以下、本発明に係る遊技機の好適な一実施形態として、プリペイドカードに記録される度数(遊技価値)に基づいてゲームに使用するメダルを貸し出す処理を行うCRユニットを隣接して備える、メダル貸出システム対応型のスロットマシンを例に説明する。
図1は、スロットマシン1とCRユニット8の外観構造を表した正面図である。CRユニット8は、通常、スロットマシン8に隣接する位置に配置され、互いに例えばシリアル通信可能に接続されている。CRユニット8の前面には、カード状の情報媒体であるプリペイドカードを装填するためのカード挿入口81が設けられている。なお、本実施形態では、情報媒体として所定回数のゲームが行える度数が予め記録された磁気カードであるプリペイドカードを例に説明するが、本発明を実施するにあたっては、ICメモリ(フラッシュメモリ等も含む)が埋め込まれたカードであってもよいし、またカードの形態に限らず、電子的な情報を記録再生可能な例えば代用硬貨(トークン)等の情報媒体であってもよい。
スロットマシン1は、略矩形状の箱体である筐体に対し前扉3が開閉可能に取り付けられている。前扉3の前面側は、上部パネル部4と下部パネル部5に概略区分けされ、これらは視覚効果を高めてデザインされたいわゆる化粧板として、硬質プラスチックにより一体的に形成されている。更に、下部パネル部5の下方には、入賞時に払い出されるメダル(遊技媒体)を貯留するための受皿部6aが一体的に形成された受皿ユニット6が設けられている。
また、上部パネル部4と下部パネル部5との間には、ゲーム操作を行うためのスイッチ類が配置されている操作卓7が形成されている。なお、上部パネル部4、操作卓7、下部パネル部5、及び受皿ユニット6は、遊技者側に面し、これらによって「前面パネル部」が構成されている。
操作卓7の上方の上部パネル部4中央には、略長方形に大きく開口する開口部41が形成されている。そして当該開口部41を塞ぐようにパネル面10を有するパネルユニット11が前扉3の裏面側から取り付けられている。遊技者側に面するパネル面10には、ゲームの入賞に係る図柄の組み合わせ、またはゲームの案内等が表示されている。
パネル面10のほぼ中央には略長方形の透明な表示窓12が形成され、表示窓12を通して筐体(2)内に設けられているリールユニット100の3個のリール101a、101b、101cが目視される。
ここで、筐体(2)内に設置されているリールユニット100は、円筒形状のリール101a、101b、101cがそれぞれ回転軸方向に並べられ、各リール101a、101b、101cの外周面にはその周方向に沿って複数種類の図柄が描かれている。遊技者は、表示窓12を通して3列のリールに描かれたそれぞれ上下方向3個の図柄を目視できる。
パネル面10の前面であって操作卓7に近接する上方の位置には、CRユニット8を介してメダルの貸し出しを行うメダル貸出スイッチ141と、CRユニット8に装填されたプリペイドカードを排出させるカード返却スイッチ142と、プリペイドカードの度数残高を表示するカード残高表示部143とを備えるCR操作部14が配置されている。また、パネル面10の表示窓12の左側に、例えば入賞の確率を高めるためにストップ操作の順番をアシストするような表示を行う補助演出表示部13が設けられている。
上部パネル部4の周縁部分には、高輝度発光ダイオード等のランプ類を内蔵する演出用照明部43a、43b、43cが配置されている。また、スピーカを内蔵しゲームに係る効果音を発生させる演出用放音部44a、44bが上部パネル部4の左右にそれぞれ配置されている。更に、演出用放音部44a、44bの間には、液晶表示ユニット45が配置されている。なお、液晶表示ユニット45は、ゲームの演出に係る映像を主に表示する。
操作卓7の上面右側には、メダルを投入するための投入口を有するメダル投入部71が設けられている。また、当該上面の左側には、押しボタンスイッチである2個のベットボタン72、73が設けられている。なお、ベットボタン72、73はスロットマシンの1ゲームに賭けるメダルの枚数を提示するためのボタンスイッチである。ゲームを開始する際に、ベットボタン72が押圧操作されることで、内部貯留されているメダルから2枚のメダルがゲームに対して賭けられ、ベットボタン73が押圧操作されることで3枚のメダルが賭けられる。特に、ベットボタン73は、最大枚数のメダルを当該ゲーム賭けることから「マックスベットボタン」と呼ばれている。
