JP2006020421A - スイッチング電源回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】力率改善機能を備える電源回路の小型軽量化、低コスト化、及び電力変換効率の向上
【解決手段】電圧共振型コンバータに対して、電力回生方式の力率改善回路を設ける。絶縁コンバータトランスについては所定以下の結合係数による低結合度とすることで、二次側直流出力電圧に重畳する商用交流電源周期のリップルの低減を図る。また、絶縁コンバータトランスを低結合度としたことに依る一次側と二次側との間の伝送ロスは、二次側並列共振回路を設け、この共振動作によって補われるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、力率改善機能を備えるスイッチング電源回路に関するものである。
先に本出願人は、一次側に共振形コンバータを備えた電源回路を各種提案している。また、共振形コンバータに対して力率改善を図るための力率改善回路を備えて構成した電源回路も各種提案している。
上記力率改善回路として、先に本出願人は、共振形コンバータのスイッチング出力を整流電流経路に帰還することで、整流電流経路に流れる整流電流を断続し、これにより交流入力電流の導通角を拡大して力率改善を図る構成を、各種提案している。
しかしながら、このような力率改善回路として、例えば共振形コンバータのスイッチング出力を直接的に整流電流経路に帰還するような構成(例えば特許文献1、図6参照)を採った場合、二次側直流出力電圧の商用電源周期のリップル電圧が力率改善前よりも大幅に増加することが分かっている。
このような力率改善の構成の場合、一次側の共振回路が、商用交流電源の整流電流経路に対して直接的に接続されることになる。このために、上記共振回路のインダクタンスである、絶縁コンバータトランスの一次巻線に流れる電流には、商用交流電流周期の電流が重畳する。この重畳分が絶縁コンバータトランスの二次側に伝送された状態で二次側における整流平滑回路が動作する結果、上記のようにして、二次側直流出力電圧の商用電源周期のリップル電圧が増加することになる。例えば、力率PF=0.8程度が得られるように構成した場合には、リップル電圧のレベルは5〜6倍にまで増加する。
この対策として、1つには、安定化制御のための制御ゲインを高く設定することが考えられる。しかし、上記のようにして5〜6倍にまでリップル電圧のレベルが増加してしまうと、制御ゲインを限界まで高くしたとしても、リップルを有効に抑制するには不足となる。そこで、上記制御ゲインについてある限度にまで高く設定したうえで、さらに、二次側直流出力電圧平滑用の平滑コンデンサの静電容量を5〜6倍に増加させることが考えられる。しかしながら、このような平滑コンデンサの選定は大幅なコストアップとなり、実用化は現実的ではないものとなる。このような対策が現実的でないことから、例えばリップル電圧を一定以下とすることが厳しく要求されるような機器に採用することが難しい場合がある。
そこで、本出願人は、スイッチング出力を帰還する形式の力率改善回路として、上記したリップル電圧の抑制が図られたものを各種提案している。
図7は、先に本出願人により出願された、リップル電圧低減が図られたスイッチング出力期間形式の力率改善回路についての発明に基づいて構成される、スイッチング電源回路の一例を示す回路図である。この電源回路は、電圧共振形のスイッチングコンバータに対して力率改善回路を設けた構成とされている。
この図に示すスイッチング電源回路においては、コモンモードのノイズを除去するノイズフィルタとして、1組のコモンモードチョークコイルCMCと、2本のアクロスコンデンサCLが商用交流電源ACのラインに対して設けられている。
商用交流電源AC(交流入力電圧VAC)は、4本の低速型の整流ダイオードからなるブリッジ整流回路Diにより整流され、その整流出力は力率改善回路20を介するようにして平滑コンデンサCiに充電される。これにより平滑コンデンサCiの両端電圧として整流平滑電圧Eiが得られる。なお、力率改善回路20の構成及びその動作については後述する。
この図において、上記整流平滑電圧Eiを直流入力電圧として入力してスイッチング動作を行う電圧共振形スイッチングコンバータは、例えば高耐圧のバイポーラトランジスタとしてのスイッチング素子Q1 を1石備えた構成とされる。つまり、いわゆるシングルエンド方式とされる。
このスイッチング素子Q1 のベースには、発振・ドライブ制御回路21から出力されるスイッチング駆動信号が入力されるようになっている。
また、スイッチング素子Q1のコレクタは絶縁コンバータトランスPRTの一次巻線N1を介して平滑コンデンサEiの正極端子と接続される。つまり、一次巻線N1を介して直流入力電圧(Ei)が供給されるようになっている。また、エミッタは接地される。
また、スイッチング素子Q1のベース−エミッタ間にはクランプダイオードDDが接続される。
また、スイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間に対しては、一次側電圧共振コンデンサCrが接続される。
一次側電圧共振コンデンサCrは、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1のリーケージインダクタンスL1とによって電圧共振回路(並列共振回路)を形成している。そして、この電圧共振回路の共振作用によって、スイッチング素子Q1のスイッチング動作として電圧共振形の動作が得られるようにされている。このために、スイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間の両端電圧VQ1としては、スイッチング素子がオフとなる期間において正弦波状のパルス波形が得られる。
発振・ドライブ制御回路21は、スイッチング素子Q1をスイッチング駆動するために、スイッチング素子Q1のベースに対して、スイッチング駆動信号としてのベース電流を供給する。これにより、スイッチング素子Q1は、スイッチング駆動信号の周期に応じたスイッチング周波数によりスイッチング動作を行う。また、発振・ドライブ制御回路21は、二次側直流出力電圧の安定化のために、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数を可変するようにもされている。
絶縁コンバータトランスPITは、スイッチング素子Q1 のスイッチング出力を二次側に伝送する。
絶縁コンバータトランスPITの構造としては、例えば、フェライト材によるE型コアを組み合わせたEE型コアを備える。そして、一次側と二次側とで巻装部位を分割したうえで、一次巻線N1(及び三次巻線N3)と、二次巻線N2を、EE型コアの中央磁脚に対して巻装している。
そのうえで、絶縁コンバータトランスPITのEE型コアの中央磁脚に対しては1.0mm程度のギャップを形成するようにしており、これによって、一次側と二次側との間で、k=0.80〜0.85程度の結合係数kを得るようにしている。この程度の結合係数kは疎結合としてみてよい結合度であり、その分、飽和状態が得られにくくなる。また、この結合係数kの値が、リーケージインダクタンス(L1)の設定要素となる。
絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1の一端は、スイッチング素子Q1 のコレクタと接続され、他端側は平滑コンデンサCiの正極(整流平滑電圧Ei)と接続される。
絶縁コンバータトランスPITの二次側では、一次巻線N1 により誘起された交番電圧が二次巻線N2に発生する。この場合、二次巻線N2に対しては、二次側並列共振コンデンサC2 が並列に接続されることで、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2と二次側並列共振コンデンサC2のキャパシタンスとによって二次側並列共振回路が形成される。この並列共振回路の共振動作により、二次巻線N2に励起される交番電圧は共振電圧となる。つまり二次側において電圧共振動作が得られる。
