JP2009054635A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

基板処理装置および基板処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属膜に悪影響を与えることを回避しつつ、希釈薬液を用いた処理を基板に適切に施すことができる基板処理装置および基板処理方法を提供すること。
【解決手段】フッ酸表面側バルブ23および第3炭酸水バルブ24が開かれると、フッ酸供給源からのフッ酸(フッ酸原液)および炭酸水供給源からの炭酸水が第2混合部32に流入する。第2混合部32では、フッ酸と炭酸水とが混合される。これにより、フッ酸が炭酸水によって希釈されて、所定の濃度(たとえば、0.016〜0.05wt%)の希フッ酸が調製される。希フッ酸は、希フッ酸表面側供給管20を通して希フッ酸ノズル4に供給された希フッ酸は、希フッ酸ノズル4から回転中の基板Wの表面に供給される。希フッ酸ノズル4からの希フッ酸は、その比抵抗が比較的低い。
【選択図】図1

Description

この発明は、希釈薬液を用いて基板を処理するための基板処理装置および基板処理方法に関する。処理の対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板等が含まれる。また、基板処理のために使用される薬液には、ポリマー除去液、パーティクル除去液などがある。
半導体集積回路素子の高集積化および高速度化は、市場の要求である。この要求に応えるために、従来から用いられてきたアルミニウム配線に代えて、より低抵抗の銅配線が用いられるようになってきた。銅配線を、低誘電率絶縁膜(いわゆるLow−k膜。比誘電率が酸化シリコンよりも小さな材料からなる絶縁膜をいう。)と組み合わせて多層配線を形成すれば、極めて高速で動作する集積回路素子を実現できる。
異なる層の銅配線間の接続は、層間絶縁膜に形成されたヴィアに埋め込まれた銅プラグによって達成される。微細な配線パターンを形成するためには、高いアスペクト比のヴィアが要求されるから、ヴィアの形成には、反応性イオンエッチングに代表されるドライエッチング法が適用される。
しかし、ドライエッチング法では、処理対象の膜だけでなくレジストも腐食されていき、その一部は、変質してポリマー(レジスト残渣)として、基板表面に残留する。配線パターンが微細であるがゆえに、次工程までに、このポリマーを基板上から確実に除去しておかなければならない。
ポリマーの除去は、たとえば、基板上に希フッ酸を供給して、ポリマーをエッチングすることによって行われている。ポリマー除去のための基板処理装置は、処理対象の基板を保持して回転するスピンチャックと、スピンチャックにより回転された基板の上面に希フッ酸を供給するノズルと、ノズルに対して希フッ酸を供給するための供給配管とを備えている。
基板の上面の配線パターンにダメージを与えることのないように、ノズルからの希フッ酸の濃度は低く保たれている。この低濃度の希フッ酸は、たとえば供給配管の内部において高濃度のフッ酸水溶液(フッ酸原液)とDIW(脱イオン化された純水)とを混合させ、高濃度のフッ酸水溶液をDIWで希釈することによって調製されている。配線パターンの微細化に伴い、現在では、ポリマー除去処理に用いられる希フッ酸には、極めて低濃度のものが求められている。
特開2006−73945号公報
ところが、極めて低濃度(たとえば、0.1wt%以下)の希フッ酸は、イオンなどをほとんど含まないため、電気を通しにくい。そのため、供給配管内を流通する希フッ酸と、供給配管の内表面との間の摩擦により電荷が発生し、供給配管や希フッ酸が帯電するおそれがある。また、希フッ酸が基板の表面に供給されると、希フッ酸と基板の表面との摩擦によって基板の表面に電荷が発生し、基板が帯電するという問題がある。
基板の表面が帯電されると、酸化還元電位の反応により銅膜が腐食するおそれがある。その結果、その基板から作製されるデバイスの特性が劣化するおそれがある。
この課題は、たとえば希フッ酸以外の薬液を用いて基板を処理する基板処理装置にも共通する課題である。また、銅膜以外の金属膜が形成された基板を処理する基板処理装置にも共通する課題である。
そこで、この発明の目的は、金属膜に悪影響を与えることを回避しつつ、希釈薬液を用いた処理を基板に適切に施すことができる基板処理装置および基板処理方法を提供することである。
前記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、表面に金属膜が形成された基板(W)に対し、その表面を処理する基板処理装置(1,31)であって、イオンを含有する希釈水で薬液を希釈して希釈薬液を調製する希釈薬液調製手段(32,54)と、前記希釈薬液調製手段によって調整された希釈薬液を、基板の表面に対して供給する希釈薬液供給手段(4)を含む、基板処理装置である。
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
この構成によれば、イオンを含有した希釈水で希釈されて希釈薬液が調製されるので、基板に供給される希釈薬液は、その比抵抗が比較的低い。そのため、基板の帯電を抑制することができ、これにより、酸化還元電位の反応を抑制することができ、金属膜の腐食を防止することができる。また、希釈薬液が基板の表面の金属膜と実質的に反応しないものを用いるのが好ましく、この場合、さらに金属膜にダメージを与えることを防止することができる。
