JP2006021418A - 感熱記録用シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 この課題は、支持体上に、無色ないし淡色のロイコ化合物と、該ロイコ化合物を加熱時に呈色させる顕色剤を含有する感熱記録層、及び該感熱記録層上に中間層を設けた感熱記録シートにおいて、該中間層は乳化重合法により得られたPVA(ポリビニルアルコール)変性のアクリル酸エステル系エマルジョンと水溶性高分子樹脂を含有し、且つ該アクリル酸エステル系エマルジョンと水溶性高分子樹脂との含有比率が固形分重量で20:80〜80:20の範囲にあることを特徴とする感熱記録用シートによって解決される。
Description
このような剥離紙を用いない記録用粘着シートは、工程管理用粘着シートや航空バゲッジタグなどの流通管理用途で強い粘着剤を使用するため、従来の電子線硬化樹脂層を設けた感熱記録用粘着シートでは最も接着力の弱い電子線硬化樹脂層と接する中間層の界面から剥がれて粘着層に付着してしまう欠点がある。
本発明は支持体上に、無色ないし淡色のロイコ化合物と、該ロイコ化合物を加熱時に呈色させる顕色剤を含有する感熱記録層(発色層)を設けた感熱記録体において、発色層の電子線硬化樹脂層を設ける側の面、即ち該支持体側とは反対側の面上に乳化重合されたアクリルエマルジョンと水溶性高分子樹脂を含有する中間層を設けることで、感熱記録層と電子線硬化樹脂層との密着性に優れ、且つ電子線硬化樹脂層を設けることで水や油などからの防御が出来る。
一般に感熱記録層上のオーバーコートとして使用されるPVA樹脂やアクリルアマイドを用いた場合は、電子線硬化樹脂との密着性が低く、PVA樹脂やアクリルアマイド層と電子線硬化樹脂層との界面で容易に剥離を起こす。
ロイコ化合物・顕色剤・発色促進剤の化合物は一般的に、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子水溶液とともにボールミル、サンドミル等を用い2μm以下に粉砕する。発色促進剤は、ロイコ化合物、顕色剤のいずれかに加えるか、または両方に加え、同時に粉砕するか、場合によっては予め共融混合物を作成し、分散しても良い。
これらの分散液は、分散後混合され、必要に応じ顔料・界面活性剤・バインダー(接着剤)・金属石鹸・ワックス・酸化防止剤・紫外線吸収剤等を加え感熱記録用塗液とする。
3−N−メチル−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−プロピル−N−メチルアミノ−6−メチル−フェニルアミノフルオラン、(2'−アニリノ−3'−メチル−6'−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)スピロ[フタリド−3,9−キサテン]、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−N−ペンチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、6'−(ジエチルアミノ)−2'−[[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9'−(9H)キサテン]−3−オン、6'−[エチル(4−メチルフェニル)アミノ]−3'−メチル−2'−(フェニルアミノ)−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9'−(9H)キサテン]−3−オン、2−クロロ−6−(ジメチルアミノ)フルオラン、2−(2'−クロロアニリノ)−6−ジ−N−ブチルアニリノフルオラン、3,3−ビス(p−ジメチル−アミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド等が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、また2種以上を併用することもできる。
以上の成分を用いて中間層塗液を調製し、該液を感熱記録層上に塗布、乾燥し目的とする中間層を設ける。
