上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による発光素子は、発光層を有する発光領域を含む半導体素子層と、半導体素子層の発光領域の少なくとも1つの側端部に隣接するように設けられ、半導体素子層の表面から発光層に達する溝部と、溝部内に形成された蛍光体を含む層とを備えている。
この第1の局面による発光素子では、上記のように、半導体素子層の発光領域の少なくとも1つの側端部に隣接するように、半導体素子層の表面から発光層に達する溝部を設けるとともに、その溝部内に蛍光体を含む層を形成することによって、半導体素子層の発光領域の少なくとも1つの側端部を溝部内の蛍光体により覆うことができるので、半導体素子層の発光領域の少なくとも1つの側端部から外側に放出される光を蛍光体により波長変換することができる。これにより、発光方向により光のスペクトルがばらつくのを抑制することができるので、素子の発光特性を向上させることができる。また、素子分離を行う前に蛍光体を含む層を溝部内に形成すれば、同一のウェハ上に形成された複数の素子の溝部内に均一に蛍光体を含む層を形成した後に素子分離を行うことができるので、同一のウェハから形成される複数の素子において、蛍光体を含む層の蛍光体の含有率や厚みなどがばらつくのを抑制することができる。これにより、蛍光体を含む層の特性がばらつくのを抑制することができるので、同一のウェハから形成される複数の素子において、蛍光体を含む層の特性のばらつきに起因して、素子の発光特性がばらつくのを抑制することができる。このように、第1の局面では、複数の素子において、素子の発光特性がばらつくのを抑制し、かつ、素子の発光特性を向上させることができる。また、青から紫外領域(短波長)の光を生成する発光領域を有する発光素子においては、発光領域の少なくとも1つの側端部から外側に放出される短波長の光を溝部内の蛍光体により波長変換できるので、素子の側面から放出される短波長の光を減少させることができる。これにより、素子全体を樹脂層(保護層)により覆う場合に、その樹脂層(保護層)が短波長の光を吸収することにより劣化するのを抑制することができるので、素子の信頼性を向上させることができる。
上記第1の局面による発光素子において、好ましくは、蛍光体を含む層は、溝部内に位置する発光層の側面を覆うように形成されている。このように構成すれば、容易に、溝部内に位置する発光層の側面を覆う蛍光体により、発光層の側面から外側に放出される光を波長変換することができる。
上記第1の局面による発光素子において、好ましくは、溝部は、発光層の側面を取り囲むように形成されており、溝部内に形成された蛍光体を含む層は、発光層の側面を取り囲むように形成されている。このように構成すれば、容易に、発光層の全ての側面を溝部内の蛍光体により覆うことができる。
上記第1の局面による発光素子において、好ましくは、溝部は、半導体素子層の発光領域よりも外側に形成されている。このように構成すれば、半導体素子層の発光領域から外側に放出される光を容易に溝部内に入射させることができる。
この場合、好ましくは、半導体素子層は、発光領域よりも外側に設けられた非発光領域をさらに含み、溝部は、半導体素子層の発光領域と非発光領域との間に形成されている。このように構成すれば、容易に、溝部により発光領域と非発光領域とを分断することができる。
上記第1の局面による発光素子において、好ましくは、溝部は、半導体素子層を貫通するように形成されている。このように構成すれば、溝部が半導体素子層を貫通していない場合に、溝部の底部下に位置する半導体素子層の蛍光体により覆われていない領域から光が外側に放出されるのを抑制することができる。
上記第1の局面による発光素子において、好ましくは、蛍光体を含む層は、溝部内のみならず、発光領域の出射方向側の表面も覆うように形成されている。このように構成すれば、発光領域の側面のみならず、出射方向側の表面から放出される光も波長変換することができる。
この発明の第2の局面による発光素子の製造方法は、発光層を有する半導体素子層の発光領域の少なくとも1つの側端部に隣接するように、半導体素子層の表面から発光層に達する溝部を形成する工程と、溝部内に蛍光体を含む層を形成する工程と、溝部内に蛍光体を含む層が形成された状態で半導体素子層を各素子に分離する工程とを備えている。
この第2の局面による発光素子の製造方法では、上記のように、発光層を有する半導体素子層の発光領域の少なくとも1つの側端部に隣接するように、半導体素子層の表面から発光層に達する溝部を形成した後、その溝部内に蛍光体を含む層を形成することによって、半導体素子層の発光領域の少なくとも1つの側端部を溝部内の蛍光体により覆うことができるので、半導体素子層の発光領域の少なくとも1つの側端部から外側に放出される光を蛍光体により波長変換することができる。これにより、発光方向により光のスペクトルがばらつくのを抑制することができるので、素子の発光特性を向上させることができる。また、溝部内に蛍光体を含む層が形成された状態で半導体素子層を各素子に分離することによって、同一のウェハ上に形成された複数の素子の溝部内に均一に蛍光体を含む層を形成した後に素子分離を行うことができるので、同一のウェハから形成される複数の素子において、蛍光体の含有率や蛍光体を含む層の厚みなどがばらつくのを抑制することができる。これにより、蛍光体を含む層の特性がばらつくのを抑制することができるので、同一のウェハから形成される複数の素子において、蛍光体を含む層の特性のばらつきに起因して、素子の発光特性がばらつくのを抑制することができる。このように、第2の局面では、複数の素子において、素子の発光特性がばらつくのを抑制し、かつ、素子の発光特性を向上させることが可能な発光素子を容易に形成することができる。また、青から紫外領域(短波長)の光を生成する発光領域を有する発光素子においては、発光領域の少なくとも1つの側端部から外側に放出される短波長の光を溝部内の蛍光体により波長変換できるので、素子の側面から放出される短波長の光を減少させることができる。これにより、素子全体を樹脂層(保護層)により覆う場合に、その樹脂層(保護層)が短波長の光を吸収することにより劣化するのを抑制することができるので、素子の信頼性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の構造を示した平面図であり、図2は、図1の100−100線に沿った断面図である。まず、図1および図2を参照して、第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の構造について説明する。
第1実施形態では、図2に示すように、サファイア基板1の(0001)面上に、約10nm〜約50nmの厚みを有する非単結晶のSiがドープされたGaNからなるバッファ層2が形成されている。バッファ層2上には、約0.15μmの厚みを有するSiがドープされた単結晶のn型Al0.1Ga0.9Nからなるn型クラッド層3が形成されている。n型クラッド層3上には、単一量子井戸(SQW)構造を有する活性層4が形成されている。この活性層4は、約5nmの厚みを有するアンドープのGa0.8In0.2Nからなる井戸層を含む。なお、活性層4は、本発明の「発光層」の一例である。活性層4上には、約5nmの厚みを有するMgがドープされたp型Al0.1Ga0.9Nからなるp型キャップ層5が形成されている。p型キャップ層5上には、約0.1μmの厚みを有するMgがドープされたp型Al0.05Ga0.95Nからなるp型クラッド層6が形成されている。p型クラッド層6上には、約0.3μmの厚みを有するMgがドープされたp型Ga0.95In0.05Nからなるp型コンタクト層7が形成されている。そして、n型クラッド層3、活性層4、p型キャップ層5、p型クラッド層6およびp型コンタクト層7によって、半導体素子層8が構成されている。