したがって、金属膜に悪影響を与えることを回避しつつ、希釈薬液を用いた処理を基板に適切に施すことができる。
前記希釈水は、請求項2に記載のように、炭酸水を含むものであってもよい。この場合、希釈薬液中では、以下の式(1)〜(3)に示すように炭酸ガスが解離し、イオン化している。
2O + CO2 ⇔ H2CO3 ・・・(1)
2CO3 ⇔ H+ + HCO3 - ・・・(2)
HCO3 - ⇔ H+ +CO3 2- ・・・(3)
そのため、希釈薬液の比抵抗が比較的低い。このため、基板の帯電を抑制することができ、これにより、酸化還元電位の反応を抑制することができる。また、CO2ガス添加により、希釈薬液の溶存酸素量を低下できるので、希釈薬液の溶存酸素による金属膜の酸化を抑制することができ、金属膜の腐食を防止することができる。
希釈水に用いられる炭酸水は、そのph値が4以上4.5以下であることが好ましい。ph値がかかる範囲内にあれば、希釈薬液による金属膜の溶解を抑制しつつ、基板の帯電を抑制することができる。
前記希釈水は、請求項3に記載のように、純水(DIW)に塩酸が添加されて生成された塩酸水を含むものであってもよい。この場合、希釈薬液中では、以下の式(4)に示すように塩酸が解離し、イオン化している。
HCl ⇔ H+ + Cl- ・・・(4)
そのため、希釈薬液の比抵抗が比較的低い。このため、基板の帯電を抑制することができる。これにより、酸化還元電位の反応を抑制することができ、金属膜の腐食を防止することができる。
希釈水に用いられる塩酸水は、その塩酸濃度が5ppm以下であることが好ましい。この場合、塩酸濃度が低いので、塩酸によって金属膜が溶解するおそれがない。そして、かかる低濃度の塩酸であっても、基板の帯電を十分に抑制することができる。
前記希釈水は、請求項4に記載のように、水素水(カソード水)を含むものであってもよい。この構成では、希釈薬液中では、水素が解離し、イオン化している。このため、基板の表面の金属膜の金属が安定化するとともに、基板の帯電を抑制することができる。これにより、酸化還元電位の反応を抑制することができる。また、H2ガス添加により、希釈薬液の溶存酸素量を低下できるので、希釈薬液の溶存酸素による金属膜の酸化を抑制することができ、金属膜の腐食を防止することができる。
希釈水に用いられる水素水は、そのph値が6以上7以下であることが好ましい。ph値がかかる範囲内にあれば、希釈薬液による金属膜の溶解を抑制しつつ、基板の帯電を抑制することができる。なお、水素水とは、その溶存水素濃度が1.2mg/L以上の水をいう。
請求項5記載の発明は、前記希釈薬液調製手段は、基板の表面のポリマーを除去するための希釈薬液を調製するものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、基板の表面のポリマーを除去するための希釈薬液が、イオンを含有した希釈水で希釈されて調製される。ポリマーを除去するための希釈薬液には、その濃度が極めて低いものが求められるが、かかる低濃度の希釈薬液であっても、イオンを含有しているために、その比抵抗が比較的低い。そのため、基板の帯電を抑制することができる。これにより、酸化還元電位の反応を抑制することができ、金属膜の腐食を防止することができる。
請求項6記載の発明は、表面に金属膜が形成された基板に対し、その表面を処理する基板処理方法であって、イオンを含有する希釈水で薬液を希釈して希釈薬液を調製する希釈薬液調製工程(S3)と、調整された希釈薬液を、基板の表面に対して供給する希釈薬液供給工程(S3)とを含む、基板処理方法である。
この方法によれば、請求項1に関連して述べた作用効果と同様な作用効果を達成することができる。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置1の構成を模式的に示す図である。
この基板処理装置1は、たとえば、表面に銅配線等の銅膜が形成された基板Wに対して希釈薬液としての希フッ酸を供給して、その基板Wの表面に付着しているポリマーを除去するための枚葉型の装置である。この基板処理装置1は、隔壁(図示せず)により区画された処理室2内に、基板Wをほぼ水平に保持して回転させるためのスピンチャック3と、スピンチャック3に保持された基板Wの表面(上面)に向けて希フッ酸を吐出するための希フッ酸ノズル4と、スピンチャック3に保持された基板Wの表面に炭酸水を供給するための炭酸水ノズル5とを備えている。
スピンチャック3は、ほぼ鉛直に延びるスピン軸6と、スピン軸6の上端にほぼ水平な姿勢で取り付けられたスピンベース7と、スピンベース7の周縁部に配置された複数の挟持部材8とを備えている。複数の挟持部材8は、スピン軸6の中心軸線を中心とする円周上にほぼ等角度間隔で配置されている。各挟持部材8を基板Wの端面に当接させて、複数の挟持部材8で基板Wを挟持することにより、基板Wがほぼ水平な姿勢で保持され、基板Wの中心がスピン軸6の中心軸線上に配置される。
スピン軸6には、モータ(図示せず)を含むチャック回転駆動機構9から回転力が入力される。この回転力の入力により、スピン軸6が回転し、挟持部材8に挟持された基板Wがスピンベースともにスピン軸6の中心軸線まわりに回転する。
