JP2006024890A - 基板処理方法、基板処理装置および基板処理システム - Google Patents

基板処理方法、基板処理装置および基板処理システム Download PDF

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Abstract

【課題】 リンス液によるリンス処理に伴う基板への酸化膜やウォーターマークの発生を防止する。
【解決手段】 純水に窒素を溶解させるとともに、窒素溶解された純水に塩酸を混合させることで純水に比べてpHが低下されてなる混合液がリンス液として生成され、生成されたリンス液がノズル6、25から基板Wに供給される。このようなリンス液では、リンス液の溶存酸素濃度が低下するとともに、ノズル6,25からの吐出後におけるリンス液の溶存酸素濃度が急速に上昇するのが抑制される。また、基板表面からのSiの溶出が抑制される。その結果、基板の酸化を防止するとともに、ウォーターマークの発生を防止することができる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、光ディスク用基板などの各種基板(以下、単に「基板」という)にリンス液を供給してリンス処理を行う基板処理方法、基板処理装置および基板処理システムに関するものである。
半導体装置や液晶表示装置などの電子部品の製造工程では、基板の表面に成膜やエッチングなどの処理を繰り返し施して微細パターンを形成していく工程が含まれる。ここで、微細加工を良好に行うためには基板表面を清浄な状態に保つ必要があり、必要に応じて基板の洗浄処理が行われる(特許文献1参照)。この特許文献1に記載の発明では、洗浄処理に適した処理液、つまり洗浄液によって基板表面を洗浄した後、その基板表面に残留している処理液を、純水をリンス液としてリンス除去している。また、リンス処理終了後、基板を高速回転させることによって基板表面に残留しているリンス液を振切って乾燥させている。
特開平5−29292号公報(段落[0013]〜[0015])
ところが、リンス液として純水を用いた場合、純水に含まれる溶存酸素によって、せっかく洗浄液で洗浄した基板表面の全部または一部が酸化して、基板表面に酸化膜が形成されてしまう、という問題があった。そこで、この問題を解決するために、リンス液として用いるリンス液の溶存酸素濃度を低くする、という対策が講じられていた。
しかしながら、実際のリンス処理においては、リンス用ノズルからリンス液が基板表面に向けて吐出されるため、ノズルから吐出した途端にリンス液が空気に晒される。このため、予めリンス液中の溶存酸素濃度を低下させていたとしても、ノズルからの吐出直後から空気中の酸素がリンス液に溶込み、リンス液中の溶存酸素濃度が急速に高まる。また、このように空気中に存在する酸素のリンス液への溶込みはノズルからの吐出直後のみならず、その後も所定の上昇速度で継続して進行していく。したがって、ノズルから吐出された後にリンス液に溶け込む酸素量を低減させることが重要となる。すなわち、基板表面がリンス液で濡れている間、つまりリンス処理の開始から乾燥処理の終了までの期間(例えば30秒程度)でのリンス液中の溶存酸素濃度を低減させることがリンス処理に伴う基板表面の酸化を防止する上で非常に重要となっていた。しかしながら、この点に関して従来では効果的な対策が講じられておらず、改善の余地が大きく残されていた。
また、特にHF系の薬液でSi基板やpoly−Si基板上のSi酸化膜を除去するような基板処理を行った場合には、ウォーターマークと呼ばれる一種の欠陥、すなわち乾燥工程を経た基板表面に見られるシミが問題となることがある。つまり、基板表面の酸化とと同様に、基板表面にウォーターマークが発生するとコンタクト抵抗の増加やパターン欠陥等の種々のトラブルを引き起こすこととなる。このウォーターマークは、基板表面からのSiの溶出が原因といわれており、ウォーターマークの発生を防止するためには、リンス処理に伴う基板表面からのSiの溶出を如何にして抑制することができるかが重要となってくる。したがって、基板表面の酸化だけではなく、ウォーターマークの発生についても十分に考慮してその防止策を講じる必要がある。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、リンス液によるリンス処理に伴う基板への酸化膜やウォーターマークの発生を防止することができる基板処理方法、基板処理装置および基板処理システムを提供することを目的とする。
この発明にかかる基板処理方法および基板処理装置は、上記した目的を達成するために、以下のように構成している。この発明にかかる基板処理方法の一態様は、基板に処理液を供給して所定の湿式処理を施す湿式処理工程と、リンス液を生成するリンス液生成工程と、湿式処理工程後に、その一方端がノズルに接続された供給経路に沿って、リンス液をノズルに送り込んでノズルから基板にリンス液を供給し、リンス液により基板にリンス処理を施すリンス工程とを備え、リンス液生成工程は、供給経路の他方端側から送り込まれる純水に対して供給経路上の所定の混合位置で純水よりもpHが低い低pH物質を混合させるとともに、供給経路を流れる流体に窒素を溶解させてリンス液を生成する工程であることを特徴としている。また、この発明にかかる基板処理装置の一態様は、ノズルと、その一方端がノズルに接続された供給経路に沿ってノズルに向けて流れる純水に対して純水よりもpHが低い低pH物質を混合させて供給経路を流れる流体のpHを調整するpH調整手段と、供給経路を流れる流体に窒素を溶解させる窒素溶解手段とを備え、pH調整手段によりpH調整されるとともに窒素溶解手段により窒素溶解された、流体をリンス液として供給経路に沿ってノズルに送り込んでノズルから基板に供給し、リンス液により基板にリンス処理を施すことを特徴としている。
このような構成によれば、リンス液には純水よりもpHが低い低pH物質が混合されているとともに窒素が溶解されている。すなわち、純水に低pH物質を混合した後に該混合流体に窒素を溶解させたり、純水に窒素を溶解させた後に該窒素豊富な純水に低pH物質を混合したり、あるいは純水に低pH物質と窒素を同時に溶解させて、pH調整された窒素豊富な流体がリンス液として生成される。そして、このリンス液をノズルから基板に供給することで、基板のリンス処理を行っている。このようにリンス液のpH調整と窒素溶解とにより、基板からの被酸化物質の溶出低減および溶存酸素低減が効果的に実行されてリンス処理に伴う基板への酸化膜やウォーターマークの発生が防止される。なお、その作用効果については、後で具体的な実験や検証結果などを参照しつつ詳述する。
また、窒素を溶解させる位置(窒素溶解位置)については特に限定されるものではないが、次のような理由から混合位置やpH調整手段に対して供給経路の一方端側で混合液に窒素を溶解させるのが好適である。というのも、当該構成を採用した場合には、純水と低pH物質との混合液に対して窒素が溶解されることにより混合前に純水および低pH物質に溶存していた酸素を低減することができ、上記作用効果をより好適に発揮させることができるからである。なお、混合液のpHとしては種々の検証から2〜6とするのが好ましい。
さらに、供給経路のうち窒素溶解処理が行われる窒素溶解位置や窒素溶解手段に対し、供給経路の他方端側において供給経路を流れる流体を脱気するのが望ましい。すなわち、混合位置に供給される純水や該混合位置で混合された混合液(純水+低pH物質)に対して脱気処理を施すことが酸化膜やウォーターマークの発生の防止を図る上で有効である。これにより窒素溶解処理の前に予め溶存酸素の低減が図られる。また、脱気処理を行う位置や脱気手段については、混合位置や窒素溶解位置に近接させるのが望ましい。その理由は以下のとおりである。純水に対して脱気処理を施して溶存酸素濃度を低減させること自体は従来より多用されている。ところが、脱気処理からの時間経過とともに酸素が脱気処理された流体に溶解してしまい、その結果、溶存酸素濃度が上昇してしまうことについてはあまり考慮されていない。したがって、混合位置や窒素溶解位置に脱気位置を近接配置することにより、供給経路を流れる流体(純水や混合液)の脱気処理からの時間経過を短くすることができ、その結果、生成されたリンス液の溶存酸素濃度をさらに低減させることができる。
