JP2006009473A - コンクリート型枠用補強部材及びそれを用いたコンクリート型枠 - Google Patents
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Abstract
【課題】 セパレータが固定し易く、型枠を緊締する際の締め付けによる開口部の破損や型枠の変形を防止し、型枠の転用回数を向上することができるコンクリート型枠用補強部材及びそれを用いたコンクリート型枠を提供する。
【解決手段】 コンクリート型枠4のセパレータ取付用開口部4aに用いられるコンクリート型枠用補強部材1であって、セパレータ6に取り付けられた固定部材5と該補強部材1とが当接することで、セパレータ締め付け時に型枠4に載荷される圧縮応力を抑制可能であるコンクリート型枠用補強部材及びそれを用いたコンクリート型枠。
【選択図】 図1
【解決手段】 コンクリート型枠4のセパレータ取付用開口部4aに用いられるコンクリート型枠用補強部材1であって、セパレータ6に取り付けられた固定部材5と該補強部材1とが当接することで、セパレータ締め付け時に型枠4に載荷される圧縮応力を抑制可能であるコンクリート型枠用補強部材及びそれを用いたコンクリート型枠。
【選択図】 図1
Description
本発明はコンクリート型枠用補強部材及びそれを用いたコンクリート型枠に関する。
近年、軽量性や離型性若しくは保温性に優れ、しかもリサイクル性や焼却廃棄性に優れて環境にやさしいコンクリート型枠が要望されており、例えば、特許文献1には本出願人より、特定のポリオレフィン系樹脂発泡体シートからなる芯層に、これをサンドイッチする熱可塑性樹脂シートからなる両表層が積層されてなる複合シートで構成されたプラスチック製コンクリート型枠などが開示されている。
通常コンクリート型枠をコンクリート打設に使用するためには、所定の間隔をあけて型枠を配設するためのセパレータ、セパレータに取り付けられた固定部材などが用いられて型枠が固定される必要があるが、この施工を行う際には上記コンクリート型枠の所定の位置に開口部が設けられ、開口部にセパレータが通されて締付金具などにより型枠が緊締され固定される。
その後コンクリートが打設され、コンクリート硬化後に型枠が脱型されるが、例えば、上記特許文献1に記載のような発泡体が用いられたコンクリート型枠では、開口部の強度が必ずしも十分でない場合があり、開口部内側の側面部(以下、「開口側面部」ともいう)とセパレータとが脱型時に接触し、開口側面部が破損し易くなるという問題があった。
また、上記に加え、コンクリート型枠の転用回数が増加すると、上記破損部が進展し拡大することで、
1.セパレータが固定し難くなる。
2.コンクリート打設時に、生コンが流出しやすくなる。
3.型枠を緊締する際の締め付けによる局部圧縮荷重により型枠が変形しやすくなる。
4.型枠の表面状態が悪化し(例えば摩耗、剥離、ささくれなど)、型枠の離型性に悪影響を及ぼす。
などの問題があった。このため、コンクリート型枠の転用回数を著しく減少させる要因となっていた。
1.セパレータが固定し難くなる。
2.コンクリート打設時に、生コンが流出しやすくなる。
3.型枠を緊締する際の締め付けによる局部圧縮荷重により型枠が変形しやすくなる。
4.型枠の表面状態が悪化し(例えば摩耗、剥離、ささくれなど)、型枠の離型性に悪影響を及ぼす。
などの問題があった。このため、コンクリート型枠の転用回数を著しく減少させる要因となっていた。
上記問題を解決するため、例えば、特許文献2、或いは特許文献3に開示されているような特定の型枠組立工法を用いる方法も考えられるが、セパレータ(締め付けロッド)の形状などが特定されているため、施工方法が制約されるという問題があった。
本発明の目的は、上記従来の問題点に鑑み、セパレータの形状に制約されず汎用のセパレータが使用可能で、セパレータが固定し易く、型枠を緊締する際の締め付けによる開口部の破損や型枠の変形を防止し、型枠の転用回数を向上することができるコンクリート型枠用補強部材及びそれを用いたコンクリート型枠を提供することにある。
請求項1記載のコンクリート型枠用補強部材は、コンクリート型枠のセパレータ取付用開口部に用いられるコンクリート型枠用補強部材であって、セパレータに取り付けられた固定部材と該補強部材とが当接することで、セパレータ締め付け時に型枠に載荷される圧縮応力を抑制可能であることを特徴とする。
請求項2記載のコンクリート型枠用補強部材は、請求項1記載のコンクリート型枠用補強部材であって、補強部材の形状が、鍔部と筒部からなるハトメ形状であり、筒部の先端が固定部材と当接することを特徴とする。
