JP2006021137A - W/o/w型マイクロカプセル - Google Patents
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Abstract
【課題】無機アルカリおよびその水溶性溶媒溶液、またはポリアミンおよびその水溶性溶媒溶液を効率よく内包でき、保存中の漏洩がなく、熱または圧力により壁材を破壊し内包物を放出するマイクロカプセルを提供する。
【解決手段】下記(1)〜(3)の工程;(1)カプセル壁となるべき常温で固体である親油性物質をその融点以上に加熱し、マイクロカプセル中に内包されるべき無機アルカリおよびその水溶性溶媒溶液、またはポリアミンおよびその水溶性溶媒溶液を添加し機械力を加えてW/Oエマルジョンを調製する、(2)この系と同温の水、または内包される水溶性化合物と同じ組成の水溶性物質中にこのW/Oエマルジョンを徐々に加えW/O/Wエマルジョンを調製する、(3)その後親油性物質の融点以下まで冷却し固化させて得られるマイクロカプセル。
【解決手段】下記(1)〜(3)の工程;(1)カプセル壁となるべき常温で固体である親油性物質をその融点以上に加熱し、マイクロカプセル中に内包されるべき無機アルカリおよびその水溶性溶媒溶液、またはポリアミンおよびその水溶性溶媒溶液を添加し機械力を加えてW/Oエマルジョンを調製する、(2)この系と同温の水、または内包される水溶性化合物と同じ組成の水溶性物質中にこのW/Oエマルジョンを徐々に加えW/O/Wエマルジョンを調製する、(3)その後親油性物質の融点以下まで冷却し固化させて得られるマイクロカプセル。
Description
本発明は、無機アルカリおよびその水溶性溶媒溶液、またはポリアミンおよびその水溶性溶媒溶液を内包するマイクロカプセルに関するものである。
無機アルカリおよびその水溶性溶媒溶液は様々な用途に用いられ、例えば澱粉糊用接着剤の粘度安定剤があげられる。また、ポリアミンおよびその水溶性溶媒溶液も様々な用途に用いられ、例えばエポキシ化合物を主成分とする接着剤の硬化剤としての用途があげられる。いずれもマイクロカプセルとすることにより、反応性の主剤と一液化して用いられ、熱または圧力などの外部からの刺激に応答して、内包物を放出し主剤と反応して効果を発揮することが望まれている。
一方、水溶性物質を内包するマイクロカプセルを製造する従来の製法として、W/O系からの界面重合法(例えば、特許文献1、特許文献2)、W/O/W系からの液中乾燥法(例えば、特許文献3、特許文献4)などが提案されている。
しかしながら、上記のような従来の方法を無機アルカリおよびその水溶性溶媒溶液、またはポリアミンおよびその水溶性溶媒溶液を内包するマイクロカプセルに応用するには、種々の問題がある。すなわち、界面重合法では、カプセル壁材にポリウレア、ポリウレタンなどの熱硬化性材料を用いることから、熱応答性を示すものの、その熱応答機構は、カプセル壁のガラス転移温度以上で膜が膨潤し、壁の物質透過性が増大するものであり、カプセル壁が破壊し内包物が放出するものではない。さらに、ポリウレア、ポリウレタンはカプセル皮膜が化学構造的に密でなく、内包物の漏洩が起きやすい。無機アルカリを内包する場合、アルカリ触媒としてウレタン反応を促進するため、カプセル壁の硬化物性などに影響を与え易い。ポリアミンを内包する場合、カプセル壁を形成するイソシアネートが、ポリアミンと反応しポリウレアとなるため、本来内包すべきポリアミンがカプセル壁形成に消費されてしまうなどの問題がある。また、液中乾燥法で得られるカプセル壁は、ポリスチレン、ポリ乳酸グリコール酸共重合体などの高分子が用いられることから、熱応答性が緩慢である。さらに、液中乾燥法で得られる皮膜は物理的な細孔が存在し易く、内包物の漏洩が起きやすい問題がある。一方、W/O/W系からの融解分散冷却法(例えば、特許文献5)が提案されている。本法はカプセル壁にワックス様物質を用いていることから、熱応答性を示し、カプセル壁が破壊し内包物が放出するものであり、内包物の漏洩防止に有効と思われるが、無機アルカリおよびその水溶性溶媒溶液、またはポリアミンおよびその水溶性溶媒溶液を内包した事例がない。
特開平2−293041号公報
特開平5−25415号公報
特開平2−208386号公報
特開平6−72863号公報
特開昭61−225115号公報
本発明は、無機アルカリおよびその水溶性溶媒溶液、またはポリアミンおよびその水溶性溶媒溶液を内包し、保存中の漏洩がなく、熱または圧力により壁材を破壊し内包物を放出するマイクロカプセルを提供することにある。
