JP2006010924A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料処理用固体処理剤及びそれを用いたハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料処理用固体処理剤及びそれを用いたハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高温及び高湿下での投入性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料処理用固体処理剤及びそれを用いたハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法を提供する。
【解決手段】 下記一般式(I)で表されるスルフィン酸誘導体と、下記一般式(A−1)〜(A−3)で表される化合物、ジクロロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸、1−ブロモ−3−クロロ−5,5′−ジメチルヒダントイン、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5′−ジメチルヒダントイン及び2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールから選ばれる少なくとも1種の化合物とを含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料処理用固体処理剤。
一般式(I) RSO2
【化1】
Figure 2006010924

【化2】
Figure 2006010924

【選択図】 なし

Description

本発明は、新規のハロゲン化銀カラー写真感光材料処理用の固体処理剤及びそれを用いたハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法に関する。
ハロゲン化銀カラー写真感光材料(以下、単に感光材料ともいう)は、露光を施した後、一般に、現像工程、脱銀工程、水洗及び/または安定化工程で処理される。近年、環境保全が重要視されており、市中の大型現像所(ラボともいう)での処理廃液量低減のため、様々な技術検討がなされている。中でも、水洗または安定化工程の廃液量が他の工程より著しく多いため、この工程の廃液量低減の技術開発が強く望まれている。
一方、近年、写真廃液の海洋投棄に関する規制やプラスチック材料の廃棄に対する規制が世界的に高まってきており、写真廃液を低減し、しかも液剤処理剤用ボトルを使用しない新しいシステムの開発が求められている。また、液体危険物の輸送に関する安全性確保のため、包装材料に対する安全規制が強化され、この結果、コストの上昇を招いている。また、最近急増しているミニラボ店においては、プリントの露光制御技術開発が進み、誰でもプリントできるシステムが導入されたため、現像処理作業の経験が浅い人が現像・プリント工程を携わる機会が増大している。しかしながら、自動現像機においては、補充液の溶解作業や処理液管理は相変らず難しく、処理剤を間違えて溶解し補充してしまうという極めて重大なミスが起こり易くなっており、この様な補充システムに対する苦情が多く出される様になってきた。従って、当写真業界においては、写真廃液がほとんどなく、処理剤用ボトルも使用せず、しかも溶解作業が全く不要となる固体処理剤を使用した補充システムの開発が強く求められている。
水洗水の補充量を低減する手段の1つとして、西独特許第2,920,222号明細書等には、水洗槽を多段構成して水を逆流させる方法が開示されている。また、水洗工程を省略し、実質的に水洗を行わないで安定化処理する方法が、例えば、特開昭57−8543号、同58−14834号、同58−134636号等に開示されている。しかし、上記提案されているいずれの方法においても、水洗水または安定化工程の補充量を低減すると、連続処理に伴い、複数からなる水洗または安定化工程の最終浴にバクテリアや黴の繁殖による液濁り及び浮遊物が発生し、感光材料を著しく汚染したり、フィルターの目詰まり等、実用上大きな問題が発生することが判明した。
上記課題に対し、バクテリア繁殖や黴の繁殖による液濁り及び浮遊物の発生を防止できる固体処理剤が開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。特許文献1、2に記載の方法では、確かにバクテリア繁殖や黴の繁殖による液濁り及び浮遊物の発生を防止でき、特に特許文献2に記載の方法では、固体処理剤の強度を最適化することで、粉塵の飛散を防止し、かつ溶解性も改良しているが、防黴剤や防バイ剤を含有する固体処理剤自体の反応性が高いため、高湿条件や高温条件下では含有成分が相互に反応しやすい特性にある。処理槽に固体処理剤を補充する自動現像機での処理形態では、自動現像機周辺では温度や湿度が高いため、この様な特性の固体処理剤では、固体処理剤の流動性が劣化し、包装材料から固体処理剤がスムーズに落下しないといった問題が起こり、固体処理剤を補充剤として補充できない問題が生じることが判明した。また、上記特許文献1、2には、特定の構造を有するスルフィン酸誘導体に関する記載は全くなく、また、特定の構造を有するスルフィン酸誘導体による長期保存を行った後の固体処理剤の投入性改良に関しての記述や示唆は一切見られない。
上述のような現像処理環境下での耐湿性や耐熱性を改良する方法の1つとして、特開平2−109042号、同2−109043号、同4−221951号には、各種の顆粒状処理剤をプラスチックとアルミの複合材等から構成された公知の防湿包装材料で密封包装して吸湿を防止する方法が開示されている。更に、特開平4−19655号、同4−230748号には、反応しやすい成分の間に双方にイナートな成分を層状に配置し、減圧下で防湿材料で包装して保存性を高める方法が開示され、また、特開平5−88302号、同5−100368号には、吸湿による錠剤状処理剤の変質を防止するため、水溶性ポリマーシートで包装した上に、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの防湿包装材料で外装する方法が開示されている。上記提案されている方法のいずれも、特定の構造からなる包装材料による固体処理剤の防湿性改善に関する提案であり、固体処理剤の投入性改良に関しての記述や示唆は一切見られない。
特開昭63−199357号公報 特開平6−347951号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、高温及び高湿下での投入性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料処理用固体処理剤及びそれを用いたハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
下記一般式(I)で表されるスルフィン酸誘導体と、下記一般式(A−1)〜(A−3)で表される化合物、ジクロロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸、1−ブロモ−3−クロロ−5,5′−ジメチルヒダントイン、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5′−ジメチルヒダントイン及び2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールから選ばれる少なくとも1種の化合物とを含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料処理用固体処理剤。
一般式(I)
RSO2
〔式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基またはアリール基を表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基または4級アミンを表す。〕
Figure 2006010924
〔式中、R1はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、カルボキシル基(その塩を含む)またはスルホ基(その塩を含む)を表す。R2及びR3はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基(その塩を含む)またはスルホ基(その塩を含む)を表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウム基を表す。〕
Figure 2006010924
〔式中、R4は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、−R12−OR13、−CONHR14(ここでR12はアルキレン基を表し、R13及びR14はそれぞれ水素原子、アルキル基またはアリールアルキル基を表す)またはアリールアルキル基を表し、R5及びR6はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基またはアルキル基を表し、R7は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、アリールアルキル基、−R15−OR16または−CONHR17(ここでR15はアルキレン基を表し、R16及びR17はともに水素原子またはアルキル基を表す)を表し、R8、R9、R10及びR11はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アミノ基またはニトロ基を表す。〕
(請求項2)
硫酸金属塩、下記一般式(B−1)で表される化合物、ポリビニルピロリドン及びデキストリンから選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料処理用固体処理剤。
Figure 2006010924
〔式中、A〜Fは、少なくとも1つがスルホン酸基、スルホン酸塩またはスルホン酸エステルであり、残りは水素原子、ハロゲン原子、または飽和あるいは不飽和のアルキル基を表す。〕
(請求項3)
下記一般式(D)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料処理用固体処理剤。
一般式(D)
R′−(O)xSO3M′
〔式中、R′はアルキル基を表し、xは0または1を表し、M′はカチオンを表す。〕
(請求項4)
ハロゲン化銀カラー写真感光材料を処理する処理槽に水を供給するための給水タンクを有する自動現像機を用い、該給水タンクに請求項1〜3のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料処理用固体処理剤を添加して処理することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
本発明によれば、高温及び高湿下での投入性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料処理用固体処理剤及びそれを用いたハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、前記一般式(I)で表されるスルフィン酸誘導体と、前記一般式(A−1)〜(A−3)、ジクロロイソシアヌル酸(塩を含む)、トリクロロイソシアヌル酸(塩を含む)、1−ブロモ−3−クロロ−5,5′−ジメチルヒダントイン、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5′−ジメチルヒダントイン及び2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールから選ばれる少なくとも1種の化合物とを含有するハロゲン化銀カラー写真感光材料処理用固体処理剤により、高温及び高湿環境下での投入性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料処理用固体処理剤を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料処理用固体処理剤(以下、単に固体処理剤ともいう)では、前記一般式(I)で表されるスルフィン酸誘導体を含有することを特徴の1つとする。
はじめに、本発明に係るスルフィン酸誘導体について説明する。
前記一般式(I)において、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基またはアリール基を表すが、Rがアルキル基である場合、炭素数1〜10が好ましく、より好ましくは1〜3のアルキル基である。また、シクロアルキル基の場合は炭素数6〜10が好ましく、炭素数6の場合が最も好ましい。アルケニル基およびアルキニル基の場合は炭素数3〜10が好ましく、より好ましくは炭素数3〜6である。アリール基の場合は炭素数6〜10が好ましく、炭素数6の場合が最も好ましい。これらの基は各種置換基によって置換されていても良く、好ましい置換基としては、ヒドロキシル基、アルキル基、アリール基、アミノ基、スルフォン酸基、カルボン酸基、ニトロ基、リン酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基、メルカプト基、シアノ基、アルキルチオ基、スルホニル基、カルバモイル基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、スルホニルオキシ基、ウレイド基及びチオウレイド基があげられる。また、これらの置換基が酸基である場合は、上記のMを伴う塩の場合を含んでいる。
以上のうち、好ましいRとしては、炭素数1〜3のアルキル基や、フェニル基である場合が好ましく、好ましい置換としては、アミノ基、カルボン酸基、ヒドロキシル基を挙げることができる。一般式(I)におけるMは、水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基または4級アミン基を表すが、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム基及びトリメチルアンモニウム基が好ましい。
前記一般式(I)で表されるスルフィン酸誘導体のなかで、本発明目的の効果が顕著なのは、Rがアリール基であるアリールスルフィン酸誘導体である。
以下に、本発明に係る一般式(I)で表されるスルフィン酸誘導体の具体的化合物を例示するが、一般式(I)で表されるスルフィン酸誘導体はこれらに限定されるものではない。また、下記例示化合物は、主にスルフィン酸基およびカルボン酸基が、酸またはナトリウム塩、カリウム塩の形で示してあるが、上記のMで示した他の塩であってもよい。
Figure 2006010924
Figure 2006010924
本発明に係る前記一般式(I)で表されるスルフィン酸誘導体は、スルホニルクロリド化合物の還元により合成する方法が一般的であり、還元剤としては亜鉛末、亜硫酸イオン、アルカリ金属硫化物等が用いられる。また、その他の方法も知られている。上記を含めて、一般式(I)で表されるスルフィン酸誘導体の一般的合成方法は、例えば、ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)、4508巻、69(1951)、オーガニック・シンセシス(Organic Synthesis),Collective Vol.I.492(1941)、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイアティ(J.Am.Chem.Soc.)、72巻、1215(1950)、ibid、50巻、792、274、(1928)等に示されている。
本発明に係る上記一般式(I)で表されるスルフィン酸誘導体の添加量は、任意であり特に制限はないが、好ましくは処理液1L当たり0.01mmol以上、1.0mmol以下であり、より好ましくは0.1mmol以上、0.5mmol以下である。また、本発明に係る上記一般式(I)で表されるスルフィン酸誘導体の固体処理剤中の含有量の好ましい範囲は、1〜50質量%である。
次いで、本発明に係る前記一般式(A−1)〜(A−3)で表される化合物について、説明する。
前記一般式(A−1)において、R1はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、カルボキシル基(その塩を含む)またはスルホ基(その塩を含む)を表す。R2及びR3はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基(その塩を含む)またはスルホ基(その塩を含む)を表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウム基を表す。
前記一般式(A−2)、一般式(A−3)において、R4は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、−R12−OR13、−CONHR14(ここでR12はアルキレン基を表し、R13及びR14はそれぞれ水素原子、アルキル基またはアリールアルキル基を表す)またはアリールアルキル基を表し、R5及びR6はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基またはアルキル基を表し、R7は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、アリールアルキル基、−R15−OR16または−CONHR17(ここでR15はアルキレン基を表し、R16及びR17はともに水素原子またはアルキル基を表す)を表し、R8、R9、R10及びR11はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アミノ基またはニトロ基を表す。
一般式(A−1)で表される化合物の具体例としては、下記の例示化合物が挙げられるが、本発明ではこれら例示した化合物に限定されるものではない。
Figure 2006010924
Figure 2006010924
