以上の例では、温水供給路112からの温水を噴出ノズル111においてミスト状にしてサウナ対象室103内に供給することにより、サウナ対象室103内を加湿するようにしている。しかしながら噴出ノズル111からサウナ対象室103にミストが直接噴出される構成のため、噴出したミストが使用者の外皮に接触して水滴となり、使用者が不快感を感じるという問題や、噴出したミストによって使用者の視界が遮られて、使用者がサウナ対象室103内で映像や読書を楽しむことができないという問題があった。
本発明は上記課題を解決するものであり、微細な水滴によって水滴感を伴わずにサウナ対象室103を加湿するとともに加熱することによって、使用者が水滴感を感じずにサウナ対象室103内で快適に過ごすことができるとともに、ミストによって使用者が視界を遮られることなく、サウナ対象室103内で映像や読書を楽しむことができるサウナ装置を提供することを目的としている。
上記した目的を達成するために、本発明が講じた第1の課題解決手段は、サウナ対象室103の空気を循環させる第1循環手段1および第2循環手段2と、供給空気を加熱する空気加熱手段107と、供給水を細かな水滴に破砕する水破砕手段3を備え、前記第1循環手段1により循環するサウナ対象室103の空気を前記空気加熱手段107で加熱することによってサウナ対象室103を加熱するとともに、前記第2循環手段2によって循環するサウナ対象室103の空気に前記水破砕手段3で発生した水滴を含ませることによってサウナ対象室103を加湿するものである。
この手段では、空気加熱手段107が第1循環手段1によって循環しているサウナ対象室103の空気を加熱する。この空気加熱手段107で加熱された空気がサウナ対象室103に供給されるので、サウナ対象室103の温度が上昇する。また、水破砕手段3が供給水を破砕して細かな水滴を発生させる。そして第2循環手段2がサウナ対象室103の空気を水破砕手段3に供給する。これにより水破砕手段3で発生した水滴がサウナ対象室103の空気に混入してサウナ対象室103に供給される。この供給された水滴によってサウナ対象室の湿度が上昇する。このように第1循環手段1により循環する空気を加熱用空気、第2循環手段で循環する空気を加湿用空気として、サウナ対象室103の加熱と細かな水滴による水滴感のない加湿が同時に行われることになる。
また、本発明が講じた第2の課題解決手段は、上記第1の課題解決手段において、水破砕手段3を、供給水をミスト状に噴出するミスト噴出手段110と、前記ミスト噴出手段110が噴出したミストを更に細かく破砕するミスト破砕手段11とを備えた構成としたものである。
この手段では、水破砕手段3としてミスト噴出手段110とミスト破砕手段11が設けられる。そしてミスト噴出手段が供給水をミスト状に噴出し、ミスト噴出手段110が噴出したミストをミスト破砕手段11によって更に細かく破砕する。この破砕作用によって微細な水滴が発生することになる。
また、本発明が講じた第3の課題解決手段は、上記第2の課題解決手段において、第2循環手段2を、回転により空気を送風する第2ファン9を備えた構成とし、ミスト破砕手段11を、前記第2ファン9にミスト噴出手段110から噴出したミストを衝突させることによりミストを破砕する構成としたものである。
この手段では、ミスト噴出手段110が第2循環手段2の第2ファン9に向けてミストを噴出する。第2ファン9は送風のために回転しているので、第2ファン9に接触したミストは、この回転により強制的に細かく破砕される。この強制破砕作用によって更に細かな水滴が発生し、発生した水滴は第2ファン9によって送風される空気に含まれてサウナ対象室103に供給されることになる。
また、本発明が講じた第4の課題解決手段は、上記第1、第2または第3の課題解決手段において、水破砕手段3で発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を回収する水滴回収手段4を備え、前記水破砕手段3で発生した水滴のうち前記水滴回収手段4で回収されなかった微細水滴を、第2循環手段2によって循環するサウナ対象室103の空気に含ませる構成としたものである。
この手段では、水滴回収手段4が水破砕手段3で発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を回収する。水滴回収手段4には第2循環手段2によってサウナ対象室103の空気が供給されるので、水滴回収手段4で回収されなかった微細水滴がサウナ対象室103の空気に混入してサウナ対象室103に供給される。この供給された微細水滴によってサウナ対象室の湿度が上昇する。これにより微細水滴による水滴感のない加湿が行われることになる。
また、本発明が講じた第5の課題解決手段は、上記第4の課題解決手段において、水滴回収手段4を、水破砕手段3で発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を回収するとともに、第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気を加熱する構成としたものである。
この手段では、水滴回収手段4が水破砕手段3で発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を回収するとともに、第2循環手段2によって循環しているサウナ対象室103の空気を加熱する。これにより空気の飽和水蒸気分圧が上昇し、水分をより多く含めるようになるので、この加熱された空気中に水滴回収手段4で回収されなかった微細水滴がより多く含まれて加湿量が増加することになる。
また、本発明が講じた第6の課題解決手段は、上記第5の課題解決手段において、空気加熱手段107を、温水を熱媒とする第1空気−水熱交換器12で構成するとともに、水滴回収手段4を、温水を熱媒とする第2空気−水熱交換器13で構成し、熱媒である温水を、前記第1空気−水熱交換器12および前記第2空気−水熱交換器13に循環させる構成としたものである。
この手段では、空気加熱手段107が温水を熱媒として加熱作用を行う第1空気−水熱交換器12により構成され、水滴回収手段4が温水を熱媒として加熱作用を行う第2空気−水熱交換器13により構成される。これにより第1循環手段1および第2循環手段2によって循環するサウナ対象室103の空気の加熱作用が温水という単一の熱媒回路によって行われることになる。また、第2空気−水熱交換器13は、熱媒である温水を流通させる管路と、管路の熱を空気に効率的に伝熱させるための複数の伝熱板を備えており、水破砕手段3で発生した水滴が、第2空気−水熱交換器13を通過する際に、比較的大粒の水滴が複数の伝熱板の間隙を通過できずに回収されるので、第2空気−水熱交換器13が水滴回収手段4として作用することになる。
また、本発明が講じた第7の課題解決手段は、上記第6の課題解決手段において、第1空気−水熱交換器12および第2空気−水熱交換器13の熱媒である温水が、前記第1空気−水熱交換器12、第2空気−水熱交換器13の順に循環する構成としたものである。
この手段では、熱媒である温水が第1空気−水熱交換器12において第1循環手段1により循環する空気、すなわち加熱用空気を加熱した後で、第2空気−水熱交換器13において第2循環手段2により循環する空気、すなわち加湿用空気を加熱する。これにより単一の温水循環回路においてサウナ対象室103の加熱用空気の加熱と加湿用空気の加熱が行われ、さらに加熱用空気を加熱する温水温度が加湿用空気を加熱する温水温度より高くなるので、加熱用空気がより高温に加熱され、サウナ対象室103の加熱効果が高まることになる。
また、本発明が講じた第8の課題解決手段は、上記第6の課題解決手段において、第1空気−水熱交換器12および第2空気−水熱交換器13の熱媒である温水が、前記第2空気−水熱交換器13、第1空気−水熱交換器12の順に循環する構成としたものである。
この手段では、熱媒である温水が第2空気−水熱交換器13において第2循環手段2により循環する空気、すなわち加湿用空気を加熱した後で、第1空気−水熱交換器12において第1循環手段1により循環する空気、すなわち加熱用空気を加熱する。これにより単一の温水循環回路においてサウナ対象室103の加湿用空気の加熱と加熱用空気の加熱が行われ、さらに加湿用空気を加熱する温水温度が加熱用空気を加熱する温水温度より高くなるので、加湿用空気がより高温に加熱されることになる。これにより加湿用空気の飽和水蒸気分圧が更に上昇し、より多くの微細水滴を含めるようになるので、サウナ対象室103の加湿効果が高まる。
また、本発明が講じた第9の課題解決手段は、上記第6の課題解決手段において、第1空気−水熱交換器12および第2空気−水熱交換器13の熱媒である温水が、前記第1空気−水熱交換器12と前記第2空気−水熱交換器13の各々に分流して循環する構成としたものである。
この手段では、熱媒である温水が第1空気−水熱交換器12と第2空気−水熱交換器13とに分流して、第1循環手段1により循環する空気、すなわち加熱用空気の加熱と第2循環手段2により循環する空気、すなわち加湿用空気の加熱を各々行う。これにより、各々の加熱量の調整、すなわち温水の分流度合いの調整や温水供給の断続が容易となる。
また、本発明が講じた第10の課題解決手段は、上記第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8または第9の課題解決手段において、水破砕手段3に供給される供給水を加熱する水加熱手段5を備えた構成としたものである。
この手段では、水加熱手段5が水破砕手段3に供給される供給水を加熱する。水破砕手段3は、この加熱された供給水を破砕して高温の水滴を発生させる。この高温の水滴が水滴回収手段4において比較的大粒の水滴を回収された後に第2循環手段2によってサウナ対象室103に供給されるので、水滴感および冷風感のない加湿が行われることになる。
また、本発明が講じた第11の課題解決手段は、上記第6の課題解決手段において、水破砕手段3に供給される供給水を加熱する水加熱手段5を備え、前記水加熱手段5を、温水を熱媒とする水−水熱交換器14で構成し、第1空気−水熱交換器12、第2空気−水熱交換器13および前記水−水熱交換器14の熱媒である温水が前記第1空気−水熱交換器12、前記第2空気−水熱交換器13および前記水−水熱交換器14に循環する構成としたものである。
この手段では、水加熱手段5としての水−水熱交換器14が温水を熱媒として水破砕手段3に供給される供給水を加熱するとともに、空気加熱手段107としての第1空気−水熱交換器12が温水を熱媒として第1循環手段1により循環する加熱用空気を加熱し、水破砕手段3としての第2空気−水熱交換器13が同様に温水を熱媒として第2循環手段2により循環する加湿用空気を加熱する。これによりサウナ対象室103の加熱と水滴感および冷風感のない加湿が温水という単一の熱媒回路によって同時に行われることになる。
また、本発明が講じた第12の課題解決手段は、上記第11の課題解決手段において、第1空気−水熱交換器12、第2空気−水熱交換器13および水−水熱交換器14の熱媒である温水が、前記第1空気−水熱交換器12、前記第2空気−水熱交換器13の順に循環するとともに、前記水−水熱交換器14に分流して循環する構成としたものである。
この手段では、熱媒である温水が第1空気−水熱交換器12において第1循環手段1により循環する空気、すなわち加湿用空気を加熱した後で、第2空気−水熱交換器13において第2循環手段2により循環する空気、すなわち加熱用空気を加熱するとともに、水−水熱交換器14に分流して水破砕手段3に供給される供給水を加熱する。これにより加熱用空気を加熱する温水温度が加湿用空気を加熱する温水温度より高くなるので、加熱用空気がより高温に加熱されることになる。したがってサウナ対象室103の加熱効果が高まる。さらに第1空気−水熱交換器12および第2空気−水熱交換器13における加熱量と水−水熱交換器14における加熱量の調整、すなわち温水の分流度合いの調整や温水供給の断続が容易となる。
