JP2006010090A - エンジン駆動式空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エンジン駆動式空気調和機において、空調効率を向上させること。
【解決手段】 室内熱交換器13の空気取り入れ口13aと、第1地中パイプ30とを連通させる。外気は、第1地中パイプ30の一端31から埋設部32を経由して空気混合装置22に入り、室内空気と混合されて混合空気とされ、空気取り入れ口13aから室内熱交換器に導入される。外気が第1地中パイプ30の埋設部32を経由する過程で熱交換されるため、混合空気の温度変化を小さくすることができ、空調効率を向上させることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジンにより圧縮機を駆動させて空調を行うエンジン駆動式空気調和機に係るものであり、特に、エンジン駆動式空気調和機の空調効率を向上させる技術に関するものである。
エンジン駆動式空気調和機は、エンジンにより駆動する圧縮機によって吐出された冷媒を室内熱交換器によって空気と熱交換させ、この熱交換作用(凝縮作用、蒸発作用)によって得られる温熱又は冷熱を利用して空調を行うものである。
一般に、空気調和機は、室外に設置される室外熱交換器と、室内に設置される室内熱交換器とを持つ。そして、冷房時においては、冷媒を室内熱交換器に通過させることによって冷媒を加熱して蒸発させる(蒸発作用)。この蒸発に伴なう気化熱として回りの空気から熱が奪われることにより吸熱作用が営まれ、斯かる吸熱作用によって室内冷房を行う。一方、暖房時においては、冷媒を室内熱交換器に通過させることによって熱を奪って凝縮させる(凝縮作用)。この凝縮に伴ない発生する凝縮熱を回りに与えることによって放熱作用が営まれ、斯かる放熱作用によって室内暖房を行う。
また、室内熱交換器においては、冷媒と接触させるべき気体を、空気取り入れ口から取り入れている。取り入れられる空気は、室内の空気に加え、外気も加えることが一般的に行われている。これは、室内換気効果をも併せ持たせようとするために行われるもので、ダンパーなどによって、その取り入れ割合を変化させることができるようになっている。
また、上述のような空調機に代えて、特許文献1に示されるような、地熱を利用した空調システムが提案されている。これは、地中パイプを室内に張り巡らせて、適所に排出口を設けることにより、地中パイプによって一定温度にされた空気を室内に提供するシステムであり、地中パイプを通過する空気が、夏季は地中より冷やされ、一方冬季は地中より暖められるため、このようにして地中パイプで温度調節した空気を室内に導入することによって空調を行おうとするものである。このような空調であれば、冷媒を還流させるための機構が不必要であるため、コスト的に有利であるとともに、省エネルギー効果が期待できる。
特許第3201755号公報
従来の空気調和機においては、上述のように室内空気と外気とを混ぜた混合気を室内熱交換器の空気取り入れ口から取り入れているので、取り入れる外気の温度が室内空気の温度に対して大きく離れている場合には、混合空気の温度が外気の温度に近づいてしまい、空調効率が低下するという問題がある。例えば、冬場に暖房運転するような場合には、冬場の厳寒の下で冷やされた外気と室内空調により暖められた室内空気とを混ぜて空気取り入れ口から室内熱交換器することになるが、この混合気の温度は、冷たい外気を混ぜ合わせることによって室内空気の温度と比較してかなり低くなり、このように温度低下した混合空気を空調して再び暖めるというような状態となる。従って、室内の温度がなかなか上昇しない状態を招き、空調効率を低下させる一因となる。
また、特許文献1に記載された地熱を利用した空調システムは、確かにコスト的及び省エネルギー的に有利ではあるが、熱交換効率があまり良くない上、外気温度と地中温度とでは温度差が少ないため、十分に室内を空調することができないという問題がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、エンジン駆動式空気調和機において、空調効率を向上させることを技術的課題とするものである。
上記した技術課題を解決するためになされた請求項1の発明は、
エンジンにより駆動されて冷媒を吸入するとともに吸入した冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、該圧縮機から吐出された冷媒が該圧縮機に吸入されるまでの流路を形成する冷媒流路と、室外に設置されるとともに前記冷媒流路中の冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器と、室内に設置されるとともに取り入れた空気を前記冷媒流路中の冷媒と熱交換させて室内に供給する室内熱交換器と、前記冷媒流路中に介装され前記室外熱交換器又は前記室内熱交換器により熱交換されて凝縮作用を受けた冷媒を膨張させる膨張弁と、を有するエンジン駆動式空気調和機において、