また、上記一般式(A−1)で表される化合物は市販されているものもあり、Preventol(バイエル(株)製)、メチルパラペン(高砂香料(株)製)、PCMX(ナガセ化成工業(株)製)の商品名で入手することが可能である。
上記例示化合物のうち好ましい化合物としては(A−1−1)、(A−1−2)、(A−1−3)及び(A−1−13)が挙げられる。
次に、前記一般式(A−2)または(A−3)で表される化合物の具体的な化合物例を以下に記載するが、これらに限定されるものではない。
A−2−1:2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン
A−2−2:5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン
A−2−3:2−メチル−5−フェニル−4−イソチアゾリン−3−オン
A−2−4:4−ブロモ−5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン
A−2−5:2−ヒドロキシメチル−4−イソチアゾリン−3−オン
A−2−6:2−(2−エトキシエチル)−4−イソチアゾリン−3−オン
A−2−7:2−(N−メチル−カルバモイル)−4−イソチアゾリン−3−オン
A−2−8:5−ブロモメチル−2−(N−ジクロロフェニル−カルバモイル)−4−イソチアゾリン−3−オン
A−2−9:5−クロロ−2−(2−フェニルエチル)−4−イソチアゾリン−3−オン
A−2−10:4−メチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−イソチアゾリン−3−オン
A−2−11:2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン
A−3−1:1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン
A−3−2:2−(2−ブロモエチル)−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン
A−3−3:2−メチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン
A−3−4:2−エチル−5−ニトロ−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン
A−3−5:2−ベンジル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン
A−3−6:5−クロロ−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン
A−3−7:5−クロロ−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン
これら例示した化合物は、例えば、米国特許第2,767,172号明細書、米国特許第2,767,173号明細書、米国特許第2,767,174号明細書、米国特許第2,870,015号明細書、英国特許第848,130号明細書、フランス国特許第1,555,416号明細書等に記載の合成法に準じ得ることができる。又、前記一般式(A−2)または(A−3)で表される化合物は市販されているものもあり、例えば、トップサイド300(パーマケムアジア(株)製)、トップサイド600(パーマケムアジア(株)製)、ファインサイドJ−700(東京ファインケミカル(株)製)、Proxel GXL(I.C.I.(株)製)の商品名で入手することが可能である。
また、本発明に係る1−ブロモ−3−クロロ−5,5′−ジメチルヒダントイン、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5′−ジメチルヒダントインは市販されているものもあり、例えば、ダントプラムRW(ロンザジャパン(株)製)、グライダント(ロンザジャパン(株)製)の商品名で入手することが可能である。
また、本発明に係るジクロロイソシアヌル酸及びトリクロロイソシアヌル酸は、フリーの酸の他、ナトリウム、カリウム等の塩を用いることもできる。市販品としては、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、トリクロロイソシアヌル酸として入手可能である。
また、本発明に係る2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールも市販品として入手可能であり、例えば、プロノポール(ナガセ化成工業(株)製)の商品名で入手することができる。
上記一般式(A−1)〜(A−3)で表される化合物、1−ブロモ−3−クロロ−5,5′−ジメチルヒダントイン、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5′−ジメチルヒダントイン、ジクロロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸及び2−ブルモ−2−ニトロプロパンー1,3−ジオールで表される化合物は、処理液への添加量は任意であるが、処理液1リットル当たり0.005〜10gで用いることが好ましく、より好ましくは0.01〜5gである。上記の範囲で処理液中に添加することで、バクテリアや黴の繁殖を良好に抑制できるばかり、処理液での溶解性も良好である。これら化合物の固体処理剤中の含有率としては、好ましくは0.05〜10質量%の範囲である。前記範囲とすることにより、本発明の目的効果がより発揮される。また前記した化合物等は2種以上組み併用して使用してもよい。
また、本発明の固体処理剤においては、本発明の目的効果をより一層発揮させる観点や賦刑剤として働く点から、硫酸金属塩、前記一般式(B−1)、ポリビニルピロリドン、デキストリンから選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することが好ましい。
硫酸金属塩の具体的化合物としては、Ba、Ca、Ce、Co、In、La、Mn、Ni、Bi、Pb、Sn、Zn、Ti、Zr、Na、K、Mg、AlまたはSrとの金属塩が挙げられる。このなかで特に好ましいのはNaまたはKとの金属塩である。
次いで、前記一般式(B−1)で表される化合物について説明する。
前記一般式(B−1)において、A〜Fは、そのうちの少なくとも1つがスルホン酸基、スルホン酸塩またはスルホン酸エステルであり、残りは水素原子、ハロゲン原子、飽和あるいは不飽和のアルキル基のいずれかを表す。A〜Fを表す飽和あるいは不飽和のアルキル基としては炭素数が1〜10であることが好ましい。炭素鎖は直鎖状であっても側鎖を持つものであってもよい。
以下に、一般式(B−1)で表される化合物の具体的な化合物例を以下に記載するが、これらに限定されるものではない。なお、例示化合物はすべてNa(ナトリウム塩)で示したが、その一部又は全部が、スルホン酸又は他の塩であってもよい。
Figure 2006010924
次いで、本発明に係るポリビニルピロリドンについて説明する。
本発明で用いることのできるポリビニルピロリドンの具体的化合物としては、ポリビニルピロリドンK15(平均分子量10,000)、ポリビニルピロリドンK25(平均分子量35,000)、ポリビニルピロリドンK90(平均分子量36,000)等が挙げられる。市販品のポリビニルピロリドンとしては、コリドンK25(五協産業(株)、コリドンK90(五協産業(株))が挙げられる。
次いで、本発明に係るデキストリンについて説明する。
本発明で用いることのできるデキストリンとしては、シクロデキストリン等が挙げられ、市販品のデキストリン類としては塩水港精糖(株)社製のα−100H、β−100、γ−100、K−100、イソエリートP、イソエリートPH、メチル−β−CD、ヒドロキシプロピル−β−CD等が挙げられる。
前記の硫酸金属塩、一般式(B−1)で表される化合物、ポリビニルピロリドン及びデキストリンの固体処理剤中の含有量の好ましい範囲としては、1〜50質量%である。
次に、本発明の固体処理剤(固体処理剤組成物ともいう)について説明する。
本発明でいう固体処理剤とは、粉末、顆粒、及び錠剤などの塊状のものであって、2種類以上の成分から構成されるものを指す。なお、本発明でいう粉末とは、化合物結晶体の集合体を指し、顆粒とは、粉末に造粒形成を加えたもので、平均粒径100〜2,000μmのものをいい、好ましくは平均粒径100〜800μm、より好ましくは200〜700μmである。更に、粒度分布は、造粒物粒子の60%以上が±100〜150μmの偏差内にあるものが好ましい。また、錠剤とは、粉末または顆粒を一定の形状に圧縮成型したものを言う。また、これらの固体処理剤は、処理液に必要な成分を全て含有した1パート型でもよいし、複数のパートで構成したセパレート型でもよいが、溶解の簡便性と誤操作の防止の上から、1パート構成にすることが好ましい。
また、本発明の固体処理剤としては、造粒形成された顆粒剤であることが本発明の効果が発揮される点で好ましい。また顆粒を圧縮形成して得られる錠剤は1パート構成の利点を活かす上やユーザーの取扱い性から好ましい。この時の圧縮圧力としては、10〜150MPaが好ましく、特には、50〜100MPaの範囲が、錠剤の強度、溶解性の点から好ましい。好ましい錠剤の製造法としては粉末状の固体処理剤を造粒した後打錠工程を行い形成する方法である。単に固体処理剤成分を混合し打錠工程により形成された錠剤より溶解性や保存性が改良され、結果として写真性能も安定になるという利点がある。また、固体処理剤の形状としては、生産性、取扱い性の観点、またはユーザーサイドで使用する場合の粉塵の問題から錠剤が好ましい。
また、固体処理剤の嵩密度は、その溶解性の観点と、本発明の目的を達成する観点から、0.5〜6.0g/cm3のものが好ましく、特に1.0〜5.0g/cm3のものが好適に用いられる。
前記顆粒形成の造粒では、結合剤(バインダー)を用いることが好ましい。バインダーとは、粉体粒子同士の付着力を増すために添加する素材であり、添加方法としては造粒工程中において、造粒終点に到達する以前に添加する方法が好ましい。また、バインダーは固体、液状いずれのものを添加しても良い。バインダーとして使用される化合物としては、水、有機溶媒、水溶性ポリマーまたは糖類などが挙げられ、単独もしくは複数種併用しても良い。また、特に好ましいバインダーとしては、水または水溶性ポリマーである。
水溶性ポリマーとしては、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール、前記のポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール、ポリビニルアセテート、アミノアルキルメタクリレート共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、ベタイン構造を有するビニル重合体等が挙げられる。これらの中で特に好ましいのは、ポリエチレングリコールである。また、糖類としては、多糖類、二糖類、単糖類、糖アルコールが挙げられる。これらの中で好ましいのは、二糖類、単糖類、糖アルコールである。多糖類としてはプルラン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、でんぷん分解物等が挙げられる。また、単糖類としては、グルコース、ガラクトース、リボース等が、二糖類としてはマルトース、スクロース、ラクトース等が、糖アルコールとしては、トレイトール、エリスリトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、タリトール、ガラクチトール、アロズリシトール等が挙げられる。
なお、糖類の多くは天然に存在しており、市販品として簡単に入手できる。又、種々の誘導体についても還元、酸化あるいは脱水反応などを行うことによって容易に合成できる。また、でんぷん分解物は、市販品の松谷化学工業(株)社製のパインフロー、パインデックスシリーズ、フードテックス、マックス100、グリスターP、TK−16、MPD、H−PDX、スタコデックス、日本油脂(株)社製オイルQシリーズが挙げられる。
また、本発明の固体処理剤においては、本発明の効果をより一層発揮する点から、前記一般式(D)で表される化合物を含有することが好ましく、特に造粒形成した顆粒剤に添加するのが好ましい。
前記一般式(D)において、R′はアルキル基を表し、好ましくは直鎖のアルキル基であって、より好ましくは、炭素数が6〜8のアルキル基である。また、M′はカチオンを表し、M′で表されるカチオンとしては、好ましくは金属イオンまたは有機カチオンである。金属イオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等が挙げられ、有機カチオンとしては、例えば、アンモニウムイオン(例えば、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等の各イオン)、ホスホニウムイオン(例えば、テトラフェニルホスホニウムイオン等)、グアニジルイオン等が挙げられる。
以下、一般式(D)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
D−1:CH3(CH25SO3Na
D−2:CH3(CH26SO3Na
D−3:CH3(CH27SO3Na
D−4:CH3(CH25OSO3Na
D−5:CH3(CH26OSO3Na
D−6:CH3(CH27OSO3Na
また、本発明の固体処理剤の造粒において、連続的に造粒を行う場合は、下記一般式〔II〕で表される化合物を添加することが好ましい。
Figure 2006010924
上記一般式〔II〕において、R1はアルキル基またはアルケニル基を表し、R2は水素原子、アルキル基またはヒドロキシアルキル基を表し、R3及びR4は独立に水素原子、水酸基、アルキル基または−COOM4(M4は水素原子またはアルカリ金属原子を表す)を表し、Xは−CO−または−SO2−を表し、Yは−O−、−S−または−CONR5−(R5は水素原子、アルキル基またはヒドロキシアルキル基を表す)を表し、M3は水素原子またはアルカリ金属原子を表し、kは0または1、m1は0〜2の整数、n1は1〜3の整数を表す。
上記一般式〔II〕において、R1は好ましくは炭素数5〜20の直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基であり、R2は好ましくは水素原子、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐アルキル基またはヒドロキシアルキル基である。
以下に、一般式〔II〕で表される化合物の具体的例を以下に示す。
Figure 2006010924
Figure 2006010924
Figure 2006010924
Figure 2006010924
上記例示した化合物の他に、例えば、特開昭62−56961号第4〜6頁記載の例示化合物〔II〕−1〜〔II〕−55等も使用することができる。
上記一般式〔II〕で表される化合物は、公知化合物、または、市販されており通常ルートで入手が可能である。
本発明の固体処理剤において、前記造粒は転動造粒、押し出し造粒、圧縮造粒、解砕造粒、攪拌造粒、流動層造粒、噴霧乾燥造粒等公知の方法を用いることができる。錠剤形成のためには、得られた造粒物の平均粒径は造粒物を混合し、加圧圧縮する際、成分の不均一化、いわゆる偏析が起こりにくいという点で、100〜800μmのものを用いることが好ましく、より好ましくは200〜750μmである。さらに粒度分布は造粒物粒子の60%以上が±100〜150μmの偏差内にあるものが好ましい
前記錠剤の製造方法は、例えば、特開昭51−61837号、同54−155038号、同52−88025号等の各公報、英国特許1213808号明細書に記載される一般的な方法で製造でき、さらに顆粒処理剤は、例えば、特開平2−109042号、同2−109043号、同3−39735号及び同3−39739号等の各公報に記載される一般的な方法で製造できる。更にまた粉末処理剤は、例えば、特開昭54−133332号公報や、英国特許第725,892号、同第729,862号及びドイツ特許第3,733,861号等の各明細書に記載されるが如き一般的な方法で製造できる。
次に、本発明の固体処理剤における目的効果である、投入性について説明する。
本発明でいう投入性とは、粉末、顆粒または錠剤などの固体処理剤を、例えば、防湿包装材料等から処理槽中に供給する投入性のことであり、粉末または顆粒については、流動性との相関関係が有ることが判っている。一般には、流動性が劣化することにより、投入性も劣化傾向になる。
このため、本発明においては、固体処理剤の流動性を評価することで、投入性の評価を行った。粉末または顆粒の流動性の代表的な評価方法としては、例えば、スパチュラ角、安息角評価などがある。
通常、本発明に係る錠剤は、例えば、図1に示すような供給装置から投入される。
図1は、固体処理剤供給(投入)装置の一例を示す構成図である。
図1では、固体処理剤111は、複数の部屋に分割された容器(カートリッジ)101に収納され、スライド式のキャップ102によって密封されている。このカートリッジを自動現像機の処理槽上部に設置された固体処理剤自動供給装置のカートリッジ支持台103上にセットすると、キャップ102が開き、斜めに固定されたカートリッジから錠剤が、回転円筒104の切れ込み口105に転がり落ちる。この回転円筒104の切れ込み口105は、カートリッジ内の別の部屋に収納された錠剤が同時に複数転がり落ちないように互い違いに切れ込まれている。
本発明においては、錠剤投入性としては、カートリッジ等の容器に錠剤を入れ、徐々に傾け、その容器から転がり始めるときの角度(転がり性)を測定することで評価を行った。