請求項3記載のコンクリート型枠用補強部材は、請求項1記載のコンクリート型枠用補強部材であって、補強部材がハトメ形状を有する一対の部材からなり、一方の部材は雄形筒部を有し、他方の部材は雌形筒部を有し、該雄形筒部と雌形筒部とが嵌合されるとともに、一方の部材の鍔部が固定部材と当接することを特徴とする。
請求項4記載のコンクリート型枠は、請求項1〜3の何れか1項に記載のコンクリート型枠用補強部材がセパレータ取付用開口部に用いられたことを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のコンクリート型枠用補強部材は、図1に例示されるように、コンクリート型枠4(以下、単に「型枠」ともいう)のセパレータ取付用開口部4aに用いられるコンクリート型枠用補強部材1(以下、単に「補強部材」ともいう)であって、例えば、補強部材1の形状が、鍔部2と筒部3からなるハトメ形状であり、筒部3の先端3aが固定部材5と当接することで、セパレータ6が緊締される際に型枠4に載荷される圧縮応力を抑制することができる形状を有するものである。
本発明のコンクリート型枠用補強部材は、図1に例示されるように、コンクリート型枠4(以下、単に「型枠」ともいう)のセパレータ取付用開口部4aに用いられるコンクリート型枠用補強部材1(以下、単に「補強部材」ともいう)であって、例えば、補強部材1の形状が、鍔部2と筒部3からなるハトメ形状であり、筒部3の先端3aが固定部材5と当接することで、セパレータ6が緊締される際に型枠4に載荷される圧縮応力を抑制することができる形状を有するものである。
上記のように、例えば、図1に例示される補強部材1においては、セパレータ6の先端部6aに設けられたネジ部に螺合されたナット7の締め付けによる圧縮応力が、型枠4に載荷されることを抑制することが可能となる。
上記補強部材1が、図2に例示するように、ハトメ形状を有する一対の部材11,12からなり、一方の部材11は雄形筒部11aを有し、他方の部材12は雌形筒部12aを有し、雄形筒部11aと雌形筒部12aとが嵌合されるとともに、一方の部材11の鍔部11bが固定部材5と当接する形状であってもよい。
上記補強部材の材料としては、締め付けにより発生する圧縮応力に耐え得るものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などの合成樹脂材料や金属材料が挙げられる。中でも、成形性やリサイクル性に優れ、また、セパレータ取付用開口部に用いた場合の不着性に優れる点で、低密度ポリエチレン系樹脂(LDPE)、高密度ポリエチレン系樹脂(HDPE)、ポリプロピレン系樹脂(PP)などが好ましい。
上記補強部材の厚みとしては、特に限定されないが、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂の場合は、強度不足になり難い点で、均一肉厚部分は2〜3mmであることが好ましい。
本発明におけるコンクリート型枠の材料としては、特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂発泡体シートからなる芯層に、これをサンドイッチする熱可塑性樹脂シートからなる両表層が積層されてなる複合シートで構成されるものであれば、離型性、軽量性、保温性に優れ、しかもリサイクル性や焼却廃棄性に優れて環境にやさしい点で好ましい。
この場合、型枠の密度が0.05〜0.5g/ccであり、芯層に内在する気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平均値が1.1〜5.0であるとより好ましい。
上記ポリオレフィン系樹脂の主体をなすポリオレフィンは、オレフィン性モノマーの単独重合体、または主成分オレフィン性モノマーと他のモノマーとの共重合体であり、特に限定されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ホモタイプポリプロピレン、ランダムタイプポリプロピレン、ブロックタイプポリプロピレン等のポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレンを主成分とする共重合体などが例示され、またこれらの2以上の組合わせであってもよい。
上記ポリオレフィン系樹脂の主体をなすポリオレフィンとしては、上述したポリエチレンやポリプロピレンの1種もしくは2種以上の組みあわせが好ましい。