ここで、第1実施形態では、素子の側端面から所定の間隔を隔てた領域において、半導体素子層8を構成するp型コンタクト層7の表面から活性層4を貫通してn型クラッド層3の途中の深さまでが除去されることにより、n型クラッド層3の表面の一部が露出されている。これにより、素子の側端面から所定の間隔を隔てた領域に、活性層4を貫通するとともに、n型クラッド層3の露出した表面を底面とする溝部9が形成されている。この溝部9は、図1および図2に示すように、素子の外側に位置する半導体素子層8(活性層4)と、素子の内側に位置する半導体素子層8(活性層4)とを分断するように、かつ、素子の内側に位置する半導体素子層8(活性層4)の側面を囲むように形成されている。また、溝部9は、約30μm〜約100μmの幅を有する。
また、図2に示すように、溝部9よりも内側に位置する半導体素子層8(p型コンタクト層7)の上面を覆うように、サファイア基板1側から順に、約1nmの厚みを有するNi層と、約10nmの厚みを有するAu層とからなるp側電極10が形成されている。このp側電極10を構成するNi層およびAu層の厚みを、それぞれ、約1nmおよび約10nmと小さくすることによって、活性層4で生成された光がp側電極10を透過することが可能になる。また、n型クラッド層3の露出した表面(溝部9の底面)上の所定領域には、サファイア基板1側から順に、約10nmの厚みを有するTi層と、約200nmの厚みを有するAl層と、約10nmの厚みを有するPt層と、約200nmの厚みを有するAu層とからなるn側電極11が形成されている。なお、この第1実施形態では、溝部9よりも外側に位置する半導体素子層8(p型コンタクト層7)上にはp側電極10が形成されていないので、溝部9よりも内側に位置する半導体素子層8にのみ電流が注入される。このため、溝部9よりも内側に位置する平面的に見て矩形状の半導体素子層8の活性層4が発光領域15aとなる一方、溝部9よりも外側に位置する半導体素子層8の活性層4が非発光領域15bとなる。そして、第1実施形態では、図1に示すように、半導体素子層8の発光領域15aの全ての側端部に、上記した溝部9が隣接している。すなわち、発光領域15aの側端部を取り囲むように溝部9が形成されている。
また、図1および図2に示すように、p側電極10上の所定領域には、数十μm〜数mmの厚みを有するAu層、Cu層またはAl層からなるとともに、円形状の平面形状を有するp側導電層12が形成されている。また、n側電極11上の所定領域には、数十μm〜数mmの厚みを有するAu層、Cu層またはAl層からなるとともに、矩形状の平面形状を有するn側導電層13が形成されている。p側導電層12およびn側導電層13のサファイア基板1とは反対側の端部は、後述する樹脂層14の表面から突出している。
また、図2に示すように、溝部9内を埋め込むように、かつ、半導体素子層8と、p側電極10およびn側電極11と、p側導電層12およびn側導電層13のサファイア基板1とは反対側の端部以外の領域とを覆うようにエポキシ系樹脂からなる樹脂層14が形成されている。このため、溝部9内に位置する活性層4の全ての側面は、樹脂層14により覆われている。また、樹脂層14は、発光領域15aの出射方向(p側電極10)側の表面も覆うように形成されている。また、樹脂層14には、溝部9の幅(約30μm〜約100μm)よりも小さい数μmの直径を有するとともに、活性層4で生成された光を吸収し、かつ、波長変換する蛍光体が含有されている。なお、樹脂層14は、本発明の「蛍光体を含む層」の一例である。
第1実施形態では、上記のように、活性層4を有する半導体素子層8の発光領域15aの全ての側端部に隣接するように、半導体素子層8の表面から活性層4を貫通してn型クラッド層3の途中の深さに達する溝部9を設けるとともに、その溝部9内に蛍光体が含有された樹脂層14を埋め込むように形成することによって、半導体素子層8の発光領域15aの全ての側端部(活性層4の側面)を溝部9内の樹脂層14により覆うことができるので、半導体素子層8の発光領域15aの側端部(活性層4の側面)から外側に放出される光を樹脂層14の蛍光体により波長変換することができる。これにより、発光方向により光のスペクトルがばらつくのを抑制することができるので、素子の発光特性を向上させることができる。また、素子分離を行う前に蛍光体が含有された樹脂層14を溝部9内に形成すれば、同一のウェハ上に形成された複数の素子の溝部9内に均一に蛍光体が含有された樹脂層14を形成した後に素子分離を行うことができるので、同一のウェハから形成される複数の素子において、蛍光体の含有率や樹脂層14の厚みなどがばらつくのを抑制することができる。これにより、樹脂層14の特性がばらつくのを抑制することができるので、同一のウェハから形成される複数の素子において、蛍光体が含有された樹脂層14の特性のばらつきに起因して、素子の発光特性がばらつくのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、活性層4の側面を取り囲むように溝部9を形成するとともに、その溝部9内を埋め込むように蛍光体が含有された樹脂層14を形成することによって、容易に、活性層4の全ての側面を溝部9内の樹脂層14により覆うことができる。
また、第1実施形態では、半導体素子層8の発光領域15aよりも外側に溝部9を形成することによって、半導体素子層8の発光領域15aから外側に放出される光を容易に溝部9内に入射させることができる。
また、第1実施形態では、素子の外側に位置する半導体素子層8(活性層4)と内側に位置する半導体素子層8(活性層4)とを分断するように溝部9を形成することによって、容易に、溝部9により発光領域15aと非発光領域15bとを分断することができる。
また、第1実施形態では、溝部9内のみならず、発光領域15aの出射方向(p側電極10)側の表面も覆うように蛍光体が含有された樹脂層14を形成することによって、発光領域15aの側端部のみならず、発光領域15aの出射方向(p側電極10)側の表面から放出される光も波長変換することができる。
また、第1実施形態では、p側導電層12およびn側導電層13のサファイア基板1とは反対側の端部を樹脂層14の表面から突出させることによって、容易に、樹脂層14の形成後に、p側導電層12およびn側導電層13に対してワイヤボンディングすることができる。
図3〜図14は、図1および図2に示した第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための平面図および断面図である。次に、図1〜図14を参照して、第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスについて説明する。
まず、図3に示すように、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いて、サファイア基板1上に、バッファ層2、n型クラッド層3、活性層4、p型キャップ層5、p型クラッド層6およびp型コンタクト層7を順次成長させる。
具体的には、サファイア基板1を約400℃〜約700℃の成長温度に保持した状態で、NH3およびTMGa(トリメチルガリウム)からなる原料ガスと、SiH4からなるドーパントガスとを用いて、サファイア基板1の(0001)面上に、約10nm〜約50nmの厚みを有するSiがドープされた非単結晶のGaNからなるバッファ層2を成長させる。この後、サファイア基板1を約1000℃〜約1200℃(たとえば、約1150℃)の成長温度に保持した状態で、H2およびN2からなるキャリアガス(H2の含有率は約1%〜約3%)と、NH3、TMGaおよびTMAl(トリメチルアルミニウム)からなる原料ガスと、SiH4からなるドーパントガスとを用いて、バッファ層2上に、約0.15μmの厚みを有するSiがドープされた単結晶のn型Al0.1Ga0.9Nからなるn型クラッド層3を約3μm/hの成長速度で成長させる。
