JP2006016460A - Siを含有する基板の洗浄溶液及びSiを含有する基板の洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アミノアルコールとホスホン酸と過酸化水素水との混合溶液からなるSiを含有する基板の洗浄溶液。アミノアルコールの濃度は0.01%〜0.5%であり、ホスホン酸の濃度は0.01%〜0.5%であり、過酸化水素水の濃度は0.1%〜5.0%が好ましい。
【選択図】 なし
Description
上記の洗浄工程では、SC‐1溶液と呼ばれるアンモニア水と過酸化水素水の混合液(NH4OH/H2O2/H2O)を用いる洗浄方法(SC‐1洗浄)が主に採用されていた。このSC‐1洗浄の特徴は、H2O2が関与するSiの酸化と、NH4OHが関与するSiO2のエッチングが同時に生じていることである。
また、安価で、かつSiを含有する基板の表面の面荒れを抑制した状態で、上記基板表面に付着したパーティクルや有機物等の不純物を効率良く除去できる洗浄方法を提供することを目的の一つとする。
本発明の洗浄溶液で洗浄される対象物としては、シリコンウェーハや、ガラス基板などのようにSiを含有する基板が挙げられる。
かかる構成の本発明の洗浄溶液によれば、過酸化水素水が含まれていることにより、Siを含有する基板に対してSiの酸化が生じ、また、アミノアルコールとホスホン酸が含まれていることにより、ホスホン酸のアミノアルコール塩が生成し、アンモニウムイオンによるSiO2のエッチングが選択的に起こり、ヘーズ値を小さくすることができるととともにCOP(Crystal Originated“Particle”)欠陥の顕在化を抑制することができる。
また、本発明の洗浄溶液は、揮発し易い成分が含まれていないので、60℃〜100℃の高温条件で使用してもSC‐1溶液に比べて溶液中の成分が揮発しにくく、成分の揮発による溶液コストの増大の問題を改善できる。また、本発明の洗浄溶液中の各成分は低濃度で効果を発揮できるので、溶液コストを削減できる。
従って、本発明の洗浄溶液にあっては、OH−によるSiのエッチングが起こることなく、H2O2が関与するSiの酸化と、ホスホン酸のアミノアルコール塩が関与するSiO2のエッチングが同時に生じるので、Siを含有する基板の表面の面荒れを抑制した状態で、上記基板表面に付着したパーティクルや有機物等の不純物を効率良く除去でき、また、溶液中の成分が揮発しにくいので、安価に洗浄をおこなうことができる。
上記ホスホン酸としては、下記一般式(1)または下記一般式(2)で示される構造のものが好適に用いられる。
かかる構成の本発明の洗浄溶液によれば、過酸化水素水が含まれていることにより、Siを含有する基板に対してSiの酸化が生じ、また、アミノアルコールが含まれていることにより、OH−によるSiのエッチングの影響を低減して、アンモニウムイオンによるSiO2のエッチングが選択的に起こる。また、この洗浄溶液は、揮発し易い成分が含まれていないので、60〜100℃の高温条件で使用してもSC‐1溶液に比べて溶液中の成分が揮発しにくいので、成分の揮発による溶液コストの増大の問題を改善できる。
かかる構成の洗浄溶液によれば、OH−によるSiのエッチングが起こることを影響ない程度に低減して、H2O2が関与するSiの酸化と、NH4 +によるSiO2のエッチングが同時に生じるので、Siを含有する基板の表面の面荒れを抑制した状態で、上記基板表面に付着したパーティクルや有機物等の不純物を効率良く除去でき、また、溶液中の成分が揮発しにくいので、安価とすることができる。
また、上記課題はホスホン酸のアンモニウム塩又はその誘導体と、過酸化水素水との混合溶液からなることを特徴とする本発明のSiを含有する基板の洗浄溶液により解決される。
かかる構成の洗浄溶液によれば、過酸化水素水が含まれていることにより、Siを含有する基板に対してSiの酸化が生じ、また、ホスホン酸のアンモニウム塩又はその誘導体が含まれていることにより、アンモニウムイオンによるSiO2のエッチングが選択的に起こり、ヘーズ値を小さくすることができるととともにCOP欠陥の顕在化を抑制することができる。また、この洗浄溶液は、揮発し易い成分が含まれていないので、60℃〜100℃の高温条件で使用してもSC‐1溶液に比べて溶液中の成分が揮発しにくく、成分の揮発による溶液コストの増大の問題を改善できる。また、この洗浄溶液中の各成分は低濃度で効果を発揮できるので、溶液コストを削減できる。