また、本発明が講じた第13の課題解決手段は、上記第11の課題解決手段において、第1空気−水熱交換器12、第2空気−水熱交換器13および水−水熱交換器14の熱媒である温水が、前記第2空気−水熱交換器13、前記水−水熱交換器14の順に循環するとともに、前記第1空気−水熱交換器12に分流して循環する構成としたものである。
この手段では、熱媒である温水が第2空気−水熱交換器13において第2循環手段2により循環する空気、すなわち加湿用空気を加熱した後で、水−水熱交換器14において水破砕手段3に供給される供給水を加熱するとともに、第1空気−水熱交換器12に分流して第1循環手段1により循環する空気、すなわち加熱用空気を加熱する。これにより加湿用空気を加熱する温水温度が供給水を加熱する温水温度より高くなるので、加湿用空気がより高温に加熱されることになる。これにより加湿用空気の飽和水蒸気分圧が更に上昇し、より多くの微細水滴を含めるようになるので、サウナ対象室103の加湿効果が高まる。さらに第2空気−水熱交換器13および水−水熱交換器14における加熱量と第1空気−水熱交換器12における加熱量の調整、すなわち温水の分流度合いの調整や温水供給の断続が容易となる。
また、本発明が講じた第14の課題解決手段は、上記第11の課題解決手段において、第1空気−水熱交換器12、第2空気−水熱交換器13および水−水熱交換器14の熱媒である温水が、前記水−水熱交換器14、前記第2空気−水熱交換器13の順に循環するとともに、前記第1空気−水熱交換器12に分流して循環する構成としたものである。
この手段では、熱媒である温水が水−水熱交換器14において水破砕手段3に供給される供給水を加熱した後で、第2空気−水熱交換器13において第2循環手段2により循環する空気、すなわち加湿用空気を加熱するとともに、第1空気−水熱交換器12に分流して第1循環手段1により循環する空気、すなわち加熱用空気を加熱する。これにより供給水を加熱する温水温度が加湿用空気を加熱する温水温度より高くなるので、供給水がより高温に加熱されてサウナ対象室103に供給される微細水滴がより高温になる。したがってサウナ対象室103の加湿に伴う冷風感の抑制効果が高まる。さらに水−水熱交換器14および第2空気−水熱交換器13における加熱量と第1空気−水熱交換器12における加熱量の調整、すなわち温水の分流度合いの調整や温水供給の断続が容易となる。
また、本発明が講じた第15の課題解決手段は、上記第11の課題解決手段において、第1空気−水熱交換器12、第2空気−水熱交換器13および水−水熱交換器14の熱媒である温水が、前記水−水熱交換器14、前記第2空気−水熱交換器13および前記第1空気−水熱交換器12の各々に分流して循環する構成としたものである。
この手段では、熱媒である温水が第1空気−水熱交換器12、第2空気−水熱交換器13および水−水熱交換器14の各々に分流して、第1循環手段1により循環する空気、すなわち加熱用空気の加熱と第2循環手段2により循環する空気、すなわち加湿用空気の加熱と水破砕手段3に供給される水の加熱を各々行う。これにより、各々の加熱量の調整、すなわち温水の分流度合いの調整や温水供給の断続が容易となる。
また、本発明が講じた第16の課題解決手段は、上記第11の課題解決手段において、第1空気−水熱交換器12、第2空気−水熱交換器13および水−水熱交換器14の熱媒である温水が、前記水−水熱交換器14、前記第2空気−水熱交換器13および前記第1空気−水熱交換器12に直列に循環する構成としたものである。
この手段では、熱媒である温水が第1空気−水熱交換器12、第2空気−水熱交換器13および水−水熱交換器14を直列に循環して、第1循環手段1により循環する空気、すなわち加熱用空気の加熱と第2循環手段2により循環する空気、すなわち加湿用空気の加熱と水破砕手段3に供給される水の加熱を行う。これにより、単一の温水循環回路においてサウナ対象室103の加湿用空気の加熱、加熱用空気の加熱および供給水の加熱が行われる。
本願発明は、かかる構成とすることにより以下に記載されるような効果を奏するものである。
(イ)本願の第1の発明にかかるサウナ装置によれば、第1循環手段1によって循環しているサウナ対象室103の空気を、空気加熱手段107により加熱することによってサウナ対象室103を加熱することができるとともに、水破砕手段3が供給水を破砕することによって発生した水滴を、第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気に含ませることによって、水滴感を伴わずにサウナ対象室103を加湿することができる。これにより使用者が水滴感を感じずに高温高湿のサウナ対象室103内で快適に過ごすことができ、また、ミストによって使用者の視界が遮られることがないので、使用者がサウナ対象室103内で映像や読書を楽しむことができる。
(ロ)また、本願の第2の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(イ)に記載した効果に加えて、ミスト噴出手段110が噴出したミストをミスト破砕手段11で更に細かく破砕することによって、より細かな水滴を発生することができる。これにより水破砕手段3をミスト噴出手段110とミスト破砕手段11による簡略な構成とすることができる。
(ハ)また、本願の第3の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(ロ)に記載した効果に加えて、ミスト噴出手段110が第2循環手段2の第2ファン9に向けてミストを噴出することによって、第2ファン9の回転によりミストを強制的に破砕し、更に細かな水滴を発生させることができる。これによりサウナ対象室103に細かな水滴を供給して水滴感なく加湿することができるとともに、サウナ対象室103の空気を循環させる第2循環手段2の一部を利用して水破砕手段3を構成できるため、装置を小型化することができる。
(ニ)また、本願の第4の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(イ)、(ロ)または(ハ)に記載した効果に加えて、水破砕手段3が供給水を破砕することによって発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を水滴回収手段4によって回収し、水滴回収手段4で回収されなかった微細水滴を第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気に含ませることによって、サウナ対象室103を微細水滴によって加湿することができる。これにより使用者が水滴感を全く感じずにサウナ対象室103内で快適に過ごすことができる。
(ホ)また、本願の第5の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(ニ)に記載した効果に加えて、水滴回収手段4を、水破砕手段3で発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を回収するとともに、第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気を加熱する構成とすることによって、水滴回収手段4で回収されなかった微細水滴を第2循環手段2により循環する空気により多く含ませることができる。これにより加湿量を増加することができる。
(ヘ)また、本願の第6の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(ホ)に記載した効果に加えて、空気加熱手段107を、温水を熱媒として加熱作用を行う第1空気−水熱交換器12で構成し、水滴回収手段4を、温水を熱媒として加熱作用を行う第2空気−水熱交換器13で構成することによって、第1循環手段1および第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気の加熱を温水のみの単一の熱媒回路という簡略な構成で行うことができる。さらに、水破砕手段3において発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を第2空気−水熱交換器13が備える複数の伝熱板の間隙において回収することができる。したがって水滴を回収するための特別な加工を要することがなく、水滴回収手段4を容易に構成することができる。
(ト)また、本願の第7の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(ヘ)に記載した効果に加えて、熱媒である温水を第1空気−水熱交換器12、第2空気−水熱交換器13の順に循環させることによって、単一の温水循環回路という簡易な構成において、第1循環手段1により循環するサウナ対象室103加熱用空気の加熱と、第2循環手段2により循環するサウナ対象室103加湿用空気の加熱を行うことができる。さらに第1循環手段1によって循環する空気をより高温に加熱することが可能となり、サウナ対象室103の加熱効果を高めることができる。
(チ)また、本願の第8の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(ヘ)に記載した効果に加えて、熱媒である温水を第2空気−水熱交換器13、第1空気−水熱交換器12の順に循環させることによって、単一の温水循環回路という簡易な構成において、第2循環手段2により循環するサウナ対象室103加湿用空気の加熱と、第1循環手段1により循環するサウナ対象室103加熱用空気の加熱を行うことができる。さらに第2循環手段2によって循環する空気をより高温に加熱することが可能となり、サウナ対象室103の加湿効果を高めることができる。
(リ)また、本願の第9の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(ヘ)に記載した効果に加えて、熱媒である温水を第1空気−水熱交換器12と第2空気−水熱交換器13とに分流して循環させる構成とすることによって、第1循環手段1により循環するサウナ対象室103加熱用空気の加熱と、第2循環手段2により循環するサウナ対象室103加湿用空気の加熱の各々の加熱量の調整、すなわち温水の分流度合いの調整や温水供給の断続を容易に行うことができる。
(ヌ)また、本願の第10の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)、(ヘ)、(ト)、(チ)または(リ)に記載した効果に加えて、水破砕手段3に供給される供給水を水加熱手段5で加熱することによって、水破砕手段3において温度の高い水滴を発生させることができる。これによりサウナ対象室103を水滴感および冷風感を伴わずに加湿することができる。
(ル)また、本願の第11の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(ヘ)に記載した効果に加えて、水加熱手段5としての水−水熱交換器14が温水を熱媒として水破砕手段3に供給される供給水を加熱するとともに、空気加熱手段107としての第1空気−水熱交換器12が温水を熱媒として第1循環手段1により循環するサウナ対象室103加熱用の空気を加熱し、水破砕手段3としての第2空気−水熱交換器が同様に温水を熱媒として第2循環手段2により循環するサウナ対象室103加湿用の空気を加熱する構成とすることによって、サウナ対象室103の加熱と水滴感および冷風感のない加湿を温水のみの単一の熱媒回路という簡略な構成において同時に行うことができる。
