JP2006017063A - 送風機 - Google Patents

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欣公 田積
Koichi Sakai
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Abstract

【課題】ブレードの負圧面からの空気の剥離領域を小さくできる送風機を提供する。
【解決手段】ハブ3と、前記ハブ3の外周に放射状に設置された複数のブレード4と、前記ブレード4を間に前記ハブ3の反対側に位置し前記ブレード4の端部に結合されたシュラウド5とを備え、前記ブレード4の負圧側面の外周側でかつ前記ブレード4の高さ方向に断面略半翼形状の突起8を延設し、さらに前記突起8に先端が開口し内部に向かう空洞(図示せず)を設けたもので、一旦剥離した流れが再付着し沿って流れまた空洞による吸込み効果により、ブレード4の負圧面からの空気の剥離領域を根本的に無くすことが可能となる。すなわち、送風機の吐出側での乱れが殆どなく風量性能が向上し、これによる騒音低減の効果を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は送風機に関するもので、特に遠心式の回転体により構成されて空調機などに使用される送風機に関するものである。
天井吊下型や天井埋込型の空気調和機や各種の換気装置に用いられている従来の遠心ターボ型の送風機について図15〜図18を用いて説明する。
図15は、従来の送風機の断面図で、図16は、同送風機の部分正面図である。
この種の送風機は、図に示すように、モータ1と、モータ1で回転駆動される回転体2からなり、回転体2は、ハブ3と、このハブ3の外周に放射状に設置された複数のブレード4と、前記ハブ3の反対側に配置され前記ブレード3の相互間を結合するシュラウド5とで構成されている。
このような構成では、回転体2が矢印A方向に回転した場合に、図16にハッチングBで示されたブレード4とシュラウド5との結合部の付近で、ブレード3の負圧面に空気流の剥離が発生するため騒音が大きい。
そこで、図17、図18に示すようにシュラウド5の形状を、隣り合う2つの前記ブレード4の間が傾斜面6になる様に階段状に形成し、前記ブレード4の負圧面からの空気の剥離領域を小さくして騒音の低減を図ったものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−263294号公報
しかしながら、送風機の回転体を図17、18のように構成することによって騒音は低減されるが、シュラウド5を階段状にして傾斜面6を形成することにより、その部分で空気の乱れ7が発生し、送風効率が著しく低下するという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、シュラウド面からの風の剥離を効果的に防止して、騒音の低減と送風効率の向上とを図った送風機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の送風機は、ハブと、前記ハブの外周に放射状に設置された複数のブレードと、前記ブレードを間に前記ハブの反対側に位置し前記ブレードの端部に結合されたシュラウドとを備え、前記ブレードの負圧側面の外周側の少なくとも前記シュラウド側でかつ前記ブレードの高さ方向に断面略半翼形状の突起を延設し、さらに前記突起に先端が開口し内部に向かう空洞を設けたもので、一旦剥離した流れが再付着し沿って流れまた空洞による吸込み効果により、ブレードの負圧面からの空気の剥離領域を少なくすることができ、それにより送風機の吐出側での乱れが殆どなく風量性能が向上する。また、これによる騒音低減の効果を得ることができる。
本発明の送風機は、騒音の低減と送風効率の向上とを達成することができる。
第1の発明は、ハブと、前記ハブの外周に放射状に設置された複数のブレードと、前記ブレードを間に前記ハブの反対側に位置し前記ブレードの端部に結合されたシュラウドとを備え、前記ブレードの負圧側面の外周側の少なくとも前記シュラウド側でかつ前記ブレードの高さ方向に断面略半翼形状の突起を延設し、さらに前記突起に先端が開口し内部に向かう空洞を設けたもので、一旦剥離した流れが再付着し沿って流れまた空洞による吸込み効果により、ブレードの負圧面からの空気の剥離領域を少なくすることができ、それにより送風機の吐出側での乱れが殆どなく風量性能が向上する。また、これによる騒音低減の効果を得ることができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の空洞で突起を貫通させたもので、剥離流を付着させるだけでなく上流側の流れを剥離域に注入し流れを安定させ、送風機の吐出側での乱れが殆どなく風量性能が向上すると共に騒音低減の効果を得る。