スピン軸6は中空軸であり、その内部には裏面側供給管10が挿通されている。裏面側供給管10の上端は、スピン軸6の上端に設けられた裏面ノズル11に接続されている。裏面側供給管10には、第1混合部12に接続された希フッ酸裏面側供給管13と、炭酸水供給源からの高濃度(ph値=4〜4.5)の炭酸水(たとえばDIWに炭酸ガスを溶解させて生成された炭酸水)が供給される第1炭酸水供給管14とが接続されている。
第1混合部12には、フッ酸供給源からの高濃度(たとえば、49wt%)のフッ酸(フッ酸原液)が供給されるフッ酸裏面側供給管16と、炭酸水供給源からの高濃度(ph値=4〜4.5)の炭酸水(たとえばDIWに炭酸ガスを溶解させて生成された炭酸水)が供給される第2炭酸水供給管17とが接続されている。フッ酸裏面側供給管16の途中部には、フッ酸裏面側バルブ18が介装されている。第2炭酸水供給管17の途中部には、第2炭酸水バルブ19が介装されている。第1混合部12は、フッ酸裏面側供給管16からのフッ酸を、第2炭酸水供給管17からの炭酸水(フッ酸の約1000〜3000倍の流量の炭酸水)で希釈して、所定の濃度(たとえば0.016〜0.05wt%)の希フッ酸を調製することができるようになっている。第1混合部12で調製された希フッ酸は、希フッ酸裏面側供給管13および裏面側供給管10を通して裏面ノズル11に供給されて、裏面ノズル11から上方に向けて吐出されるようになっている。
言い換えれば、大流量の炭酸水が流通している希フッ酸裏面側供給管13にフッ酸(フッ酸原液)を混入することによって、所定の濃度の希フッ酸が調製されている。
第1炭酸水供給管14の途中部には、第1炭酸水バルブ15が介装されている。フッ酸裏面側バルブ18および第2炭酸水バルブ19が閉じられた状態で、第1炭酸水バルブ15が開かれると、第1炭酸水供給管14および裏面側供給管10を通して裏面ノズル11に炭酸水が供給されて、裏面ノズル11から炭酸水が上方に向けて吐出される。
また、基板Wの裏面に対し希フッ酸を用いた処理を施す必要がない場合には、第1混合部12、希フッ酸裏面側供給管13、第1炭酸水供給管14、第1炭酸水バルブ15、フッ酸裏面側供給管16、第2炭酸水供給管17、フッ酸裏面側バルブ18および第2炭酸水バルブ19が省略される。この場合、スピンチャック3としては、挟持式のものに限らず、たとえば、基板Wの裏面を真空吸着することにより、基板Wを水平な姿勢に保持し、さらにその状態で鉛直な軸線周りに回転することにより、その保持した基板Wを回転させることができる真空吸着式のもの(バキュームチャック)が採用されていてもよい。
希フッ酸ノズル4には、第2混合部32に接続された希フッ酸表面側供給管20が接続されている。第2混合部32には、フッ酸供給源からの高濃度(たとえば、49wt%)のフッ酸(フッ酸原液)が供給されるフッ酸表面側供給管21と、炭酸水供給源からの高濃度(ph値=4〜4.5)の炭酸水(たとえばDIWに炭酸ガスを溶解させて生成された炭酸水)が供給される第3炭酸水供給管22とが接続されている。フッ酸表面側供給管21の途中部には、フッ酸表面側バルブ23が介装されている。第3炭酸水供給管22の途中部には、第3炭酸水バルブ24が介装されている。第2混合部32は、フッ酸表面側供給管21からのフッ酸を、第3炭酸水供給管22からの炭酸水(フッ酸の約1000〜3000倍の流量の炭酸水)で希釈して、所定の濃度(たとえば、0.016〜0.05wt%)の希フッ酸を調製することができるようになっている。第2混合部32で調製された希フッ酸は、希フッ酸表面側供給管20を介して希フッ酸ノズル4に供給されて、希フッ酸ノズル4から吐出されるようになっている。
言い換えれば、大流量の炭酸水が流通している希フッ酸表面側供給管20にフッ酸(フッ酸原液)を混入することによって、所定の濃度の希フッ酸が調製されている。
炭酸水ノズル5には、炭酸水供給源から炭酸水(たとえばDIWに炭酸ガスを溶解させて生成された炭酸水)が供給される第4炭酸水供給管25が接続されている。この第4炭酸水供給管25の途中部には、第4炭酸水バルブ26が介装されている。第4炭酸水バルブ26が開かれると、第4炭酸水供給管25から炭酸水ノズル5に炭酸水が供給され、炭酸水ノズル5から炭酸水が吐出される。
希フッ酸ノズル4および炭酸水ノズル5は、スピンチャック3の上方でほぼ水平に延びるノズルアーム27の先端部に取り付けられている。ノズルアーム27の基端部は、スピンチャック3の側方においてほぼ鉛直に延びるアーム支持軸28の上端部に支持されている。アーム支持軸28には、モータ(図示せず)を含むノズル駆動機構29が結合されている。ノズル駆動機構29からアーム支持軸28に回転力を入力して、アーム支持軸28を回動させることにより、スピンチャック3の上方でノズルアーム27を揺動させることができる。
図2は、基板処理装置1の電気的構成を示すブロック図である。
基板処理装置1は、マイクロコンピュータを含む構成の制御装置30を備えている。
この制御装置30には、制御対象として、チャック回転駆動機構9、ノズル駆動機構29、フッ酸裏面側バルブ18、第1炭酸水バルブ15、第2炭酸水バルブ19、希フッ酸表面側バルブ23、第3炭酸水バルブ24および第4炭酸水バルブ26が接続されている。
図3は、図1に示す基板処理装置1において行われる処理について説明するための工程図である。