かかる構成の本発明の洗浄方法によれば、安価で、かつSiを含有する基板の表面の面荒れを抑制した状態で、上記基板表面に付着したパーティクルや有機物等の不純物を効率良く除去できる。
上記構成の本発明のSiを含有する基板の洗浄方法において、上記Siを含有する基板の洗浄溶液の使用温度が室温以上100℃以下であることが好ましい。
かかる構成の本発明のSiを含有する基板の洗浄方法によれば、上記基板表面の有機物などの不純物の除去効果をさらに向上でき、しかも上記基板表面への清浄かつ均一な酸化膜を形成でき、上記基板の表面品質の均一性をさらに向上できる。
また、本発明のSiを含有する基板の洗浄方法は、本発明のSiを含有する基板の洗浄溶液を用いることにより、安価で、かつSiを含有する基板の表面の面荒れを抑制した状態で、上記基板表面に付着したパーティクルや有機物等の不純物を効率良く除去できる。
なお、以下に述べる実施の形態においては、本発明をシリコンウェーハの洗浄溶液及び洗浄方法に適用した場合について説明する。
上記アミノアルコールの濃度は0.01%〜0.5%であり、ホスホン酸の濃度は0.01%〜0.5%であり、過酸化水素水の濃度は0.1%〜5.0%であることが好ましく、より好ましくはアミノアルコールの濃度は0.025%〜0.1%であり、ホスホン酸の濃度は0.025%〜0.1%であり、過酸化水素水の濃度は1.0〜3.0%とされる。
アミノアルコールの濃度が0.01%未満であると、系内のNH4 +イオン濃度が不足し、結果として洗浄能力の低下を招くからである。また、アミノアルコールの濃度が0.5%を超えると、過剰なNH4 +イオンによるエッチング反応が進行し、結果として、Hazeレベルの悪化を招くからである。また、過剰なアミノアルコールの添加は、廃液処理コスト等の増大を招くからである。
ホスホン酸の濃度が0.01%未満であると、アミノアルコールからのNH4 +イオンの生成が促進されず、NH4 +の濃度が足りずに、パーティクル除去能力が弱く、充分な洗浄を行うことができず、好ましくない。また、ホスホン酸の濃度が0.5%を越えるとホスホン酸自体がウェーハに吸着する現象が発生し、結果として、有機物汚染レベルの悪化を招くため、好ましくない。
過酸化水素水の濃度が0.1%未満であると、薬液の酸化能力が不足し、NH4 +によるエッチングのみが進行するため、結果としてHazeレベルの低下を招くからである。また、過酸化水素水の濃度が5.0%を超えると、薬液の酸化能力が過剰となり、NH4 +によるエッチングの進行を阻害し、結果として洗浄能力の低下を招くからである。また、過剰な酸化能力は、添加するアミノエタノール、ホスホン酸等の分解を促進するため、好ましくない。
上記アミノアルコールとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、メチルプロパノールアミン、メチルジプロパノールアミン、アミノエチルエタノールアミン等のうちから適宜選択して用いられ、この中でも入手が容易で、かつ安価である点でモノエタノールアミンを好適に用いることができる。
上記ホスホン酸としては、下記一般式(1)または下記一般式(2)で示される構造のものが好適に用いられる。
本実施形態の洗浄溶液は、上記アミノアルコールと、上記一般式(1)または一般式(2)で示される構造のホスホン酸が含まれていることにより、このホスホン酸のX基がNH4 +に置換された状態が形成される。
上記洗浄工程を行う際の本実施形態の洗浄溶液の使用温度としては室温以上100℃以下である。本実施形態の洗浄溶液の好ましい使用温度としては60℃以上100℃以下とすることが、高温処理によるパーティクル除去性能を確保しつつ、蒸発損失に伴う薬液コストの増大を低減可能な点で望ましい。
上記シリコンウェーハの洗浄時間としては、特に限定されないが、例えば30秒〜6分程度とされることが好ましく、より好ましくは4分程度とされる。
ここでのO3水の濃度としては1ppm以上が好ましく、より好ましくは5ppm以上とされ、さらに好ましくは10ppm以上とされる。