また、本発明の固体処理剤に含有可能なその他の成分としては、鉄イオンに対するキレート安定度定数が8以上であるキレート剤を含有することが好ましい。ここにキレート安定度定数とは、L.G.Sillen・A.E.Martell 著、”Stability Constants of Metal−ion Complexes”,The Chemical Sociery, London(1964)、S.Chaberek.A.E.Martell 著、”Organic Sequestering Agents”,Willey(1959)等により一般に知られた定数を意味する。鉄イオンに対するキレート安定度定数が8以上であるキレート剤としては、有機カルボン酸キレート剤、有機リン酸キレート剤、無機リン酸キレート剤、ポリヒドロキシ化合物等が挙げられる。なお、上記鉄イオンとは、第2鉄イオン(Fe2+)を意味する。
第2鉄イオンとのキレート安定度定数が8以上であるキレート剤の具体的化合物例としては、下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
即ち、エチレンジアミンジオルトヒドロキシフェニル酢酸、ジアミノプロパン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン二プロピオン酸、イミノ二酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ジアミノプロパノール四酢酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸、ニトリロトリメチレンホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、1,1−ジホスホノエタン−2−カルボン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシ−1−ホスホノプロパン−1,2,3−トリカルボン酸、カテコール−3,5−ジホスホン酸、ピロリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムが挙げられ、特に好ましくはジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロトリメチレンホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸等が挙げられる。また、亜硫酸塩を含有させても良く、亜硫酸イオンを放出するものであれば、有機物、無機物を問わずいかなるものでも良いが、好ましくは無機塩である。好ましい具体的化合物としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸アンモニウム等が挙げられる。その他には、ハロゲン化物、水酸化物または緩衝剤である炭酸塩、硼酸塩、酢酸塩、リン酸塩等を含有しても良い。炭酸塩の具体的化合物としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸水素カリウムまたは重炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。蛍光増白剤も含有させることができる。蛍光増白剤としては、ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンスルホン酸化合物が好ましい。ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンスルホン酸化合物としては、公知もしくは市販の物を用いることができる。公知のビス(トリアジニルアミノ)スチルベンスルホン酸化合物としては、例えば、特開平6−329936号、同7−140625号、同10−140849号などの公報に記載の化合物が好ましい。市販の化合物としては、例えば、「染色ノート」第9版(色染社),165〜168頁に記載の化合物が挙げられる。また、その他のビス(トリアジニルアミノ)スチルベンスルホン酸化合物としては特開2001−281823号公報の段落番号〔0038〕〜同〔0049〕に記載の化合物I−1〜I−48及び特開2001−281823号公報の段落番号〔0050〕〜同〔0052〕に記載の化合物II−1〜II−16を挙げることもできる。上記した蛍光増白剤としては、処理液に少なくとも1リットルあたり0.05mmol〜0.1molとなる添加量範囲で固体処理剤中に含有されることが、処理後の感光材料の白地性の観点から好ましい。
本発明の固体処理剤は、貯蔵、輸送、及び取扱い中において、高湿度、雨、及び霧のような大気中の湿気、及び水はねまたは濡れた手による水との突発的な接触の損害から防ぐため、防湿包装材で包装されていることが好ましく、該防湿包装材としては、膜厚が10〜150μmのフィルムが好ましく、防湿包装材がポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィンフィルム、ポリエチレンで耐湿効果を持ち得るクラフト紙、ロウ紙、耐湿性セロファン、グラシン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリカーボネート、アクリロニトリル系及びアルミニウムの如き金属箔、金属化ポリマーフィルムから選ばれる少なくとも一つであることが好ましく、また、これらを用いた複合材料であってもよい。
本発明の固体処理剤の防湿包装として用いる合成樹脂材質としては、ポリエチレン(高圧法、低圧法どちらでもよい)、ポリプロピレン(無延伸、延伸どちらでもよい)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ナイロン(延伸、無延伸)、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ビニロン、エバール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、その他のポリエステル、塩酸ゴム、アクリロニトリルブタジエン共重合体、エポキシ−リン酸系樹脂(例えば、特開昭63−63037号に記載のポリマー、特開昭57−32952号記載のポリマー)の何であってもよく、またはパルプでも良い。
これらは、通常、そのフィルムを積層接着するが、塗布層としてもよい。更には、例えば、上記の合成樹脂フィルムの間にアルミ箔またはアルミ蒸着合成樹脂を使用するなど、各種ガスバリアー膜を用いることがより好ましい。また、これらの積層膜の合計の酸素透過率は50ml/m2・24hr・atm以下(20℃、65%RHで)、より好ましくは30ml/m2・24hr・atm以下であることが好ましい。これらの積層膜の膜厚の合計は、1〜2000μm、より好ましくは10〜1000μm、さらに好ましくは50〜1000μmであることが好ましい。
以上の合成樹脂フィルムは、1層の(高分子)樹脂膜であってもよいし、2以上の積層(高分子)樹脂膜であってもよい。
本発明において好ましい1層の高分子樹脂膜としては、例えば、
(1)厚さ0.1mm以上のポリエチレンテレフタレート(PET)
(2)厚さ0.3mm以上のアクリロニトリルブタジエン共重合体
(3)厚さ0.1mm以上の塩酸ゴム等が挙げられ、中でもポリエチレンテレフタレートは耐アルカリ性、耐酸性の点でも優れているため、本発明に好適に用い得る。
次に、本発明において好ましい積層の高分子樹脂膜としては、例えば、
(4)PET/ポリビニルアルコール・エチレン共重合体(エバール)/ポリエチレン(PE)
(5)延伸ポリプロピレン(OPP)/エバール/PE
(6)未延伸ポリプロピレン(CPP)/エバール/PE
(7)ナイロン(N)/アルミ箔(Al)/PE
(8)PET/Al/PE
(9)セロファン/PE/Al/PE
(10)Al/紙/PE
(11)PET/PE/Al/PE
(12)N/PE/Al/PE
(13)紙/PE/Al/PE
(14)PET/Al/PET/ポリプロピレン(PP)
(15)PET/Al/PET/高密度ポリエチレン(HDPE)
(16)PET/Al/PE/低密度ポリエチレン(LDPE)
(17)エバール/PP
(18)PET/Al/PP
(19)紙/Al/PE
(20)PE/PVDCコートナイロン/PE/エチルビニルアセテート・ポリエチレン縮合物(EVA)
(21)PE/PVDCコートN/PE
(22)EVA/PE/アルミ蒸着ナイロン/PE/EVA
(23)アルミ蒸着ナイロン/N/PE/EVA
(24)OPP/PVDCコートN/PE
(25)PE/PVDCコートN/PE
(26)OPP/エバール/LDPE
(27)OPP/エバール/CPP
(28)PET/エバール/LDPE
(29)ON(延伸ナイロン)/エバール/LDPE
(30)CN(未延伸ナイロン)/エバール/LDPE
(31)OPP/CPP
(32)OPP/LDPE
(33)OPP/HDPE
(34)OPP/N/CPP
(35)OPP/一軸延伸ナイロン/LDPE
(36)OPP/PET/CPP
等があり、中でも上記(20)〜(36)に記載の積層の高分子樹脂膜が、特に好ましく用いられる。
更に、具体的な包装材料の構成としては、処理剤に接する側を内面とすれば、内面から順に、
(37)PE/主体となる板紙/PE/Al/エポキシ−リン酸系樹脂層/ポリエステル系樹脂層/PE
(38)PE/K−ナイロン/PEまたは接着剤/Al/PE/板紙/PE
(39)PE/ビニロン/PEまたは接着剤/Al/PE/板紙/PE
(40)PE/塩化ビニリデン/PEまたは接着剤/Al/PE/板紙/PE
(41)PE/ポリエステル/PEまたは接着剤/Al/PE/板紙/PE
(42)ポリプロピレン/K−ナイロン/ポリプロピレン/Al/ポリプロピレン/板紙/ポリプロピレン
などがある。
固体処理剤を防湿包装する方法としては、4方シール、3方シール、スティック(ピロー包装、ガゼット包装)、及びPTP(ブリスター包装)カートリッジ等がある。4方シール、3方シール、スティック(ピロー、ガゼット)包装は形態の違いであり、前記包装材料が用いられる。ただし、ピールオープン方式に利用するときは、シーラント剤をラミネートしピールオープン適性を持たせる。このピールオープンの方式には、通常、凝集破壊方式、界面剥離方式、層間剥離方式がある。
凝集破壊方式は、ホットメルトと言われる接着剤で、ヒートシールラッカーでシール剤として用いる方式であり、開封時にシーラント層の内部凝集破壊により剥離するものである。界面活性剥離方式は、フィルム間の界面で剥離する方式であり、シール用フィルム(シーラント)と被着体が完全に融着しておらず適度の強度で剥がせるものである。シーラントとしては粘着性の樹脂を混合したフィルムであり、被着体の材質によりポリエチレン、ポリプロピレンまたはその共重合体、ポリエステル系等を選択することができる。さらにシーラントをラミネートフィルムのような多層共押出しフィルムを使い、ラミネートフィルムの層間で剥離するのが層間剥離方式である。本発明ではフィルムを用いたピールオープン方式の層間剥離方式または界面剥離方式が好ましい。
また、このようなシーラントは薄いため、通常他のフィルム、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)、ポリ塩化ビニル、ナイロン、エバール、アルミニウムなどをラミネートして使用するが、防湿性、環境対応及び内容物のマッチングを考えるポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エバール等が好ましい。また印刷性を考慮すると最外面は無延伸ポリプロピレンポリエステル、紙などが好ましい。
シーラントフィルムとしては、例えば、トーセロ社製のCMPSフィルム、大日本インキ社製のディフランPP−100、PS−300、または凸版印刷社製のLTSフィルム、サンエー化学社製のサンシールFR、サンシールMS等があり、すでにポリエステルとラミネートされているタイプとしては、ディクランC−1600T、C−1602Tなどがある。
PTPはブリスター包装の一種で成形されたPVC、CPPなどのシートに、固体処理剤を入れアルミシール材でヒートシールした包装形態である。形成材としては、環境上PVCは使用しない方向にあり、最近ではA−PETや高防湿PP(例えば、TAS−1130、TAS−2230、TAS−3230:大成化工(株)製)が好ましく用いられる。
固体処理剤を水溶性フィルムで包装する場合、水溶性フィルムは、ポリビニルアルコール系、メチルセルロース系、ポリエチレンオキサイド系、デンプン系、ポリビニルピロリドン系、ヒドロキシプロピルセルロース系、プルラン系、デキストラン系及びアラビアガム系、ポリ酢酸ビニル系、ヒドロキシエチルセルロース系、カルボキシエチルセルロース系、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースナトリウム塩系、ポリ(アルキル)オキサゾリン系、ポリエチレングリコール系の基材からなるフィルムが好ましく用いられ、これらの中でも、特にポリビニルアルコール系及びプルラン系のものが好ましく用いられる。
好ましく用いられるポリビニルアルコールは極めて良好なフィルム形成材料であり、ほとんどの条件下で良好な強度及び柔軟性を有する。フィルムとして注型する市販のポリビニルアルコール組成物は、分子量及び加水分解の程度が様々であるが、分子量が約10,000〜約100,000であることが好ましい。加水分解の程度とは、ポリビニルアルコールの酢酸エステル基が水酸基に置換される割合である。フィルムに適用するには、加水分解の範囲は通常約70%から100%までである。なお、ここでいうポリビニルアルコールという言葉は、通常、ポリ酢酸ビニル化合物を含む。
これらの水溶性フィルムの製造法は、例えば、特開平2−124945号、特開昭61−97348号、同60−158245号、特開平2−86638号、特開昭57−117867号、特開平2−75650号、特開昭59−226018号、同63−218741号及び同54−13565号等に記載されるが如き一般的な方法で製造される。
更にこれら水溶性フィルムは、ソルブロン(アイセロ化学社製)、ハイセロン(日合フィルム社製)、或いはプルラン(林原社製)の名称で市販されているものを用いることができる。また、クリス・クラフト・インダストリーズ(Chris Craft Industries)Inc.のMONO−SOL部門から入手できる7−000シリーズのポリビニルアルコールフィルムは、約34度Fないし約200度Fの水温において溶解し、無害で、高度の化学的抵抗性を示すものであり、特に好ましく用いられる。
上記水溶性フィルムの膜厚は、固体処理剤の保存安定性、水溶性フィルムの溶解時間及び自動現像機内での結晶析出の点で10〜120μmのものが好ましく用いられ、特に15〜80μmのものが好ましく、とりわけ特に20〜60μmのものが好ましく用いられる。
また、水溶性フィルムは熱可塑性であることが好ましい。これは、ヒートシール加工や超音波溶着加工が容易となるだけでなく、被覆効果もより良好に奏するためである。
更に、水溶性フィルムの引張り強度は5×104〜5×106が好ましく、特に1×105〜2.5×106MPaが好ましく、特に1.5×105〜1×106MPaが好ましい。これら引張り強度はJIS Z−1521に記載される方法で計測される。
又、本発明の実施においては、防湿包装材が、分解性プラスチック、特に生分解または光分解性プラスチックのものを用いることも好ましい。
本発明で用いることができる生分解性プラスチックは、天然高分子からなるもの、微生物産出ポリマー、生分解性のよい合成ポリマー、プラスチックへの生分解性天然高分子の配合等が挙げられ、光分解性プラスチックは、紫外線で励起され、切断に結びつく基が主鎖に存在するもの等が挙げられる。更に上記に掲げた高分子以外にも光分解性と生分解性との二つの機能を同時に有したものも良好に使用できる。
これらの具体的代表例をそれぞれ挙げると、以下のようになる。
生分解性プラスチックとしては、天然高分子、多糖類、セルロース、ポリ乳酸、キチン、キトサン、ポリアミノ酸、或いはその修飾体等の微生物産出ポリマー、PHB−PHV(3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバレレートとの共重合物)を成分とする「Biopol」、微生物産出セルロース等、生分解性のよい合成ポリマーポリビニルアルコール、ポリカプロラクトン等、或いはそれらの共重合物ないし混合物プラスチックへの生分解性天然高分子の配合生分解性のよい天然高分子としては、デンプンやセルロースがあり、プラスチックに加え形状崩壊性を付与したものである。
また、光分解性プラスチックの例としては、光崩壊性のためのカルボニル基の導入等があり、更に崩壊促進のために紫外線吸収剤が添加されることもある。
この様な分解性プラスチックについては、「科学と工業」第64巻第10号第478〜484頁(1990年)、「機能材料」1990年7月号第23〜34頁等に一般的に記載されるものが使用できる。また、Biopol(バイオポール)(ICI 社製)、Eco(エコ)(Union Carbide社製)、Ecolite(エコライト)(EcoPlastic社製)、Ecostar(エコスター)(St. Lawrence Starch社製)、ナックルP(日本ユニカー社製)等の市販されている分解性プラスチックを使用することができる。上記防湿包装材は、好ましくは水分透過係数が10g・mm/m224hr以下のものであり、より好ましくは5g・mm/m2・24hr以下のものである。
次に、本発明の固体処理剤の適用される現像処理工程について説明する。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法においては、露光を施したハロゲン化銀カラー写真感光材料を、発色処理工程に続いて、漂白工程、定着工程あるいは漂白定着工程、安定またはリンス工程を経て、乾燥される。また、それぞれの処理工程において固体或いは液体の発色現像処理組成物、漂白処理組成物、定着処理組成物、あるいは漂白定着処理組成物、安定またはリンス処理組成物を補充しながら連続的に現像処理がなされる。
本発明の固体処理剤は前記現像処理工程で使用する場合、いずれの工程で使用しても良いが、安定またはリンス工程で発生しやすいバクテリアや黴の繁殖による液濁り及び浮遊物を効果的に抑制できる点から安定またはリンス用処理組成物として使用することが好ましい使用方法である。