(ヲ)また、本願の第12の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(ル)に記載した効果に加えて、熱媒である温水を、第1空気−水熱交換器12、第2空気−水熱交換器13の順に循環させるとともに、水−水熱交換器14に分流して循環させる構成とすることによって、加熱用空気をより高温に加熱して、サウナ対象室103の加熱効果を高めることができる。さらに第1空気−水熱交換器12および第2空気−水熱交換器13における加熱量と水−水熱交換器14における加熱量の調整、すなわち温水の分流度合いの調整や温水供給の断続を容易に行うことができる。
(ワ)また、本願の第13の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(ル)に記載した効果に加えて、熱媒である温水を、第2空気−水熱交換器13、水−水熱交換器14の順に循環させるとともに、第1空気−水熱交換器12に分流して循環させる構成とすることによって、加湿用空気をより高温に加熱して飽和水蒸気分圧を高め、より多くの微細水滴を含まして、サウナ対象室103の加湿効果を高めることができる。さらに第2空気−水熱交換器13および水−水熱交換器14における加熱量と第1空気−水熱交換器12における加熱量の調整、すなわち温水の分流度合いの調整や温水供給の断続を容易に行うことができる。
(カ)また、本願の第14の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(ル)に記載した効果に加えて、熱媒である温水を、水−水熱交換器14、第2空気−水熱交換器13の順に循環させるとともに、第1空気−水熱交換器12に分流して循環させる構成とすることによって、供給水をより高温に加熱してサウナ対象室103に供給する微細水滴の温度を高め、サウナ対象室103の加湿に伴う冷風感の抑制効果を高めることができる。さらに水−水熱交換器14および第2空気−水熱交換器13における加熱量と第1空気−水熱交換器12における加熱量の調整、すなわち温水の分流度合いの調整や温水供給の断続を容易に行うことができる。
(ヨ)また、本願の第15の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(ル)に記載した効果に加えて、熱媒である温水を、水−水熱交換器14、第2空気−水熱交換器13および第1空気−水熱交換器12の各々に分流して循環させる構成とすることによって、各々の加熱量の調整、すなわち温水の分流度合いの調整や温水供給の断続を容易に行うことができる。
(タ)また、本願の第16の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(ル)に記載した効果に加えて、熱媒である温水を、前記水−水熱交換器14、前記第2空気−水熱交換器13および前記第1空気−水熱交換器12に直列に循環させる構成とすることによって、単一の温水循環回路においてサウナ対象室103の加湿用空気の加熱、加熱用空気の加熱および供給水の加熱を行うことができ、熱媒回路の構成を簡略化することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、従来の例と同一の構成要素については同一の符号を用い、詳細な説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施形態1にかかるサウナ装置の概略構成を示した図である。図1において、サウナ装置の本体101内に、サウナ対象室103の空気を循環させる第1循環手段1および第2循環手段2と、供給空気を加熱する空気加熱手段107と、供給水を細かな水滴に破砕する水破砕手段3と、水破砕手段3で発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を回収する水滴回収手段4と、水破砕手段3に供給される供給水を加熱する水加熱手段5を備えた構成としている。第1循環手段1は、サウナ対象室103に開口した吸気口102および吹出口104と、吸気口102を通してサウナ対象室103の空気を吸引し、吹出口104を通してサウナ対象室103に空気を吹出すための第1循環風路6と、第1循環風路6に空気を送風するための第1ファン7とを備えており、第2循環手段2は、サウナ対象室103に開口した吸気口102および吹出口104と、吸気口102を通してサウナ対象室103の空気を吸引し、吹出口104を通してサウナ対象室103に空気を吹出すための第2循環風路8と、この第2循環風路8に空気を送風するための第2ファン9とを備えている。水破砕手段3は、給水配管10からの供給水をミスト状に噴出するミスト噴出手段110としての噴出ノズル111と、この噴出ノズル111から噴出したミストを更に細かく破砕するミスト破砕手段11を備えている。ミスト破砕手段11は、噴出ノズル111を第2ファン9に向けて配置し、噴出ノズル111から噴出したミストを第2ファン9に衝突させて第2ファン9の回転により強制的にミストを破砕する構成となっている。また、空気加熱手段107は、熱媒を流通させる管路および管路の熱を効率的に空気に伝熱させるための複数の伝熱板を有し、図示しない熱源機により循環する温水を熱媒とする第1空気−水熱交換器12を、第1循環風路6内に備えた構成としており、水滴回収手段4は、同様に熱媒を流通させる管路および管路の熱を効率的に空気に伝熱させるための複数の伝熱板を有し、図示しない熱源機により循環する温水を熱媒とする第2空気−水熱交換器13を、第2循環風路8内の第2ファン9の後段に配置した構成となっている。また、水加熱手段5は、空気加熱手段107と同様に図示しない熱源機により循環している温水を熱媒として用いており、この温水によって給水配管10内の供給水を加熱する水−水熱交換器14を備えた構成としている。そして図示しない熱源機により循環する温水は、温水配管15によって第1空気−水熱交換器12、第2空気−水熱交換器13の順に循環するとともに水−水熱交換器14に分流して循環するように配管され、この分流した後の温水配管15に各々の温水の循環を断続させる熱動弁109a、109bを設けている。また、給水配管10にも噴出ノズル111への給水の供給を断続させる電磁弁113を設けた構成としている。
上記構成において、次に運転動作を説明する。図示しないコントローラーからの運転指示が為されると、第1ファン7および第2ファン9を作動させてサウナ対象室103の空気を第1循環風路6および第2循環風路8に循環させるとともに、熱動弁109aおよび熱動弁109bを開状態にして、図示しない熱源機からの温水を第1空気−水熱交換器12から第2空気−水熱交換器13を経て循環させるとともに水−水熱交換器14にも分流させて循環させる。更に電磁弁113も開状態にして給水配管10を通じて給水動作を行う。第1ファン7により循環するサウナ対象室103の空気は、第1空気−水熱交換器12に供給されて、図示しない熱源機により循環する温水と熱交換して加熱され、高温の空気となってサウナ対象室103に戻る。また、給水配管10からの供給水は、水−水熱交換器14において図示しない熱源機により循環する温水との熱交換により加熱される。加熱された供給水は噴出ノズル111より高温のミスト状態となって噴出し、第2ファン9に衝突する。第2ファン9に衝突したミストは、第2ファン9の回転によって強制的に破砕され、細かな高温の水滴となり、第2ファン9により送風されるサウナ対象室103の空気に含まれて第2空気−水熱交換器13に供給される。第2空気−水熱交換器13は、図示しない熱源機により循環している温水が流通する管路と、この管路を流通する温水の熱を供給される空気に効率的に伝達するための複数の伝熱板を有しており、第2空気−水熱交換器13に供給された細かな高温の水滴を含む空気は、この複数の伝熱板を介して温水と熱交換して加熱されるとともに、複数の伝熱板の間隙を通過する際に、含んでいる水滴のうち比較的大粒の水滴を回収されて吹出口104からサウナ対象室103に戻る。以上の動作を繰り返すことにより、空気加熱手段107において加熱された空気が継続的に供給されるとともに、水破砕手段3で発生した高温の水滴のうち水滴回収手段4において回収されなかった微細水滴がサウナ対象室103に継続して供給されるので、サウナ対象室103が水滴感および冷風感を伴わずに加湿されるとともに加熱されて、水滴感および冷風感のない高温高湿のサウナ空間が作られる。
また、上記運転状態から熱動弁109bおよび電磁弁113を閉状態に切り替えれば、水−水熱交換器14への温水循環と噴出ノズル111への給水が遮断されるので、サウナ対象室を加湿せずに加熱のみ行うことができる。
以上、説明した構成および動作により、本実施形態のサウナ装置は以下の効果を奏するものである。
第1循環手段1によって循環しているサウナ対象室103の空気を、空気加熱手段107により加熱することによってサウナ対象室103を加熱することができるとともに、水破砕手段3が供給水を破砕することによって発生した水滴を、第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気に含ませることによって、水滴感を伴わずにサウナ対象室103を加湿することができる。これにより使用者が水滴感を感じずに高温高湿のサウナ対象室103内で快適に過ごすことができ、また、ミストによって使用者の視界が遮られることがないので、使用者がサウナ対象室103内で映像や読書を楽しむことができる。
また、ミスト噴出手段110が噴出したミストをミスト破砕手段11で更に細かく破砕することによって、より細かな水滴を発生することができる。これにより水破砕手段3をミスト噴出手段110とミスト破砕手段11による簡略な構成とすることができる。
また、ミスト噴出手段110が第2循環手段2の第2ファン9に向けてミストを噴出することによって、第2ファン9の回転によりミストを強制的に破砕し、更に細かな水滴を発生させることができる。これによりサウナ対象室103に細かな水滴を供給して水滴感なく加湿することができるとともに、サウナ対象室103の空気を循環させる第2循環手段2の一部を利用して水破砕手段3を構成できるため、装置を小型化することができる。
また、水破砕手段3が供給水を破砕することによって発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を水滴回収手段4によって回収し、水滴回収手段4で回収されなかった微細水滴を第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気に含ませることによって、サウナ対象室103を微細水滴によって加湿することができる。これにより使用者が水滴感を全く感じずにサウナ対象室103内で快適に過ごすことができる。
また、水滴回収手段4を、水破砕手段3で発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を回収するとともに、第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気を加熱する構成とすることによって、水滴回収手段4で回収されなかった微細水滴を第2循環手段2により循環する空気により多く含ませることができる。これにより加湿量を増加することができる。
また、空気加熱手段107を、温水を熱媒として加熱作用を行う第1空気−水熱交換器12で構成し、水滴回収手段4を、温水を熱媒として加熱作用を行う第2空気−水熱交換器13で構成することによって、第1循環手段1および第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気の加熱を温水のみの単一の熱媒回路という簡略な構成で行うことができる。さらに、水破砕手段3において発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を第2空気−水熱交換器13が備える複数の伝熱板の間隙において回収することができる。したがって水滴を回収するための特別な加工を要することがなく、水滴回収手段4を容易に構成することができる。
