JP2006013333A - 不揮発性記憶装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 FNトンネル電流を利用して動作する不揮発性記憶装置において、トンネル絶縁膜の膜厚を制御することで、動作特性が向上した不揮発性記憶装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の不揮発性記憶装置は、半導体層10と、
前記半導体層10に形成された第1のトレンチ20aと、
前記第1のトレンチ20aに形成された第1の分離絶縁層20と、
前記第1の分離絶縁層20により画定された第1の領域10Cと、
少なくとも前記第1の領域10Cの前記半導体層10の上方に設けられた絶縁層30と、
前記絶縁層30の上方に設けられたフローティングゲート電極32と、
前記フローティングゲート電極32に印加する電圧を制御するコントロールゲート42と、を含み、
前記第1の分離絶縁層20と前記第1の領域10Cの前記半導体層10との境界部である第1の境界部分の上方に設けられた前記絶縁層30の膜厚は、該第1の境界部分の上方以外に設けられている前記絶縁層30の膜厚と比して小さい。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の不揮発性記憶装置は、半導体層10と、
前記半導体層10に形成された第1のトレンチ20aと、
前記第1のトレンチ20aに形成された第1の分離絶縁層20と、
前記第1の分離絶縁層20により画定された第1の領域10Cと、
少なくとも前記第1の領域10Cの前記半導体層10の上方に設けられた絶縁層30と、
前記絶縁層30の上方に設けられたフローティングゲート電極32と、
前記フローティングゲート電極32に印加する電圧を制御するコントロールゲート42と、を含み、
前記第1の分離絶縁層20と前記第1の領域10Cの前記半導体層10との境界部である第1の境界部分の上方に設けられた前記絶縁層30の膜厚は、該第1の境界部分の上方以外に設けられている前記絶縁層30の膜厚と比して小さい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、フローティングゲート電極を有する不揮発性記憶装置に関し、特に、FN(Fowler―Nordhim)トンネル電流で書き込みおよび消去を行う不揮発性記憶装置に関する。
不揮発性記憶装置の一つとして、半導体層上に絶縁層を介して設けられたフローティングゲート電極と、さらに、フローティングゲート電極の上に絶縁層を介して設けられたコントロールゲート電極と、半導体層に設けられたソース領域およびドレイン領域と、からなるスタックゲート型の不揮発性記憶装置があげられる。このようなスタックゲート型の不揮発性記憶装置では、コントロールゲート電極と、ドレイン領域とに、所定の電圧を印加して、フローティングゲート電極に電子の注入/放出を行うことで書き込みおよび消去が行われる。
このようなスタックゲート型の不揮発性記憶装置では、2回のゲート電極の形成工程を有するために工程数が増加し、かつ、フローティングゲート電極の上に、薄膜の絶縁層を形成する必要があり製造工程が煩雑になる。そのため、スタックゲート型の不揮性記憶装置と比して、簡易な製造工程で、かつ安価なコストと製造できる不揮発性記憶装置として、特許文献1に参照の不揮発性記憶装置が提案されている。特許文献1に記載の不揮発性記憶装置は、コントロールゲートを半導体層内のN型の不純物領域であり、フローティングゲート電極が、一層のポリシリコン層などの導電層とからなる(以下、「一層ゲート型の不揮発性記憶装置」ということもある)。このような一層ゲート型の不揮発性記憶装置は、ゲート電極を積層する必要がないため、通常のCMOSトランジスタのプロセスと同様にして形成することができるという利点を有する。
特開昭63−166274号公報
上述した種々の不揮発性記憶装置では、CHE(Channel Hot Electron)やFNトンネル電流を用いて、フローティングゲート電極への電子の注入や抜き取りにより書き込みや消去が行われる。FNトンネル電流による書き込みや消去を行うときには、動作特性を向上させるために、フローティングゲート電極下の絶縁層(トンネル絶縁膜)の薄膜化などが試みられている。一方で、絶縁層が薄膜化されると動作特性は向上するものの、絶縁層の耐性が損なわれ、書き込み可能回数などが減少することもある。そこで、書き込み特性を向上しつつも信頼性の確保された不揮発性記憶装置が求められている。
本発明の目的は、FNトンネル電流を利用して動作する不揮発性記憶装置において、トンネル絶縁膜の膜厚を制御することで、動作特性が向上した不揮発性記憶装置の製造方法を提供することにある。
