以下、本発明に係る遊技機の好適な一実施形態として赤外線通信ユニットが取り付けられるスロットマシン(パチスロ機)を例に図面を参照して説明する。尚、図1は、赤外線通信ユニット301が取り付けられたスロットマシン1の外観構造を表した斜視図、図2は、前扉3を開放した状態におけるスロットマシン1の内部構造を表した図、図3は、スロットマシン1の制御システムを表したブロック図である。
図1において、スロットマシン1は、前方に開口を有する矩形状の筐体2と、前記筐体2に対して回動可能に取り付けられることで前記開口を閉塞させる前扉3とを備えている。前記筐体2内の上段側にはリール装置としてのリールユニット100が設置されている。リールユニット100には、回転することで周面の図柄を変動表示させる円筒状のリール101a、101b、101cが複数並設されている。
以下、スロットマシン1の構成要素について詳細に説明する。
前扉3の前面側は、フロントパネルとしての上部パネル部4と下部パネル部5に略区分けされている。
下部パネル部5は視覚効果を高めてデザインされたいわゆる化粧板として、硬質プラスチックにより一体的に形成されている。更に、下部パネル部5の下方には、入賞時に払い出されるメダル(遊技媒体)を貯留する受皿部6aが一体的に形成された受皿ユニット6が設けられている。
また、上部パネル部4と下部パネル部5との間には、遊技者側に突出し、ゲーム操作を行うためのスイッチ類が配置されている操作卓7が一体的に形成されている。操作卓7の前記スイッチ類には、前記リール101a、101b、101cの回転動作を操作するための操作手段も含まれている。
上部パネル部4の中央には、硬質プラスチック板等で形成されたパネル面41が設けられている。パネル面41のほぼ中央には略長方形の透明な表示窓42が形成され、表示窓42を通して筐体2内に設けられているリールユニット100の3個のリール101a、101b、101cが目視される。
ここで、筐体2内に設置されているリールユニット100は、円筒形状のリール101a、101b、101cがそれぞれ回転軸方向に並べられ、各リール101a、101b、101cの外周面にはその周方向に沿って複数種類の図柄が描かれている。遊技者は、表示窓42を通して3列のリールに描かれたそれぞれ上下方向3個の図柄を目視できるようになっている。
また、パネル面41には、裏面側に設けられている図示しないランプを点灯させることで例えば入賞役への内部当選など遊技状態に関する情報を演出表示する遊技状態表示部43と、複数の発光ダイオードを点灯させてドット画像を演出表示するドットマトリクス表示部44、スロットマシン1にクレジット(貯留)されているメダル数や、入賞によって獲得したメダル数、又は入賞役への当選回数等の情報を数値表示する数値情報表示部45が、それぞれ表示窓42の周辺に設けられている。
上部パネル部4の上部には、受け皿300を介して本実施形態の要部となる赤外線通信ユニット301を取り付ける通信ユニット取り付け部8と、高輝度発光ダイオード等のランプ類を内蔵する左右の演出用照明部46a、46bと、ゲームに係る効果音を発生させるスピーカを内蔵する左右の演出用放音部47a、47bがそれぞれ配置されている。
また、演出用放音部47a、47bの間には、透明な硬質プラスチック板等が嵌め込まれて形成された表示窓に面して液晶表示ユニット48が配置されている。なお、液晶表示ユニット48は、ゲームの演出に係る映像やゲーム(遊技)に関する情報を主に表示する。
赤外線通信ユニット301は、遊技機用データ装置であって、ユーザーの選択によりスロットマシン1とは別に購入されるものとなっている。赤外線通信ユニット301は、集端板・通信ユニット中継ハーネス302、中継基板接続コネクタ303、集端板・通信ユニット中継基板304、ハーネス305及び集端板接続コネクタ306を介して図2に示す外部集中端子基板(集端板)25に接続されるようになっている。
尚、本実施形態では、遊技機本体としてのスロットマシン1と、遊技機用データ装置としての赤外線通信ユニット301とで一つの遊技機を構成している。前記筐体2と前扉3は、遊技機本体側の筐体となっている。