次に、サファイア基板1を約700℃〜約1000℃の成長温度に保持した状態で、H2およびN2からなるキャリアガス(H2の含有率は約1%〜約5%)と、NH3、TMGaおよびTMIn(トリメチルインジウム)からなる原料ガスとを用いて、n型クラッド層3上に、約5nmの厚みを有する単結晶のアンドープのGa0.8In0.2Nからなる井戸層を約0.4nm/sの成長速度で成長させる。これにより、SQW構造の活性層4を成長させる。続いて、原料ガスをNH3、TMGaおよびTMAlに変えるとともに、CP2Mgからなるドーパントガスを加えて、約5nmの厚みを有するMgがドープされた単結晶のp型Al0.1Ga0.9Nからなるp型キャップ層5を約0.4nm/sの成長速度で成長させる。
次に、サファイア基板1を約1000℃〜約1200℃(たとえば、約1150℃)の成長温度に保持した状態で、H2およびN2からなるキャリアガス(H2の含有率は約1%〜約3%)と、NH3、TMGaおよびTMAlからなる原料ガスと、CP2Mgからなるドーパントガスとを用いて、p型キャップ層5上に、約0.1μmの厚みを有するMgがドープされた単結晶のp型Al0.05Ga0.95Nからなるp型クラッド層6を約3μm/hの成長速度で成長させる。続いて、サファイア基板1を約700℃〜約1000℃(たとえば、約850℃)の成長温度に保持した状態で、原料ガスをNH3、TMGaおよびTMInに変えるとともに、ドーパントガスを用いないで、p型クラッド層4上に、約0.3μmの厚みを有するアンドープの単結晶のGa0.95In0.05Nからなるコンタクト層(図示せず)を約0.5nm/sの成長速度で成長させる。
次に、サファイア基板1を約400℃〜約900℃(たとえば、約800℃)に保持した状態で、N2雰囲気中においてアニールすることによって、上記した窒化物系半導体各層(2〜7)の水素濃度を約5×1018cm−3以下に低下させる。この後、N2からなるキャリアガスと、CP2Mgからなるドーパントガスとを用いて、コンタクト層中に約1×1018cm−3〜約1×1018cm−3のMgを拡散させることによって、コンタクト層をMgがドープされたp型コンタクト層7にする。この後、熱処理または電子線処理を行うことにより、p型キャップ層5、p型クラッド層6およびp型コンタクト層7のp型化を行う。このようにして、n型クラッド層3、活性層4、p型キャップ層5、p型クラッド層6およびp型コンタクト層7によって構成される半導体素子層8を形成する。
次に、図4および図5に示すように、プラズマCVD法を用いて、p型コンタクト層7上の溝部9(図1および図2参照)が形成される領域以外の領域に、約250nmの厚みを有するSiO2膜16を形成する。
次に、第1実施形態では、図6および図7に示すように、塩素系ガスによるドライエッチング技術を用いて、SiO2膜16をマスクとして、半導体素子層8を構成するp型コンタクト層7の表面から活性層4を貫通してn型クラッド層3の途中の深さまでをエッチングすることによって、n型クラッド層3の表面の一部を露出させる。これにより、活性層4を貫通するとともに、n型クラッド層3の露出した表面を底面とする溝部9が形成される。また、溝部9は、約30μm〜約100μmの幅を有するように形成される。この後、SiO2膜16を除去する。
次に、図8および図9に示すように、真空蒸着法を用いて、溝部9に囲まれた領域に位置する半導体素子層8(p型コンタクト層7)上に、サファイア基板1側から順に、約1nmの厚みを有するNi層と、約10nmの厚みを有するAu層とからなる透光性のp側電極10を形成する。この後、真空蒸着法を用いて、n型クラッド層3の露出した表面(溝部9の底面)上の所定領域に、サファイア基板1側から順に、約10nmの厚みを有するTi層と、約200nmの厚みを有するAl層と、約10nmの厚みを有するPt層と、約200nmの厚みを有するAu層とからなるn側電極11を形成する。これにより、溝部9に囲まれた領域に位置する半導体素子層8にのみ電流が注入されるので、溝部9に囲まれた領域に位置する半導体素子層8の活性層4が発光領域15aとなる一方、溝部9の外側に位置する半導体素子層8の活性層4が非発光領域15bとなる。また、半導体素子層8の発光領域15aの全ての側端部が溝部9に隣接することにより、発光領域15aの側端部を取り囲むように溝部9が形成される。
次に、図10および図11に示すように、メッキ法を用いて、p側電極10上の所定領域に、数十μm〜数mmの厚みを有するAu層、Cu層またはAl層からなるとともに、円形状の平面形状を有するp側導電層12を形成する。この後、メッキ法を用いて、n側電極11上の所定領域に、数十μm〜数mmの厚みを有するAu層、Cu層またはAl層からなるとともに、矩形状の平面形状を有するn側導電層13を形成する。
次に、第1実施形態では、図12に示すように、スピンコート法を用いて、溝部9内を埋め込むように、かつ、全面を覆うように蛍光体(直径:数μm)が含有されたエポキシ系樹脂からなる樹脂層14を形成する。これにより、半導体素子層8の発光領域15aの全ての側端部および光出射方向側の表面が樹脂層14により覆われる。樹脂層14に含有された蛍光体は、活性層4で生成された光を吸収し、かつ、波長変換する。
次に、図13および図14に示すように、酸素系ガスによるプラズマ処理を行うことにより、樹脂層14の所定領域を除去することによって、p側導電層12およびn側導電層13のサファイア基板1とは反対側の端部を露出させる。
最後に、第1実施形態では、半導体素子層8の発光領域15aの全ての側端部および上面が樹脂層14により覆われた状態で、非発光領域15bを含む半導体素子層8(図13および図14の破線L1)に対応する領域に切込みを入れた後、その切込みに沿って素子分離する。この際、ダイシングによりサファイア基板1に切込みを入れた後、その切込みに沿って素子分離してもよい。また、エッチング技術によりサファイア基板1に切込みを入れた後、その切込みに沿って素子分離してもよい。また、エッチング技術により半導体素子層8に切込みを入れるとともに、ダイシングによりサファイア基板1に切込みを入れた後、ダイシングおよびエッチング技術により形成された切込みに沿って素子分離してもよい。ここで、第1実施形態の素子分離工程では、非発光領域15bを含む半導体素子層8(図13および図14の破線L1)に対応する領域から素子分離するので、発光領域15aを含む半導体素子層8にダメージが加わるのを抑制することができる。このようにして、図1および図2に示した第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子が形成される。
第1実施形態の製造プロセスでは、上記のように、半導体素子層8の発光領域15aの全ての側端部(活性層4の側面)が樹脂層14により覆われた状態で、非発光領域15bを含む半導体素子層8に対応する領域から素子分離することによって、同一のウェハ上に形成された複数の素子の溝部9内に均一に蛍光体が含有された樹脂層14を形成した後に素子分離を行うことができるので、同一のウェハから形成される複数の素子において、蛍光体の含有率や樹脂層14の厚みなどがばらつくのを抑制することができる。これにより、樹脂層14の特性がばらつくのを抑制することができるので、同一のウェハから形成される複数の素子において、蛍光体が含有された樹脂層14の特性のばらつきに起因して、素子の発光特性がばらつくのを抑制することができる。