つまり、この電源回路では、一次側にはスイッチング動作を電圧共振形とするための一次側電圧(並列)共振回路が備えられ、二次側にも整流回路系において電圧共振動作を得るための並列共振回路が備えられる。なお、本明細書では、このようにして複数の共振回路が備えられて動作する構成のスイッチングコンバータについては、「複合共振形スイッチングコンバータ」ともいうことにする。
上記のようにして形成される二次側の並列共振回路に対しては、ブリッジ整流回路DBR及び平滑コンデンサCoからなる全波整流回路が接続される。この全波整流回路は、上記した二次側並列共振回路の共振出力としての交番電圧を入力して整流平滑動作を行うことで、平滑コンデンサCoの両端電圧として直流出力電圧Eoを生成する。この直流出力電圧Eoは負荷に供給されると共に、定電圧制御用の検出電圧として、発振・ドライブ制御回路21に入力される。
なお、図7に示す回路において、二次側整流回路について全波整流回路の構成としているのは、負荷電力の広範な変動に対応して、スイッチング素子Q1のゼロ電流スイッチング(ZCS:Zero Current Switching)の動作が確保されるようにするためである。
前述もしたように、図7の電源回路では、絶縁コンバータトランスPITの結合係数kについて0.8以上が得られるようにしている。これは、疎結合ではあるが、ある程度の結合度が維持された状態であるということがいえる。このような結合度の下で、例えば二次側整流回路について半波整流回路とすると、上記したZCSの動作が適正に維持できない状態となる場合がある。
発振・ドライブ制御回路2では、定電圧制御動作として、上記のようにして入力される直流出力電圧Eoのレベルに応じて、スイッチング周波数を可変するのであるが、このスイッチング周波数可変動作としては、スイッチング素子Q1がオフとなる期間は一定としたうえで、オンとなる期間を可変制御する動作となる。つまり、この電源回路では、定電圧制御動作として、スイッチング周波数を可変制御することで、スイッチング出力に対する共振インピーダンス制御を行い、これと同時に、スイッチング周期におけるスイッチング素子の導通角制御(PWM制御)も行っているものと見ることができる。そして、この複合的な制御動作を1組の制御回路系によって実現している。
また、力率改善は力率改善回路20により行われる。
この図に示す力率改善回路20は、整流ダイオードD1,D2、フィルタコンデンサCN、インダクタLS、及び三次巻線N3を備えて成るものとされる。整流ダイオードD1は低速型を選定し、整流ダイオードD2には、高速型(高速リカバリ型)のダイオード素子を選定している。
また、三次巻線N3は、絶縁コンバータトランスPITにおいて、一次巻線N1の巻き終わり端部側を巻き上げるようにして形成される。
整流ダイオードD1は、図示するようにして、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子と平滑コンデンサCiの正極端子間に対して挿入される。また、同じブリッジ整流回路Diの正極出力端子と平滑コンデンサCiの正極端子間に対しては、上記整流ダイオードD1と並列接続の関係により、整流ダイオードD2−インダクタLs−三次巻線N3の直列接続回路が挿入される。
フィルタコンデンサCNは、この場合には、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子と、平滑コンデンサCiの正極端子との間に挿入される。つまり、フィルタコンデンサCNは、整流ダイオードD1と整流ダイオードD2−インダクタLs−三次巻線N3の直列接続回路との両者に対して並列に接続される。
上記のようにして挿入されるフィルタコンデンサCNとインダクタLsとによりノーマルモードのLCローパスフィルタが形成され、スイッチング周期の高周波ノイズが商用交流電源ラインに流入することが阻止される。
スイッチング素子Q1のスイッチング動作によっては、スイッチング素子Q1の両端電圧(コレクタ−エミッタ間電圧)VQ1として、オフ期間において正弦波状の共振パルス電圧が得られることになる。この共振パルス電圧による交番電圧は、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1から力率改善回路20の三次巻線N3に対して伝達(誘起)される。この三次巻線N3に得られた交番電圧は、インダクタLsを介するようにして、整流ダイオードD2に対しても印加される。
この場合、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子から流れる整流電流は、整流ダイオードD1(アノード→カソード)を経由して平滑コンデンサCiに流入する経路と、整流ダイオードD2(アノード→カソード)→インダクタLs→三次巻線N3を経由して平滑コンデンサCiに流入する経路とで流れるようにされる。
つまり、交流入力電圧VACがピーク近傍となる期間においては、低速型の整流ダイオードD1が導通するようになっており、ブリッジ整流回路Diからの整流電流は、この整流ダイオードD1を介して平滑コンデンサCiに流入するようになっている。また、交流入力電圧VACが上記ピーク近傍よりも低くなる期間においては、ブリッジ整流回路Diからの整流電流は、整流ダイオードD2−インダクタLs−三次巻線N3の直列接続回路を経由して平滑コンデンサCiに流れるようにされるが、上記のようにして、整流ダイオードD2に対しては交番電圧が印加されていることで、その経路を流れる整流電流についてスイッチングを行って断続する動作が得られることとなる。このようにして、整流電流が2つの整流電流経路において分流するように構成することで、力率改善回路内の整流ダイオードにおける導通損が低減され、その分、電力変換効率を高くすることができる。
なお、上記のようにして、交流入力電圧VACがピーク近傍よりも低い所定レベルとなる期間において整流ダイオードD2のスイッチングを行うという動作は、例えば一次巻線N1に対する三次巻線N3の巻線比を設定することで得られる。
このようにして、力率改善回路20内の整流電流経路に対しては、三次巻線N3を媒介するようにして、スイッチング素子Q1のスイッチング出力(電圧共振パルス)が電圧として帰還される。そして、この整流電流経路に流れる整流電流がスイッチングされるようにして断続される結果、整流電流の元である交流入力電流IACの導通角は拡大され、力率の改善が図られることとなる。なお、このようにして、スイッチング出力を電圧として帰還して力率改善を図るようにされた力率改善回路の方式を、電圧帰還方式ともいう。
そして、この図7に示す力率改善回路20の構成によっては、二次側直流出力電圧に重畳する商用交流電源周期のリップル電圧が抑制される。
力率改善回路20においては、三次巻線N3によりスイッチング出力を電圧帰還している。つまり、一次側の電圧共振回路に得られるスイッチング出力を商用交流電源の整流電流経路に帰還するのにあたり、三次巻線N3に励起される交番電圧により間接的に行っているということがいえる。これにより、三次巻線N3から一次巻線N1に対しては、商用交流電源周期のリップル成分が誘起されにくくなる。そのうえで、さらに、三次巻線N3に対してインダクタLsを直列に接続することで、三次巻線とインダクタの合成インダクタンスにより、等価的には、三次巻線が一次巻線に対して低結合度であることになる。これにより、商用交流電源周期のリップル成分は、さらに一次巻線に対して誘起されにくくなる。この結果、二次側直流出力電圧に重畳する商用交流電源周期のリップル電圧は有効に抑制されることになる。
図8の回路図は、先に本出願人により出願された発明に基づいて構成されるスイッチング電源回路の他の例を示している。この図に示す電源回路の基本構成としても、図7の電源回路と同様にして、一次側のシングルエンド方式の電圧共振型コンバータと二次側の二次側並列(電圧)共振回路とが組み合わされて成る複合共振型コンバータに対して、電圧帰還方式による力率改善回路を付加したものとされる。また、絶縁コンバータトランスPITとしても、図7と同様にして、結合係数k=0.80〜0,85程度の結合度が得られるようにしている。