操作卓7の前面左側には、リール101a、101b、101cの回転開始を指示するためのスタートレバー74が設けられている。スタートレバー74は、先端に球形の操作ノブを有する上下左右に揺動可能な操作旱を備え、操作旱が傾倒操作されるとオン、操作旱から手が離されるとスプリングの付勢力によって自動的に元の位置に戻ってオフ状態となるスイッチユニットで形成されている。
また、操作卓7の中央には、各リール101a、101b、101cの回転停止をそれぞれ指示するためのストップボタン75a、75b、75cが各リールの配列に対応して並設されている。
下部パネル部5には、スロットマシン1のモデルタイプを遊技者へ認識させる等のため、登場キャラクターの絵などを表示するパネル51が設けられている。下部パネル部5の下側に配置された受皿ユニット6には、入賞時にメダルを排出するメダル払出口61と、払い出されたメダルを貯める受皿部6aと、スピーカを内蔵し演出効果音を発生させる演出用放音部62a、62bがそれぞれ配置されている。
次に、図2を参照して、スロットマシン1の内部構造を説明する。なお、図2は、前扉3が筐体2から開いた状態でのスロットマシン1の内部構造を表している。
同図において、筐体2内の上部には、スロットマシン1の全体動作を集中制御するCPU(マイコン)を備え硬質プラスチックのケースに収納された主制御基板20が取り付けられている。
筐体2内の中央には、リール101a、101b、101cを備えるリールユニット100が設けられている。リールユニット100は、前扉3が筐体2側に閉じられるとパネルユニット11に形成された表示窓12にリール101a、101b、101cが対向するように、筐体2内の所定の高さに固定されたフレーム21に位置決めされて取り付けられている。なお、各リール101a、101b、101cは、それぞれに内蔵されたステッピングモータによって回転駆動される。
また、リールユニット100の上部には、各リールを回転駆動する上記ステッピングモータへ4相の駆動パルス信号を送出する回胴装置基板(104)が取り付けられており、主制御基板20が回胴装置基板に回胴駆動(励磁)パルスデータを送出することで、各リールの回転と制動及び停止の制御を行っている。
リールユニット100の下方には、メダル投入部71から投入されたメダルを貯留し入賞の配当の際に排出口22aからメダルを排出するホッパ装置22と、ホッパ装置22から溢れたメダルを収容するための補助貯留部23と、スロットマシン1に内蔵される各機器へ電力を配電する主電源装置24が設けられている。更に、筐体2の上部右側の内壁に、CRユニット8、及び遊技場に設置されている「ホールコンピュータ」と呼ばれる管理用コンピュータと接続される外部集中端子基板25が取り付けられている。
次に、前扉3の裏面側上部には、上述の演出用放音部44a、44bに対向してスピーカ31a、31bが取り付けられている。また、図2には示していないが、スピーカ31a、31bの間に、液晶表示ユニット(45)が取り付けられ、液晶表示ユニットの裏面側に当該液晶表示ユニット等を制御駆動するサブ制御基板30が取り付けられている。すなわち、スロットマシン1全体の動作は、筐体2側に設けられている主制御基板20によって統括制御されており、サブ制御基板30は、液晶表示ユニット45による演出映像の表示制御、演出用照明部43a、43b、43c等を使った照明制御、及び演出用放音部44a、44b、62a、62bを使った演出効果音制御など、ゲームの演出に係る制御を主に行う。