また、本発明の固体処理剤を使用して、自動現像機を用いて現像処理がなされる場合は、該自動現像機の処理槽の処理液の蒸発した分に相当する水を供給するためや自動現像機の処理槽の液外部に設けられた搬送ローラーを洗浄するための水を供給する給水タンク、図2や図3に示すような固体処理剤を補充剤として使用し、現像処理をするような自動現像機で、該固体処理剤を溶解するための水(補充水)を供給する給水タンク(補充水タンク)に用いることができる。
図2は、自動現像機とカラーペーパーへの焼付機とが一体になったカラーペーパー用自動現像機の一例を示す全体構成図である。
図2において、カラーペーパー用の自動現像機APの写真焼付機Bの左下部には、未露光のハロゲン化銀写真感光材料である印画紙(カラーペーパー)をロール状に収納したマガジンMがセットされる。マガジンから引き出された印画紙pは、送りローラR1及びカッター部Ctを介して所定のサイズに切断され、シート状印画紙pとなる。このシート状印画紙pは、ベルト搬送手段Beによって搬送され、露光部Eにおいて光源およびレンズLにより、原画Oの画像を露光される。露光されたシート状印画紙pはさらに複数対の送りローラR2、R3、R4により搬送され、自現機AP内に導入される。自現機APでは、シート状印画紙pは、処理液槽であるそれぞれ発色現像槽1A、漂白定着槽1B、安定化槽1C,1D,1E内(実質的に3槽構成の処理液槽1)をローラ搬送手段(参照記号ナシ)により順次搬送され、それぞれ、発色現像処理、漂白定着処理、安定化処理がなされる。前記各処理がなされたシート状印画紙pは、乾燥部6において乾燥されて機外に排出される。上記発色現像槽1A、漂白定着槽1B、安定化槽1Eの各処理液槽には、溶解槽2A、2B、2E、循環槽2C、2D及び固体処理剤を供給する固体処理剤供給装置3A、3B、3Eが設けてある。4は発色現像槽1A、安定化槽1Eに補充水を供給する補充水タンクである。
図3は、カラーフィルム用の自動現像機の一例を示す全体構成図である。
図3において、カラーフィルム用の自動現像機AFは、発色現像槽7A、漂白槽7B、定着槽7C、7D、安定化槽7E、7F、7Gの実質的4槽の処理液槽構成である。各処理液槽7A、7B、7D、7Gは、それぞれ溶解槽9A、9B、9D、9Gが連通していて、循環ポンプ24A、24B、24D、24Gにより処理液が循環撹拌される。また、各溶解槽9A、9B、9D、9Gの各上方には、前述の固体処理剤供給装置8A、8B、8D、8Gが設置され、対応する適量の固体処理剤が制御供給される。9C、9E、9Fは循環槽である。
一方、共通の補充水タンク41内の補充水Wは、ベローズポンプ42、吸水管43、送小管44によって、各溶解槽9A、9B、9D、9Gに供給される。
また、図4は、一体型カートリッジの濃縮処理組成物(キット)の補充システムを有した自動現像機を示す全体構成図である。
図4において、現像処理部は発色現像槽1A、漂白槽1B、安定化槽1C、1D、1E、1Fから構成され、補充液部Cは、発色現像補充タンク槽4A、漂白定着補充タンク槽4B−1、4B−2及びリンス補充タンク槽(給水タンク槽)4Cから構成されており、リンス補充タンク槽(給水タンク槽)4Cの給水液を、一体型カートリッジの濃縮処理組成物401の洗浄及び各処理槽の給水液として使用する。
この濃縮処理組成物の希釈水または該カートリッジ洗浄水として、水の供給ラインKにより給水液を供給するための給水タンク等に、本発明の固体処理剤を添加して使用することにより、特に、低補充処理や1日あたりの処理量が少なく、処理液の更新率が低いような条件で処理液の濁りや浮遊物の発生を防止するため、好ましい使用方法である。
なお、本発明の固体処理剤の具体的溶解方法としては、一旦溶解してから前記給水タンクや処理槽に添加する方法と、前記給水タンクや処理槽に溶解水と共に直接投入して溶解する方法等が挙げられる。前者の場合溶解する作業が別に必要になってくるので、後者の方が好ましい溶解方法である。
以上で本発明の固体処理剤について説明したが、次いで、上記処理剤が使用される現像処理の各処理剤の構成や現像処理の条件について説明する。
はじめに、発色現像処理組成物について説明する。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法において、発色現像組成物に用いられる発色現像主薬として好ましい例は、公知の芳香族第1級アミン発色現像主薬、特にp−フェニレンジアミン誘導体であり、代表例を以下に示すがこれらに限定されるものではない。
1)N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン
2)4−アミノ−3−メチル−N,N−ジエチルアニリン
3)4−アミノ−N−(β−ヒドロキシエチル)−N−メチルアニリン
4)4−アミノ−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アニリン
5)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アニリン
6)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(3−ヒドロキシプロピル)アニリン
7)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(4−ヒドロキシブチル)アニリン
8)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)アニリン
9)4−アミノ−N,N−ジエチル−3−(β−ヒドロキシエチル)アニリン
10)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−メトキシエチル)アニリン
11)4−アミノ−3−メチル−N−(β−エトキシエチル)−N−エチルアニリン
12)4−アミノ−3−メチル−N−(3−カルバモイルプロピル−N−n−プロピル−アニリン
13)4−アミノ−N−(4−カルバモイルブチル−N−n−プロピル−3−メチルアニリン
14)N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン
15)N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン
16)N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−3−ピロリジンカルボキサミド
上記p−フェニレンジアミン誘導体のうち、特に好ましくは例示化合物5)、6)、7)、8)及び12)であり、その中でも例示化合物5)と8)が好ましい。また、これらのp−フェニレンジアミン誘導体は、硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、ナフタレンジスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などの塩の形、或いは上述のように遊離塩基型である。
上記芳香族第1級アミン現像主薬の使用液中の濃度は、現像液1リットル当たり2ミリモル〜200ミリモル、好ましくは6ミリモル〜100ミリモル、より好ましくは10ミリモル〜40ミリモルとなるように加えられる。
発色現像組成物には、有機保恒剤を添加してもよい。有機保恒剤とは、感光材料の処理液へ含ませることで、芳香族第一級アミン発色現像主薬の劣化速度を減じる有機化合物全般を指している。即ち、発色現像主薬の空気酸化などを防止する機能を有する有機化合物類でり、ヒドロキサム酸類、ヒドラジド類、フェノール類、α−ヒドロキシケトン類、α−アミノケトン類、糖類、モノアミン類、ジアミン類、ポリアミン類、四級アンモニウム塩類、ニトロキシラジカル類、アルコール類、オキシム類、ジアミド化合物類、縮環式アミン類などが特に有効な有機保恒剤である。これらは、特開昭63−4235号、同63−30845号、同63−21647号、同63−44655号、同63−53551号、同63−43140号、同63−56654号、同63−58346号、同63−43138号、同63−146041号、同63−44657号、同63−44656号、米国特許第3,615,503号、同2,494,903号、特開昭52−143020号、特公昭4830496号などの各公報又は明細書に開示されている。
また、その他の保恒剤としては、下記一般式(III)または(IV)で表される化合物を含有させることもできる。
Figure 2006010924
上記一般式(III)において、Lは置換してもよいアルキレン基を表し、Aはカルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、ヒドロキシル基、アルキル置換してもよいアミノ基、アルキル置換してもよいアンモニオ基、アルキル置換してもよいカルバモイル基、アルキル置換してもよいスルファモイル基、アルキル置換してもよいスルホニル基、水素原子、アルコキシル基、または−O−(B−O)n−R′を表し、R、R′は各々水素原子、置換してもよいアルキル基を表す。Bは置換してもよいアルキレン基を表し、nは1〜4の整数を表す。
上記一般式(III)において、Lは炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖の置換してもよいアルキレン基が好ましく、炭素数1〜5が更に好ましい。具体的には、メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン等の基が好ましい例として挙げられる。置換基としては、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、ホスフィン酸基、ヒドロキシル基、アルキル置換してもよいアンモニオ基を表し、カルボキシル基、スルホ基、ホスフィン基、ヒドロキシル基が好ましい例として挙げられる。Aはカルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、ホスフィン酸基、ヒドロキシル基、又は、それぞれアルキル置換してもよいアミノ基、アンモニオ基、カルバモイル基又はスルファモイル基を表し、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシル基、ホスホノ基、アルキル置換してもよいカルバモイル基が好ましい例として挙げられる。−L−Aの例として、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、スルホエチル基、スルホプロピル基、スルホブチル基、ホスホノメチル基、ホスホノエチル基、ヒドロキシエチル基を好ましい例として挙げることができ、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、スルホエチル基、スルホプロピル基、ホスホノメチル基、ホスホノエチル基が特に好ましい例として挙げることができる。Rは水素原子、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖の置換してもよいアルキル基が好ましく、特に炭素数1〜5が好ましい。置換基としては、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、ホスフィン酸基、ヒドロキシル基、又は、それぞれアルキル置換してもよいアミノ基、アンモニオ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシル基、または−O−(B−O)n−R′等が挙げられる。置換基は二つ以上あってもよい。Rとして水素原子、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、スルホエチル基、スルホプロピル基、スルホブチル基、ホスホノメチル基、ホスホノエチル基、ヒドロキシエチル基が好ましい例として挙げることができ、水素原子、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、スルホエチル基、スルホプロピル基、ホスホノメチル基、ホスホノエチル基が特に好ましい例として挙げることができる。LとRが連結して環を形成してもよい。
以下に、一般式(III)で表される化合物のうち、その代表的な化合物例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure 2006010924
Figure 2006010924
Figure 2006010924
次いで、一般式(IV)で表される化合物について説明する。
Figure 2006010924
上記一般式(IV)において、R、R′は各々炭素原子数1〜6の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素を表す。この場合、これらの炭化水素は、水酸基、カルボキシル基、スルホン基などで置換されていてもよい。また、カルボニル基等の2価の連結基を含んでもよい。nは4〜50,000の整数を表す。sは0または1を表す。
sが1をとる場合、Aは
Figure 2006010924
を表す。R″はヒドロキシル基で置換されてもよい炭素数2〜8のアルキレン基またはアルカントリイル基を示し、アルキレン基の場合、qは0となり、アルカントリイル基の場合は1となる。qが1の場合、Bは一般式(IV)で表されるポリマーを示し、一般式(IV)は3次元構造となる。mは0〜30の整数を示す。
sが0をとる一般式(IV)で表される化合物、例えば、ポリ(N−ヒドロキシアルキレンイミン)は既知の方法により容易に合成することができる。代表的な例としては、「ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティ(J.Chem.Soc.,),75,1009(1899),J.Chem.Soc.,1963,3144」等に記載の過酸化水素水を用いた2級アミンの酸化方法により、ポリ(アルキレンイミン)を酸化して合成する方法が挙げられる。この方法により合成された粗ポリ(N−ヒドロキシアルキレンイミン)は写真特性に影響を与える成分を含まないため、精製することなく、そのまま発色現像液の組成物として使用することができる。また、「マクロモレキュルズ」(Macromolecules),21,1995(1988)等に記載の反応と組み合わせて、ポリ(アルキレンイミン)の末端基である1級アミンを2級アミンとすることにより、更に性能の優れたポリ(N−ヒドロキシアルキレンイミン)を合成する方法も挙げられる。その他の方法としては、特開平3−259145号公報等に記載の方法を応用した、ヒドロキシルアミンとジハロゲン化アルキレンとの反応による合成方法等が挙げられる。
以下、一般式(IV)で表される化合物のうち、その代表的な化合物例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure 2006010924
Figure 2006010924
また、その他の有機保恒剤として、特開昭57−44148号及び同57−53749号公報に記載の各種金属類、特開昭59−180588号公報に記載のサリチル酸類、トリエタノールアミンやトリイソパノールアミンのような特開昭54−3532号公報に記載のアルカノールアミン類、特開昭56−94349号公報に記載のポリエチレンイミン類、米国特許第3,746,544号明細書等に記載の芳香族ポリヒドロキシ化合物等を必要に応じて含有しても良い。
上記有機保恒剤の発色現像組成物は1L当たり1×10-3モル以上、1×10-1モル以下で含有することが好ましい。また、発色現像液には、対象とする感光材料の種類によって少量の亜硫酸イオンを含んだり、あるいは実質的に含まない場合もあるが、本発明においては、亜硫酸イオンを少量含むことが好ましい。また、ヒドロキシルアミンを少量含有してもよい。ヒドロキシルアミン(通常塩酸塩や硫酸塩の形で用いるが、以下塩の形を省略する)は、亜硫酸イオンと同様に現像液の保恒剤として作用するが、同時にヒドロキシルアミン自身の銀現像活性のために写真特性に影響することもあるので、この添加量も少量に留める必要がある。
また、発色現像組成物は、前記一般式(I)で表されるスルフィン酸誘導体を含有してもよい。
発色現像組成物のpHは9.0〜13.5が好ましく、その補充液のpHは9.0〜13.5が好ましい。このため、発色現像組成物及びその補充液には、そのpH値を維持できるようにアルカリ剤、緩衝剤及び必要によっては酸を含有させることもできる。
上記pHを保持するための緩衝剤としては、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシル塩、N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチル−1、3−プロバンジオール塩、バリン塩、プロリン塩、トリスヒドロキンアミノメタン塩、リシン塩などを用いることができる。特に炭酸塩、リン酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩は、pH9.0以上の高pH領域での緩衝能に優れ、発色現像組成物に添加しても写真性能面への悪影響(カブリなど)がなく、安価であるといった点から、特に好ましい緩衝剤である。
上記緩衝剤の具体例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、四ホウ酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−2−ヒドロキン安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチル酸ナトリウム)、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸カリウム(5−スルホサリチル酸カリウム)などを挙げることができる。しかしながら本発明は、これらの化合物に限定されるものではない。