尚、電子線硬化樹脂層の塗工量としては、通常、1〜10g/m2程度である。又、電子線の加速電圧は、70〜200kV程度、照射線量は、1〜5Mrad程度とする。
実施例:
焼成クレーの40%分散液 45重量部、
ポリビニルアルコール15%水溶液 35重量部、
水 20重量部。
上記組成物を混合しアンダーコート用塗液を調製した。この液を乾燥後の塗布量が6g/m2となるように上質紙から成る、支持体上に塗布・乾燥したアンダーコート層を形成した。
(A−1液の調成)
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 10重量部、
ポリビニルアルコール15%水溶液 12重量部、
水 8重量部。
この組成物をサンドグラインダーで平均粒子径が0.6μmとなるまで粉砕し、A−1液を得た。
(B−1液調成)
4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン 10重量部、
ポリビニルアルコール15%水溶液 12重量部、
水 8重量部。
この組成物をサンドグラインダーで平均粒子径が1μmとなるまで粉砕し、B−1液を得た。
(C−1液の調成)
シュウ酸ジ(p-メチルベンジル) 10重量部、
ポリビニルアルコール15%水溶液 12重量部、
水 8重量部。
この組成物をサンドグラインダーで平均粒子径が1μmとなるまで粉砕し、C−1液を得た。
(D−1液調成)
炭酸カルシウム(55%分散液) 10重量部、
水 12.5重量部。
この組成物を分散機で分散し、D−1液とした。
A−1液10重量部、B−1液20重量部、C−1液20重量部、D−1液35部重量部、この組成物を混合、攪拌し感熱記録層用塗液とした。得られた感熱記録層用塗液を上記アンダーコート層上に乾燥塗布量が7g/m2となるように塗布、乾燥し感熱記録層を形成した。
乳化重合法により得られたPVA変性のアクリル酸エステル系エマルジョン〔商品名:VA−757,日信化学社製〕(28.9%液) 7重量部、
変性PVA〔商品名:RS−2117,クラレ社製〕(10%液) 20重量部、
炭酸カルシウム(40%分散液) 4重量部、
ステアリン酸亜鉛(30%) 1.5重量部、
水 5重量部。
この組成物を混合、攪拌し中間層用塗液とした。
得られた中間層用塗液を上記感熱記録層上に乾燥重量が2g/m2となるように塗布・乾燥しその後、スーパーカレンダーによる表面平滑処理を行い、中間層を形成した。
下記組成の無溶剤型の電子線硬化樹脂組成物を上記中間層上に乾燥重量が3g/m2となるようにグラビアロールコート法により塗布し、電子線照射機を用いて、加速電圧165kV、照射線量3Mradの照射条件にて電子線を照射して、該組成物を架橋、硬化せしめて電子線硬化樹脂層を形成した。
(電子線硬化樹脂組成物)
ウレタンアクリレートプレポリマー 60重量部、
トリメチロールプロパントリアクリレート 40重量部、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 20重量部、
弗素樹脂系滑剤 5重量部。
支持体(記録面)の裏側に強接着用アクリル樹脂系粘着剤エマルジョンを、ロールコート塗工機を用いて乾燥後の塗布量が20g/m2となるように塗布乾燥して感熱記録用粘着シートを得た。
乳化重合法により得られたPVA変性のアクリル酸エステル系エマルジョン〔商品名:VA−757,日信化学社製〕(28.9%液) 4.5重量部、
変性PVA〔商品名:RS−2117,クラレ社製〕(10%液) 40重量部、
炭酸カルシウム(40%分散液) 4重量部、
ステアリン酸亜鉛(30%) 1.5重量部。
この組成物を混合、攪拌し、中間層用塗液とした以外は実施例1と同様にして感熱記録用粘着シートを得た。
乳化重合法により得られたPVA変性のアクリル酸エステル系エマルジョン〔商品名:VA−757,日信化学社製〕(28.9%液) 20重量部、
変性PVA〔商品名:RS−2117,クラレ社製〕(10%液) 20重量部、
炭酸カルシウム(40%分散液) 4重量部、
ステアリン酸亜鉛(30%) 1.5重量部、
水 16重量部。
この組成物を混合、攪拌し、中間層用塗液とした以外は実施例1と同様にして感熱記録用粘着シートを得た。