なお、この図において、図7と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
この図に示す力率改善回路20Aは、図示するようにして、低速型の整流ダイオードD1と、高速型(高速リカバリ型)の整流ダイオードD2と、フィルタコンデンサCNと、力率改善用の磁気結合トランスMCTを備えて成る。
磁気結合トランスMCTは、一次巻線Npと二次巻線Nsとについて、磁気的に結合されるようにしてコアに巻装した構造を有する。なお、この場合の磁気結合トランスMCTは、分割された巻装位置が形成されているいわゆる分割ボビンを有し、一次巻線Npと二次巻線Nsとを、それぞれ異なる巻装位置に巻回するようにしており、これにより、一次側と二次側の結合度としては、疎結合とされる所定の結合係数が得られるようにされている。
一次巻線Npの巻始め端部は、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1の直列接続を介してスイッチング素子Q1のコレクタに対して接続され、巻終わり端部は整流ダイオードD1のカソードと接続される。整流ダイオードD1のアノードは、平滑コンデンサCiの正極端子に対して接続される。
二次巻線Nsの巻終わり端部は整流ダイオードD2のカソードと接続され、巻始め端部は平滑コンデンサCiの正極端子に対して接続される。整流ダイオードD2のアノードはブリッジ整流回路Diの正極出力端子に接続される。
また、フィルタコンデンサCNは、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子と平滑コンデンサCiの正極端子との間に挿入されることで、整流ダイオードD1と、整流ダイオードD2−二次巻線Nsの直列接続回路との両者に対して並列に接続されるものとなる。
上記接続態様により力率改善回路20Aが形成されることで、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子から出力される整流電流が平滑コンデンサCiに流入する経路は、整流ダイオードD1を経由する経路と、整流ダイオードD2−二次巻線Nsの直列接続回路を経由する経路の2つの経路があるようにされる。つまり、力率改善回路20Aとしても、図7の力率改善回路20と同様にして、整流電流は2つの経路により流れることができるようになっている。
そして、スイッチング素子Q1のスイッチング動作を行うことで、前述もしたように、スイッチング素子Q1の両端電圧VQ1としては、オフ期間において共振パルス電圧が得られるが、力率改善回路20Aにおいては、上記共振パルス電圧による交番電圧は、まず、磁気結合トランスMCTの一次巻線Npに対して伝達され、さらに、磁気結合トランスMCTの磁気結合により、二次巻線Nsに対して伝達される。これにより、整流ダイオードD2には、交番電圧が印加されることとなる。つまり、力率改善回路20Aにおいては、電圧帰還方式として、磁気結合トランスMCTによる磁気結合を介するようにして、整流電流経路に対してスイッチング出力を電圧として帰還する構成を採っている。
ちなみに、力率改善回路20Aにおいては、磁気結合トランスMCTの一次巻線Npが、図7の力率改善回路20における三次巻線N3に相当し、二次巻線Nsが、図7の力率改善回路20におけるインダクタLsに相当する。
そして、力率改善回路20Aにおいても、交流入力電圧VACがピーク近傍となる期間においては低速型の整流ダイオードD1が導通し、この整流ダイオードD1を経由して、ブリッジ整流回路Diからの整流電流を平滑コンデンサCiに流すようにされる。また、交流入力電圧VACが上記ピーク近傍よりも低くなる期間においては、ブリッジ整流回路Diからの整流電流を、整流ダイオードD2によりスイッチング(断続)するようにして、整流ダイオードD2−二次巻線Nsの直列接続回路を経由して平滑コンデンサCiに流す。これにより、交流入力電流IACの導通角は拡大され、力率の改善が図られる。
そして、この図8に示す力率改善回路20Aにおいては、一次側の電圧共振回路に得られるスイッチング出力は、磁気結合トランスMCTの磁気結合を介するようにして整流電流経路に帰還されることになる。この場合において、磁気結合トランスMCTは疎結合に形成されるので、二次巻線Nsから一次巻線Npに誘起される商用交流電源周期のリップル成分が低減されることになる。これにより、図8に示す電源回路としても、二次側直流出力電圧に重畳する商用交流電源周期のリップル電圧の抑制効果が得られることとなる。
図9は、図8に示した電源回路の特性として、負荷電力Po=0W〜200W(最大負荷電力)までの負荷変動に対応する、力率(PF)、整流平滑電圧Ei、AC→DC電力変換効率(ηAC→DC)の変動特性を示す。また、この図においては、比較として、図8に示した回路構成から力率改善回路20Aを省略したことで力率改善機能を有さない電源回路についての特性も示している。図9では、図8に示すままの力率改善回路20Aを備える電源回路の特性を実線により示し、力率改善回路20Aを省略した構成の電源回路の特性を波線により示している。
この図に示されるようにして、力率(PF)については、図8に示すままの電源回路の方が、力率改善回路20Aによる力率改善動作によって、力率改善回路20Aを省略した構成よりも、高くなっていることが分かる。また、この図では、負荷電力Po=50W〜200Wの範囲では、PF=0.8でほぼ一定となる特性が得られていることも示されている。
また、整流平滑電圧Eiは、全体的な負荷範囲における傾向として、図8に示すままの電源回路の方が、力率改善回路20Aを省略した電源回路よりも高いレベルとなっている。これは、力率改善回路20Aにより整流電流経路にスイッチング出力が帰還される状態で、平滑コンデンサCiへの充電が行われることで、その分、平滑コンデンサCiへの充電電流レベルが増加することによる。
また、AC→DC電力変換効率(ηAC→DC)については、負荷変動範囲全般に対する傾向として、図8に示すままの電源回路の方が、力率改善回路20Aを省略した電源回路よりも約1%程度低下している。これは、力率改善回路20Aにおいて整流電流経路にスイッチング出力を帰還するための磁気結合トランスMCTが疎結合であることで、一次巻線Npと二次巻線Nsとの間での電力伝送に損失が生じることに起因する。
特開2001−95247号公報 特開2002−34250号公報
上記図7及び図8に示すような電源回路では、次のような課題を有している。
まず、図7及び図8により説明しているように、これらの電源回路は、二次側直流出力電圧に重畳する商用交流電源周期のリップルの増加の問題を解消するために、三次巻線N3を追加してインダクタを直列接続した構成、あるいは磁気結合トランスMCTを追加した構成となっている。
このために、スイッチング出力を整流電流に帰還する構成の力率改善回路としては、部品点数が増加し、その分のコストアップ、回路規模の大型化、重量増加を招いている。
また、図9により説明したように、図8に示した電源回路では、力率改善回路20Aを備えない構成と比較して、1%程度のAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)の低下を生じている。このような電力変換効率の低下傾向は、図7の電源回路においても、同様にして生じる。図7の電源回路では、三次巻線N3を介して一次巻線N1のスイッチング出力を電圧として帰還する過程において伝送の損失が生じる。
つまり、図7及び図8に示す電源回路のいずれについても、スイッチング出力を電圧として帰還するための付加構成部位において伝送の損失が生じる分、総合的な電力変換効率としては不利になるものであり、この結果として、上記しているように、力率改善回路を備えない構成の電源回路よりも電力変換効率が低下しているものである。
そこで本発明は上記した課題を考慮して、スイッチング電源回路として次のように構成することとした。