第3の発明は、特に、第1又は第2の発明の突起をシュラウド側から任意位置迄延設したもので、主板付近のブレードに付着して流れる部分の抵抗となることなく一旦剥離した流れが再付着し沿って流れまた空洞による吸込み効果のため、ブレードの負圧面からの空気の剥離領域を根本的に無くすことが可能となる。すなわち、送風機の吐出側での乱れが殆どなく風量性能が向上する。また、これによる騒音低減の効果を得る。
第4の発明は、特に、第3の発明の突起をブレードの全高さに渡って延設したもので、一旦剥離した流れが再付着し沿って流れまた空洞による吸込み効果により、ブレードの負圧面からの空気の剥離領域を根本的に無くすことが可能となり、風量性能がさらに向上し、また、一層騒音を低減させることができる。
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明の空洞の先端側開口長さを、延設された突起の長さを超えない範囲でシュラウド側から任意位置迄としたもので、突起だけで付着させることの出来るシュラウドから離れた部分の流れを乱すことなく付着させることができる。すなわち、送風機の吐出側での乱れが殆どなく風量性能が向上する。また、これによる騒音低減の効果を得る。
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明の空洞の先端側開口幅をシュラウド側から徐々に小さくしたもので、突起を設けるだけでは付着させることの出来ないシュラウド付近のみの流れを吸込み効果で付着させる。すなわち、送風機の吐出側での乱れが殆どなく風量性能が向上する。また、これによる騒音低減の効果を得る。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態における送風機について図1〜図3に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態における送風機の回転体2の斜視図、図2は、同回転体2のブレード4の断面図、図3(a)は、ブレード4の負圧面側の正面図を示し、図3の(b)、(c)、(d)のそれぞれはブレード4の上部、中央、下部の断面を示している。なお、従来例と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
2は、モータ1で回転駆動される回転体で、図1に示すように、ハブ3と、ハブ3の外周に放射状に設置された複数のブレード4と、前記ハブ3の反対側に前記複数のブレード4に結合されて装着されたシュラウド5とで構成されている。
矢印Aは、回転体2の回転方向を示しており、前記ブレード4の負圧側面の外周部に、最大突出高さの部分が略中央より外側に位置すると共に、ブレード4の高さ方向に断面略半翼形状の突起8が延設され、その突起8に、先端が開口した空洞9が内部に向かって設けられている。図2はブレード4の断面を示し、破線は突起8が形成されていない従来のブレード4の先端形状を示している。
図3はブレード4とそれに形成された突起8の詳細な形状を示すもので、各ブレード4に設けた突起8は、ハブ3の内周側から外周側の方向の幅が、ブレード4の高さ全体に渡って同一(W1=W2=W3)で、しかも同じ高さ(H1=H2=H3)に形成されている。又内部に向けた空洞9は延設された突起8の全長に渡って設けられている。
以上のように、ブレード4の負圧面側に突起8を形成したことによって、一旦剥離した空気流が空洞9の吸込み効果で再付着してブレード4に沿って流れるため、従来の様にシュラウド5の形状を階段状としなくてもブレード4の負圧面側からの空気の剥離領域を極めて小さくすることができ、送風機の吐出側での乱れが殆どなく風量性能を向上させることができる。
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態における送風機について図4〜6を用いて説明する。なお、上記第1の実施の形態と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図4は、本実施の形態における送風機の回転体2の斜視図、図5は、同回転体2のブレード4の断面図、図6(a)は、ブレード4の負圧面側の正面図を示し、図6の(b)、(c)、(d)のそれぞれはブレード4の上部、中央、下部の断面を示している。
上記第1の実施の形態では、突起8をブレード4の全高さに渡って設けたが、本実施の形態では、図4〜6に示すように、突起8をシュラウド5の側から任意の位置、例えば途中まで形成し、ハブ3の内周側から外周側の方向の幅が同一(W1=W2)で、その最大高さは同一(H1=H2)に形成されている。その内部に向けた空洞9は突起8の全長に渡って設けられている。