操作卓7の上面右側には、メダルを投入するための投入口を有するメダル投入部71が設けられている。また、当該上面の左側には、押しボタンスイッチである2個のベットボタン72、73が設けられている。
ベットボタン72、73はスロットマシンの1ゲームに賭けるメダルの枚数を提示するためのボタンスイッチである。ゲームを開始する際に、ベットボタン72が押圧操作されることで、貯留されているメダルから1枚のメダルがゲームに対して賭けられる。同様に、ベットボタン73が押圧操作されることで3枚の当該ゲームにメダルが賭けられる。なお、ベットボタン73は、最大枚数のメダルを賭けることから、特に「マックスベットボタン」と呼ばれている。
操作卓7の前面左側には、リール101a、101b、101cの回転開始を指示するためのスタートレバー74が設けられている。スタートレバー74は、先端に球形の操作ノブを有する揺動可能な操作旱を備え、操作旱が傾倒操作されるとオン、操作旱から手が離されるとスプリングの付勢力によって自動的に元の位置に戻ってオフ状態となるスイッチユニットで形成されている。
また、操作卓7の中央には、各リール101a、101b、101cの回転停止をそれぞれ指示するためのストップボタン75a、75b、75cが各リールの配列に対応して並設されている。
操作卓7の前面右側には、前扉3を開錠するための鍵が挿入される鍵穴76が設けられている。スロットマシン1の管理者等が鍵穴76に所定の鍵を挿入して開錠操作すると、蝶番機構12、13(図2参照)によって筐体2に取り付けられている前扉3を前方へ開くことができ、また前扉3を筐体2側に閉じると、自動的にこれらを施錠するようになっている。
下部パネル部5には、スロットマシン1のモデルタイプを遊技者へ認識させる等のため、登場キャラクターの絵などを表示するパネル51が設けられている。下部パネル部5の下側に配置された受皿ユニット6には、入賞時にメダルを排出するメダル払出口61と、払い出されたメダルを貯留する受皿部6aと、演出効果音を発生させるスピーカを内蔵する左右の演出用放音部62a、62bがそれぞれ配置されている。
次に、図2を参照して、筐体2の内部構造と前扉3の裏面構造とを説明する。同図において、筐体2の前面側には開口11が形成されている。前扉3は、上下の蝶番12、13を介して前記筐体2の左側の枠に対して回動可能に取り付けられている。前扉3は、蝶番機構12、13を中心にして上から見て反時計回り回転させることで、前記開口11を閉塞させることができる。
筐体2内の上部には、スロットマシン1の全体動作を集中制御するCPU(マイコン)を備え硬質プラスチックのケースに収納された主制御基板20が取り付けられている。
筐体2内の中央には、リール101a、101b、101cを備えるリールユニット100が設けられている。リールユニット100は、前扉3が筐体2側に閉じられると前扉3の表示窓42にリール101a、101b、101cが対向するように、所定フレームに位置決めされて取り付けられている。なお、各リール101a、101b、101cは、それぞれに内蔵されたステッピングモータによって回転駆動される。
また、リールユニット100の上部には、各リールを回転駆動する上記ステッピングモータへ4相の駆動パルス信号を送出する回胴装置基板が取り付けられており、主制御基板20が回胴装置基板に回胴駆動(励磁)パルスデータを送出することで、各リールの回転と制動及び停止の制御を行っている。
リールユニット100の下方には、ホッパ装置21と、ホッパ装置21から溢れたメダルを収容するための補助貯留部22と、主電源装置23が設けられている。主電源装置23の側面には、いわゆる配電盤に相当する電源装置基板24が設けられている。更に、筐体2の上部右側の内壁には、ターミナルボード220(図3参照)を介してホールコンピュータ501(図3参照)と接続可能な外部集中端子基板25が取り付けられている。この場合のホールコンピュータ501(図3参照)は、遊技場500(図3参照)に設置されている管理用コンピュータのことである。
また、外部集中端子基板25は、中継基板304(図1参照)を介して赤外線通信ユニット301(図1参照)とホールコンピュータ501(図3参照)の双方と同時に接続可能になっている。