つまり、商用交流電源を入力して整流平滑電圧を生成する整流平滑手段と、整流平滑電圧を直流入力電圧として入力してスイッチングを行うスイッチング素子を備えて形成したスイッチング手段と、スイッチング素子をスイッチング駆動するスイッチング駆動手段とを備える。
また、少なくとも、スイッチング手段のスイッチング動作により得られるスイッチング出力が供給される一次巻線と、この一次巻線に得られたスイッチング出力により交番電圧が励起される二次巻線とを巻装して形成され、一次側と二次側の結合係数について所定以下となるように設定される絶縁コンバータトランスと、少なくとも、絶縁コンバータトランスの一次巻線を含む漏洩インダクタンス成分と一次側電圧共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成されて、スイッチング手段の動作を電圧共振形とする一次側電圧共振回路を備える。
また、絶縁コンバータトランスの二次巻線に対して二次側並列共振コンデンサを並列に接続して形成される二次側並列共振回路を備える。
また、絶縁コンバータトランスの二次巻線に励起される交番電圧を入力して整流動作を行って、二次側直流出力電圧を生成するように構成された二次側直流出力電圧生成手段を備える。
そして、スイッチング手段のスイッチング動作により一次側電圧共振回路に得られる一次側共振電流を電力として回生するようにして、整流平滑手段を形成する平滑コンデンサに帰還するようにされており、この帰還された電力に応じて、整流平滑手段による整流動作によって得られる整流電流を断続するようにしてスイッチングする力率改善用スイッチング素子を備えて構成される力率改善手段を備える。
上記構成によれば、本発明のスイッチング電源回路としては、一次側スイッチングコンバータとして電圧共振形コンバータを備えることになる。また、力率改善は、電力回生方式により行う構成を採ることとしている。
電力回生方式の力率改善回路は、その基本的な回路構成上、スイッチング出力に重畳する商用交流電源周期のリップルが大幅に増加するので、これに伴って二次側直流出力電圧に重畳する商用交流電源周期のリップルも大幅に増加する傾向を有する。
しかしながら、本発明では、上記のようにして絶縁コンバータトランスの磁束密度が所定以下となるようにして一次側と二次側との結合度を弱めることで、二次側直流出力電圧に現れる上記リップルを十分に抑制することが可能とされている。
また、絶縁コンバータトランスの結合度を弱めれば、一次側と二次側との間での伝送損失が増加することになるが、本発明では、二次側において二次巻線と二次側並列共振コンデンサとから成る二次側並列共振回路を設けることで、二次側で共振動作が得られるようにしている。この共振動作により、一次側と二次側との間での伝送損失が補償されるようなかたちで、一次側から二次側への電力伝送が行われる。
このようにして本発明は、電力回生方式による力率改善回路を有しながらも、二次側直流出力電圧の商用交流電源周期のリップル電圧が十分に抑制された電源回路を得ることが可能とされる。
このリップルの抑制効果は、特に回路部品を追加するのではなく、絶縁コンバータトランスについて所定以下の結合度(結合係数)が得られる構造としたことによって得られる。また、電力回生方式による力率改善回路そのものは、例えば電圧帰還方式などの力率改善回路と比較して、より少数で単純な部品素子により形成することが可能である。これにより、本発明によっては、力率改善回路を備える電源回路として、小型/軽量化が図られ、また、低コストなものが得られることになる。
また、電力回生方式による力率改善回路においては、電圧帰還方式などの力率改善回路よりもスイッチング出力を帰還する系での損失が少ない。さらに本発明では、二次側並列共振回路が備えられることで、絶縁コンバータトランスの結合度を低下させたことによる一次側と二次側との間での伝送損失を補うようにしている。この結果、電力変換効率としても良好な特性が得られることになる。
図1の回路図は、本発明を実施するための最良の形態(実施の形態)としての電源回路の構成例を示している。この図に示す電源回路は、電圧共振形スイッチングコンバータに対して力率改善回路を備える基本構成を採る。
この図に示すスイッチング電源回路においては、まず、商用交流電源ACのラインに対して、図示するようにして、1組のコモンモードチョークコイルCMCと、2本のアクロスコンデンサCLが挿入される。これらコモンモードチョークコイルCMC、及びアクロスコンデンサCL,CLにより、商用交流電源ACのラインに重畳するコモンモードのノイズを除去するノイズフィルタが形成される。
商用交流電源AC(交流入力電圧VAC)は、4本の低速型の整流ダイオードを図示するように接続して形成されるブリッジ整流回路Diにより整流され、その整流出力は力率改善回路10を介するようにして平滑コンデンサCiに充電される。これにより平滑コンデンサCiの両端電圧として整流平滑電圧Eiが得られる。この整流平滑電圧Eiが、後段のスイッチングコンバータのための直流入力電圧となる。なお、力率改善回路10の構成及びその動作については後述する。
この図において、上記整流平滑電圧Eiを直流入力電圧として入力してスイッチング動作を行う電圧共振形スイッチングコンバータは、例えばMOS−FETのスイッチング素子Q1を1石備えた構成とされる。つまり、いわゆるシングルエンド方式の電圧共振形コンバータとされる。
このスイッチング素子Q1のゲートに対しては、発振・ドライブ回路2から出力されるスイッチング駆動信号(電圧)が印加されるようになっている。
また、スイッチング素子Q1のドレインは、後述する絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1の巻始め端部と接続される。一次巻線N1の巻き終わり端部は、力率改善回路10の高周波インダクタL10の直列接続を介して、平滑コンデンサEiの正極端子と接続される。つまり、この場合には、力率改善回路10が挿入されていることで、直流入力電圧(Ei)は、高周波インダクタL10−一次巻線N1の直列接続を介して、スイッチング素子Q1に供給されるようになっている。スイッチング素子Q1のソースは一次側アースに接地される。
この場合のスイッチング素子Q1は、MOS−FETであるために、図示するようにして、ソース−ドレイン間に対して並列に接続されるようにしてボディダイオードDDを内蔵する。このボディダイオードDDとしては、アノードがスイッチング素子Q1のソースと接続され、カソードがスイッチング素子Q1のドレインと接続される状態を形成する。このボディダイオードDDは、スイッチング素子Q1のオン/オフ動作(スイッチング動作)により生じる、逆方向のスイッチング電流を流す経路を形成する。
そして、スイッチング素子Q1のドレイン−ソース間に対しては、一次側電圧共振コンデンサCrが並列に接続される。
一次側電圧共振コンデンサCrは、自身のキャパシタンスと絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1のリーケージ(漏洩)インダクタンスL1とによって、スイッチング素子Q1に流れるスイッチング電流に対する並列共振回路(電圧共振回路)を形成する。この電圧共振回路が共振動作を行うことによって、スイッチング素子Q1のスイッチング動作として電圧共振形の動作が得られるようにされている。これに応じて、スイッチング素子Q1の両端電圧(ドレイン−ソース間電圧)VQ1としては、そのオフ期間において正弦波状のパルス波形が得られる。
発振・ドライブ回路21は、例えば他励式によりスイッチング素子Q1を駆動するために、発振回路と、この発振回路により得られた発振信号に基づいて、MOS−FETをスイッチング駆動するための電圧であるスイッチング駆動信号を生成して、スイッチング素子Q1のゲートに印加するようにされる。これにより、スイッチング素子Q1は、スイッチング駆動信号の周期に応じたスイッチング周波数に従って連続的にオン/オフ動作を行う。つまり、スイッチング動作を行う。
