JP2006017280A - 動圧軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 軸部材の成形性を確保することで、成形型の転写性や寸法精度に優れた軸部材を備えた動圧軸受装置を提供する。
【解決手段】 軸部材2を、内軸部22の半径をRi、内軸部22の軸長をL、フランジ部2bの半径をRf、フランジ部2bの厚みをHとして、以下の条件式、L/(2×Ri)<50、かつRf/H<50、を満たす形状となるように形成した。
【選択図】図1
【解決手段】 軸部材2を、内軸部22の半径をRi、内軸部22の軸長をL、フランジ部2bの半径をRf、フランジ部2bの厚みをHとして、以下の条件式、L/(2×Ri)<50、かつRf/H<50、を満たす形状となるように形成した。
【選択図】図1
Description
本発明は、動圧軸受装置に関するものである。この軸受装置は、情報機器、例えばHDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク装置、MD、MO等の光磁気ディスク装置等のスピンドルモータ用、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、プロジェクタのカラーホイール、あるいは電気機器、例えば軸流ファンなどの小型モータ用として好適である。
動圧軸受は、軸受隙間で生じた流体動圧により軸部材を非接触状態で支持する軸受である。この動圧軸受を使用した軸受装置(動圧軸受装置)は、ラジアル軸受部を動圧軸受で構成するとともに、スラスト軸受部をピボット軸受で構成する接触タイプと、ラジアル軸受部およびスラスト軸受部の双方を動圧軸受で構成する非接触タイプとに大別され、個々の用途に応じて適宜使い分けられている。
このうち、非接触タイプの動圧軸受装置の一例として、軸部材を構成する軸部とフランジ部とを一体に構成したものが知られており、これによれば軸部材の低コスト化および高精度化が図られる(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−291648号公報
これら軸部材をはじめとする動圧軸受装置の各構成部品には、情報機器の益々の高性能化に伴って必要とされる高い回転性能を確保すべく、高い加工精度や組立て精度が求められる。その一方で、動圧軸受装置に対するコスト低減の要求も益々厳しくなっている。
そこで、本発明は、非接触タイプの動圧軸受装置のさらなる高精度化、および低コスト化を図ることを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明では、軸部材と、ラジアル軸受隙間に生じる流体の動圧作用で軸部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、スラスト軸受隙間に生じる流体の動圧作用で軸部材をスラスト方向に非接触支持するスラスト軸受部とを備えた動圧軸受装置において、軸部材が、軸方向に延びる内軸部と、内軸部の外径側に張り出したフランジ部と、内軸部の外周に配置した外軸部とを備えるものとし、内軸部とフランジ部を樹脂で一体成形すると共に、外軸部を金属で形成した。さらに軸部材が、内軸部の半径をRi、内軸部の軸長をL、フランジ部の半径をRf、フランジ部の厚みをHとして、以下の条件式、L/(2×Ri)<50、かつRf/H<50、を満たす形状を有するものとした。
内軸部の外周に配置した外軸部を金属で形成することにより、内軸部と外軸部とから成る軸部の強度や剛性を確保できる他、外軸部の外周に配置される金属製のスリーブ(例えば焼結金属等からなる軸受スリーブ)に対する軸部材の耐摩耗性を確保することができる。その一方、軸部材の多くの部分(内軸部およびフランジ部)を樹脂で形成することにより、軸部材の軽量化が図られる。これによれば、軸部材をスラスト方向に非接触支持するために必要な流体の動圧作用が小さくて済むので、スラスト軸受面を形成するフランジ部の端面を小さくすることができ、軸部材の小型化が図られる。また、この軸部材については、金属製の外軸部をインサート部品として射出成形が可能であるので、生産性の向上と、低コスト化が共に達成できる。