この発明にかかる基板処理方法の他の態様は、基板に処理液を供給して所定の湿式処理を施す湿式処理工程と、リンス液を生成するリンス液生成工程と、湿式処理工程後に、その一方端がノズルに接続された供給経路に沿って、リンス液をノズルに送り込んでノズルから基板にリンス液を供給し、リンス液により基板にリンス処理を施すリンス工程とを備え、リンス液生成工程は、供給経路の他方端側から送り込まれる純水に対して供給経路上の所定の混合位置で純水よりもpHが低い低pH物質を混合させるとともに、供給経路を流れる流体を脱気してリンス液を生成する工程であることを特徴としている。また、この発明にかかる基板処理装置の他の態様は、ノズルと、その一方端がノズルに接続された供給経路に沿ってノズルに向けて流れる純水に対して純水よりもpHが低い低pH物質を混合させて供給経路を流れる流体のpHを調整するpH調整手段と、供給経路を流れる流体を脱気する脱気手段とを備え、pH調整手段によりpH調整されるとともに脱気手段により脱気された、流体をリンス液として供給経路に沿ってノズルに送り込んでノズルから基板に供給し、リンス液により基板にリンス処理を施すことを特徴としている。
このような構成によれば、リンス処理に使用されるリンス液には純水よりもpHが低い低pH物質が混合されているとともに該リンス液は脱気されている。すなわち、純水に低pH物質を混合した後に該混合流体が脱気されたり、純水を脱気した後に該脱気済純水に低pH物質を混合させて、pH調整された脱気済流体がリンス液として生成される。そして、このリンス液をノズルから基板に供給することで、基板のリンス処理を行っている。このようにリンス液のpH調整と脱気処理とにより、基板からの被酸化物質の溶出低減および溶存酸素低減が効果的に実行されてリンス処理に伴う基板への酸化膜やウォーターマークの発生が防止される。
ここで、脱気位置については特に限定されるものではないが、混合位置やpH調整手段に対して供給経路の一方端側で供給経路を流れる混合液を脱気するのが好適である。というのも、当該構成を採用した場合には、純水と低pH物質との混合液に対して脱気処理が実行されることにより混合前に純水および低pH物質に溶存していた酸素を低減することができ、上記作用効果をより好適に発揮させることができるからである。なお、混合液のpHとしては種々の検証から2〜6とするのが好ましい。
また、供給経路のうち脱気処理が行われる脱気位置に対し、供給経路の一方端側において供給経路を流れる流体に窒素を溶解させるように構成してもよい。これにより、脱気処理からの時間経過とともに酸素が脱気処理された純水に溶解してしまうことを防止して、流体の溶存酸素濃度をさらに低減させることができる。なお、窒素溶解手段を設ける場合は、上記したように脱気処理からの時間経過が長くなる程、流体の溶存酸素濃度が高くなるので、脱気位置に対して窒素溶解位置を近接配置するのが望ましい。このような配置を採用することで、供給経路を流れる流体(純水や混合液)の脱気処理からの時間経過を短くすることができ、その結果、生成されたリンス液の溶存酸素濃度をさらに低減させることができる。
さらに、不活性ガス雰囲気中でリンス工程を行ってもよい。このような構成を採用することによって、リンス液および基板の周辺雰囲気の酸素濃度が低くなる。よって、リンス液に溶解することのできる酸素自体が低減され、リンス液がノズルから基板に向けて吐出されてから基板より除去されるまでの期間(例えば30秒程度)におけるリンス液の溶存酸素濃度の上昇をさらに抑制することができる。このような不活性ガス雰囲気は、例えば、リンス液が供給される基板に対向させながら基板から離間配置された雰囲気遮断手段と、雰囲気遮断手段と基板との間に形成される空間に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段とを設けることで実現される。
また、この発明にかかる基板処理システムは、純水を供給する純水供給ユニットと、純水供給ユニットから供給される純水を用いて基板に対するリンス処理を施す基板処理ユニットとを備えた基板処理システムであって、上記した目的を達成するために、基板処理ユニットは、ノズルと、その一方端がノズルに接続された供給経路に沿って純水供給ユニットから供給されノズルに向けて流れる純水に対して純水よりもpHが低い低pH物質を混合させて供給経路を流れる流体のpHを調整するpH調整手段と、供給経路を流れる流体に窒素を溶解させる窒素溶解手段とをユニット本体内に備え、pH調整手段によりpH調整されるとともに窒素溶解手段により窒素溶解された、流体をリンス液として供給経路に沿ってノズルに送り込んでノズルから基板に供給し、リンス液により基板にリンス処理を施している。
このように構成された基板処理システムでは、純水供給ユニットから純水が基板処理ユニットに供給され、基板処理ユニット内において、純水よりもpHが低い低pH物質が混合されるとともに窒素が溶解されたリンス液が生成される。すなわち、基板処理ユニット内において、純水に低pH物質を混合した後に該混合流体に窒素を溶解させたり、純水に窒素を溶解させた後に該窒素豊富な純水に低pH物質を混合したり、あるいは純水に低pH物質と窒素を同時に溶解させて、pH調整された窒素豊富な流体がリンス液として生成される。そして、このリンス液をノズルから基板に供給することで、基板のリンス処理を行っている。このようにリンス液のpH調整と窒素溶解とにより、基板からの被酸化物質の溶出低減および溶存酸素低減が効果的に実行されてリンス処理に伴う基板への酸化膜やウォーターマークの発生を防止することができる。
また、この発明にかかる基板処理システムは、純水を供給する純水供給ユニットと、純水供給ユニットから供給される純水を用いて基板に対するリンス処理を施す基板処理ユニットとを備えた基板処理システムであって、上記した目的を達成するために、純水供給ユニットから供給される純水に窒素を溶解させる窒素溶解手段を備え、基板処理ユニットは、ノズルと、その一方端がノズルに接続された供給経路に沿ってノズルに向けて流れ窒素溶解手段により窒素溶解された純水に対して純水よりもpHが低い低pH物質を混合させて供給経路を流れる流体のpHを調整するpH調整手段とをユニット本体内に備え、窒素溶解手段により窒素溶解されるとともにpH調整手段によりpH調整された、流体をリンス液として供給経路に沿ってノズルに送り込んでノズルから基板に供給し、リンス液により基板にリンス処理を施している。
このように構成された基板処理システムでは、純水供給ユニットから供給される純水に窒素が溶解され、窒素溶解された純水が基板処理ユニットに供給される。そして、基板処理ユニット内において、窒素溶解された純水に対して純水よりもpHが低い低pH物質が混合される。その結果、窒素溶解されるとともにpH調整された流体がリンス液として基板に供給される。これにより、基板からの被酸化物質の溶出低減および溶存酸素低減が効果的に実行されてリンス処理に伴う基板への酸化膜やウォーターマークの発生を防止することができる。
また、この発明にかかる基板処理システムは、純水を供給する純水供給ユニットと、純水供給ユニットから供給される純水を用いて基板に対するリンス処理を施す基板処理ユニットとを備えた基板処理システムであって、上記した目的を達成するために、基板処理ユニットは、ノズルと、その一方端がノズルに接続された供給経路に沿って純水供給ユニットから供給されノズルに向けて流れる純水に対して純水よりもpHが低い低pH物質を混合させて供給経路を流れる流体のpHを調整するpH調整手段と、供給経路を流れる流体を脱気する脱気手段とをユニット本体内に備え、pH調整手段によりpH調整されるとともに脱気手段により脱気された、流体をリンス液として供給経路に沿ってノズルに送り込んでノズルから基板に供給し、リンス液により基板にリンス処理を施している。
このように構成された基板処理システムでは、純水供給ユニットから基板処理ユニットに純水が供給され、基板処理ユニット内において、純水よりもpHが低い低pH物質が混合されるとともに脱気されたリンス液が生成される。すなわち、基板処理ユニット内において、純水に低pH物質を混合した後に該混合流体が脱気されたり、純水を脱気した後に該脱気済純水に低pH物質を混合させて、pH調整された脱気済流体がリンス液として生成される。そして、このリンス液をノズルから基板に供給することで、基板のリンス処理を行っている。このようにリンス液のpH調整と脱気処理とにより、基板からの被酸化物質の溶出低減および溶存酸素低減が効果的に実行されてリンス処理に伴う基板への酸化膜やウォーターマークの発生を防止することができる。
