JP2006014857A - 貼付剤製造用ロールサンド式塗工機及び貼付剤の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 隙間を隔てて対向配置された一対のローレットロール22を有し、一対のローレットロール22のうち一方が表面に凹凸を有する貼付剤用支持体シートを上記隙間に導入するとともに上記隙間から導出する支持体ロール22aとされ、他方がフェイシングフィルム用シートを上記隙間に導入するとともに上記隙間から導出するフェイシングフィルムロール22bとされ、上記隙間に導入された貼付剤用支持体シートの凹凸面とフェイシングフィルム用シートとの間に粘着剤15aを供給する粘着剤貯溜槽が設けられ、ロール22bの最外層又は周囲に弾性体層22cが設けられた塗工機。
【選択図】 図4
Description
通常、平坦な支持体への粘着剤の塗布には、粘着層の厚み分の隙間を隔てて対向配置された支持体ロールとフェイシングフィルムロールと、これらのロール上に配置され、粘着剤が貯溜されたホッパを備えたロールサンド式塗工機が用いられる(例えば、特許文献3参照。)。
このようなロールサンド式塗工機を用いて貼付剤を製造するには、支持体ロールとフェイシングフィルムロールを逆方向に回転させ、これらロールからそれぞれ平坦な支持体シートとフェイシングフィルム用シートを上記隙間に送り出しながら両シート間に上記ホッパから粘着剤を流し込むことで両シート間に粘着剤を挟み込みこむようにして塗布するとともに、粘着剤が介在された両シートを上記隙間の他方の側に送り出し、この後、所定の大きさにカットされることにより目的とする貼付剤が得られる。
そこで、凸部の潰れを防止するために両ロールの間隔を広くすると粘着剤のこぼれが生じ、これを防止するために両ロールの間隔を狭くすると、凸部の脱落や潰れなどが生じてしまう。
したがって、ロールサンド式塗工機を用いて、充分な刺激を付与できる大きさの凸部を有する支持体に、上記凸部の形状を維持したまま粘着剤を均一に展延することができる技術が望まれていた。
また、本発明は、表面に凹凸を有する貼付剤用支持体の凹凸面とフェイシングフィルムとの間に粘着層が介在されてなる貼付剤を製造する際に、凸部の脱落や潰れを生じることなく、しかも接着剤がこぼれることなく、凹凸面に粘着剤を均一に塗布できる貼付剤の製造方法を提供することを目的の一つとする。
本発明の貼付剤製造用ロールサンド式塗工機は、表面に凹凸を有する貼付剤用支持体の凹凸面とフェイシングフィルムとの間に粘着層が介在されてなる貼付剤の製造に用いられる貼付剤製造用ロールサンド式塗工機であって、
隙間を隔てて対向配置された一対のローレットロールを有し、該一対のローレットロールのうち一方が上記表面に凹凸を有する貼付剤用支持体シートを上記隙間に導入するとともに上記隙間から導出する支持体ロールとされ、他方が上記フェイシングフィルム用シートを上記隙間に導入するとともに上記隙間から導出するフェイシングフィルムロールとされ、上記隙間に導入された貼付剤用支持体シートの凹凸面とフェイシングフィルム用シートとの間に粘着剤を供給するための粘着剤貯溜槽が設けられ、
上記フェイシングフィルムロールの最外層又は周囲に弾性体層が設けられたことを特徴とする。
上記弾性体層は、直径10mmの円柱体を用いて上記凸部の貼付剤用支持体シート表面からの高さと上記粘着層の厚さとの差の分だけ上記弾性体層を押下したときの応力が5N〜20Nのものであることが好ましい。
上記弾性体層は、直径10mmの円柱体を用いて上記凸部の貼付剤用支持体シート表面からの高さと同じ長さの分だけ上記弾性体層を10回/分の速度で、3000回押下した後の圧縮回復率が70%〜100%のものであることが好ましい。
また、本発明の貼付剤の製造方法によれば、表面に凹凸を有する貼付剤用支持体の凹凸面とフェイシングフィルムとの間に粘着層が介在されてなる貼付剤を製造する際に、凸部の脱落や潰れを生じることなく、しかも粘着剤がこぼれることなく、凹凸面に粘着剤を均一に塗布できる。
なお、本発明は以下に説明する実施の形態に限定されるものではないことは勿論であるとともに、以下の図面においては各構成部分の縮尺について図面に表記することが容易となるように構成部分毎に縮尺を変えて記載している。
図1は、本発明の実施形態の貼付剤の製造方法により製造された貼付剤の概略構成を示す断面図であり、図2は図1の貼付剤に備えられた貼付剤用突起付き支持体を示す平面図である。図3は、本発明の貼付剤製造用ロールサンド式塗工機を備えた貼付剤製造装置の実施形態を示す概略構成図であり、図4は、図3の製造装置に備えられた貼付剤製造用ロールサンド式塗工機の要部を示す拡大図である。図5は、本実施形態の貼付剤の製造に用いられる貼付剤用支持体シートの一部分を示す拡大断面図である。
貼付剤用突起付き支持体(表面に凹凸を有する貼付剤用支持体)10は、シート体11の一方の面に、ベース樹脂と発泡剤を含有する樹脂組成物が発泡されてなる突起物12が複数形成されており、しかも各突起物12の基部(下部)がシート体11に染み込んでいるものである。また、各突起物12のシート体11に染みこんでいない部分が突出部(上部)12bである。