(第2実施形態)
図15は、本発明の第2実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の構造を示した平面図であり、図16は、図15の700−700線に沿った断面図である。図15および図16を参照して、この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、活性層を有する半導体素子層を貫通する溝部を形成する場合について説明する。
この第2実施形態では、図16に示すように、導電性基板21上に、約200nmの厚みを有するとともに、Ag層からなるp側電極22が接合されている。なお、導電性基板21は、半導体、金属、導電性樹脂フィルム、または、金属と金属酸化物との複合材料からなる。導電性基板21に使用される半導体としては、劈開性を有するSi、SiC、GaAsおよびZnOなどがある。また、導電性基板21に使用される金属としては、Al、Fe−NiおよびCu−Wなどがある。また、導電性基板21に使用される導電性樹脂フィルムとしては、金属などの導電性微粒子が分散した樹脂フィルムなどがある。また、導電性基板21に使用される金属と金属酸化物との複合材料としては、Cu−CuOなどがある。
p側電極22上には、p型コンタクト層23、p型クラッド層24、p型キャップ層25、活性層26およびn型クラッド層27が順次形成されている。そして、p型コンタクト層23、p型クラッド層24、p型キャップ層25、活性層26およびn型クラッド層27によって、半導体素子層28が構成されている。なお、p型コンタクト層23、p型クラッド層24、p型キャップ層25、活性層26およびn型クラッド層27は、それぞれ、上記第1実施形態のp型コンタクト層7、p型クラッド層6、p型キャップ層5、活性層4およびn型クラッド層3と同様の組成および厚みを有する。なお、活性層26は、本発明の「発光層」の一例である。
ここで、第2実施形態では、素子の側端面から所定の間隔を隔てた領域において、半導体素子層28を構成するn型クラッド層27の表面から活性層26を貫通してp型コンタクト層23までが除去されることにより、p側電極22の表面の一部が露出されている。これにより、素子の側端面から所定の間隔を隔てた領域に、活性層26を有する半導体素子層28を貫通するとともに、p側電極22の露出した表面を底面とする溝部29が形成されている。この溝部29は、図15および図16に示すように、素子の外側に位置する半導体素子層28(活性層26)と、素子の内側に位置する半導体素子層28(活性層26)とを分断するように、かつ、素子の内側に位置する半導体素子層28(活性層26)を囲むように形成されている。また、溝部29は、約30μm〜約100μmの幅を有する。
また、図16に示すように、溝部29よりも内側に位置する半導体素子層28(n型クラッド層27)の上面を覆うように、導電性基板21側から順に、約1nmの厚みを有するTi層と、約5nmの厚みを有するAl層とからなるn側電極30が形成されている。このn側電極30を構成するTi層およびAl層の厚みを、それぞれ、約1nmおよび約5nmと小さくすることによって、活性層26で生成された光がn側電極30を透過することが可能になる。なお、この第2実施形態では、溝部29よりも外側に位置する半導体素子層28(n型クラッド層27)上にはn側電極30が形成されていないので、溝部29よりも内側に位置する半導体素子層28にのみ電流が注入される。このため、溝部29よりも内側に位置する平面的に見て矩形状の半導体素子層28の活性層26が発光領域33aとなる一方、溝部29よりも外側に位置する半導体素子層28の活性層26が非発光領域33bとなる。そして、第2実施形態では、図15に示すように、半導体素子層28の発光領域33aの全ての側端部に、上記した溝部29が隣接している。すなわち、発光領域33aの側端部を取り囲むように溝部29が形成されている。
また、図15および図16に示すように、n側電極30上の所定領域には、数十μm〜数mmの厚みを有するAu層、Cu層またはAl層からなるとともに、円形状の平面形状を有するn側導電層31が形成されている。このn側導電層31の導電性基板21とは反対側の端部は、後述する樹脂層32の表面から突出している。
また、図16に示すように、溝部29内を埋め込むように、かつ、半導体素子層28と、n側電極30と、n側導電層31の導電性基板21とは反対側の端部以外の領域とを覆うようにエポキシ系樹脂からなる樹脂層32が形成されている。このため、溝部29内に位置する活性層26の全ての側面は、樹脂層32により覆われている。また、樹脂層32は、発光領域33aの出射方向(n側電極30)側の表面も覆うように形成されている。樹脂層32には、上記第1実施形態の蛍光体と同様の蛍光体が含有されている。なお、樹脂層32は、本発明の「蛍光体を含む層」の一例である。
第2実施形態では、上記のように、活性層26を有する半導体素子層28の発光領域33aの全ての側端部に隣接するように、半導体素子層28の表面から活性層26を貫通してp側電極22の表面に達する溝部29を設けるとともに、その溝部29内に蛍光体が含有された樹脂層32を埋め込むように形成することによって、半導体素子層28の発光領域33aの全ての側端部(活性層26の側面)を溝部29内の樹脂層32により覆うことができるので、半導体素子層28の発光領域33aの側端部(活性層26の側面)から外側に放出される光を樹脂層32の蛍光体により波長変換することができる。これにより、上記第1実施形態と同様、発光方向により光のスペクトルがばらつくのを抑制することができるので、素子の発光特性を向上させることができる。また、素子分離を行う前に蛍光体が含有された樹脂層32を溝部29内に形成すれば、同一のウェハ上に形成された複数の素子の溝部29内に均一に蛍光体が含有された樹脂層32を形成した後に素子分離を行うことができるので、同一のウェハから形成される複数の素子において、蛍光体の含有率や樹脂層32の厚みなどがばらつくのを抑制することができる。これにより、樹脂層32の特性がばらつくのを抑制することができるので、上記第1実施形態と同様、同一のウェハから形成される複数の素子において、蛍光体が含有された樹脂層32の特性のばらつきに起因して、素子の発光特性がばらつくのを抑制することができる。
また、第2実施形態では、半導体素子層28の表面から活性層26を貫通してp側電極22の表面に達する溝部29を形成することによって、溝部29が半導体素子層28を貫通していない場合に、溝部29の底部下に位置する半導体素子層28の樹脂層32により覆われていない領域から光が外側に放出されるのを抑制することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
図17〜図28は、図15および図16に示した第2実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための平面図および断面図である。次に、図15〜図28を参照して、第2実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスについて説明する。
まず、図17に示すように、MOCVD法を用いて、成長用基板としてのサファイア基板34上に、バッファ層35を成長させる。具体的には、サファイア基板34を約400℃〜約700℃の成長温度に保持した状態で、NH3およびTMGaからなる原料ガスと、SiH4からなるドーパントガスとを用いて、サファイア基板34の(0001)面上に、約10nm〜約50nmの厚みを有するSiがドープされた非単結晶のGaNからなるバッファ層35を成長させる。