絶縁コンバータトランスPITは、スイッチング素子Q1のスイッチング出力を二次側に伝送する。
図2は、図1の電源回路が備える絶縁コンバータトランスPITの構造例を示す断面図である。
この図に示すように、絶縁コンバータトランスPITは、フェライト材によるE型コアCR1、CR2を互いの磁脚が対向するように組み合わせたEE型コア(EE字形コア)を備える。
そして、一次側と二次側の巻装部について相互に独立するようにして分割した形状により、例えば樹脂などによって形成される、ボビンBが備えられる。このボビンBの一方の巻装部に対して一次巻線N1を巻装する。また、他方の巻装部に対して二次巻線N2を巻装する。このようにして一次側巻線及び二次側巻線が巻装されたボビンBを上記EE型コア(CR1,CR2)に取り付けることで、一次側巻線及び二次側巻線とがそれぞれ異なる巻装領域により、EE型コアの中央磁脚に巻装される状態となる。このようにして絶縁コンバータトランスPIT全体としての構造が得られる。なお、この場合のEE型コアの実際としては、後述するような負荷条件、及び交流入力電圧の定格レベルの条件に対応することを前提として、例えばEER−40を選定している。
そのうえで、EE型コアの中央磁脚に対しては、図のようにして、例えばギャップ長1.4mm程度以上のギャップGを形成する。これによって、結合係数kとしては、例えばk=0.8以下による疎結合の状態を得るようにしている。つまり、先行技術として図7及び図8に示した電源回路の絶縁コンバータトランスPITよりも、さらに疎結合の状態としているものである。なお、実際の結合係数kとしては、k=0.75を設定した。
なお、ギャップGは、E型コアCR1,CR2の中央磁脚を、2本の外磁脚よりも短くすることで形成することができる。
絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1の巻き終わり端部は、前述もしたように、力率改善回路10における高周波インダクタL10を介して平滑コンデンサCiの正極端子と接続され、巻始め端部は、スイッチング素子Q1のドレインと接続される。これにより、スイッチング素子Q1のスイッチング出力が一次巻線N1に伝達され、一次巻線N1には交番電圧が生じる。
絶縁コンバータトランスPITの二次側では、一次巻線N1により誘起された交番電圧が二次巻線N2に発生する。
この二次巻線N2に対しては、二次側並列共振コンデンサC2を並列に接続することとしている。これにより、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2と二次側並列共振コンデンサC2のキャパシタンスとによって二次側並列共振回路を形成する。この二次側並列共振回路の共振動作により、二次巻線N2に励起される交番電圧は正弦波に近い共振電圧となる。つまり二次側において電圧共振動作が得られる。
これまでの説明によると、本実施の形態の電源回路は、一次側にスイッチング動作を電圧共振形とするための一次側電圧(並列)共振回路を備え、二次側には整流回路系において電圧共振動作を得るための並列共振回路を備えていることになる。つまり、複合共振形スイッチングコンバータとしての構成を採る。
本実施の形態においては、二次側整流回路として、各1本の整流ダイオードDoと平滑コンデンサCoから成る半波整流回路が接続される。この場合には、二次巻線N2の巻き終わり端部に対して整流ダイオードDoのアノードを接続し、整流ダイオードDoのカソードを平滑コンデンサCoの正極端子に接続する。二次巻線の巻始め端部と平滑コンデンサCoの負極端子とは、共に二次側アースに接地させた状態で接続される。
この半波整流回路は、二次側並列共振回路の出力として得られる交番電圧の半波の期間により整流を行って平滑コンデンサCoに充電を行う。これにより、平滑コンデンサCoの両端電圧として、二次側直流出力電圧Eoが得られる。
この二次側直流出力電圧Eoは、負荷に供給される。また、分岐して制御回路1に対して検出電圧として出力される。
また、図1においては、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1と二次巻線N2の各巻始め端部について、トランスのシンボルに対して共に同じ下側の位置にあるようにして記載されているが、これは、一次巻線N1と二次巻線N2の相互インダクタンスについて加極性となる接続態様となっていることを示す。加極性では、スイッチング素子Q1がオンとなっているときに対応して、二次側において整流ダイオードDoが導通して整流動作を行う。
制御回路1は、入力された二次側直流出力電圧Eoのレベル変化に応じた検出出力を発振・ドライブ回路2に供給する。発振・ドライブ回路2では、入力された制御回路1の検出出力に応じてスイッチング周波数が可変されるようにして、スイッチング素子Q1を駆動する。
この制御回路1におけるスイッチング周波数の可変動作としては、スイッチング素子Q1がオフとなる期間は一定としたうえで、オンとなる期間を可変制御する動作となる。このような制御動作は、定電圧制御動作として、スイッチング周波数を可変制御することで、スイッチング出力に対する共振インピーダンス制御を行い、これと同時に、スイッチング周期におけるスイッチング素子の導通角制御(PWM(Pulse Width Moduration)制御)も行っているものと見ることができる。そして、この複合的な制御動作を1組の制御回路系によって実現しているということになる。
上記のようにしてスイッチング素子Q1のスイッチング周波数及び導通角が可変制御されることにより、電源回路における一次側、二次側の共振インピーダンス、電力伝送有効期間が変化し、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1から二次巻線N2(N2A,N2B)側に伝送される電力量も変化するが、これにより二次側直流出力電圧Eoのレベル変動がキャンセルされるようにして、二次側直流出力電圧Eoのレベルを制御する動作が得られることになる。つまり、二次側直流出力電圧Eoの安定化が図られる。
続いて、力率改善回路10について説明する。
本実施の形態の力率改善回路10は、商用交流電源ACから整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を生成するブリッジ整流回路Diと平滑コンデンサCiとの間の整流電流経路に挿入されるようにして設けられており、フィルタコンデンサCN、高周波インダクタL10、及び高速型(高速リカバリ型)のスイッチングダイオードD1(力率改善用スイッチング素子)とから成る。
力率改善回路10において、先ず、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子に対しては、スイッチングダイオードD1のアノードが接続され、そのカソードは高周波インダクタL10の直列接続を介して、平滑コンデンサCiの正極端子に接続される。
この場合には、スイッチングダイオードD1(アノード→カソード)−高周波インダクタL10の直列接続回路が、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子と平滑コンデンサCiの正極端子の間の整流電流経路に対して挿入されていることになる。そして、このスイッチングダイオードD1−高周波インダクタL10の直列接続回路に対して、フィルタコンデンサCNが並列に接続される。この場合のフィルタコンデンサCNは、スイッチング出力の帰還により整流電流経路内に生じるノーマルモードノイズを抑制するためのものとなる。
そして、この場合には、一次巻線N1の巻き終わり端部を、スイッチングダイオードD1のカソードと高周波インダクタL10との接続点に対して接続するようにしており、これにより、一次側電圧(並列)共振回路(L1//Cr)に得られる共振電流を電力として回生して、磁気結合(即ち高周波インダクタL10)を介するようにして平滑コンデンサCi(整流電流経路)に帰還する、という動作が得られる。つまり、力率改善回路10は、磁気結合形による電力回生方式の構成を採る。