上記ポリオレフィン系樹脂とは上記ポリオレフィンの割合が70〜100重量%である樹脂組成物を指す。ポリオレフィン系樹脂を構成するポリオレフィン以外の樹脂は限定されないが、例えば、ポリスチレン、スチレン系エラストマーなどが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂中のポリオレフィンの割合が70重量%を下回ると、ポリオレフィンの特徴である軽量性、耐薬品性、柔軟性、弾性等が発揮できないばかりか、発泡に必要な溶融粘度を確保することが困難となる場合があるので好ましくない。
本発明によるコンクリート型枠において、ポリオレフィン系樹脂発泡体シートの密度が0.5を越えると、型枠の重量が重くなりすぎる上に、コストが高くつき型枠が実用的で無くなり、また密度が0.05を下回ると、曲げ弾性が不足する。特に好ましい密度は0.06〜0.15g/ccである。
上記ポリオレフィン系樹脂発泡体シートからなる芯層に内在する気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平均値は1.1〜5.0であることが好ましく、より好ましくは1.2〜2.5である。
上記において用いられる用語「アスペクト比」は、熱可塑性樹脂発泡シート中の気泡における定方向最大径の比の個数(算術)平均値であり、シート厚み方向の直径Dzと面内方向の直径Dxyとの比Dz/Dxyとして表される。
上記芯層に内在する気泡のDxyの平均値は、500μm以上であるのが好ましい。これにより、発泡体シートはその厚み方向に圧縮力を受けると、厚み方向に長い紡錘形のセルにその長軸方向に力がかかることになるので、発泡体シートは厚み方向に高い圧縮強度を示す。
アスペクト比の平均値が1.1を下回ると、気泡がほぼ球形となり、紡錘形に起因する圧縮弾性率、圧縮強度の向上が得られず、コンクリート打設時に受ける圧力に耐えられず変形する可能性があるほか、芯層と両表層との三層サンドイッチ構造体からなる型枠が曲げ剛性に不足する。アスペクト比の平均値が5.0を越えると、型枠が衝撃を受けたときに破壊が起こり易く、耐久性が不足する。
芯層を構成する発泡体には、化学発泡によって得られるものと、物理発泡によって得られるものがあるが、発泡体シートに樹脂シートを熱融着されるには、前者の方法が好ましい。
上記発泡体シートを得る製造方法は特に限定されないが、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂および変性用モノマーを溶融混和して変性ポリオレフィンを得、変性ポリオレフィンに熱分解型化学発泡剤を分散させ、得られた発泡性樹脂組成物を一旦シート状の原反に賦形した後、得られた発泡性シートを熱分解型化学発泡剤の分解温度以上に加熱して化学発泡させる方法である。
本発明方法で用いる変性用モノマーは、ラジカル反応し得る官能基を分子内に2個以上有する化合物である。上記官能基としてはオキシム基、マレイミド基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基等が例示される。変性用モノマーは、好ましくは、ジオキシム化合物、ビスマレイミド化合物、ジビニルベンゼン、アリル系多官能モノマー、(メタ)アクリル系多官能モノマーである。また、変性用モノマーはキノン化合物のような、分子内に2個以上のケトン基を有する環状化合物であってもよい。
上記のような樹脂変性方法をとることで、成形された発泡性シート原反架橋度が低いにも拘らず、これを常圧で発泡させることが可能となる。
シート状発泡性原反の賦形方法としては、押出成型の他、プレス成型、ブロー成型、カレンダリング成型、射出成型など、プラスチックの成型加工で一般的に行われる方法が適用可能であるが、スクリュ押出機より吐出する発泡性樹脂組成物を直後賦形する方法が生産性の観点から好ましい。この方法では、一定寸法幅の連続原反シートを得ることができる。
シート状原反の化学発泡は、通常、熱分解型化学発泡剤の分解温度以上、熱可塑性樹脂の熱分解温度以下の温度範囲で行われる。特に連続式発泡装置としては、加熱炉の出口側で発泡体を引き取りながら発泡させる引き取り式発泡機の他、ベルト式発泡機、縦型または横型発泡炉、熱風恒温槽など、あるいは熱浴中で発泡を行うオイルバス、メタルバス、ソルトバスなどが使用される。
上述の紡錘形気泡からなる発泡体、すなわち、気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平均値が1.1〜5.0である発泡体を得るには、発泡中に原反の面内方向の発泡を抑制して厚み方向にのみ発泡させるとともに、その後冷却するまでに発泡シートをその厚み方向に僅かに圧縮する。その結果、発泡体の気泡はその長軸を厚み方向に配向した紡錘形となる。