次に、前扉3の裏面側上部には、左右の演出用照明部46a、46bの光源である高輝度の発光ダイオードを複数配列した左右の発光駆動装置31a、31bが取り付けられと共に、上述した演出用放音部47a、47b(図1参照)にそれぞれ対向するスピーカ32a、32bが取り付けられている。右の演出用照明部46bの上側には、通信ユニット取り付け部8(図1参照)に赤外線通信ユニット301(図1参照)を取り付ける際に、集端板・通信ユニット中継ハーネス302(図1参照)及び中継基板接続コネクタ303(図1参照)を通過させるための開口部81が形成されている。
更に、液晶表示ユニット48の裏面側には、電気回路基板で形成され硬質プラスチックのケースに収納されたサブ制御基板50が取り付けられている。
なお、スロットマシン1全体の動作は、筐体2側に設けられている主制御基板20によって統括制御されており、サブ制御基板50は、液晶表示ユニット48による演出映像の表示制御、左右の演出用照明部46a、46bを使った照明制御、及び演出用放音部47a、47b、62a、62b(図1参照)を使った演出効果音制御など、ゲームの演出に係る制御を主に行っている。
サブ制御基板50の下方には、リール101a、101b、101cを目視させるための透明な表示窓42が形成されたパネル板が配置され、表示窓42の下方には、前面側のスタートレバー74及びストップボタン75a、75b、75c等の操作スイッチ類の出力信号を主制御基板20へ転送する中継基板として機能する中央表示基板33が設けられている。
中央表示基板33の下方には、メダル選別装置34が取り付けられている。メダル選別装置34は、メダル投入部71(図1参照)に投入されたメダルの適否を判別し振り分ける装置である。また、メダル選別装置34はメダルセンサを内蔵しており、ゲームの待機状態等において正規のメダルが投入され、メダルセンサがこのメダルを検出することによって、メダル投入の受け付けを示す信号を主制御基板20へ送出する。
メダル選別装置34の装置本体の下方には、メダル選別装置34によって振り分けられた正規のメダルを筐体2内に設けられているホッパ装置21へ案内するガイド部材35と、メダル選別装置34により排除されたメダル(又は異物)をメダル排出口61へ案内するガイド部材36が設けられている。また、前扉3の裏面側下部には、ホッパ装置21から排出されたメダルをメダル排出口61へ案内するガイド部材37が設けられている。更に、メダル排出口61に隣接して、上述した演出用放音部62a、62b(図1参照)に対向するスピーカ38a、38bが取り付けられている。
次に、図3のブロック図を参照して、遊技場500に配置される遊技システムについて説明する。
遊技場500内の遊技システムには、スロットマシン1と、ホールコンピュータ501と、赤外線通信ユニット301と、この赤外線通信ユニット301からの赤外線信号を受信する携帯電話502とから構成される。
次に、スロットマシン1に設けられている制御システムについて説明する。
主制御基板20は、CPU201と、乱数発生装置202と、記憶部203と、タイマ212と、タイマ割込生成部213と、メダルクレジット手段214を備えている。
記憶部203は、ROM、RAM等の半導体メモリによって構成され、スロットマシンゲーム用のシステムプログラム204が予め記憶されている。主制御基板20は、記憶部203に記憶されたシステムプログラム204に従ってCPU201が演算処理を実行することで、スロットマシン1全体の動作を統括制御している。
主制御基板20には、ベットボタン72、73、スタートレバー74、ストップボタン75a、75b、75c等の操作スイッチ類、メダル選別装置34のメダルセンサ34a等の検出スイッチ類が配線ケーブルで接続されている。主制御基板20は、前記スイッチ類からの出力信号によりゲームに係る操作を検出する。
主制御基板20のメダルクレジット手段214は、メダル選別装置34に投入されメダルセンサ34aにより検出されたメダルの枚数を、内部貯留しているメダルのクレジット数に加算する。