これら金属と樹脂の複合構造を成す軸部材を、上述のように射出成形する際には、軸部材の形状が成形性に及ぼす影響を考慮する必要がある。例えば樹脂をキャビティー内に供給するためのゲートを、フランジ部の端面中央に対応する位置に設けた場合、ゲートからキャビティー内に供給された樹脂は、内軸部に対応する領域をフランジ部側から軸端側に向けて流れる一方で、フランジ部に対応する領域を中心側から外径側に向けて流れる。このとき、内軸部の内径が極端に小さかったり、あるいはフランジ部の厚みが極端に小さいと、供給された樹脂が内軸部やフランジ部に対応する領域を流れる際に大きな圧力損失が発生する。そのため、内軸部やフランジ部に対応する領域を十分に充填することが困難となる。また、内軸部の軸長が長いほど、言い換えると樹脂が内軸部に対応する領域内を流れる距離が長いほど、樹脂がフランジ部側から軸端側へ流れる間の圧力損失は大きくなる。フランジ部に関しても同様に、フランジ部の半径が大きいほど樹脂が中心側から外径側へ流れる間の圧力損失が大きくなる。この点に鑑みて、本発明では、内軸部の半径をRi、内軸部の軸長をL、フランジ部の厚みをH、フランジ部の半径をRfとして、軸部材が以下の条件式、L/(2×Ri)<50、Rf/H<50を共に満たす形状とした。
これによれば、ゲートから供給された樹脂が内軸部やフランジ部に対応する領域を流れるのに最低限必要な断面積が確保され、充填領域を樹脂が流れる際に生じる圧力損失を抑えることができる。そのため、内軸部に対応する領域およびフランジ部に対応する領域を高精度に充填することができる。なお、上記条件式の上限値は、軸部材に使用する樹脂のキャビティー内での流動性を考慮して規定している。
樹脂をキャビティー内に供給するためのゲートは、上述のように、フランジ部の端面中央に対応する位置に設ける他、内軸部の軸端に対応する位置に設けることもできる。この場合、上記ゲートからキャビティー内に供給された樹脂は、内軸部に対応する領域を軸端側からフランジ部側に向けて流れ、その後、フランジ部に対応する領域を中心側から外径側に向けて流れる。そのため、フランジ部側にゲートを設けた場合に比べて、キャビティー内を流れる樹脂が冷却され易く、樹脂の流動性が低下する。よって、内軸部の軸端側にゲートを設ける場合には、軸部材を、L/(2×Ri)+Rf/H<50を満たすように形成すればよい。これによれば、ゲートからキャビティー内に供給された樹脂が、大きな圧力損失を生じることなく、内軸部の軸端側からフランジ部側、そしてフランジ部の中心側から外径側へ流れていき、フランジ部の外径側から中心側、そして内軸部のフランジ部側から軸端側の順に充填される。この結果、軸部材の成形性が確保され、軸部材の樹脂形成部(内軸部とフランジ部)が高精度に形成される。
ゲート位置としては、この他にフランジ部の外周縁部に対応する位置が考えられるが、その場合には、ゲートを内軸部の軸端に対応する位置に設けた場合と同様に、軸部材の形状を規定すればよい。すなわち、軸部材を、L/(2×Ri)+Rf/H<50を満たすように形成すればよい。これによれば、ゲートからキャビティー内に供給した樹脂が、大きな圧力損失を生じることなく、フランジ部の外径側から中心側、そして内軸部のフランジ部側から軸端側へ流れ、内軸部の軸端側からフランジ部側、そしてフランジ部の中心側から外径側の順に充填される。
以上のように、本発明によれば、軸部材の成形性が確保されるので、成形型の転写性や寸法精度に優れた軸部材が低コストで製造可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る動圧軸受装置1を組込んだ情報機器用スピンドルモータの一構成例を概念的に示している。この情報機器用スピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、軸部材2を回転自在に非接触支持する動圧軸受装置1と、軸部材2に取り付けられたディスクハブ3と、半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル4およびロータマグネット5と、ケーシング6とを備えている。ステータコイル4はケーシング6の外周に取り付けられ、ロータマグネット5はディスクハブ3の内周に取り付けられている。動圧軸受装置1の一構成要素であるハウジング7はケーシング6の内周に固定される。ディスクハブ3には、磁気ディスク等のディスク状情報記録媒体Dが一又は複数枚保持される。ステータコイル4に通電すると、ステータコイル4とロータマグネット5との間に発生する磁力でロータマグネット5が回転し、それによってディスクハブ3および軸部材2が一体となって回転する。
動圧軸受装置1は、例えば図4に示すように、一端に開口部7a、他端に底部7cを有するハウジング7と、ハウジング7の内周面7dに固定された円筒状の軸受スリーブ8と、軸部2aおよびフランジ部2bからなる軸部材2と、ハウジング7の開口部7aに固定されたシール部材9とを主要な部材として構成される。なお、説明の便宜上、ハウジング7の開口部7a側を上方向、ハウジング7の底部7c側を下方向として以下説明する。