処理対象の基板Wは、図示しない搬送ロボットによって処理室2内に搬入されて、その表面を上方に向けた状態でスピンチャック3に保持される(ステップS1)。なお、スピンチャック3への基板Wの受け渡し時には、基板Wの搬入を阻害しないように、希フッ酸ノズル4および炭酸水ノズル5は、スピンチャック3の側方の待機位置に退避されている。
基板Wがスピンチャック3に保持されると、制御装置30は、チャック回転駆動機構9を駆動して、スピンチャック3を所定の液処理回転速度で等速回転させる(ステップS2)。さらに、制御装置30は、ノズル駆動機構29を制御して、希フッ酸ノズル4および炭酸水ノズル5を、スピンチャック3の側方の待機位置から、スピンチャック3に保持されている基板Wの上方に移動させる。
その後、制御装置30は、フッ酸表面側バルブ23および第3炭酸水バルブ24を開く(ステップS3)。また、制御装置30は、フッ酸裏面側バルブ18および第2炭酸水バルブ19を開く(ステップS3)。
フッ酸表面側バルブ23および第3炭酸水バルブ24が開かれると、フッ酸供給源からのフッ酸および炭酸水供給源からの炭酸水が第2混合部32に流入する。第2混合部32では、フッ酸と炭酸水とが混合される。これにより、フッ酸が炭酸水によって希釈されて、所定の濃度(たとえば、0.016〜0.05wt%)の希フッ酸が調製される。そして、希フッ酸は、希フッ酸表面側供給管20を通して希フッ酸ノズル4に供給される。希フッ酸は、希フッ酸ノズル4から下方に向けて吐出されて、回転中の基板Wの表面に供給される。
また、フッ酸裏面側バルブ18および第2炭酸水バルブ19が開かれると、フッ酸供給源からのフッ酸および炭酸水供給源からの炭酸水が第1混合部12に流入し、第1混合部12において、フッ酸と炭酸水とが混合される。これにより、フッ酸が炭酸水によって希釈されて、所定の濃度(たとえば、0.016〜0.05wt%)の希フッ酸が調製される。そして、希フッ酸は、希フッ酸裏面側供給管13および裏面側供給管10を通して裏面ノズル11に供給される。希フッ酸は、裏面ノズル11から上方に向けて吐出され、回転中の基板Wの裏面(下面)に供給される。
希フッ酸表面側供給管20を流通して希フッ酸ノズル4に供給される希フッ酸は、フッ酸(フッ酸原液)を炭酸水で希釈して調製されたものである。その希フッ酸中においては、以下の式(5)〜(7)に示すように炭酸ガスが解離し、イオン化している。
2O + CO2 ⇔ H2CO3 ・・・(5)
2CO3 ⇔ H+ + HCO3 - ・・・(6)
HCO3 - ⇔ H+ +CO3 2- ・・・(7)
そのため、希フッ酸表面側供給管20を流通する希フッ酸の比抵抗、および、希フッ酸ノズル4から吐出される希フッ酸の比抵抗は、比較的低い。
また、希フッ酸裏面側供給管13および裏面側供給管10を通して裏面ノズル11に供給される希フッ酸も、フッ酸(フッ酸原液)を炭酸水で希釈して調製されたものである。その希フッ酸中においては、前記の各式に示すように炭酸ガスが解離し、イオン化している。そのため、希フッ酸裏面側供給管13および裏面側供給管10を流通する希フッ酸の比抵抗、および、裏面ノズル11から吐出される希フッ酸の比抵抗は、比較的低い。
一方で、制御装置30は、ノズル駆動機構29を駆動して、ノズルアーム27を所定の角度範囲内で揺動させる。これによって、希フッ酸ノズル4からの希フッ酸が導かれる基板Wの表面上の着液位置(供給位置)は、基板Wの回転中心から基板Wの周縁部に至る範囲内を、基板Wの回転方向と交差する円弧状の軌跡を描きつつ往復移動する。
基板Wの表面に供給された希フッ酸は、基板Wの表面の全域に拡がる。基板Wの表面に供給された希フッ酸が基板Wの表面のポリマーに作用する。希フッ酸ノズル4からの希フッ酸が極めて低い濃度(たとえば、0.016〜0.05wt%)に調製されているため、希フッ酸による基板Wの表面の銅膜がエッチングされることなく、基板Wの表面からポリマーだけが除去される。
一方、基板Wの裏面に供給された希フッ酸は、基板Wの回転による遠心力を受けて、基板Wの裏面の全域に拡がる。基板Wの表面から除去されて、基板Wの周縁部から裏面側に回り込むポリマーが、基板Wの裏面に供給された希フッ酸によって洗い流される。これにより、基板Wの表面から除去されたポリマーが、基板Wの裏面に付着することを防止することができる。
希フッ酸による処理が予め定められた処理時間にわたって施された後、制御装置30は、フッ酸表面側バルブ23および第3炭酸水バルブ24を閉じて(ステップS4)、希フッ酸ノズル4からの希フッ酸の吐出を停止させる。また、制御装置30は、フッ酸裏面側バルブ18および第2炭酸水バルブ19を閉じて(ステップS4)、裏面ノズル11からの希フッ酸の吐出を停止させる。
次に、制御装置30は、基板Wの回転およびノズルアーム27の揺動を継続したまま、 第4炭酸水バルブ26および第1炭酸水バルブ15を開く。これにより、回転中の基板Wの表面に炭酸水ノズル5からの炭酸水が供給されるとともに、回転中の基板Wの裏面に裏面ノズル11からの炭酸水が供給される(ステップS5)。
一方で、制御装置30は、ノズル駆動機構29を駆動して、ノズルアーム27を所定の角度範囲内で揺動させる。これによって、炭酸水ノズル5からの炭酸水が導かれる基板Wの表面上の着液位置(供給位置)は、基板Wの回転中心から基板Wの周縁部に至る範囲内を、基板Wの回転方向と交差する円弧状の軌跡を描きつつ往復移動する。