本発明の不揮発性記憶装置は、半導体層と、
前記半導体層に形成された第1のトレンチと、
前記第1のトレンチに形成された第1の分離絶縁層と、
前記第1の分離絶縁層により画定された第1の領域と、
少なくとも前記第1の領域の前記半導体層の上方に設けられた絶縁層と、
前記絶縁層の上方に設けられたフローティングゲート電極と、
前記フローティングゲート電極に印加する電圧を制御するコントロールゲートと、を含み、
前記第1の分離絶縁層と前記第1の領域の前記半導体層との境界部である第1の境界部分の上方に設けられた前記絶縁層の膜厚は、該第1の境界部分の上方以外に設けられている前記絶縁層の膜厚と比して小さい。
前記半導体層に形成された第1のトレンチと、
前記第1のトレンチに形成された第1の分離絶縁層と、
前記第1の分離絶縁層により画定された第1の領域と、
少なくとも前記第1の領域の前記半導体層の上方に設けられた絶縁層と、
前記絶縁層の上方に設けられたフローティングゲート電極と、
前記フローティングゲート電極に印加する電圧を制御するコントロールゲートと、を含み、
前記第1の分離絶縁層と前記第1の領域の前記半導体層との境界部である第1の境界部分の上方に設けられた前記絶縁層の膜厚は、該第1の境界部分の上方以外に設けられている前記絶縁層の膜厚と比して小さい。
本発明の不揮発性記憶装置によれば、フローティングゲート電極は、その膜厚が均一でない絶縁層の上方に設けられている。具体的には、絶縁層のうち第1の分離絶縁層と半導体層との境界部分に設けられた絶縁層は、境界部分以外の半導体層の上方に設けられた絶縁層と比してその膜厚が小さい。このように、膜厚が不均一である絶縁層の上方にフローティングゲート電極が設けられている利点を以下に述べる。
本発明の不揮発性記憶装置では、フローティングゲート電極に電子を注入することにより書き込みが行われ、注入された電子を放出することで消去が行われる。電子の注入や消去は、FNトンネル電流により行われることがある。この場合、不揮発性記憶装置の書き込みや消去などの動作特性を向上する手段の一つとして、FNトンネル電流を大きくすることを挙げることができる。本発明の不揮発性記憶装置では、フローティングゲート電極の下の絶縁層として、部分的に膜厚の小さい箇所を有する絶縁層を用いている。よって、絶縁層の膜厚が小さい部分では、フローティングゲート電極と半導体層との間の電界が大きくなる。そのため、FNトンネル電流が流れやすくなる。その結果、書き込みおよび消去特性が向上した不揮発性記憶装置を提供することができる。
なお、本発明において、特定のA層の上方に設けられたB層というとき、A層の上に直接B層が設けられている場合と、A層の上に他の層を介してB層が設けられている場合とを含む。
本発明は、さらに、下記の態様をとることができる。
本発明の不揮発性記憶装置において、前記第1領域の形状が櫛状であることができる。
また、本発明の不揮発性記憶装置において、前記櫛状の形状は、枝部を含み、前記枝部の上方に前記フローティングゲート電極が形成されていることができる。
本発明の不揮発性記憶装置において、前記第1の領域の半導体層には、第2のトレンチと、該第2のトレンチに形成された埋め込み絶縁層と、が設けられ、
前記第2のトレンチおよび前記埋め込み絶縁層は、前記フローティングゲート電極の下方に位置し、
前記埋め込み絶縁層と前記第1の領域の前記半導体層との境界部である第2の境界部分の上方に設けられた前記絶縁層の膜厚は、該第2の境界部分以外の上方および前記第1の境界部分以外の上方に設けられている前記絶縁層の膜厚と比して小さいものであることができる。
前記第2のトレンチおよび前記埋め込み絶縁層は、前記フローティングゲート電極の下方に位置し、
前記埋め込み絶縁層と前記第1の領域の前記半導体層との境界部である第2の境界部分の上方に設けられた前記絶縁層の膜厚は、該第2の境界部分以外の上方および前記第1の境界部分以外の上方に設けられている前記絶縁層の膜厚と比して小さいものであることができる。
この態様によれば、第1領域の半導体層には、埋め込み絶縁層が設けられている。つまり、絶縁層は、埋め込み絶縁層と、半導体層との上方に設けられていることになる。埋め込み絶縁層と半導体層との境界部分に設けられた絶縁層は、境界部以外の上に設けられる絶縁層と比して膜厚が小さいものとなる。そのため、膜厚が小さい箇所では、FNトンネル電流が流れやすくなり、書き込みや消去などの動作特性が向上した不揮発性記憶装置を提供することができる。