また、熱媒である温水を第1空気−水熱交換器12、第2空気−水熱交換器13の順に循環させることによって、単一の温水循環回路という簡易な構成において、第1循環手段1により循環するサウナ対象室103加熱用空気の加熱と、第2循環手段2により循環するサウナ対象室103加湿用空気の加熱を行うことができる。さらに第1循環手段1によって循環する空気をより高温に加熱することが可能となり、サウナ対象室103の加熱効果を高めることができる。
また、水破砕手段3に供給される供給水を水加熱手段5で加熱することによって、水破砕手段3において温度の高い水滴を発生させることができる。これによりサウナ対象室103を水滴感および冷風感を伴わずに加湿することができる。
また、水加熱手段5としての水−水熱交換器14が温水を熱媒として水破砕手段3に供給される供給水を加熱するとともに、空気加熱手段107としての第1空気−水熱交換器12が温水を熱媒として第1循環手段1により循環するサウナ対象室103加熱用の空気を加熱し、水破砕手段3としての第2空気−水熱交換器が同様に温水を熱媒として第2循環手段2により循環するサウナ対象室103加湿用の空気を加熱する構成とすることによって、サウナ対象室103の加熱と水滴感および冷風感のない加湿を温水のみの単一の熱媒回路という簡略な構成において同時に行うことができる。
また、熱媒である温水を、第1空気−水熱交換器12、第2空気−水熱交換器13の順に循環させるとともに、水−水熱交換器14に分流して循環させる構成とすることによって、加熱用空気をより高温に加熱して、サウナ対象室103の加熱効果を高めることができる。さらに第1空気−水熱交換器12および第2空気−水熱交換器13における加熱量と水−水熱交換器14における加熱量の調整、すなわち温水の分流度合いの調整や温水供給の断続を容易に行うことができる。
なお、本実施形態では、ミスト噴出手段110が噴出したミストを更に細かく破砕するミスト破砕手段11として、第2循環手段2の第2ファン9を用いたが、ミスト破砕手段11はミストを細かく破砕できるものであれば良いのであって、回転板等を別途設ける構成としても良い。
また、本実施形態では、ミスト噴出手段110を1個の噴出ノズル111にて構成したが、ミスト噴出手段110はミストを噴出できるものであれば良いのであって、噴出ノズルを複数設け、ミストの噴出を切り替えるように構成しても良い。
また、本実施形態では、空気加熱手段107を熱媒に温水を用いた第1空気−水熱交換器12を設ける構成としたが、空気加熱手段107は空気を加熱できるものであれば良いのであって、ヒーターを用いて空気を加熱しても良く、あるいはヒーターと温水コイルを併用しても良い。
また、本実施形態では、水破砕手段3に供給される供給水を加熱する水加熱手段5として、熱媒に温水を用いた水−水熱交換器14を設ける構成としたが、水加熱手段5は、供給水を加熱できるものであれば良いのであって、ヒーターを用いて供給水を加熱しても良く、あるいはサウナ装置とは別に設けられた熱源から温水を給水しても同様の効果が得られる。そしてサウナ装置外部から温水を給水する場合は、水加熱手段5をサウナ装置内に設ける必要がないので装置を小型化することができる。
また、本実施形態では、水滴回収手段4を第2空気−水熱交換器13で構成し、第2空気−水熱交換器13の複数の伝熱板の間隙において比較的大粒の水滴を回収する構成としたが、水滴回収手段4は、水破砕手段3で発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を回収できるものであれば良いのであって、気水分離板等を別途設ける構成としても良い。そして水破砕手段3とは別に第2循環手段2により循環するサウナ対象室103加湿用の空気を加熱する加熱手段、例えば温水コイルやヒーターを設け、加湿用の空気を加熱する構成としても良い。
また、本実施形態では、水滴回収手段4が回収する比較的大粒の水滴について具体的な水滴径を示していないが、水滴回収手段4は使用者が目視確認できる程度の水滴を回収できるものであればよく、100μm以上の粒径の水滴を回収することにより効果を奏することができるものである。より望ましくは、10m以上の粒径の水滴を回収すれば、水滴回収後の空気中には目視で確認できる水滴は殆どなくなるため、十分な効果を奏することができる。
また、本実施形態では、第2循環手段2により循環する空気に含まれてサウナ対象室に供給される水滴について具体的な水滴径を示していないが、サウナ対象室103に供給される水滴の水滴径は使用者が目視確認できない程度の粒径であればよく、100μm以下の粒径の水滴を供給すれば水滴感のない加湿を行う効果を奏することができるものである。より望ましくは、10m以下の粒径の水滴を供給すれば、供給空気中には目視で確認できる水滴は殆どなくなるため、十分な効果を奏することができる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施形態2にかかるサウナ装置の概略構成を示した図である。図2において、サウナ装置の本体101内に、サウナ対象室103の空気を循環させる第1循環手段1および第2循環手段2と、供給空気を加熱する空気加熱手段107と、供給水を細かな水滴に破砕する水破砕手段3と、水破砕手段3で発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を回収する水滴回収手段4と、水破砕手段3に供給される供給水を加熱する水加熱手段5を備えた構成としている。第1循環手段1は、サウナ対象室103に開口した吸気口102および吹出口104と、吸気口102を通してサウナ対象室103の空気を吸引し、吹出口104を通してサウナ対象室103に空気を吹出すための第1循環風路6と、第1循環風路6に空気を送風するための第1ファン7とを備えており、第2循環手段2は、サウナ対象室103に開口した吸気口102および吹出口104と、吸気口102を通してサウナ対象室103の空気を吸引し、吹出口104を通してサウナ対象室103に空気を吹出すための第2循環風路8と、この第2循環風路8に空気を送風するための第2ファン9とを備えている。水破砕手段3は、給水配管10からの供給水をミスト状に噴出するミスト噴出手段110としての噴出ノズル111と、この噴出ノズル111から噴出したミストを更に細かく破砕するミスト破砕手段11を備えている。ミスト破砕手段11は、噴出ノズル111を第2ファン9に向けて配置し、噴出ノズル111から噴出したミストを第2ファン9に衝突させて第2ファン9の回転により強制的にミストを破砕する構成となっている。また、空気加熱手段107は、熱媒を流通させる管路および管路の熱を効率的に空気に伝熱させるための複数の伝熱板を有し、図示しない熱源機により循環する温水を熱媒とする第1空気−水熱交換器12を、第1循環風路6内に備えた構成としており、水滴回収手段4は、同様に熱媒を流通させる管路および管路の熱を効率的に空気に伝熱させるための複数の伝熱板を有し、図示しない熱源機により循環する温水を熱媒とする第2空気−水熱交換器13を、第2循環風路8内の第2ファン9の後段に配置した構成となっている。また、水加熱手段5は、空気加熱手段107と同様に図示しない熱源機により循環している温水を熱媒として用いており、この温水によって給水配管10内の供給水を加熱する水−水熱交換器14を備えた構成としている。そして図示しない熱源機により循環する温水は、温水配管15によって第2空気−水熱交換器13、水−水熱交換器14の順に循環するとともに第1空気−水熱交換器12に分流して循環するように配管され、この分流した後の温水配管15に各々の温水の循環を断続させる熱動弁109a、109bを設けている。また、給水配管10にも噴出ノズル111への給水の供給を断続させる電磁弁113を設けた構成としている。
上記構成において、次に運転動作を説明する。図示しないコントローラーからの運転指示が為されると、第1ファン7および第2ファン9を作動させてサウナ対象室103の空気を第1循環風路6および第2循環風路8に循環させるとともに、熱動弁109aおよび熱動弁109bを開状態にして、図示しない熱源機からの温水を第2空気−水熱交換器13から水−水熱交換器14を経て循環させるとともに第1空気−水熱交換器12にも分流させて循環させる。更に電磁弁113も開状態にして給水配管10を通じて給水動作を行う。第1ファン7により循環するサウナ対象室103の空気は、第1空気−水熱交換器12に供給されて、図示しない熱源機により循環する温水と熱交換して加熱され、高温の空気となってサウナ対象室103に戻る。また、給水配管10からの供給水は、水−水熱交換器14において図示しない熱源機により循環する温水との熱交換により加熱される。加熱された供給水は噴出ノズル111より高温のミスト状態となって噴出し、第2ファン9に衝突する。第2ファン9に衝突したミストは、第2ファン9の回転によって強制的に破砕され、細かな高温の水滴となり、第2ファン9により送風されるサウナ対象室103の空気に含まれて第2空気−水熱交換器13に供給される。第2空気−水熱交換器13は、図示しない熱源機により循環している温水が流通する管路と、この管路を流通する温水の熱を供給される空気に効率的に伝達するための複数の伝熱板を有しており、第2空気−水熱交換器13に供給された細かな高温の水滴を含む空気は、この複数の伝熱板を介して温水と熱交換して加熱されるとともに、複数の伝熱板の間隙を通過する際に、含んでいる水滴のうち比較的大粒の水滴を回収されて吹出口104からサウナ対象室103に戻る。以上の動作を繰り返すことにより、空気加熱手段107において加熱された空気が継続的に供給されるとともに、水破砕手段3で発生した高温の水滴のうち水滴回収手段4において回収されなかった微細水滴がサウナ対象室103に継続して供給されるので、サウナ対象室103が水滴感および冷風感を伴わずに加湿されるとともに加熱されて、水滴感および冷風感のない高温高湿のサウナ空間が作られる。
また、上記運転状態から熱動弁109aのみを閉状態に切り替えれば、第1空気−水熱交換器12への温水循環が遮断されるので、サウナ対象室103を加熱せずに加湿のみ行うことができる。
また、上記運転状態から熱動弁109bおよび電磁弁113を閉状態に切り替えれば、第2空気−水熱交換器13、水−水熱交換器14への温水循環と噴出ノズル111への給水が遮断されるので、サウナ対象室を加湿せずに加熱のみ行うことができる。
以上、説明した構成および動作により、本実施形態のサウナ装置は以下の効果を奏するものである。
第1循環手段1によって循環しているサウナ対象室103の空気を、空気加熱手段107により加熱することによってサウナ対象室103を加熱することができるとともに、水破砕手段3が供給水を破砕することによって発生した水滴を、第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気に含ませることによって、水滴感を伴わずにサウナ対象室103を加湿することができる。これにより使用者が水滴感を感じずに高温高湿のサウナ対象室103内で快適に過ごすことができ、また、ミストによって使用者の視界が遮られることがないので、使用者がサウナ対象室103内で映像や読書を楽しむことができる。
また、ミスト噴出手段110が噴出したミストをミスト破砕手段11で更に細かく破砕することによって、より細かな水滴を発生することができる。これにより水破砕手段3をミスト噴出手段110とミスト破砕手段11による簡略な構成とすることができる。
また、ミスト噴出手段110が第2循環手段2の第2ファン9に向けてミストを噴出することによって、第2ファン9の回転によりミストを強制的に破砕し、更に細かな水滴を発生させることができる。これによりサウナ対象室103に細かな水滴を供給して水滴感なく加湿することができるとともに、サウナ対象室103の空気を循環させる第2循環手段2の一部を利用して水破砕手段3を構成できるため、装置を小型化することができる。