上記緩衝剤の添加量は、発色現像組成物及びその補充液ともに1リットルあたり0.01〜2モルが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5モルである。
発色現像組成物には、その他の発色現像組成物成分として、例えばカルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤や、安定性向上剤でもある各種キレート剤を添加することもできる。例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンスルホン酸、トランスシロヘキサシジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロバン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N′−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N′−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。これらのキレート剤は必要に応じて2種以上併用しても良い。また、これらのキレート剤の量は、発色現像組成物中の金属イオンを封鎖するのに充分な量であれば良い。例えば、1L当り0.lg〜10g程度になるように添加する。
発色現像組成物には、必要により任意の現像促進剤を添加することもできる。現像促進剤としては、特公昭37−16088号、同37−5987号、同38−7826号、同44−12380号、同45−9019号及び米国特許第3,813,247号等の各公報又は明細書に表されるネオエーテル系化合物、特開昭52−49829号及び同50−15554号公報に表されるp−フェニレンジアミン系化合物、特開昭50−137726号、特公昭44−30074号、特開昭56−156826号及び同52−43429号公報等に表される4級アンモニウム塩類、米国特許第2,494,903号、同3,128,182号、同4,230,796号、同3,253,919号、特公昭41−11431号、米国特許第2,482,546号、同2,596,926号及び同3,582,346号等の各公報又は明細書に記載のアミン系化合物、特公昭37−16088号、同42−25201号、米国特許第3,128,183号、特公昭41−11431号、同42−23883号及び米国特許第3,532,501号等の各公報又は明細書に表されるポリアルキレンオキサイド、その他1−フェニル−3−ビラゾリトン類又はイミダゾール類を必要に応じて添加することができる。それらの濃度は、発色現像組成物及びその補充液ともに1Lあたり0.001〜0.2molが好ましく、より好ましくは0.01〜0.05molになるように組成物中の添加量が決められる。
発色現像組成物には、必要に応じて、前記ハロゲンイオンのほかに、任意のカブリ防止剤を添加できる。有機カブリ防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、6−ニトロベンズイミダゾール、5−ニトロイソインダゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−チアゾリル−ベンズイミダゾール、2−チアゾリルメチル−ベンズイミダゾール、インダゾール、ヒドロキシアザインドリジン、アデニンの如き含窒素ヘテロ環化合物を代表例として挙げられる。
発色現像組成物には、必要に応じてアルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等の各種界面活性剤を添加しても良い。それらの濃度は、発色現像組成物及びその補充液ともに1Lあたり0.0001〜0.2mol、好ましくは0.001〜0.05molになるように
添加量が決められる。
発色現像組成物には、必要に応じて、蛍光増白剤を使用することができる。蛍光増白剤としては、ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンスルホン酸化合物が好ましい。ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンスルホン酸化合物としては、公知もしくは市販の物を用いることができる。公知のビス(トリアジニルアミノ)スチルベンスルホン酸化合物としては、例えば、特開平6−329936号、同7−140625号、同10−140849号などの公報に記載の化合物が好ましい。市販の化合物としては、例えば、「染色ノート」第9版(色染社),165〜168頁に記載されており、その中に記載されている化合物の中でも、Blankophor BSU liq.及びHakkolBRKが好ましい。
また、その他のビス(トリアジニルアミノ)スチルベンスルホン酸化合物としては、特開2001−281823号公報の段落番号〔0038〕〜同〔0049〕に記載の化合物I−1〜I−48及び特開2001−281823号公報の段落番号〔0050〕〜同〔0052〕に記載の化合物II−1〜II−16を挙げることもできる。上記した蛍光増白剤の添加量としては、発色現像処理組成物及びその補充液ともに1リットルあたり0.1ミリモル〜0.1モルが好ましい。
また、本発明の処理方法で適用されうる発色現像処理の処理温度は、現像処理される感光材料がカラーペーパーの場合は、30〜55℃であり、好ましくは35〜55℃であり、より好ましくは38〜45℃である。発色現像処理時間は、5〜90秒であり、好ましくは、15〜60秒である。補充量は少ない方が好ましいが、感光材料1m2当たり15〜600mlが適当であり、好ましくは15〜120ml、特に好ましくは30〜60mlである。一方、カラーネガフィルムの発色現像処理の場合は、処理温度は20〜55℃であり、好ましくは30〜55℃であり、より好ましくは38〜45℃である。発色現像処理時間は、20秒〜6分であり、好ましくは、30〜200秒である。補充量は少ない方が好ましいが、感光材料1m2当たり100〜800mlが適当であり、好ましくは200〜500ml、特に好ましくは250〜400mlである。カラーペーパー又はカラーネガフィルムともにクロスオーバータイムは5秒以下、好ましくは3秒以下であり、該クロスオーバータイムとすることで、漂白カブリに対して顕著な効果がある。
また、カラーネガフィルム用の発色現像処理組成物では、通常臭素イオンを0.2×10-2〜15.0×10-2モル/リットル、好ましくは0.5×10-2〜5.0×10-2モル/リットル含有することが多いが、臭素イオンは、通常現像の副生成物として該処理組成物中に放出されるので補充液には添加不要のことが多い。また、沃素イオンを0.2×10-3〜15.0×10-3モル/リットル、好ましくは0.5×10-3〜5.0×10-3モル/リットル含有することが多いが、沃素イオンも通常現像の副生成物として該処理組成物中に放出されることもあるので補充液には添加不要のことが多い。
また、カラーペーパー用の発色現像処理組成物は、通常塩素イオンを3.5×10-2〜1.5×10-1モル/リットル含有することが多いが、塩素イオンは、通常現像の副生成物として現像液に放出されるので補充液には添加不要のことが多い。
本発明に係る漂白工程で用いる漂白能を有する処理組成物には、漂白主剤としては過硫酸塩、過酸化水素などいかなる漂白剤を含むことができるが、下記一般式[I]、[II]、[III]または[IV]で示される如きアミノポリカルボン酸と、予め錯形成された鉄錯塩、または第2鉄塩や第1鉄塩と、上記アミノポリカルボン酸とを共存させ、液中で錯形成させた鉄錯塩などを含有させることが好ましい形態である。
第2鉄塩としては、例えば、硝酸第2鉄、塩化第2鉄、臭化第2鉄、三硫酸鉄(III)三M1、硫酸鉄(III)M1(但し、M1はアンモニウム、カリウム、ナトリウム又は水素原子を表す)などが挙げられ、より具体的な化合物としては、硝酸第2鉄、塩化第2鉄、臭化第2鉄、三硫酸鉄(III)三アンモニウム、三硫酸鉄(III)三カリウム、三硫酸鉄(III)三ナトリウム、硫酸鉄(III)カリウム、硫酸鉄(III)ナトリウム、硫酸鉄(III)アンモニウム等である。また、第1鉄塩としては硫酸第1鉄アンモニウム、硫酸第1鉄ナトリウム、硫酸第1鉄アンモニウム、硫酸第1鉄ナトリウム、塩化第1鉄、臭化第1鉄、硫酸第1鉄、酢酸第1鉄、シュウ酸第1鉄、酸化鉄などが挙げられる。
以下に、一般式[V]、[VI]、[VII]または[VIII]で表されるアミノポリカルボン酸について説明する。
Figure 2006010924
上記一般式[V]において、A1〜A4は各々同一でも異なってもよく、−CH2OH、−COOM又は−PO312を表す。M、M1、M2は各々、水素原子、アルカリ金属又はその他のカチオンを表す。Xは炭素数2〜6の置換若しくは無置換のアルキレン基を表す。
Figure 2006010924
上記一般式[VI]において、A1〜A3は前記一般式[I]で定義したものと同義であり、nは1〜8の整数を表す。B1及びB2は同一でも異なっていてもよく、各々炭素数2〜5の置換若しくは無置換のアルキレン基(例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンタメチレン等)を表す。置換基としては水酸基、炭素数1〜3の低級アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基)等が挙げられる。
Figure 2006010924
上記一般式[VII]において、R1は水素原子又は水酸基を表し、nは1または2であり、xは2または3であり、yは0または1であり、そしてxとyの和は常に3である。
Figure 2006010924
上記一般式[VIII]において、A1〜A4は各々前記一般式[V]で定義したものと同義であり、Xは炭素数2〜6の置換若しくは無置換のアルキレン基(例えば、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン等の各基)又は−(B1O)n−B2−を表す。B1及びB2は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜5の置換若しくは無置換のアルキレン基(例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン等の各基)を表す。nは1〜8の整数であり、好ましくは1〜4である。
前記一般式[V]で示される化合物の好ましい具体例を、以下に示す。
V−1:1,3−プロパンジアミン四酢酸
V−2:2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジアミン四酢酸
V−3:2,3−プロパンジアミン四酢酸
V−4:1,4−ブタンジアミン四酢酸
V−5:2−メチル−1,3−プロパンジアミン四酢酸
V−6:N−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−プロパンジアミン三酢酸
V−7:1,3−プロパンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸
V−8:2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸
V−9:2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン四酢酸
V−10:2,4−ブタンジアミン四酢酸
V−11:2,4−ペンタンジアミン四酢酸
V−12:2−メチル−2,4−ペンタンジアミン四酢酸
V−13:エチレンジアミン四酢酸
これらV−1〜V−13の化合物の鉄錯塩としては、これらの鉄錯塩のナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩を任意に用いることができる。
また、前記一般式[VI]で示される化合物の具体例を以下に示す。
Figure 2006010924
これら例示化合物VI−1〜VI−7の鉄錯塩は、これら化合物の鉄錯塩のナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩を任意に用いることができる。
また、前記一般式[VII]で示される化合物の具体例としては、
VII−1:ニトリロモノプロピオノ二酢酸
VII−2:ニトリロトリ酢酸
等が挙げられ、ナトリウム塩、カリウム塩またはアンモニウム塩等を任意に用いることができる。
また、前記一般式[VIII]で示される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれら例示した化合物にのみ限定されるものではない。
Figure 2006010924
Figure 2006010924
これら例示化合物VIII−1〜VIII−17の鉄錯塩は、これらの化合物の鉄錯塩のナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩を任意に用いることができる。
本発明の漂白能を有する処理組成物における鉄錯塩の濃度としては、0.003〜0.10モル/リットルの範囲が適当であり、0.02〜0.50モル/リットルの範囲が好ましく、より好ましくは、0.05〜0.40モル/リットルの範囲である。
上記で規定する範囲では、優れた漂白能が得られるばかりでなく、鉄錯塩の析出等ともなく、安定した処理組成物が得られる。
本発明の漂白能を有する処理組成物は、漂白剤としては上記説明した鉄錯塩を含有する化合物の他に、銀の酸化を促進する為の再ハロゲン化剤として、塩化物、臭化物、ヨウ化物の如きハロゲン化物を添加する。また、ハロゲン化物の代わりに難溶性銀塩を形成する有機性配位子を加えてもよい。ハロゲン化物はアルカリ金属塩あるいはアンモニウム塩、あるいはグアニジン、アミンなどの塩として加える。具体的には臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム、塩化カリウム、塩酸グアニジンなどがある。また、腐食防止剤としては、硝酸塩を用いるのが好ましく、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウムや硝酸カリウムなどが用いられる。その添加量は、0.01〜2.0モル/リットルが好ましく、より好ましくは0.05〜0.5モル/リットルである。本発明の漂白液中の臭化物イオン濃度は、好ましくは1.8モル/リットル以下であり、より好ましくは0.1〜1.6モル/リットルの範囲が好ましい。また、上述したような無機酸化剤を併用する場合、臭化物イオンの濃度は、好ましくは0.05〜0.10モル/リットルの範囲である。本発明の漂白定着液中にも臭化物イオンを添加してもよく、1.0モル/リットル以下の範囲が好ましい。
なお、本発明においては、臭化物イオンの対カチオンとして、アンモニウムイオンやナトリウムイオン、カリウムイオンなどを用いることができる。
本発明に係る漂白処理組成物において、好ましいpHは3.0〜7.0であり、特に3.5〜6.5が好ましい。一方、本発明に係る漂白定着処理組成物において、好ましいpHは3.0〜8.0、より好ましくは4.0〜7.5である。上記pHの範囲では、高い漂白能が得られるばかりでなく、ステイン等の発生もなく、優れた処理性能が得られる。
上記pHの範囲に調節するには、公知の有機酸を使用することができる。また、本発明において漂白能を有する処理組成物には、pKaが2.0〜5.5である有機酸を、0.1〜1.2モル/リットル含んでも良い。
本発明におけるpKaは酸解離定数の逆数の対数値を表し、イオン強度0.1モル/リットル、25℃で求められた値を示す。本発明で用いるpKaが2.0〜5.5の有機酸は、一塩基酸であっても多塩基酸であってもよい。多塩基酸の場合、そのpKaが上記の範囲にあれば金属塩(例えばナトリウムやカリウム塩)やアンモニウム塩として使用できる。またpKaが上記の範囲にある有機酸は2種以上混合使用することもできる。本発明に使用するpKa2.0〜5.5の有機酸の好ましい具体例を挙げると、ギ酸、酢酸、モノクロル酢酸、モノブロモ酢酸、グリコール酸、プロピオン酸、モノクロルプロピオン酸、乳酸、ピルビン酸、アクリル酸、酪酸、イソ酪酸、ピバル酸、アミノ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸等の、脂肪族系一塩基性酸;アスパラギン、アラニン、アルギニン、エチオニン、グリシン、グルタミン、システイン、セリン、メチオニン、ロイシンなどのアミノ酸系化合物;安息香酸およびクロロ、ヒドロキシ等のモノ置換安息香酸、ニコチン酸等の芳香族系一塩基性酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、オキサロ酢酸、グルタル酸、アジピン酸等の脂肪族系二塩基性酸;アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、アスコルビン酸等のアミノ酸系二塩基性酸;フタル酸、テレフタル酸等の、芳香族二塩基性酸;クエン酸などの多塩基性酸など各種有機酸を列挙することが出来る。本発明においては、これらの中でも本発明においては、これらの中でもグリコール酸、コハク酸及びマレイン酸が漂白能への影響が比較的少ないことから好ましい。
本発明において、漂白能を有する処理組成物には各種漂白促進剤を添加することができる。このような漂白促進剤については、例えば、米国特許第3,893,858号明細書、ドイツ特許第1,290,812号明細書、英国特許第1,138,842号明細書、特開昭53−95630号公報、リサーチ・ディスクロージャー第17129号(1978年7月号)に記載のメルカプト基またはジスルフィド基を有する化合物、特開昭50−140129号公報に記載のチアゾリジン誘導体、米国特許第3,706,561号明細書に記載のチオ尿素誘導体、特開昭58−16235号公報に記載のヨウ化物、ドイツ特許第2,748,430号明細書に記載のポリエチレンオキサイド類、特公昭45−8836号公報に記載のポリアミン化合物などを用いることが出来る。特に好ましくは英国特許第1138842号明細書に記載のようなメルカプト化合物が好ましい。