上記の課題は本発明により達成される。すなわち、下記(1)〜(3)の工程;(1)カプセル壁となるべき常温で固体である親油性物質をその融点以上に加熱し、マイクロカプセル中に内包されるべき無機アルカリおよびその水溶性溶媒溶液、またはポリアミンおよびその水溶性溶媒溶液を添加し機械力を加えてW/Oエマルジョンを調製する、(2)この系と同温の水、または内包される水溶性化合物と同じ組成の水溶性物質中にこのW/Oエマルジョンを徐々に加えW/O/Wエマルジョンを調製する、(3)その後親油性物質の融点以下まで冷却し固化させて得られるマイクロカプセルである。
本発明で得られるマイクロカプセルは、無機アルカリおよびその水溶性溶媒溶液、またはポリアミンおよびその水溶性溶媒溶液を効率よく内包でき、保存中の漏洩がなく、熱または圧力により壁材を破壊し内包物を放出することが可能である。無機アルカリおよびその水溶性溶媒溶液を内包する澱粉糊用接着剤の粘度安定剤としての用途、ポリアミンおよびその水溶性溶媒溶液を内包するエポキシ接着剤の硬化剤としての用途などにおいて、反応性の主剤と一液化して用いることができ、熱または圧力などの外部からの刺激に応答して、内包物を放出し主剤と反応して効果を発揮することが可能となる。
つぎに、本発明を詳しく説明する。マイクロカプセルの調製方法に従い、記述する。
W/Oエマルジョンの調製
カプセル壁となるべき常温で固体である親油性物質をその融点以上に加熱し、油溶性乳化剤を添加し溶解する。さらに水溶性物質を添加し機械力を加えてW/Oエマルジョンを調製する工程である。
カプセル壁となるべき常温で固体である親油性物質をその融点以上に加熱し、油溶性乳化剤を添加し溶解する。さらに水溶性物質を添加し機械力を加えてW/Oエマルジョンを調製する工程である。
本発明のマイクロカプセルに内包される水溶性物質は、無機アルカリおよびその水溶性溶媒溶液、またはポリアミンおよびその水溶性溶媒溶液である。無機アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、アンモニア、水酸化マグネシウムなどがあげられる。特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。それらのものは常温下では固体であることから、W/O/Wエマルジョン調製時の親油性物質融解温度において液状化する程度の水、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの水溶性溶媒を用いて溶解し液状化することが望ましい。また、ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンジアミンなどの脂肪族系アミンあるいはこれらの変性物、またはメタフェニレンジアミン、4,4−ジアミノジフェニレンジアミン、メタ−(ジメチルアミノ)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの芳香族アミンなどがあげられる。特に、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンが好ましい。それらの中で、W/O/Wエマルジョン調製時の親油性物質融解温度において固体であり液状化しないものは親油性物質融解温度において液状化する程度の水、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの水溶性溶媒を用いて溶解し液状化することが望ましい。
本発明のカプセル壁となるべき親油性物質は、常温で固体を示すワックス状物質であり、水と相溶しないものであれば特に限定されないが、より好ましい融点は40〜90℃である。例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックスなどの鉱物系ワックス、カルナバワックス、木ロウなどの植物系ワックス、牛脂硬化油、ラノリンなどの動物系ワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュワックスなどの合成ワックスなどがあげられる。これらは単独または2種以上混合して使用してもよい。特に、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュワックスが好ましい。また、常温で固体を示す範囲で樹脂類、オイル状の親油性物質などを含んでも構わない。
油相に対する内水相の配合量は、通常、20〜70重量%であり、好ましくは30〜60重量%である。
本発明のW/O乳化時に用いる油溶性乳化剤としては、HLBが6以下のノニオン系乳化剤、酸化ワックスなどが好ましい。例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロックポリマー、レシチン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、オレフィン−無水マレイン酸共重合体、酸化パラフィンなどがあげられる。これらは単独または2種以上混合して使用してもよい。