続いて、バッファ層35上に、上記第1実施形態のn型クラッド層3、活性層4、p型キャップ層5、p型クラッド層6およびp型コンタクト層7と同様の成膜条件をそれぞれ用いて、n型クラッド層27、活性層26、p型キャップ層25、p型クラッド層24およびp型コンタクト層23を順次成長させる。この後、熱処理または電子線処理を行うことにより、p型キャップ層25、p型クラッド層24およびp型コンタクト層23のp型化を行う。このようにして、p型コンタクト層23、p型クラッド層24、p型キャップ層25、活性層26およびn型クラッド層27によって構成される半導体素子層28を形成する。この後、真空蒸着法を用いて、p型コンタクト層23上に、約200nmの厚みを有するAg層からなるp側電極22を形成する。
次に、図18に示すように、p側電極22上に、導電性基板21を接合する。この際、Au−SnやPd−Snなどからなる半田を介して、p側電極22上に導電性基板21を接合してもよいし、Agからなる導電性ペーストを介して、p側電極22上に導電性基板21を接合してもよい。また、p側電極22上に導電性基板21を直接貼り合せた後、約400℃〜約1000℃の温度条件下で加圧することによって、p側電極22上に導電性基板21を接合してもよい。また、導電性基板21に電界を加える陽極接合法を用いて、p側電極22上に導電性基板21を接合するようにしてもよい。
この後、バッファ層35を溶融することによって、半導体素子層28からサファイア基板34を分離する。具体的には、まず、サファイア基板34側からNd−YAGレーザ光の第4高調波(波長:約266nm)を照射することによりバッファ層35にレーザ光を吸収させることによって、バッファ層35の構成材料であるGaNをGaとN2に分解する。この状態でサファイア基板34を約40℃に加熱することによって、分解されたGaが溶融状態となるので、半導体素子層28からサファイア基板34が分離される。これにより、図19に示すように、n型クラッド層27の表面が露出された状態にする。
次に、図20および図21に示すように、プラズマCVD法を用いて、n型クラッド層27上の溝部29(図15および図16参照)が形成される領域以外の領域に、約250nmの厚みを有するSiO2膜36を形成する。
次に、第2実施形態では、図22および図23に示すように、塩素系ガスによるドライエッチング技術を用いて、SiO2膜36をマスクとして、半導体素子層28を構成するn型クラッド層27の表面から活性層26を貫通してp型コンタクト層23までをエッチングすることによって、p側電極22の表面の一部を露出させる。これにより、活性層26を有する半導体素子層28を貫通するとともに、p側電極22の露出した表面を底面とする溝部29が形成される。また、溝部29は、約30μm〜約100μmの幅を有するように形成される。この後、SiO2膜36を除去する。
次に、図24および図25に示すように、真空蒸着法を用いて、溝部29に囲まれた領域に位置する半導体素子層28(n型クラッド層27)上に、導電性基板21側から順に、約1nmの厚みを有するTi層と、約5nmの厚みを有するAl層とからなる透光性のn側電極30を形成する。これにより、溝部29に囲まれた領域に位置する半導体素子層28にのみ電流が注入されるので、溝部29に囲まれた領域に位置する半導体素子層28の活性層26が発光領域33aとなる一方、溝部29の外側に位置する半導体素子層28の活性層26が非発光領域33bとなる。また、半導体素子層28の発光領域33aの全ての側端部が溝部29に隣接することにより、発光領域33aの側端部を取り囲むように溝部29が形成される。この後、メッキ法を用いて、n側電極30上の所定領域に、数十μm〜数mmの厚みを有するAu層、Cu層またはAl層からなるとともに、矩形状の平面形状を有するn側導電層31を形成する。
次に、第2実施形態では、図26に示すように、スピンコート法を用いて、溝部29内を埋め込むように、かつ、全面を覆うように、上記第1実施形態の蛍光体と同様の蛍光体が含有されたエポキシ系樹脂からなる樹脂層32を形成する。これにより、半導体素子層28の発光領域33aの全ての側端部および光出射方向側の表面が樹脂層32により覆われる。
次に、図27および図28に示すように、酸素系ガスによるプラズマ処理を行うことにより、樹脂層32の所定領域を除去することによって、n側導電層31の導電性基板21とは反対側の端部を露出させる。
最後に、第2実施形態では、半導体素子層28の発光領域33aの全ての側端部および上面が樹脂層32により覆われた状態で、非発光領域33bを含む半導体素子層28(図27および図28の破線L2)に対応する領域に切込みを入れた後、その切込みに沿って素子分離する。この際、上記第1実施形態と同様の素子分離工程を行う。このようにして、図15および図16に示した第2実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子が形成される。
第2実施形態の製造プロセスでは、上記のように、半導体素子層28の発光領域33aの全ての側端部(活性層26の側面)が樹脂層32により覆われた状態で、非発光領域33bを含む半導体素子層28に対応する領域から素子分離することによって、同一のウェハ上に形成された複数の素子の溝部29内に均一に蛍光体が含有された樹脂層32を形成した後に素子分離を行うことができるので、同一のウェハから形成される複数の素子において、蛍光体の含有率や樹脂層32の厚みなどがばらつくのを抑制することができる。これにより、樹脂層32の特性がばらつくのを抑制することができるので、上記第1実施形態と同様、同一のウェハから形成される複数の素子において、蛍光体が含有された樹脂層32の特性のばらつきに起因して、素子の発光特性がばらつくのを抑制することができる。
(第3実施形態)
図29は、本発明の第3実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の構造を示した平面図であり、図30は、図29の1200−1200線に沿った断面図である。図29および図30を参照して、この第3実施形態では、上記第1実施形態の構成において、非発光領域を含む半導体素子層を形成しない場合について説明する。
この第3実施形態では、図30に示すように、サファイア基板41の(0001)面上に、バッファ層42、n型クラッド層43、活性層44、p型キャップ層45、p型クラッド層46およびp型コンタクト層47が順次形成されている。そして、n型クラッド層43、活性層44、p型キャップ層45、p型クラッド層46およびp型コンタクト層47によって、半導体素子層48が構成されている。なお、バッファ層42、n型クラッド層43、活性層44、p型キャップ層45、p型クラッド層46およびp型コンタクト層47は、それぞれ、上記第1実施形態のバッファ層2、n型クラッド層3、活性層4、p型キャップ層5、p型クラッド層6およびp型コンタクト層7と同様の組成および厚みを有する。なお、活性層44は、本発明の「発光層」の一例である。
ここで、第3実施形態では、素子の側端部近傍において、半導体素子層48を構成するp型コンタクト層47の表面から活性層44を貫通してn型クラッド層43の途中の深さまでが除去されることにより、n型クラッド層43の表面の一部が露出されている。これにより、素子の側端部近傍に、活性層44を貫通するとともに、n型クラッド層43の露出した表面と、半導体素子層48の側面とにより構成される凹部49が形成されている。この凹部49は、図29に示すように、素子の外縁に沿って形成されている。