発泡中に原反の面内方向の発泡を抑制するには、発泡前に原反の両面に、例えば熱可塑性樹脂からなる不織布のような熱可塑性樹脂シートを表層として積層しておく。熱可塑性樹脂シートをポリオレフィン系樹脂発泡体と熱融着させることも可能である。
上記によるコンクリート型枠を構成する複合シートの代表的な例は、ポリオレフィン系樹脂発泡体シートを芯層とし、その両面に熱可塑性樹脂シートが表層として積層され熱融着により接合されてなる複合シートである。
熱可塑性樹脂シートを構成する樹脂の種類は限定されないが、発泡体シートと同様のポリオレフィン系樹脂であることが、接合、リサイクルの観点より好ましい。樹脂シートの厚みを含めた寸法、表面形態、成形方法等はいずれも限定されない。発泡体シートからなる芯層と熱可塑性樹脂シートからなる両表層との接合は、やはりリサイクルの観点より熱融着により達成されることが好ましい。
上記コンクリート型枠において、特に好ましい表層はポリオレフィン系樹脂からなる延伸シートである。
上記ポリオレフィン系樹脂延伸シートの線膨張係数は、5×10-5(1/℃)以下、好ましくは3×10-5(1/℃)以下、さらに好ましくは2×10-5(1/℃)以下で、かつ−2×10-5(1/℃)以上である。ここで線膨張係数とは、物質の寸法が温度によって膨張していく割合を示す尺度である。線膨張係数の測定方法としては、TMA(機械分析)により、昇温中の物質の寸法を精密に測定する方法があるが、本発明においては、後述の実施例で示すように、5℃および80℃における寸法の差から簡易的に計算したものを線膨張係数とする。
ポリオレフィン系樹脂延伸シートは特に限定されないが、一般にポリオレフィン系樹脂シートの線膨張係数は5×10-5(1/℃)よりも大きいので、これに延伸または圧延等の処理を施して線膨張係数を5×10-5(1/℃)以下にしたポリオレフィン系樹脂延伸シートが用いられる。このような処理を施したポリオレフィン系樹脂延伸シートでは、延伸倍率を大きくするほど線膨張係数が低下する。
本発明の複合シートの発泡体シート自体は、おおよそ5×10-5〜15×10-5(1/℃)の線膨張係数を示すが、発泡体シートの両面に上記表層を積層することにより、熱伸縮が抑えられ、結果として線膨張係数が小さいコンクリート型枠が得られる。
ポリオレフィン系樹脂延伸シートを構成するポリオレフィン系樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等を用いることができる。延伸後の弾性率を考慮すると、理論弾性率の高いポリエチレンを用いることが好ましく、結晶性の高い高密度ポリエチレンが特に好ましい。
上記ポリオレフィン系樹脂延伸シートを製造する方法は特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂シートに延伸や圧延等の処理を施すのが好ましい。
上記ポリオレフィン系樹脂延伸シートを得るに際して、延伸倍率は、上記の線膨張係数を満たすよう設定する。具体的にはこの延伸倍率は、5〜40倍、好ましくは20〜40倍の範囲とされる。5倍未満の延伸では、ポリオレフィン系樹脂の種類の如何に関わらず、線膨張係数が低下せず、また機械的強度(引張特性)を高める効果も小さいことがある。延伸倍率が40倍を超えると、延伸操作の制御が困難となることがある。
上記ポリオレフィン系樹脂延伸シートは、耐熱性を高めるために、あるいは、最終的なポリオレフィン成形体の耐熱性や耐クリープ性を高めるために、架橋処理されてもよい。架橋は、電子線照射あるいは紫外線照射によって行い得る。
ポリオレフィン系樹脂延伸シートをポリオレフィン系樹脂発泡体シートに積層する方法は特に限定されず、接着剤による接着、加熱による熱融着等が挙げられるが、熱融着が好適に用いられる。
本発明によれば、コンクリート型枠用補強部材と固定部材とが当接することで、セパレータで緊締される際に型枠に載荷される圧縮応力を抑制することができ、開口部の破損や型枠の変形を防止し、型枠の転用回数を向上することができるコンクリート型枠用補強部材を提供することができる。
補強部材の形状が、鍔部と筒部からなるハトメ形状であり、筒部の先端が固定部材と当接することを特徴とする場合には、ハトメ形状によりセパレータが固定し易くなり、上記効果は更に確実なものとなる。
補強部材が一対のハトメ形状を有する部材からなり、一方の部材は雄形筒部を有し、他方の部材は雌形筒部を有し、該雄形筒部と雌形筒部とが嵌合されるとともに、一方の部材の鍔部が固定部材と当接する形状であることを特徴とする場合には、セパレータが固定し易くなると共に、双方の鍔部に応力が分散され、上記効果は更に確実なものとなる。