また、水破砕手段3が供給水を破砕することによって発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を水滴回収手段4によって回収し、水滴回収手段4で回収されなかった微細水滴を第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気に含ませることによって、サウナ対象室103を微細水滴によって加湿することができる。これにより使用者が水滴感を全く感じずにサウナ対象室103内で快適に過ごすことができる。
また、水滴回収手段4を、水破砕手段3で発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を回収するとともに、第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気を加熱する構成とすることによって、水滴回収手段4で回収されなかった微細水滴を第2循環手段2により循環する空気により多く含ませることができる。これにより加湿量を増加することができる。
また、空気加熱手段107を、温水を熱媒として加熱作用を行う第1空気−水熱交換器12で構成し、水滴回収手段4を、温水を熱媒として加熱作用を行う第2空気−水熱交換器13で構成することによって、第1循環手段1および第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気の加熱を温水のみの単一の熱媒回路という簡略な構成で行うことができる。さらに、水破砕手段3において発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を第2空気−水熱交換器13が備える複数の伝熱板の間隙において回収することができる。したがって水滴を回収するための特別な加工を要することがなく、水滴回収手段4を容易に構成することができる。
また、熱媒である温水を第1空気−水熱交換器12と第2空気−水熱交換器13とに分流して循環させる構成とすることによって、第1循環手段1により循環するサウナ対象室103加熱用空気の加熱と、第2循環手段2により循環するサウナ対象室103加湿用空気の加熱の各々の加熱量の調整、すなわち温水の分流度合いの調整や温水供給の断続を容易に行うことができる。
また、水破砕手段3に供給される供給水を水加熱手段5で加熱することによって、水破砕手段3において温度の高い水滴を発生させることができる。これによりサウナ対象室103を水滴感および冷風感を伴わずに加湿することができる。
また、水加熱手段5としての水−水熱交換器14が温水を熱媒として水破砕手段3に供給される供給水を加熱するとともに、空気加熱手段107としての第1空気−水熱交換器12が温水を熱媒として第1循環手段1により循環するサウナ対象室103加熱用の空気を加熱し、水破砕手段3としての第2空気−水熱交換器が同様に温水を熱媒として第2循環手段2により循環するサウナ対象室103加湿用の空気を加熱する構成とすることによって、サウナ対象室103の加熱と水滴感および冷風感のない加湿を温水のみの単一の熱媒回路という簡略な構成において同時に行うことができる。
また、熱媒である温水を、第2空気−水熱交換器13、水−水熱交換器14の順に循環させるとともに、第1空気−水熱交換器12に分流して循環させる構成とすることによって、加湿用空気をより高温に加熱して飽和水蒸気分圧を高め、より多くの微細水滴を含まして、サウナ対象室103の加湿効果を高めることができる。さらに第2空気−水熱交換器13および水−水熱交換器14における加熱量と第1空気−水熱交換器12における加熱量の調整、すなわち温水の分流度合いの調整や温水供給の断続を容易に行うことができる。
なお、本実施形態では、ミスト噴出手段110が噴出したミストを更に細かく破砕するミスト破砕手段11として、第2循環手段2の第2ファン9を用いたが、ミスト破砕手段11はミストを細かく破砕できるものであれば良いのであって、回転板等を別途設ける構成としても良い。
また、本実施形態では、ミスト噴出手段110を1個の噴出ノズル111にて構成したが、ミスト噴出手段110はミストを噴出できるものであれば良いのであって、噴出ノズルを複数設け、ミストの噴出を切り替えるように構成しても良い。
また、本実施形態では、空気加熱手段107を熱媒に温水を用いた第1空気−水熱交換器12を設ける構成としたが、空気加熱手段107は空気を加熱できるものであれば良いのであって、ヒーターを用いて空気を加熱しても良く、あるいはヒーターと温水コイルを併用しても良い。
また、本実施形態では、水破砕手段3に供給される供給水を加熱する水加熱手段5として、熱媒に温水を用いた水−水熱交換器14を設ける構成としたが、水加熱手段5は、供給水を加熱できるものであれば良いのであって、ヒーターを用いて供給水を加熱しても良く、あるいはサウナ装置とは別に設けられた熱源から温水を給水しても同様の効果が得られる。そしてサウナ装置外部から温水を給水する場合は、水加熱手段5をサウナ装置内に設ける必要がないので装置を小型化することができる。
また、本実施形態では、水滴回収手段4を第2空気−水熱交換器13で構成し、第2空気−水熱交換器13の複数の伝熱板の間隙において比較的大粒の水滴を回収する構成としたが、水滴回収手段4は、水破砕手段3で発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を回収できるものであれば良いのであって、気水分離板等を別途設ける構成としても良い。そして水破砕手段3とは別に第2循環手段2により循環するサウナ対象室103加湿用の空気を加熱する加熱手段、例えば温水コイルやヒーターを設け、加湿用の空気を加熱する構成としても良い。
また、本実施形態では、水滴回収手段4が回収する比較的大粒の水滴について具体的な水滴径を示していないが、水滴回収手段4は使用者が目視確認できる程度の水滴を回収できるものであればよく、100μm以上の粒径の水滴を回収することにより効果を奏することができるものである。より望ましくは、10m以上の粒径の水滴を回収すれば、水滴回収後の空気中には目視で確認できる水滴は殆どなくなるため、十分な効果を奏することができる。
また、本実施形態では、第2循環手段2により循環する空気に含まれてサウナ対象室に供給される水滴について具体的な水滴径を示していないが、サウナ対象室103に供給される水滴の水滴径は使用者が目視確認できない程度の粒径であればよく、100μm以下の粒径の水滴を供給すれば水滴感のない加湿を行う効果を奏することができるものである。より望ましくは、10m以下の粒径の水滴を供給すれば、供給空気中には目視で確認できる水滴は殆どなくなるため、十分な効果を奏することができる。
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施形態3にかかるサウナ装置の概略構成を示した図である。図3において、サウナ装置の本体101内に、サウナ対象室103の空気を循環させる第1循環手段1および第2循環手段2と、供給空気を加熱する空気加熱手段107と、供給水を細かな水滴に破砕する水破砕手段3と、水破砕手段3で発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を回収する水滴回収手段4と、水破砕手段3に供給される供給水を加熱する水加熱手段5を備えた構成としている。第1循環手段1は、サウナ対象室103に開口した吸気口102および吹出口104と、吸気口102を通してサウナ対象室103の空気を吸引し、吹出口104を通してサウナ対象室103に空気を吹出すための第1循環風路6と、第1循環風路6に空気を送風するための第1ファン7とを備えており、第2循環手段2は、サウナ対象室103に開口した吸気口102および吹出口104と、吸気口102を通してサウナ対象室103の空気を吸引し、吹出口104を通してサウナ対象室103に空気を吹出すための第2循環風路8と、この第2循環風路8に空気を送風するための第2ファン9とを備えている。水破砕手段3は、給水配管10からの供給水をミスト状に噴出するミスト噴出手段110としての噴出ノズル111と、この噴出ノズル111から噴出したミストを更に細かく破砕するミスト破砕手段11を備えている。ミスト破砕手段11は、噴出ノズル111を第2ファン9に向けて配置し、噴出ノズル111から噴出したミストを第2ファン9に衝突させて第2ファン9の回転により強制的にミストを破砕する構成となっている。また、空気加熱手段107は、熱媒を流通させる管路および管路の熱を効率的に空気に伝熱させるための複数の伝熱板を有し、図示しない熱源機により循環する温水を熱媒とする第1空気−水熱交換器12を、第1循環風路6内に備えた構成としており、水滴回収手段4は、同様に熱媒を流通させる管路および管路の熱を効率的に空気に伝熱させるための複数の伝熱板を有し、図示しない熱源機により循環する温水を熱媒とする第2空気−水熱交換器13を、第2循環風路8内の第2ファン9の後段に配置した構成となっている。また、水加熱手段5は、空気加熱手段107と同様に図示しない熱源機により循環している温水を熱媒として用いており、この温水によって給水配管10内の供給水を加熱する水−水熱交換器14を備えた構成としている。そして図示しない熱源機により循環する温水は、温水配管15によって水−水熱交換器14、第2空気−水熱交換器13の順に循環するとともに第1空気−水熱交換器12に分流して循環するように配管され、この分流した後の温水配管15に各々の温水の循環を断続させる熱動弁109a、109bを設けている。また、給水配管10にも噴出ノズル111への給水の供給を断続させる電磁弁113を設けた構成としている。
上記構成において、次に運転動作を説明する。図示しないコントローラーからの運転指示が為されると、第1ファン7および第2ファン9を作動させてサウナ対象室103の空気を第1循環風路6および第2循環風路8に循環させるとともに、熱動弁109aおよび熱動弁109bを開状態にして、図示しない熱源機からの温水を水−水熱交換器14から第2空気−水熱交換器13を経て循環させるとともに第1空気−水熱交換器12にも分流させて循環させる。更に電磁弁113も開状態にして給水配管10を通じて給水動作を行う。第1ファン7により循環するサウナ対象室103の空気は、第1空気−水熱交換器12に供給されて、図示しない熱源機により循環する温水と熱交換して加熱され、高温の空気となってサウナ対象室103に戻る。また、給水配管10からの供給水は、水−水熱交換器14において図示しない熱源機により循環する温水との熱交換により加熱される。加熱された供給水は噴出ノズル111より高温のミスト状態となって噴出し、第2ファン9に衝突する。第2ファン9に衝突したミストは、第2ファン9の回転によって強制的に破砕され、細かな高温の水滴となり、第2ファン9により送風されるサウナ対象室103の空気に含まれて第2空気−水熱交換器13に供給される。第2空気−水熱交換器13は、図示しない熱源機により循環している温水が流通する管路と、この管路を流通する温水の熱を供給される空気に効率的に伝達するための複数の伝熱板を有しており、第2空気−水熱交換器13に供給された細かな高温の水滴を含む空気は、この複数の伝熱板を介して温水と熱交換して加熱されるとともに、複数の伝熱板の間隙を通過する際に、含んでいる水滴のうち比較的大粒の水滴を回収されて吹出口104からサウナ対象室103に戻る。以上の動作を繰り返すことにより、空気加熱手段107において加熱された空気が継続的に供給されるとともに、水破砕手段3で発生した高温の水滴のうち水滴回収手段4において回収されなかった微細水滴がサウナ対象室103に継続して供給されるので、サウナ対象室103が水滴感および冷風感を伴わずに加湿されるとともに加熱されて、水滴感および冷風感のない高温高湿のサウナ空間が作られる。