また、図30に示すように、半導体素子層48(p型コンタクト層47)の上面を覆うように、上記第1実施形態のp側電極10と同様の組成および厚みを有する透光性のp側電極50が形成されている。また、凹部49を構成するn型クラッド層43の露出した表面上の所定領域には、上記第1実施形態のn側電極11と同様の組成および厚みを有するn側電極51が形成されている。これにより、半導体素子層48に電流が注入されるので、半導体素子層48の活性層44が発光領域55aとなる。なお、第3実施形態では、非発光領域を含む半導体素子層が存在しない。また、p側電極50上の所定領域には、上記第1実施形態のp側導電層12と同様の組成および厚みを有するp側導電層52が形成されている。また、n側電極51上の所定領域には、上記第1実施形態のn側導電層13と同様の組成および厚みを有するn側導電層53が形成されている。p側導電層52およびn側導電層53のサファイア基板41とは反対側の端部は、後述する樹脂層54の表面から突出している。
また、凹部49を埋め込むように、かつ、半導体素子層48と、p側電極50およびn側電極51と、p側導電層52およびn側導電層53のサファイア基板41とは反対側の端部以外の領域とを覆うようにエポキシ系樹脂からなる樹脂層54が形成されている。すなわち、活性層44の全ての側面は、樹脂層54により覆われている。また、樹脂層54は、発光領域55aの出射方向(p側電極50)側の表面も覆うように形成されている。この樹脂層54には、上記第1実施形態の蛍光体と同様の蛍光体が含有されている。なお、樹脂層54は、本発明の「蛍光体を含む層」の一例である。
図31〜図39は、図29および図30に示した第3実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための平面図および断面図である。次に、図29〜図39を参照して、第3実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスについて説明する。
まず、図32に示すように、図3に示した第1実施形態と同様のプロセスを用いて、サファイア基板41の(0001)面上に、バッファ層42を介して、窒化物系半導体各層(43〜47)によって構成される半導体素子層48を形成する。なお、半導体素子層48を構成する窒化物系半導体各層(43〜47)を形成する際には、上記第1実施形態の窒化物系半導体各層(3〜7)と同様の成膜条件をそれぞれ用いる。この後、図31および図32に示すように、プラズマCVD法を用いて、p型コンタクト層47上の発光領域55aを含む半導体素子層48(図29および図30参照)が形成される領域に、約250nmの厚みを有するSiO2膜56を形成する。
次に、第3実施形態では、図33および図34に示すように、塩素系ガスによるドライエッチング技術を用いて、SiO2膜56をマスクとして、半導体素子層48を構成するp型コンタクト層47の表面から活性層44を貫通してn型クラッド層43の途中の深さまでをエッチングすることによって、n型クラッド層43の表面の一部を露出させる。これにより、活性層44を貫通するとともに、n型クラッド層43の露出した表面を底面とする溝部57が形成される。また、溝部57は、約30μm〜約100μmの幅を有するように形成される。この後、SiO2膜56を除去する。
次に、図35および図36に示すように、真空蒸着法を用いて、エッチングされずに残った半導体素子層48(p型コンタクト層47)上に、上記第1実施形態のp側電極10と同様の組成および厚みを有する透光性のp側電極50を形成する。この後、真空蒸着法を用いて、n型クラッド層43の露出した表面(溝部57の底面)上の所定領域に、上記第1実施形態のn側電極11と同様の組成および厚みを有するn側電極51を形成する。これにより、エッチングされずに残った半導体素子層48に電流が注入されるので、その半導体素子層48の活性層44が発光領域55aとなる。また、半導体素子層48の発光領域55aの全ての側端部が溝部57に隣接する。この後、メッキ法を用いて、p側電極50上の所定領域に、上記第1実施形態のp側導電層12と同様の組成および厚みを有するp側導電層52を形成した後、メッキ法を用いて、n側電極51上の所定領域に、上記第1実施形態のn側導電層13と同様の組成および厚みを有するn側導電層53を形成する。
次に、図37に示すように、スピンコート法を用いて、溝部57内を埋め込むように、かつ、全面を覆うように、上記第1実施形態の蛍光体と同様の蛍光体が含有されたエポキシ系樹脂からなる樹脂層54を形成する。これにより、半導体素子層48の発光領域55aの全ての側端部および光出射方向側の表面が樹脂層54により覆われる。
次に、図38および図39に示すように、酸素系ガスによるプラズマ処理を行うことにより、樹脂層54の所定領域を除去することによって、p側導電層52およびn側導電層53のサファイア基板41とは反対側の端部を露出させる。
最後に、第3実施形態では、半導体素子層48の発光領域55aの全ての側端部および上面が樹脂層54により覆われた状態で、溝部57の底面(図38および図39の破線L3)に対応する領域に切込みを入れた後、その切込みに沿って素子分離する。この際、上記第1実施形態と同様の素子分離工程を行う。このようにして、図29および図30に示した第3実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子が形成される。
第3実施形態の製造プロセスでは、上記のように、活性層44を有する半導体素子層48の発光領域55aの全ての側端部に隣接するように、半導体素子層48の表面から活性層44を貫通してn型クラッド層43の途中の深さに達する溝部57を形成した後、その溝部57内を埋め込むように蛍光体が含有された樹脂層54を形成することによって、半導体素子層48の発光領域55aの全ての側端部(活性層44の側面)を溝部57内の樹脂層54により覆うことができるので、半導体素子層48の発光領域55aの側端部(活性層44の側面)から外側に放出される光を樹脂層54の蛍光体により波長変換することができる。これにより、上記第1実施形態と同様、発光方向により光のスペクトルがばらつくのを抑制することができるので、素子の発光特性を向上させることができる。また、半導体素子層48の発光領域55aの全ての側端部(活性層44の側面)が樹脂層54により覆われた状態で、溝部57の底面に対応する領域から素子分離することによって、同一のウェハ上に形成された複数の素子の溝部57内に均一に蛍光体が含有された樹脂層54を形成した後に素子分離を行うことができるので、同一のウェハから形成される複数の素子において、蛍光体の含有率や樹脂層54の厚みなどがばらつくのを抑制することができる。これにより、樹脂層54の特性がばらつくのを抑制することができるので、上記第1実施形態と同様、同一のウェハから形成される複数の素子において、蛍光体が含有された樹脂層54の特性のばらつきに起因して、素子の発光特性がばらつくのを抑制することができる。このように、第3実施形態では、上記第1実施形態と同様、同一のウェハから形成される複数の素子において、素子の発光特性がばらつくのを抑制し、かつ、素子の発光特性を向上させることができる。
また、第3実施形態では、非発光領域を含む半導体素子層を形成せずに、発光領域55aを含む半導体素子層48のみを形成することによって、発光領域55aを素子の側端面方向に大きくすることができるので、発光特性をより向上させることができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第4実施形態)