また、主制御基板20は、各リール101a、101b、101cに設けられる基準位置センサ120a、120b、120cの検出信号を入力し、各リールの基準となる回転位置を把握しながら、回胴装置基板130に所定の回胴駆動パルスデータを送出する。回胴装置基板130は、主制御基板20からの回胴駆動パルスデータに従って各ステッピングモータ110a、110b、110cを回転駆動することで、各リール101a、101b、101cの回転及び停止の動作制御を行っている。
また、主制御基板20には、ホッパ装置21等のメダル払出装置、及びサブ制御基板50、外部集中端子基板25がそれぞれ配線ケーブルによって接続されている。主制御基板20は、入賞が確定した場合等において、ホッパ装置21を制御することで、所定数のメダルを受皿部6a(図1参照)に払い出す。
サブ制御基板50は、主制御基板20からの制御信号に基づいて演出装置140(図2に示した発光駆動装置31a、31b、液晶表示ユニット48、スピーカ32a、32b、38a、38b)を制御駆動することで、遊技者の視覚や聴覚に訴える演出をゲームの進行に応じて行っている。
また、主制御基板20の記憶部203には、入賞抽選テーブル205及び内部抽選フラグ206が記憶されている。例えばCPU201は、スタートレバー74が操作された時点で乱数発生装置202を起動して乱数値を取得し、入賞抽選テーブル205を参照することで、得られた乱数値に割り当てられた入賞役またはハズレを抽選する。そして、CPU201は、乱数値に対応する入賞役が存在すると、それを当該ゲームの入賞役として抽選結果を当選にし、当該入賞役を記憶部203の内部抽選フラグ206に記憶する。ここでは、かかる入賞役の抽選方法を「内部抽選」と呼んでいる。
また、記憶部203には、図柄配列データ207、リール停止位置検索テーブル208、リール停止位置選択テーブル209等の書き換え不可の参照データテーブルが記憶され、更にリール停止コマフラグ210、リール制御フラグ211等の書き換え可能なデータフラグ用のメモリ領域が確保されている。これら参照データテーブル及びデータフラグは、リール101a、101b、101cの回転及び停止制御の際に用いられる。
尚、タイマ212は、例えばリール101a、101b、101cの自動停止制御を起動するまでの時間を計測する。タイマ割込生成部213は、各リール101a、101b、101cのステッピングモータ110a、110b、110cを制御するパルス信号(回胴駆動パルスデータ)の同期を取るためのものである。
外部集中端子基板25は、主制御基板20と電気的に接続されるとともに、集端板・通信ユニット中継基板304及びターミナルボード220を介して遊技場500内のホールコンピュータ501と電気的に接続され、さらに集端板・通信ユニット中継基板304を介して赤外線通信ユニット301と電気的に接続されている。主制御基板20は、メダル選別装置34からホッパ装置21に正規のメダルが1枚投入される毎に出力される「メダル投入信号」と、1つのゲームがスタートする毎に出力される「ゲーム開始信号」と、ホッパ装置21からメダル排出口61へメダルが1枚払い出される毎に出力される「メダル払出信号」と、大当たりの一例のレギュラーボーナスと呼ばれる特別役に入賞したときに出力される「役物連続作動装置本当り信号」と、大当たりのもう一つの例のビッグボーナスと呼ばれるレギュラーボーナスよりも大きな特別役に入賞したときに出力される「役物連続作動増加装置本当り信号」とを、外部集中端子基板25、集端板・通信ユニット中継基板304及びターミナルボード220を介して遊技場500内のホールコンピュータ501に一方向で並列送信するとともに、外部集中端子基板25及び集端板・通信ユニット中継基板304を介して一方向で赤外線通信ユニット301に並列送信する。
ホールコンピュータ501は、スロットマシン1以外の複数のスロットマシンが接続も接続されており、各スロットマシンから並列送信される各種信号より、各スロットマシンの履歴データ(図柄合わせゲームのゲーム回数、ビッグボーナス回数、RB回数、及び、前回ボーナスゲーム終了後からのゲーム回数、メダルの投入数、メダルの排出数等)を外部記憶装置に記憶管理する。
ホールコンピュータ501は、ターミナルボード220及び集端板・通信ユニット中継基板304を介して赤外線通信ユニット301と接続可能である。