また、上記運転状態から熱動弁109aのみを閉状態に切り替えれば、第1空気−水熱交換器12への温水循環が遮断されるので、サウナ対象室103を加熱せずに加湿のみ行うことができる。
また、上記運転状態から熱動弁109bおよび電磁弁113を閉状態に切り替えれば、水−水熱交換器14、第2空気−水熱交換器13への温水循環と噴出ノズル111への給水が遮断されるので、サウナ対象室を加湿せずに加熱のみ行うことができる。
以上、説明した構成および動作により、本実施形態のサウナ装置は以下の効果を奏するものである。
第1循環手段1によって循環しているサウナ対象室103の空気を、空気加熱手段107により加熱することによってサウナ対象室103を加熱することができるとともに、水破砕手段3が供給水を破砕することによって発生した水滴を、第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気に含ませることによって、水滴感を伴わずにサウナ対象室103を加湿することができる。これにより使用者が水滴感を感じずに高温高湿のサウナ対象室103内で快適に過ごすことができ、また、ミストによって使用者の視界が遮られることがないので、使用者がサウナ対象室103内で映像や読書を楽しむことができる。
また、ミスト噴出手段110が噴出したミストをミスト破砕手段11で更に細かく破砕することによって、より細かな水滴を発生することができる。これにより水破砕手段3をミスト噴出手段110とミスト破砕手段11による簡略な構成とすることができる。
また、ミスト噴出手段110が第2循環手段2の第2ファン9に向けてミストを噴出することによって、第2ファン9の回転によりミストを強制的に破砕し、更に細かな水滴を発生させることができる。これによりサウナ対象室103に細かな水滴を供給して水滴感なく加湿することができるとともに、サウナ対象室103の空気を循環させる第2循環手段2の一部を利用して水破砕手段3を構成できるため、装置を小型化することができる。
また、水破砕手段3が供給水を破砕することによって発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を水滴回収手段4によって回収し、水滴回収手段4で回収されなかった微細水滴を第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気に含ませることによって、サウナ対象室103を微細水滴によって加湿することができる。これにより使用者が水滴感を全く感じずにサウナ対象室103内で快適に過ごすことができる。
また、水滴回収手段4を、水破砕手段3で発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を回収するとともに、第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気を加熱する構成とすることによって、水滴回収手段4で回収されなかった微細水滴を第2循環手段2により循環する空気により多く含ませることができる。これにより加湿量を増加することができる。
また、空気加熱手段107を、温水を熱媒として加熱作用を行う第1空気−水熱交換器12で構成し、水滴回収手段4を、温水を熱媒として加熱作用を行う第2空気−水熱交換器13で構成することによって、第1循環手段1および第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気の加熱を温水のみの単一の熱媒回路という簡略な構成で行うことができる。さらに、水破砕手段3において発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を第2空気−水熱交換器13が備える複数の伝熱板の間隙において回収することができる。したがって水滴を回収するための特別な加工を要することがなく、水滴回収手段4を容易に構成することができる。
また、熱媒である温水を第1空気−水熱交換器12と第2空気−水熱交換器13とに分流して循環させる構成とすることによって、第1循環手段1により循環するサウナ対象室103加熱用空気の加熱と、第2循環手段2により循環するサウナ対象室103加湿用空気の加熱の各々の加熱量の調整、すなわち温水の分流度合いの調整や温水供給の断続を容易に行うことができる。
また、水破砕手段3に供給される供給水を水加熱手段5で加熱することによって、水破砕手段3において温度の高い水滴を発生させることができる。これによりサウナ対象室103を水滴感および冷風感を伴わずに加湿することができる。
また、水加熱手段5としての水−水熱交換器14が温水を熱媒として水破砕手段3に供給される供給水を加熱するとともに、空気加熱手段107としての第1空気−水熱交換器12が温水を熱媒として第1循環手段1により循環するサウナ対象室103加熱用の空気を加熱し、水破砕手段3としての第2空気−水熱交換器が同様に温水を熱媒として第2循環手段2により循環するサウナ対象室103加湿用の空気を加熱する構成とすることによって、サウナ対象室103の加熱と水滴感および冷風感のない加湿を温水のみの単一の熱媒回路という簡略な構成において同時に行うことができる。
また、熱媒である温水を、水−水熱交換器14、第2空気−水熱交換器13の順に循環させるとともに、第1空気−水熱交換器12に分流して循環させる構成とすることによって、供給水をより高温に加熱してサウナ対象室103に供給する微細水滴の温度を高め、サウナ対象室103の加湿に伴う冷風感の抑制効果を高めることができる。さらに水−水熱交換器14および第2空気−水熱交換器13における加熱量と第1空気−水熱交換器12における加熱量の調整、すなわち温水の分流度合いの調整や温水供給の断続を容易に行うことができる。
なお、本実施形態では、ミスト噴出手段110が噴出したミストを更に細かく破砕するミスト破砕手段11として、第2循環手段2の第2ファン9を用いたが、ミスト破砕手段11はミストを細かく破砕できるものであれば良いのであって、回転板等を別途設ける構成としても良い。
また、本実施形態では、ミスト噴出手段110を1個の噴出ノズル111にて構成したが、ミスト噴出手段110はミストを噴出できるものであれば良いのであって、噴出ノズルを複数設け、ミストの噴出を切り替えるように構成しても良い。
また、本実施形態では、空気加熱手段107を熱媒に温水を用いた第1空気−水熱交換器12を設ける構成としたが、空気加熱手段107は空気を加熱できるものであれば良いのであって、ヒーターを用いて空気を加熱しても良く、あるいはヒーターと温水コイルを併用しても良い。
また、本実施形態では、水破砕手段3に供給される供給水を加熱する水加熱手段5として、熱媒に温水を用いた水−水熱交換器14を設ける構成としたが、水加熱手段5は、供給水を加熱できるものであれば良いのであって、ヒーターを用いて供給水を加熱しても良く、あるいはサウナ装置とは別に設けられた熱源から温水を給水しても同様の効果が得られる。そしてサウナ装置外部から温水を給水する場合は、水加熱手段5をサウナ装置内に設ける必要がないので装置を小型化することができる。
また、本実施形態では、水滴回収手段4を第2空気−水熱交換器13で構成し、第2空気−水熱交換器13の複数の伝熱板の間隙において比較的大粒の水滴を回収する構成としたが、水滴回収手段4は、水破砕手段3で発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を回収できるものであれば良いのであって、気水分離板等を別途設ける構成としても良い。そして水破砕手段3とは別に第2循環手段2により循環するサウナ対象室103加湿用の空気を加熱する加熱手段、例えば温水コイルやヒーターを設け、加湿用の空気を加熱する構成としても良い。
また、本実施形態では、水滴回収手段4が回収する比較的大粒の水滴について具体的な水滴径を示していないが、水滴回収手段4は使用者が目視確認できる程度の水滴を回収できるものであればよく、100μm以上の粒径の水滴を回収することにより効果を奏することができるものである。より望ましくは、10m以上の粒径の水滴を回収すれば、水滴回収後の空気中には目視で確認できる水滴は殆どなくなるため、十分な効果を奏することができる。
また、本実施形態では、第2循環手段2により循環する空気に含まれてサウナ対象室に供給される水滴について具体的な水滴径を示していないが、サウナ対象室103に供給される水滴の水滴径は使用者が目視確認できない程度の粒径であればよく、100μm以下の粒径の水滴を供給すれば水滴感のない加湿を行う効果を奏することができるものである。より望ましくは、10m以下の粒径の水滴を供給すれば、供給空気中には目視で確認できる水滴は殆どなくなるため、十分な効果を奏することができる。
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施形態4にかかるサウナ装置の概略構成を示した図である。図4において、サウナ装置の本体101内に、サウナ対象室103の空気を循環させる第1循環手段1および第2循環手段2と、供給空気を加熱する空気加熱手段107と、供給水を細かな水滴に破砕する水破砕手段3と、水破砕手段3で発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を回収する水滴回収手段4と、水破砕手段3に供給される供給水を加熱する水加熱手段5を備えた構成としている。第1循環手段1は、サウナ対象室103に開口した吸気口102および吹出口104と、吸気口102を通してサウナ対象室103の空気を吸引し、吹出口104を通してサウナ対象室103に空気を吹出すための第1循環風路6と、第1循環風路6に空気を送風するための第1ファン7とを備えており、第2循環手段2は、サウナ対象室103に開口した吸気口102および吹出口104と、吸気口102を通してサウナ対象室103の空気を吸引し、吹出口104を通してサウナ対象室103に空気を吹出すための第2循環風路8と、この第2循環風路8に空気を送風するための第2ファン9とを備えている。水破砕手段3は、給水配管10からの供給水をミスト状に噴出するミスト噴出手段110としての噴出ノズル111と、この噴出ノズル111から噴出したミストを更に細かく破砕するミスト破砕手段11を備えている。ミスト破砕手段11は、噴出ノズル111を第2ファン9に向けて配置し、噴出ノズル111から噴出したミストを第2ファン9に衝突させて第2ファン9の回転により強制的にミストを破砕する構成となっている。また、空気加熱手段107は、熱媒を流通させる管路および管路の熱を効率的に空気に伝熱させるための複数の伝熱板を有し、図示しない熱源機により循環する温水を熱媒とする第1空気−水熱交換器12を、第1循環風路6内に備えた構成としており、水滴回収手段4は、同様に熱媒を流通させる管路および管路の熱を効率的に空気に伝熱させるための複数の伝熱板を有し、図示しない熱源機により循環する温水を熱媒とする第2空気−水熱交換器13を、第2循環風路8内の第2ファン9の後段に配置した構成となっている。また、水加熱手段5は、空気加熱手段107と同様に図示しない熱源機により循環している温水を熱媒として用いており、この温水によって給水配管10内の供給水を加熱する水−水熱交換器14を備えた構成としている。そして図示しない熱源機により循環する温水は、温水配管15によって第1空気−水熱交換器12、第2空気−水熱交換器13、水−水熱交換器14の各々に分流して循環するように配管され、この分流した後の温水配管15に各々の温水の循環を断続させる熱動弁109a、109b、109cを設けている。また、給水配管10にも噴出ノズル111への給水の供給を断続させる電磁弁113を設けた構成としている。
