JP2006024258A - 位置切換装置および磁気記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 構造を薄くでき、かつ製造コストが安価である位置切換装置、およびこの位置切換装置を有した磁気記録再生装置を提供する。
【解決手段】 磁気ヘッド13を保持するとともに、弾性を有して変位可能な変位保持部21と、磁気ヘッド13にその中央部が係合され、高温になった際に収縮する形状記憶合金製の線材26と、線材26の両端部が固定された固定保持部22と、線材26を加熱する磁気ヘッド13のコイル24およびコア25とを備え、変位保持部21を、外力を受けていない状態では、その弾性力により、固定保持部22に対して離反した位置となるように形成し、コイル24およびコア25により線材26が高温になって収縮した際に、この線材26の収縮力により、変位保持部21の線材26との係合箇所を固定保持部22側に引き寄せる構成とした。
【選択図】 図8
【解決手段】 磁気ヘッド13を保持するとともに、弾性を有して変位可能な変位保持部21と、磁気ヘッド13にその中央部が係合され、高温になった際に収縮する形状記憶合金製の線材26と、線材26の両端部が固定された固定保持部22と、線材26を加熱する磁気ヘッド13のコイル24およびコア25とを備え、変位保持部21を、外力を受けていない状態では、その弾性力により、固定保持部22に対して離反した位置となるように形成し、コイル24およびコア25により線材26が高温になって収縮した際に、この線材26の収縮力により、変位保持部21の線材26との係合箇所を固定保持部22側に引き寄せる構成とした。
【選択図】 図8
Description
本発明はディスクに対して情報の記録や再生を行うことができる磁気記録再生装置に関し、詳しくは磁気記録再生装置に設けられる磁気ヘッドなどの位置切換対象物の位置を切り換える位置切換装置に係るものである。
近年、光ディスクを記録媒体として光ピックアップにより読取り再生する光磁気記録再生装置は、小型化、高性能化が進んでおり、携帯用の光磁気記録再生装置としてミニディスク(MD)を用いた携帯用MDレコーダが一般的に普及している。
従来の光磁気記録再生装置には、例えば特許文献1に開示するものがあり、この光磁気記録再生装置を図10〜図17に基づいて説明する。
図10に示すように、光磁気記録再生装置は、本体キャビネット101の内部に電気回路部102と機械機構部103とを収納し、本体キャビネット101の開口を覆って蓋104を配置している。機械機構部103はメカベース105とメカベース105に装着するメカ部106とからなり、メカベース105とメカ部106との間に形成する収納部に挿入するミニディスク107は、カートリッジ108の内部に音楽信号などの信号を記録再生可能な光ディスク109を内蔵しており、光ディスク109に光磁気ディスク等の公知のものを用いている。
図10に示すように、光磁気記録再生装置は、本体キャビネット101の内部に電気回路部102と機械機構部103とを収納し、本体キャビネット101の開口を覆って蓋104を配置している。機械機構部103はメカベース105とメカベース105に装着するメカ部106とからなり、メカベース105とメカ部106との間に形成する収納部に挿入するミニディスク107は、カートリッジ108の内部に音楽信号などの信号を記録再生可能な光ディスク109を内蔵しており、光ディスク109に光磁気ディスク等の公知のものを用いている。
図11を参照してメカ部106のホルダ110に装着する種々の構成部品を説明する。
リフタ111はそのヒンジ軸112をホルダ110に形成したヒンジ軸受113に係合させて上下に揺動自在に装着している。駆動ロッド114はホルダ110に摺動自在に装着しており、そのウェッジ部115がリフタ111に形成したウェッジ受部116に係合・離脱する。
リフタ111はそのヒンジ軸112をホルダ110に形成したヒンジ軸受113に係合させて上下に揺動自在に装着している。駆動ロッド114はホルダ110に摺動自在に装着しており、そのウェッジ部115がリフタ111に形成したウェッジ受部116に係合・離脱する。
ホルダ110にビス止めしたモータ117には駆動ギヤ118を装着しており、駆動ギヤ118に噛合する減速ギヤ119をシャフト120でホルダ110に回転自在に設けている。減速ギヤ119と駆動ロッド114に設けたSW片121との間には伝達ギャユニット122を介装している。伝達ギャユニット122はシャフト123を介して一体に回転するウォームホイール124とフィードギャ125からなる。図12に示すように、減速ギヤ119にはウォーム126を一体的に設けており、ウォーム126がウォームホイール124に噛合し、フィードギャ125がSW片121の係合爪部127に噛合している。