本発明の不揮発性記憶装置において、前記埋め込み絶縁層は、複数配置されていることができる。この態様によれば、埋め込み絶縁層が複数配置されていることにより、フローティングゲート電極の下方において埋め込み絶縁層と半導体層との境界部分の占める割合を増加させることができる。そのため、フローティングゲート電極の下方に設けられる絶縁層において膜厚が小さい部分の割合を増加させることができ、トンネル電流を大きくすることができる。その結果、書き込みや消去などの動作特性が向上した不揮発性記憶装置を提供することができる。
本発明の不揮発性記憶装置において、前記埋め込み絶縁層は、島状に配置されていることができる。この態様によれば、埋め込み絶縁層は、第1領域の半導体層において、フローティングゲート電極と重なる領域中に平面視をしたとき島状の形状を有するように設けられている。そのため、埋め込み絶縁層と半導体層との境界部の割合をより多く設けることができる。その結果、絶縁層の膜厚が小さい部分の割合が増加し、FNトンネル電流を大きくすることができ、動作特性が向上した不揮発性記憶装置を提供することができる。
本発明の不揮発性記憶装置において、さらに、前記半導体層に形成された第2の分離絶縁層により画定された第2の領域と、
前記第2の領域の前記半導体層に設けられた不純物領域と、を含み、
前記不純物領域は前記コントロールゲートの役割を果たし、
前記フローティングゲート電極は、前記第1の領域および前記第2の領域の前記半導体層の上方に亘って設けられていることができる。この態様によれば、半導体層内に設けられ、コントロールゲートの役割を果たす不純物領域と、その半導体層の上に設けられたフローティングゲート電極とからなるいわゆる一層ゲート型の不揮発性記憶装置であって、書き込みや消去などの動作特性の向上した不発性記憶装置を提供することができる。
前記第2の領域の前記半導体層に設けられた不純物領域と、を含み、
前記不純物領域は前記コントロールゲートの役割を果たし、
前記フローティングゲート電極は、前記第1の領域および前記第2の領域の前記半導体層の上方に亘って設けられていることができる。この態様によれば、半導体層内に設けられ、コントロールゲートの役割を果たす不純物領域と、その半導体層の上に設けられたフローティングゲート電極とからなるいわゆる一層ゲート型の不揮発性記憶装置であって、書き込みや消去などの動作特性の向上した不発性記憶装置を提供することができる。
本発明の不揮発性記憶装置において、前記コントロールゲートは、前記フローティングゲート電極の上に設けられていることができる。
1.デバイス
(第1の実施の形態)
次に、本発明の第1の実施の形態について図1〜4を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態の説明では、不揮発性記憶装置として、いわゆる「一層ゲート型の不揮発性記憶装置」を例として説明する。
(第1の実施の形態)
次に、本発明の第1の実施の形態について図1〜4を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態の説明では、不揮発性記憶装置として、いわゆる「一層ゲート型の不揮発性記憶装置」を例として説明する。
まず、第1の実施の形態の不揮発性記憶装置の全体的な構造について図1〜3を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態の不揮発性記憶装置C100を示す斜視図であり、図2は、不揮発性記憶装置C100のフローティングゲート電極32と、各種不純物領域の配置を示す平面図であり、図3(A)は、図2のA−A線に沿った断面図である。図3(B)は、図2のB−B線に沿った断面である。図3(C)は、図2のC−C線に沿った断面図である。なお、図1のX−X線は、図2のX−X線と対応している。
図1に示すように、本実施の形態の不揮発性記憶装置は、P型の半導体層10に設けられている。半導体層10は、分離絶縁層20により、第1領域10Aと、第2領域10Bと、第3領域10Cとに分離画定されている。分離絶縁層20は、トレンチ20aに絶縁層が埋め込まれたものである。第1領域10Aおよび第2領域10Bは、P型のウエル12に設けられている。第3領域10Cは、N型のウエル14に設けられている。第1領域10Aはコントロールゲート部であり、第2領域10Bは書き込み部であり、第3領域10Cは消去部である。
図2に示すように、第1領域10A〜第3領域10Cの半導体層10の上には、絶縁層30が設けられている。絶縁層30の上には、第1〜第3領域10A〜Cにわたって設けられたフローティングゲート電極32が設けられている。第1領域10Aでは、図4、5に示すように、フローティングゲート電極32を挟むように、N型の不純物領域35が設けられている。第2領域10Bでは、フローティングゲート電極32を挟むように、N型の不純物領域36が設けられている。第3領域10Cでは、フローティングゲート電極32を挟むように、P型の不純物領域38が設けられている。