O3水の濃度が1ppm未満であると、有機物汚染に対するリンス効果等が不足し、洗浄後ウェーハ表面に洗浄液・不純物等が残存する可能性があるため、好ましくない。また、O3水の濃度が1ppm以下の場合、ウェーハ表面へ形成される酸化膜の均一化が達成できず、結果として、ウェーハ表面における酸化膜ムラが発生するため、好ましくない。
O3水の供給方式としては、連続供給方式が好ましい。
上記リンス処理を行う際のO3水の使用温度としては室温程度とされる。
リンス処理時間としては、特に限定されないが、例えば4分程度とされる。
また、本実施形態の洗浄溶液は、揮発し易い成分が含まれていないので、60〜100℃の高温条件で使用してもSC‐1溶液に比べて溶液中の成分が揮発しにくく、成分の揮発による溶液コストの増大の問題を改善できる。また、本実施形態の洗浄溶液中の各成分は低濃度で効果を発揮できるので、溶液コストを削減できる。
また、上記洗浄工程の後に、O3水を用いるリンス処理を行うことにより、上記シリコンウェーハ表面の有機物などの不純物の除去効果をさらに向上でき、しかも上記ウェーハ表面への清浄かつ均一な酸化膜を形成でき、上記ウェーハの表面品質の均一性をさらに向上できる。
また、シリコンウェーハの洗浄溶液としては、NH4 +によるSiO2のエッチング比率がOH−によるSiのエッチング比率より大きく、かつH2O2 によるSiの酸化が起こる洗浄溶液を用いてもよい。このような洗浄溶液を用いる場合、上記NH4 + の濃度が0.001%以上であることが好ましく、OH−の濃度は溶液のpHを9以下にできる濃度でありことが好ましい。
また、シリコンウェーハの洗浄溶液としてはホスホン酸のアンモニウム塩又はその誘導体と、過酸化水素水との混合溶液からなるものを用いてもよい。このような洗浄溶液を用いる場合、ホスホン酸のアンモニウム塩又はその誘導体の濃度は、0.01%〜0.5%とすることが好ましく、より好ましくは0.025%〜0.1%である。過酸化水素水の濃度は0.1%〜5.0%であることが好ましく、より好ましくは1.0〜3.0%とされる。
また、ホスホン酸のアンモニウム塩又はその誘導体の濃度が0.5%を超えると、過剰な例えばNH4 +によるエッチング反応が進行し、結果として、Hazeレベルの悪化を招いたり、また、ホスホン酸自体がウェーハに吸着する現象が発生し、結果として、有機物汚染レベルの悪化を招くため、好ましくない。また、ホスホン酸のアンモニウム塩又はその誘導体の過剰な添加は、廃液処理コスト等の増大を招くからである。
ここで洗浄されるシリコンウェーハは、例えば、引き上げCZ法(チョクラルスキー法)によりシリコン単結晶インゴットを作製する工程、作製したインゴットを切断してウェーハを得る工程、このウェーハの切断面をラッピングにより平坦化する工程、ラッピングされたウェーハをアルカリエッチングする工程、アルカリエッチングによりウェーハ裏面に形成された凹凸の一部を裏面研磨により除去する工程、ウェーハ表面を鏡面研磨する工程を順次行うことにより得られるものである。
上記アルカリエッチング工程は、酸エッチング工程とするか、酸エッチングを追加したものとしても良い。
なお、上記実施形態においては、ラッピング工程などの各種工程によりウェーハ表面に付着したパーティクルや有機物等の不純物を除去する洗浄工程で本実施形態の洗浄溶液を用いる場合について説明したが、本発明のSiを含有する基板の洗浄溶液はシリコンウェーハをアルカリエッチングする工程などのエッチング工程に用いてもよく、この場合、本発明の洗浄溶液はSiを含有する基板のエッチング溶液として用いられる。
8インチ角のシリコンウェーハを放置による暴露汚染した後、洗浄処理を行う際、洗浄溶液及び洗浄方法(洗浄溶液温度と洗浄時間、後工程のリンス処理方法)を下記表1に示すものに変更したときの洗浄能力とウェーハの面荒れを抑制能力について調べた。
洗浄能力については洗浄前後のパーティクル量とCOP欠陥について調べた。ウェーハの面荒れを抑制能力については洗浄前後のヘーズ値について調べた。表2は洗浄処理後のウェーハにおけるヘーズの増加量を示す。表3と図1は、洗浄処理後のウェーハにおけるパーティクル(0.065μmより大きいもの)の増加量を示す。表4と図2は洗浄処理後のウェーハにおけるCOP欠陥(0.080μmより大きいもの)の増加量を示す。なお、表2乃至表4中のAvは平均値、Maxは最大値、Minは最小値である。