磁気ヘッドユニット128は上下方向に揺動自在に設けた磁気ヘッド129を有し、基端側にヘッドアングル130をビス止めしており、ヘッドアングル130を基台131にビス止めし、基台131をメカベース105に装着している。磁気ヘッド129は、図13の(a)に示すように、リフタ111が下位姿勢に揺動してリフタ111の支えがなくなると光ディスク109に摺接する記録状態となり、図13の(b)に示すように、リフタ111が上位姿勢に揺動してリフタ111で持ち上げることで光ディスク109から離間する再生状態となる。メカベース105には、図14に示すように、光ディスク109を回転駆動するスピンドルモータ132を設けている。
この構成においては、モータ117の駆動により駆動ギヤ118が回転し、駆動ギヤ118の回転により駆動ギヤ118に噛合する減速ギヤ119がウォーム126と一体に回転し、ウォーム126の回転によりウォーム126に噛合するウォームホイール124がシャフト123を介してフィードギャ125と一体に回転する。
フィードギャ125の回転によってフィードギャ125に係合爪部127で噛合するSW片121が駆動ロッド114と一体にシャフト123の軸心方向に移動する。この駆動ロッド114の移動方向はモータ117の回転方向によって決まり、モータ117が正・逆回転することで駆動ロッド114が出退する。
例えば、図15の(a)、(b)は再生状態を示しており、図15の(a)に示すように、駆動ロッド114のウェッジ部115がリフタ111のウェッジ受部116を上方に押圧してリフタ111を上位姿勢に保ち、リフタ111が磁気ヘッド129を持ち上げることで磁気ヘッド129が光ディスク109から離間している。
この状態で、図15の(b)において、モータ117の駆動により駆動ギヤ118が反時計回り方向に回転すると、減速ギヤ119、ウォーム126、ウォームホイール124、シャフト123を介してフィードギャ125が回転し、図16の(b)に示すように、フィードギャ125の回転によって係合爪部127がSW片121および駆動ロッド114とともに紙面上の右方向へ送り出されて、図16の(a)に示すように、ウェッジ部115がリフタ111のウェッジ受部116から離間する方向に移動し、リフタ111が下位姿勢に揺動するにしたがって磁気ヘッド129が光ディスク109に接近する。
図17の(b)に示すように、係合爪部127がフィードギャ125の一端側に達すると、図17の(a)に示すように、SW片121および駆動ロッド114とともに移動するウェッジ部115がリフタ111のウェッジ受部116を押圧しない位置に達し、リフタ111が下位姿勢となって磁気ヘッド129が光ディスク109に摺接する。
特開2002−32938号公報
上記したように、従来の光磁気記録再生装置においては、図12に示すように、リフタ111を駆動させる機構として、ホルダ110の上にモータ117を取り付け、このモータ117の回転力を、駆動ギヤ118、減速ギヤ119、ウォーム126、ウォームホイール124、フィードギャ125で伝達することで構成していたので、これらの構成部品を配置するために、ホルダ110の上方部位に比較的大きな高さ寸法を要した。
この高さ寸法の値は、モータ117の本体部分の厚みと駆動ギヤ118の厚みとを加えた値、もしくはモータ117の本体部分の厚みと減速ギヤ119の厚みとこれらの間の隙間高さを加えた値、もしくはウォームホイール124の直径と減速ギヤ118の厚みおよびこれらの間の隙間高さを加えた値の何れかで決定されており、その薄型化が困難であり、結果として携帯用のMDレコーダの厚みが厚くなるという課題を有していた。
また、モータ117の回転力を複数のギヤで減速させて力を伝達する複雑な減速機構であるために、構造的に形状が大きくなり、モータ自身がコスト高であるとともに部品点数が増えて製造コストが高くなる問題もあった。また、電気信号に対する追従性を良くするためには電気信号の制御が複雑になりがちである。
また、モータ117に代えてプランジャを利用する場合においても同様な問題があり、プランジャ自身の大きさで機構のサイズが決定され、プランジャ自身がコスト高である。
本発明は上記課題を解決するものであり、構造を薄くでき、かつ製造コストが安価である位置切換装置、およびこの位置切換装置を有した磁気記録再生装置を提供することを目的とするものである。