サブ制御基板30の下方には、リール101a、101b、101cを目視させるための透明な表示窓12が形成されたパネル面(10)を有するパネルユニット11が配置される。パネルユニット11は、当該パネル面(10)の他に、リール101a、101b、101cの外周面を照射して図柄を明るく表示させるための冷陰極蛍光ランプ15a及び冷陰極蛍光ランプ15aを駆動するインバータ15bを有するリール照明部15と、前面側の補助演出表示部13の光源としてのランプ17と、スタートレバー74及びストップボタン75a、75b、75c等の操作スイッチ類の出力信号を主制御基板20へ転送する中継基板であるとともにCR操作部14が実装される中央表示基板18とを備え、これらがユニット化されて形成されている。
パネルユニット11の下方には、メダル選別装置32が取り付けられている。メダル選別装置32は、メダル投入部71に投入されたメダルの適否を判別し振り分ける装置である。また、メダル選別装置32はメダルセンサ(321)を内蔵しており、ゲームの待機状態等において正規のメダルが投入され、メダルセンサがこのメダルを検出することによって、メダル投入の受け付けを示すメダル検出信号を主制御基板20へ送出する。
メダル選別装置32の下方には、メダル選別装置32によって振り分けられた正規のメダルを筐体2内に設けられているホッパ装置22へ案内するガイド部材33と、メダル選別装置32により排除されたメダル(または異物)をメダル排出口61へ案内するガイド部材34が設けられている。また、前扉3の裏面側下部には、ホッパ装置22の排出口22aから排出されたメダルをメダル排出口61へ案内するガイド部材35が設けられている。更に、メダル排出口61に隣接して、上述した演出用放音部62a、62bに対向するスピーカ36a、36bが取り付けられている。
図3及び図4を参照し、パネルユニット11及びパネルユニットに設けられるCR操作部14について更に説明する。なお、図3は、スロットマシン1の前扉3とパネルユニット11の取り付け関係を表す斜視図、図4は、中央表示基板18の構造を表す斜視図である。
パネルユニット11は、上述したように、透明な表示窓12が形成されたパネル面10と、パネル面10の裏面側上部に位置するリール照明部15と、補助演出表示部13を形成しその光源としてパネル面10の裏面側に配置されるランプ(17)と、メダル貸出スイッチ141等を有するCR操作部14が実装された中央表示基板18がパネル面10の裏面側下部に取り付けられている。そして、これらがユニット化されて組み立てられたパネルユニット11が、前扉3の後方から開口部41を塞ぐようにボルト等で着脱可能に取り付けられる。
中央表示基板18は、回路パターン及び電子回路素子が実装された3枚の基板部材181a、181b、181cから構成され、それぞれの長手方向に接続部材182a、182bを嵌着させて、全体として横長で一枚の回路基板として形成されている。各基板部材181a、181b、181cには、他の基板部材が隣接される端側にコネクタ部材183a、183b、183c、183dがそれぞれ配置されている。互いに隣接する端側のコネクタ部材183aと183b、並びに183cと183d同士が、配線ケーブル184を介してコネクタ接続することで、各基板部材が電気的に接続されて中央表示基板18の所定の電子回路が形成されている。なお、中央表示基板18の少なくとも一方の端側にコネクタ部材183eが配置され、これを介して主制御基板20と配線接続される。
中央の基板部材181bには、メダル貸出スイッチ141、カード排出スイッチ142、カード残高表示部143がユニット化されたCR操作部14が実装されている。パネル面10の所定の位置に形成された開口に、パネル面10に裏面側からCR操作部14を嵌挿して中央表示基板18を取り付けることで、当該CR操作部14の操作面をパネル面10から露出させている。
本実施形態のスロットマシン1は、CRユニット8を使ったメダルの貸し出し機能を有しているが、メダルの貸し出し機能を要しないメダル貸出非対応型のスロットマシン1へ型式変更する場合には、例えば、中央の基板部材181bをクレジット数やメダルの配当数等を表示する7セグLEDを実装する基板部材に差し換えるようにして、メダル貸出非対応型の中央表示基板18を形成してもよい。これにより、メダル貸出システム対応型と非対応型のスロットマシンの間で共通して使用できる部品が多くなり、また相互間の型式変更を容易にすることができ、ひいてはスロットマシンの製造原価を削減できる。