本発明のコンクリート型枠は、上記のコンクリート型枠用補強部材がセパレータ取付用開口部に用いられたことを特徴とするので、上記同様の効果を発揮し得るコンクリート型枠を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しつつ説明する。
本発明のコンクリート型枠用補強部材は、図1に例示するように、コンクリート型枠4のセパレータ取付用開口部4aに用いられるコンクリート型枠用補強部材1であって、鍔部2と筒部3からなるハトメ形状であり、筒部3を開口部4aに通して筒部3の先端3aが固定部材5と当接する形状を有しているものである。
本発明のコンクリート型枠用補強部材は、図1に例示するように、コンクリート型枠4のセパレータ取付用開口部4aに用いられるコンクリート型枠用補強部材1であって、鍔部2と筒部3からなるハトメ形状であり、筒部3を開口部4aに通して筒部3の先端3aが固定部材5と当接する形状を有しているものである。
上記において、筒部3の長さとしては、長すぎると型枠4が緊締されずにガタツキが発生しやすくなり、短かすぎると締め付け時の圧縮応力が型枠4に載荷されやすくなるので、筒部3を開口部4aに通して筒部3の先端3aが固定部材5と当接した時に、固定部材5と型枠4の表面(コンクリート打設側)が接する程度の長さであることが好ましい。
補強部材1の鍔部2の形状としては、特に限定されないが、図示するように鍔部2の型枠4の表面と接する側に断面凹型の溝部2aが設けられている場合には、型枠4に開口部4aを穿孔する際に発生し易いバリ(返り)4bを溝部2aに逃がすことができ、バリに起因する補強部材1の取付不良がなくなる点で好ましい。
また、セパレータ6を開口部4aに通して固定し易くなる点で、補強部材1の内側などには角部(エッジ部)が無いことが好ましく、補強部材1の角部は面取り乃至はフィレット加工が施され、加えて補強部材1の内側にセパレータ6の先端部6aがスライド可能な勾配が設けられていることが好ましい。
本発明の補強部材は、図2に例示するように、補強部材1がハトメ形状を有する一対の部材11,12からなり、一方の部材11は雄形筒部11aを有し、他方の部材12は雌形筒部12aを有し、該雄形筒部11aと雌形筒部12aとが嵌合されるとともに、一方の部材12の鍔部12bが固定部材5と当接する形状であってもよい。この場合、セパレータ6の締め付け時に、一方の部材12の鍔部12bが固定部材5と当接することで、型枠4に圧縮応力が載荷されることを抑制することができる。
上記において、雄形筒部11aと雌形筒部12aの長さとしては、長すぎると型枠4が緊締されずにガタツキが発生しやすくなり、短かすぎると締め付け時の圧縮応力が型枠4に載荷されやすくなるので、雄形筒部11aと雌形筒部12aとが嵌合された時に、鍔部11b,12bにおける型枠4側の面間長さが型枠4の厚さと略同等であることが好ましい。
また、上記補強部材1の鍔部11b、12bの形状としては、特に限定されないが、図示するように、例えば鍔部11bの型枠4側に断面凹型の溝部11cが設けられている場合には、型枠4に開口部4aを穿孔する際に発生し易いバリ(返り)4bを溝部11cに逃がすことができ、バリに起因する補強部材1の取付不良がなくなる点で好ましい。
また、セパレータ6を開口部4aに通して固定し易くなる点で、補強部材1の内側などには角部(エッジ部)が無いことが好ましく、補強部材1の角部は面取り乃至はフィレット加工が施され、加えて補強部材1の内側にセパレータ6の先端部6aがスライド可能な勾配が設けられていることが好ましい。
本発明のコンクリート型枠4は、例えば、上記補強部材1がセパレータ取付用開口部4aに取り付けられて用いられたものである。
上記補強部材は、例えば、型枠4に所定の間隔で開口部4aが穿孔されて取り付けられる。この場合、開口部4aと補強部材1とは粘着剤や接着剤が用いられて固定されても良いが、開口部4aを穿孔する際に補強部材1の筒部外径より僅かに小さな内径の穴を開け、補強部材を嵌め込んで固定してもよい。通常、上記内径は補強部材の外径より0.5〜1.5mm程度小さくすることが好ましい。また、上記筒部にネジを設けて固定してもよい。
上記補強部材の筒部内径は、小さすぎるとセパレーターを通し難くなるとともに、セパレータによる摩耗が発生し易くなるので、通常セパレーターの外径に対して2〜5mm程度大きな内径とされることが好ましい。
尚、上記筒部形状は断面円形に限定されず、楕円形、矩形、その他の多角形であってもよい。
以下に実施例および比較例を示すことにより、本発明を更に具体的に説明する。
尚、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。