本発明は上記課題を解決するものであり、構造を薄くでき、かつ製造コストが安価である位置切換装置、およびこの位置切換装置を有した磁気記録再生装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明の請求項1に係る位置切換装置は、位置切換対象物を保持するとともに、弾性を有して変位可能な変位保持部と、位置切換対象物にその一部が係合され、高温になった際に収縮する形状記憶合金製の線材と、線材の他の一部が固定された固定保持部と、線材の近傍に配設された熱源とを備え、変位保持部を、外力を受けていない状態では、その弾性力により、前記固定保持部に対して離反した位置となるように形成し、熱源により線材が高温になって収縮した際に、この線材の収縮力により、変位保持部の線材との係合箇所を固定保持部側に引き寄せる構成としたことを特徴とする。
上記構成において、熱源により熱を発生させると、熱源の近傍に配置された形状記憶合金製の線材が高温となって収縮し、この線材の収縮力により、変位保持部の線材との係合箇所が固定保持部側に引き寄せられる。一方、熱源による熱の発生を停止させると、形状記憶合金製の線材が伸びた状態となり、変位保持部における線材から受ける収縮力が減少するので、変位保持部が、外力を受けていない本来の姿勢に近づき、固定保持部側からその弾性力により離反する。このように、熱源での熱の発生と停止とにより、変位保持部に保持された位置切換対象物が、線材の収縮力により固定保持部側に引き寄せられた姿勢と、その弾性力により固定保持部側から離反した姿勢とに切り換えられる。
本発明の請求項2に係る位置切換装置は、変位保持部と、固定保持部とが、弾性を有する弾性支持部材に形成されており、固定保持部の弾性率が変位保持部の弾性率よりも大きいことを特徴とする。
本発明の請求項3に係る位置切換装置は、弾性支持部材が、二又形状の固定保持部間に変位保持部が位置するような三又形状に一体形成され、固定保持部における二又形状部分に、線材の両端部が固定されていることを特徴とする。
この構成により、熱源により熱が発生されると、変位保持部に保持された位置切換対象物が二又形状の固定保持部間に入り込むように移動する。この場合に、形状記憶合金製の線材の両端部が固定保持部における二又形状部分に固定されているので、線材を介して変位保持部の位置切換対象物が安定した状態で固定保持部間側に引き寄せられる。
本発明の請求項4に係る位置切換装置は、位置切換対象物が磁気ヘッドであることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る位置切換装置は、熱源が、磁気ヘッドのコイルおよびコアの少なくとも一方であることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る位置切換装置は、熱源が、磁気ヘッドのコイルおよびコアの少なくとも一方であることを特徴とする。
この構成により、磁気ヘッドのコイルに通電することで、コイルとコアの温度が上昇し、形状記憶合金製の線材が高温となって収縮し、これにより、磁気ヘッドが設けられた変位保持部における線材との係合箇所が固定保持部側に引き寄せられる。一方、コイルへの通電が止められると、形状記憶合金製の線材が伸びた状態となり、変位保持部における線材から受ける収縮力が減少するので、変位保持部が、外力を受けていない本来の姿勢に近づき、固定保持部側からその弾性力により離反する。このように、コイルへの通電と停止とにより、変位保持部に設けられた磁気ヘッドが、線材を介して固定保持部側に引き寄せられて近づいた姿勢と、その弾性力により固定保持部から離反した姿勢とに切り換えられる。
本発明の請求項6に係る磁気記録再生装置は、請求項5に記載の位置切換装置を備え、コイルに通電することにより、変位保持部が固定保持部側に移動して、磁気ヘッドがディスクへの摺接位置または近接位置に移動されることを特徴とする。
本発明の請求項7に係る磁気記録再生装置は、請求項4または5項に記載の位置切換装置と、ディスクが収納されたカートリッジを着脱自在に保持するホルダと、複数の姿勢にわたって揺動自在のリフタとを備え、ホルダに対してカートリッジを着脱操作する際、または片面に開口部がないカートリッジを再生する際に、カートリッジの着脱動作または片面に開口部がないカートリッジの装着動作にリフタが連動して、磁気ヘッドがカートリッジに接触しない姿勢に前記リフタにより移動されるように構成したことを特徴とする。
この構成により、カートリッジの着脱動作時や、片面に開口部がないカートリッジの装着動作時には、リフタにより磁気ヘッドがカートリッジに接触しない姿勢に移動され、これにより、磁気ヘッドのカートリッジへの接触による損傷を防止できて、磁気ヘッドの信頼性の向上や長寿命化を図ることができる。