また、実施例1の洗浄溶液を用いる洗浄方法4は、比較例1乃至3の洗浄溶液(SC‐1溶液)を用いる洗浄方法1〜3に比べて0.065μmより大きいパーティクルの増加量の平均値が小さいことから、シリコンウェーハのパーティクルの除去効果が優れていることがわかる。
また、実施例1の洗浄溶液を用いる洗浄方法4は、比較例1乃至3の洗浄溶液(SC‐1溶液)を用いる洗浄方法1〜3に比べて0.080μmより大きいCOP欠陥の増加量が小さいことから、シリコンウェーハのCOP欠陥の低減効果が優れていることがわかる。
8インチ角のシリコンウェーハに洗浄処理を行う際、洗浄溶液及び洗浄方法(洗浄溶液温度、後工程のリンス処理方法)を下記に示すものに変更したときの洗浄能力とウェーハの面荒れを抑制能力について調べた。ウェーハの面荒れを抑制能力については洗浄前後のHaze値(SP1によるDWN(Darkfield Wide Normal)領域のHaze値)について調べた。洗浄能力については洗浄前後の微小領域のCOP欠陥についてウェーハ表面欠陥検査装置(Advanced Wafer Inspection System)を用いて調べた。また、洗浄後のウェーハ表面の金属量についてVPD−ICP−MS法により調べた。
図3は洗浄処理後のウェーハにおけるヘーズの増加量を示す。図4は、洗浄処理後のウェーハの微小領域におけるCOP欠陥(0.080μmより大きいもの)の増加量を示す。図5は、洗浄処理後のウェーハの微小領域におけるCOP欠陥(0.120μmより大きいもの)の増加量を示す。
表5及び図6乃至図9は、洗浄処理後のウェーハ表面の金属量を示す。
実施例3の洗浄溶液及び洗浄方法:花王製のKS3050(アミノアルコールとホスホン酸を含む溶液)0.3%とH2O21.2%の洗浄溶液、使用温度80℃、後工程のリンス処理は超純水(DIW)を用いるリンス処理
実施例4の洗浄溶液及び洗浄方法:花王製のKS3070(アミノアルコールとホスホン酸を含む溶液)0.3%とH2O21.2%の洗浄溶液、使用温度80℃、後工程のリンス処理は超純水(DIW)を用いるリンス処理
なお、上記KS3050は、アミノトリエチレンスルホン酸モノエタノールアミン塩(0.05%)を含んでおり、上記KS3070は、アミノトリエチレンスルホン酸モノエタノールアミン塩(0.05%)とエチレンジアミン四酢酸(EDTA0.01%)を含んでいる。
比較例4の洗浄溶液及び洗浄方法:SC‐1溶液(H2O/H2O2/NH4OH体積比10/1/0.5)、使用温度80℃、リンス処理なし
Claims (9)
- アミノアルコールとホスホン酸と過酸化水素水との混合溶液からなることを特徴とするSiを含有する基板の洗浄溶液。
- 前記アミノアルコールの濃度は0.01%〜0.5%、ホスホン酸の濃度は0.01%〜0.5%、過酸化水素水の濃度は0.1%〜5.0%であることを特徴とする請求項1記載のSiを含有する基板の洗浄溶液。
- 前記ホスホン酸は、下記一般式(1)または一般式(2)で示される構造のものであることを特徴とする請求項1記載のSiを含有する基板の洗浄溶液。
- アミノアルコールと過酸化水素水との混合溶液からなることを特徴とするSiを含有する基板の洗浄溶液。
- NH4 +によるSiO2のエッチング比率がOH−によるSiのエッチング比率より大きく、かつH2O2 によるSiの酸化が起こることを特徴とするSiを含有する基板の洗浄溶液。
- ホスホン酸のアンモニウム塩又はその誘導体と、過酸化水素水との混合溶液からなることを特徴とするSiを含有する基板の洗浄溶液。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のSiを含有する基板の洗浄溶液を用いてSiを含有する基板を洗浄する工程を備えることを特徴とするSiを含有する基板の洗浄方法。
- 前記Siを含有する基板の洗浄溶液の使用温度が室温以上100℃以下であることを特徴とする請求項7に記載のSiを含有する基板の洗浄方法。
- 前記Siを含有する基板を洗浄する工程の後に、O3 水を用いて前記Siを含有する基板をリンス処理する工程を備えることを特徴とする請求項7又は8に記載のSiを含有する基板の洗浄方法。
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