実施例1において、電子線硬化樹脂層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録用粘着シートを得た。
実施例1の中間層形成において、
変性PVA〔商品名:RS−2117,クラレ社製〕(10%液) 70重量部、
炭酸カルシウム(40%分散液) 4重量部、
ステアリン酸亜鉛(30%) 1.5重量部。
この組成物を混合、攪拌し中間層用塗液とした以外は実施例1と同様にして感熱記録用粘着シートを得た。
実施例1の中間層形成において、
乳化重合法により得られたPVA変性のアクリル酸エステル系エマルジョン〔商品名:VA−757,日信化学社製〕(28.9%液) 24重量部、
水 25重量部、
炭酸カルシウム(40%分散液) 4重量部、
ステアリン酸亜鉛(30%) 1.5重量部。
この組成物を混合、攪拌し中間層用塗液とした以外は実施例1と同様にして感熱記録用粘着シートを得た。
実施例1の中間層形成において、
アクリルアミド共重合物〔商品名:TY−142,ハリマ化成社製〕(35%液)
5.8重量部、
変性PVA〔商品名:RS−2117,クラレ社製〕(10%液) 20重量部、
炭酸カルシウム(40%分散液) 4重量部、
ステアリン酸亜鉛(30%) 1.5重量部、
水 5重量部。
この組成物を混合、攪拌し中間層用塗液とした以外は実施例1と同様にして感熱記録用粘着シートを得た。
実施例1の中間層形成において、
変性スチレン・ブタジエン共重合物〔商品名:L−1537,旭化成社製〕(50%液)
4重量部、
変性PVA〔商品名:RS−2117,クラレ社製〕(10%液) 20重量部、
炭酸カルシウム(40%分散液) 4重量部、
ステアリン酸亜鉛(30%) 1.5重量部、
水 5重量部。
この組成物を混合、攪拌し中間層用塗液とした以外は実施例1と同様にして感熱記録用粘着シートを得た。
感熱試験機 TH−PMH2(株式会社大倉電機製)を使用して評価した。記録部の印字は下記の条件で行った。
ライン速度 :2.0ms/line
印字エネルギー :0.17mj/dot
発色した記録部の濃度をマクベス社製RD−918型反射濃度計で測定した。
測定した濃度で、1.35以上であれば、実用レベルのもの。
発色性試験で得たシートの発色した記録部にヒマシ油0.1ml摘下した後すぐに拭き取り、24時間後に滴下した個所のヒマシ油拭き取り処理後の濃度をマクベス製RD−918型反射濃度計で測定した。測定した濃度で、1.35以上であれば、実用レベルのもの。
得られた感熱記録用粘着シートを25.4mm×25.4mmに切断し試料とする。該試料の電子線硬化樹脂層上に両面粘着テープを4kgf/cm2の荷重で30秒間圧着して熊谷理機工業社製のインターナルボンドテスターを用いて剥離処理を行い、感熱記録面の剥離している個所の層を目視観察し中間層と電子線硬化樹脂層との密着性を評価した。
評価基準
○:紙層、アンダーコート層、感熱記録層のいずれかで剥離を起こし、実用レベルのもの。
△:一部分、中間層と電子線硬化樹脂層以外で剥離を起こし、実用上問題があるもの。
×:中間層と電子線硬化樹脂層との界面で明らかに剥離を起こし、実用不可のもの。
得られた感熱記録用粘着シートの表面状態を目視観察し、電子線硬化樹脂成分に対する中間層の防御性の評価を行なった。
○:感熱層まで電子線硬化樹脂成分が浸透していなく、感熱層で変色を生じず、実用レベルのもの。
△:感熱層まで電子線硬化樹脂成分がスポットで浸透し、感熱層の一部分で変色を生じ、実用上問題があるもの。
×:感熱層まで電子線硬化樹脂成分が浸透し、感熱層で全面変色を生じ、実用不可のもの。
Claims (1)
- 支持体上に、無色ないし淡色のロイコ化合物と、該ロイコ化合物を加熱時に呈色させる顕色剤を含有する感熱記録層、及び該感熱記録層上に中間層を設けた感熱記録シートにおいて、該中間層は乳化重合法により得られたPVA(ポリビニルアルコール)変性のアクリル酸エステル系エマルジョンと水溶性高分子樹脂を含有し、且つ該アクリル酸エステル系エマルジョンと水溶性高分子樹脂との含有比率が固形分重量で20:80〜80:20の範囲にあることを特徴とする感熱記録用シート。
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