図40は、本発明の第4実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の構造を示した平面図であり、図41は、図40の1700−1700線に沿った断面図である。図40および図41を参照して、この第4実施形態では、上記第2実施形態の構成において、非発光領域を含む半導体素子層を形成しない場合について説明する。
この第4実施形態では、図41に示すように、導電性基板61上に、上記第2実施形態のp側電極22と同様の組成および厚みを有するp側電極62が接合されている。p側電極62上には、p型コンタクト層63、p型クラッド層64、p型キャップ層65、活性層66およびn型クラッド層67が順次形成されている。そして、p型コンタクト層63、p型クラッド層64、p型キャップ層65、活性層66およびn型クラッド層67によって、半導体素子層68が構成されている。なお、p型コンタクト層63、p型クラッド層64、p型キャップ層65、活性層66およびn型クラッド層67は、それぞれ、上記第1実施形態のp型コンタクト層7、p型クラッド層6、p型キャップ層5、活性層4およびn型クラッド層3と同様の組成および厚みを有する。なお、活性層66は、本発明の「発光層」の一例である。
ここで、第4実施形態では、素子の側端部近傍において、半導体素子層68を構成するn型クラッド層67の表面から活性層66を貫通してp型コンタクト層63までが除去されることにより、p側電極62の表面の一部が露出されている。これにより、素子の側端部近傍に、活性層66を有する半導体素子層68を貫通するとともに、p側電極62の露出した表面と、半導体素子層68の側面とにより構成される凹部69が形成されている。この凹部69は、図40に示すように、素子の外縁に沿って形成されている。
また、図41に示すように、半導体素子層68(n型クラッド層67)の上面を覆うように、上記第2実施形態のn側電極30と同様の組成および厚みを有する透光性のn側電極70が形成されている。これにより、半導体素子層68に電流が注入されるので、半導体素子層68の活性層66が発光領域73aとなる。また、n側電極70上の所定領域には、上記第2実施形態のn側導電層31と同様の組成および厚みを有するn側導電層71が形成されている。n側導電層71の導電性基板61とは反対側の端部は、後述する樹脂層72の表面から突出している。
また、凹部69を埋め込むように、かつ、半導体素子層68と、n側電極70と、n側導電層71の導電性基板61とは反対側の端部以外の領域とを覆うようにエポキシ系樹脂からなる樹脂層72が形成されている。すなわち、活性層66の側面は、樹脂層72により覆われている。また、樹脂層72は、発光領域73aの出射方向(n側電極70)側の表面も覆うように形成されている。この樹脂層72には、上記第1実施形態の蛍光体と同様の蛍光体が含有されている。なお、樹脂層72は、本発明の「蛍光体を含む層」の一例である。
図42〜図51は、図40および図41に示した第4実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための平面図および断面図である。次に、図40〜図51を参照して、第4実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスについて説明する。
まず、図42に示すように、図17および図18に示した第2実施形態と同様のプロセスを用いて、成長用基板としてのサファイア基板34の(0001)面上に、バッファ層35を介して窒化物系半導体各層(67〜63)によって構成される半導体素子層68を形成するとともに、半導体素子層68(p型コンタクト層63)上にp側電極62を形成した後、p側電極62上に導電性基板61を接合する。なお、バッファ層35を形成する際には、上記第2実施形態のバッファ層35と同様の成膜条件を用いる。また、半導体素子層68を構成する窒化物系半導体各層(67〜63)を形成する際には、上記第1実施形態の窒化物系半導体各層(3〜7)と同様の成膜条件をそれぞれ用いる。また、p側電極62および導電性基板61は、上記第2実施形態のp側電極22および導電性基板21と同様の組成および厚みを有する。
次に、図43および図44に示すように、図18および図19に示した第2実施形態と同様のプロセスを用いて、n型クラッド層67の表面を露出させた後、プラズマCVD法を用いて、n型クラッド層67上の発光領域73aを含む半導体素子層68(図40および図41参照)が形成される領域に、約250nmの厚みを有するSiO2膜74を形成する。
次に、第4実施形態では、図45および図46に示すように、塩素系ガスによるドライエッチング技術を用いて、SiO2膜74をマスクとして、半導体素子層68を構成するn型クラッド層67の表面から活性層66を貫通してp型コンタクト層63までをエッチングすることによって、p側電極62の表面の一部を露出させる。これにより、活性層66を有する半導体素子層68を貫通するとともに、p側電極62の露出した表面を底面とする溝部75が形成される。また、溝部75は、約30μm〜約100μmの幅を有するように形成される。この後、SiO2膜74を除去する。
次に、図47および図48に示すように、真空蒸着法を用いて、エッチングされずに残った半導体素子層68(n型クラッド層67)上に、上記第2実施形態のn側電極30と同様の組成および厚みを有する透光性のn側電極70を形成する。これにより、エッチングされずに残った半導体素子層68に電流が注入されるので、その半導体素子層68の活性層66が発光領域73aとなる。また、半導体素子層68の発光領域73aの全ての側端部が溝部75に隣接する。この後、メッキ法を用いて、n側電極70上の所定領域に、上記第2実施形態のn側導電層31と同様の組成および厚みを有するn側導電層71を形成する。
次に、第4実施形態では、図49に示すように、スピンコート法を用いて、溝部75を埋め込むように、かつ、全面を覆うように、上記第1実施形態の蛍光体と同様の蛍光体が含有されたエポキシ系樹脂からなる樹脂層72を形成する。これにより、半導体素子層68の発光領域73aの全ての側端部および光出射方向側の表面が樹脂層72により覆われる。
次に、図50および図51に示すように、酸素系ガスによるプラズマ処理を行うことにより、樹脂層72の所定領域を除去することによって、n側導電層71の導電性基板61とは反対側の端部を露出させる。
最後に、第4実施形態では、半導体素子層68の発光領域73aの全ての側端部および上面が樹脂層72により覆われた状態で、溝部75の底面(図50および図51の破線L4)に対応する領域に切込みを入れた後、その切込みに沿って素子分離する。この際、上記第1実施形態と同様の素子分離工程を行う。このようにして、図40および図41に示した第4実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子が形成される。