ハウジング7は、例えば真ちゅう等の軟質金属あるいは樹脂で形成され、円筒状の側部7bと円板状の底部7cとを別体構造として備えている。ハウジング7の内周面7dの下端には、他所よりも大径に形成した大径部7eが形成され、この大径部7eに底部7cとなる蓋状部材が例えば加締め、接着、あるいは圧入等の手段で固定されている。なお、ハウジング7の側部7bと底部7cは、金属材料あるいは樹脂材料で一体に形成することもできる。
軸受スリーブ8は、例えば、焼結金属からなる多孔質体、特に銅を主成分とする焼結金属の多孔質体で円筒状に形成される。軸受スリーブ8の内周面8aには、図4に示すように、第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2のラジアル軸受面となる上下2つの領域が軸方向に離隔して設けられている。
上記2つの領域には、例えば、図5に示すようなへリングボーン形状の動圧溝8a1、8a2がそれぞれ形成されている。上側の動圧溝8a1は、軸方向中心m(上下の傾斜溝間領域の軸方向中央)に対して軸方向非対称に形成されており、軸方向中心mより上側領域の軸方向寸法X1が下側領域の軸方向寸法X2よりも大きくなっている。上方のラジアル軸受面の軸方向長さ(動圧溝8a1上端から下端までの距離)は、下方のラジアル軸受面の軸方向長さ(動圧溝8a2上端から下端までの距離)よりも大きい。
図4に示すように、シール手段としてのシール部材9は環状を成しており、ハウジング7の開口部7aの内周面に圧入、接着等の手段で固定される。この実施形態において、シール部材9の内周面9aは円筒状に形成され、シール部材9の下側端面9bは軸受スリーブ8の上側端面8bと当接している。
シール部材9の内周面9aに対向する軸部2aの外周面2a1にはテーパ面が形成されており、このテーパ面とシール部材9の内周面9aとの間には、ハウジング7の底部7c側から開口部7a側に向けて半径方向寸法が漸次拡大する環状のシール空間Sが形成される。シール部材9で密封されたハウジング7の内部空間には、潤滑油が注油され、ハウジング7内が潤滑油で満たされる。この状態では、潤滑油の油面はシール空間Sの範囲内に維持される。
図1に示すように、軸部材2は、軸部2aとフランジ部2bを備えている。その一方で、軸部材2は、樹脂と金属の複合構造を成す。樹脂部は、軸方向に延びる内軸部22と、内軸部22の外径側に張り出したフランジ部2bとからなり、両者を樹脂材料で一体に形成したものである。金属部は、樹脂製の内軸部22の外周を被覆する外軸部21であって、中空円筒状に形成したものである。従って、軸部2aは外周に金属材を配置すると共に、内軸部に樹脂材を配置した複合構造となる。
金属製の外軸部21と、樹脂製の内軸部22およびフランジ部2bとの分離防止のため、外軸部21の下端では、その端部21aがフランジ部2bに埋め込まれている。外軸部21の上端では、内軸部22と例えばテーパ面21b等からなる係合部を介して外軸部21と内軸部22とが軸方向で係合状態にある。外軸部21の回り止めのため、フランジ部2bに埋め込まれた外軸部21の外周あるいは端縁に、ローレット加工等によりフランジ部2bと円周方向で係合可能の凹凸係合部を設けてもよい。
軸部材2は、金属製の外軸部21をインサート部品として、例えば射出成形で形成されるが、この際、軸部材2の成形性を高く保つために軸部材2が満たすべき条件式は、成形金型のゲート位置によって異なる。例えば、ゲート位置がフランジ部2bの端面中心2b3にある場合、軸部材2は、内軸部22の半径をRi、内軸部22の軸長をL、フランジ部2bの半径をRf、フランジ部2bの厚みをHとして(図1参照)、以下の条件式(A)、L/(2×Ri)<50、かつRf/H<50を満たす形状となるように形成される。ゲート位置が内軸部22の軸端中心22aにある場合、もしくはゲート位置がフランジ部2bの外周縁部2b4にある場合、軸部材2は、以下の条件式(B)、L/(2×Ri)+Rf/H<50を満たす形状となるように形成される。
このように、軸部材2の形状を、内軸部22やフランジ部2bの寸法比率を以て規定したので、キャビティー内に供給された樹脂が内軸部22やフランジ部2bに対応する領域を流れる際に生じる圧力損失を減じて、内軸部22やフランジ部2bを樹脂で高精度に充填することができる。この結果、軸部材2の成形性が確保され、ウェルドもなく、転写性や寸法精度に優れた軸部材2を低コストで製造することができる。なお、条件式(A)は、フランジ部2bの端面中心2b3からキャビティー内に供給された樹脂が、内軸部22とフランジ部2bに対応する領域をそれぞれ流れるために満たすべき条件式であり、条件式(B)は、樹脂が内軸部22の軸端側からフランジ部2bの外径側へ、あるいはフランジ部2bの外径側から内軸部22の軸端側へ流れるために満たすべき条件式である。