基板Wの表面に供給された炭酸水は、基板Wの表面の全域に拡がる。これにより、基板Wの表面に付着した希フッ酸が流される。また、基板Wの表面上に供給された炭酸水は、基板Wの回転による遠心力によって、基板Wの全域に拡がる。これにより、基板Wの裏面に付着した希フッ酸が流される。このように、比抵抗の比較的低い炭酸水を用いて、基板Wの表面および裏面にリンス処理が施される。
リンス処理が予め定められた処理時間にわたって行われると、制御装置30は、第4炭酸水バルブ26および第1炭酸水バルブ15を閉じて、炭酸水ノズル5および裏面ノズル11からの炭酸水の供給を停止する。その後、制御装置30はチャック回転駆動機構9を制御して、基板Wの回転速度を予め定める乾燥速度(たとえば、3000rpm)まで加速する(ステップS6)。これにより、基板Wに付着している炭酸水が遠心力によって振り切られる。
このスピンドライが終了すると、制御装置30は、チャック回転駆動機構9を制御して、スピンチャック3の回転を停止させる。その後、図示しない搬送ロボットによって基板Wが搬出される(ステップS7)。
以上により、この実施形態によれば、希フッ酸表面側供給管20を流通して希フッ酸ノズル4に供給される希フッ酸は、フッ酸(フッ酸原液)を炭酸水で希釈して調製されたものである。また、希フッ酸裏面側供給管13および裏面側供給管10を通して裏面ノズル11に供給される希フッ酸も、フッ酸(フッ酸原液)を炭酸水で希釈して調製されたものである。そのため、希フッ酸表面側供給管20を流通する希フッ酸の比抵抗、および、希フッ酸ノズル4から吐出される希フッ酸の比抵抗は、比較的低い。また、希フッ酸裏面側供給管13および裏面側供給管10を流通する希フッ酸の比抵抗、および、裏面ノズル11から吐出される希フッ酸の比抵抗も、比較的低い。
希フッ酸ノズル4および裏面ノズル11から基板Wに供給されるフッ酸の比抵抗が比較的低いので、基板Wの帯電を抑制することができる。これにより、基板W上において酸化還元電位の反応を抑制することができ、銅膜の腐食を防止することができる。
また、希フッ酸表面側供給管20を流通する希フッ酸の比抵抗が比較的低く、希フッ酸裏面側供給管13および裏面側供給管10の内部を流通する希フッ酸の比抵抗が比較的低いので、希フッ酸ノズル4に対し、帯電している希フッ酸が供給されることがない。そのため、帯電している希フッ酸が基板Wに供給されることを抑制することができる。これにより、基板Wの銅膜の腐食を、一層防止することができる。
また、炭酸水のph値が4〜4.5の範囲にあるため、希フッ酸ノズル4からの炭酸水による基板W上の銅膜の溶解がほとんど生じない。
したがって、銅膜に悪影響を与えることを回避しつつ、希フッ酸を用いたポリマー除去処理を、基板Wに施すことができる。
また、炭酸水を用いたリンス処理を基板Wに施すので、リンス処理による基板Wの帯電を抑制することができる。
図4は、この発明の他の実施形態(第2の実施形態)に係る基板処理装置31の構成を説明するための図解図である。
この第2の実施形態において、前述の実施形態(第1の実施形態)に示された各部に対応する部分には、第1実施形態と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
この基板処理装置31は、基板Wに希フッ酸を供給して処理する処理モジュール40と、この処理モジュール40に対して希フッ酸を供給する希フッ酸供給モジュール50とを備えている。
前述の実施形態では、配管(希フッ酸表面側供給管21および希フッ酸裏面側供給管13)に流通している炭酸水にフッ酸(フッ酸原液)を混入させて、所定の濃度の希フッ酸を調製する構成について説明した。これに対し、この実施形態(第2の実施形態)では、希フッ酸供給モジュール50の調製タンク54で、炭酸水とフッ酸(フッ酸原液)とを混合させて、所定の濃度(たとえば、0.016〜0.05wt%)の希フッ酸を調製している。
処理モジュール40は、処理室2を備えている。処理室2内には、スピンチャック3と、希フッ酸ノズル4と、炭酸水ノズル5とが収容されている。スピンチャック3は、基板Wから飛び散る処理液(希フッ酸や炭酸水)を受け止めるための処理カップ41内に収容されている。希フッ酸ノズル4には希フッ酸供給管42が接続されている。希フッ酸供給管42には希フッ酸供給モジュール50からの希フッ酸が供給されるようになっている。
希フッ酸供給管42には、希フッ酸供給モジュール50側から順に、第1脱気ユニット43、流量計44、流量調整弁45、三方弁46および第2脱気ユニット47が介装されている。
第1脱気ユニット43には、希フッ酸供給モジュール50からの希フッ酸供給管51が接続されている。また、三方弁46は、希フッ酸供給モジュール50へと希フッ酸を循環させる循環路52に分岐接続されている。さらに、処理カップ41には、希フッ酸供給モジュール50へと使用済の希フッ酸を帰還させて回収するための回収路53が接続されている。
希フッ酸供給モジュール50は、希フッ酸を所定の濃度(たとえば、0.016〜0.05wt%)に調製し、その希フッ酸を貯留するための調製タンク54と、この調製タンク54から希フッ酸を汲み出して希フッ酸供給管51へと送り出すポンプ55とを備えている。希フッ酸供給管51には、希フッ酸中の異物を取り除くフィルタ56と、希フッ酸を所望の温度に温度調整するための温度調整ユニット(たとえばヒータ)57とが介装されている。この温度調整ユニット57よりも下流側の希フッ酸供給管51には、調製タンク54へと戻る内部循環路58が分岐接続されており、この内部循環路58には、流量計59および流量調整弁60が介装されている。希フッ酸供給管51には、ポンプ55とフィルタ56との間に、希フッ酸供給管51を接地するためのアース線84が接続されている。