赤外線通信ユニット301は、データ表示部としての液晶ディスプレイユニット314(図1参照)を有しており、スロットマシン1から並列送信される各種信号より、スロットマシン1での大当たり回数を含む履歴データを表示する。例えば、スロットマシン1の履歴データとしては、図柄合わせゲームのゲーム回数、ビッグボーナス回数、レギュラーボーナス回数、及び、前回ボーナスゲーム終了後からのゲーム回数等が設定される。さらに、赤外線通信ユニット301は、前記履歴データの各データに関し、当日データ、前日データ、及び、前々日データも表示できる。
赤外線通信ユニット301は、赤外線を用いて携帯電話502などの通信端末装置と通信を行うものであり、スロットマシン1での大当たり回数を含む履歴データを当該遊技機でのゲーム結果に関するデータを端末装置に送信する。
赤外線通信ユニット301は、赤外線通信機能を有する携帯電話502に各遊技者の識別情報(以下、「遊技者識別情報」と呼ぶ)を記憶させておき、遊技者がスロットマシン1を用いて遊技する際に、この携帯電話502からデータを読み出すことにより、スロットマシン1を利用する遊技者の識別を行うことができる。個人認識を行うことにより、遊技結果の記録をこの携帯電話に記憶させて遊技者が認識可能にしたり、特別役などの入賞回数を遊技場単位に集計してその遊技者の順位付けをしたりすることができる。
以下、赤外線通信ユニット301及びその取り付け構造について図4乃至図12を参照し詳細に説明する。図4は、スロットマシン1から赤外線通信ユニット301と受け皿縁部401を取り外した状態を示す斜視図、図5は、スロットマシン1から赤外線通信ユニット301を取り外しと受け皿縁部401を取り付けた状態を示す斜視図、図6は、赤外通信ユニット301及びこれと接続する電気部品の正面図、図7は、赤外通信ユニット301及びこれと接続する電気部品の側面図、図8は、赤外通信ユニット301及びこれと接続する電気部品の上面図、図9は、赤外通信ユニット301及びスロットマシン1の上部パネル部4の正面図、図10は、図9のA−A線断面図、図11は、図9のB−B線断面図、図12は、赤外通信ユニット301の回路系統を示すブロック図である。
図4において、通信ユニット取り付け部8は、スロットマシン1の上部パネル部4に形成された段部82に受け皿縁部401を図示しないネジによって図5に示す状態で固定する構造になっている。
図4において、段部82は手前側の水平面部83とこの水平面部83の後方に配置する垂直面部84とにより構成される。垂直面部84には、左側から順に開口部81、左側の固定爪挿入孔85a及び右側の固定爪挿入孔85bが形成されている。
水平面部83の前側及び左右の外周には、受け皿縁部401の前壁402及び左右の側壁403、404が被せられる段部86が形成されている。垂直面部84の上側及び左右の外周には、受け皿縁部401の後壁405の縁部が被せられる段部87が形成されている。
通信ユニット取り付け部8の受け皿300は、受け皿縁部401の下方を水平面部83で閉塞する構造になっている。
受け皿縁部401の後壁405は、受け皿縁部401の前壁402及び左右の側壁403、404よりも高く形成されている。
後壁405には、垂直面部84の開口部81、左側の固定爪挿入孔85a、右側の固定爪挿入孔85bにそれぞれ対応する位置に、開口部411、左側の固定爪挿入用切欠部412a、右側の固定爪切欠部412bが形成されている。
尚、図5において、開口部411は、受け皿300に赤外線通信ユニット301を取り付けずに営業する場合、図示しない蓋により閉塞される。
図6において、赤外線通信ユニット301の筐体311は、データ装置側筐体となっている。筐体311の前面には、左側から順に左側の演出用ランプ312a、操作部313、液晶ディスプレイユニット314、赤外線送受信部315、右側の演出用ランプ312bが設けられている。操作部313は、表示切替操作釦316a、データ送信要求操作釦316bを有している。
図7及び図8において、赤外線通信ユニット301の筐体311の背面には、左側及び右側の固定爪321a、321bが後方に突出して形成されている。
図6において、赤外線通信ユニット301の筐体311の下面には、受け皿300と嵌合する嵌合部322が形成されている。