この発明によれば、リンス処理に用いるリンス液には純水よりもpHが低い低pH物質が混合されるとともに、窒素が溶解されたり、脱気処理が施されている。このため、リンス液の溶存酸素濃度の低下作用と被酸化物質の溶出低減作用とにより基板の酸化を防止するとともに、ウォーターマークの発生を防止することができる。
<リンス液のpHならびに溶存酸素濃度に対するSi溶出量>
本願発明者は、リンス液によるリンス処理に伴う基板への酸化膜やウォーターマークの発生メカニズムを突き止めるために、種々の実験や検証などを行った。その一つとして、リンス液のpHならびに溶存酸素濃度が酸化膜やウォーターマークの発生に与える影響を調べた。より具体的には、基板の代表例としてシリコン基板を選択し、溶存酸素濃度の異なる2種類のリンス液を用意してそれぞれについてpHを変更させながらSiの溶出量を評価した。
図1は、リンス液のpHならびに溶存酸素量に対するSiの溶出量の関係を示すグラフである。具体的には窒素溶解させた純水(以下、「窒素溶解水」という)と窒素溶解させていない純水(工場の用力から供給された純水、以下、「設備供給水」という)の2種類について、pHが異なるリンス液を作成して各リンス液へのSiの溶出量を求め、その結果を表したものである。同図の実験結果は以下の手順で求められる。まず、同様にHF処理されたSi基板(200mm径のpoly−Si基板)を容器内にセットしたものを各リンス液ごとに用意する。ついで、窒素溶解水(窒素溶解量:20ppb)と設備供給水の2種類についてそれぞれに作成した、pHが異なる3つのリンス液(100cc)を各容器にセットしたSi基板上にパドルさせる。そして、5分の溶出時間の経過後に各容器ごとにSi基板からリンス液を回収する。こうして回収した各リンス液中のSiの溶出量をVarian社製フレームレス原子吸光分析装置(FL−AAS Varian Spectr AA880Z)を用いて計測することで、各リンス液中のSiの溶出量が得られる。
図1から明らかなように、窒素溶解させたリンス液(窒素溶解水をもとに作成したリンス液)は、窒素溶解させていないリンス液(設備供給水をもとに作成したリンス液)に比べてpHの如何にかかわらず、基板表面からのSiの溶出量が少ない。すなわち、リンス液に窒素を溶解させてリンス液の溶存酸素濃度を低下させることで、Siの溶出が抑制されることが理解される。また、リンス液のpHが高い(アルカリ性の領域)ほどSi基板に対するエッチング速度が高くなり、基板表面からのSiの溶出が大きいことが分かる。このため、pHを低下させたリンス液を用いることでSiの溶出を抑制することができる。したがって、窒素溶解させるとともにpHを低下させたリンス液を用いることで、効果的にSiの溶出を抑制することができる。
さらに、このようにリンス液のpHを低下させることと窒素溶解させることを組合わせることにより以下の利点が得られる。すなわち、リンス液のpHを低下させることで基板表面からのSiの溶出をさらに抑制できるものの、pHを下げ過ぎると基板を腐食させてしまう。つまり、リンス液のpH低下には限度があるが、リンス液に窒素を溶解させてリンス液の溶存酸素濃度を低下させることで、pH低下のみでは腐食の問題で実現できない範囲までSiの溶出を抑制することができる。したがって、このようなリンス液を用いることによって、基板への酸化膜の発生を防止するとともに、基板表面からのSiの溶出を効果的に抑制してウォーターマークの発生を防止することができる。
また、リンス液の溶存酸素濃度を低減させる方法としては、リンス液に窒素を溶解させるほか、リンス液を脱気することでもリンス液の溶存酸素を低減させることが可能である。このため、リンス液のpHを低下させるとともに脱気されたリンス液を用いることでも、基板への酸化膜の発生を防止するとともに、基板表面からのSiの溶出を効果的に抑制することができる。
そこで、上記知見に鑑みてリンス液のpH調整と溶存酸素低減とを組み合わせることで、基板への酸化膜やウォーターマークが発生するのを防止している。以下、図面を参照しつつ具体的な実施形態について詳述する。
<第1実施形態>
図2は、本発明の第1実施形態にかかる基板処理システム全体の構成を示す断面図である。また、図3は図2の基板処理システムの制御構成を示すブロック図である。この基板処理システムは、基板処理装置(基板処理ユニット)100と、基板処理装置100とは別個に設けられて該装置100に純水を供給する純水供給部200(純水供給ユニット)とを備えている。この基板処理装置100は、図2に示すように、スピンチャック1により基板Wを保持した状態で、その基板Wに対して膜除去処理、リンス処理、乾燥処理を同一の処理ユニット本体101内で実行する。基板処理装置100にて使用される純水は管201を介して純水供給部200から基板処理装置100に供給される。
このスピンチャック1は、基板裏面側の遮断部材としての機能を兼ねた円盤状のベース部材2と、その上面に設けられた3個以上の保持部材3とを備えている。これらの保持部材3のそれぞれは基板Wの外周端部を下方から載置支持する支持部3aと、基板Wの外周端縁の位置を規制する規制部3bとを有している。そして、これらの保持部材3はベース部材2の外周端部付近に設けられている。また、各規制部3bは、基板Wの外周端縁に接触して基板Wを保持する作用状態と、基板Wの外周端縁から離れて基板Wの保持を解除する非作用状態とを採り得るように構成されており、非作用状態で搬送ロボット(図示省略)によって支持部3aに対する基板Wの搬入/搬出を行う一方、基板Wの表面を上側にして支持部3aに載置された後で各規制部3bを作用状態に切替えることで基板Wがスピンチャック1に保持される。なお、この保持部材3(規制部3b)の動作は、例えば、特開昭63−153839号公報に開示されているリンク機構などで実現することができる。
また、ベース部材2の下面には、回転軸4の上方端部が取付けられている。そして、この回転軸4の下方端部にプーリ5aが固着されるとともに、このプーリ5aとモータ5の回転軸に固着されたプーリ5bとの間にベルト5cを介してモータ5の回転駆動力が回転軸4に伝達されるように構成されている。このため、モータ5を駆動することでスピンチャック1に保持された基板Wは基板Wの中心周りに回転される。
ベース部材2の中央部にはノズル6が設けられている。ノズル6は中空の回転軸4の中心軸に沿って内接された管7や、管8を介して基板裏面に処理液やリンス液を供給する液供給部50に接続されている。なお、液供給部50の構成および動作について後で後述する。
また、ベース部材2の中央部にはノズル6と同軸に開口16が設けられている。この開口16は、上記管7と同軸に回転軸4内に設けられた中空部17や、開閉弁18を介装した管19を介してガス供給部20に連通接続されている。このため、開閉弁18を開にすることにより、本発明の「雰囲気遮断手段」として機能するベース部材2と基板Wの裏面との間に不活性ガス(例えば、窒素ガス)を供給し、その空間を不活性ガス雰囲気にパージし得るように構成されている。
スピンチャック1の上方には本発明の「雰囲気遮断手段」として機能する遮断部材21が設けられている。この遮断部材21は、鉛直方向に配設された懸垂アーム22の下端部に取り付けられている。また、この懸垂アーム22の上方端部には、モータ23が設けられ、モータ23を駆動することにより、遮断部材21が懸垂アーム22を回転中心として回転されるようになっている。なお、スピンチャック1の回転軸4の回転軸芯と懸垂アーム22の回転軸芯とは一致されていて、雰囲気遮断手段としてのベース部材2,および遮断部材21、ならびにスピンチャック1に保持された基板Wは同軸周りに回転されるようになっている。また、モータ23は、スピンチャック1(に保持された基板W)と同じ方向でかつ略同じ回転速度で遮断部材21を回転させるように構成されている。
遮断部材21の中央部にはノズル25が設けられている。ノズル25は、中空の懸垂アーム22の中心軸に沿って内設された管26や、管27を介して基板表面に処理液やリンス液を供給する液供給部70に接続されている。なお、液供給部70の構成および動作について後で詳述する。