以上のように本発明によれば、変位保持部の弾性力を利用しながら、熱源での熱の発生と停止とにより、モータ等の動力を要することなく位置切換装置を実現でき、また、熱源での熱の発生と停止の簡単な制御で切換動作が可能であり、従来において薄型化を阻む要素であったモータ等の駆動力発生源を熱源と線材とに置き換えることで位置切換装置の薄型化を容易かつ簡単に構成することができ、薄型化に加えて製造コストの低減化をも図ることが可能となる。
また、変位保持部と、固定保持部とを、弾性を有する弾性支持部材に形成し、固定保持部の弾性率を変位保持部の弾性率よりも大きくしたことにより、簡単な構成で変位保持部と固定保持部とを形成できる。
さらに、弾性支持部材を、二又形状の固定保持部間に変位保持部が位置するような三又形状に一体形成し、固定保持部における二又形状部分に、線材の両端部を固定することにより、極めて簡単な構成で、変位保持部で保持した位置切換対象物の位置を安定して切り換えることができる。
また、磁気ヘッドを位置切換対象物として用いることにより、極めて簡単な構成で磁気ヘッドの位置を切り換えることができる。
さらに、磁気ヘッドに設けられているコイルとコアを熱源としても用いることにより、形状記憶合金製の線材を加熱する熱源を別途に設けなくて済むので、部品点数を削減でき、これにより、さらに薄型化および製造コストの低減化を図ることができる。また、形状記憶合金製の線材自体に通電する構造ではなくて、その電気回路も不要であるので、これによっても、製造コストの低減化を図ることができる。
さらに、磁気ヘッドに設けられているコイルとコアを熱源としても用いることにより、形状記憶合金製の線材を加熱する熱源を別途に設けなくて済むので、部品点数を削減でき、これにより、さらに薄型化および製造コストの低減化を図ることができる。また、形状記憶合金製の線材自体に通電する構造ではなくて、その電気回路も不要であるので、これによっても、製造コストの低減化を図ることができる。
また、カートリッジの着脱動作時や、片面に開口部がないカートリッジの装着動作時に、リフタにより磁気ヘッドをカートリッジに接触しない姿勢に移動させることにより、磁気ヘッドのカートリッジへの接触による損傷を防止できて、磁気ヘッドの信頼性の向上や長寿命化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態における光磁気記録再生装置の全体斜視図、図2は同光磁気記録再生装置の分解斜視図、図3は同光磁気記録再生装置の機械機構部の斜視図である。
図1〜図3において、光磁気記録再生装置は、本体キャビネット1の内部に電気回路部2と機械機構部3とを収納し、本体キャビネット1の開口を覆って蓋4を配置している。
機械機構部3は、メカベース5とメカベース5に装着するメカ部6とからなり、メカ部6には、ミニディスク7を両側から着脱自在に保持するホルダ11が一体形成されている。ミニディスク7は、カートリッジ8の内部に音楽信号などの信号を記録再生可能な光ディスク9を内蔵しており、光ディスク9に光磁気ディスク等の公知のものを用いている。メカベース5には光ディスク9を回転駆動するスピンドルモータ10を設けている。
機械機構部3は、メカベース5とメカベース5に装着するメカ部6とからなり、メカ部6には、ミニディスク7を両側から着脱自在に保持するホルダ11が一体形成されている。ミニディスク7は、カートリッジ8の内部に音楽信号などの信号を記録再生可能な光ディスク9を内蔵しており、光ディスク9に光磁気ディスク等の公知のものを用いている。メカベース5には光ディスク9を回転駆動するスピンドルモータ10を設けている。
図2〜図5に示すように、メカ部6のホルダ11には磁気ヘッドユニット12が摺接する姿勢で配設されている。この磁気ヘッドユニット12は、その先端部に位置切換対象物としての磁気ヘッド13を上下方向に揺動自在に支持する弾性支持部材20を有し、弾性支持部材20の基端側にヘッドアングル19をビス止めしており、ヘッドアングル19を、光ピックアップ(図示せず)が組み付けられた基台18にビス止めし、基台18を横方向に移動自在な状態でメカベース5に装着している。磁気ヘッド13は、光ディスク9に摺接する記録姿勢(図5参照)と光ディスク9から少し離間した記録準備姿勢(図4参照)と、カートリッジ8から離間する離間姿勢(図6(a),(b)参照)とにわたって揺動する。