また、本発明の漂白能を有する処理組成物では、処理の迅速性を考慮するときはアンモニウムイオンを使用することが好ましく、一方で、環境保全に重点をおく場合は、実質上アンモニウムイオンを含まない方が好ましい。なお本発明において、実質上アンモニウムイオンを含まないとは、アンモニウムイオンの濃度が0.1モル/リットル以下の状態をさし、好ましくは0.08モル/リットル以下、より好ましくは0.01モル/リットル以下、特に好ましくは全く存在しない状態を表す。アンモニウムイオンの濃度を上記の領域にするには、代わりのカチオン種としてアルカリ金属イオンが好ましく、特にナトリウムイオン、カリウムイオンが好ましい。具体的には、漂白剤としてのアミノポリカルボン酸鉄錯塩のナトリウム塩やカリウム塩、漂白液中の再ハロゲン化剤としての臭化カリウム、臭化ナトリウムの他、腐食防止剤としての硝酸カリウム、硝酸ナトリウム等が挙げられる。また、pH調整用に使用するアルカリ剤としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。
漂白能を有する処理組成物の補充量は、漂白処理組成物においては感光材料当り1m2あたり80〜500mlが好ましく、より好ましくは80ml〜200mlである。漂白定着処理組成物の補充量は、感光材料当り1m2あたり20〜250mlが好ましく、より好ましくは、20ml〜110ml、さらに好ましくは30ml〜100mlである。低補充になるほど、本発明の効果が顕著に発揮される。
本発明において、漂白能を有する処理工程としては、具体的に次のものが挙げられる。
1)漂白−定着
2)漂白定着
3)漂白−水洗−定着
4)漂白−漂白定着
5)漂白−水洗−漂白定着
6)漂白−漂白定着−定着
また、これらの漂白、漂白定着、定着工程の個々の工程は、必要により複数浴に仕切られて、カスケード方式を採用することもある。
なお、本発明において、漂白能を有する処理組成物が漂白定着処理組成物では、処理する工程に要する時間は90秒以下に設定することが好ましく、特に好ましくは45秒以下、さらに好ましくは26秒以下であり、迅速処理条件において発明の効果が顕著に発揮される。
前記の工程に要する時間とは、該工程が複数槽を有する場合は、第1槽に感光材料が浸漬してから最終槽を出るまでの時間を指し、1槽の場合は、例えば後続するリンス又は安定化処理槽へ感光材料が浸漬するまでの時間を指し、その間のクロスオーバータイムを含むものとする。クロスオーバータイムは好ましくは5秒以下、より好ましくは3秒以下である。前記処理工程の温度は20〜60℃で使用されるのがよいが、望ましくは25〜60℃である。
また、本発明において、漂白能を有する処理組成物が漂白処理組成物では、処理する工程に要する時間は2分以下が好ましく、より好ましくは45秒以下、さらに好ましくは26秒以下である。前記の工程に要する時間とは、該工程が複数槽を有する場合は、第1槽に感光材料が浸漬してから最終槽を出るまでの時間を指し、1槽の場合は、例えば後続する定着処理槽へ感光材料が浸漬するまでの時間を指し、その間のクロスオーバータイムを含むものとする。クロスオーバータイムは5秒以下が好ましく、より好ましくは3秒以下である。
前記処理工程の温度は20〜60℃で使用されるのがよいが、望ましくは25〜60℃である。
また、漂白組成物では、エアレーションを実施しても良い。エアレーションには当業界で公知の手段を使用できる。エアレーションに関してはイーストマン・コダック社発行のZ−121、ユージング・プロセス・C−41第3版(1982年)、BL−1〜BL−2頁に記載の事項を利用できる。また、漂白液の処理においては、撹拌が強化されることが好ましく、その実施には特開平3−33847号公報の第8頁、右上欄、第6行〜左下欄、第2行に記載の内容が、そのまま利用できる。その中でも特に感光材料の乳剤面に漂白液を吹き付けるジェット撹拌方式が好ましい。また、処理温度に特に制限はないが、好ましくは25〜50℃であり、特に好ましくは35〜45℃である。また、漂白能を有する処理液が漂白液の場合には、処理に使用後のオーバーフロー液を回収し、成分を添加して組成を修正した後、再利用することが出来る。このような使用方法は、通常、再生と呼ばれるが、本発明はこのような再生も好ましくできる。
上述した他、「写真工学の基礎−銀塩写真編−」(日本写真学会編、コロナ社発行、1979年刊)等に記載の方法が利用できる。具体的には、電解再生の他、臭素酸や、亜塩素酸、臭素、臭素プレカーサー、過硫酸塩、過酸化水素、触媒を利用した過酸化水素、亜臭素酸、オゾン等による漂白液の再生方法が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
次に、定着液(定着処理組成物)、又は上記説明した漂白定着処理組成物に含まれる定着剤について説明する。
定着剤としては、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、チオ硫酸アンモニウムナトリウム、チオ硫酸カリウムのようなチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸カリウムのようなチオシアン酸塩(ロダン塩)チオ尿素、チオエーテル等を用いることが出来る。定着剤としてチオ硫酸塩を単独で使用する場合は定着処理組成物、または本発明に係る漂白定着処理組成物1リットル当たり、0.3〜3モルが好ましく、より好ましくは0.5〜2モル程度であり、チオシアン酸塩を単独で使用する場合には1〜4モル程度が好ましい。一般に併用する場合も含めて、定着剤の量は、定着処理組成物または漂白定着処理組成物1リットル当たり、0.3〜5モルが好ましく、より好ましくは0.5〜3.5モルとすればよい。但し併用する場合は合計量で上記範囲とすればよい。その他、チオ硫酸塩と併用することが出来るチオシアン酸塩以外の化合物としては、チオ尿素、チオエーテル(例えば、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール)等を挙げることができる。
定着処理組成物または漂白定着処理組成物には、他各種の消泡剤或いは界面活性剤、ポリビニルピロリドン、メタノール等の有機溶媒、又は保恒剤を含有させることができる。
保恒剤としては、亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、など)、重亜硫酸塩(例えば、重亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、など)やメタ重亜硫酸塩(例えば、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモニウム、など)等の亜硫酸イオン放出性化合物、前記一般式(I)で表されるスルフィン酸誘導体などを含有させてもよい。その場合は、これらの化合物の添加量は亜硫酸イオンやスルフィン酸イオンに換算して約0.02〜0.8mol/Lであることが好ましい。
また、定着処理組成物のpHとしては、4〜9が好ましく、さらには5.5〜8が好ましい。上記pHの範囲では、優れた定着能が得られるばかりでなく、臭気等の発生も無く、良好な処理性能が得られる。
前記のpH領域に調節する為には、緩衝剤としてpKaが6〜9の範囲の化合物を含有させる事が好ましい。これらの化合物としては、イミダゾール、2−メチル−イミダゾールのようなイミダゾール類が好ましい。これらの化合物は好ましくは、処理組成物1リットル当たり10モル以下、好ましくは0.1〜3モルである。定着処理組成物の補充量としては感光材料1m2当たり、3000ml以下が好ましく、より好ましくは、200〜1000ml以下である。さらに定着処理組成物には液の安定化の目的で各種アミノポリカルボン酸類や、有機ホスホン酸類の添加が好ましい。
また、前記処理組成物に適用可能な処理工程に要する時間は3分以下が好ましく、より好ましくは2分以下である。前記の処理工程に要する時間とは、該工程が複数槽を有する場合は、第1槽に感光材料が浸漬してから最終槽を出るまでの時間を指し、1槽の場合は、例えば後続する安定化又はリンス処理槽へ感光材料が浸漬するまでの時間を指し、その間のクロスオーバータイムを含むものとする。前記処理工程の温度は20〜60℃で使用されるのがよいが、望ましくは25〜60℃である。クロスオーバータイムは好ましくは5秒以下、より好ましくは3秒以下である。
次に、リンス又は安定化処理組成物について説明する。
本発明で用いることのできるリンス又は安定化液には、キレート剤(エチレンジアミン4酢酸、ジエチレントリアミン5酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸等)、緩衝剤(炭酸カリウム、硼酸塩、酢酸塩、リン酸塩等)、防黴剤(ディアサイド702(米国ディアボーン社製)、p−クロロ−m−クレゾール、ベンゾイソチアゾリン−3−オン等)、蛍光増白剤(トリアジニルスチルベン系化合物等)、酸化防止剤(アスコルビン酸塩等)、水溶性金属塩(亜鉛塩、マグネシウム塩等)等、通常安定液に含有せしめる成分を適宜用いることができる。
更にリンス又は安定化処理組成物には、液保存性の点から亜硫酸塩、重亜硫酸塩又はメタ重亜硫酸塩を含有させることが好ましく、亜硫酸イオンを放出するものであれば、有機物、無機物いかなるものでもよいが、好ましくは無機塩である。好ましい具体的化合物としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸アンモニウム等が挙げられる。これらの塩は安定液中に少なくとも1×10-3モル/Lになるような量が添加されることが好ましく、更に好ましくは5×10-3モル/L〜5×10-2モル/Lになるようなに添加されることである。また、リンス又は安定化液のpHは、4.0〜10.0の範囲が好ましい。前記pHに調整するためのpH調整剤を含有する事も出来る。pH調整剤としては、一般に知られているアルカリ剤または酸剤のいかなるものでもよい。
次に、本発明のリンス又は安定化処理工程について説明する。
リンス又は安定化処理工程に要する時間は90秒以下、さらには66秒以下のような迅速な処理条件下が好ましい実施形態である。前記のリンス又は安定化処理工程に要する時間とは、該工程が複数の槽を有する場合、第1槽に感光材料が浸漬してから最終槽を出るまでの時間を指し、最終槽から次処理工程、例えば乾燥工程に感光材料が移動する時間は含まないものとする。但し、複数槽を有する場合の槽と槽間のクロスオーバータイムは含むものとする。リンス槽又は安定化処理槽は1槽でも良いが、2〜10槽程度までは槽の数を増やすことができ、槽の数の増加によりリンス又は安定化処理組成物の補充量を減少させることができるが、自動現像機のコンパクト化を考えると2〜6槽程度が好ましい。補充液は何カ所かに分けて補充しても良いが、感光材料の搬送方向の下流側の槽に補充し、そのオーバーフロー液(槽間を液面下に位置する管で連結させた場合、該管を溶液が通る場合も含む)を該槽の前槽に流入させる、所謂カウンターカレント方式(多段向流方式)にするのが好ましくカスケードフロー方式もその1つに含まれる。更に好ましくは2槽以上の安定化槽で最後の槽へ補充液を補充し、オーバーフロー液を順次前の槽へ流し込むことである。
リンス又は安定化処理工程のクロスオーバータイムは5秒以下が好ましく、より好ましくは3秒以下である。また、クロスオーバータイムを短縮する手段としては、特開平5−66540号の図2〜図5に記載されるような液中ブレード等の搬送方式を用いることで達成できる。
リンス又は安定化処理工程の処理温度は、20〜70℃で使用されることが好ましく、より好ましくは、25〜60℃である。リンス又は安定化処理の後には水洗処理を全く必要としないが、極短時間内での少量水洗による表面洗浄等は必要に応じて任意に行うことができる。また、リンス又は安定化液の補充量が処理される感光材料1m2当たり250ml以下が好ましく、より好ましくは180ml以下である。
次に、本発明に適用される処理方法において、自動現像機を用いて現像処理される場合の好ましい様態について説明する。本発明の自動現像機の処理槽は、空気と接触する面積(開口面積)はできるだけ小さい方が、液の劣化を防げる点で好ましく、例えば、開口面積(cm2)を槽中の液体槽(cm3)で割った値を開口率とすると、開口率は0.01(cm-1)以下が好ましい。
また、空気と接触する面積を小さくする為に、処理槽および補充槽では液面に浮かぶ固体又は液体の空気非接触手段を設けることが好ましい。具体的には、プラスチック製の浮きなどを液面に浮かべる方法や、処理液と混ざらず、また化学反応を起こさない液体で覆うことが好ましい。液体の例としては、流動パラフィン、液状飽和炭化水素などが好ましい。
また、感光材料の乾燥方式としては、セラミック温風ヒーターを用いるのが好ましく、供給風量としては毎分4m2〜20m3が好ましい。セラミック温風ヒーターの加熱防止用サーモスタットは、伝熱によって動作させる方式が好ましく、取付け位置は、放熱フィンや伝熱部を通じて風下または風上に取りつけるのが好ましい。乾燥温度は、処理される感光材料の含水量によって調整することが好ましく、カラーネガフィルムでは45〜55℃、カラーペーパーでは55〜65℃が最適である。乾燥時間は5秒〜2分が好ましく、特に5秒〜60秒がより好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
《カラーペーパー用の安定化混合粉末1−1〜1−108の作製》
〔混合〕
(操作1)
20℃、40%RHに調湿された部屋で、下記の各素材を秤量した。次に、秤量した各素材をMIKRO−PULEVERIZER(ホソカワミクロン(株)製)を用いて、それぞれの質量平均粒径が30μm以下になるまでそれぞれ粉砕した。
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸4ナトリウム 1466g
エチレンジアミン四酢酸 549g
一般式(I)で表される化合物(表1、2、3に記載の種類) 366g
化合物A(表1、2、3に記載の種類) 73g
添加剤(表1、2、3に記載の種類) 190g
亜硫酸ナトリウム 366g
なお、表1、表2、表3に略称で記載の化合物A、添加剤の詳細は、以下の通りである。
化合物A1:ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム
化合物A2:トリクロロイソシアヌル酸
化合物A3:1−ブロモ−3−クロロ−5,5′−ジメチルヒダントイン
化合物A4:1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5′−ジメチルヒダントイン
化合物A5:2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール
PVP K15:ポリビニルピロリドン K15
PVP K90:ポリビニルピロリドン K90
β−CyD:β−シクロデキストリン
(操作2)
次に、操作1で作製した各粉末を、NEW SPEED KNEADER(岡田精工(株)製)に投入し、3分間混合してカラーペーパー用の安定化混合粉末を1−1〜1−108を作製した。
《安定化混合粉末の評価》
〔流動性評価:スパチュラ角の測定〕
上記作製した各カラーペーパー用の安定化混合粉末を各々100gずつ、アルミニウムパックに入れて、ヒートシールにより密閉した後、温度45℃、相対湿度65%の環境下で18日間保存した後、各安定化混合粉末のスパチュラ角を5回測定し、その平均値を求め、安定化混合粉末の流動性を評価した。なお、スパチュラ角の測定には、(株)ホソカワミクロン社製のパウダテスタPT−N型を使用した。
なお、各スパチュラ角と流動性との関係、及び流動性の判断基準は以下の通りである。
スパチュラ角30°以下:凝集は見られず、流動性に優れ、実技投入性も問題がないレベル
スパチュラ角31〜45°:若干の凝集は見られるが、流動性の問題もなく、実技投入性についても問題ないレベル
スパチュラ角46〜60°:部分的な凝集が発生し、流動性に多少問題があり、また実技投入性についても多少の問題があるレベル
スパチュラ角61°以上:大きな凝集が発生し、流動性及び実技投入性に問題があるレベル
以上により得られた結果を、表1、表2、表3に示す。
Figure 2006010924
Figure 2006010924
Figure 2006010924
表1、表2、表3に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなるカラーペーパー用の安定化混合粉末は、比較例に対し流動性に優れていることが分かる。また、本発明の構成のなかでも、硫酸金属塩(硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム)、一般式(B−1)で表される化合物、ポリビニルピロリドン、あるいはデキストリン化合物を含有することにより、特に優れた流動性が得られることが分かる。
実施例2
《カラーペーパー用の安定化顆粒剤2−1〜2−36の作製》
〔混合・造粒〕
(操作1)
20℃、40%RHに調湿された部屋で、下記の第1群素材を秤量した。次に、秤量した第1群素材を(株)松坂技研社製のレディゲミキサー(商品名;M−20型)に投入し、ミキサーの回転数250rpm、チョッパーの回転数を2500rpmで30秒間プレ混合した。
(操作2)
次に、70℃の温水をウォータージャケットに循環させることでレディゲミキサーを加熱しつつ、ミキサー回転数250rpmにより、顆粒温度が55℃の温度に達し、結合剤が溶融して液状バインダーとなるまで練り合わせた。
(操作3)
次に、ウォータージャケットに20℃の水を循環させることで、レディゲミキサーを冷却しつつ、ミキサー回転数250rpmで、顆粒温度が40℃になるまで混合して、下記第2群素材を添加した後、更にミキサー回転数250rpmで30秒間混合して、カラーペーパー用の安定化顆粒剤2−1〜2−36を作製した。
〈第1群素材〉
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸4ナトリウム 2444g
蛍光増白剤(チノパールSFP、チバガイギー社製) 325g