第4実施形態の製造プロセスでは、上記のように、活性層66を有する半導体素子層68の発光領域73aの全ての側端部に隣接するように、半導体素子層68の表面から活性層66を貫通してp側電極62の表面に達する溝部75を形成した後、その溝部75内を埋め込むように蛍光体が含有された樹脂層72を形成することによって、半導体素子層68の発光領域73aの全ての側端部(活性層66の側面)を溝部75内の樹脂層72により覆うことができるので、半導体素子層68の発光領域73aの側端部(活性層66の側面)から外側に放出される光を樹脂層72の蛍光体により波長変換することができる。これにより、上記第2実施形態と同様、発光方向により光のスペクトルがばらつくのを抑制することができるので、素子の発光特性を向上させることができる。また、半導体素子層68の発光領域73aの全ての側端部(活性層66の側面)が樹脂層72により覆われた状態で、溝部75の底面に対応する領域から素子分離することによって、同一のウェハ上に形成された複数の素子の溝部75内に均一に蛍光体が含有された樹脂層72を形成した後に素子分離を行うことができるので、同一のウェハから形成される複数の素子において、蛍光体の含有率や樹脂層72の厚みなどがばらつくのを抑制することができる。これにより、樹脂層72の特性がばらつくのを抑制することができるので、上記第2実施形態と同様、同一のウェハから形成される複数の素子において、蛍光体が含有された樹脂層72の特性のばらつきに起因して、素子の発光特性がばらつくのを抑制することができる。このように、第4実施形態では、上記第2実施形態と同様、同一のウェハから形成される複数の素子において、素子の発光特性がばらつくのを抑制し、かつ、素子の発光特性を向上させることができる。
また、第4実施形態では、非発光領域を含む半導体素子層を形成せずに、発光領域73aを含む半導体素子層68のみを形成することによって、発光領域73aを素子の側端面方向に大きくすることができるので、発光特性をより向上させることができる。
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第2実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1〜第4実施形態では、半導体素子層の活性層を貫通する溝部を形成したが、本発明はこれに限らず、溝部が半導体素子層の活性層に達していればよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、半導体素子層の発光領域の全ての側端部に隣接するように溝部を形成したが、本発明はこれに限らず、溝部が半導体素子層の発光領域の少なくとも1つの側端部に隣接していればよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、数μmの直径を有する蛍光体が含有された樹脂層を用いたが、本発明はこれに限らず、ナノサイズの蛍光体が含有された樹脂層を用いてもよい。この場合、溝部の幅の下限寸法を数百nm以下と小さくすることができるので、その分、素子サイズを小さくすることができる。
また、上記第1〜第4実施形態では、エポキシ系樹脂からなる樹脂層に蛍光体を含有したが、本発明はこれに限らず、ユリア系樹脂およびシリコン系樹脂などからなる樹脂層に蛍光体を含有させてもよい。また、樹脂以外の材料からなる層に蛍光体を含有させてもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、MOCVD法を用いて、窒化物系半導体各層を結晶成長させたが、本発明はこれに限らず、HVPE(Halide Vapor Phase Epitaxy)法やガスソースMBE(Molecular Beam Epitaxy)法などを用いて、窒化物系半導体各層を結晶成長させてもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、窒化物系半導体各層の表面が(0001)面になるように積層したが、本発明はこれに限らず、窒化物系半導体各層の表面が他の方向になるように積層してもよい。たとえば、窒化物系半導体各層の表面が(1−100)面や(11−20)面になるように積層してもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、GaN、AlGaNおよびInGaNなどからなる層を含む半導体素子層を用いたが、本発明はこれに限らず、GaN、AlGaNおよびInGaNからなる層以外の層を含む半導体素子層を用いてもよい。また、ZnOなどの酸化物系半導体からなる層を含む半導体素子層を用いてもよい。また、半導体の結晶構造としては、ウルツ鉱型構造であってもよいし、閃亜鉛鉱型構造であってもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、溝部内に、蛍光体が含有された樹脂層を形成したが、本発明はこれに限らず、溝部内に、蛍光体のみからなる層を形成してもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、素子全体を覆う樹脂層(保護層)を形成しない例を示したが、本発明はこれに限らず、素子全体を覆うように、エポキシ系樹脂からなる樹脂層(保護層)を形成してもよい。この場合、青から紫外領域(短波長)の光を生成する発光領域を有する発光素子においては、発光領域の側端部から放出される短波長の光を溝部内の蛍光体により波長変換できるので、素子の側面から外側に放出される短波長の光を減少させることができる。これにより、素子全体を樹脂層(保護層)により覆う場合に、その樹脂層(保護層)が短波長の光を吸収することにより劣化するのを抑制することができるので、素子の信頼性を向上させることができる。
また、上記第1および第3実施形態では、サファイア基板上に、バッファ層および半導体素子層を順次形成したが、本発明はこれに限らず、サファイア基板上に、窒化物系半導体からなる分布ブラッグ反射膜を介して、バッファ層および半導体素子層を順次形成してもよい。このように構成すれば、サファイア基板側から光が放出されるのを抑制することができる。ここで、第1および第3実施形態では、サファイア基板の側面上には蛍光体が含有された樹脂層を形成しないので、サファイア基板の側面から放出される光は波長変換されない。このため、第1および第3実施形態では、サファイア基板の側面から光が放出されるのを抑制するために、上記した反射膜を設けるのが好ましい。
また、上記第2および第4実施形態では、成長用基板としてサファイア基板を用いたが、本発明はこれに限らず、SiC基板、Si基板、GaN基板、GaAs基板、MgO基板、ZnO基板およびスピネル基板などを成長用基板として用いてもよい。
また、上記第2および第4実施形態では、半導体素子層(n型クラッド層)の上面を覆うように、導電性基板側から順に、約1nmの厚みを有するTi層と、約5nmの厚みを有するAl層とからなる透光性のn側電極を形成したが、本発明はこれに限らず、半導体素子層(n型クラッド層)上に、導電性基板側から順に、約10nmの厚みを有するTi層と、約200nmの厚みを有するAl層と、約10nmの厚みを有するPt層と、約200nmの厚みを有するAu層とからなる第1実施形態と同様の透光性を有しないn側電極を用いてもよい。この第1実施形態と同様の透光性を有しないn側電極を用いる場合には、半導体素子層(n型クラッド層)の上面上の一部に設けるのが好ましい。
また、上記第2および第4実施形態では、Ag層からなる単層のp側電極を用いたが、本発明はこれに限らず、導電性基板との接合力を強くするために、p側電極と導電性基板との間にパッド電極を形成するのが好ましい。また、導電性基板との接合に半田を用いる場合は、p側電極の保護膜としてPtやPdなどからなるバリアメタルを形成するのが好ましい。また、Al層からなる単層のp側電極を用いてもよい。
また、上記第2および第4実施形態では、成長用基板としてのサファイア基板と半導体素子層との間に形成されたバッファ層を溶融することによって、半導体素子層からサファイア基板を分離したが、本発明はこれに限らず、サファイア基板を研磨することにより、半導体素子層からサファイア基板を分離してもよい。また、ドライエッチング技術を用いてサファイア基板をエッチングすることにより、半導体素子層からサファイア基板を分離してもよい。なお、成長用基板としてSi基板やGaAs基板を用いる場合には、ウェットエッチング技術を用いるのが好ましい。