なお、突起物12の材質としては、上記樹脂組成物が発泡されてなるものに限らず、磁石、セラミック、プラスチックなどのうちから選択された材料であってもよく、その場合には突起物は接着剤等によりシート体11に接着されている。
上記繊維シートとしては、厚織り、糸織り、ガーゼ、コール天、ネル等の織布や、平編み、ゴム編み、タック編み、二目編み等の製法による編布や、スパンレース、スパンボンド、サーマルボンド、ケミカルボンド、ニードルパンチ等の製法による不織布などが適宜選択して用いられる。また、繊維シートの材質としては、例えば、レーヨン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステルエーテル、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリスチレン系樹脂、コットン、麻等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂で、これらの樹脂を単独で、あるいは2種以上の混紡繊維として使用しても良い。
シート体11の厚さが薄すぎると、貼付剤1を皮膚から剥離する際にフィルムが切れたり剥がしにくい場合があり、厚すぎると曲面へ貼付しづらく、粘着層側がきれいに貼付できない場合がある。また、シート体11の表面(粘着層が形成される側の表面及び/又は粘着層が形成される側と反対側の表面)にコロナ処理などの表面改質処理を施してあっても良く、エンボス加工、印刷処理などを施したものを使用することも出来る。
このベース樹脂の含有量としては、高粘度樹脂組成物の30〜70質量%が望ましい。
この増粘剤の含有量としては、高粘度樹脂組成物の0.05〜3.0質量%が望ましい。
また、突起物12を1mm圧縮する為の応力が3N以上を有する弾力性を有することが好ましい。これらの物性を備える突起とすることで、特に良好な血流促進効果が得られる。
突起物12の形状及び大きさとしては、例えば図2に示すように点在する場合は突出部の最大径が2mm以上10mm以下、好ましくは最大径が2.5mm以上7mm以下の平面視円形または該円に外接する平面視多角形状であり、帯状の場合は最大幅が2mm以上6mm以下であることが好ましい。また、突起物12の突出部の高さは2mm以上7mm以下、好ましくは2.5mm以上5mm以下、より好ましくは3mm以上、さらに好ましくは3.5mm以上である。突起間隔(突出部間隔)Pは、点在する場合には2mm以上25mm以下、好ましくは4mm以上15mm以下であり、また、帯状の場合は2mm以上15mm以下が好ましい。
突起物12の突出部の最大径及び高さを上記の範囲とすることにより、突起による押圧効果に優れ、しかも支持体10の突起側に粘着剤を均一に塗布し易い。
しかし、突起を有する支持体を使用すると、突起の刺激によって、上記冷感や温感を感じにくくなる。特に、経時で温感・冷感の感じ方は低下する。突起を設けない平坦部を突起形成部の周りに設けることによって、長時間貼付しても、突起による刺激と、膏体の温感・冷感を同時に感じることが可能な、使用感が良い貼付剤とすることができる。
粘着層15は、粘着剤からなるものである。
上記粘着剤としては、多価アルコール系粘着剤、ゴム系粘着剤(SIS粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤)、含水系粘着剤等が使用できる。突起の刺激による血行促進に加え、貼付部の冷却による抗炎症、疲労回復、浮腫み改善効果が得られる点から、好ましくは、含水系貼付剤を用いる。
粘着層15に用いられる上記粘着剤のゲル強度は、下記の測定方法によるゲル強度で10mm乃至100mm程度とされることが好ましい。
<ゲル強度測定方法>
粘着剤組成物約200gを内径50mm、深さ100mmの瓶に空間の生じないように詰め、直径10mmのアクリル製棒を荷重30g、侵入速度20mm/分で粘着剤表面に侵入させ、アクリル製棒が侵入した距離x(mm)を測定し、下記の式より算出した。
ゲル強度(mm)=(1/x)×100
上記粘着剤のゲル強度が10mm未満であると、均一な展延ができない。また、100mmを超えると、支持体側への裏抜けが生じる。
上記多価アルコール系粘着剤は、多価アルコール類及び多価アルコール可溶性又は膨潤性の高分子化合物を必須成分とする実質的に非水の粘着剤である。(原料由来の水を少量含むことは可能であるが、本発明の効果の点から、粘着剤中の水分量は10%以下とするべきである。好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下である)
上記ポリビニルアルコールとしては、例えば、ポリ酢酸ビニルの完全/部分ケン化物が挙げられる。上記アルキルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーは、アルキルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー及びその加水分解物さらには加水分解物の中和物若しくはハーフエステルであってもよい。例えば、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーが挙げられる。