エチレンジアミン四酢酸 915g
一般式(I)で表される化合物(例示化合物I−38) 608g
化合物A(表4に記載の種類) 100g
亜硫酸ナトリウム 608g
結合剤(ポリエチレングリコール#4000) 全素材の10質量%相当量
〈第2群素材〉
添加剤(表4に記載の種類) 第1群素材の総量に対し3.5質量%
なお、各添加剤は、MIKRO−PULEVERIZER(ホソカワミクロン(株)製)を用いて、平均粒径が30μm以下になるまで粉砕したものを使用した。
《安定化顆粒剤の評価》
〔流動性評価:スパチュラ角の測定〕
上記作製した各安定化顆粒剤をそれぞれ100gずつ、アルミニウムパックに入れて、ヒートシールにより密閉した後、実施例1に記載の条件で保存した後、保存後の顆粒剤のスパチュラ角を実施例1と同様の方法で測定し、得られた結果を表4に示す。
Figure 2006010924
表4に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなるカラーペーパー用の安定化顆粒剤は、比較例に対し流動性に優れていることが分かる。また、本発明の構成のなかでも、一般式(D)で表される化合物を含有することにより、特に優れた流動性が得られることが分かる。
実施例3
《カラーペーパー用の安定化錠剤3−1〜3−36の作製》
実施例2で作製した各安定化顆粒剤を用いて、菊水製作所(株)製タフプレスコレクト1527HU(錠剤製造機、打錠機)により連続打錠を行い、カラーペーパー用の安定化錠剤3−1〜3−36を作製した。それぞれの1錠の質量は9.0gとした。また、各錠剤は200錠ずつ作製した。打錠条件は、円筒型杵9本、本圧力100MPa、予圧力80MPa、ターンテーブルの回転数10rpmに設定した。
次に、作製した錠剤を各10錠ずつ、アルミニウムパックに入れ、温度45℃、相対湿度65%の恒温ボックス内に18日間保存し、保存後の錠剤をコニカミノルタフォトーメージング社製のエコジェットカートリッジ(ECOJET−P QAペーパーケミカル タイプJ1)の各列に1錠ずつ入れ、カートリッジの角度を水平から角度を上げていき、錠剤が転がり始める角度を求め、これを錠剤の転がり性の尺度とした。
なお、各転がり角度と投入性との関係、及び投入性の判断基準は以下の通りである。
転がり角度0〜10°:カートリッジへの錠剤の張り付く等が全くない状態で、投入性も全く問題ないレベル
転がり角度11〜20°:カートリッジに錠剤が若干張り付くが、叩かなくても自然に落ちてくる状態で、実技投入性に問題ないレベル
転がり角度21〜30°:カートリッジに錠剤が張り付き、軽く叩けば出てくる状態、実技投入性に若干の問題が出るレベル
転がり角度31以上:カートリッジに錠剤が張り付き、強く叩かなければ出てこない状態で、実技投入性に問題が出るレベル
以上により得られた結果を、表5に示す。
Figure 2006010924
表5に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなるカラーペーパー用の安定化顆粒剤を用いて作製した錠剤は、比較例に対し、転がり性(投入性)に優れていることが分かる。また、本発明の構成のなかでも、一般式(D)で表される化合物を含有することにより、特に優れた転がり性が発揮されていることが分かる。
実施例4
《カラーネガフィルム用の安定化顆粒剤4−1〜4−24の作製》
(操作1)
20℃、40%RHに調湿された部屋で、下記の第1群素材であるm−ヒドロキシベンズアルデヒドを秤量した。次に、秤量した第1群素材を(株)松坂技研社製のレディゲミキサー(商品名;M−20型)に投入し、ミキサーの回転数250rpm、チョッパーの回転数を2500rpmで3分間攪拌して微粉末状に粉砕した。
(操作2)
次いで、レディゲミキサーに、下記第2群素材を投入し、ミキサー回転数250rpmで回転しつつ、原材料の総質量に対して、1.0質量%相当量の純水を、約1分間を要して添加し、添加終了後、3分間攪拌して造粒した。
(操作3)
次に、レディゲミキサー内を14kPaに減圧しつつ、ウォータージャケットに58℃の温水を循環して造粒物を加温し、ミキサー回転数250rpmで2時間攪拌し、減圧乾燥を行って、カラーネガフィルム用の安定化顆粒剤4−1〜4−24を作製した。
〈第1群素材〉
m−ヒドロキシベンズアルデヒド 2211g
〈第2群素材〉
エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム・2水和物 435g
一般式(I)で表される化合物(例示化合物I−38) 900g
化合物A(表6に記載の種類) 180g
亜硫酸ナトリウム 1087g
フッ素系界面活性剤 187g
《安定化顆粒剤の評価》
〔流動性評価:スパチュラ角の測定〕
上記作製した各安定化顆粒剤をそれぞれ100gずつ、アルミニウムパックに入れて、ヒートシールにより密閉した後、実施例1に記載の条件で保存した後、保存後の顆粒剤のスパチュラ角を実施例1と同様の方法で測定し、得られた結果を表6に示す。
Figure 2006010924
表6に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなるカラーネガフィルム用の安定化顆粒剤は、比較例に対し流動性に優れていることが分かる。
実施例5
《カラーネガフィルム用の安定化錠剤5−1〜5−24の作製》
実施例4で作製した各安定化顆粒剤を用い、実施例3に記載の方法と同様にして、それぞれの1錠当たりの質量が5.5gの錠剤を、各200錠ずつ作製した。
次に、実施例3と同様にして作製した錠剤の転がり性の測定及び評価を行い、得られた結果を表7に示す。
Figure 2006010924
表7に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなるカラーネガフィルム用の安定化顆粒剤を用いて作製した錠剤は、比較例に対し、転がり性(投入性)に優れていることが分かる。
実施例6
《添加顆粒剤6−1〜6−24の作製》
〔混合・造粒〕
(操作1)
20℃、40%RHに調湿された部屋で、下記の第1群素材を全量が5000gとなるように秤量した。次に、秤量した素材を(株)松坂技研社製のレディゲミキサー(商品名;M−20型)に投入し、ミキサーの回転数250rpm、チョッパーの回転数を2500rpmで30秒間プレ混合した。
(操作2)
次に、70℃の温水をウォータージャケットに循環させることでレディゲミキサーを加熱しつつ、ミキサー回転数250rpmにより、顆粒温度が55℃の温度に達し、結合剤が溶融して、液状バインダーとなるまで練り合わせた。
(操作3)
次に、ウォータージャケットに20℃の水を循環させることで、レディゲミキサーを冷却しつつ、ミキサー回転数250rpmで、顆粒温度が40℃になるまで混合し、添加顆粒剤6−1〜6−24を作製した。
〈第1群素材〉
一般式(I)で表される化合物(表8に記載の種類) 1.3g
化合物A(表8に記載の種類) 0.08g
亜硫酸ナトリウム 0.1g
ポリエチレングリコール#4000 全素材の7.5質量%相当量
《添加顆粒剤の評価》
〔流動性評価:スパチュラ角の測定〕
上記作製した各添加顆粒剤をそれぞれ100gずつ、アルミニウムパックに入れて、ヒートシールにより密閉した後、実施例1に記載の条件で保存した後、保存後の顆粒剤のスパチュラ角を実施例1と同様の方法で測定し、得られた結果を表8に示す。
Figure 2006010924
表8に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなる添加顆粒剤は、比較例に対し、流動性に優れていることが分かる。
実施例7
《ハロゲン化銀カラー写真感光材料の作製》
下記の方法に従って、反射観賞用のハロゲン化銀カラー写真感光材料であるカラーペーパーを作製した。
坪量180g/m2の紙パルプの両面に高密度ポリエチレンをラミネートし、紙支持体を作製した。ただし、各乳剤層を塗布する側には、表面処理を施したアナターゼ型酸化チタンの分散物(含有量は15質量%)を含有する溶融ポリエチレンをラミネートし、反射支持体Aを作製した。この反射支持体Aをコロナ放電処理した後、ゼラチン下塗層を設け、さらに以下に示す構成の各構成層を塗設し、カラーペーパーである試料101を作製した。ただし表9、表10中、ハロゲン化銀乳剤の添加量は、銀に換算して記載した。
上記試料101の作製において、硬膜剤として(H−1)、(H−2)を添加した。塗布助剤としては、界面活性剤(SU−2)、(SU−3)を添加し、表面張力を調整した。又各層にF−1を全量が0.04g/m2となるように添加した。
Figure 2006010924
Figure 2006010924
なお、表9、表10に記載の各添加剤の詳細は、以下の通りである。
SU−1:トリ−i−プロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム
SU−2:スルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)・ナトリウム
SU−3:スルホ琥珀酸ジ(2,2,3,3,4,4,5,5,−オクタフル オロペンチル)・ナトリウム
DBP:ジブチルフタレート
DNP:ジノニルフタレート
DOP:ジオクチルフタレート
DIDP:ジ−i−デシルフタレート
H−1:テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン
H−2:2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン・ナトリウム
HQ−1:2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン
HQ−2:2,5−ジ−sec−ドデシルハイドロキノン
HQ−3:2,5−ジ−sec−テトラデシルハイドロキノン
HQ−4:2−sec−ドデシル−5−sec−テトラデシルハイドロキノン
HQ−5:2,5−ジ〔(1,1−ジメチル−4−ヘキシルオキシカルボニル)ブチル〕ハイドロキノン
画像安定剤A:p−t−オクチルフェノール
画像安定剤B:ポリ(t−ブチルアクリルアミド)
Figure 2006010924
Figure 2006010924
Figure 2006010924
Figure 2006010924
Figure 2006010924
(ハロゲン化銀乳剤の調製)
〈青感性ハロゲン化銀乳剤の調製〉
平均粒径0.71μm、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤であるEMP−1を、常法に従い調製した。次に、平均粒径0.64μm、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤であるEMP−1Bを、常法に従い調製した。
上記EMP−1に対し、下記化合物を用い、感度−カブリの関係が最適になる様に化学増感を行った。また、EMP−1Bに対しても同様に感度−カブリの関係が最適になる様に化学増感した後、増感されたEMP−1とEMP−1Bを銀量で1:1の比率で混合し、青感性ハロゲン化銀乳剤(Em−B)を調製した。
チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モルAgX
塩化金酸 0.5mg/モルAgX
安定剤:STAB−1 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−2 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−3 3×10-4モル/モルAgX
増感色素:BS−1 4×10-4モル/モルAgX
増感色素:BS−2 1×10-4モル/モルAgX
〈緑感性ハロゲン化銀乳剤の調製〉
平均粒径0.40μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤であるEMP−2を、常法に従い調製した。次に平均粒径0.50μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤であるEMP−2Bを、常法に従い調製した。
上記EMP−2に対し、下記化合物を用い、感度−カブリの関係が最適になる様に化学増感を行った。またEMP−2Bに対しても同様に、感度−カブリの関係が最適になる様に化学増感した後、増感されたEMP−2とEMP−2Bを銀量で1:1の比率で混合し、緑感性ハロゲン化銀乳剤(Em−G)を調製した。
チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モルAgX
塩化金酸 1.0mg/モルAgX
安定剤:STAB−1 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−2 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−3 3×10-4モル/モルAgX
増感色素:GS−1 4×10-4モル/モルAgX
〈赤感性ハロゲン化銀乳剤の調製〉
平均粒径0.40μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤であるEMP−3を、常法に従い調製した。また平均粒径0.38μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤であるEMP−3Bを、常法に従い調製した。
上記EMP−3に対し、下記化合物を用い、感度−カブリの関係が最適になる様に化学増感を行った。またEMP−3Bに対しても同様に、感度−カブリの関係が最適になる様に化学増感した後、増感されたEMP−3とEMP−3Bを銀量で1:1の比率で混合し、赤感性ハロゲン化銀乳剤(Em−R)を調製した。
チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX
塩化金酸 2.0mg/モルAgX
安定剤:STAB−1 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−2 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−3 3×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−1 1×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−2 1×10-4モル/モルAgX
上記各ハロゲン化銀乳剤の調製に使用した各化合物の詳細は、以下の通りである。
STAB−1:1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
STAB−2:1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール
STAB−3:1−(4−エトキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
また赤感光性ハロゲン化銀乳剤には、SS−1をハロゲン化銀1モル当り2.0×10-3モル添加した。
Figure 2006010924
《現像処理》
上記作製した試料101を、実写シーンが撮影されたカラーネガフィルムから像様露光を行い、現像処理としては1日あたり5m2で、2Rになるまで連続処理(ランニング処理)を行った。本発明でいう2Rとは、安定化タンク液容量分の安定化補充剤が2倍量補充されることを意味する。
また、現像処理機にはコニカミノルタフォトーメージング社製の自動現像機NPS−878JW(CL−PP1011B)を用い、自動現像機を1日当たり14時間稼働させた。
(処理条件)
処理工程 処理温度 処理時間 補充量 給水量 タンク容量
(℃) (秒) (錠剤/m2) (ml/m2) (L)
発色現像 39.5 22 0.617 63 15.5
漂白定着 38.0 14 1.23 49(*1) 15.2
安定化−(1) 38.0 18 − − 14.3
安定化−(2) 38.0 18 − − 14.6
安定化−(3) 38.0 18 0.103 150 15.7
乾燥 60〜80 20
なお、安定化工程は、安定化−(3)→安定化−(2)→安定化−(1)への向流方式である。
*1:漂白定着への給水は、安定化−(1)のオーバーフロー液を流入した。
スタート時のタンク液には、QAペーパー用発色現像イニシャルキット タイプJ1、QAペーパー用漂白定着イニシャルキット タイプJ1、QAペーパー用スーパースタビライザーイニシャルキット タイプJ1(以上、コニカミノルタフォトーメージング社製)を使用した。また、安定化補充剤以外は、ECOJET−P Type04−LR QAペーパ− ケミカル タイプJ1(コニカミノルタフォトーメージング社製)を使用した。
安定化補充剤としては、実施例3で作製したカラーペーパー用の安定化錠剤3−29、3−32及び3−36を用いた。
上記方法に従って、2Rまでのランニングを終了した後、それぞれの安定化−1〜安定化−3の処理液を採取し、目視により観察した結果、いずれの安定化液も浮遊物や析出等の発生もなく、良好な処理液性能を有していることを確認することができた。
実施例8
《ハロゲン化銀カラー写真感光材料の作製》
下記の方法に従って、撮影用ハロゲン化銀カラー写真感光材料であるカラーネガフィルムを作製した。
下引層を設けた厚さ125μmのセルローストリアセテートフィルム支持体上に、以下の組成物を塗布して多層からなる撮影用ハロゲン化銀カラー写真感光材料である試料201を作製した。
以下、全ての記載において、ハロゲン化銀カラー写真感光材料中の各添加剤の添加量は、特に記載のない限り1m2あたりのグラム数で示した。また、ハロゲン化銀およびコロイド銀は、金属銀に換算して示し、増感色素はハロゲン化銀1モル当たりのモル数で示した。
(第1層:ハレーション防止層)
黒色コロイド銀 0.18
紫外線吸収剤(UV−1) 0.3
カラードカプラー(CM−1) 0.08
カラードカプラー(CC−1) 0.05
高沸点有機溶剤(OIL−1) 0.16
高沸点有機溶剤(OIL−2) 0.5