次に、各領域の断面構造について図3(A)〜(C)を参照しつつ説明する。
図3(A)に示すように、第1領域10Aでは、P型の半導体層10の上に設けられた絶縁層30と、絶縁層30の上に設けられたフローティングゲート電極32と、フローティングゲート電極32下の半導体10に設けられたN型の不純物領域42と、フローティングゲート電極32の側方の半導体層10で、不純物領域42に隣接して設けられたN型の不純物領域35と、を有する。N型の不純物領域42は、コントロールゲートの役割を果たし、不純物領域35は、コントロールゲート線と電気的に接続され、コントロールゲートに電圧を印加するためのコンタクト部となる。
図3(B)に示すように、第2領域10Bには、書き込みを行うためのNチャネル型トランジスタ100Bが設けられている。Nチャネル型トランジスタ100Bは、P型の半導体層10の上に設けられた絶縁層30と、絶縁層30の上に設けられたフローティングゲート電極32と、P型のウエル12に設けられた不純物領域36とを有する。不純物領域36は、ソース領域またはドレイン領域となる。本実施の形態の不揮発性記憶装置では、第2領域10BのNチャネル型トランジスタ100Bにおいて、CHEにより、フローティングゲート電極32に電子を注入することで書き込みが行われる。
図3(C)に示すように、第3領域10Cには、Pチャネル型トランジスタ100Cが設けられている。Pチャネル型トランジスタ100Cは、N型のウエル14の上に設けられた絶縁層30と、絶縁層30の上に設けられたフローティングゲート電極32と、N型のウエル14に設けられた不純物領域38とを有する。不純物領域38は、ソース領域またはドレイン領域となる。本実施の形態の不揮発性記憶装置では、消去領域である第3領域10CのPチャネル型MOSトランジスタ100CにFNトンネル電流を流すことにより、フローティングゲート電極32に注入された電子を抜き取り、消去が行われる。
次に、図4を参照しつつ、FNトンネル電流を利用して消去を行う第3領域10Cについて、さらに説明する。図4(A)は、図2のD−D線に沿った断面を模式的に示す図であり、図4(B)は、(A)のA部を拡大して示す図である。図4に示すように、第3領域10Cは分離絶縁層20によりその領域が画定されている。半導体層10には、N型のウエル14が設けられている。N型のウエル14の上に、絶縁層30を介してフローティングゲート電極32が設けられている。図4(A),(B)に示されるように、絶縁層30は、半導体層10と分離絶縁層20との境界部分の半導体層10上に設けられているか否かによりその膜厚が異なる。具体的には、図4(B)に示すように、境界部分の半導体層10の上の絶縁層30の膜厚bは、境界部分以外の絶縁層30の膜厚aと比して小さいものとなっている。つまり、フローティングゲート電極32は、部分的に膜厚が小さい領域を有する絶縁層30上に設けられていることになる。
本実施の形態にかかる不揮発性記憶装置C100によれば、フローティングゲート電極32に電子を注入することにより書き込みが行われ、注入された電子を放出することで消去が行われる。電子の注入や消去は、FNトンネル電流により行われる。この場合、不揮発性記憶装置の書き込みや消去などの動作特性を向上する手段の一つとして、FNトンネル電流を大きくすることを挙げることができる。本実施の形態の不揮発性記憶装置C100では、フローティングゲート電極32の下の絶縁層(トンネル絶縁層)として、部分的に膜厚の小さい箇所を有する絶縁層30を用いている。よって、絶縁層30の膜厚が小さい部分では、フローティングゲート電極32と半導体層10との間の電界が大きくなる。そのため、FNトンネル電流が流れやすくなる。その結果、書き込みおよび消去特性が向上した不揮発性記憶装置C100を提供することができる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、第1の実施の形態の不揮発性記憶装置と比して、第3領域10Cの構造が異なる例である。図5は、第2の実施の形態の不揮発性記憶装置の第3領域10Cを示す平面図であり、図6は、図5のI−I線に沿った断面図である。なお、図5では、第3領域10Cの半導体層10と、フローティングゲート電極32の位置関係を示す図であり、フローティングゲート電極32を、破線で示した図である。