調製タンク54にはさらに、処理モジュール40の三方弁46から分岐した希フッ酸循環路39が接続されており、高濃度(たとえば、49wt%)のフッ酸(フッ酸原液)を調製タンク54に供給するためのフッ酸供給管61が接続されており、高濃度(ph値=4〜4.5)の炭酸水(たとえばDIWに炭酸ガスを溶解させて生成された炭酸水)を調製タンク54に供給するための炭酸水供給管80が接続されており、処理モジュール40から回収された使用後の希フッ酸が導かれる回収路62が接続されている。さらに、調製タンク54には、その内部の空間に不活性ガス(窒素ガスなど)を供給するための不活性ガス供給路63が接続され、さらに、調製タンク54の内部の雰囲気を排気するための排気路64が接続されている。不活性ガス供給路63は、不活性ガス供給源に接続されており、その途中部には、不活性ガスバルブ65が介装されている。
フッ酸供給管61は、フッ酸供給源に接続されているとともに、その途中部には、フッ酸バルブ66、流量計67および流量調整弁68が介装されている。
炭酸水供給管80は、炭酸水供給源に接続されているとともに、その途中部には、第5炭酸水バルブ81、流量計82および流量調整弁83が介装されている。
回収路62は、希フッ酸供給モジュール50の内部に備えられた回収タンク70に接続されていて、その途中部には、希フッ酸中の異物を取り除くフィルタ71、ポンプ72および回収弁73が介装されている。回収タンク70には、処理モジュール40からの使用済の希フッ酸が導かれる回収路53が接続されている。さらに、この回収タンク70には、不活性ガス供給源からの不活性ガス(窒素ガスなど)が不活性ガスバルブ74を介して不活性ガス供給路75から供給されるようになっているとともに、その内部空間の雰囲気が排気路76を介して排気されるようになっている。
調製タンク54および回収タンク70にそれぞれ接続された排気路64,76は、当該基板処理装置が配置される工場に備えられる排気ユーティリティなどの排気設備に接続される。
基板Wの処理に用いられた後の希フッ酸は、処理カップ41によって受け止められ、回収路53を経て回収タンク70へと至る。この回収タンク70には、不活性ガス供給路75からの不活性ガスが供給されているとともに、その内部の、希フッ酸および不活性ガスを含む雰囲気が排気路76を介して排気されている。不活性ガス供給路75に介装された不活性ガスバルブ74は、この基板処理装置31の運転中常時開放されており、したがって、回収タンク70の内部は、終始不活性ガス雰囲気に保持される。したがって、回収タンク70内において、回収された希フッ酸中に酸素が溶け込んでいくことを抑制または防止することができるので、この回収タンク70における希フッ酸中の溶存酸素量の増加は実質的に生じない。
回収タンク70に収容された希フッ酸は、ポンプ72によって汲み出されて、回収路62から調製タンク54へと送り出されることになる。このとき、フィルタ71により希フッ酸中の異物が取り除かれ、清浄な状態の希フッ酸が、再利用のために回収路62から調製タンク54へと回収される。
調製タンク54では、その内部空間に不活性ガス供給路63からの不活性ガスが供給されるとともに、内部空間の、希フッ酸および不活性ガスを含む雰囲気が排気路64を介して排気される。不活性ガスバルブ65は、当該基板処理装置31の運転中常時開成されており、したがって、調製タンク54内は常時不活性ガス雰囲気に保持されることになる。そのため、この調製タンク54内で、希フッ酸中に酸素が溶け込むことを抑制または防止できるので、希フッ酸中の溶存酸素量が当該調製タンク54内で実質的に増加することはない。
調製タンク54内の希フッ酸が減少したときには、フッ酸供給管61に介装されたフッ酸バルブ66が開かれて、フッ酸供給源からのフッ酸が流量調整弁68によって流量調整されながら調製タンク54内に供給される。また、炭酸水供給管80に介装された炭酸水バルブ81が開かれて、炭酸水供給源からの炭酸水が流量調整弁83によって流量調整されながら調製タンク54内に供給される。調製タンク54では、フッ酸供給管61からのフッ酸が、炭酸水供給管80からの炭酸水(フッ酸の約1000〜3000倍の流量の炭酸水)で希釈されて、所定の濃度(たとえば0.016〜0.05wt%)の希フッ酸が調製される。
処理モジュール40の三方弁46は、スピンチャック3に処理対象の基板Wが保持されていない場合や、この基板Wに希フッ酸を供給すべきでない待機期間には、希フッ酸供給管42からの希フッ酸を循環路52に導く状態に制御される。このとき、希フッ酸は、調製タンク54から希フッ酸供給管51,42を経て三方弁46に至り、循環路52を経て調製タンク54へと帰還する循環経路内で循環する。これにより、希フッ酸は、温度調整ユニット57によって温度調整された状態に保持されることになる。また、この希フッ酸循環期間中には、第1脱気ユニット43により、希フッ酸中の溶存酸素量が低減されるとともに、調製タンク54の内部空間が不活性ガス雰囲気に保持されるので、希フッ酸中の溶存酸素量が低い状態に保持されることになる。内部循環路58には、余剰分の希フッ酸が流れ込み、この余剰分の希フッ酸は、調製タンク54に帰還される。