前記室内熱交換器の空気取り入れ口には、一端が外部に開放されているとともにその途中部分が地中に埋設された第1地中パイプが接続されてなることを特徴とする、エンジン駆動式空気調和機とすることである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、
前記エンジンの排気通路には、一端が外部に開放されているとともにその途中部分が地中に埋設された第2地中パイプが接続されてなることを特徴としている。
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、
一端が前記エンジンの排気通路に接続されるとともに他端が外部に開放した分岐通路と、該分岐通路の途中に介装された開閉弁とを有することを特徴としている。
また、請求項4の発明は、請求項1の発明において、
前記空気取り入れ口と前記第1地中パイプとの間に介装された排気熱交換器と、
前記エンジンから排出される排気ガスを前記排気熱交換器に導入する排気ガス供給通路とをさらに備え、
前記排気熱交換器にて、前記第1地中パイプから前記排気熱交換器に導入される空気と前記排気ガス供給通路から前記排気熱交換器に導入される排気ガスとが熱交換することを特徴としている。
また、請求項5の発明は、請求項1の発明において、
前記空気取り入れ口と前記第1地中パイプとの間に介装された温水熱交換器と、
コ・ジェネレーションユニットにより生成される温水を前記温水熱交換器に供給する温水供給通路とをさらに備え、
前記温水熱交換器にて、前記地中パイプから前記温水熱交換器に導入される空気と前記温水供給通路から前記温水熱交換器に導入される温水とが熱交換することを特徴としている。
上記請求項1の発明によれば、室内熱交換器の空気取り入れ口には、一端が外部に開放した第1地中パイプが取り付けられている。従って、空気取り入れ口から取り入れられる外気は、第1地中パイプを経由して取り入れられることとなる。また、第1地中パイプは、その途中部分が地中に埋設されている。ここで、地中温度は、地上温度ほど寒暖の変化が激しくなく、冬場は比較的暖かく、夏場は比較的涼しい。従って、例えば冬場の外気を第1地中パイプに通すと外気は温められ、一方、夏場の外気を第1地中パイプに通すと外気は冷やされる。つまり、外気を第1地中パイプに通すことにより、外気温度を室内空気の温度に近づける方向に温度調節することができる。このようにして温度調節された外気を室内取り入れ口から供給して室内空気と混ぜて混合気とすることにより、混合気と室内空気との温度差を減少させることができる。このため、室内空気温度を目標温度に速やかに調整することができ、空調効率を向上させることができる。
上記請求項2の発明によれば、エンジンの排気通路に第2地中パイプが接続されている。このため、エンジンから排出される排気ガスは、第2地中パイプを経由する過程で地中温度を暖めることができる。なお、請求項2の発明は、空気調和機を暖房運転する際に効果を発揮する。即ち、暖房時には、第1地中パイプによって地中から熱が外気に奪われるため、地中温度が低下する。地中温度が低下し続けると、地中温度が外気温度とほぼ同じくらいになってしまい、第1地中パイプに外気を通すことによる温度調整(温度上昇)の効果が減殺されてしまう。この場合において、第2地中パイプに排気ガスを通して地中を加熱すれば、地中温度の低下が妨げられる。このため、第1地中パイプに外気を通すことによる温度調整の効果が維持されるといった効果を有する。
上記請求項3の発明によれば、エンジンの排気通路には、外部開放した分岐通路が接続され、この分岐通路の途中には開閉弁が介装されている。このため、開閉弁を開くことによって排気ガスを分岐通路から外部に放出させて、排気ガスを第2地中パイプに導入させることを防止できる。なお、請求項3の発明において、開閉弁を開くことによって、空気調和機を冷房運転する際に効果を発揮する。即ち、冷房運転時には、第1地中パイプによって地中に熱が与えられるため、地中温度が上昇する。このとき第2地中パイプに排気ガスを流してさらに地中を加熱してしまうと、地中温度が更に上昇してしまい、第1地中パイプに外気を通すことによる温度調整(温度降下)の効果が減殺されてしまう。この場合において、分岐通路に介装された開閉弁を開くことによって排気ガスを分岐通路から外部に放出させて、第2地中パイプに排気ガスを流さないようにすれば、地中温度の上昇が妨げられる。このため、第1地中パイプに外気を通すことによる温度調整の降下が維持されるといった効果を有する。