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、第1の実施の形態の不揮発性記憶装置と比して、第3領域10Cの構造が異なる例である。図5は、第2の実施の形態の不揮発性記憶装置の第3領域10Cを示す平面図であり、図6は、図5のI−I線に沿った断面図である。なお、図5では、第3領域10Cの半導体層10と、フローティングゲート電極32の位置関係を示す図であり、フローティングゲート電極32を、破線で示した図である。
図5に示すように、第3領域10Cは、分離絶縁層20により領域が画定されており、さらに、画定された領域中に埋め込み絶縁層22が設けられている。この埋め込み絶縁層22は、トレンチ22aに絶縁層が埋め込まれて形成されたものである。本実施の形態では、平面視したときに半導体層10が櫛形の形状である場合を例示する。くし状の半導体層10のうち分岐している枝部は、フローティングゲート電極32の長さ方向と交差する方向に伸びている。半導体層10には、フローティングゲート電極32を挟むように、不純物領域38が設けられている。
図6に示すように、半導体層10に設けられた分離絶縁層20により、第3領域10Cが画定されている。さらに、第3領域10Cの半導体層10中には、埋め込み絶縁層22が設けられている。半導体層10の上に絶縁層30が設けられ、絶縁層30の上にフローティングゲート電極32が設けられている。半導体層10と埋め込み絶縁層22の境界部分において設けられる絶縁層30は、境界部分以外の半導体層10の上に設けられた絶縁層30と比して膜厚が小さい。つまり、第3領域10Cの絶縁層30は、部分的に膜厚の小さい領域を有している。
本実施の形態の不揮発性記憶装置によれば、第3領域10Cにおいて、絶縁層30は、埋め込み絶縁層22と、半導体層10との上方に設けられていることになる。つまり、本実施の形態では、第3領域10Cは、領域を画定する分離絶縁層20と半導体層10との境界部分と、埋め込み絶縁層22と半導体層10との境界部分とを有することになる。埋め込み絶縁層22と半導体層10との境界部分に設けられる絶縁層30は、境界部分以外の上に設けられる絶縁層30と比して膜厚が小さいため、絶縁層30の膜厚が小さい領域を増加させることができる。その結果、FNトンネル電流をより大きくすることができ、書き込みや消去などの動作特性のさらなる向上が図られた不揮発性記憶装置を提供することができる。
なお、図5,6には、半導体層10の形状として分岐している枝部が複数ある場合を例示したが、少なくとも2つの分岐部を有する態様であれば、本実施の形態の効果を有する。また、半導体層10の形状は、図5に示すくし状の形状の限定されることはない。第3領域10Cの半導体層10のうちフローティングゲート電極32と重なる領域の半導体層10が、フローティングゲート電極の長さ方向と交差方向に分離されるよう、埋め込み絶縁層22が設けられていればよい。
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、第1の実施の形態の不揮発性記憶装置と比して、第3領域10Cの構造が異なる例である。図7は、第2の実施の形態の不揮発性記憶装置の第3領域10Cを示す平面図であり、図7では、第3領域10Cの半導体層10と、フローティングゲート電極32の位置関係を示す図であり、フローティングゲート電極32を、破線で示した図である。
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、第1の実施の形態の不揮発性記憶装置と比して、第3領域10Cの構造が異なる例である。図7は、第2の実施の形態の不揮発性記憶装置の第3領域10Cを示す平面図であり、図7では、第3領域10Cの半導体層10と、フローティングゲート電極32の位置関係を示す図であり、フローティングゲート電極32を、破線で示した図である。
図7に示すように、第3領域10Cの半導体層10のうちフローティングゲート電極32をその上方に有する領域中に、独立した埋め込み絶縁層24を有する。埋め込み絶縁層24は、トレンチ24aに絶縁層が埋め込まれて形成されたものである。フローティングゲート電極32を挟むように、不純物領域38が設けられている。
また、図7のII−II線に沿った模式的な断面図を、図8に示す。図8に示すように、半導体層10に設けられた分離絶縁層20により、第3領域10Cが画定されている。さらに、第3領域10Cの半導体層10中には、埋め込み絶縁層24が設けられている。半導体層10の上に絶縁層30が設けられ、絶縁層30の上にフローティングゲート電極32が設けられている。半導体層10と埋め込み絶縁層24の境界部分において半導体層10の上に設けられる絶縁層30は、境界部分以外に設けられた絶縁層30と比して膜厚が小さい。つまり、第3領域10Cの絶縁層30は、部分的に膜厚の小さい領域を有している。