尚、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
ポリプロピレン系樹脂発泡体シートからなる芯層に、これをサンドイッチするポリエチレンテレフタレート製の不織布からなる両表層が積層されてなる複合シートで構成される型枠(密度が0.1g/cc、芯層に内在する気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平均値が2.2)のセパレータ取付用開口部に、図1に示す本発明の補強部材1を用いたコンクリート型枠を作成し評価した結果、開口部の破損や型枠の変形が起こりにくくなり、転用回数は15回であった。
ポリプロピレン系樹脂発泡体シートからなる芯層に、これをサンドイッチするポリエチレンテレフタレート製の不織布からなる両表層が積層されてなる複合シートで構成される型枠(密度が0.1g/cc、芯層に内在する気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平均値が2.2)のセパレータ取付用開口部に、図1に示す本発明の補強部材1を用いたコンクリート型枠を作成し評価した結果、開口部の破損や型枠の変形が起こりにくくなり、転用回数は15回であった。
(実施例2)
セパレータ取付用開口部に、図2に示す本発明の補強部材1を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコンクリート型枠を作成し評価した結果、上記同様に開口部の破損や型枠の変形が起こりにくくなり、転用回数は15回であった。
セパレータ取付用開口部に、図2に示す本発明の補強部材1を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコンクリート型枠を作成し評価した結果、上記同様に開口部の破損や型枠の変形が起こりにくくなり、転用回数は15回であった。
(比較例1)
補強部材1を開口部に取り付けなかったこと以外は実施例1と同様にしてコンクリート型枠を作成し評価した結果、開口部の破損や型枠の変形が起こり、転用回数は5回であった。
補強部材1を開口部に取り付けなかったこと以外は実施例1と同様にしてコンクリート型枠を作成し評価した結果、開口部の破損や型枠の変形が起こり、転用回数は5回であった。
以上のことから、本発明の実施例においては、開口部の破損や型枠の変形を防止し、型枠の転用回数を向上することができることが判明した。
1 コンクリート型枠用補強部材
2,11b,12b 鍔部
2a,11c 溝部
3 筒部
3a 先端
11,12 部材
11a 雄形筒部
12a 雌形筒部
4 コンクリート型枠
4a 開口部
4b バリ(返り)
5 固定部材
6 セパレータ
6a 先端部
7 ナット
8 金具
9 コンクリート
2,11b,12b 鍔部
2a,11c 溝部
3 筒部
3a 先端
11,12 部材
11a 雄形筒部
12a 雌形筒部
4 コンクリート型枠
4a 開口部
4b バリ(返り)
5 固定部材
6 セパレータ
6a 先端部
7 ナット
8 金具
9 コンクリート
Claims (4)
- コンクリート型枠のセパレータ取付用開口部に用いられるコンクリート型枠用補強部材であって、セパレータに取り付けられた固定部材と該補強部材とが当接することで、セパレータ締め付け時に型枠に載荷される圧縮応力を抑制可能であることを特徴とするコンクリート型枠用補強部材。
- 補強部材の形状が、鍔部と筒部からなるハトメ形状であり、筒部の先端が固定部材と当接することを特徴とする請求項1記載のコンクリート型枠用補強部材。
- 補強部材がハトメ形状を有する一対の部材からなり、一方の部材は雄形筒部を有し、他方の部材は雌形筒部を有し、該雄形筒部と雌形筒部とが嵌合されるとともに、一方の部材の鍔部が固定部材と当接することを特徴とする請求項1記載のコンクリート型枠用補強部材。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載のコンクリート型枠用補強部材がセパレータ取付用開口部に用いられたことを特徴とするコンクリート型枠。
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JP2004190238A JP2006009473A (ja) | 2004-06-28 | 2004-06-28 | コンクリート型枠用補強部材及びそれを用いたコンクリート型枠 |
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