上記請求項4の発明によれば、暖房時に、エンジンから排出される排気ガスが排気ガス供給通路から排気熱交換器に導入され、この排気熱交換器にて、第1地中パイプから導入される空気と排気ガスが熱交換する。この熱交換によって第1地中パイプからの空気が排気ガス供給通路からの排気ガスの熱で加熱される。従って、排気熱交換器でより暖められた外気を室内取り入れ口から供給し、室内空気と混ぜて混合気とすることにより、混合気と室内空気との温度差をさらに一層減少させることができる。このため、室内空気温度を目標温度に速やかに調整することができ、空調効率をより一層向上させることができる。
なお、上記請求項4の発明は、暖房時にのみ効果を奏する。冷房時では、室内熱交換器に取り入れる空気は冷やされている方が好ましく、従って、冷房時に請求項4の発明を行って取り入れ空気を加熱するのは逆効果だからである。このため、暖房時には排気ガスを排気熱交換器に導入し、冷房時には排気ガスを排気熱交換器に導入しないための工夫を施すことが好ましい。斯かる工夫としては、例えば、排気ガス供給通路の途中に大気開放した分岐通路を設け、開閉弁などの操作によって、冷房時には排気ガスが分岐通路を流れて大気に開放されるようなことが考えられる。
上記請求項5の発明によれば、暖房時に、コ・ジェネレーションユニットから生成される温水が温水供給通路から温水熱交換器に導入され、この温水熱交換器にて、第1地中パイプから導入される空気と温水が熱交換する。この熱交換によって第1地中パイプからの空気が温水供給通路からの温水の熱で加熱される。従って、温水熱交換器でより暖められた外気を室内取り入れ口から供給し、室内空気と混ぜて混合気とすることにより、混合気と室内空気との温度差をさらに一層減少させることができる。このため、室内空気温度を目標温度に速やかに調整することができ、空調効率をより一層向上させることができる。
なお、上記請求項5の発明も、請求項4の発明と同様に暖房時にのみ効果を奏する。冷房時では、室内熱交換器に取り入れる空気は冷やされている方が好ましく、従って、冷房時に請求項5の発明を行って取り入れ空気を加熱するのは逆効果だからである。このため、暖房時には温水を温水熱交換器に導入し、冷房時には温水を温水熱交換器に導入しないための工夫を施すことが好ましい。斯かる工夫としては、例えば、温水供給通路の途中に開閉弁を設け、開閉弁などの操作によって、冷房時には温水が温水供給通路を流れないようにすることが考えられる。
以下、本発明に係わる実施の形態を図面にもとづいて説明する。
(第1実施形態例)
図1は、本発明の第1実施形態例に係るエンジン駆動式空気調和機の概略構成図である。
図1において、エンジン駆動式空気調和機100は、エンジン10、圧縮機11、冷媒流路12、室内熱交換器13、室外熱交換器14、及び膨張弁15を備える。
エンジン10は、燃料を供給することにより動力を得るものであれば、どのような形式のものでも良い。燃料も、エンジンから動力を得ることができるものであれば、どのようなものでも良い。
圧縮機11は、エンジン10の出力軸10aに接続されており、エンジン10の駆動が圧縮機11に伝達されて圧縮機が駆動するようにされている。
また、圧縮機11は、冷媒を吸入する吸入ポート(図示せず)及び、冷媒を吐出する吐出ポート(図示せず)を持っている。そして、吐出ポートから吐出される冷媒が吸入ポートに吸入されるまでの流路を形成する冷媒流路12が、吸入ポート及び吐出ポートに接続されている。
冷媒流路12には、室内熱交換器13が取り付けられている。この室内熱交換器13は、主に室内に設置され、冷媒流路12中を流れる冷媒を取り入れた空気に熱的に接触させて熱交換を行い、熱交換された空気を室内に供給する機能を有する。
また、冷媒流路12には、室外熱交換器14も取り付けられている。この室外熱交換器14は、主に室外に設置され、冷媒流路12中を流れる冷媒と外気とを熱的に接触させて熱交換を行う機能を有する。
また、冷媒流路12には、膨張弁15も取り付けられている。この膨張弁15は、図に示すように、冷媒流路12中の、室内熱交換器13が取り付けられている部分と室外熱交換器14が取り付けられている部分との間に位置する部分に取り付けられており、通過する冷媒を膨張させて低圧化させる機能を有する。また、図からわかるように、膨張弁15は、室内熱交換器13又は室外熱交換器14のどちらかにより熱交換作用(凝縮作用)を受けた冷媒流路12中の冷媒を膨張させて低圧化させる位置に設けられている。