ゼラチン 1.5
(第2層:中間層)
カラードカプラー(CC−1) 0.035
高沸点有機溶剤(OIL−2) 0.08
ゼラチン 0.7
(第3層:低感度赤感光性層)
沃臭化銀乳剤a 0.30
沃臭化銀乳剤b 0.06
増感色素(SD−1) 1.10×10-5
増感色素(SD−2) 5.40×10-5
増感色素(SD−3) 1.25×10-4
シアンカプラー(C−1) 0.30
カラードカプラー(CC−1) 0.054
DIR化合物(DI−1) 0.02
高沸点有機溶剤(OIL−2) 0.3
化合物(AS−2) 0.001
ゼラチン 1.5
(第4層:中感度赤感光性層)
沃臭化銀乳剤b 0.37
SD−1 1.50×10-5
SD−2 7.00×10-5
SD−3 1.65×10-4
C−1 0.23
CC−1 0.038
DI−1 0.01
OIL−2 0.27
AS−2 0.001
ゼラチン 1.5
(第5層:高感度赤感光性層)
沃臭化銀乳剤a 0.04
沃臭化銀乳剤b 0.18
沃臭化銀乳剤c 0.50
SD−1 1.30×10-5
SD−2 6.00×10-5
SD−3 1.40×10-4
C−1 0.12
C−2 0.03
CC−1 0.03
DI−1 0.004
OIL−2 0.19
AS−2 0.002
ゼラチン 1.2
(第6層:中間層)
OIL−1 0.08
AS−1 0.08
ゼラチン 0.9
(第7層:低感度緑感光性層)
沃臭化銀乳剤a 0.22
沃臭化銀乳剤d 0.09
SD−4 1.50×10-4
SD−5 3.75×10-5
M−1 0.35
CM−1 0.12
OIL−1 0.49
DI−2 0.017
AS−2 0.0015
ゼラチン 2.2
(第8層:中感度緑感光性層)
沃臭化銀乳剤d 0.46
SD−5 2.10×10-5
SD−6 1.61×10-4
SD−7 2.40×10-5
M−1 0.1
CM−1 0.05
OIL−1 0.15
AS−2 0.001
ゼラチン 1.6
(第9層:高感度緑感光性層)
沃臭化銀乳剤a 0.03
沃臭化銀乳剤e 0.47
SD−5 1.90×10-5
SD−6 1.43×10-4
SD−7 2.10×10-5
M−1 0.033
M−2 0.023
CM−1 0.023
DI−1 0.009
DI−2 0.0009
OIL−1 0.08
AS−2 0.002
ゼラチン 1.2
(第10層:イエローフィルター層)
黄色コロイド銀 0.08
OIL−1 0.06
AS−1 0.8
ゼラチン 0.9
(第11層:低感度青感光性層)
沃臭化銀乳剤a 0.18
沃臭化銀乳剤f 0.14
沃臭化銀乳剤g 0.08
SD−8 1.15×10-4
SD−9 5.60×10-5
SD−10 2.56×10-5
Y−1 1.0
OIL−1 0.4
AS−2 0.002
FS−1 0.08
ゼラチン 3.0
(第12層:高感度青感光性層)
沃臭化銀乳剤g 0.30
沃臭化銀乳剤h 0.30
SD−8 7.12×10-5
SD−10 2.39×10-5
Y−1 0.1
OIL−1 0.04
AS−2 0.002
FS−1 0.01
ゼラチン 1.10
(第13層:第1保護層)
沃臭化銀乳剤i 0.3
UV−1 0.11
UV−2 0.53
ゼラチン 0.9
(第14層:第2保護層)
PM−1 0.15
PM−2 0.04
WAX−1 0.02
ゼラチン 0.55
尚上記組成物の他に、化合物SU−1、SU−2、粘度調整剤V−1、硬膜剤H−1、H−2、安定剤ST−1、ST−2、カブリ防止剤AF−1、AF−2、AF−3、染料AI−1、AI−2、AI−3及び防腐剤D−1を各層に適宜添加した。
Figure 2006010924
Figure 2006010924
Figure 2006010924
Figure 2006010924
Figure 2006010924
Figure 2006010924
Figure 2006010924
Figure 2006010924
Figure 2006010924
Figure 2006010924
Figure 2006010924
Figure 2006010924
上記試料201の作製に用いたハロゲン化銀乳剤の一覧を、下記表11に示す。尚平均粒径は、立方体に換算した粒径で示した。
Figure 2006010924
沃臭化銀乳剤b、e、g、hは、イリジウムを1×10-7〜1×10-6mol/1molAg含有している。
上記沃臭化銀乳剤i以外の各乳剤は、前記増感色素を添加した後、チオ硫酸ナトリウム、塩化金酸、チオシアン酸カリウム等を添加し、カブリ−感度の関係が最適になるように化学増感を施した。
《現像処理》
上記作製したカラーネガフィルムである試料201に、一眼レフカメラを用いて標準的な屋外デーラライトシーンを撮影した後、この露光済試料201を、下記の処理工程からなるコニカミノルタフォトイメージング社製の自動現像機CL−KP46Jを使用して、1日あたり10本の割合で、2Rになるまでランニング処理を行った。本発明でいう2Rとは、安定化タンク液容量分の安定化補充剤が2倍量補充されることを意味する。また、上記自動現像機は、1日に14時間稼働させた。
(処理条件)
処理工程 処理温度 処理時間 補充量 給水量 タンク容量
(℃) (錠剤/本) (ml/本) (L)
発色現像 38.0 3分15秒 0.11 16.6 16.7
漂白 38.0 45秒 0.15 2.55 3.9
定着−1 38.0 45秒 − − 3.9
定着−2 38.0 45秒 0.36 17.1(*1) 3.9
安定化−(1) 38.0 20秒 − − 3.2
安定化−(2) 38.0 20秒 − − 3.2
安定化−(3) 38.0 20秒 0.01 30.0 3.6
乾燥 60〜65 35
なお、安定化工程は、安定化−(3)→安定化−(2)→安定化−(1)への向流方式であり、定着工程も定着−2→定着−1へ向流配管で接続されている。
また、補充量は、35mm幅×1.1m(135 24EX相当)の試料1本当たりの錠剤数であり、また給水量も、135 24EX相当1本当たりの量を表す。
*1:定着−2への給水は、安定化−(1)のオーバーフロー液を流入した。
スタート時のタンク液には、カラーネガフィルム用発色現像イニシャルキット タイプJ1、カラーネガフィルム用漂白イニシャルキット タイプJ1、カラーネガフィルム用定着イニシャルキット タイプJ1、カラーネガフィルム用スーパースタビライザーイニシャルキット タイプJ1キット(以上、コニカミノルタフォトイメージング社製)を使用した。また、安定化補充剤以外は、ECOJET−N Type04−LR カラーネガフィルム ケミカル タイプJ1(コニカミノルタフォトイメージング社製)の補充剤を使用した。安定化補充剤としては、実施例5で作製したカラーネガフィルム用の安定化錠剤5−17、5−20及び5−24を用いた。
上記方法に従って、2Rまでのランニングを終了した後、それぞれの安定化−1〜安定化−3の処理液を採取し、目視により観察した結果、いずれの安定化液も浮遊物や析出等の発生もなく、良好な処理液性能を有していることを確認することができた。
実施例9
《現像処理》
実施例7で作製したカラーペーパーである試料101を用いて、実写シーンが撮影されたカラーネガフィルムから像様露光を行い、処理としては1日あたり3.5m2で、2Rになるまでランニング処理を行った。2Rとは安定化タンク液容量分の安定化補充液が2倍量補充されることを意味する。現像処理機にはコニカミノルタフォトイメージング社製の自動現像機NPS−808GOLDを改造し、給水タンク(8L)と該給水タンクから各処理槽に水を供給するためのポンプ(ベローズポンプ)と配管(パイプ)を取り付けた。この給水タンクから、自動現像機が稼働中に蒸発した水分と稼働休止中に各処理槽から蒸発した水分を補正するため、補填する給水タンク液を供給した。
なお、上記自動現像機は1日、14時間稼働させた。
(処理条件)
処理工程 処理温度 処理時間 補充量 タンク容量
(℃) (秒) (ml/m2) (L)
発色現像 39.5 22 45 12.5
漂白定着 38.0 22 35 12.3
安定化−(1) 38.0 22 − 11.8
安定化−(2) 38.0 22 − 11.8
安定化−(3) 38.0 22 100 11.8
乾燥 60〜80 30
なお、安定化工程は、安定化−(3)→安定化−(2)→安定化−(1)への向流方式である。
(処理液組成)
タンク液及び補充液について以下に示す。
〈発色現像液:1L当たり〉
タンク液 補充液
ポリエチレングリコール#4000 15.0g 15.0g
p−トルエンスルホン酸ナトリウム 10.0g 10.0g
塩化カリウム 4.0g −
4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−(メタンスルホンアミド)エチル)アニリン硫酸塩 6.0g 12.0g
N,N−ビス(スルホエチル)ヒドロキシルアミンジナトリウム塩
5.0g 11.0g
炭酸カリウム 30.0g 30.0g
ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム 8.0g 8.0g
pH 10.00 12.10
水を加えて1Lとし、pHは50%硫酸または水酸化カリウム溶液で調整した。
〈漂白定着液:1L当たり〉
タンク液 補充液
エチレンジアミン四酢酸第2鉄アンモニウム 0.20mol 0.37mol
チオ硫酸アンモニウム 0.54mol 1.0mol
亜硫酸ナトリウム 0.15mol 0.25mol
コハク酸 20.0g 38.0g
イミダゾール 5.0g 10.0g
pH 6.0 4.8
水を加えて1Lとし、pHはアンモニア水溶液または50%硫酸を用いて調整した。
〈安定化液:1L当たり〉
タンク液=補充液
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸3ナトリウム 3.0g
エチレンジアミン四酢酸 1.5g
o−フェニルフェノール 0.1g
亜硫酸ナトリウム 0.5g
蛍光増白剤(チノパールSFP チバガイギー製) 0.5g
pH 7.5
水を加えて1Lとし、pHはアンモニア水溶液または50%硫酸を用いて調整した。
(給水タンク液:1Lあたり)
実施例6で調製した添加顆粒剤 1.6g
pH 7.0
水を加えて1Lとし、pHは水酸化カリウム溶液または50%硫酸を用いて調整した。
《ランニング後の処理液観察》
ランニング終了後、発色現像液及び安定化−1の処理液を採取し、液の状態を目視観察した。また、発色現像処理槽及び安定化−1槽も目視観察し、下記の基準に従って評価した。
◎:各処理液にタールまたは浮遊物が確認されず、各処理槽のラック界面にも析出物が確認されない
○:実害性はないものの、各処理液に僅かなタールまたは浮遊物が確認される
△:実害性はないものの、各処理液に僅かなタールまたは浮遊物が確認され、かつ処理槽のラック界面にも僅かな析出物が確認される
×:各処理液に明らかなタールまたは浮遊物が確認され、かつ処理槽のラック界面にも析出物が確認される
以上により得られた結果を、表12に示す。
Figure 2006010924
表12に記載の結果より明らかなように、本発明の固体処理剤である添加顆粒剤を給水タンクに添加することで、1日当たりの処理量が少なく、処理液の更新率が低い条件でも、処理液の劣化や処理槽のラック界面の析出を良好に抑制できるとが分かる。また、給水タンクに、本発明の固体処理剤である添加顆粒剤を添加することで、従来のように各処理槽毎に添加剤を添加しなくても良く、取扱い性の点でも優れていることが分かる。
実施例10
実施例9において、自動現像機の安定化槽(安定化−(3))の補充を、給水タンクから補充されるように配管(パイプ)を改造し、給水タンク液に実施例9で調製した給水タンク液7−1及び7−2を用いた以外は同様にして現像処理した結果、比較の添加顆粒剤を溶解した給水タンク液7−1を用いた条件では、安定化−1の処理液に僅か浮遊物及び析出物が確認されたが、給水タンク液に本発明の添加顆粒剤を溶解した給水タンク液7−2を用いた条件では、安定化−1の処理液に浮遊物及び析出物が確認されず、良好な結果であった。
固体処理剤供給(投入)装置の一例を示す構成図である。 自動現像機とカラーペーパーへの焼付機とが一体になったカラーペーパー用自動現像機の一例を示す全体構成図である。 カラーフィルム用の自動現像機の一例を示す全体構成図である。 一体型カートリッジの濃縮処理組成物(キット)の補充システムを有した自動現像機の一例を示す全体構成図である。
符号の説明
111 固体処理剤
101 容器(カートリッジ)
104 回転円筒
AP カラーペーパー用の自動現像機
B 写真焼付機
C 補充液部
1A 発色現像槽
1B 漂白定着槽
7B 漂白槽
7C、7D 定着槽
1C、1D、1E、1F、7E、7F、7G 安定化槽(リンス槽)
2A、2B、2E、9A、9B、9D、9G 溶解槽
2C、2D 循環槽
3A、3B、3E 固体処理剤供給装置
4、41 補充水タンク
4A 発色現像補充タンク槽
4B−1、4B−2 漂白定着補充タンク槽
4C リンス補充タンク槽(給水タンク槽)
401 一体型カートリッジ濃縮組成物
AF カラーフィルム用の自動現像機
H 補充液供給ライン
K 水の供給ライン
M 廃液ライン
N 廃液受け部

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)で表されるスルフィン酸誘導体と、下記一般式(A−1)〜(A−3)で表される化合物、ジクロロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸、1−ブロモ−3−クロロ−5,5′−ジメチルヒダントイン、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5′−ジメチルヒダントイン及び2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールから選ばれる少なくとも1種の化合物とを含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料処理用固体処理剤。
    一般式(I)
    RSO2
    〔式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基またはアリール基を表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基または4級アミンを表す。〕
    Figure 2006010924
    〔式中、R1はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、カルボキシル基(その塩を含む)またはスルホ基(その塩を含む)を表す。R2及びR3はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基(その塩を含む)またはスルホ基(その塩を含む)を表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウム基を表す。〕
    Figure 2006010924
    〔式中、R4は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、−R12−OR13、−CONHR14(ここでR12はアルキレン基を表し、R13及びR14はそれぞれ水素原子、アルキル基またはアリールアルキル基を表す)またはアリールアルキル基を表し、R5及びR6はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基またはアルキル基を表し、R7は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、アリールアルキル基、−R15−OR16または−CONHR17(ここでR15はアルキレン基を表し、R16及びR17はともに水素原子またはアルキル基を表す)を表し、R8、R9、R10及びR11はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アミノ基またはニトロ基を表す。〕
  2. 硫酸金属塩、下記一般式(B−1)で表される化合物、ポリビニルピロリドン及びデキストリンから選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料処理用固体処理剤。
    Figure 2006010924
    〔式中、A〜Fは、少なくとも1つがスルホン酸基、スルホン酸塩またはスルホン酸エステルであり、残りは水素原子、ハロゲン原子、または飽和あるいは不飽和のアルキル基を表す。〕
  3. 下記一般式(D)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料処理用固体処理剤。
    一般式(D)
    R′−(O)xSO3M′
    〔式中、R′はアルキル基を表し、xは0または1を表し、M′はカチオンを表す。〕
  4. ハロゲン化銀カラー写真感光材料を処理する処理槽に水を供給するための給水タンクを有する自動現像機を用い、該給水タンクに請求項1〜3のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料処理用固体処理剤を添加して処理することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
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WO2021045237A1 (ja) * 2019-09-06 2021-03-11 株式会社グリーンウェル トリクロロイソシアヌル酸を含有する錠剤の包装体
JP2021041162A (ja) * 2019-09-06 2021-03-18 株式会社グリーンウェル トリクロロイソシアヌル酸を含有する錠剤の包装体

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