ポンプ55は、当該基板処理装置31の運転中常時駆動されている。このポンプ55によって調製タンク54から汲み出された希フッ酸は、フィルタ56により異物を取り除かれ、温度調整ユニット57によって温度調整された後、希フッ酸供給管51から処理モジュール40へと送り出される。
処理モジュール40では、希フッ酸供給管51から供給される希フッ酸は、その液中の溶存酸素が第1脱気ユニット43により脱気された後に、希フッ酸供給管42を介して三方弁46へと向かう。この三方弁46は、スピンチャック3に保持された基板Wに希フッ酸を供給すべきときには希フッ酸ノズル4へと希フッ酸を供給し、それ以外のときには循環路52へと希フッ酸を送り出すように制御される。三方弁46が希フッ酸ノズル4側に開いているとき、希フッ酸供給管42を通る希フッ酸は、希フッ酸ノズル4から基板Wに向けて吐出される直前に、第2脱気ユニット47による脱気処理を受ける。すなわち、基板Wに供給される直前に、溶存酸素量を低減するための処理を受けることになる。
たとえば、DIWで希釈されて調整された希フッ酸は、その濃度が極めて低いと、希フッ酸が電気をほとんど通さない。したがって、調製タンク54から希フッ酸供給管51,42を経て三方弁46に至り、循環路52を経て調製タンク54へと帰還する循環経路に、DIWで希釈されて調製された希フッ酸を流通させると、前記循環経路内を流通する希フッ酸と、循環経路内の配管51,42,52の内表面との間の摩擦により電荷が発生し、これらの配管51,42,52や希フッ酸が帯電するおそれがある。そして、希フッ酸に帯電する静電気の量が、前記循環経路を循環する過程で増大し、その結果、希フッ酸ノズル4に、帯電量の多い希フッ酸が供給されることが考えられる。
これに対し、フッ酸(フッ酸原液)を炭酸水で希釈して調製された希フッ酸中では、前述の式(5)〜(7)に示すように炭酸ガスが解離し、イオン化している。そのため、その希フッ酸比抵抗が比較的低い。したがって、炭酸水で希釈された希フッ酸が流通する前記循環経路内の配管51,42,52においては、その内部を流通する希フッ酸が帯電することを抑制することができる。これにより、希フッ酸ノズル4に対して帯電量の多いフッ酸が供給されることを抑制することができる。また、希フッ酸供給管51がアース線84によって接地されている。そのため、希フッ酸の帯電がより一層抑制される。
三方弁46が希フッ酸ノズル4側に開かれると、希フッ酸供給管51から希フッ酸ノズル4に所定の濃度の希フッ酸が供給される。希フッ酸は、希フッ酸ノズル4から下方に向けて吐出され、回転中の基板Wの表面に供給される。
基板Wの表面に供給された希フッ酸は、基板Wの表面の全域に拡がる。基板Wの表面に供給された希フッ酸が基板Wの表面のポリマーに作用する。希フッ酸ノズル4からの希フッ酸が極めて低い濃度(たとえば、0.016〜0.05wt%)に調製されているため、希フッ酸による基板Wの表面の銅膜がエッチングされることなく、基板Wの表面からポリマーだけが除去される。
また、希フッ酸ノズル4からの希フッ酸が、フッ酸(フッ酸原液)を炭酸水で希釈して調製されたものであるので、その希フッ酸中においては、前述の式(5)〜(7)に示すように炭酸ガスが解離し、イオン化している。そのため、希フッ酸ノズル4から吐出される希フッ酸の比抵抗は、比較的低い。
以上のように、この実施形態(第2の実施形態)によれば、希フッ酸ノズル4から基板Wに供給される希フッ酸は、フッ酸を炭酸水で希釈して調製されたものである。そのため、基板Wに供給される希フッ酸は、多数のイオンを含み、その比抵抗が比較的低い。このため、基板Wの帯電を抑制することができ、これにより、酸化還元電位の反応を抑制することができ、銅膜の腐食を防止することができる。したがって、銅膜に悪影響を与えることを回避しつつ、希フッ酸を用いたポリマー除去処理を、基板Wに施すことができる。
また、循環経路内の配管51,42,52を流通する希フッ酸の比抵抗が低いので、希フッ酸ノズル4に対し、帯電している希フッ酸が供給されることがない。そのため、帯電している希フッ酸が基板Wに供給されることを抑制することができる。これにより、基板Wの銅膜の腐食を、一層防止することができる。さらに、希フッ酸供給管51がアース線84によって接地されているので、循環経路内の配管51,42,52を流通する希フッ酸の帯電をさらに一層抑制することができる。
また、希フッ酸供給管42に第1および第2脱気ユニット43,47を介装し、希フッ酸中の溶存酸素量を低減させた後に当該希フッ酸を基板Wに供給するようにしている。これによって、基板W上における銅膜の酸化をさらに抑制することができ、基板Wの表面の銅膜の腐食をより一層防止することができる。
さらに、調製タンク54および回収タンク70内の空間を不活性ガス雰囲気としていることから、いずれの箇所においても、酸素濃度の高い大気に希フッ酸が晒されることがなく、これにより、希フッ酸中への酸素の混入がより一層確実に低減されるようになっている。これによっても、基板Wの表面の銅膜の腐食を防止することができる。
以上、この発明の2つの実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の第2の実施形態では、希フッ酸供給管42において三方弁46の上流側および下流側にそれぞれ脱気ユニット43,47を介装しているが、いずれか一方の脱気ユニットのみを希フッ酸供給管42に介装することとしてもよい。