その他、流路12には四方弁なる流路切替手段(図示せず)が取り付けられている。この四方弁によって、流路12中を流通する冷媒の流通方向が逆転され、これによって、暖房運転と冷房運転とが切換えられる。
室内熱交換器13には、空気取り入れ口13a、空気吹出口13bが設けられている。空気取り入れ口13aには、空気取り入れ流路21の一端が接続されている。空気吹出口13bは、室内に空調された空気を吹出す部分であり、図示せぬファンなどにより室内に空調空気が吹出されるようになっている。
空気取り入れ流路21の他端には、空気混合装置22が取り付けられている。この空気混合装置22は、室内空気取り入れ口22a、外気取り入れ口22b、混合空気排出口22cを持ち、ダンパー等の調節機構によって取り入れ比率が調節された空気を両取り入れ口22a、22bから取り入れ、その混合空気を混合空気排出口22cから吹出すものである。
また、空気混合装置22の外気取り入れ口22bには、第1地中パイプ30が接続されている。この第1地中パイプ30は、一端31が外部に開放され、その途中部分が図に示すように地中に埋設されている埋設部32を持つ。従って、外部から第1地中パイプ30に取り入れられた外気は、第1地中パイプ30の埋設部32を経由して空気混合装置22に供給されることとなる。
また、エンジン10には、吸気管10b及び排気管10cが取り付けられている。吸気管10bは、エンジン10に供給される外気が供給される通路であり、該吸気管10bから供給された外気はエンジンによる燃料の燃焼に供される。一方、排気管10cは、燃焼後の燃焼ガスを排気するための通路である。
上記構成のエンジン駆動式空気調和機100において、以下に、その作動について説明する。
まず、エンジン10を始動させて圧縮機11を駆動させる。すると、圧縮機11は、冷媒流路12からガス状の冷媒を吸入ポートより吸入し、吸入した冷媒を圧縮して吐出ポートより高圧のガス状冷媒を吐出する。
暖房時においては、圧縮機より吐出された高圧ガス状冷媒は、図の矢印A方向に示す方向に冷媒流路12を流れ、まず室内熱交換器13が取り付けられている部分へ流れる。すると、冷媒流路12内の高圧ガス状冷媒は、室内熱交換器13の部分において、空気取り入れ口13aから取り入れられた空気と熱的に接触して熱交換を行う。この場合において、圧縮機11で圧縮された高圧ガス状冷媒の温度は、空気気取り入れ口13aから取り入れられた空気の温度よりも高いので、高圧の冷媒ガスが空気に熱を奪われて凝縮する。凝縮する際に発生する凝縮熱によって回りの空気が加熱される。このようにして加熱された空気を空気吹出し口13bから室内に供給することにより、室内暖房が行われる。
室内熱交換器13によって凝縮(又は一部凝縮)された冷媒は、冷媒流路12をさらに流れ、膨張弁15に達する。そして、膨張弁15の膨張作用によって膨張され、低圧化される。
膨張弁15の膨張作用により低圧化された冷媒は、さらに冷媒流路12を流れ、室外熱交換器14が取り付けられている部分に達する。すると、この部分において、冷媒流路12内の低圧液状(又は一部液状)冷媒が外部空気と熱的に接触して熱交換を行う。この場合において、低圧の液状冷媒の温度は、外気温度よりも低いので、外気によって加熱され、蒸発する。この際、蒸発に伴なう気化熱として回りの空気から熱を奪う。そして、蒸発した低圧ガス状冷媒は、圧縮機の吸入ポートから圧縮機に帰還する。
上述のようにして室内暖房が行われるが、このとき、室内熱交換器13の空気取り入れ口13aから取り入れられる空気は、空気混合装置22において室内空気取り入れ口22aから取り入れられた室内空気と外気取り入れ口22bから取り入れられた外気との混合空気である。この場合において、従来のように、外気取り入れ口22bから外気を直接取り入れる構成とした場合は、冬場の冷たい空気を直接取り入れることになり、折角暖房して暖めた室内空気と混合されることにより、混合空気の温度が大きく低下する。このため、一度暖めた室内気を一端冷やしてから再び暖めるということになり、暖房効率が損なわれる。これに対し、本例においては、空気混合装置22の外気取り入れ口22bに、一端31が外部に開放されているとともにその途中部分が地中に埋設された埋設部分32を持つ第1地中パイプ30を接続している構成を採り、外気は一旦第1地中パイプ30を経由してから空気混合装置22に導入される。ここで、地中温度は外気ほど温度変化が激しいものではなく、冬場においては外気よりも温度が高く保たれている。従って、第1地中パイプ30に導入された外気は、埋設部32において温められ、そのようにして暖められた空気が空気混合装置22に取り入れられることとなる。このため、室内空気と混合されても、混合空気の温度低下がそれほど起こらない。よって、室内熱交換器13に供給される混合空気の温度低下による暖房効率低下を抑制でき、暖房効率を向上させることができる。