嵌合部322の前面の左側及び右側には、開口部323a、323bが形成されている。
開口部323a、323bからは、受け皿縁部401(図9参照)の前壁402(図9参照)の内側に形成された溝部406a、406b(図9及び図10参照)に係止する可動爪324a、324bの爪部325a、325bが突出している。
可動爪324a、324bは、筐体311内部に軸326、326(図10参照)を中心にして回転可能な状態で取り付けられたL字状部327、327(図10参照)の一端側に爪部325a、325bを設けたものである。
L字状部327、327の他端側は、バネ328a(図11参照)、328bによって爪部325a、325bが開口部323a、323bから外側に突出する方向に付勢されている。
尚、図7及び図8に示すように、集端板・通信ユニット中継基板304には、赤外線通信ユニット301側の中継基板接続コネクタ303と接続する赤外線通信ユニット用コネクタ307と、図3に示したターミナルボード220を介してホールコンピュータ501と接続するホールコンピュータ用接続コネクタ308が設けられている。
次に、通信ユニット取り付け部8の受け皿300に赤外通信ユニット301を取り付ける作業について説明する。
図5において、通信ユニット取り付け部8の受け皿300に赤外通信ユニット301を取り付ける際に、作業者は、集端板・通信ユニット中継ハーネス302(図1参照)及び中継基板接続コネクタ303(図1参照)を後壁405の開口部411を介して垂直面部84の開口部81(図4参照)に挿入する。この後、作業者は、赤外線通信ユニット301の嵌合部322の後側を斜め下方に向けて赤外線通信ユニット301の左側及び右側の固定爪321a、321b(図8参照)を、それぞれ後壁405の左側及び右側の固定爪挿入用切欠部412a、412bを介して左側及び右側の固定爪挿入孔85a、85b(図4参照)に挿入し、赤外線通信ユニット301の嵌合部322(図6参照)の前側を受け皿縁部401の前壁402の内側に押し込む。これにより、可動爪324a、324b(図6参照)は、その傾斜面329、329(図10参照)が受け皿縁部401の前壁402の内周に押圧され、図10中a方向に回転し、爪部325a、325b(図6参照)が開口部323a、323b(図6参照)の内側に押し込まれる。この後、爪部325a、325b(図9参照)が溝部406a、406b(図9及び図10参照)の位置に来ると、バネ328a、328b(図9及び図11参照)の付勢により爪部325a、325b(図6参照)が開口部323a、323b(図6及び図10参照)から外側に突出し、爪部325a、325b(図9及び図10参照)が溝部406a、406b(図9及び図10参照)の下側を係止する。この後、作業者は、前扉3(図4参照)を開き、集端板・通信ユニット中継基板304を筐体2(図2参照)の内部に取り付け、集端板接続コネクタ306を図2に示す外部集中端子基板(集端板)25に接続し、集端板・通信ユニット中継基板304に中継基板接続コネクタ303を接続して前扉3を閉じる。これにより、赤外通信ユニット301は、スロットマシン1に取り付けられ使用可能な状態になる。この状態では、赤外線通信ユニット301の爪部325a、325b(図9及び図10参照)が受け皿縁部401の溝部406a、406b(図9及び図10参照)に係止することで、受け皿300から赤外通信ユニット301を外れにくくしている。
次に、通信ユニット取り付け部8の受け皿300に赤外通信ユニット301を取り外す作業について説明する。
図1において、通信ユニット取り付け部8の受け皿300から赤外通信ユニット301を取り外す際には、作業者は、前扉3を開き、集端板・通信ユニット中継基板304から中継基板接続コネクタ303を外して前扉3を閉じる。