上記構成において、次に運転動作を説明する。図示しないコントローラーからの運転指示が為されると、第1ファン7および第2ファン9を作動させてサウナ対象室103の空気を第1循環風路6および第2循環風路8に循環させるとともに、熱動弁109a、熱動弁109bおよび熱動弁109cを開状態にして、図示しない熱源機からの温水を第1空気−水熱交換器12、第2空気−水熱交換器13および水−水熱交換器14の各々に分流させて循環させる。更に電磁弁113も開状態にして給水配管10を通じて給水動作を行う。第1ファン7により循環するサウナ対象室103の空気は、第1空気−水熱交換器12に供給されて、図示しない熱源機により循環する温水と熱交換して加熱され、高温の空気となってサウナ対象室103に戻る。また、給水配管10からの供給水は、水−水熱交換器14において図示しない熱源機により循環する温水との熱交換により加熱される。加熱された供給水は噴出ノズル111より高温のミスト状態となって噴出し、第2ファン9に衝突する。第2ファン9に衝突したミストは、第2ファン9の回転によって強制的に破砕され、細かな高温の水滴となり、第2ファン9により送風されるサウナ対象室103の空気に含まれて第2空気−水熱交換器13に供給される。第2空気−水熱交換器13は、図示しない熱源機により循環している温水が流通する管路と、この管路を流通する温水の熱を供給される空気に効率的に伝達するための複数の伝熱板を有しており、第2空気−水熱交換器13に供給された細かな高温の水滴を含む空気は、この複数の伝熱板を介して温水と熱交換して加熱されるとともに、複数の伝熱板の間隙を通過する際に、含んでいる水滴のうち比較的大粒の水滴を回収されて吹出口104からサウナ対象室103に戻る。以上の動作を繰り返すことにより、空気加熱手段107において加熱された空気が継続的に供給されるとともに、水破砕手段3で発生した高温の水滴のうち水滴回収手段4において回収されなかった微細水滴がサウナ対象室103に継続して供給されるので、サウナ対象室103が水滴感および冷風感を伴わずに加湿されるとともに加熱されて、水滴感および冷風感のない高温高湿のサウナ空間が作られる。
また、上記運転状態から熱動弁109aのみを閉状態に切り替えれば、第1空気−水熱交換器12への温水循環が遮断されるので、サウナ対象室103を加熱せずに加湿のみ行うことができる。
また、上記運転状態から熱動弁109cおよび電磁弁113を閉状態に切り替えれば、水−水熱交換器14への温水循環と噴出ノズル111への給水が遮断されるので、サウナ対象室を加湿せずに加熱のみ行うことができる。
以上、説明した構成および動作により、本実施形態のサウナ装置は以下の効果を奏するものである。
第1循環手段1によって循環しているサウナ対象室103の空気を、空気加熱手段107により加熱することによってサウナ対象室103を加熱することができるとともに、水破砕手段3が供給水を破砕することによって発生した水滴を、第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気に含ませることによって、水滴感を伴わずにサウナ対象室103を加湿することができる。これにより使用者が水滴感を感じずに高温高湿のサウナ対象室103内で快適に過ごすことができ、また、ミストによって使用者の視界が遮られることがないので、使用者がサウナ対象室103内で映像や読書を楽しむことができる。
また、ミスト噴出手段110が噴出したミストをミスト破砕手段11で更に細かく破砕することによって、より細かな水滴を発生することができる。これにより水破砕手段3をミスト噴出手段110とミスト破砕手段11による簡略な構成とすることができる。
また、ミスト噴出手段110が第2循環手段2の第2ファン9に向けてミストを噴出することによって、第2ファン9の回転によりミストを強制的に破砕し、更に細かな水滴を発生させることができる。これによりサウナ対象室103に細かな水滴を供給して水滴感なく加湿することができるとともに、サウナ対象室103の空気を循環させる第2循環手段2の一部を利用して水破砕手段3を構成できるため、装置を小型化することができる。
また、水破砕手段3が供給水を破砕することによって発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を水滴回収手段4によって回収し、水滴回収手段4で回収されなかった微細水滴を第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気に含ませることによって、サウナ対象室103を微細水滴によって加湿することができる。これにより使用者が水滴感を全く感じずにサウナ対象室103内で快適に過ごすことができる。
また、水滴回収手段4を、水破砕手段3で発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を回収するとともに、第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気を加熱する構成とすることによって、水滴回収手段4で回収されなかった微細水滴を第2循環手段2により循環する空気により多く含ませることができる。これにより加湿量を増加することができる。
また、空気加熱手段107を、温水を熱媒として加熱作用を行う第1空気−水熱交換器12で構成し、水滴回収手段4を、温水を熱媒として加熱作用を行う第2空気−水熱交換器13で構成することによって、第1循環手段1および第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気の加熱を温水のみの単一の熱媒回路という簡略な構成で行うことができる。さらに、水破砕手段3において発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を第2空気−水熱交換器13が備える複数の伝熱板の間隙において回収することができる。したがって水滴を回収するための特別な加工を要することがなく、水滴回収手段4を容易に構成することができる。
また、熱媒である温水を第1空気−水熱交換器12と第2空気−水熱交換器13とに分流して循環させる構成とすることによって、第1循環手段1により循環するサウナ対象室103加熱用空気の加熱と、第2循環手段2により循環するサウナ対象室103加湿用空気の加熱の各々の加熱量の調整、すなわち温水の分流度合いの調整や温水供給の断続を容易に行うことができる。
また、水破砕手段3に供給される供給水を水加熱手段5で加熱することによって、水破砕手段3において温度の高い水滴を発生させることができる。これによりサウナ対象室103を水滴感および冷風感を伴わずに加湿することができる。
また、水加熱手段5としての水−水熱交換器14が温水を熱媒として水破砕手段3に供給される供給水を加熱するとともに、空気加熱手段107としての第1空気−水熱交換器12が温水を熱媒として第1循環手段1により循環するサウナ対象室103加熱用の空気を加熱し、水破砕手段3としての第2空気−水熱交換器が同様に温水を熱媒として第2循環手段2により循環するサウナ対象室103加湿用の空気を加熱する構成とすることによって、サウナ対象室103の加熱と水滴感および冷風感のない加湿を温水のみの単一の熱媒回路という簡略な構成において同時に行うことができる。
また、熱媒である温水を、水−水熱交換器14、第2空気−水熱交換器13および第1空気−水熱交換器12の各々に分流して循環させる構成とすることによって、各々の加熱量の調整、すなわち温水の分流度合いの調整や温水供給の断続を容易に行うことができる。
なお、本実施形態では、ミスト噴出手段110が噴出したミストを更に細かく破砕するミスト破砕手段11として、第2循環手段2の第2ファン9を用いたが、ミスト破砕手段11はミストを細かく破砕できるものであれば良いのであって、回転板等を別途設ける構成としても良い。
また、本実施形態では、ミスト噴出手段110を1個の噴出ノズル111にて構成したが、ミスト噴出手段110はミストを噴出できるものであれば良いのであって、噴出ノズルを複数設け、ミストの噴出を切り替えるように構成しても良い。
また、本実施形態では、空気加熱手段107を熱媒に温水を用いた第1空気−水熱交換器12を設ける構成としたが、空気加熱手段107は空気を加熱できるものであれば良いのであって、ヒーターを用いて空気を加熱しても良く、あるいはヒーターと温水コイルを併用しても良い。
また、本実施形態では、水破砕手段3に供給される供給水を加熱する水加熱手段5として、熱媒に温水を用いた水−水熱交換器14を設ける構成としたが、水加熱手段5は、供給水を加熱できるものであれば良いのであって、ヒーターを用いて供給水を加熱しても良く、あるいはサウナ装置とは別に設けられた熱源から温水を給水しても同様の効果が得られる。そしてサウナ装置外部から温水を給水する場合は、水加熱手段5をサウナ装置内に設ける必要がないので装置を小型化することができる。
また、本実施形態では、水滴回収手段4を第2空気−水熱交換器13で構成し、第2空気−水熱交換器13の複数の伝熱板の間隙において比較的大粒の水滴を回収する構成としたが、水滴回収手段4は、水破砕手段3で発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を回収できるものであれば良いのであって、気水分離板等を別途設ける構成としても良い。そして水破砕手段3とは別に第2循環手段2により循環するサウナ対象室103加湿用の空気を加熱する加熱手段、例えば温水コイルやヒーターを設け、加湿用の空気を加熱する構成としても良い。
また、本実施形態では、水滴回収手段4が回収する比較的大粒の水滴について具体的な水滴径を示していないが、水滴回収手段4は使用者が目視確認できる程度の水滴を回収できるものであればよく、100μm以上の粒径の水滴を回収することにより効果を奏することができるものである。より望ましくは、10m以上の粒径の水滴を回収すれば、水滴回収後の空気中には目視で確認できる水滴は殆どなくなるため、十分な効果を奏することができる。
また、本実施形態では、第2循環手段2により循環する空気に含まれてサウナ対象室に供給される水滴について具体的な水滴径を示していないが、サウナ対象室103に供給される水滴の水滴径は使用者が目視確認できない程度の粒径であればよく、100μm以下の粒径の水滴を供給すれば水滴感のない加湿を行う効果を奏することができるものである。より望ましくは、10m以下の粒径の水滴を供給すれば、供給空気中には目視で確認できる水滴は殆どなくなるため、十分な効果を奏することができる。
(実施の形態5)