冷房時においては、冷媒流路12中を流れる冷媒は、暖房時の流れとは逆の流れとなる(図1の矢印B方向の流れとなる)。即ち、圧縮機11によって圧縮された高圧ガス状冷媒は、室外熱交換器14が取り付けられた部分に流れ、ここで凝縮して液化(又は一部液化)する。凝縮した冷媒は膨張弁15を通り、低圧化される。さらに、膨張弁15を経由した後、室内熱交換器13が取り付けられている部分を流れ、ここで蒸発する。蒸発に伴なう気化熱として回りの空気から熱を奪うことにより回りの空気が冷却され、室内冷房が実現される。
上述のようにして室内冷房が行われるが、このとき、室内熱交換器13の空気取り入れ口13aから取り入れられる空気は、空気混合装置22において室内空気取り入れ口22aから取り入れられた室内空気と外気取り入れ口22bから取り入れられた外気との混合空気である。この場合において、従来のように、外気取り入れ口22bから外気を直接取り入れる構成とした場合は、夏場の熱い空気を直接取り入れることになり、折角冷房して冷やした室内空気と混合されることにより、混合空気の温度が大きく上昇する。このため、一度冷やした室内気を一端加熱してから再び冷やすということになり、冷房効率が損なわれる。これに対し、本例においては、空気混合装置22の外気取り入れ口22bに、一端31が外部に開放されているとともにその途中部分が地中に埋設された埋設部分32を持つ第1地中パイプ30を接続している構成を採り、外気は一旦第1地中パイプ30を経由してから空気混合装置22に導入される。ここで、地中温度は外気ほど温度変化が激しいものではなく、夏場においては外気よりも温度が低く保たれている。従って、第1地中パイプ30に導入された外気は、埋設部32において冷やされ、そのようにして冷やされた空気が空気混合装置22に取り入れられることとなる。このため、室内空気と混合されても、混合空気の温度上昇がそれほど起こらない。よって、室内熱交換器13に供給される混合空気の温度上昇による冷房効率低下を抑制でき、冷房効率を向上させることができる。
(第2実施形態例)
図2は、本発明の第2実施形態例であるエンジン駆動式空気調和機の構成概略図である。本例に示すエンジン駆動式空気調和機200は、上記第1実施形態例で示したものと基本的構成において共通している。異なるところは、エンジン10の排気管10cに第2地中パイプ40を接続し、かつ、排気管10cの途中に開閉弁52を介した分岐管51を取り付けた点である。以下、相違点について中心に説明する。
エンジン10に取り付けられた排気管10cには、途中に分岐通路51が連通されている。この分岐通路51には、開閉弁52が介装されている。
また、排気管10cには、第2地中パイプ40が接続されている。この第2地中パイプ40は、一端41が外部に開放され、その途中部分が図に示すように地中に埋設されている埋設部42を持つ。従って、排気管10cから第2地中パイプ40に取り入れられた排気は、第2地中パイプ40の埋設部42を経由して外部に開放されることとなる。
その他の構成は、上記第1実施形態例と同一であるので、同一部分には同一符号で示し、その具体的説明を省略する。
上記構成のエンジン駆動式空気調和機において、その基本的作動は、上記第1実施形態例で説明したものと同一であるので、具体的説明を省略する。ただし、エンジン10により燃焼した燃焼ガスの排気系において、上記第1実施形態例とは異なるため、この部分のみについて説明する。
暖房時において、エンジン10で燃焼した燃焼ガスは、燃焼室(図示せず)から排気管10cに導かれる。このとき、排気管10cの途中に接続されている分岐管51に介装された開閉弁52は閉じておく。従って、排気管10cに導入された排気ガスは、排気管10cから第2地中パイプ40に導入される。第2地中パイプは、その途中部分が地中に埋設された埋設部42を持つので、導入された排気ガスは、この埋設部42を経由して一端41より外部に開放される。
排気ガスは高温であるので、この第2地中パイプ40の埋設部42を経由することにより、地中と熱交換をして、地中温度を上昇させる。一方、第1地中パイプ30の埋設部32では、冷たい外気が埋設部32を経由することにより暖められているので、その分地中温度は下がることになる。このようにして、第1地中パイプ30では地中温度を下げる一方で、第2地中パイプ40で地中温度を上昇させ、全体的に地中温度を一定温度に保つことができる。これによって、暖房時において、第1地中パイプ30における熱交換作用により地中温度が下がり、第1地中パイプ30での熱交換効率が悪化することを防止でき、効率向上に一層寄与するという効果が期待できる。