図3の波形図は、スイッチング素子Q1のスイッチング動作を、スイッチング周期により示すものとされる。ここでは、スイッチング周波数fs=100KHzとした場合を示している。
この図において、期間t2〜t0までの期間が、スイッチング素子Q1がオンとなるオン期間であり、期間t0〜t2までの期間が、スイッチング素子Q1がオフとなるオフ期間である。
スイッチング素子Q1の両端電圧(ドレイン−ソース間電圧)VQ1は、オン期間(t2〜t0)において0レベルで、オフ期間(t0〜t2)において正弦波状の共振電圧パルスが生じる波形となる。
ここで、スイッチング素子Q1のオン期間(t2〜t0)においては、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1に流れる一次側共振電流Ioは、平滑コンデンサCi→高周波インダクタL10→一次巻線N1→スイッチング素子Q1(ドレイン→ソース)の経路により順方向に流れる。この電流により、一次巻線N1−高周波インダクタL10の直列接続回路には、電磁エネルギーが蓄積されることになる。
続いて、時点t0に至ってスイッチング素子Q1がターンオフすると、一次巻線N1と高周波インダクタL10の直列接続回路に蓄積された電磁エネルギーにより、順方向の一次側共振電流Ioの流れが維持され、一次側電圧共振コンデンサCrを充電する。この充電動作が行われるのは期間t0〜t1であり、この充電電流によって、一次側電圧共振コンデンサCrの両端電位が上昇して、スイッチング素子Q1の両端電圧VQ1としても上昇していくことになる。
次の期間t1〜t2は、上記期間t0〜t1により蓄積された一次側電圧共振コンデンサCrの充電電荷が放電される期間であり、この放電動作によって、一次側共振電流Ioは、一次側電圧共振コンデンサCr→一次巻線N1→高周波インダクタL10→平滑コンデンサCiによる逆方向の経路で流れる。つまり、一次側電圧共振コンデンサCrの充電電荷を放電して得られる一次側共振電流Ioを平滑コンデンサCiに回生する。また、この経路で電流が流れることで、このときにも、一次巻線N1と高周波インダクタL10の直列接続回路には電磁エネルギーが蓄積されることになる。
そして、スイッチング素子Q1がオフ状態を終了した直後の期間t2〜t3においては、スイッチング素子Q1のボディダイオードDDが導通する。このために、上記期間t1〜t2により一次巻線N1と高周波インダクタL10の直列接続回路に蓄積された電磁エネルギーにより維持される逆方向の一次側共振電流Ioは、ボディダイオードDD(アノード→カソード)→一次巻線N1→高周波インダクタL10→平滑コンデンサCiの経路で流れる。つまり、この期間においても、一次側共振電流Ioを平滑コンデンサCiに回生する動作が得られていることになる。
そして、期間t3〜t0においては、スイッチング素子Q1が導通して、一次側共振電流Ioは、平滑コンデンサCi→高周波インダクタL10→一次巻線N1→スイッチング素子Q1(ドレイン→ソース)に流れるようにされる。つまり、順方向(正極性)のスイッチング出力電流IQ1が流れることになる。
このようなスイッチング動作によれば、電圧共振形コンバータと電力回生方式の力率改善回路10を組み合わせた場合においては、図3における期間t1〜t3が、電力回生の動作が得られる電力回生期間である、ということになる。
図4は、力率改善回路10の動作を、商用交流電源周期により示している。
ここでは、図示するようにして50Hzの交流入力電圧VACが入力されているものとする。この交流入力電圧VACを入力して、図1に示す電源回路が動作することで、力率改善回路10としても、上記しているように、平滑コンデンサCiに対して、一次側共振電流Ioを電力として回生して帰還する動作を行うことになる。
上記のようにして電力回生が行われるのに応じて、一次巻線N1、被制御巻線NR、及びスイッチングダイオードD1のカソードとの接続点と、一次側アース間の電圧V1は、交流入力電流IACが非導通で整流電流が流れない期間においては、整流平滑電圧Eiに対して、スイッチング周期による交番電圧成分が重畳した一定レベルのエンベロープ波形となる。一方、交流入力電流IACが導通して整流電流が流れる期間においては、上記一定レベルから整流出力電圧分が正弦波状に重畳される波形として得られる。
これに応じて、高周波インダクタL10から平滑コンデンサCiに流入する電流IL1は、交流入力電流IACの非導通期間においては、スイッチング周期による一定振幅による交番波形として流れ、交流入力電流IACの導通期間に対応しては、正弦波状のピークが得られる状態で流れるものとなる。
高速型(高速リカバリ型)のスイッチングダイオードD1は、例えば交流入力電圧VACの正/負の絶対値が、そのピーク値の約1/2以上のときに導通するが、上記電圧V1の交番電圧成分が印加されていることから、整流電流についてスイッチングを行って断続する動作が得られることになる。つまり、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子からスイッチングダイオードD1に流れる整流電流I1は、略正弦波状の交番波形として得られる。
このような波形により流れる整流電流I1の導通期間は、ブリッジ整流回路Diから出力される整流出力電圧レベルが平滑コンデンサCiの両端電圧よりも低いとされる期間にも流れるものとなっており、同じ図4に示す交流入力電流IACの導通期間も、この整流出力電流I1の導通期間にほぼ一致したものとなる。つまり、交流入力電流IACの導通角は、力率改善回路を備えない場合よりも拡大されているものであり、交流入力電流IACの波形としては、交流入力電圧VACの波形に近付くものとなっている。つまり、力率改善が図られていることになる。
ここで、本実施の形態の電源回路の力率改善回路10は、先行技術として図7及び図8に示した電源回路の力率改善回路20,20Aのようにして、三次巻線N3、あるいは疎結合の磁気結合トランスMCTなどによる一次側共振電流を電圧として帰還する構成を採っていない。つまり、回路形態としては、電力回生方式であることに応じて、一次側共振電流Ioが流れる一次巻線N1の端部を、力率改善回路10における整流電流経路(スイッチングダイオードD1と高周波インダクタL10の接続点)に対して接続しているものである。
しかしながら、本実施の形態の電源回路では、このようなスイッチング出力の直接的帰還を行う力率改善回路の構成を採ったとしても、二次側直流出力電圧Eoに重畳される商用交流電源周期のリップルの増加は、実用上問題がない程度に大幅に抑制される。
これは、絶縁コンバータトランスPITについて、結合係数k=0.8以下(k=0.75程度)にまで結合度を低くして、図7及び図8に示す電源回路の絶縁コンバータトランスPITよりも疎結合の状態を設定したことによるものである。
つまり、絶縁コンバータトランスPITについて、結合係数k=0.75程度にまで結合度を低下させると、これに応じて一次側から二次側への電力伝送率も低下することになる。
これにより、一次側において、商用交流電源周期のリップル電流が一次側共振電流Ioに重畳したとしても、二次側に電力伝送された段階で、この商用交流電源周期のリップル成分は大きく減衰することになる。これにより、二次側直流出力電圧Eoに重畳する商用交流電源周期のリップル電圧としても大幅に抑制されることになる。
ただし、単純に、絶縁コンバータトランスPITについて疎結合の度合いを推し進めたのみでは、絶縁コンバータトランスPITとしての本来の一次側と二次側との間の伝送電力も減衰してしまうことから、結果的に伝送損失が生じて、著しい電力変換効率の低下を招くことになる。
しかし、本実施の形態では、二次側においても並列共振回路(N2//C2)を備えることとしている。これにより、二次側においては、この二次側並列共振回路の共振動作によって増幅するようにして交番出力を得るようにされる。これにより、一次側から二次側への伝送損失が補償されることとなって、結果的には、絶縁コンバータトランスPITをさらに疎結合の状態としたことに起因する電力変換効率の低下は生じないことになる。