ゴム系粘着剤は、合成樹脂、軟化剤、粘着付与樹脂、その他必要に応じて他の任意成分を配合した実質的に無水の粘着剤である。
上記合成樹脂としては、具体的には、例えば、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロック共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリブテンゴム、ポリイソプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、天然ゴム、合成イソプレンゴム等のゴム;ポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルエーテル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン系共重合体等の合成樹脂等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし混合して用いてもよい。この中でも、スチレン−イソプレン−スチレン系、天然ゴム系、アクリル系が好ましい。上記合成樹脂の配合量は、特に制限されるものではなく適宜選定することができ、通常粘着剤組成物全体の5〜45質量%、好ましくは10〜30質量%である。配合量がこの範囲外となると、粘着性、凝集性、柔軟性、保型性等の物性が悪く、製造性や使用性が低下する。
含水系粘着剤は、粘着性高分子と水を含有する含水ゲルである。水溶性高分子は硬化剤や放射線照射などにより架橋されていることが好ましい。含水ゲルにはその他、任意の成分を配合することができる。
上記粘着性高分子の配合量は、特に制限されるものではなく適宜選定することができ、通常粘着剤組成物全体の0.1〜40質量%、好ましくは1〜30質量%である。配合量が少なすぎると粘着力や凝集性が不足する場合があり、多すぎると粘度が高くなり、製造時の作業性に問題が生じたり、貼付剤として使用する場合、剥がす時に痛みを感じる場合がある。
上記多価金属イオンとしては、例えばマグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオン、カドミウムイオン、アルミニウムイオン、チタンイオン、錫イオン、鉄イオン、クロムイオン、マンガンイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン等を含有し、水溶液中で上記多価金属イオンを放出する化合物で、例えばマグネシウム化合物、カルシウム化合物、亜鉛化合物、カドミウム化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物、錫化合物、鉄化合物、クロム化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物等が使用し得るが、本発明で用いられる含水系粘着組成物は皮膚に適用するものであり、皮膚に対する安全性を考慮するならば、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物等を用いることが特に好ましい。 具体的には、カリウムミョウバン、アンモニウムミョウバン、鉄ミョウバン等のミョウバン類、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミニウムグリシネート、酢酸アルミニウム、酸化アルミニウム、含ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、酸化カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、これら金属を含む複塩等の水可溶性化合物、水難溶性化合物の1種又は2種以上を使用し得る。また、アルミニウム、マグネシウムを含む制酸剤も多価金属塩として配合し得る。
好ましい架橋剤は、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、アルミニウムグリシネート、合成ヒドロタルサイト、ミョウバン類である。有機カチオン架橋剤としては、カチオン化デンプン、カチオン化PVP、カチオン化セルロース類、カチオン化グアーガムである。
水溶性または吸水性高分子としては、ゼラチン、ペクチン、ポリビニルピロリドン、ビニルアセテート共重合体、ポリエチレンオキサイド、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステルコポリマー、N−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、N−ビニルアセトアミド共重合体、架橋型ポリビニルピロリドン、架橋型ポリアルキレンオキサイド、結晶セルロース、セルロース粉末、アルギン酸、ゼラチン、クロスカルメロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合物Na塩架橋物、トウモロコシデンプン、キサンタンガム、アラビヤガム、トラガントガム、カラヤガム、グアガムなどがあげられる。