また、冷房時においては、第1地中パイプ30における熱交換作用により地中温度を上昇させているので、第2地中パイプ40で熱交換を行うと、さらに地中温度を上昇させる結果となる。これを防止するため、冷房時には、排気管10cの途中に接続した分岐管51に介装した開閉弁52を開き、排気ガスを分岐管51から放出するようにして、排気ガスが第2地中パイプ40に導入されないようにする。これにより、冷房時に地中温度が過度に上昇することを防止することができる。
(第3実施形態例)
図3は、本発明の第3実施形態例であるエンジン駆動式空気調和機の構成概略図である。本例に示すエンジン駆動式空気調和機300は、上記第1実施形態例で示したものと基本的構成において共通している。以下、相違点について中心に説明する。
図3からわかるように、第1地中パイプ30と空気混合装置22との間には、排気熱交換器62が介装されている。従って、第1地中パイプ30からの空気は、排気熱交換器62を経由して空気混合装置22に導入されることになる。
一方、エンジン10に取り付けられた排気管10cには、排気ガス供給通路60の一端が連通されている。この排気ガス供給通路60の途中には、開閉弁61が介装されているとともに、さらにその下流にて上述の排気熱交換器62に接続されている。そして、その他端が大気に開放されている。
また、排気ガス供給通路60の開閉弁61が介装されている部分よりも上流側には、分岐通路53が取り付けられている。この分岐通路53の途中には、開閉弁54が介装されており、また、その端部は大気に開放されている。
排気熱交換器62は、排気ガス供給通路60内を流通する排気ガスと、第1地中パイプ30から導入される空気とが熱交換を行うことができるようにされていれば良く、その内部構造は、熱交換の程度によって種々変更し得る。十分に熱交換を行う必要があるのであれば、接触面積を拡大したフィン形状のものを使用することもできるし、一方、少しでも熱交換ができればよいという程度であれば、単に排気ガスの通路と空気の通路とを交差させておく程度のものでも良い
その他の構成は、上記第1実施形態例と同一であるので、同一部分には同一符号で示し、その具体的説明を省略する。
上記構成のエンジン駆動式空気調和機において、その基本的作動は、上記第1実施形態例で説明したものと同一であるので、具体的説明を省略する。ただし、エンジン10により燃焼した燃焼ガスの排気系において、上記第1実施形態例とは異なるため、この部分のみについて説明する。
暖房時において、エンジン10で燃焼した燃焼ガスは、燃焼室(図示せず)から排気管10cに導かれる。このとき、分岐通路53に介装された開閉弁54は閉じておき、一方、排気ガス供給通路60に介装した開閉弁61は開いておく。従って、排気管10cに導入された排気ガスは、排気管10cから排気ガス供給通路60に導入される。さらに排気ガス供給通路60内の排気ガスは、排気熱交換器62に導入される。一方、第1地中パイプ30を経た空気も排気熱交換器62に導入される。従って、排気熱交換器60にて、第1地中パイプ30から排気熱交換器62に導入される空気と排気ガス供給通路60から排気熱交換器62に導入される排気ガスとが熱交換を行う。
排気ガスの温度は、エンジンにおける燃焼熱が伝達されているためにかなり高温であり、一方、第1地中パイプ30からの空気は、いくら第1地中パイプによって温められているとは言え、冬場の外気であるので、排気ガスの温度よりも低温である。従って、排気熱交換器62では、第1地中パイプ30から導入される空気が排気ガスによって加熱される。
このようにして加熱された空気は、排気熱交換器62を出た後に、空気混合装置22に導入される。空気混合装置22では、外部から供給された空気と室内空気とが混合されるが、外部から供給された空気は、上述のように第1地中パイプ30及び排気熱交換器62により加熱されているので、室内空気と混合されても、混合空気の温度低下がほとんど起こらない。よって、室内熱交換器13に供給される混合空気の温度低下による暖房効率低下を、第1実施形態例で示したものよりも一層抑制でき、暖房効率をより一層向上させることができる。
なお、冷房時においては、空気混合装置22に導入する外気温度をできるだけ低くしておく必要があるため、本実施形態における排気熱交換器62で熱交換を行うのは好ましくない。このため、冷房時には、排気ガス供給通路60に介装された開閉弁61を閉じるとともに、分岐通路53に介装された開閉弁54を開いておく。このようにすれば、排気ガスは、分岐通路53を通って大気に開放されるため、排気熱交換器62に導入されることはなく、第1地中パイプ30からの空気が排気熱交換器62で加熱されることはない。
