JP2006009218A - スプレー容器に収容された花粉破裂防止剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 衣類等にシミを作ることなく噴霧できる、花粉が鼻腔内で破裂することを防止するためのスプレー容器入り花粉破裂防止剤組成物を提供すること。
【解決手段】 吐出孔径が0.3〜0.6mmのスプレー容器に収容された、花粉破裂防止剤組成物であって、該組成物が、
(a)アニオン性シリカ微粒子の表面をアルミナで被覆したシリカ微粒子及びアルミナ微粒子からなる群から選択される1種以上の微粒子と、
(b)下記一般式〔I〕で示される4級アンモニウム塩とを含有することを特徴とする前記花粉破裂防止剤組成物:
【化1】
(式中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜22のアルキル基またはアルケニル基であり、R1とR2の炭素数の合計は12〜26である。R3及びR4はそれぞれ炭素数1〜2のアルキル基である。XはCl、Br、CH3SO3、CH3CH2SO3から選択される1種または2種以上である。)。
【解決手段】 吐出孔径が0.3〜0.6mmのスプレー容器に収容された、花粉破裂防止剤組成物であって、該組成物が、
(a)アニオン性シリカ微粒子の表面をアルミナで被覆したシリカ微粒子及びアルミナ微粒子からなる群から選択される1種以上の微粒子と、
(b)下記一般式〔I〕で示される4級アンモニウム塩とを含有することを特徴とする前記花粉破裂防止剤組成物:
【化1】
(式中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜22のアルキル基またはアルケニル基であり、R1とR2の炭素数の合計は12〜26である。R3及びR4はそれぞれ炭素数1〜2のアルキル基である。XはCl、Br、CH3SO3、CH3CH2SO3から選択される1種または2種以上である。)。
Description
本発明は、繊維製品用の噴霧用花粉破裂防止剤組成物に関する。更に詳しくは衣類やカーテン等の繊維製品や布製の家具や玩具等に適用して、付着した花粉が飛散して鼻腔内で破裂することを防止ないし抑制するための花粉破裂防止剤組成物に関する。
近年、スギ花粉の大量飛散とディーゼルエンジン排ガス由来の大気汚染が原因と考えられている花粉症が社会問題化している。一方でポリエステル素材に起毛加工を施したフリースといった衣料が、その着心地と安価である点から広く着用されるようになった。この様な衣料を着用すると、帯電し易いポリエステル繊維である事から空気中のスギ花粉が引き寄せられ、且つスギ花粉が微小である為に起毛加工した繊維の奥に入り込んで室内へと持ち込まれる事となる。近年、住宅の気密性は高まっている事から、屋外での衣類への花粉付着を抑制し、また持ち込んだ花粉に対しても破裂を抑制して鼻腔内等でのアレルゲン溶出を抑制すれば、居住空間内での快適性は一段と増すものであると考える。
花粉をケアする方法としては、特許文献1及び2に記載の如く特定の高分子化合物や水膨潤性粘土鉱物を用いて花粉アレルゲンを不活性化させる方法、特許文献3及び4に記載の如く特定のポリフェノール類やハイドロキシアパタイトを用いて花粉アレルゲンを不活性化させる方法、特許文献5に記載の如く硫酸アルミニウムと硫酸ナトリウムを用いて花粉アレルゲンを不活性化させる方法等が知られている。しかしながら、花粉アレルゲンは花粉表皮上にはあまり存在せず、花粉内部に殆どが存在し、これが鼻腔内部で鼻汁と接触することで破裂しアレルゲンが放出されるといった挙動をとることから、これら花粉アレルゲン不活性化による方法は衣類上での処理を考えると効果的とは言い難い。
花粉をケアする第二の方法としては、特許文献6に記載の如く特定のカチオン性界面活性剤により花粉を破壊しアレルゲンを強制的に溶出させ不活性化させる方法が知られている。これらの方法は、繊維上での処理を想定した場合、噴霧した処理液が繊維内部に浸透し且つ乾燥する為、2段階の工程(工程1:花粉を破裂させる、工程2:溶出したアレルゲンを不活性化させる)が瞬時に解決しなければならず、実効面で問題がある。
花粉をケアする第三の方法としては、特許文献7〜9に記載の如く鼻腔内に進入した花粉の破裂を防止し、アレルゲンの溶出を抑制する方法が知られている。本発明者らはこれらの方法が衣類上の花粉をケアするには最も有効であると考えたが、該公報は何れも鼻腔内洗浄時に該公報記載の成分を花粉と接触させる事で効果を発現するものであり、鼻腔外に存在する花粉に対しては有効な効果は見出せなかった。
さらに、特許文献10には、コロイダルシリカ類の微粒子を含有する加工剤を、織物等に均一に付着させ、絞り、次いで乾燥させて該コロイダルシリカ類を織物等に固着させることにより、花粉を衣服に付着させないようにする加工方法が開示されているが、当該文献には、花粉が衣服上で破裂することを防止することについては記載されていない。
一方、液状組成物をスプレー容器等に収納して噴霧する場合、噴霧された液状組成物が狭い範囲に集中して衣類等表面にシミを作ってしまう等の問題があった。
花粉をケアする第二の方法としては、特許文献6に記載の如く特定のカチオン性界面活性剤により花粉を破壊しアレルゲンを強制的に溶出させ不活性化させる方法が知られている。これらの方法は、繊維上での処理を想定した場合、噴霧した処理液が繊維内部に浸透し且つ乾燥する為、2段階の工程(工程1:花粉を破裂させる、工程2:溶出したアレルゲンを不活性化させる)が瞬時に解決しなければならず、実効面で問題がある。