この後、作業者は、赤外線通信ユニット301の前側を上側に引き上げ、赤外線通信ユニット301の嵌合部322(図6参照)の前側を受け皿縁部401の前壁402の内側から上側に引き上げる。これにより、可動爪324a、324b(図9及び図10参照)は、係止面330、330(図10参照)が溝部406a、406b(図9及び図10参照)の内面に押圧され、図10中a方向に回転し、爪部325a、325b(図6参照)が開口部323a、323b(図6及び図10参照)側に移動して溝部406a、406b(図9及び図10参照)との係止が外れる。これにより、嵌合部322(図6参照)の前側が受け皿縁部401の前壁402の上側より引き出される。ここで、爪部325a、325b(図6参照)が前壁402の上側に来ると、バネ328a、328b(図6参照)の付勢により爪部325a、325b(図6参照)が開口部323a、323b(図6参照)から外側に突出する。
この後、作業者は、赤外線通信ユニット301の左側及び右側の固定爪321a、321b(図8参照)を左側の固定爪挿入孔85a、85b(図4参照)から引出し、それぞれ後壁405の左側の固定爪挿入用切欠部412a、412b(図5参照)から引出し、集端板・通信ユニット中継ハーネス302及び中継基板接続コネクタ303を垂直面部84の開口部81(図4参照)及び後壁405の開口部411(図5参照)から引き出す。これにより、赤外線通信ユニット301はスロットマシン1から完全に外された状態になる。
次に、赤外線通信ユニット301の回路構成について詳細に説明する。
図12おいて、赤外線通信ユニット301は、電気回路系統として、赤外線通信ユニット301の全体動作を集中制御するCPU(マイコン)331と、記憶部としてのROM332及びRAM333と、演出用ランプ312a、312bと、操作部313の表示切替操作釦316a及びデータ送信要求操作釦316bと、液晶ディスプレイユニット314と、ディスプレイ駆動回路334と、赤外線送受信部315の赤外線受光素子335及び赤外線発光素子336とを備えている。
CPU331は、ROM332に格納された制御プログラムに基づいて、主制御基板20(図2参照)から外部集中端子基板25(図2参照)、ハーネス305(図2参照)、集端板・通信ユニット中継基板304及びハーネス302を介して供給される「メダル投入信号」、「ゲーム開始信号」、「メダル払出信号」、「役物連続作動装置本当り信号」及び「役物連続作動増加装置本当り信号」からスロットマシン1の履歴データを作成し、RAM333に記憶する。
さらに、CPU331は、ROM332に格納された制御プログラム、スロットマシン1の履歴データ、表示切替操作釦316a及びデータ送信要求操作釦316bによる入力、赤外線受光素子335を介して供給される携帯電話502からの各遊技者の識別情報データに基づいて必要なデータをRAM333に記憶し、演出用ランプ312a、312bと、ディスプレイ駆動回路334と、赤外線発光素子336との制御を行う。
このような構成により、CPU331、ハーネス305(図2参照)は、前記スロットマシン1(図2参照)のゲーム結果に関するデータとしての「メダル投入信号」、「ゲーム開始信号」、「メダル払出信号」、「役物連続作動装置本当り信号」及び「役物連続作動増加装置本当り信号」を前記ロットマシン1から取得するデータ取得手段となっている。CPU331は、前記筐体2内に設けられ、前記データ取得手段からのゲーム結果に関するデータからスロットマシン1の履歴データを作成し、この履歴データに基づいて表示データを生成する表示データ生成手段となっている。赤外線発光素子336は、前記表示データ生成手段が生成した表示データを遊技者の通信端末装置に送信する表示データ送信手段となっている。
また、CPU331は、スロットマシン1の履歴データとして、図柄合わせゲームのゲーム回数、ビッグボーナス回数、レギュラーボーナス回数、及び、前回ボーナスゲーム終了後からのゲーム回数等を設定する。さらに、CPU331は、前記履歴データの各データに関し日付を指定し、当日データ、前日データ、及び、前々日データとしてRAM333に記憶する。
ディスプレイ駆動回路334は、CPU331からの前記表示データに基づいて、液晶ディスプレイユニット314にスロットマシン1の履歴データを表示する。
表示切替操作釦316aは、液晶ディスプレイユニット314に表示されるスロットマシン1の履歴データを切り替えるためのものである。データ送信要求操作釦316bは、赤外線通信ユニット301にスロットマシン1の履歴データの送信を要求するためのものである。