また、遮断部材21の中央部にはノズル25と同軸に開口35が設けられている。この開口35は、上記管26と同軸に懸垂アーム22内に設けられた中空部36や、開閉弁37を介装した管38を介してガス供給部39に連通接続されている。そして、スピンチャック1に保持された基板Wの表面に遮断部材21が近接配置された状態で、開閉弁37を開にすることにより、遮断部材21と基板Wの表面との間に不活性ガス(例えば、窒素ガス)を供給し、その空間を不活性ガス雰囲気にパージし得るように構成されている。このように、この実施形態では、中空部17,36、開閉弁18,37、管19,38、ガス供給部20,39によって「不活性ガス供給手段」が構成されている。
また、スピンチャック1の周囲には処理液の周囲への飛散を防止するカップ40が配設されている。カップ40に補集された処理液は装置外へ排液され、図示省略されているが、カップ40の下方に設けられたタンクに蓄えられる。
次に、液供給部50,70の構成について説明する。なお、液供給部50,70はともに同一構成を有しているため、ここでは一方の液供給部50の構成について説明し、他方の液供給部70の構成については相当の符号を付して説明を省略する。この液供給部50は、処理ユニット本体101内に配置されており、フッ酸を供給するフッ酸供給源51と、塩酸(本発明の「低pH物質」に相当)を供給する塩酸供給源52aと、窒素溶解ユニット58とを備えている。この窒素溶解ユニット58は、例えばタンクを用いたバブリング装置や中空糸を用いた既存の装置が用いられる。そして、フッ酸供給源51が開閉弁53を介装した管54を介してミキシングユニット55に接続される一方、処理ユニット本体101とは別個に設けられた純水供給部200が管201を介して窒素溶解ユニット58のインレットに接続されている。また、この窒素溶解ユニット58には、別のインレットが設けられており、図示を省略する窒素ガス供給源と接続されている。そして、純水供給部200からの純水に対して窒素ガス供給源からの窒素ガスを溶解させて窒素豊富な純水を生成する。さらに、この窒素溶解ユニット58のアウトレットは、開閉弁56ならびにミキシングユニット52bを介装した管57を介してミキシングユニット55に接続されている。なお、ミキシングユニット52bは、開閉弁52cを介装した管52dを介して塩酸供給源52aと接続されており、窒素溶解ユニット58から供給される窒素溶解された純水に対して塩酸を混合可能となっている。そして、混合させる塩酸の流量を制御することで窒素溶解された混合液(純水+塩酸)のpHが調整される。また、ミキシングユニット55は管7,8を介してノズル6に接続されており、ノズル6から窒素溶解されるとともにpH調整された混合液がリンス液として基板Wに向けて吐出可能となっている。このように、この実施形態では、塩酸供給源52a,ミキシングユニット52b,開閉弁52cおよび管52dがpH調整ユニット52を構成している。
そして、装置全体を制御する制御部80からの制御指令に応じて開閉弁53,56の開閉の切換えによりミキシングユニット55から管8にフッ酸水溶液または窒素が溶解された純水を選択的に基板Wの表面に向けて供給可能となっている。すなわち、開閉弁53,56をすべて開にすると、フッ酸および純水がミキシングユニット55に供給されて所定濃度のフッ酸水溶液が調合される。そして、このフッ酸水溶液が管7、8を介してノズル6から基板Wの裏面に向けて吐出されて該基板裏面に付着する膜をエッチング除去する。また、開閉弁53を閉にして開閉弁56を開にするとともに、開閉弁52cを開にすると窒素溶解されるとともにpH調整されたリンス液が管7、8を介してノズル6から基板Wの裏面に供給されてリンス処理を行うことができる。ここでは、被処理対象に合わせて塩酸の流量を制御することでリンス液のpHが調整されるが、被処理対象がSi基板である場合には、リンス液のpHはSiの溶出量の抑制ならびに腐食の問題から2〜6の範囲になるように調整される。このように、この実施形態では、基板Wの裏面側については、窒素溶解ユニット58が本発明の「窒素溶解手段」に、pH調整ユニット52が本発明の「pH調整手段」に相当している。また、基板Wの表面側については、窒素溶解ユニット78が本発明の「窒素溶解手段」に、塩酸供給源72a,ミキシングユニット72b,開閉弁72cおよび管72dから構成されるpH調整ユニット72が本発明の「pH調整手段」に相当している。
このように、基板Wの裏面側については、その一方端がノズル6に接続された供給経路(201−57−8−7)に沿って処理ユニット本体101外の純水供給部200からノズル6に向けて流れる純水に対して窒素溶解ユニット58により窒素溶解させるとともにpH調整ユニット52により塩酸を混合させることで混合液のpHを調整している。そして、窒素溶解されるとともにpH調整された混合液をリンス液としてノズル6から基板Wの裏面に供給してリンス処理を施している。同様にして、基板Wの表面側については、その一方端がノズル25に接続された供給経路(201−77−27−26)に沿って処理ユニット本体101外の純水供給部200からノズル25に向けて流れる純水に対して窒素溶解ユニット78により窒素溶解させるとともにpH調整ユニット72により塩酸を混合させることで混合液のpHを調整している。そして、窒素溶解されるとともにpH調整された混合液をリンス液としてノズル25から基板Wの表面に供給してリンス処理を施している。
次に上記のように構成された基板処理システムの動作について図4を参照しつつ説明する。図4は、図2の基板処理システムの動作を示すフローチャートである。基板処理装置100では、搬送ロボットにより未処理基板Wがスピンチャック1に搬送され、保持部材3により保持された(ステップS1)後、装置全体を制御する制御部80に装置各部が以下のように制御されて膜除去処理、リンス処理、乾燥処理がこの順序で行われる。
ステップS2で、スピンチャック1に保持された基板Wの表面に遮断部材21を近接配置させた後、基板Wがベース部材2と遮断部材21とに挟まれた状態で、モータ5の駆動を開始してスピンチャック1とともに基板Wを回転させる。また、開閉弁53,73,56,76をすべて開いてフッ酸および純水をミキシングユニット55,75に供給し、所定濃度のフッ酸水溶液を調合するとともに、該フッ酸水溶液をノズル6,25に圧送する。これにより該ノズル6,25から基板Wの両面へのフッ酸水溶液の供給が開始される(ステップS3)。これにより基板Wの両面に付着する膜のエッチング除去が開始される。このように、この実施形態では、膜除去工程が本発明の「湿式処理工程」に相当する。
ステップS4で膜除去処理が完了したことが確認されると、開閉弁53,73,56,76をすべて閉じ、ノズル6,25から基板Wへのフッ酸水溶液の供給を停止した後、基板Wを高速回転させてフッ酸水溶液を振り切って装置外へ排液する。
こうしてフッ酸水溶液の液切りが完了すると(ステップS5)、開閉弁18,37を開いて、基板Wとベース部材2および遮断部材21との間の空間に不活性ガスを供給する。基板Wの周辺雰囲気を不活性ガス雰囲気にした後、開閉弁56,76を開くとともに開閉弁52c,72cを開くと、窒素溶解されるとともにpH調整されたリンス液が生成(本発明の「リンス液生成工程」に相当)されるとともに、該リンス液が基板Wの両主面に供給され、基板Wに対してリンス処理(本発明の「リンス工程」に相当)が行われる(ステップS6)。そして、開閉弁56,76,52c,72cを閉じてリンス処理終了後、基板Wが乾燥するまで基板Wを回転させ続け、基板Wの乾燥終了後、基板の回転を停止するとともに開閉弁18,37を閉じて不活性ガスの供給を停止する(ステップS7)。
こうして、一連の基板処理(膜除去処理、リンス処理および乾燥処理)が完了すると、遮断部材21をスピンチャック1に保持された基板Wの表面から離間させるとともに、保持部材3による基板保持を解除した後、搬送ロボットが処理済の基板Wを次の基板処理装置に搬出する(ステップS8)。
以上のように、この実施形態によれば、窒素溶解されるとともにpH調整されたリンス液を用いて基板Wをリンス処理しているので、次のような作用が得られる。まず、リンス液のpHを純水に比べて低下させることで基板表面からのSiの溶出を抑制することができる。また、リンス液には窒素が溶解されているのでリンス液の溶存酸素濃度を低下させることができるとともに、リンス液がノズル6,25から基板Wに向けて吐出されてから乾燥処理の完了(つまり、リンス液が基板Wより除去される)までの期間(例えば30秒程度)に、リンス液の溶存酸素濃度が急速に上昇するのを効果的に抑えることができる。しかも、リンス液の溶存酸素濃度を低下させることで、基板表面からのSiの溶出をさらに抑制することができる。