この磁気ヘッド13が設けられた弾性支持部材20は板ばね材で構成され、磁気ヘッド13の位置を以下のような構成で切り換える位置切換装置が設けられている。図7〜図9に示すように、弾性支持部材20には、磁気ヘッド13を保持する変位保持部21と、後述する形状記憶合金製の線材26の両端部を固定する固定保持部22とが一体形成されており、平面視して二又形状の固定保持部22の間に変位保持部21が位置するような三又形状に形成され、変位保持部21の先端寄り箇所に磁気ヘッド13が設けられている。また、磁気ヘッド13は、変位保持部21に固定されて光ディスク9に摺接するスライダ23と、スライダ23に組み付けられたコイル24と、このコイル24が巻かれたコア25とから構成されている。そして、これらのコイル24とコア25との間の間隙を横断するように、高温になった際に長手方向に対して収縮する形状記憶合金製の2本の線材26が貫通して配設され、これらの線材26の両端部は、コイル24やコア25の両側方位置に配設されている固定保持部22の先端部に接着剤などを用いて固定されている。また、通常の状態では、固定保持部22は、光ディスク9に近接した姿勢に保持されているが、変位保持部21は、外力を受けていない状態で、その弾性力により、固定保持部22および光ディスク9の表面部位値に対して離反した位置となるように形成され、固定保持部22の弾性率(弾性係数)が変位保持部21の弾性率よりも大きくなるように構成されている。なお、図7、図8における27はコイル24に通電するためのフレキシブル配線である。また、図7(b)、図8(b)に示すように、形状記憶合金製の線材26は、コイル24やコア25の上端部箇所を横切る位置で磁気ヘッド13に係合され、常温では少し弛みかけた状態となるような長さとされて、変位保持部21の上方への弾性力により、磁気ヘッド13が光ディスク9の表面部から離反するように持ち上げられた姿勢に維持されている。
また、磁気ヘッド13がその先端部に設けられている弾性支持部材20は、リフタ14によっても上下に揺動するように持ち上げ可能に位置規制されている。リフタ14はそのヒンジ軸受16をホルダ11に形成したヒンジ軸17に係合させて上下に揺動自在に装着されており、リフタ14は、上方寄り姿勢に揺動して磁気ヘッド13をカートリッジ8から離間する前記離間姿勢に揺動させ、また、下方寄り姿勢に揺動して磁気ヘッド13を光ディスク9に摺接する記録姿勢(図5参照)および光ディスク9から少し離間した記録準備姿勢(図4参照)に解放する。リフタ14はメカ部6に形成した付勢部材15(図3参照)などにより下方側に向けて付勢されている。
また、片側のホルダ11には、挿入されたカートリッジ8の凹部に係合するカートリッジ係合部31aをその奥側部分に有するホルダスライダ31がスライド自在に取付けられている。そして、カートリッジ8の着脱動作が行われる際およびカートリッジ8が挿入されていない際には、ホルダスライダ31に形成されたテーパ付き突出面31b(図3参照)が、リフタ14の一端側に形成された突板部14a(図6(a)参照)に下方から当接し、これにより、図6(a)に示すように、リフタ14が持ち上げられて、磁気ヘッド13がカートリッジ8に接触しない離間姿勢に保持される。
また、ミニディスク7として、記録されることがなく、光ピックアップに臨む下面側しか開口部を有しないミニディスク7(いわゆるROMディスク)のカートリッジ8が挿入された場合には、図6(b)に示すように、カートリッジ8が、リフタ14に形成した摺接部14bに当接し、これにより、図6(b)に示すように、リフタ14が持ち上げられて、磁気ヘッド13がカートリッジ8に接触しない離間姿勢に保持される。
次に、上記構成の作用を説明する。
ミニディスク7が挿入される際(図6(a)参照)や、再生専用のミニディスク(ROMディスク)7が装着された際(図6(b)参照)には、リフタ14が持ち上げられて、磁気ヘッド13がカートリッジ8に接触しない離間姿勢に保持されるため、磁気ヘッド13がカートリッジ8等に接触せず、これにより、磁気ヘッド13の損傷や磨耗などが抑えられて長寿命化が図られる。
ミニディスク7が挿入される際(図6(a)参照)や、再生専用のミニディスク(ROMディスク)7が装着された際(図6(b)参照)には、リフタ14が持ち上げられて、磁気ヘッド13がカートリッジ8に接触しない離間姿勢に保持されるため、磁気ヘッド13がカートリッジ8等に接触せず、これにより、磁気ヘッド13の損傷や磨耗などが抑えられて長寿命化が図られる。
一方、再生だけでなく記録も可能なミニディスク(いわゆるRAMディスク)7のカートリッジ8がホルダ11内の所定位置まで収納されると、カートリッジ8にそのテーパ付き突出面31bで係合したホルダスライダ31が奥側まで移動され、そのテーパ付き突出面31bがリフタ14の突板部14aから離反し、この結果、図4に示すように、磁気ヘッド13は、リフタ14により押し上げられなくなって下側位置に移動し、光ディスク9から少し離間した記録準備姿勢(図4参照)まで接近する。なお、記録を行わずに、再生のみ行う場合でも、素早く記録動作に切り換えられるように、この姿勢に配置される。