また、軸部材2に使用される樹脂が内軸部22やフランジ部2bを流れるために、最低限必要な内軸部22の半径Riおよびフランジ部2bの厚みHは、以下の条件式(C)Ri>0.2mm、H>0.4mmの範囲内に定める必要がある。なお、上記条件式(A)、(B)の上限値、または条件式(C)の下限値は、それぞれ軸部材に用いる樹脂材料、若しくは樹脂材料に配合される充填材の配合割合によって変動する。この実施形態では、上記条件式(A)〜(C)に対応する材料として、例えば液晶ポリマー(LCP)やポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等、耐熱性や吸水性、アウトガス性に優れた樹脂が使用可能である。また、ガラス繊維やカーボン繊維、あるいはチタン酸カリウムやホウ酸アルミニウムウィスカ等、軸部材2の補強効果や寸法安定効果を有する充填材の他、カーボンブラックやカーボンナノチューブ等の導電化剤が使用可能である。
フランジ部2bの両端面2b1、2b2には、それぞれ動圧を発生するためのスラスト軸受面となる動圧溝領域が形成される。このスラスト軸受面には、例えば図2(a)、(b)に示すように、スパイラル形状を成す複数の動圧溝23、24が形成され、この動圧溝領域はフランジ部2bのインサート成形と同時に型形成される。
軸部材2の軸部2aは軸受スリーブ8の内周に挿入され、フランジ部2bは軸受スリーブ8の下側端面8cとハウジング7の内底面7c1との間に収容される。軸受スリーブ8の内周面8aの上下2箇所のラジアル軸受面は、それぞれ軸部2aの外周面2a1(外軸部21の外周面)とラジアル軸受隙間を介して対向し、ラジアル軸受部R1およびラジアル軸受部R2を構成する。フランジ部2bの上側端面2b1に形成したスラスト軸受面は、軸受スリーブ8の下側端面8cとスラスト軸受隙間を介して対向し、これによってスラスト軸受部T1が構成される。また、フランジ部2bの下側端面2b2に形成したスラスト軸受面は、ハウジング7の底部7cの内底面7c1とスラスト軸受隙間を介して対向し、これによってスラスト軸受部T2が構成される。
以上の構成から、軸部材2の回転時には、上述のように動圧溝8a1、8a2の作用によってラジアル軸受部R1,R2の各ラジアル軸受隙間に潤滑油の動圧が発生し、軸部材2の軸部2aが各ラジアル軸受隙間に形成される潤滑油の油膜によってラジアル方向に回転自在に非接触支持される。同時に、フランジ部2bの両端面2b1、2b2に形成された動圧溝の作用によってスラスト軸受部T1,T2の各スラスト軸受隙間に潤滑油の動圧が発生し、軸部材2のフランジ部2bが各スラスト軸受隙間に形成される潤滑油の油膜によって両スラスト方向に回転自在に非接触支持される。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態では、軸部材2の成形性を確保するために最低限必要な形状を規定したが、さらにこの軸部材2の形状を、使用時の負荷形態を考慮して規定するようにしてもよい。考慮すべき負荷形態は、軸部材2の軸方向への引張りあるいは圧縮であり、この負荷形態により起こり得る破壊形態は、(1)軸部2aの引張り応力による破断、(2)内軸部22とフランジ部2bの付け根部分のせん断応力による破断、(3)軸部2aの圧縮応力による圧縮破壊、の4形態、である。以下、これら4つの破壊形態を生じさせないために軸部材2が満たすべき形状を規定する。
(1)軸部2aが軸方向上方に引張られた場合、軸部2aが引張り応力により破断しないために満たすべき条件式は、
引張力:F、許容引張り応力:σfとして、
Ri>(F/π×σf)1/2
(2)軸部2aが軸方向上方に引張られた場合、フランジ部2bがせん断応力により破断しないために満たすべき条件式は、
許容せん断応力:σsとして、
Ri×H>F/(2×π×σs)
(3)軸部2aが圧縮荷重−Fを受けた場合、内軸部22が圧縮応力により圧縮破壊しないために満たすべき条件式は、
許容圧縮応力:σp、圧縮荷重:−Pとして、
F<(Ro2−Ri2)π×σp
これら条件式に基づき、内軸部22の半径Ri、内軸部22の軸長L、フランジ部2bの半径Rf、フランジ部2bの厚みHが適切に定められる。また、上述の条件式には、外軸部21の半径Roが含まれるので、上記寸法パラメータに加えて、外軸部21の半径Roが適切に設定可能となる。
引張力:F、許容引張り応力:σfとして、
Ri>(F/π×σf)1/2
(2)軸部2aが軸方向上方に引張られた場合、フランジ部2bがせん断応力により破断しないために満たすべき条件式は、
許容せん断応力:σsとして、
Ri×H>F/(2×π×σs)
(3)軸部2aが圧縮荷重−Fを受けた場合、内軸部22が圧縮応力により圧縮破壊しないために満たすべき条件式は、
許容圧縮応力:σp、圧縮荷重:−Pとして、
F<(Ro2−Ri2)π×σp