このように、この実施形態ではリンス液のpHならびに溶存酸素濃度を低下させてSiの溶出を抑制しているので以下の利点が得られる。すなわち、基板Wを腐食させる問題からリンス液のpH低下には限度があるが、リンス液中の溶存酸素濃度を低下させることで、pH低下のみでは腐食の問題で実現できない範囲までSiの溶出を抑制することができる。その結果、基板Wへの酸化膜の発生を防止するとともに、基板表面からのSiの溶出を効果的に抑制してウォーターマークの発生を防止することができる。
また、リンス処理と乾燥処理とを実行している間、基板Wの周辺雰囲気を不活性ガス雰囲気にしていることから、リンス液に溶解できる基板Wの周りの酸素量を低減することができる。したがって、リンス液がノズルから基板Wに向けて吐出されてから基板Wより除去されるまでの期間(例えば30秒程度)におけるリンス液の溶存酸素濃度の上昇をさらに抑制できる。その結果、基板Wへの酸化膜やウォーターマークの発生をより効果的に抑制することができる。
また、この実施形態によれば、窒素溶解ユニット58、78を処理ユニット本体101内に設けているので、リンス液が生成されてからノズル6、25より吐出されるまでの流通経路を短くすることができる。このため、生成されたリンス液は速やかに基板Wに供給されることとなり、窒素溶解の効果が持続する時間内にリンス液を基板Wに供給して基板Wをリンス処理することができる。その結果、リンス液の溶存酸素濃度の上昇をさらに効果的に抑制することができる。
<第2実施形態>
図5は、本発明の第2実施形態にかかる基板処理システムの構成を示す図である。この第2実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は、第1実施形態では、基板処理装置100が設置される工場の用力から供給される純水を直接、窒素溶解ユニット58,78に供給してリンス液を生成しているのに対し、この第2実施形態では、純水を脱気ユニット59,79で脱気処理をした直後に窒素溶解ユニット58,78に供給してリンス液を生成している点である。このように、この実施形態では、本発明の「脱気手段」に相当する脱気ユニット59,79を処理ユニット本体101内に追加的に設けている。すなわち、基板Wの裏面側については、窒素溶解ユニット58に対して、その一方端がノズル6に接続された供給経路(201−57−8−7)の他方端側に脱気ユニット59を追加的に配設するとともに、基板Wの表面側については、窒素溶解ユニット78に対して、その一方端がノズル25に接続された供給経路(201−77−27−26)の他方端側に脱気ユニット79を追加的に配設している。そのため、次のような作用効果をさらに得ることができる。
従来、基板処理装置100が設置される工場では、工場に隣接された脱気処理施設によって純水に対して脱気処理が施されて純水中の溶存酸素濃度が低減されている。そして、この脱気処理済の純水が工場の用力ライン(管201)に供給されている。しかしながら、この純水には、脱気処理施設から用力ラインを介して基板処理装置100に到達するまでの期間に酸素が溶解してしまい、純水の溶存酸素濃度は脱気処理直後より上昇してしまっている。これに対し、この実施形態では、窒素溶解ユニット58,78に隣接して脱気ユニット59,79が設けられている。このため、脱気ユニット59,79による脱気処理(本発明の「脱気工程」に相当)により低溶存酸素濃度となった純水が直ちに窒素溶解ユニット58,78に供給されることとなるため、第1実施形態よりも溶存酸素濃度が低いリンス液を生成することができる。
なお、このように構成された基板処理システムにおいても、図4に示す動作手順にて一連の基板処理(膜除去処理、リンス処理および乾燥処理)が実行され、先の実施形態と同様の作用効果が得られる。すなわち、リンス液のpHを純水に比べて低下させるとともにリンス液の溶存酸素濃度を低下させることで基板表面からのSiの溶出を抑制することができる。また、ノズル6、25から基板Wへ向けてリンス液が吐出されてから乾燥処理が完了する(つまり、基板Wよりリンス液が除去される)までの期間(例えば30秒程度)にリンス液の溶存酸素濃度が上昇するのを抑制することができる。さらに、この実施形態では、脱気直後の純水に窒素を溶解させているので先の実施形態よりも溶存酸素濃度が低減されたリンス液を生成することができる。その結果、基板Wへの酸化膜やウォーターマークの発生をさらに効果的に抑制することができる。
また、この第2実施形態では、脱気ユニット59、79を窒素溶解ユニット58、78とともに処理ユニット本体101内に設けているので、純水が脱気、窒素溶解されるとともに、pH調整されてなるリンス液が生成され、該リンス液がノズル6、25より吐出されるまでの流通経路を短くすることができる。そのため、生成されたリンス液は速やかに基板Wに供給されることとなり、リンス液の溶存酸素濃度の上昇をさらに効果的に抑制することができる。
<第3実施形態>
図6は、本発明にかかる基板処理システムの第3実施形態を示す図である。この第3実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は、第1実施形態は、窒素溶解ユニット58、(78)により窒素を溶解させた純水に塩酸を混合させてリンス液を生成しているのに対し、この第3実施形態では純水に塩酸を混合させた混合液に窒素溶解ユニット68により窒素を溶解させている点である。このように構成することで以下の利点が得られる。すなわち、第1実施形態では窒素溶解された純水にインラインで塩酸を混合させているため、塩酸の流量制御が難しく、リンス液のpHを微調整することが困難である。というのもリンス液のpHを所望の値に調整するために、少量の塩酸を制御する必要があるからである。一方で、この実施形態では純水に塩酸を混合させて混合液のpHを調整した後に、pH調整された混合液の一部(または全部)を取り出して窒素溶解させているので、リンス液のpHを微調整することが容易である。
図6に示すように、処理ユニット本体101外に設けられた純水供給部200からの純水はキャビネット部400に供給される。このキャビネット部400は、複数種類の薬液および純水を組み合わせて処理液を生成するために多用されているものであるが、この実施形態では純水と塩酸を混合させてなるリンス液を生成するために用いられている。このキャビネット部400は、純水と塩酸の混合液を貯留する貯留タンク41を備えており、この貯留タンク41には貯留タンク41内に純水を供給するための管201の一端が取り込まれており、その他方端が開閉弁202を介して処理ユニット本体101とは別個に設けられた純水供給部200に連通接続されている。また、この貯留タンク41には貯留タンク41内に塩酸を供給するための管62aの一端が取り込まれており、その他方端が開閉弁62bを介して塩酸供給源62に接続されている。
また、貯留タンク41には、その一端が窒素溶解ユニット68のインレットに接続された供給管42の他端が挿入され、貯留タンク41に貯留されている混合液を開閉弁43を介して窒素溶解ユニット68に供給可能に構成されている。この供給管42には、貯留タンク41に貯留されている混合液を供給管42に送り出す定量ポンプ44や、定量ポンプ44により供給管42に送り出される混合液の温度を調整する温調器45、混合液中の不純物等を除去するフィルタ46が設けられている。
また、供給管42の開閉弁43とフィルタ46との間には供給管42から分岐された循環管47が設けられている。このため、循環管47を介して定量ポンプ44により送り出された混合液を温調器45、フィルタ46を通過させて貯留タンク41に戻すようにすることで、混合液を循環可能に構成している。この循環管47には開閉弁48が介装されており、開閉弁48を開とし、開閉弁43を閉にすることで混合液を循環させることができる。一方、開閉弁43を開とし、開閉弁48を閉にすることで混合液を窒素溶解ユニット68に供給することができる。また、窒素溶解ユニット68のアウトレットは管67に接続され、管67はさらに開閉弁56、76を介装した分岐管57、77を介してそれぞれ、ノズル6、25に連通接続されている。