油溶性乳化剤の配合量は、十分な乳化性が得られる限り特に限定されないが、通常、内水相に対して0.1〜20重量%であり、好ましくは1〜10重量%である。
W/Oエマルジョン調製時の乳化法は特に限定されず、ホモミキサー、ホモジナイザー、コロイドミル、膜乳化機などを用いることができる。後のW/O/W乳化工程での内包物の漏洩を防ぐために、できるだけ細かい方が望ましく、例えばホモミキサーで乳化する場合は5000〜15000rpmの高回転で5〜10分間処理する方が好ましい。平均粒子径は0.1〜10μm程度が好ましい。
W/O/Wエマルジョンの調製
水、または内包される水溶性化合物と同じ組成の水溶性物質の外水相を、調製したW/Oエマルジョンと同温に加熱し、水溶性乳化剤を加え、溶解する。さらに、W/Oエマルジョンを徐々に加えW/O/Wエマルジョンを調製する工程である。
水、または内包される水溶性化合物と同じ組成の水溶性物質の外水相を、調製したW/Oエマルジョンと同温に加熱し、水溶性乳化剤を加え、溶解する。さらに、W/Oエマルジョンを徐々に加えW/O/Wエマルジョンを調製する工程である。
本発明の外水相には、水、または内包される水溶性化合物と同じ組成の水溶性物質を用いる。内包される水溶性化合物と同じ組成の水溶性物質を用いることは、W/O/Wエマルジョン作成時に内水相と外水相の交換が起こったとしても、内包量の減少を抑えることができる。また、内水相の外水への漏洩を防ぐために、塩化ナトリウム、塩化カルシウムなどの浸透圧調整剤を添加しても構わない。
W/Oエマルジョンに対する外水相の配合量は、通常、80〜500重量%であり、好ましくは100〜300重量%である。
本発明の(W/O)/W乳化に用いる水溶性乳化剤は、公知の親水性乳化剤、水溶性高分子化合物などが使用できる。例えば、親水性乳化剤として、脂肪酸類及びその塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物などのアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル、脂肪酸ジエタノールアミドなどのノニオン界面活性剤があげられる。水溶性高分子化合物として、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、化工デンプン、アラビアガム、アルギン、シクロデキストリン、プルラン、カゼイン、ゼラチン、リグニンなどの天然水溶性高分子化合物、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、オレフィン−無水マレイン酸共重合体塩、ポリビニルピロリドンなどの合成水溶性高分子化合物があげられる。
水溶性乳化剤の配合量は、十分な乳化性が得られる限り特に限定されないが、通常、W/Oエマルジョンに対して1〜30重量%であり、好ましくは5〜20重量%である。
W/O/Wエマルジョン調製時の乳化法は特に限定されず、ホモミキサー、ホモジナイザー、ディスパー、コロイドミル、膜乳化機などを用いることができる。せん断力を加えて乳化を行う場合、工程での内包物の漏洩を防ぐために、できるだけ低撹拌下で乳化する方が望ましく、例えばホモミキサーで乳化する場合は1000〜5000rpmの低回転で1〜5分間処理する方が好ましい。平均粒子径は10〜500μm程度が好ましい。
冷却
W/O/Wエマルジョンを調製後、親油性物質の融点以下まで冷却し固化させる工程である。必要に応じて、外水相を除去し、粉末として取り出すこともできる。
W/O/Wエマルジョンを調製後、親油性物質の融点以下まで冷却し固化させる工程である。必要に応じて、外水相を除去し、粉末として取り出すこともできる。
本発明の冷却方法は特に限定されないが、徐冷した方が好ましい。徐冷により、親油性物質が比較的微細な結晶として固化するため、カプセル壁が密な皮膜となり、内包物の経時における漏洩を防ぎやすい。
マイクロカプセル調製後の外水の洗浄の必要性は、特に限定しないが、必要に応じて行う。すなわち、用いたW/O/W乳化時に用いた水溶性乳化剤を除去する必要がない場合、内包物の外水相へ漏洩が少なく無視しても問題ない場合は、洗浄しなくてもよいが、水溶性乳化剤を除去したい場合、内水相に存在すべき内包物が外水相に漏洩した場合、内包される水溶性化合物と同じ組成の水溶性物質を外水相として用いた場合、外水相を洗浄した方が好ましい。また、特に、内包される水溶性化合物と同じ組成の水溶性物質を外水相として用い除去する場合、除去された水溶性物質を回収して、再利用することもできる。
外水相の除去、粉末としての採集の必要性は、特に限定されず、得られたマイクロカプセルの使用方法による。すなわち、水系にて使用される場合は、乾燥せず、乾燥系または非水系有機溶媒系にて使用される場合は、外水相を除去し乾燥する方が好ましい。外水相の除去、粉末化する方法は、特に限定されないが、スプレードライ法、遠心分離にて高濃度化した後に自然乾燥する方法などがあげられる。