かかる構成のスロットマシン1は、先のゲームにおいて入賞しメダルの払い出しが完了した時、または先のゲームにおいてハズレが確定すると待機状態となる。この待機状態において、ベットボタン72または73を押圧操作することで、内部に貯留したメダル(クレジット)から当該ゲームにメダルが賭けられゲーム開始の状態となる。
ゲーム開始の状態でスタートレバー74が傾倒操作されると、主制御基板20は、3個のリール101a、101b、101cを一斉に回転させ始める。同時に入賞役を内部抽選し、その結果をフラグ(内部抽選フラグ)に記憶する。
次に、遊技者がストップボタン75a、75b、75cを任意の順番でオン操作(ストップ操作)すると、主制御基板20は、それに従い順次各リールを停止させる制御を行う。そして、全てのリール101a、101b、101cが停止したことを検知すると、各リールが表示する図柄と上述のフラグに対応する入賞役に係る図柄の組み合わせとが有効なライン上で一致しているかどうか判定する。有効なライン上に停止した図柄の組み合わせのうち、何れか1つの組の図柄が上述のフラグに対応する入賞役の図柄組み合わせ条件を満足して揃うと当該役へ入賞したと判定する。役への入賞が確定すると、当該役の種類に応じて予め決められた配当数のメダルをクレジット数に加算し、またはホッパ装置22を駆動してメダルを受皿部6aへ払い出す。
次に、スロットマシン1及びCRユニット8を備えてなるメダル貸出システムを図5のブロック図に基づいて説明する。図5において、スロットマシン1の主制御基板20には、サブ制御基板30と、回胴装置基板104と、電源装置基板150と、中央表示基板18と、外部集中端子基板25が配線ケーブルでそれぞれ接続されている。主制御基板20は、CPUの他にROM、RAM等の半導体メモリからなる記憶部が備えられ、ここに予め記憶されているスロットマシンゲーム用のシステムプログラムに従ってCPUが演算処理を実行することで、スロットマシン1全体の動作を統括制御している。
主制御基板20には、中央表示基板18を介してベットボタン72、73と、スタートレバー74と、ストップボタン75a、75b、75cと、CR操作部14のメダル貸出スイッチ141、カード返却スイッチ142等の操作スイッチ類、及びメダル選別装置32のメダルセンサ321等の検出スイッチ類が配線ケーブルで接続され、これらのスイッチ類からの出力信号が供給される。
主制御基板20のクレジット管理手段201は、ゲームが待機状態においてメダルセンサ321からのメダル検出信号を受信すると、「クレジット」と呼ばれる、内部に貯留するメダルの数を示す記憶データを、検出されたメダルの枚数分だけ加算する。クレジットは、入賞が確定しメダルの配当がある場合に、相当枚数分だけ加算され、また、ベットボタン72、73が操作され所定数のメダルがゲームに賭けられた場合、その枚数分が減算される。なお、クレジット管理手段201は、クレジットとして内部貯留するメダルの数の上限を例えば50枚としており、これを超えるような数のメダルの投入があった場合、メダル選別装置32を制御して投入されたメダルをメダル払出口61から返却させ、またクレジットの上限を超える入賞配当、貸し出し操作があった場合には、ホッパ装置22を駆動して、超過枚数分のメダルをメダル払出口61から排出させている。
また、主制御基板20の内部抽選手段202は、ゲームの開始状態でスタートレバー74の操作が検出されると、乱数発生装置202aを作動して乱数値を取得し、取得した乱数値を役抽選テーブル202bと照合して当該ゲームの入賞役を抽選する。すなわち、役抽選テーブル202bには、乱数発生装置202aが発生する乱数値(例えば0〜65535)のそれぞれに対応して、入賞役の種類(特別役、小役、リプレイ等)またはハズレを示す図柄の組み合わせ情報及び配当枚数等が記憶されており、取得した乱数値に基づいて入賞役またはハズレが決定され内部抽選フラグ202cに抽選結果を記憶させる。