このように構成された基板処理システムにおいては、貯留タンク41内で純水供給部200からの純水と、塩酸供給部62からの塩酸を混合させることで、所定のpHに調整された混合液が生成される。そして、開閉弁43を閉とした状態で、開閉弁48を開にすることでpH調整された混合液を温度調整するとともに、混合液中の不純物等を除去しつつ、循環させることができる。ここで、開閉弁43を開とし、開閉弁48を閉にすることでpH調整された混合液が窒素溶解ユニット68に送り込まれ、該窒素溶解ユニット68により、pH調整された混合液に窒素が溶解される。さらに、開閉弁56、76を開にすることでノズル6、25からpH調整されるとともに窒素溶解された混合液がリンス液として基板Wの両主面に供給され、基板Wに対してリンス処理が行われる。
このように、この実施形態では、基板Wの裏面側については、その一方端がノズル6に接続された供給経路(201−貯留タンク41−42−67−57−8−7)に沿って処理ユニット本体101外の純水供給部200からノズル6に向けて流れる純水に対して貯留タンク41内で塩酸を混合させることで混合液(純水+塩酸)のpHを調整するとともに、該混合液に窒素溶解ユニット68により窒素溶解させている。そして、pH調整されるとともに窒素溶解された混合液をリンス液としてノズル6から基板Wの裏面に供給してリンス処理を施している。同様にして、基板Wの表面側については、その一方端がノズル25に接続された供給経路(201−貯留タンク41−42−67−77−27−26)に沿って貯留タンク41内でpHを調整された混合液に窒素溶解ユニット68により窒素溶解させている。そして、pH調整されるとともに窒素溶解された混合液をリンス液としてノズル25から基板Wの表面に供給してリンス処理を施している。
以上のように、この実施形態においても、リンス液はpH調整されるとともに窒素溶解されているので、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。すなわち、リンス液の溶存酸素低下作用と基板表面からのSiの溶出低減作用により、基板Wの酸化を防止するとともに、ウォーターマークの発生を防止することができる。さらに、この実施形態では、貯留タンク41内に混合液を一旦溜めてリンス液のpH調整を行っているので、リンス液のpH微調整が容易である。
また、貯留タンク41は密閉式のタンクで構成されている。このため、貯留タンク41内に窒素を供給して貯留タンク41内の混合液が貯留されていない空間を窒素で置換してパージするようにすると、貯留タンク41内の混合液に窒素を溶解させることができる。その結果、pH調整された混合液に窒素溶解ユニット68により窒素溶解させるのと同様な効果を得ることができる。
なお、この実施形態においても第2実施形態と同様にして窒素溶解ユニット68の上流側に脱気ユニットを設けてもよい。例えば、窒素溶解ユニット68と開閉弁43との間、あるいは貯留タンク41を窒素で置換する場合には、貯留タンク41と開閉弁202との間に脱気ユニットを設けるようにしてもよい。このように構成することで、リンス液の溶存酸素濃度をさらに低減させることができ、基板Wの酸化やウォーターマークの発生を効果的に防止することができる。
<第4実施形態>
図7は、本発明にかかる基板処理システムの第4実施形態を示す図である。この第4実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は、第1実施形態は、基板Wを1枚ずつ処理する、いわゆる枚葉式であるのに対し、この第4実施形態では複数の基板Wを一括して処理する、いわゆるバッチ式となっている点である。このバッチ式の基板処理システムにおいては、例えば、複数の基板Wに対して一連の各種処理(処理液による膜除去処理、リンス処理、乾燥処理)を施すために、エッチング液(フッ酸水溶液等)などの処理液を貯留し、基板Wに膜除去処理を施す膜除去処理槽、リンス液である純水を貯留し、基板Wにリンス処理を施すリンス処理槽、さらにスピンドライなどで基板Wを乾燥させる乾燥処理槽が設けられている。図7は、このうちのリンス処理にかかる基板処理システムを示したものである。
図7に示すリンス処理槽91は、膜除去処理槽において膜除去処理が施された後に、基板Wの表面に付着した処理液やそれによって発生したパーティクル等を洗い流すリンス処理を実行する。具体的には、膜除去処理槽において処理された複数の基板Wを3つのアーム92aで保持可能なリフタ装置92に受け渡してリンス処理槽91においてリフタ装置92を下降させることで、複数の基板Wがリンス液中に浸漬させられる。リンス液である純水は、リンス処理槽91において、槽底部から供給される手前でリンス液供給用の管93、さらにその分岐管93a、93bを介して、その槽底部で左右平行に配設された両リンス液供給部94a、94bからそれぞれ中央側に向けて射出されるようになっている。これら一対のリンス液供給部94a、94bには、処理液内に浸漬された複数の基板Wの左右下方側から各基板Wの間ごとにリンス液を吐出する複数のノズル(図示省略)がそれぞれ配設されており、これらのノズルから各基板Wの間ごとにそれぞれ吐出されたリンス液は、左右両側から噴出したリンス液が槽中央部で上昇流を形成しつつ上昇し、槽上部の開口部からオーバーフローするようになっている。このオーバーフローで処理液によって生じたパーティクル等の汚染物質を処理液や純水とともにオーバーフロー槽95a、95bで受け、槽外に排出させるようになっている。
次に、液供給部50の構成について説明する。液供給部50の構成は、処理液としてフッ酸を供給するフッ酸供給系がないことを除けば(これらは膜除去処理槽に設けられている)、基本的に第1実施形態と同様である。すなわち、基板処理装置100とは別個に設けられた純水供給部200が管201を介して窒素溶解ユニット58のインレットに接続され、窒素溶解ユニット58のアウトレットが開閉弁56ならびにミキシングユニット52bを介装した管93、さらにその分岐管93a、93bを介して、リンス液供給部94a、94bに接続されている。また、ミキシングユニット52bは、開閉弁52cを介装した管52dを介して塩酸供給源52aと接続されており、窒素溶解ユニット58から供給される窒素溶解された純水に対して塩酸を混合可能となっている。このため、開閉弁52cを調整することで窒素溶解された純水に塩酸を混合させて混合液のpH調整が可能となっている。そして、開閉弁52cを開にするとともに開閉弁56を開にすることで窒素溶解されるとともにpH調整された混合液がリンス液としてリンス処理槽91に浸漬された各基板Wに供給される。
このように、この実施形態では、その一方端がリンス液供給部94a、94bに配設されたノズルに接続された供給経路(201−93−93aまたは201−93−93b)に沿って処理ユニット本体101外の純水供給部200からノズルに向けて流れる純水に対して窒素溶解ユニット58により窒素溶解させるとともにpH調整ユニット52により塩酸を混合させることで混合液のpHを調整している。そして、窒素溶解されるとともにpH調整された混合液をリンス液としてノズルから各基板Wに供給してリンス処理を施している。
また、リンス処理槽91は、密閉構造体96に収容されるとともに、この密閉構造体96には、開閉弁18を介挿した管19を介してガス供給部20が連通接続されている。このため、開閉弁18を開にすることにより、密閉構造体96内に不活性ガス(窒素など)を供給してリンス処理槽91の周辺近傍を不活性ガスで満たし、図示省略する排気口よりパージし得るように構成されている。
以上のように、この実施形態では、窒素溶解された純水に塩酸を混合させてなるリンス液がリンス処理槽91に浸漬された複数の基板Wに供給されるので、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。すなわち、窒素溶解されるとともにpH調整されたリンス液を用いて基板Wをリンス処理しているので、次のような作用が得られる。まず、リンス液のpH調整により基板表面からのSiの溶出を抑制することができる。また、リンス液への窒素溶解効果によりリンス液の溶存酸素濃度を低下させることができるとともに、Siの溶出をさらに抑制することができる。このため、基板Wの酸化を防止するとともに、ウォーターマークの発生を防止することができる。
なお、この実施形態においても第2実施形態と同様にして窒素溶解ユニット58の上流側に脱気ユニットを設けてもよい。このように構成することで、リンス液の溶存酸素濃度をさらに低減させることができ、基板Wの酸化やウォーターマークの発生を効果的に防止することができる。