次に、本発明の実施例を示すが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中、部および%はそれぞれ重量部、重量%を示す。
実施例1
水酸化ナトリウムを内包したマイクロカプセルを調製した。すなわち、マイクロクリスタリンワックス(融点75℃)98部にソルビタンモノステアレート2部を溶解し油相とし、水96部に水酸化ナトリウム4部を溶解し内水相とした。それぞれを80〜90℃に加熱した後、油相中に内水相を添加し、ホモミキサーにて5000rpm×5分間の条件で乳化し、W/Oエマルジョンを調製した。他方、水280部に部分ケン化PVA20部を溶解し、80〜90℃に加熱し、外水相とした。外水相をディスパーにて1500rpm撹拌しつつ、W/Oエマルジョンを添加し、1分間の条件にて乳化し、W/O/Wエマルジョンを調製した。
調製したW/O/Wエマルジョンを水中に静置し、30℃以下まで冷却し、平均粒子径80μのマイクロカプセルを得た。得られたカプセルの外水相を除去し、洗浄し、乾燥後、粉末状とした。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を溶解した水89部中に、粉末カプセル10部を加え、カプセル分散体を得た。そのカプセル分散体のpHは7.1を示し、1か月後も変化しなかった。また、カプセル分散体を90℃に加熱すると、カプセル壁材であるワックスが融解し、冷却後のpHは10.7を示し、水酸化ナトリウムの放出を確認した。
実施例1
水酸化ナトリウムを内包したマイクロカプセルを調製した。すなわち、マイクロクリスタリンワックス(融点75℃)98部にソルビタンモノステアレート2部を溶解し油相とし、水96部に水酸化ナトリウム4部を溶解し内水相とした。それぞれを80〜90℃に加熱した後、油相中に内水相を添加し、ホモミキサーにて5000rpm×5分間の条件で乳化し、W/Oエマルジョンを調製した。他方、水280部に部分ケン化PVA20部を溶解し、80〜90℃に加熱し、外水相とした。外水相をディスパーにて1500rpm撹拌しつつ、W/Oエマルジョンを添加し、1分間の条件にて乳化し、W/O/Wエマルジョンを調製した。
調製したW/O/Wエマルジョンを水中に静置し、30℃以下まで冷却し、平均粒子径80μのマイクロカプセルを得た。得られたカプセルの外水相を除去し、洗浄し、乾燥後、粉末状とした。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を溶解した水89部中に、粉末カプセル10部を加え、カプセル分散体を得た。そのカプセル分散体のpHは7.1を示し、1か月後も変化しなかった。また、カプセル分散体を90℃に加熱すると、カプセル壁材であるワックスが融解し、冷却後のpHは10.7を示し、水酸化ナトリウムの放出を確認した。
実施例2
テトラエチレンペンタミンを内包したマイクロカプセルを調製した。すなわち、マイクロクリスタリンワックス(融点88℃)92部にソルビタンモノラウレート8部を溶解し油相とし、テトラエチレンペンタミン50%水溶液100部を内水相とした。それぞれを88〜95℃に加熱した後、油相中に内水相を添加し、ホモミキサーにて8000rpm×5分間の条件で乳化し、W/Oエマルジョンを調製した。他方、水480部に部分ケン化PVA20部を溶解し、88〜95℃に加熱し、外水相とした。外水相をホモミキサーにて2000rpm撹拌しつつ、W/Oエマルジョンを添加し、1分間の条件にて乳化し、W/O/Wエマルジョンを調製した。調製したW/O/Wエマルジョンを水中に静置し、30℃以下まで冷却し、平均粒子径100μのマイクロカプセルを得た。得られたカプセルの外水相を除去し、洗浄し、乾燥後、粉末状とした。得られた粉末カプセル中に含まれるテトラエチレンペンタミン量をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、仕込み量に対して42%であった。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を溶解した水89部中に、粉末カプセル10部を加え、カプセル分散体のpHを測定したが、中性域を示し、経時においても変化しなかった。