本実施の形態の不揮発性記憶装置によれば、埋め込み絶縁層24は、第3領域10Cの半導体層10において、フローティングゲート電極32と重なる領域中に平面視をしたとき島状の形状を有するように設けられている。そのため、埋め込み絶縁層24と半導体層10との境界部分の面積の比率をより多くすることができる。その結果、絶縁層の膜厚が小さい部分の割合が増加し、FNトンネル電流を大きくすることができ、動作特性が向上した不揮発性記憶装置を提供することができる。
なお、図7には、独立した埋め込み絶縁層24を複数配置した場合を例示したが、少なくとも1つの埋め込み絶縁層24が設けられている場合でも同様の効果を有する。設けられていればよい。
2.製造方法
次に、上述の実施の形態の不揮発性記憶装置の製造方法について説明する。以下の製造方法の説明では、第1の実施の形態にかかる不揮発性記憶装置について説明をした後に、
第2および第3の実施の形態の不揮発性記憶装置の製造方法で異なる点について説明する。
次に、上述の実施の形態の不揮発性記憶装置の製造方法について説明する。以下の製造方法の説明では、第1の実施の形態にかかる不揮発性記憶装置について説明をした後に、
第2および第3の実施の形態の不揮発性記憶装置の製造方法で異なる点について説明する。
(1)まず、図9に示すように、半導体層10の所定の領域に分離絶縁層20を形成する。本実施の形態の半導体装置では、P型の半導体層10を用いる。分離絶縁層20の形成は、公知のSTI法により行われる。分離絶縁層20により、第1領域10Aおよび第2領域10B、第3領域10Cに分離される。
この分離絶縁層20の形成方法について、図10〜12を参照しながらさらに説明する。図10〜12は、図9のIII−III線に沿った断面図である。まず、図10に示すように、半導体層10の上にパッド酸化膜40を形成する。その後、パッド酸化膜40の上にCMPストッパ層の役割を果たす窒化シリコン膜42を形成する。ついで、分離絶縁層20が形成される領域の上方に開口を有するマスク層M1を形成する。マスク層M1としては、たとえば、レジスト層などが用いられる。
次に、図11に示すように、マスク層M1(図10参照)をマスクとして、パッド酸化膜40および窒化シリコン膜42を除去し、その後、半導体層10を除去し、トレンチ20aを形成する。ついで、マスク層M1を除去する。
次に、図12に示すように、トレンチ20aに絶縁層を埋め込み、分離絶縁層20を形成する。この分離絶縁層20の形成では、まず、半導体層10の上方に絶縁層(図示せず)を形成し、窒化シリコン膜42が露出するまで絶縁層を除去する。絶縁層の除去は、たとえば、CMP法により行うことができる。その後、窒化シリコン膜42を選択的に除去する。窒化シリコン膜42の除去は、たとえば、熱リン酸を用いたウェットエッチングにより行うことができる。ついで、図12に示すように、絶縁層のうち、半導体層10の表面から露出している部分(図示せず)を除去する。以上の工程により、分離絶縁層20が形成される。
ついで、図12に示すように、第1領域10Aおよび第2領域10BにP型のウエル12を、第3領域10Cに、N型のウエル14を形成する。P型のウエル12の形成では、第3領域10Cを覆うマスク層(図示せず)を形成した後、P型の不純物を導入することで行われる。N型のウエル14の形成は、第1領域10Aおよび第2領域10Bを覆うマスク層(図示せず)を形成した後、N型の不純物を導入することにより行われる。P型のウエル12とN型のウエル14の形成の順番は特に限定されず、いずれを先に形成してもよい。
次に、第1領域10Aに、コントロールゲートの役割を果たすN型の不純物領域42を形成する。N型の不純物領域42の形成では、第1領域10Aの半導体層の上方に開口を有するマスク層を形成した後、公知の技術によりN型の不純物を導入することで行われる。
(2)次に、第1領域10A、第2領域10Bおよび第3領域10Cの半導体層10の上に絶縁層30を形成する。この絶縁層30の形成では、まず、清浄な半導体層表面に絶縁層30を形成するために、ライトエッチングが行われる。ライトエッチングは、たとえば、希フッ酸などを用いたウェットエッチングにより行うことができる。このライトエッチングにより、図13に示すように、分離絶縁層20の最上層が除去されることとなり、分離絶縁層20と半導体層10との境界部分では、半導体層10の上端が露出する。