また、リンス処理槽91の周辺近傍を不活性ガス雰囲気にしていることから、リンス液に溶け込む酸素量が低減されてリンス液の溶存酸素濃度の上昇をさらに抑制するとともに、基板Wのリンス処理槽91への搬入出に伴う基板Wの酸化を防止することができる。したがって、さらに基板Wの酸化やウォーターマークの発生をより効果的に防止することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記した実施形態では、基板Wの両面に一連の処理を施しているが、一方面に対してのみ基板処理を施す基板処理装置および基板処理システムに本発明を適用することができる。例えば、酸化膜やウォーターマークの発生が問題となる面が基板Wの一方面のみである場合には、該一方面のみに対して基板処理を施すようにすればコスト面で有利となる。
また、上記実施形態では、「低pH物質」として塩酸を添加することで、リンス液のpHを調整しているが、これに限定されない。例えば、フッ酸または炭酸水を混合させることでも同様な効果を得ることができる。フッ酸を純水に混合させてリンス液のpH調整する場合は、例えば上記第1、2実施形態において、pH調整ユニット52、72を設けることなく、そのまま処理液として用いているフッ酸供給源51、71からのフッ酸を利用すればよい。この場合、リンス処理時に開閉弁56、76を開にするとともに開閉弁53、73を調整することで、リンス液に所定量のフッ酸が添加される。これによって、リンス液を所望のpHに調整することができる。なお、純水に窒素を溶解させた後にフッ酸を混合させてpHを調整する場合に限らず、純水に窒素を溶解させる前に予めフッ酸を混合させてpHを調整するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、純水に窒素を溶解させて窒素豊富なリンス液を生成したが、純水の代わりに超純水を用いてリンス液を生成すればより好ましい。
また、上記第1、3、4実施形態では、窒素溶解によりリンス液の溶存酸素濃度を低下させているが、リンス液の溶存酸素濃度を低下させるために、純水またはpH調整された混合液を脱気手段により脱気するようにしてもよい。例えば第1実施形態において、図8に示すように、窒素溶解ユニット58,78に代えて脱気ユニット(脱気手段)59,79を配設するようにしてもよい。この構成によれば、純水供給部(純水供給ユニット)200からの純水が基板処理装置(基板処理ユニット)100に供給され、処理ユニット本体101内において、純水を脱気した後に該脱気済純水に低pH物質が混合される。また、図9に示すように、pH調整ユニット52,72に対して供給経路の一方端側(ノズル6,25側)に脱気ユニット59,79を配設するようにしてもよい。この構成によれば、純水供給部200からの純水が基板処理装置100に供給され、処理ユニット本体101内において、純水に塩酸等の低pH物質が混合された後に、該混合流体が脱気される。そして、pH調整されるとともに脱気された流体をリンス液としてノズル6,25から基板Wに供給して基板Wのリンス処理を行っている。このようにリンス液のpH調整と脱気処理とにより、基板WからのSi(被酸化物質)の溶出低減および溶存酸素低減が効果的に実行されてリンス処理に伴う基板Wへの酸化膜やウォーターマークの発生が防止される。
特に、混合位置やpH調整ユニット52,72に対して供給経路の一方端側(ノズル6,25側)で混合液を脱気した場合(図9)には、純水と低pH物質との混合液に対して脱気処理が実行されることにより混合前に純水および低pH物質に溶存していた酸素を低減することができ、上記作用効果をより好適に発揮させることができる。
さらに、脱気手段の下流側(ノズル側)に窒素溶解ユニットを設けることで、脱気された純水または脱気されるとともにpH調整された混合液(以下、これらを「脱気済流体」という)に対して窒素を溶解(本発明の「窒素溶解工程」に相当)させるようにしてもよい。これにより、脱気処理からの時間経過とともに酸素が脱気済流体に溶解してしまうことを防止して、脱気済流体の溶存酸素濃度をさらに低減させることができる。
また、上記第1、2、4実施形態では、純水(または脱気された純水)に窒素溶解させた後に該窒素豊富な純水に塩酸等の低pH物質を混合させてリンス液を生成しているが、純水に低pH物質を混合させた後に該混合液に窒素を溶解させたり、あるいは純水に低pH物質と窒素を同時に溶解させてpH調整された窒素豊富な流体をリンス液として生成してもよい。
また、上記実施形態では、窒素溶解ユニット58,(78)を処理ユニット本体101内に設けているが、図10に示すように、窒素溶解ユニット58,(78)を処理ユニット本体101外に設けてもよい。具体的には、純水供給部(純水供給ユニット)200と処理ユニット本体101とを連通する工場の用力ライン(管201)に窒素溶解ユニット58,(78)を介挿するようにしてもよい。このように窒素溶解ユニット58、(78)を処理ユニット本体101外に設けることで、処理ユニット本体101をコンパクトに構成することができるという利点が得られる。
ここで、純水供給部200について、図10を参照しつつ詳しく説明すると、純水供給部200は、純水を供給する純水供給源200aと、純水供給源200aからの純水を純水供給源200aに戻すことによって循環させる循環経路200bとを備えており、循環経路200bを循環する純水は、脱気処理施設(図示省略)によって脱気処理が施されて純水中の溶存酸素濃度が低減されている。しかしながら、このように予め脱気処理によって溶存酸素濃度を低減させていたとしても、循環経路200bから分岐して処理ユニット本体101に連通する用力ライン(管201)を介して純水が処理ユニット本体101に到達するまでの期間に酸素が溶解してしまい、純水の溶存酸素濃度は脱気処理直後より上昇することとなる。
これに対し、処理ユニット本体101外に窒素溶解ユニット58、(78)を設けて窒素溶解ユニット58,(78)により純水に窒素を溶解させるようにすると、処理ユニット本体101に到達する純水の溶存酸素濃度の上昇を抑制することができる。このような観点から窒素溶解ユニット58、(78)は、純水への酸素の溶存が懸念される循環経路200bから分岐した直後に設けることが望ましいが、一方で窒素添加の効果の持続時間を考慮して、窒素溶解ユニット58、(78)からそれぞれ、ノズル6、(25)の吐出口に至るまでのリンス液の流通経路内の容量が200L以内に窒素溶解ユニット58、(78)を配設することが望ましい。
また、上記第2実施形態において処理ユニット本体101外に窒素溶解ユニット58、(78)を設ける場合には、脱気ユニット59、(79)についても処理ユニット本体101外であって窒素溶解ユニット58、(78)の上流側に設けることが望ましい。というのも、脱気処理から窒素溶解処理までの時間経過を短くすることで、リンス液の溶存酸素濃度を効果的に低減することができるからである。
さらに、pH調整ユニット52、72またはキャビネット部400についても処理ユニット本体101外に設けるようにしてもよい。このように配設することで処理ユニット本体101をコンパクトに構成することができる。
また、上記実施形態では、フッ酸水溶液を処理液として基板Wに供給して基板に対する湿式処理を行っているが、これ以外の処理液(例えば洗浄液や現像液など)を基板に供給して所定の湿式処理(例えば洗浄処理や現像処理など)を行う基板処理装置および基板処理システムに対して本発明を適用することができる。要は、リンス液を基板に供給してリンス処理を行う基板処理装置および基板処理システム全般に本発明を適用することができる。
基板に処理液を供給して所定の湿式処理を施した後に、リンス液として純水を用いて基板に対してリンス処理を施す基板処理装置および基板処理システムに適用される。
リンス液のpHならびに溶存酸素量に対するSiの溶出量の関係を示すグラフである。 本発明の第1実施形態にかかる基板処理システム全体の構成を示す断面図である。 図1の基板処理システムの制御構成を示すブロック図である。 図1の基板処理システムの動作を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態にかかる基板処理システムの構成を示す図である。 本発明の第3実施形態にかかる基板処理システムの構成を示す図である。 本発明の第4実施形態にかかる基板処理システムの構成を示す図である。 本発明の他の実施形態にかかる基板処理システムの構成を示す図である。 本発明の他の実施形態にかかる基板処理システムの構成を示す図である。 本発明のさらに他の実施形態にかかる基板処理システムの構成を示す図である。
符号の説明