テトラエチレンペンタミンを内包したマイクロカプセルを調製した。すなわち、マイクロクリスタリンワックス(融点88℃)92部にソルビタンモノラウレート8部を溶解し油相とし、テトラエチレンペンタミン50%水溶液100部を内水相とした。それぞれを88〜95℃に加熱した後、油相中に内水相を添加し、ホモミキサーにて8000rpm×5分間の条件で乳化し、W/Oエマルジョンを調製した。他方、水480部に部分ケン化PVA20部を溶解し、88〜95℃に加熱し、外水相とした。外水相をホモミキサーにて2000rpm撹拌しつつ、W/Oエマルジョンを添加し、1分間の条件にて乳化し、W/O/Wエマルジョンを調製した。調製したW/O/Wエマルジョンを水中に静置し、30℃以下まで冷却し、平均粒子径100μのマイクロカプセルを得た。得られたカプセルの外水相を除去し、洗浄し、乾燥後、粉末状とした。得られた粉末カプセル中に含まれるテトラエチレンペンタミン量をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、仕込み量に対して42%であった。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を溶解した水89部中に、粉末カプセル10部を加え、カプセル分散体のpHを測定したが、中性域を示し、経時においても変化しなかった。
比較例1
W/O系からの界面重合法を用いて、テトラエチレンペンタミンを内包するマイクロカプセルの調製した。すなわち、流動パラフィン240部にαオレフィン無水マレイン酸コポリマー30部を溶解し油相とし、テトラエチレンペンタミン50%水溶液70部を水相とした。油相中に内水相を添加し、ホモミキサーにて8000rpm×5分間の条件で乳化し、W/Oエマルジョンを調製した。撹拌下、テトラメチルキシリレンジイソシアネート30部と流動パラフィン80部の混合物を10分掛けて滴下した後、系を50℃まで上げて15時間反応させた。冷却後、n−ヘキサンで洗浄し、10μの粉末カプセルを得た。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を溶解した水89部中に、粉末カプセル10部を加え、カプセル分散体のpHを測定したが、瞬時にアルカリ性を示し、内包したテトラエチレンペンタミンの漏洩がみられた。
W/O系からの界面重合法を用いて、テトラエチレンペンタミンを内包するマイクロカプセルの調製した。すなわち、流動パラフィン240部にαオレフィン無水マレイン酸コポリマー30部を溶解し油相とし、テトラエチレンペンタミン50%水溶液70部を水相とした。油相中に内水相を添加し、ホモミキサーにて8000rpm×5分間の条件で乳化し、W/Oエマルジョンを調製した。撹拌下、テトラメチルキシリレンジイソシアネート30部と流動パラフィン80部の混合物を10分掛けて滴下した後、系を50℃まで上げて15時間反応させた。冷却後、n−ヘキサンで洗浄し、10μの粉末カプセルを得た。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を溶解した水89部中に、粉末カプセル10部を加え、カプセル分散体のpHを測定したが、瞬時にアルカリ性を示し、内包したテトラエチレンペンタミンの漏洩がみられた。
Claims (5)
- 下記(1)〜(3)の工程;(1)カプセル壁となるべき常温で固体である親油性物質をその融点以上に加熱し、マイクロカプセル中に内包されるべき水溶性化合物を添加し機械力を加えてW/Oエマルジョンを調製する、(2)この系と同温の水、または内包される水溶性化合物と同じ組成の水溶性物質中にこのW/Oエマルジョンを撹拌下徐々に加えW/O/Wエマルジョンを調製する、(3)その後親油性物質の融点以下まで冷却し固化させて得られるマイクロカプセルにおいて、水溶性化合物が無機アルカリおよびその水溶性溶媒溶液、またはポリアミンおよびその水溶性溶媒溶液であることを特徴とするマイクロカプセル。
- 前記無機アルカリが水酸化ナトリウム、水酸化カリウム中から選ばれる少なくとも1種類を含むことを特徴とする請求項1に記載のマイクロカプセル。
- 前記ポリアミンがエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン中から選ばれる少なくとも1種類を含むことを特徴とする請求項1に記載のマイクロカプセル。
- 前記親油性物質がパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュワックス中から選ばれる少なくとも1種類を含むことを特徴とする請求項1に記載のマイクロカプセル。
- 前記親油性物質がパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュワックス中から選ばれる少なくとも1種類を含むことを特徴とする請求項2および3に記載のマイクロカプセル。
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CN105056853A (zh) * | 2015-08-14 | 2015-11-18 | 陕西科技大学 | 表面改性自修复微胶囊及其制备方法、自修复微胶囊复合材料及其制备方法 |
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