次に、図14に示すように、半導体層10の表面に、絶縁層30を形成する。絶縁層30の形成は、たとえば、熱酸化法により形成することができる絶縁層30の形成では、半導体層10の上と、先の工程で分離絶縁層20の一部が除去されて露出することとなった半導体層10の側面上とに絶縁層30が形成される。半導体層10の上面と側面とでは、半導体層10の面方位が異なるために、熱酸化の際の絶縁層の成膜速度が異なる。そのため、半導体層10の側面上に形成された絶縁層30の膜厚は、半導体層10の上面上に形成された絶縁層30の膜厚と比して小さくなる。
(3)ついで、図15に示すように、絶縁層30の上に、フローティングゲート電極32を形成する。フローティングゲート電極32は、半導体層10の上方に、たとえば、ポリシリコン層からなる導電層(図示せず)を形成し、この導電層をパターニングすることで形成される。
次に、図15に示すように、フローティングゲート電極32をマスクとして、それぞれの領域に所定の導電型の不純物領域の形成を行う。第1領域10Aおよび第2領域10Bでは、N型の不純物領域35,36が形成され、第3領域10Cでは、P型の不純物領域38が形成される。まず、N型の不純物領域35,36の形成では、第3領域10Cを覆うようにレジスト層などのマスク層を形成し、フローティングゲート電極32をマスクとして、N型の不純物を導入することで形成される。ついで、P型の不純物領域38の形成では、第1および第2領域10A,Bを覆うようにレジスト層などのマスク層を形成し、フローティングゲート電極32をマスクとして、P型の不純物を導入することで形成される。
以上の工程により、第1の実施の形態にかかる不揮発性記憶装置を製造することができる。
次に、第2の実施の形態にかかる不揮発性記憶装置の製造方法について、第1の実施の形態と異なる製造工程について説明する。第2の実施の形態にかかる不揮発性記憶装置の製造方法では、分離絶縁層20の形成工程が第1の実施の形態とは異なる。図5,6に参照されるように、第2の実施の形態の不揮発性記憶装置では、第3領域10C中に、埋め込み絶縁層22が設けられている。埋め込み絶縁層22の形成は、分離絶縁層20の形成と同一の工程で行われることができる。具体的には、第1の実施の形態にかかる不揮発性記憶装置の製造工程(1)において用いるマスク層M1のパターンを変更する。つまり、分離絶縁層20が形成される領域の上方と、埋め込み絶縁層22を形成する領域の上方とに開口を有するマスク層を用いて行えばよい。これにより、図5,6に参照されるように、第3領域10Cに複数の埋め込み絶縁層22が形成された不揮発性記憶装置を提供することができる。
また、第3の実施の形態にかかる不揮発性記憶装置の製造方法についても、第2の実施の形態にかかる不揮発性記憶装置の製造方法と同様で、マスク層M1のパターンを適宜変更することにより、図7,8に示すように、埋め込み絶縁層24を形成することができる。
以上の工程により、本実施の形態にかかる不揮発性記憶装置を製造することができる。上述の工程からもわかるように、この一層ゲート型の不揮発性記憶装置は、CMOSトランジスタの製造プロセスと同様の工程で製造することができる。そのため、安価なコストで製造することができ、また、他のMOSトランジスタとの混載を図ることができるという利点がある。特に、他のMOSトランジスタとの混載を図る場合には、次のような利点がある。絶縁層30の膜厚は、混載されるMOSトランジスタの特性により決定されることとなる。そのため、高耐圧化が図られたMOSトランジスタと混載する場合には、絶縁層30の膜厚は、不揮発性記憶装置の機能を果たすのに適した膜厚より大きいものとなることがある。そのような場合でも、本発明を適用することにより、部分的に絶縁層30の膜厚が小さい不揮発性記憶装置を得ることができる。その結果、混載されるデバイスの影響を受けることなく、特性の良好な不揮発性記憶装置を提供することができる。
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されることなく、本発明の要旨の範囲内で変形することができる。たとえば、本実施の形態の不揮発性記憶装置では、一層ゲート型の不揮発性記憶装置のうち、とくに、フローティングゲート電極32の直下に設けられた不純物領域42がコントロールゲートの役割を果たす場合を例として説明したが、これに限定されることはない。一層ゲート型の不揮発性記憶装置の他の例としては、第1領域10AにN型のウエルを設け、そのウエル全体がコントロールゲートの役割を果たす構造を有するものを挙げることができる。