(第4実施形態例)
図4は、本発明の第4実施形態例であるエンジン駆動式空気調和機の構成概略図である。本例に示すエンジン駆動式空気調和機400は、上記第1実施形態例で示したものと基本的構成において共通している。以下、相違点について中心に説明する。
図4からわかるように、第1地中パイプ30と空気混合装置22との間には、温水熱交換器72が介装されている。従って、第1地中パイプ30からの空気は、温水熱交換器72を経由して空気混合装置22に導入されることになる。
また、本実施形態のエンジン駆動式空気調和機400には、コ・ジェネレーションユニット80が付設されている。コ・ジェネレーションとは、ひとつのエネルギーから複数のエネルギー(電気・熱など)を取り出すシステムのことであり、一般的には、都市ガスなどの一次エネルギーを電気や動力と、温水や蒸気などの複数の二次エネルギーに変換させ、効率よくエネルギーを利用するシステムのことである。本実施形態では、コ・ジェネレーションユニット80により、電気81及び熱を取り出し、取り出した熱によって温水を生成するものを例示する。生成された温水は、貯湯槽82に貯湯される。なお、電気81は、室内照明や電動機の動力源として使用される。
貯湯槽82には、温水供給通路70が接続されている。この温水供給通路70は、往路70a及び復路70bを備えている。往路70a及び復路70bの一端は、図に示すようにそれぞれ貯湯槽82に連通している。また、往路70a及び復路70bの他端は、温水熱交換器72に連通している。また、往路70aの途中には、開閉弁71が介装されている。
温水熱交換器72は、その内部に温水供給通路70の往路70aと復路70bとを連通する流路が形成されてなり、斯かる流路を流通する温水と、第1地中パイプ30から導入される空気とが熱交換を行うことができるようにされている。
その他の構成は、上記第1実施形態例と同一であるので、同一部分には同一符号で示し、その具体的説明を省略する。
上記構成のエンジン駆動式空気調和機において、その基本的作動は、上記第1実施形態例で説明したものと同一であるので、具体的説明を省略する。ただし、コ・ジェネレーションユニット80にて生成される温水が本実施形態において関与する点については、上記第1実施形態例には説明されていないため、この部分のみについて説明する。
暖房時において、コ・ジェネレーションユニット80で生成されて貯湯槽82に貯湯された温水は、図示せぬポンプによって温水供給通路70の往路70aに吐出される。すると、温水は、往路70aを伝わって、温水熱交換器72に導入される。一方、第1地中パイプ30を経た空気も温水熱交換器72に導入される。従って、温水熱交換器72にて、第1地中パイプ30から温水熱交換器72に導入される空気と温水供給通路70から温水熱交換器72に導入される温水とが熱交換を行う。
温水の温度は、コ・ジェネレーションユニット80で取り出された熱を基に生成されているためにかなり高温であり、一方、第1地中パイプ30からの空気は、いくら第1地中パイプ30によって温められているとは言え、冬場の外気であるので、温水の温度よりも低温である。従って、温水熱交換器72では、第1地中パイプ30から導入される空気が温水によって加熱される。
このようにして加熱された空気は、温水熱交換器62を出た後に、空気混合装置22に導入される。空気混合装置22では、外部から供給された空気と室内空気とが混合されるが、外部から供給された空気は、上述のように第1地中パイプ30及び温水熱交換器72により加熱されているので、室内空気と混合されても、混合空気の温度低下がほとんど起こらない。よって、室内熱交換器13に供給される混合空気の温度低下による暖房効率低下を第1実施形態例の場合よりも一層抑制でき、暖房効率をより一層向上させることができる。
また、温水熱交換器72を流れた温水は、空気に熱を渡すことによって温度を下げ、温水供給通路70の復路70b側に導出される。そして、復路70bから再び貯湯槽82に導入される。
なお、冷房時においては、空気混合装置22に導入する外気温度をできるだけ低くしておく必要があるため、本実施形態における温水熱交換器72で熱交換を行うのは好ましくない。このため、冷房時には、温水供給通路70の往路70aに介装された開閉弁71を閉じておく。このようにすれば、温水は、温水供給通路70を伝わって温水熱交換器72に導入されることはなく、第1地中パイプ30からの空気が温水熱交換器72で加熱されることはない。