また、主制御基板20のリール回転制御手段203は、ゲームの開始状態でスタートレバー74の操作が検出されると、回動装置基板104に回胴駆動パルスデータを送出し、各リール101a、101b、101cを一定の回転速度で回転させる制御を行う。また、ストップボタン75a、75b、75cの押圧操作に応じて、対応するリールの回転を停止させる制御を行う。なお、リール回転制御手段203は、各リール101a、101b、101cに設けられている基準位置センサ103a、103b、103cの検出信号を入力し、各リールの基準となる回転位置を把握しながら、回胴装置基板104に所定の回胴駆動パルスデータを送出し、回胴装置基板104が、この回胴駆動パルスデータに従って各ステッピングモータ102a、102b、102cを回転駆動することで、各リール101a、101b、101cの回転及び停止の動作を正確に行っている。
また、主制御基板20の入賞判定手段204は、停止した全てのリールが有効なライン上に表示する図柄の組み合わせを調べ、何れか一つの図柄の組み合わせが、内部抽選フラグ202cに記憶された当該ゲームにおける入賞役に対応する図柄の組み合わせと一致すれば、クレジット管理手段201と連携し、当該確定した入賞役による配当数分だけクレジットを加算させる。
また、主制御基板20のメダル払出制御手段205は、クレジット管理手段201と連携し、クレジットとして内部貯留可能な上限を超えるメダルの入賞配当またはCRユニット8からメダルの貸出要求があった場合、電源装置基板150を介してメダル払出手段であるホッパ装置22を制御して、クレジットの上限枚数を超える枚数分のメダルを払い出させる。
また、主制御基板20の演出制御手段206は、ゲームの進行に応じ適宜の場面でサブ制御基板30へ制御信号を送出し、サブ制御基板30がこの制御信号に基づいて、演出用照明部43a、43b、43c、演出用放音部44a、44b、62a、62b、及び液晶表示ユニット45を制御駆動することで、遊技者の視覚や聴覚に訴える演出を行っている。
スロットマシン1の外部集中端子基板25には、CRユニットIF部25aが設けられている。CRユニットIF部25aは、CRユニット8との通信制御及び、CRユニット8と取り交わす信号の切換制御を主に実行する。
CRユニット8側に搭載されているCR制御装置82は、CPU並びにROM、RAM等の半導体メモリを有するマイコンから形成され、CRユニット8に装填されたプリペイドカードの記録内容の読み出し及び書き換えを行うカードRW装置83の動作制御と、スロットマシン1のCRユニットIF部25aとの間の通信制御を主に実行する。
次に、CRユニット8を使ったメダルの貸し出し動作を説明する。まず、CRユニット8に装填されるプリペイドカードにはスロットマシン1のゲームに使用可能な所定の遊技価値が度数として記録される。例えば、5000円のプリペイドカードには50ポイント(すなわち1000円当たり度数を10ポイントとして換算)の度数が最初に記録される。なお、本実施形態では、一回の貸し出し操作で10ポイント分、50枚のメダルが貸し出されるとしている。
プリペイドカードがCRユニット8のカード挿入口81に挿入されると、カードRW装置83が当該プリペイドカードに記録されている残り度数を読み出してその情報をCR制御装置82へ出力する。CR制御装置82は、残り度数の情報をスロットマシン1のCRユニットIF部25aへ送信する。CRユニットIF部25aは、受信した残り度数情報をCR操作部14に設けられているカード残高表示部143に数値表示させる。
プリペイドカードがCRユニット8に装填された状態で、ゲームの開始前にメダル貸出スイッチ141が押圧操作されると、CRユニットIF部25aがCR制御装置82へ貸出操作信号を送信し、CR制御装置82は、一回の操作で貸し出される度数、すなわち10ポイント以上の残り度数が当該プリペイドカードに記録されている場合において、スロットマシン1のCRユニットIF部25aへメダル貸出要求信号を送信する。