この後、光ディスク9への記録指示があると、まず、磁気ヘッド13のコイル24に所定の通電量で通電し、コイル24およびコア25を高温状態とする。すると、コイル24およびコア25の熱により、形状記憶合金製の線材26も高温となって収縮する。そして、この形状記憶合金製の線材26の収縮力が変位保持部21の上方への弾性力を上回った時点で、変位保持部21における磁気ヘッド13が設けられている箇所が、線材26の収縮力により、弾性率が変位保持部21の弾性率よりも大きな固定保持部22側に引き寄せられ、図5、図8、図9(b)に示すように、磁気ヘッド13が光ディスク9に摺接する。この後、通常の電流量でコイル24に通電し、磁気ヘッド13および光ピックアップにより、光ディスク9の所定箇所のデータを書き換える。なお、通常の電流量で、直ぐにコイル24およびコア25が所定の温度に達する場合には、加熱のための電流の制御を省くことも可能である。
このような記録動作が終了し、磁気ヘッド13のコイル24への通電が停止されると、コイル24およびコア25の温度が室温近くまで下がることで、形状記憶合金製の線材26がその長さ方向に伸びる。これにより、変位保持部21はその弾性力により上昇し、図4、図7、図9(a)に示すように、磁気ヘッド13が光ディスク9から離反する。
このように本発明によれば、変位保持部21の弾性力を利用しながら、熱源としてのコイル24やコア25での熱の発生と停止とにより、モータ等の動力を要することなく磁気ヘッド13の位置切換を実現でき、また、前記熱源での熱の発生と停止の簡単な制御で切換動作が可能であり、従来において薄型化を阻む要素であったモータ等の駆動力発生源を熱源と線材とに置き換えることで位置切換装置の薄型化を容易かつ簡単に構成することができ、薄型化に加えて製造コストの低減化をも図ることが可能となる。
また、変位保持部21と固定保持部22とを、弾性を有する弾性支持部材20に形成し、固定保持部22の弾性率を変位保持部21の弾性率よりも大きくしたことにより、簡単な構成で安価に変位保持部21と固定保持部22とを形成できる。さらに、弾性支持部材20を、二又形状の固定保持部22間に変位保持部21が位置するような三又形状に一体形成し、固定保持部22における二又形状部分に、線材26の両端部を固定することにより、極めて簡単な構成で、変位保持部21で保持した位置切換対象物としての磁気ヘッド13の位置を安定して切り換えることができる。
そして特に、磁気ヘッド13に設けられているコイル24とコア24とを熱源としても用いることにより、形状記憶合金製の線材26を加熱する熱源を別途に設けなくて済むので、部品点数を削減できるとともに、熱源の制御も容易であり、これにより、さらに光磁気記録再生装置の薄型化および製造コストの低減化を図ることができる。また、形状記憶合金製の線材自体に通電するための電気回路も不要であるので、これによっても、製造コストの低減化を図ることができる。
また、カートリッジ8の着脱動作時や、再生専用のミニディスク(ROMディスク)7の装着動作時に、リフタ14により磁気ヘッド13をカートリッジ8に接触しない姿勢に移動させることにより、磁気ヘッド13のカートリッジ8への接触による損傷や磨耗を防止できて、磁気ヘッド13の信頼性の向上や長寿命化を図ることができる。
なお、上記実施の形態では、形状記憶合金製の線材26を2本用いることで、磁気ヘッド13の位置を安定して切り換えることができるが、これに限るものではなく、形状記憶合金製の線材26の本数は1本や3本以上でも差し支えない。また、上記実施の形態では、コイル24とコア24との両方を、線材26を加熱する熱源として用いた場合を述べたが、コイル24またはコア24の何れかだけを熱源として用いてもよい。また、線材26の両端部を固定保持部22にそれぞれ固定することで、磁気ヘッド13の位置を安定して切り換えることができるが、光磁気記録再生装置などの磁気記録再生装置において、位置切換対象物として磁気ヘッド13以外のものを用いて位置を切り換えることも可能である。この場合には、固定保持部を1つだけ設けて、記憶合金製の線材の中間部を変位保持部に係合させ、線材の両端部を同じ固定保持部に固定させたり、または、一端を固定保持部に固定し、他端側を変位保持部に固定させたりしてもよく、この構造によっても、熱源で加熱されて線材が収縮した際に、変位保持部が固定保持部側に近づくように位置切換を行わせることが可能である。また、この場合には、熱源としていろいろなものを用いることが可能である。