本実施の形態によれば、ブレード4の負圧面側に突起8を形成したことによって、突起8だけで付着させることが出来るシュラウド5から離れた部分の流れを乱すことなく一旦剥離した空気流が空洞9の吸込み効果で再付着してブレード4に沿って流れるため、従来の様にシュラウド5の形状を階段状にしなくてもブレード4の負圧面側からの空気の剥離領域を極めて小さくできる。すなわち、送風機の吐出側での乱れが殆どなく風量性能が向上する。
(実施の形態3)
次に、本発明の第3の実施の形態における送風機について図7〜9を用いて説明する。なお、上記実施の形態と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図7は、本実施の形態における送風機の回転体2の斜視図、図8は、同回転体2のブレード4の断面図、図9(a)は、ブレード4の負圧面側の正面図を示し、図9の(b)、(c)、(d)のそれぞれはブレード4の上部、中央、下部の断面を示している。
本実施の形態は、図7〜9に示すように、突起8をブレード4の高さ全体にわたって形成すると共に、空洞9をシュラウド5側から途中まで形成したものである。
以上により、ブレード4の負圧面側に突起8を形成したことによって、突起8だけで付
着させることの出来るシュラウド5から離れた部分の流れを乱すことなく一旦剥離した空気流が空洞9の吸込み効果で再付着してブレード4に沿って流れるため、従来のようにシュラウド5の形状を階段状としなくてもブレード4の負圧面側からの空気の剥離領域を極めて小さくできる。すなわち、送風機の吐出側での乱れが殆どなく風量性能が向上する。
(実施の形態4)
次に、本発明の第4の実施の形態における送風機について図10を用いて説明する。なお、上記実施の形態と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図10(a)は、本実施の形態における送風機の回転体2のブレード4の負圧面側の正面図を示し、図10の(b)、(c)、(d)のそれぞれはブレード4の上部、中央、下部の断面を示している。
本実施の形態では、図10に示すように、各ブレード4の突起8内の空洞9の幅寸法をシュラウド5の側から徐々に小さくしたものである(K1>K2>K3)。
このように構成したため、ブレード4の負圧面側に突起8を形成したことによって、突起8だけで付着させることの出来るシュラウドから離れた部分の流れを乱すことなく一旦剥離した空気流が空洞9の吸込み効果で再付着してブレード4に沿って流れるため、従来のようにシュラウド5の形状を階段状としなくてもブレード4の負圧面側からの空気の剥離領域を極めて小さくできる。すなわち、送風機の吐出側での乱れが殆どなく風量性能が向上する。
(実施の形態5)
次に、本発明の第5の実施の形態における送風機について図11、12を用いて説明する。なお、上記実施の形態と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図11は、本実施の形態における送風機の回転体2のブレード4の断面図、図12(a)は、同ブレード4の負圧面側の正面図を示し、図12の(b)、(c)、(d)のそれぞれはブレード4の上部、中央、下部の断面を示している。
本実施の形態では、図に示すように、ブレード4の突起8の空洞9を、突起8の内周側まで貫通させたものである。
このように構成したため、ブレード4の負圧面側に突起8を形成したことによって、一旦剥離した空気流が空洞9の吸込み効果で再付着し、また空洞9を通り内周側からの吐出流がブレード4に沿って流れるため、従来のようにシュラウド5の形状を階段状としなくてもブレード4の負圧面側からの空気の剥離領域を極めて小さくできる。すなわち、送風機の吐出側での乱れが殆どなく風量性能が向上する。
(実施の形態6)
次に、本発明の第6の実施の形態における送風機について図13を用いて説明する。なお、上記実施の形態と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図13(a)は、本実施の形態における送風機の回転体2のブレード4の負圧面側の正面図を示し、図13の(b)、(c)、(d)のそれぞれはブレード4の上部、中央、下部の断面を示している。
本実施の形態は、図13に示すように、ブレード4の突起8を、シュラウド5の側から
任意の位置、例えば図に示すように途中まで形成するとともに、その幅寸法を同一(W1=W2)に、さらに最大高さも同一(H1=H2)に形成したものである。また、突起8の内部に向けた空洞9は突起8の高さ全体に設けられており、かつ空洞9は、その突起8の内周側まで貫通させるように形成している。なお、空洞9内を通りぬける風の様子は、第5に実施の形態と同一である(図11参照)