CRユニットIF部25aは、このメダル貸出要求信号を受信すると、主制御基板20へ当該メダル貸出要求信号を転送する。そして、主制御基板20のクレジット管理手段201は、この要求信号に応じた例えば10ポイントの度数で換算されるメダル50枚をクレジットに加算する。なお、本実施形態では、上述したようにクレジットが加算された結果その上限を超える枚数のメダルは、ホッパ装置22によって受皿部6aへ払い出されるようになっている。これに対し、スロットマシン1は、貸し出し操作が行われCRユニット8からメダル貸出要求信号を受信したとき、クレジットを加算せずにホッパ装置22を駆動して要求信号に基づく枚数のメダルを受け皿部6aへ払い出すようにしてもよい。
スロットマシン1において所定枚数のメダルの払い出しが正常に行われると、主制御基板20は、メダル払出完了信号をCR制御装置82へ送信する。CR制御装置82は、この信号を受けるとカードRW装置83を制御して、メダルの貸し出しに使用した10ポイント分を減算した残り度数をプリペイドカードに記録させる。
なお、CRユニット8に装填されたプリペイドカードを遊技者に返却する動作は次のとおりである。まず、CRユニットIF部25aは、CR操作部14のカード返却スイッチ142の押圧操作を検出すると、カード返却操作信号をCR制御装置82へ送信する。CR制御装置82は、この信号を受信するとカードRW装置83に備えられるカード排出機構を作動させ、CRユニット8に装填されているプリペイドカードをカード挿入口81から排出させる。
本願発明に係るCRユニット8は、図6及び図7に示される他の実施形態によるメダル貸出システムに用いられるものであってもよい。なお、図6は、本実施形態によるメダル貸出システムを構成するスロットマシン1とCRユニット8の正面図、図7はその制御システムを表すブロック図である。
すなわち、図6及び図7に示されるCRユニット8によれば、前面に揺動可能に取り付けられたメダル排出ノズル85と、メダル排出ノズル85を介してメダルを排出する機能を有するホッパ装置86とを備えている。CR制御装置82は、ホッパ装置86を駆動制御して、内部に貯留しているメダルから適宜の枚数のメダルをメダル排出ノズル85を介してスロットマシン1の受皿部6aへ排出させる。
かかるCRユニット8を使用したメダルの貸し出し動作は次のとおりである。まず、プリペイドカードがCRユニット8のカード挿入口81に挿入されると、カードRW装置83が当該プリペイドカードに記録されている残り度数を読み出す。CR制御装置82は、読み出された残り度数の情報をスロットマシン1のCRユニットIF部25aへ送信する。CRユニットIF部25aは、受信した残り度数情報をCR操作部14に設けられているカード残高表示部143に数値表示させる。
ゲームの開始前にメダル貸出スイッチ141が押圧操作されると、CRユニットIF部25aがCR制御装置82へ貸出操作信号を送信し、CR制御装置82は、一回の操作で貸し出される度数、すなわち10ポイント以上の残り度数が当該プリペイドカードに記録されている場合、ホッパ装置86を駆動して10ポイント分に相当する50枚のメダルをメダル排出ノズル85を介してスロットマシン1の受皿部6aへ排出させる。
そして、メダルの排出が正常に行われると、CR制御装置82はカードRW装置83を制御して、メダルの貸し出しに使用した10ポイント分を減算した残り度数をプリペイドカードに記録させる。
また、本願発明に係るCRユニット8は、図8に示される、更に他の実施形態によるメダル貸出システムに用いられるものであってもよい。図8は、本実施形態によるスロットマシン1とCRユニット8とを備えてなるメダル貸出システムの制御システムを表すブロック図である。
図8に示されるCRユニット8には、CR制御装置82の制御下にあるカード読取装置87と、認証情報入力部88が備えられている。本CRユニット8には、内部に埋め込まれたICメモリに、遊技者の会員番号等その遊技者を特定する識別情報が記録されたカード状の情報媒体(以下、これを「会員カード」という)が装填され、カード読取装置87は、装填された会員カードから遊技者の識別情報を読み取ってCR制御装置82へ出力する。認証情報入力部88は、例えばテンキーボードであり、遊技者によって入力されたパスワード等の情報をCR制御装置82へ出力する。