本発明の位置切換装置および磁気記録再生装置は、光磁気記録再生装置の磁気ヘッドの位置の切り換えに特に好適であるが、これに限るものではなく、各種の位置の切換手段として適用できる。
7 ミニディスク
8 カートリッジ
9 光ディスク
11 ホルダ
12 磁気ヘッドユニット
13 磁気ヘッド(位置切換対象物)
20 弾性支持部材
21 変位保持部
22 固定保持部
23 スライダ
24 コイル(熱源)
25 コア(熱源)
26 線材
8 カートリッジ
9 光ディスク
11 ホルダ
12 磁気ヘッドユニット
13 磁気ヘッド(位置切換対象物)
20 弾性支持部材
21 変位保持部
22 固定保持部
23 スライダ
24 コイル(熱源)
25 コア(熱源)
26 線材
Claims (7)
- 位置切換対象物を保持するとともに、弾性を有して変位可能な変位保持部と、
位置切換対象物にその一部が係合され、高温になった際に収縮する形状記憶合金製の線材と、
線材の他の一部が固定された固定保持部と、
線材の近傍に配設された熱源とを備え、
変位保持部を、外力を受けていない状態では、その弾性力により、前記固定保持部に対して離反した位置となるように形成し、
熱源により線材が高温になって収縮した際に、この線材の収縮力により、変位保持部の線材との係合箇所を固定保持部側に引き寄せる構成としたことを特徴とする位置切換装置。 - 変位保持部と、固定保持部とが、弾性を有する弾性支持部材に形成されており、固定保持部の弾性率が変位保持部の弾性率よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の位置切換装置。
- 弾性支持部材が、二又形状の固定保持部間に変位保持部が位置するような三又形状に一体形成され、固定保持部における二又形状部分に、線材の両端部が固定されていることを特徴とする請求項2に記載の位置切換装置。
- 位置切換対象物が磁気ヘッドであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の位置切換装置。
- 熱源が、磁気ヘッドのコイルおよびコアの少なくとも一方であることを特徴とする請求項4に記載の位置切換装置。
- 請求項5に記載の位置切換装置を備え、コイルに通電することにより、変位保持部が固定保持部側に移動して、磁気ヘッドがディスクへの摺接位置または近接位置に移動されることを特徴とする磁気記録再生装置。
- 請求項4または5に記載の位置切換装置と、ディスクが収納されたカートリッジを着脱自在に保持するホルダと、複数の姿勢にわたって揺動自在のリフタとを備え、ホルダに対してカートリッジを着脱操作する際、または片面に開口部がないカートリッジを再生する際に、カートリッジの着脱動作または片面に開口部がないカートリッジの装着動作にリフタが連動して、磁気ヘッドがカートリッジに接触しない姿勢に前記リフタにより移動されるように構成したことを特徴とする磁気記録再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004199947A JP2006024258A (ja) | 2004-07-07 | 2004-07-07 | 位置切換装置および磁気記録再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004199947A JP2006024258A (ja) | 2004-07-07 | 2004-07-07 | 位置切換装置および磁気記録再生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006024258A true JP2006024258A (ja) | 2006-01-26 |
Family
ID=35797424
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004199947A Pending JP2006024258A (ja) | 2004-07-07 | 2004-07-07 | 位置切換装置および磁気記録再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006024258A (ja) |
-
2004
- 2004-07-07 JP JP2004199947A patent/JP2006024258A/ja active Pending
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