液晶ディスプレイユニット314には、通常、スロットマシン1の履歴データとして、当日におけるスロットマシン1の図柄合わせゲームのゲーム回数、ビッグボーナス回数、レギュラーボーナス回数、及び、前回ボーナスゲーム終了後からのゲーム回数等が表示される。さらに、液晶ディスプレイユニット314には、表示切替操作釦316aを操作することで、前記履歴データの各データに関し、当日データから切り替えて、前日データ、及び、前々日データも表示できる。
CPU331は、データ送信要求操作釦316bが操作されると、赤外線発光素子336を制御して、スロットマシン1の履歴データに基づいて生成された表示データを赤外線信号で各遊技者の携帯電話502に送信する。
携帯電話502は、赤外線受光素子335から赤外線信号で送信される表示データを当該携帯電話502に設けられた液晶ディスプレイに画像で表示する。
このような赤外線通信ユニット301の操作方法について以下に説明する。
まず、赤外線通信ユニット301は、通常、液晶ディスプレイユニット314に当日の履歴データが表示される。
この状態から表示切替操作釦316aを一回押圧操作すると、CPU331の制御により、液晶ディスプレイユニット314には、前日のスロットマシン1の履歴データが表示され、この状態からさらに表示切替操作釦316aをもう一回押圧操作すると、液晶ディスプレイユニット314には、前々日データが表示される。表示切替操作釦316aを操作しない状態で赤外線通信ユニット301を所定時間放置すると、液晶ディスプレイユニット314の表示は当日のスロットマシン1の履歴データに戻る。
遊技者がデータ送信要求操作釦316bを操作した場合、赤外線通信ユニット301からスロットマシン1の履歴データに基づく表示データが携帯電話502に送信され、遊技者の携帯電話502の液晶ディスプレイにスロットマシン1の履歴データを画像で表示できる。より詳しく説明すると、携帯電話502の液晶ディスプレイには、当日、前日及び前々日のゲーム回数、ビッグボーナス回数、レギュラーボーナス回数及び前回ボーナスゲーム終了後からのゲーム回数等を数字やグラフで表示される。
かかる構成のスロットマシン1及び赤外線通信ユニット301によれば、携帯電話502と直接通信を行うことで、スロットマシン1でのゲーム結果に関する多くのデータを遊技島改造することなく遊技者に提供することができるので、遊技店側は施設改造の手間、費用をかけることなく遊技者の便宜を図り、集客効果を高めることが可能となる。
また、赤外線通信ユニット301は、比較的簡単な作業でスロットマシン1に着脱することができ、この点でもコストの低減を見込める。
さらに、スロットマシン1の受け皿300は、受け皿縁部401を有するので、赤外線通信ユニット301を取り付けてない状態で、煙草等の小物を置くのに適している。この場合、受け皿300は、スピーカ32a、32b、38a、38bから水平面部83に振動が伝達した場合にも、受け皿縁部401によって水平面部83に置かれた小物が転落するのを防止できる。これにより、赤外線通信ユニット301を使用しない場合は、スロットマシン1の筐体としての前扉3の上部を物品置き場所として有効活用でき、遊技者の便宜を図ることが可能になる。
尚、図1乃至図12に示した実施形態では、通信端末装置として携帯電話を用いたが、他の通信端末装置、例えばモバイルパソコン等を用いることも可能である。
また、図1乃至図12に示した実施形態では、前記スロットマシン1のゲーム結果に関するデータとして、前記スロットマシン1での大当たり回数を含む履歴データを用いたが、他のデータ、例えば前記携帯電話の画面に表示する壁紙の画像データや携帯電話で実行可能なゲームソフトを用いてもよい。また、前記遊技機のゲーム結果に関するデータは、携帯電話同士で交換可能にしてもよい。
また、図1乃至図12に示した実施形態において、前記スロットマシン1での大当たり回数を含む履歴データは、テキストデータでもよく、前記履歴データを画像で表示する画像データでもよい。
さらに、図1乃至図12に示した実施形態において、赤外線通信ユニット301が携帯電話502に前記スロットマシン1での大当たり回数を含む履歴データを送信する前に、この履歴データを表示するための専用ソフトを送信してもよい。