図5は、本発明の実施形態5にかかるサウナ装置の概略構成を示した図である。図5において、サウナ装置の本体101内に、サウナ対象室103の空気を循環させる第1循環手段1および第2循環手段2と、供給空気を加熱する空気加熱手段107と、供給水を細かな水滴に破砕する水破砕手段3と、水破砕手段3で発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を回収する水滴回収手段4と、水破砕手段3に供給される供給水を加熱する水加熱手段5を備えた構成としている。第1循環手段1は、サウナ対象室103に開口した吸気口102および吹出口104と、吸気口102を通してサウナ対象室103の空気を吸引し、吹出口104を通してサウナ対象室103に空気を吹出すための第1循環風路6と、第1循環風路6に空気を送風するための第1ファン7とを備えており、第2循環手段2は、サウナ対象室103に開口した吸気口102および吹出口104と、吸気口102を通してサウナ対象室103の空気を吸引し、吹出口104を通してサウナ対象室103に空気を吹出すための第2循環風路8と、この第2循環風路8に空気を送風するための第2ファン9とを備えている。水破砕手段3は、給水配管10からの供給水をミスト状に噴出するミスト噴出手段110としての噴出ノズル111と、この噴出ノズル111から噴出したミストを更に細かく破砕するミスト破砕手段11を備えている。ミスト破砕手段11は、噴出ノズル111を第2ファン9に向けて配置し、噴出ノズル111から噴出したミストを第2ファン9に衝突させて第2ファン9の回転により強制的にミストを破砕する構成となっている。また、空気加熱手段107は、熱媒を流通させる管路および管路の熱を効率的に空気に伝熱させるための複数の伝熱板を有し、図示しない熱源機により循環する温水を熱媒とする第1空気−水熱交換器12を、第1循環風路6内に備えた構成としており、水滴回収手段4は、同様に熱媒を流通させる管路および管路の熱を効率的に空気に伝熱させるための複数の伝熱板を有し、図示しない熱源機により循環する温水を熱媒とする第2空気−水熱交換器13を、第2循環風路8内の第2ファン9の後段に配置した構成となっている。また、水加熱手段5は、空気加熱手段107と同様に図示しない熱源機により循環している温水を熱媒として用いており、この温水によって給水配管10内の供給水を加熱する水−水熱交換器14を備えた構成としている。そして図示しない熱源機により循環する温水は、温水配管15によって水−水熱交換器14、第2空気−水熱交換器13、第1空気−水熱交換器12の順に循環するように配管され、この温水配管15に温水の循環を断続させる熱動弁109を設けている。また、給水配管10にも噴出ノズル111への給水の供給を断続させる電磁弁113を設けた構成としている。
上記構成において、次に運転動作を説明する。図示しないコントローラーからの運転指示が為されると、第1ファン7および第2ファン9を作動させてサウナ対象室103の空気を第1循環風路6および第2循環風路8に循環させるとともに、熱動弁109を開状態にして、図示しない熱源機からの温水を水−水熱交換器14、第2空気−水熱交換器13、第1空気−水熱交換器12の順に循環させる。更に電磁弁113も開状態にして給水配管10を通じて給水動作を行う。第1ファン7により循環するサウナ対象室103の空気は、第1空気−水熱交換器12に供給されて、図示しない熱源機により循環する温水と熱交換して加熱され、高温の空気となってサウナ対象室103に戻る。また、給水配管10からの供給水は、水−水熱交換器14において図示しない熱源機により循環する温水との熱交換により加熱される。加熱された供給水は噴出ノズル111より高温のミスト状態となって噴出し、第2ファン9に衝突する。第2ファン9に衝突したミストは、第2ファン9の回転によって強制的に破砕され、細かな高温の水滴となり、第2ファン9により送風されるサウナ対象室103の空気に含まれて第2空気−水熱交換器13に供給される。第2空気−水熱交換器13は、図示しない熱源機により循環している温水が流通する管路と、この管路を流通する温水の熱を供給される空気に効率的に伝達するための複数の伝熱板を有しており、第2空気−水熱交換器13に供給された細かな高温の水滴を含む空気は、この複数の伝熱板を介して温水と熱交換して加熱されるとともに、複数の伝熱板の間隙を通過する際に、含んでいる水滴のうち比較的大粒の水滴を回収されて吹出口104からサウナ対象室103に戻る。以上の動作を繰り返すことにより、空気加熱手段107において加熱された空気が継続的に供給されるとともに、水破砕手段3で発生した高温の水滴のうち水滴回収手段4において回収されなかった微細水滴がサウナ対象室103に継続して供給されるので、サウナ対象室103が水滴感および冷風感を伴わずに加湿されるとともに加熱されて、水滴感および冷風感のない高温高湿のサウナ空間が作られる。
以上、説明した構成および動作により、本実施形態のサウナ装置は以下の効果を奏するものである。
第1循環手段1によって循環しているサウナ対象室103の空気を、空気加熱手段107により加熱することによってサウナ対象室103を加熱することができるとともに、水破砕手段3が供給水を破砕することによって発生した水滴を、第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気に含ませることによって、水滴感を伴わずにサウナ対象室103を加湿することができる。これにより使用者が水滴感を感じずに高温高湿のサウナ対象室103内で快適に過ごすことができ、また、ミストによって使用者の視界が遮られることがないので、使用者がサウナ対象室103内で映像や読書を楽しむことができる。
また、ミスト噴出手段110が噴出したミストをミスト破砕手段11で更に細かく破砕することによって、より細かな水滴を発生することができる。これにより水破砕手段3をミスト噴出手段110とミスト破砕手段11による簡略な構成とすることができる。
また、ミスト噴出手段110が第2循環手段2の第2ファン9に向けてミストを噴出することによって、第2ファン9の回転によりミストを強制的に破砕し、更に細かな水滴を発生させることができる。これによりサウナ対象室103に細かな水滴を供給して水滴感なく加湿することができるとともに、サウナ対象室103の空気を循環させる第2循環手段2の一部を利用して水破砕手段3を構成できるため、装置を小型化することができる。
また、水破砕手段3が供給水を破砕することによって発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を水滴回収手段4によって回収し、水滴回収手段4で回収されなかった微細水滴を第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気に含ませることによって、サウナ対象室103を微細水滴によって加湿することができる。これにより使用者が水滴感を全く感じずにサウナ対象室103内で快適に過ごすことができる。
また、水滴回収手段4を、水破砕手段3で発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を回収するとともに、第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気を加熱する構成とすることによって、水滴回収手段4で回収されなかった微細水滴を第2循環手段2により循環する空気により多く含ませることができる。これにより加湿量を増加することができる。
また、空気加熱手段107を、温水を熱媒として加熱作用を行う第1空気−水熱交換器12で構成し、水滴回収手段4を、温水を熱媒として加熱作用を行う第2空気−水熱交換器13で構成することによって、第1循環手段1および第2循環手段2により循環するサウナ対象室103の空気の加熱を温水のみの単一の熱媒回路という簡略な構成で行うことができる。さらに、水破砕手段3において発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を第2空気−水熱交換器13が備える複数の伝熱板の間隙において回収することができる。したがって水滴を回収するための特別な加工を要することがなく、水滴回収手段4を容易に構成することができる。
また、熱媒である温水を第2空気−水熱交換器13、第1空気−水熱交換器12の順に循環させることによって、単一の温水循環回路という簡易な構成において、第2循環手段2により循環するサウナ対象室103加湿用空気の加熱と、第1循環手段1により循環するサウナ対象室103加熱用空気の加熱を行うことができる。さらに第2循環手段2によって循環する空気をより高温に加熱することが可能となり、サウナ対象室103の加湿効果を高めることができる。
また、水破砕手段3に供給される供給水を水加熱手段5で加熱することによって、水破砕手段3において温度の高い水滴を発生させることができる。これによりサウナ対象室103を水滴感および冷風感を伴わずに加湿することができる。
また、水加熱手段5としての水−水熱交換器14が温水を熱媒として水破砕手段3に供給される供給水を加熱するとともに、空気加熱手段107としての第1空気−水熱交換器12が温水を熱媒として第1循環手段1により循環するサウナ対象室103加熱用の空気を加熱し、水破砕手段3としての第2空気−水熱交換器が同様に温水を熱媒として第2循環手段2により循環するサウナ対象室103加湿用の空気を加熱する構成とすることによって、サウナ対象室103の加熱と水滴感および冷風感のない加湿を温水のみの単一の熱媒回路という簡略な構成において同時に行うことができる。
また、熱媒である温水を、前記水−水熱交換器14、前記第2空気−水熱交換器13および前記第1空気−水熱交換器12に直列に循環させる構成とすることによって、単一の温水循環回路においてサウナ対象室103の加湿用空気の加熱、加熱用空気の加熱および供給水の加熱を行うことができ、熱媒回路の構成を簡略化することができる。
なお、本実施形態では、ミスト噴出手段110が噴出したミストを更に細かく破砕するミスト破砕手段11として、第2循環手段2の第2ファン9を用いたが、ミスト破砕手段11はミストを細かく破砕できるものであれば良いのであって、回転板等を別途設ける構成としても良い。
また、本実施形態では、ミスト噴出手段110を1個の噴出ノズル111にて構成したが、ミスト噴出手段110はミストを噴出できるものであれば良いのであって、噴出ノズルを複数設け、ミストの噴出を切り替えるように構成しても良い。
また、本実施形態では、空気加熱手段107を熱媒に温水を用いた第1空気−水熱交換器12を設ける構成としたが、空気加熱手段107は空気を加熱できるものであれば良いのであって、ヒーターを用いて空気を加熱しても良く、あるいはヒーターと温水コイルを併用しても良い。
また、本実施形態では、水破砕手段3に供給される供給水を加熱する水加熱手段5として、熱媒に温水を用いた水−水熱交換器14を設ける構成としたが、水加熱手段5は、供給水を加熱できるものであれば良いのであって、ヒーターを用いて供給水を加熱しても良く、あるいはサウナ装置とは別に設けられた熱源から温水を給水しても同様の効果が得られる。そしてサウナ装置外部から温水を給水する場合は、水加熱手段5をサウナ装置内に設ける必要がないので装置を小型化することができる。
また、本実施形態では、水滴回収手段4を第2空気−水熱交換器13で構成し、第2空気−水熱交換器13の複数の伝熱板の間隙において比較的大粒の水滴を回収する構成としたが、水滴回収手段4は、水破砕手段3で発生した水滴のうち比較的大粒の水滴を回収できるものであれば良いのであって、気水分離板等を別途設ける構成としても良い。そして水破砕手段3とは別に第2循環手段2により循環するサウナ対象室103加湿用の空気を加熱する加熱手段、例えば温水コイルやヒーターを設け、加湿用の空気を加熱する構成としても良い。
また、本実施形態では、水滴回収手段4が回収する比較的大粒の水滴について具体的な水滴径を示していないが、水滴回収手段4は使用者が目視確認できる程度の水滴を回収できるものであればよく、100μm以上の粒径の水滴を回収することにより効果を奏することができるものである。より望ましくは、10m以上の粒径の水滴を回収すれば、水滴回収後の空気中には目視で確認できる水滴は殆どなくなるため、十分な効果を奏することができる。
また、本実施形態では、第2循環手段2により循環する空気に含まれてサウナ対象室に供給される水滴について具体的な水滴径を示していないが、サウナ対象室103に供給される水滴の水滴径は使用者が目視確認できない程度の粒径であればよく、100μm以下の粒径の水滴を供給すれば水滴感のない加湿を行う効果を奏することができるものである。より望ましくは、10m以下の粒径の水滴を供給すれば、供給空気中には目視で確認できる水滴は殆どなくなるため、十分な効果を奏することができる。
また、本実施形態では、図示しない熱源機により循環する温水を、水−水熱交換器14、第2空気−水熱交換器13、第1空気−水熱交換器12の順に循環させて単一の温水循環回路による簡略な熱媒回路構成としたが、循環する順番を変更しても熱媒回路の簡略化に関わる効果に差異は生じない。