以上のようの、本実施の形態によれば、ブレード4の負圧面側に突起8を形成したことによって、一旦剥離した空気流が空洞9の吸込み効果で再付着し、また空洞9を通り内周側からの吐出流がブレード4に沿って流れるため、従来のようにシュラウド5の形状を階段状としなくてもブレード4の負圧面側からの空気の剥離領域を極めて小さくできる。すなわち、送風機の吐出側での乱れが殆どなく風量性能が向上する。
(実施の形態7)
次に、本発明の第7の実施の形態における送風機について図14を用いて説明する。なお、上記実施の形態と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図14(a)は、本実施の形態における送風機の回転体2のブレード4の負圧面側の正面図を示し、図14の(b)、(c)、(d)のそれぞれはブレード4の上部、中央、下部の断面を示している。
本実施の形態は、図14に示すように、突起8をブレード4の全高さに渡って設けると共に、突起8を貫通する空洞8を、シュラウド5側から途中まで形成したものである。
上記構成により、ブレード4の負圧面側に突起8を形成したことによって、一旦剥離した空気流が空洞9の吸込み効果で最付着し、また空洞9を通り内周側からの吐出流がブレード4に沿って流れるため、従来のようにシュラウド5の形状を階段状としなくてもブレード4の負圧面側からの空気の剥離領域を極めて小さくできる。すなわち、送風機の吐出側での乱れが殆どなく風量性能が向上する。
以上のように、本発明にかかる送風機は、騒音の低減と送風効率の向上とが可能となるので、遠心式の回転体により構成され空調機、空気清浄機などに使用される送風機として有用である。
本発明の実施の形態1における送風機の回転体の斜視図 同回転体のブレードの断面図 (a)同ブレードの正面図、(b)同ブレードの上部における断面図、(c)同ブレードの中央部における断面図、(d)同ブレードの下部における断面図 本発明の実施の形態2における送風機の回転体の斜視図 同回転体のブレードの断面図 (a)同ブレードの正面図、(b)同ブレードの上部における断面図、(c)同ブレードの中央部における断面図、(d)同ブレードの下部における断面図 本発明の実施の形態3における送風機の回転体の斜視図 同回転体のブレードの断面図 (a)同ブレードの正面図、(b)同ブレードの上部における断面図、(c)同ブレードの中央部における断面図、(d)同ブレードの下部における断面図 (a)本発明の実施の形態4における送風機の回転体のブレードの正面図、(b)同ブレードの上部における断面図、(c)同ブレードの中央部における断面図、(d)同ブレードの下部における断面図 本発明の実施の形態5における送風機のブレードの断面図 (a)同ブレードの正面図、(b)同ブレードの上部における断面図、(c)同ブレードの中央部における断面図、(d)同ブレードの下部における断面図 (a)本発明の実施の形態6における送風機の回転体のブレードの正面図、(b)同ブレードの上部における断面図、(c)同ブレードの中央部における断面図、(d)同ブレードの下部における断面図 (a)本発明の実施の形態7における送風機の回転体のブレードの正面図、(b)同ブレードの上部における断面図、(c)同ブレードの中央部における断面図、(d)同ブレードの下部における断面図 従来の送風機の断面図 同送風機の回転体の部分正面図 他の従来例を示す送風機の回転体の斜視図 同回転体の部分正面図
符号の説明
2 回転体
3 ハブ
4 ブレード
5 シュラウド
8 突起
9 空洞

Claims (6)

  1. ハブと、前記ハブの外周に放射状に設置された複数のブレードと、前記ブレードを間に前記ハブの反対側に位置し前記ブレードの端部に結合されたシュラウドとを備え、前記ブレードの負圧側面の外周側の少なくとも前記シュラウド側でかつ前記ブレードの高さ方向に断面略半翼形状の突起を延設し、さらに前記突起に先端が開口し内部に向かう空洞を設けた送風機。
  2. 空洞で突起を貫通させた請求項1に記載の送風機。
  3. 突起をシュラウド側から任意位置迄延設した請求項1又は2に記載の送風機。
  4. 突起をブレードの全高さに渡って延設した請求項3記載の送風機。
  5. 空洞の先端側開口長さを、延設された突起の長さを超えない範囲でシュラウド側から任意位置迄とした請求項1〜4のいずれか1項に記載の送風機。
  6. 空洞の先端側開口幅をシュラウド側から徐々に小さくした請求項1〜5のいずれか1項に記載の送風機。
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