ところで、コ・ジェネレーションシステムは、上述のように主に電気エネルギー及び熱エネルギーを生成する。両エネルギーのうちの電気エネルギーについては照明や電動機等への使用等、用途が多岐にわたるものの、熱エネルギーについては使用用途が限定され、使い道につきしばしば当惑する場合もある。例えば、熱エネルギーを、お湯を沸かすような給湯に利用することもできるが、飲料や入浴としてのお湯はごく僅かであるので、余ったお湯の使い道について、なかなか見出せないことが多い。この点につき、本例においては、生成された温水を温水熱交換器に回すことによって、効率的な暖房運転を行うことができ、このためお湯の効果的な使用を実現できる。従って、本例においては、コ・ジェネレーションユニットを含めた全体的なエネルギーの使用を非常に効率的に行うことができ、経済的にも多大な効果を齎すものであることがわかる。
本発明の第1実施形態例におけるエンジン駆動式空気調和機の構成概略図である。 本発明の第2実施形態例におけるエンジン駆動式空気調和機の構成概略図である。 本発明の第3実施形態例におけるエンジン駆動式空気調和機の構成概略図である。 本発明の第4実施形態例におけるエンジン駆動式空気調和機の構成概略図である。
符号の説明
10・・・エンジン
10c・・・排気管(排気通路)
11・・・圧縮機
12・・・冷媒流路
13・・・室内熱交換器
13a・・・空気取り入れ口
14・・・室外熱交換器
15・・・膨張弁
30・・・第1地中パイプ
31・・・第1地中パイプの一端
32・・・第1地中パイプの埋設部
40・・・第2地中パイプ
41・・・第2地中パイプの一端
42・・・第2地中パイプの埋設部
51・・・分岐管(分岐通路)
52・・・開閉弁
60・・・排気ガス供給通路
61・・・開閉弁
62・・・排気熱交換器
70・・・温水供給通路、 70a・・・往路、 70b・・・復路
71・・・開閉弁
72・・・温水熱交換器
80・・・コ・ジェネレーションユニット
82・・・貯湯槽

Claims (5)

  1. エンジンにより駆動されて冷媒を吸入するとともに吸入した冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、該圧縮機から吐出された冷媒が該圧縮機に吸入されるまでの流路を形成する冷媒流路と、室外に設置されるとともに前記冷媒流路中の冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器と、室内に設置されるとともに取り入れた空気を前記冷媒流路中の冷媒と熱交換させて室内に供給する室内熱交換器と、前記冷媒流路中に介装され前記室外熱交換器又は前記室内熱交換器により熱交換されて凝縮作用を受けた冷媒を膨張させる膨張弁と、を有するエンジン駆動式空気調和機において、
    前記室内熱交換器の空気取り入れ口には、一端が外部に開放されているとともにその途中部分が地中に埋設された第1地中パイプが接続されてなることを特徴とする、エンジン駆動式空気調和機。
  2. 請求項1において、
    前記エンジンの排気通路には、一端が外部に開放されているとともにその途中部分が地中に埋設された第2地中パイプが接続されてなることを特徴とする、エンジン駆動式空気調和機。
  3. 請求項2において、
    一端が前記エンジンの排気通路に接続されるとともに他端が外部に開放した分岐通路と、該分岐通路の途中に介装された開閉弁とを有することを特徴とする、エンジン駆動式空気調和機。
  4. 請求項1において、
    前記空気取り入れ口と前記第1地中パイプとの間に介装された排気熱交換器と、
    前記エンジンから排出される排気ガスを前記排気熱交換器に導入する排気ガス供給通路とをさらに備え、
    前記排気熱交換器にて、前記第1地中パイプから前記排気熱交換器に導入される空気と前記排気ガス供給通路から前記排気熱交換器に導入される排気ガスとが熱交換することを特徴とする、エンジン駆動式空気調和機。
  5. 請求項1において、
    前記空気取り入れ口と前記第1地中パイプとの間に介装された温水熱交換器と、
    コ・ジェネレーションユニットにより生成される温水を前記温水熱交換器に供給する温水供給通路とをさらに備え、
    前記温水熱交換器にて、前記地中パイプから前記温水熱交換器に導入される空気と前記温水供給通路から前記温水熱交換器に導入される温水とが熱交換することを特徴とする、エンジン駆動式空気調和機。
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