これら条件式に基づき、内軸部22の半径Ri、内軸部22の軸長L、フランジ部2bの半径Rf、フランジ部2bの厚みHが適切に定められる。また、上述の条件式には、外軸部21の半径Roが含まれるので、上記寸法パラメータに加えて、外軸部21の半径Roが適切に設定可能となる。
なお、上記パラメータのうち、許容引張り応力σf、許容せん断応力σs、許容圧縮応力σpは、樹脂の種類および樹脂に配合される充填材の種類や配合割合によって定められる。また、引張力(圧縮荷重)Pは、軸受装置を実装するディスク駆動装置等の回転部分の重量や、それらに要求される耐衝撃加速度によって定められる。
本発明は、軸部2aとフランジ部2bを有する軸部材2を備えた全ての動圧軸受装置に適用可能である。すなわち、上記実施形態では、フランジ部の両端面2b1、2b2に動圧溝を形成した例を説明したが、これに限ることなく、両端面2b1、2b2と対向する面(例えば軸受スリーブ8の下側端面8cやハウジング7の底部7cの内底面7c1等)に動圧溝を形成したものであってもよい。また、下方のスラスト軸受部T2を他の箇所、例えばハウジング7の開口部7a端面と、これに対向する回転部材(ディスクハブ3等)の端面との間に形成することもできる。
1 動圧軸受装置
2 軸部材
2a 軸部
2a1 外周面
2b フランジ部
2b1 上側端面
2b2 下側端面
2b3 端面中心
2b4 外周縁部
3 ディスクハブ
4 ステータコイル
5 ロータマグネット
6 ケーシング
7 ハウジング
7a 開口部
7b 側部
7c 底部
8 軸受スリーブ
8a1、8a2 動圧溝
8c 下側端面
9 シール部材
21 内軸部
21a 端部
21b テーパ面
22 外軸部
22a 軸端中心
23、24 動圧溝
Rf フランジ部の半径
Ri 内軸部の半径
Ro 外軸部の半径
H フランジ部の厚み
L 内軸部の軸長
R1、R2 ラジアル軸受部
T1、T2 スラスト軸受部
2 軸部材
2a 軸部
2a1 外周面
2b フランジ部
2b1 上側端面
2b2 下側端面
2b3 端面中心
2b4 外周縁部
3 ディスクハブ
4 ステータコイル
5 ロータマグネット
6 ケーシング
7 ハウジング
7a 開口部
7b 側部
7c 底部
8 軸受スリーブ
8a1、8a2 動圧溝
8c 下側端面
9 シール部材
21 内軸部
21a 端部
21b テーパ面
22 外軸部
22a 軸端中心
23、24 動圧溝
Rf フランジ部の半径
Ri 内軸部の半径
Ro 外軸部の半径
H フランジ部の厚み
L 内軸部の軸長
R1、R2 ラジアル軸受部
T1、T2 スラスト軸受部
Claims (2)
- 軸部材と、ラジアル軸受隙間に生じる流体の動圧作用で軸部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、スラスト軸受隙間に生じる流体の動圧作用で軸部材をスラスト方向に非接触支持するスラスト軸受部とを備えた動圧軸受装置において、
軸部材が、軸方向に延びる内軸部と、内軸部の外径側に張り出したフランジ部と、内軸部の外周に配置した外軸部とを備え、内軸部とフランジ部が樹脂で一体成形されると共に、外軸部が金属で形成され、
かつ軸部材が、内軸部の半径をRi、内軸部の軸長をL、フランジ部の半径をRf、フランジ部の厚みをHとして、以下の条件式
L/(2×Ri)<50、かつ
Rf/H<50
を満たす形状を有することを特徴とする動圧軸受装置。 - 軸部材が、以下の条件式
L/(2×Ri)+Rf/H<50
を満たす形状を有する請求項1記載の動圧軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004198260A JP2006017280A (ja) | 2004-07-05 | 2004-07-05 | 動圧軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004198260A JP2006017280A (ja) | 2004-07-05 | 2004-07-05 | 動圧軸受装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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---|---|---|---|
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Country | Link |
---|---|
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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