これら薬物は、1種単独で又は2種類以上適宜組み合わせて使用することができる。配合量は、各薬物の薬効適正量として選定することができるが、通常、0.001質量%〜30質量%の範囲である。
さらに、必要に応じて、上記成分に加えて通常貼付剤の粘着剤組成物に添加されているその他の成分を適宜配合することもできる。例えば、高吸水性高分子、界面活性剤、無機粉体、防腐剤、溶解剤、安定化剤、香料、色素等を挙げることができる。
本発明の上記粘着剤組成物は、各粘着剤成分を公知の方法で均一になるまで練合することによって調製することができる。
貼付剤製造用ロールサンド式塗工機20は、図3及び図4に示すように隙間を隔てて対向配置された一対のローレットロール22を有している。一対のローレットロール22のうち一方が表面に凹凸を有する貼付剤用支持体シート10aを上記隙間に導入するとともに上記隙間から導出する支持体ロール22aとされ、他方がフェイシングフィルム用シート17aを上記隙間に導入するとともに上記隙間から導出するフェイシングフィルムロール22bとされている。貼付剤用支持体シート10aは、裁断されることにより複数の貼付剤用突起付き支持体10になるものであり、フェイシングフィルム用シート17aは、裁断されることにより複数のフェイシングフィルム17になるものである。
また、弾性体層22cは、直径10mmの円柱体(図示略)を用いて図5に示す突起物12の貼付剤用支持体シート10aの表面からの高さH1と同じ長さの分だけ弾性体層22cを10回/分の速度で、3000回押下した後の圧縮回復率が70%〜100%のものであることが好ましい。上記円柱体で弾性体層22cを上記のように押下したときの圧縮回復率が70%未満であると、短期間で突起物の脱落や潰れが生じ、生産効率が悪くなってしまう。
弾性体層22cが設けられたフェイシングフィルムロール22bと、支持体ロール22aとは互いに逆方向に回転するようになっている。
フェイシングフィルムロール22bより上流側(フェイシングフィルム用シート17aの移動方向の上流側)には、フェイシングフィルム送り出しローラ26が設けられており、このフェイシングフィルム送り出しローラ26からフェイシングフィルムロール22bにフェイシングフィルム用シート17aが送り出されるようになっている。
また、支持体ロール22aとフェイシングフィルムロール22bは、これらロール22aと22bの隙間に送り出された貼付剤用支持体シート10aの表面と、変形が生じていない部分の弾性体層22cとの隙間の大きさが、上記突起物12の貼付剤用支持体シート表面からの高さH1よりも小さく設定できる構成とされている。粘着剤の製造の際には、上記隙間に送り出された貼付剤用支持体シート10aの表面と、変形が生じていない部分の弾性体層22cとの隙間の大きさが、上記突起物12の貼付剤用支持体シート表面からの高さH1よりも小さく設定される。
カッター45は、スリッター35より下流側(細長いサンドイッチシート1cの移動方向の下流側)に設けられており、カッター45によってこれらシート1cを幅方向に沿ってカットすることで、複数の貼付剤1が得られるようになっている。
ベルト55は、カッター45より下流側(貼付剤の移動方向の下流側)に設けられており、カッター45でカットされた複数の貼付剤1を載置し、包装工程などの後工程に搬送できるようになっている。
支持体送り出しローラ23から貼付剤用支持体シート10aを、互いに逆方向に回転する支持体ロール22aとフェイシングフィルムロール22bとの隙間に上側から送り込むとともにフェイシングフィルム送り出しローラ26からフェイシングフィルム用シート17aを上記隙間に上側から送り込みながら、貼付剤用支持体シート10aの凹凸面とフェイシングフィルム用シート17a間に粘着剤貯溜槽27から粘着剤15aを流し込んで両シート10a、17a間に粘着層15を挟み込みこむようにして形成するとともに粘着層15が介在された両シート10a、17a(サンドイッチシート1a)を上記隙間の他方の側に導出する。ここで支持体ロール22aとフェイシングフィルムロール22bとは、上記隙間に送り出された貼付剤用支持体シート10aの表面と、変形が生じていない部分の弾性体層22cとの隙間の大きさが、上記突起物12の貼付剤用支持体シート表面からの高さH1よりも小さくなるように設定される。
図4に示すように突起物12で押圧されていない部分の弾性体層22cは凹部12eは形成されておらず平滑であるので、上記隙間にある突起物12、12間は凹んでいない弾性体層22cが存在し、この弾性体層22cによって突起物12、12間の粘着剤15aはシート10aに押し圧されるので、粘着剤15aの付きが良く、突起物12、12間に均一に塗布される。