また、CR制御装置82は、外部の通信ネットワーク90に回線接続している。ここで、通信ネットワーク90は、例えばインターネット、専用回線網、公衆回線網、または電話網であり、またはこれらを組み合わせて使用するものでもよい。通信ネットワーク90には、当該ホール(遊技場)の外部機関であるデータセンタに設けられているカード決済プラットフォーム91が回線接続されている。ここで、カード決済プラットフォーム91には、スロットマシン1のゲームに使用できる遊技価値、つまりメダルに換金可能な遊技価値を貯留する遊技専用口座が会員毎に設けられ管理されている。
データセンタと通信ネットワークで接続される、かかるCRユニット8を使用したメダルの貸し出し動作は次のとおりである。まず、会員カードがCRユニット8のカード挿入口81に挿入されると、カード読取装置87が当該会員カードに記録されている遊技者の識別情報を読み取る。CR制御装置82は、会員カードの挿入後、遊技者に対し認証情報入力部88へのパスワードの入力を促す表示を行う。そして、CR制御装置82は、カード読取装置87が読み取った識別情報と遊技者が提示したパスワードの情報をカード決済プラットフォーム91へ送信し、遊技客本人の認証の依頼を行う。カード決済プラットフォーム91では、遊技者の識別情報と、遊技者本人のみ知り得るはずのパスワードとを照合し、これらが予め登録されたものと一致した場合、当該遊技者を本人と認証する。そして、カード決済プラットフォーム91は、当該遊技者の遊技専用口座に貯留されている遊技価値のポイント数をCRユニット8へ送信し、CR制御装置82が当該ポイント数を記憶するとともに、スロットマシン1のCRユニットIF部25aに当該ポイント数の情報を転送してCR操作部14のカード残高表示部143に当該ポイント数を表示させる。
かかる会員カードの本人認証がされ、ゲームの開始前にメダル貸出スイッチ141が押圧操作されると、CRユニットIF部25aはCR制御装置82へ貸出操作信号を送信する。CR制御装置82は、一回の操作で貸し出されるポイント数、すなわち10ポイント以上の遊技価値が当該遊技者の遊技専用口座に貯留されていると判定すると、スロットマシン1のCRユニットIF部25aへメダル貸出要求信号を送信する。
CRユニットIF部25aがこのメダル貸出要求信号を主制御基板20へ転送することで、クレジット管理手段201は、10ポイントの度数で換算されるメダル50枚をクレジットに加算する。なお、クレジットを加算する代わりにホッパ装置22を駆動して当該要求信号に基づく枚数のメダルを受け皿部6aへ払い出すようにしてもよい。
スロットマシン1において所定枚数のメダルの払い出しが正常に行われると、主制御基板20は、メダル払出完了信号をCR制御装置82へ送信する。CR制御装置82は、この信号を受けるとカード決済プラットフォーム91へ貸し出したメダル枚数分に相当する10ポイントの引落要求信号を送信する。カード決済プラットフォーム91は、受信した引落要求信号に基づいて、当該遊技客の遊技専用口座から10ポイントだけ減額する。
かかるメダル貸し出し機能を有するスロットマシン1によれば、前扉3に着脱可能に取り付けられるパネルユニット11に、メダルの貸し出し操作を行うためのCR操作部14を配置した。これにより、メダル貸出システム対応型と非対応型の同機種(モデルタイプ)のスロットマシン間において、共通の前扉を用いることができるので、それぞれの型式で別々の前扉を設計、製作していた従来に比較して、スロットマシンのコストを低減させることができる。
また、CR操作部14を操作卓7よりも奥の位置にあるパネル面10に設けたので、CR操作部14がスロットマシン1のゲームの操作に係る例えばストップボタン75a、75b、75cに影響を与えることがなくなり、ゲームの操作性が向上する。