また、本実施の形態の一層ゲート型の不揮発性記憶装置では、書き込みをCHEにより行い、消去をFNトンネル電流により行う場合を例として説明している。しかし、これに限定されることなく、書き込みをFNトンネル電流で行なうこともでき、その場合には、第2領域10Cの半導体層10中に埋め込み絶縁層22や島状の埋め込み絶縁層24を設けてもよい。また、本実施の形態では、書き込みと消去とを異なるMOSトランジスタで行う場合を例として説明している。しかし、これに限定されることなく、書き込みと消去を同一のMOSトランジスタで行なう構造の不揮発性記憶装置に適用することもできる。
また、一層ゲート型の不揮発性記憶装置を例として説明したが、これに限定されることなる、FNトンネル電流を用いて動作する不揮発性記憶装置であれば、適用することができる。この場合、絶縁層30を局所的に薄膜化することで、絶縁層を全体的に薄膜化することによる耐性の劣化を抑制しつつ、動作特性の向上を図ることができる。
10 半導体層、10A 第1領域、 10B 第2領域、 10C 第3領域 12 P型のウエル、 14 N型のウエル、 20 分離絶縁層、20a,22a,24a トレンチ、 22,24 埋め込み絶縁層、 30 絶縁層、 32 フローティングゲート電極、 34,36,38,42 不純物領域、 C100 不揮発性記憶装置、 100B Nチャネル型MOSトランジスタ、 100C Pチャネル型MOSトランジスタ
Claims (9)
- 半導体層と、
前記半導体層に形成された第1のトレンチと、
前記第1のトレンチに形成された第1の分離絶縁層と、
前記第1の分離絶縁層により画定された第1の領域と、
少なくとも前記第1の領域の前記半導体層の上方に設けられた絶縁層と、
前記絶縁層の上方に設けられたフローティングゲート電極と、
前記フローティングゲート電極に印加する電圧を制御するコントロールゲートと、を含み、
前記第1の分離絶縁層と前記第1の領域の前記半導体層との境界部である第1の境界部分の上方に設けられた前記絶縁層の膜厚は、該第1の境界部分の上方以外に設けられている前記絶縁層の膜厚と比して小さい、不揮発性記憶装置。 - 請求項1において、
前記第1領域の形状が櫛状である、不揮発性記憶装置。 - 請求項2において、
前記櫛状の形状は、枝部を含み、
前記枝部の上方に前記フローティングゲート電極が形成されている、不揮発性記憶装置。 - 請求項3において、
前記枝部は、複数設けられている、不揮発性記憶装置。 - 請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記第1の領域の半導体層には、第2のトレンチと、該第2のトレンチに形成された埋め込み絶縁層と、が設けられ、
前記第2のトレンチおよび前記埋め込み絶縁層は、前記フローティングゲート電極の下方に位置し、
前記埋め込み絶縁層と前記第1の領域の前記半導体層との境界部である第2の境界部分の上方に設けられた前記絶縁層の膜厚は、該第2の境界部分以外の上方および前記第1の境界部分以外の上方に設けられている前記絶縁層の膜厚と比して小さい、不揮発性記憶装置。 - 請求項5において、
前記埋め込み絶縁層は、複数配置されている、不揮発性記憶装置。 - 請求項5または6において、
前記埋め込み絶縁層は、島状に配置されている、不揮発性記憶装置。 - 請求項1〜7のいずれかにおいて、
さらに、前記半導体層に形成された第2の分離絶縁層により画定された第2の領域と、
前記第2の領域の前記半導体層に設けられた不純物領域と、を含み、
前記不純物領域は前記コントロールゲートの役割を果たし、
前記フローティングゲート電極は、前記第1の領域および前記第2の領域の前記半導体層の上方に亘って設けられている、不揮発性記憶装置。 - 請求項1〜7のいずれかにおいて、
前記コントロールゲートは、前記フローティングゲート電極の上に設けられている、不揮発性記憶装置。
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---|---|---|---|
JP2004191519A JP2006013333A (ja) | 2004-06-29 | 2004-06-29 | 不揮発性記憶装置 |
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JP2020004959A (ja) * | 2018-06-27 | 2020-01-09 | 力旺電子股▲分▼有限公司 | 消去可能プログラマブル不揮発性メモリ |
-
2004
- 2004-06-29 JP JP2004191519A patent/JP2006013333A/ja not_active Withdrawn
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