算出される真空度の目標値と一致するように、前記真空ポンプの運転を制御するポンプ制御手段を具備したことを特徴とする請求項1に記載のダイカストマシンの真空制御装置。
- 固定金型と移動金型によって形成されるキャビティ内を減圧して成形を行うダイカストマシンの真空制御装置において、
ダイカストマシン機外の大気圧を検出する手段と、
前記大気圧を基準にして、前記キャビティ内の相対的な真空圧を測定する相対圧真空計と、
真空タンクと、真空ポンプと、前記真空タンク内の真空度を測定するタンク内真空計と、前記真空タンクと前記キャビティとを連通する排気路を開閉するバルブと、を具備する真空回路と、
前記相対圧真空計の測定データを取り込み、大気圧値をオフセットにして、前記相対真空計で測定した真空圧の値を絶対圧真空度に変換する演算手段と、
前記絶対圧真空度を表示器に表示する真空度表示手段と、
前記真空タンク内の真空度を所定の真空度に保つように真空ポンプの運転を制御するポンプ制御手段と、
成形中は前記バルブを開き、前記キャビティと前記真空タンクを連通させるバルブ制御手段と、を具備し、
キャビティ内の真空度を前記相対圧真空計で測定しながら前記真空タンクにより所定の絶対圧真空度まで減圧することを特徴とするダイカストマシンの真空制御装置。 - 前記所定の絶対圧真空度は、前回鋳造サイクル以前の成形中に測定した前記キャビティ内の絶対圧真空度のデータに基づいて算出される真空度の目標値であることを特徴とする請求項4に記載のダイカストマシンの真空制御装置。
- 前記真空回路は、前記キャビティ内で排気路の排気口を開閉するシャットオフバルブをさらに有することを特徴とする請求項4に記載のダイカストマシンの真空制御装置。
- 前記シャッオフバルブは、排気路を開閉する弁体と、前記弁体を開閉方向に直動する電磁アクチュエータを有することを特徴とする請求項5に記載のダイカストマシンの真空制御装置。
- 前記真空回路は、固定金型における内部金型の連結面および移動金型における内部金型の連結面を減圧する真空タンクおよび真空ポンプを備えた副真空回路を有することを特徴とする請求項4または5に記載のダイカストマシンの真空制御装置。
- 鋳造を開始するに際し、あらかじめ金型キャビティ内を減圧した後、同金型キャビティ内に溶湯を注入する真空ダイカスト方法において、
予めダイカストマシン周辺の大気圧を測定する工程と、
前記金型を閉じキャビティ内に溶湯を注入する工程と、
大気圧の測定結果を金型キャビティ内への溶湯注入時の真空度測定装置にフィードバックし、大気圧分をオフセットにして前記相対圧真空計で金型キャビティ内の絶対圧真空度を測定しながら金型キャビティ内を減圧する工程と、
減圧を停止後キャビティ内を大気に開放し、金型を開く工程と、
からなることを特徴とする真空ダイカスト方法。
Priority Applications (1)
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JP2005176345A JP2006026740A (ja) | 2004-06-17 | 2005-06-16 | ダイカストマシンの真空制御装置および真空ダイカスト方法 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN109839887A (zh) * | 2017-11-28 | 2019-06-04 | 南京润邦金属复合材料有限公司 | 一种真空叠轧金属复合板板坯真空制备自动检测控制装置及方法 |
CN110052592A (zh) * | 2018-01-18 | 2019-07-26 | 小出(台州)模具有限公司 | 薄壁件真空压铸模具 |
-
2005
- 2005-06-16 JP JP2005176345A patent/JP2006026740A/ja not_active Withdrawn
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