また、前述の第2の実施形態では、基板Wの裏面に対して希フッ酸を用いた処理を施す構成とはしていないが、第1の実施形態のように、基板Wの表面および裏面の双方に希フッ酸を用いた処理を施す構成が採用されていてもよい。
さらに、たとえば、前述の2つの実施形態では、希釈水として炭酸水を用いたが、希釈水として、DIWに塩酸が添加されて生成された塩酸水(その塩酸濃度がたとえば5ppm以下)が用いられていてもよい。この場合、希フッ酸中では、以下の式(8)に示すように塩酸が解離し、イオン化している。
HCl ⇔ H+ + Cl- ・・・(8)
そのため、希フッ酸の比抵抗が比較的低い。このため、基板Wの帯電を抑制することができ、これにより、酸化還元電位の反応を抑制することができ、銅膜の腐食を防止することができる。したがって、銅膜に悪影響を与えることを回避しつつ、希フッ酸を用いたポリマー除去処理を、基板Wに施すことができる。また、塩酸濃度が低濃度であるので、希フッ酸ノズル4からの希フッ酸によって基板W上の銅膜がほとんど溶解しない。
したがって、銅膜に悪影響を与えることを回避しつつ、希フッ酸を用いたポリマー除去処理を、基板Wに施すことができる。
さらに、希釈水として、水素水(カソード水)(ph値=6〜7)が用いられていてもよい。この場合、希フッ酸中では、水素が解離し、イオン化している。このため、基板Wの表面の銅膜の銅が安定化するとともに、基板Wの帯電を抑制することができる。これにより、酸化還元電位の反応を抑制することができる。
また、前述の2つの実施形態では、希釈薬液として希フッ酸を用いる場合を例にとって説明したが、希釈薬液として、希釈液で所定濃度に希釈されたバファードフッ酸(Buffered HF:フッ酸とフッ化アンモニウムとの混合溶液)が用いられていてもよい。
さらに、基板処理装置1,31が、基板Wの表面に付着しているポリマーを除去するものではなく、基板Wの表面(主面)に付着しているパーティクルを除去するものであってもよい。かかる場合、希釈薬液としては、所定濃度に希釈されたSC1(アンモニア過酸化水素水混合液)、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)、あるいはCholine(水酸化2-ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム)等を用いることができる。
また、前述の2つの実施形態では、表面に金属膜としての銅膜(銅配線膜)が形成された基板Wに対する処理を行うものを例に挙げたが、銅膜以外の金属膜、たとえば、Ti(チタン)膜、Co(コバルト)膜、Ni(ニッケル)膜、Al(アルミニウム)膜、W(タングステン)膜等の金属膜(配線膜)が形成された基板Wに対する処理を行うものであってもよい。この場合であっても、銅膜以外の金属膜に対する酸化還元電位の反応を抑制し、金属膜の腐食を抑制することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を模式的に示す図である。 図1の基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。 図1に示す基板処理装置において行われる処理について説明するための工程図である。 この発明の第2の実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図解図である。
符号の説明
1,31 基板処理装置
4 希フッ酸ノズル(希釈薬液供給手段)
11 裏面ノズル
12 第1混合部
13 希フッ酸裏面側供給管
16 フッ酸裏面側供給管
17 第2炭酸水供給管
18 フッ酸裏面側バルブ
19 第2炭酸水バルブ
20 希フッ酸表面側供給管
21 フッ酸表面側供給管
22 第3炭酸水供給管
23 フッ酸表面側バルブ
24 第3炭酸水バルブ
30 制御装置
32 第2混合部(希釈薬液調製手段)
42 希フッ酸供給管
54 調製タンク(希釈薬液調製手段)
61 フッ酸供給管
66 フッ酸バルブ
80 炭酸水供給管
81 炭酸水バルブ
W 基板

Claims (6)

  1. 表面に金属膜が形成された基板に対し、その表面を処理する基板処理装置であって、
    イオンを含有する希釈水で薬液を希釈して希釈薬液を調製する希釈薬液調製手段と、
    前記希釈薬液調製手段によって調整された希釈薬液を、基板の表面に対して供給する希釈薬液供給手段を含む、基板処理装置。
  2. 前記希釈水は、炭酸水を含む、請求項1記載の基板処理装置。
  3. 前記希釈水は、純水に塩酸が添加されて生成された塩酸水を含む、請求項1記載の基板処理装置。
  4. 前記希釈水は、水素水を含む、請求項1記載の基板処理装置。
  5. 前記希釈薬液調製手段は、基板の表面のポリマーを除去するための希釈薬液を調製するものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  6. 表面に金属膜が形成された基板に対し、その表面を処理する基板処理方法であって、
    イオンを含有する希釈水で薬液を希釈して希釈薬液を調製する希釈薬液調製工程と、
    調整された希釈薬液を、基板の表面に対して供給する希釈薬液供給工程とを含む、基板処理方法。
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