2…ベース部材(雰囲気遮断手段)
6、25…ノズル
20、39…ガス供給部(不活性ガス供給手段)
21…遮断部材(雰囲気遮断手段)
52、72…pH調整ユニット(pH調整手段)
58、68、78…窒素溶解ユニット(窒素溶解手段)
59、79…脱気ユニット(脱気手段)
100…基板処理装置(基板処理ユニット)
101…処理ユニット本体(ユニット本体)
200…純水供給部(純水供給ユニット)
400…キャビネット部(pH調整手段)
W…基板

Claims (17)

  1. 基板に処理液を供給して所定の湿式処理を施す湿式処理工程と、
    リンス液を生成するリンス液生成工程と、
    前記湿式処理工程後に、その一方端がノズルに接続された供給経路に沿って、前記リンス液を前記ノズルに送り込んで前記ノズルから前記基板に前記リンス液を供給し、前記リンス液により前記基板にリンス処理を施すリンス工程とを備え、
    前記リンス液生成工程は、前記供給経路の他方端側から送り込まれる純水に対して前記供給経路上の所定の混合位置で前記純水よりもpHが低い低pH物質を混合させるとともに、前記供給経路を流れる流体に窒素を溶解させて前記リンス液を生成する工程であることを特徴とする基板処理方法。
  2. 前記リンス液生成工程は前記純水に対して前記混合位置で前記純水よりもpHが低い低pH物質を混合させることでpHが2〜6である混合液を生成させるとともに、前記混合位置に対して前記供給経路の一方端側で前記供給経路を流れる前記混合液に窒素を溶解させて前記リンス液を生成する請求項1記載の基板処理方法。
  3. 前記供給経路のうち前記窒素溶解処理が行われる窒素溶解位置に対し、前記供給経路の他方端側において前記供給経路を流れる流体を脱気する脱気工程をさらに備える請求項1または2記載の基板処理方法。
  4. 基板に処理液を供給して所定の湿式処理を施す湿式処理工程と、
    リンス液を生成するリンス液生成工程と、
    前記湿式処理工程後に、その一方端がノズルに接続された供給経路に沿って、前記リンス液を前記ノズルに送り込んで前記ノズルから前記基板に前記リンス液を供給し、前記リンス液により前記基板にリンス処理を施すリンス工程とを備え、
    前記リンス液生成工程は、前記供給経路の他方端側から送り込まれる純水に対して前記供給経路上の所定の混合位置で前記純水よりもpHが低い低pH物質を混合させるとともに、前記供給経路を流れる流体を脱気して前記リンス液を生成する工程であることを特徴とする基板処理方法。
  5. 前記リンス液生成工程は前記純水に対して前記混合位置で前記純水よりもpHが低い低pH物質を混合させることでpHが2〜6である混合液を生成させるとともに、前記混合位置に対して前記供給経路の一方端側で前記供給経路を流れる前記混合液を脱気して前記リンス液を生成する請求項4記載の基板処理方法。
  6. 前記供給経路のうち前記脱気処理が行われる脱気位置に対し、前記供給経路の一方端側において前記供給経路を流れる流体に窒素を溶解させる窒素溶解工程をさらに備える請求項4または5記載の基板処理方法。
  7. 前記リンス工程は不活性ガス雰囲気中で行われる請求項1ないし6のいずれかに記載の基板処理方法。
  8. ノズルと、
    その一方端が前記ノズルに接続された供給経路に沿って前記ノズルに向けて流れる純水に対して前記純水よりもpHが低い低pH物質を混合させて前記供給経路を流れる流体のpHを調整するpH調整手段と、
    前記供給経路を流れる流体に窒素を溶解させる窒素溶解手段とを備え、
    前記pH調整手段によりpH調整されるとともに前記窒素溶解手段により窒素溶解された、流体をリンス液として前記供給経路に沿って前記ノズルに送り込んで前記ノズルから基板に供給し、前記リンス液により前記基板にリンス処理を施すことを特徴とする基板処理装置。
  9. 前記窒素溶解手段は前記pH調整手段に対して前記供給経路の一方端側に配置されている請求項8記載の基板処理装置。
  10. 前記窒素溶解手段に対して前記供給経路の他方端側に配置されて前記供給経路を流れる流体を脱気する脱気手段をさらに備える請求項8または9記載の基板処理装置。
  11. ノズルと、
    その一方端が前記ノズルに接続された供給経路に沿って前記ノズルに向けて流れる純水に対して前記純水よりもpHが低い低pH物質を混合させて前記供給経路を流れる流体のpHを調整するpH調整手段と、
    前記供給経路を流れる流体を脱気する脱気手段とを備え、
    前記pH調整手段によりpH調整されるとともに前記脱気手段により脱気された、流体をリンス液として前記供給経路に沿って前記ノズルに送り込んで前記ノズルから基板に供給し、前記リンス液により前記基板にリンス処理を施すことを特徴とする基板処理装置。
  12. 前記脱気手段は前記pH調整手段に対して前記供給経路の一方端側に配置されている請求項11記載の基板処理装置。
  13. 前記脱気手段に対して前記供給経路の一方端側に配置されて前記供給経路を流れる流体に窒素を溶解させる窒素溶解手段をさらに備える請求項11または12記載の基板処理装置。
  14. 前記リンス液が供給される前記基板に対向させながら前記基板から離間配置された雰囲気遮断手段と、
    前記雰囲気遮断手段と前記基板との間に形成される空間に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と
    をさらに備える請求項8ないし13のいずれかに記載の基板処理装置。
  15. 純水を供給する純水供給ユニットと、
    前記純水供給ユニットから供給される純水を用いて基板に対するリンス処理を施す基板処理ユニットとを備えた基板処理システムにおいて、
    前記基板処理ユニットは、
    ノズルと、
    その一方端が前記ノズルに接続された供給経路に沿って前記純水供給ユニットから供給され前記ノズルに向けて流れる純水に対して前記純水よりもpHが低い低pH物質を混合させて前記供給経路を流れる流体のpHを調整するpH調整手段と、
    前記供給経路を流れる流体に窒素を溶解させる窒素溶解手段と
    をユニット本体内に備え、
    前記pH調整手段によりpH調整されるとともに前記窒素溶解手段により窒素溶解された、流体をリンス液として前記供給経路に沿って前記ノズルに送り込んで前記ノズルから基板に供給し、前記リンス液により前記基板にリンス処理を施すことを特徴とする基板処理システム。
  16. 純水を供給する純水供給ユニットと、
    前記純水供給ユニットから供給される純水を用いて基板に対するリンス処理を施す基板処理ユニットとを備えた基板処理システムにおいて、
    前記純水供給ユニットから供給される純水に窒素を溶解させる窒素溶解手段を備え、
    前記基板処理ユニットは、
    ノズルと、
    その一方端が前記ノズルに接続された供給経路に沿って前記ノズルに向けて流れ前記窒素溶解手段により窒素溶解された純水に対して前記純水よりもpHが低い低pH物質を混合させて前記供給経路を流れる流体のpHを調整するpH調整手段と
    をユニット本体内に備え、
    前記窒素溶解手段により窒素溶解されるとともに前記pH調整手段によりpH調整された、流体をリンス液として前記供給経路に沿って前記ノズルに送り込んで前記ノズルから基板に供給し、前記リンス液により前記基板にリンス処理を施すことを特徴とする基板処理システム。
  17. 純水を供給する純水供給ユニットと、
    前記純水供給ユニットから供給される純水を用いて基板に対するリンス処理を施す基板処理ユニットとを備えた基板処理システムにおいて、
    前記基板処理ユニットは、
    ノズルと、
    その一方端が前記ノズルに接続された供給経路に沿って前記純水供給ユニットから供給され前記ノズルに向けて流れる純水に対して前記純水よりもpHが低い低pH物質を混合させて前記供給経路を流れる流体のpHを調整するpH調整手段と、
    前記供給経路を流れる流体を脱気する脱気手段と
    をユニット本体内に備え、
    前記pH調整手段によりpH調整されるとともに前記脱気手段により脱気された、流体をリンス液として前記供給経路に沿って前記ノズルに送り込んで前記ノズルから基板に供給し、前記リンス液により前記基板にリンス処理を施すことを特徴とする基板処理システム。
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