ついで、複数の細長いサンドイッチシート1cをカッター45によってこれらシート1cを幅方向に沿ってカットすることで、複数の貼付剤1が得られる。
得られた複数の貼付剤1はベルト55上に載置され、包装工程などの後工程に搬送される。
また、圧延サンドイッチシート1bの裁断は、上記のようなスリッター35やカッター45を用いた場合について説明したが、ダイカットロールやキャタピラ式等による打ち抜きやシャーリング方式(ギロチン方式)のものを用いてもよい。また、必要に応じてハーフスリッターが備えられていてもよい。
[実施例1]
下記表1に示すゲル組成のポリアクリル酸系含水ゲルを調整した。このポリアクリル酸系含水ゲルのゲル強度は50mmであった。
フェイシングフィルムロールの周囲に形成する弾性体層の材質を表2に示すものに変更した以外は図4と図5に示した貼付剤製造用ロールサンド式塗工機を用い、高さ3.5mmの突起を多数有する不織布支持体シートと厚さ30μmCPP製フェイシングフィルム用シートをそれぞれ支持体ロールとフェイシングフィルムロールの隙間に上側から送り出しながら両シート間に粘着剤貯溜槽から上記の調整したポリアクリル酸系含水ゲルを目標厚さ2mm厚になるように流し込んで両シート間に粘着層を挟み込みこむようにして形成するとともに粘着層が介在された両シートを上記隙間の下側に導出した。このときの突起の潰れの有無とゲル塗布均一性について調べたその結果を表2に合わせて示す。ここで用いたフェイシングフィルムロールは、直径30cmとし、弾性体層の厚さは3mmとした。また、ポリアクリル酸系含水ゲルは毎分6mの速度で塗工した。
表2中の押下応力は、10mmの円柱体を用いて上記突起の高さと上記粘着層の厚さとの差の分(即ち1.5mm)だけ上記弾性体層を押下したときの応力である。
圧縮回復率は、直径10mmの円柱体を用いて上記突起の高さと同じ長さの分(即ち、3.5mm)だけ上記弾性体層を10回/分の速度で、3000回押下した後の圧縮回復率である。
ゲル塗工均一性の欄において、良好とは突起間に均一な厚みの粘着層が形成されたことであり、やや不良とは厚みにわずかなバラツキが生じた場合であり、不良とは部分的に極端に厚みが薄い箇所が生じた場合である。
また、比較例1のように弾性体層を形成していない場合は、突起の潰れがあり、しかもゲル塗工均一が不良であることがわかる。
これに対して実施例1〜9の弾性体層が形成された場合は、押下応力及び厚縮回復率がともに本発明の範囲内にあり、突起の潰れがなく、ゲル塗工均一性が良好であることがわかる。
Claims (5)
- 表面に凹凸を有する貼付剤用支持体の凹凸面とフェイシングフィルムとの間に粘着層が介在されてなる貼付剤の製造に用いられる貼付剤製造用ロールサンド式塗工機であって、
隙間を隔てて対向配置された一対のローレットロールを有し、該一対のローレットロールのうち一方が前記表面に凹凸を有する貼付剤用支持体シートを前記隙間に導入するとともに前記隙間から導出する支持体ロールとされ、他方が前記フェイシングフィルム用シートを前記隙間に導入するとともに前記隙間から導出するフェイシングフィルムロールとされ、前記隙間に導入された貼付剤用支持体シートの凹凸面とフェイシングフィルム用シートとの間に粘着剤を供給するための粘着剤貯溜槽が設けられ、
前記フェイシングフィルムロールの最外層又は周囲に弾性体層が設けられたことを特徴とする貼付剤製造用ロールサンド式塗工機。 - 前記一対のローレットロールは、前記隙間に送り出された貼付剤用支持体シートの表面と変形が生じていない部分の弾性体層との隙間の大きさが、前記凸部の貼付剤用支持体シート表面からの高さよりも小さく設定できる構成とされたことを特徴とする貼付剤製造用ロールサンド式塗工機。
- 前記弾性体層は、直径10mmの円柱体を用いて前記凸部の貼付剤用支持体シート表面からの高さと前記粘着層の厚さとの差の分だけ前記弾性体層を押下したときの応力が5N〜20Nのものであることを特徴とする請求項1又は2記載の貼付剤製造用ロールサンド式塗工機。
- 前記弾性体層は、直径10mmの円柱体を用いて前記凸部の貼付剤用支持体シート表面からの高さと同じ長さの分だけ前記弾性体層を10回/分の速度で、3000回押下した後の圧縮回復率が70%〜100%のものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の貼付剤製造用ロールサンド式塗工機。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の貼付剤製造用ロールサンド式塗工機を用い、支持体シートとフェイシングフィルム用シートをそれぞれ前記一対のローレットロールの隙間に一方の側から送り出しながら両シート間に前記粘着剤貯溜槽から粘着剤を流し込んで両シート間に粘着層を挟み込みこむようにして形成するとともに粘着層が介在された両シートを上記隙間の他方の側に送り出すことを特徴とする貼付剤の製造方法。
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