このようにして、本実施の形態の電源回路としては、まず、二次側並列共振回路を積極的に組み合わせることで、絶縁コンバータトランスPITについて、電力変換効率の低下を生むことなく、これまでよりも疎結合の状態を設定することを可能としている。これにより、二次側直流出力電圧Eoに重畳する商用交流電源周期のリップルを抑制して、三次巻線N3や磁気結合トランスに依らず、電力回生方式による力率改善回路を採用することを可能としている。
電力回生方式による本実施の形態の力率改善回路10は、スイッチングダイオードD1、高周波インダクタL10、及びフィルタコンデンサCNの3点の部品のみから成るものであり、図7及び図8に示した力率改善回路20,20Aと比較した場合には、部品点数の削減が図られていることになる。また、例えば高周波インダクタL10は30μH程度のインダクタンスが得られる構造であればよく、これらの3点の部品のサイズとしても小型なものとなっている。
これにより、本実施の形態の電源回路は、力率改善機能を付加するのにあたり、非常に少ない部品点数の増加、及び回路規模の拡大、及びコストアップで済んでいることになる。
さらに、二次側整流回路について、図7及び図8に示す回路ではブリッジ整流回路DBRを備えた全波整流回路としているのに対して、本実施の形態では、二次側整流回路について半波整流回路としている。これは、本実施の形態の電源回路において、絶縁コンバータトランスPITについてこれまでよりも疎結合の状態としたことで、半波整流回路であっても、負荷変動に関わらずZCSが確保されることとなったことによる。
このようにして、二次側整流回路について半波整流回路としたことによっても、その分の部品点数の削減、コストダウンが図られる。
また、電力変換効率に関すれば、力率改善回路10としては、先にも説明したように、一次巻線N1が直接的に接続される電力回生方式としての回路形態を採っている。これにより、図7及び図8に示す、三次巻線N3や、疎結合の磁気結合トランスMCTを介在させて電圧として帰還する構成を採る場合と比較して、スイッチング出力を帰還する系における電力損失は低減されることになる。
また、前述もしたように、図1に示す電源回路では、一次側と二次側とが加極性による接続となっているのであるが、これによっても、減極性による接続で構成した場合よりも電力損失は低減される。減極性接続とした場合には、スイッチング素子Q1に流れるスイッチング電流IQ1のオン期間の波形について、例えば図3に示されるようなピークの平坦な波形形状が得られにくく、これによるスイッチング損失が生じることになる。二次側整流回路について半波整流回路とする場合には、加極性とすることでスイッチング電流IQ1のピーク波形の平坦さが保たれ、その分の電力損失の低減が図られることになる。
そして、これらの構成により得られる電力損失の低減効果と、先に説明した、二次側並列共振回路を組み合わせたことによる、絶縁コンバータトランスPITにおける伝送電力の損失についての補償効果とあわせれば、本実施の形態の電源回路は、電力変換効率について良好な特性が得られていることになる。この結果、本実施の形態の電源回路としては、次に説明するようにして、実際の実験結果としても、力率改善回路10を付加しない構成と比較して、より高い電力変換効率が得られることとなった。
図5及び図6は、図1に示した本実施の形態の電源回路についての諸特性を示している。なお、これらの図に示す特性は、図4に示した電源回路の構成について、要部を次のように選定して、実験を行って得られたものである。
絶縁コンバータトランスPITについては、EER−40のコアを選定し、ギャップGについては1.6mmとした。一次巻線N1の巻数については40T(ターン)、二次巻線N2の巻数については50Tとしており、結合係数kについてはk=0.75を得るようにされる。
また、高周波インダクタL10=30μH、一次側電圧共振コンデンサCr=4700pF、C2=0.01μF、フィルタコンデンサCN=1μFを選定した。
また、高速リカバリ型のスイッチングダイオードD1と、二次側の整流ダイオードDoについては、それぞれ、3A/600Vの定格のものを選定し、スイッチング素子Q1については、10A/800Vの定格のものを選定した。
また、このようにして各部について選定したうえで、二次側直流出力電圧Eoについては、Eo=200Vの仕様としている。
図5は、図1に示した電源回路についての、負荷電力変動に対するスイッチング周波数fs、整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)、力率PF、AC→DC電力変換効率(ηAC→DC)の変動特性を示している。ここでは、交流入力電圧VACについては100Vで固定のもとで、負荷電力Poについて、Po=0W〜200W(最大負荷電力)の変動範囲での実験結果が示されている。
まず、スイッチング周波数fsについては、重負荷の傾向となるのに従って高くなるようにして変動している。これは、負荷変動に応じた二次側直流出力電圧Eoの変動に対して、定電圧化のためのスイッチング周波数制御の動作が実行されていることを示す。
また、直流入力電圧(Ei)のレベルは、軽負荷の範囲では若干上昇傾向となるが、全体としては、負荷変動に対して約140Vが維持されていることが分かる。
また、力率改善回路10の動作に応じて得られる力率PFについては、負荷電力Po=30W〜200Wの範囲で、PF>0.75以上が得られ、最大負荷電力Po=200W時においては、PF=0.85が得られる特性となっており、例えば電源高調波歪規制値を満足する。
また、AC→DC電力変換効率(ηAC→DC)については、負荷電力Poが重負荷の傾向となっていくのに従って高くなる傾向で、最大負荷電力Po=200W時においては、ηAC→DC=92%となる測定結果が得られた。
図6は、交流入力電圧VACの変動に対するスイッチング周波数fs、整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)、力率PF、AC→DC電力変換効率(ηAC→DC)の変動特性を示している。この図に示す特性は、最大負荷電力Po=200W(最大負荷条件)の下で、AC100V系の交流入力電圧VAC=85V〜140Vで変動した場合の実験結果が示される。
スイッチング周波数fsとしては、定電圧制御動作によって、交流入力電圧VACが高くなるのに応じて上昇していく特性となっている。つまり、スイッチング周波数制御としては、交流入力電圧VACの上昇、若しくは負荷電力Poが軽負荷となるのに応じて二次側直流出力電圧Eoが高くなるようにして変動すると、スイッチング周波数を高く制御するようにされており、これにより、二次側直流出力電圧Eoのレベルを低下させるようにして安定化を図るものである。
また、直流入力電圧(Ei)は、交流入力電圧VACのレベルが高くなるように変動するのに応じて上昇する傾向になる。
また、力率PFは、交流入力電圧VACの上昇に応じて、その値が高くなっていく傾向を有している。そして、最大負荷電力Po=200W時においては、PF=0.80程度にまで改善されていることが分かる。
また、AC→DC電力変換効率(ηAC→DC)としては、交流入力電圧VACが低レベルの範囲では若干低下傾向には成るものの、90%以上を維持しており、特に交流入力電圧VACが100Vあたりよりも高い範囲では、92%が維持されている。これは、図5に示される特性とも一致している。
なお、例えば図1に示す本実施の形態の電源回路から力率改善回路10を省略した構成については、力率PF及びAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)については、それぞれ、交流入力電圧VAC=100V、最大負荷電力Po=200W時において、PF=0.58、ηAC→DC=90.8%という実験結果が得られた。
このことから、図1に示したままの回路構成を採る本実施の形態の電源回路としては、力率改善回路10を省略した回路構成を採る場合と比較して、AC→DC電力変換効率(ηAC→DC)が1.2%向上していることになる。また、これに伴って、交流入力電力は2.8W低減された。
また、図5及び図6には示していないが、二次側直流出力電圧Eoに重畳する商用交流電源周期のリップル電圧成分ΔEoについては、図1の電源回路は、ΔEo=80mVであることが測定された。これに対して、図1の電源回路から力率改善回路10を省略した電源回路については、ΔEo=50mVの測定結果が得られた。
背景技術として述べたように、例えば絶縁コンバータトランスPITの結合係数k=0.8程度以上の電源回路に対して電力回生方式による力率改善回路を設けた場合には、上記ΔEoは、その力率改善回路を省略した構成に対して5倍〜6倍にまで増加する。これに対して、本実施の形態では、上記しているように、1.6倍程度(80/50(mV))であり、大幅に抑制されている。この程度のΔEoの増加率は、例えば二次側平滑コンデンサの大幅な容量増加などの設計変更を行わなくとも、十分に実用が可能とされる、許容範囲内にある。従って、本実施の形態において絶縁コンバータトランスPITに設定される結合係数kは、ΔEoが許容範囲内に収まることを考慮して設定されるべきものとなる。また、絶縁コンバータトランスPITの結合度が低くなれば、一次側と二次側との間での伝送の損失も増加するので、結合係数kは、二次側並列共振回路による伝送損失の補償量との兼ね合いも考慮して設定されるべきことになる。
なお、本願発明としては、これまで説明した実施の形態としての構成のみに限定されるものではない。例えば商用交流電源ACに接続されるコモンモードのノイズフィルタなどの形成部品、接続態様などをはじめ、細部においては適宜変更されてかまわない。
また、実施の形態においては、二次側並列共振回路に対して半波整流回路を備えているが、本願発明の下では、例えば全波整流回路、両波整流回路のほか、倍電圧整流回路などの、二次巻線N2の誘起電圧レベルの所定倍の二次側直流出力電圧Eoを生成するような整流回路を備えて構成することもできる。ただし、前述したように、本願発明の構成によっては、二次側整流回路について半波整流回路を設けたとしても広範な負荷変動に対するZCSが確保されるものであり、このことに基づいて、二次側整流回路について半波整流回路とすることで、部品点数が削減されるという効果が得られるものである。
また、上記各実施の形態にあっては、一次側の電圧共振形コンバータを形成するスイッチング素子としてMOS−FETが選定されているが、例えばIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)、SIT(静電誘導サイリスタ)、バイポーラトランジスタなどの各種のパワーデバイスといわれる半導体素子を採用可能である。
また、これらのスイッチング素子の選定に応じて、スイッチング素子を駆動する方式とてしても、駆動用ICを用いた他励式と、若しくは自励発振駆動回路を備える自励式との、いずれの方式が採用されてもかまわない。
また、電圧共振型コンバータとしては、2石のスイッチング素子を交互にオン/オフ駆動させるプッシュプル方式も知られているが、本発明としては、このようなプッシュプル方式の電圧共振型コンバータにも適用できる。ただし、実施の形態として図1に示したようにして、シングルエンドの形式を採れば、スイッチング素子としては、1石となって部品点数削減、小型軽量化、及び低コスト化などの点で有利となる。
本発明の実施の形態としての電源回路の構成例を示す回路図である。 実施の形態の電源回路に備えられる絶縁コンバータトランスの構造例を示す図である。 実施の形態の電源回路の力率改善動作に対応する要部の動作をスイッチング周期により示す波形図である。 実施の形態の電源回路の力率改善動作に対応する要部の動作を商用交流電源周期により示す波形図である。 実施の形態の電源回路における、負荷変動に対するスイッチング周波数、整流平滑電圧(直流入力電圧)、力率、AC→DC電力変換効率の変動特性を示す図である。 実施の形態の電源回路における、交流入力電圧変動に対するスイッチング周波数、整流平滑電圧(直流入力電圧)、力率、AC→DC電力変換効率の変動特性を示す図である。 先行技術としての電源回路の構成例を示す回路図である。 先行技術としての電源回路の他の構成例を示す回路図である。 図8に示す電源回路の負荷変動に対する整流平滑電圧(直流入力電圧)、力率、AC→DC電力変換効率の変動特性を示す図である。
符号の説明
1 制御回路、2 発振・ドライブ回路、10 力率改善回路、Di ブリッジ整流回路、Ci 平滑コンデンサ、Q1 スイッチング素子、PIT 絶縁コンバータトランス、Cr 一次側電圧共振コンデンサ、N1 一次巻線、N2 二次巻線、C2 二次側並列共振コンデンサ、Do 整流ダイオード、Co (二次側)平滑コンデンサ、CN フィルタコンデンサ、L10 高周波インダクタ、D1 スイッチングダイオード

Claims (3)

  1. 商用交流電源を入力して整流平滑電圧を生成する整流平滑手段と、
    上記整流平滑電圧を直流入力電圧として入力してスイッチングを行うスイッチング素子を備えて形成したスイッチング手段と、
    上記スイッチング素子をスイッチング駆動するスイッチング駆動手段と、
    少なくとも、上記スイッチング手段のスイッチング動作により得られるスイッチング出力が供給される一次巻線と、該一次巻線に得られたスイッチング出力により交番電圧が励起される二次巻線とを巻装して形成され、一次側と二次側の結合係数について所定以下となるように設定される絶縁コンバータトランスと、
    少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線を含む漏洩インダクタンス成分と一次側電圧共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成されて、上記スイッチング手段の動作を電圧共振形とする一次側電圧共振回路と、
    上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に対して二次側並列共振コンデンサを並列に接続して形成される二次側並列共振回路と、
    上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に励起される交番電圧を入力して整流動作を行って、二次側直流出力電圧を生成するように構成された二次側直流出力電圧生成手段と、
    上記スイッチング手段のスイッチング動作により一次側電圧共振回路に得られる一次側共振電流を電力として回生するようにして、上記整流平滑手段を形成する平滑コンデンサに帰還するようにされており、この帰還された電力に応じて、上記整流平滑手段による整流動作によって得られる整流電流を断続するようにしてスイッチングする力率改善用スイッチング素子を備えて構成される力率改善手段と、
    を備えることを特徴とするスイッチング電源回路。
  2. 上記力率改善手段は、
    上記整流平滑手段において商用交流電源を整流する整流回路の整流出力端子と平滑コンデンサの正極端子間に対して直列に挿入される、高周波インダクタと、上記力率改善用スイッチング素子とされるダイオード素子とを直列に接続した直列接続回路と、
    上記直列接続回路に対して並列に接続されるフィルタコンデンサと、を備えると共に、
    上記直列接続回路における高周波インダクタとダイオード素子との接続点に対して、上記一次側電圧共振回路を接続して形成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  3. 上記二次側直流出力電圧生成手段を形成する整流回路として半波整流回路を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
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