花粉をケアする第三の方法としては、特許文献7〜9に記載の如く鼻腔内に進入した花粉の破裂を防止し、アレルゲンの溶出を抑制する方法が知られている。本発明者らはこれらの方法が衣類上の花粉をケアするには最も有効であると考えたが、該公報は何れも鼻腔内洗浄時に該公報記載の成分を花粉と接触させる事で効果を発現するものであり、鼻腔外に存在する花粉に対しては有効な効果は見出せなかった。
さらに、特許文献10には、コロイダルシリカ類の微粒子を含有する加工剤を、織物等に均一に付着させ、絞り、次いで乾燥させて該コロイダルシリカ類を織物等に固着させることにより、花粉を衣服に付着させないようにする加工方法が開示されているが、当該文献には、花粉が衣服上で破裂することを防止することについては記載されていない。
一方、液状組成物をスプレー容器等に収納して噴霧する場合、噴霧された液状組成物が狭い範囲に集中して衣類等表面にシミを作ってしまう等の問題があった。
従って、本発明は、衣類等にシミを作ることなく噴霧できる、花粉が鼻腔内で破裂することを防止するためのスプレー容器入り花粉破裂防止剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を克服するために鋭意検討を行った結果、特定のシリカ微粒子とアルミナ微粒子からなる群から選択される1種以上の微粒子と特定の4級アンモニウム塩を組み合わせた花粉破裂防止剤組成物を特定のスプレー容器を用いて噴霧することで優れた花粉破裂抑制効果を有する花粉破裂防止剤組成物を得られることが明らかとなり、本発明に至った。
すなわち、本発明は、吐出孔径が0.3〜0.6mmのスプレー容器に収容された、花粉破裂防止剤組成物であって、該組成物が、
(a)アニオン性シリカ微粒子の表面をアルミナで被覆したシリカ微粒子及びアルミナ微粒子からなる群から選択される1種以上の微粒子と、
(b)下記一般式〔I〕で示される4級アンモニウム塩とを含有することを特徴とする前記花粉破裂防止剤組成物を提供する。
(a)アニオン性シリカ微粒子の表面をアルミナで被覆したシリカ微粒子及びアルミナ微粒子からなる群から選択される1種以上の微粒子と、
(b)下記一般式〔I〕で示される4級アンモニウム塩とを含有することを特徴とする前記花粉破裂防止剤組成物を提供する。
式中、R1及びR2は同一でも異なっていても良く、それぞれ独立して炭素数1〜22のアルキル基またはアルケニル基であり、R1とR2の炭素数の合計は12〜26である。R3及びR4は同一でも異なっていても良く、それぞれ独立して炭素数1〜2のアルキル基である。XはCl、Br、CH3SO3、CH3CH2SO3から選択される1種または2種以上である。
本発明の組成物は、優れた花粉破裂抑制効果を発揮するとともに、衣類等にシミを作りにくくかつ容易に噴霧できる。本発明の組成物はまた、白化しにくく、衣類等の外観を損ねにくい。本発明の組成物を適用した花粉は、鼻腔内に侵入しても破裂せず、アレルゲンを放出しないことから、花粉症の症状を緩和することができる。
本発明における(a)成分のアニオン性シリカ微粒子の表面をアルミナで被覆したシリカ微粒子とは、SiO2を主骨格とする水不溶性の微粒子を指し、アモルファスシリカ、結晶性シリカ及びアモルファスシリカを水中に分散させた形態のコロイダルシリカ等が挙げられるが、それらの中でも、微粒子の分散安定性の点から、コロイダルシリカが好ましい。コロイダルシリカは、「スノーテックス」(日産化学工業(株)製)、「シリカドール」(日本化学工業(株)製)等、市販品として容易に入手できる。
通常、コロイダルシリカの表面はシラノール基によりアニオン性を帯びているが、花粉破裂抑制効果の点からは、アニオン性のコロイダルシリカ表面にアルミナをコーティングしたものが好ましい。このアルミナのコーティング方法は、特に限定されるものではないが、塩基性塩化アルミニウムで処理する等の従来公知の方法により調整することができる。このようなアルミナ変性したコロイダルシリカとしては、スノーテックスAK(日産化学工業(株)製)、シリカドール20P(日本化学工業(株)製)、Klebosol30CAL25(Clariant社製)等が挙げられる。
本発明における(a)成分のアニオン性シリカ微粒子の表面をアルミナで被覆したシリカ微粒子の粒径は、下限が好ましくは1nm以上、より好ましくは10nm以上であり、上限が好ましくは1μm以下、より好ましくは100nm以下、更に好ましくは30nm、特に好ましくは20nm以下以下である。シリカ微粒子の粒径がこの範囲内にあると、低温及び高温安定性に優れるので好ましい。このシリカ微粒子の粒径は、BET法による比表面積から換算されるものである。
通常、コロイダルシリカの表面はシラノール基によりアニオン性を帯びているが、花粉破裂抑制効果の点からは、アニオン性のコロイダルシリカ表面にアルミナをコーティングしたものが好ましい。このアルミナのコーティング方法は、特に限定されるものではないが、塩基性塩化アルミニウムで処理する等の従来公知の方法により調整することができる。このようなアルミナ変性したコロイダルシリカとしては、スノーテックスAK(日産化学工業(株)製)、シリカドール20P(日本化学工業(株)製)、Klebosol30CAL25(Clariant社製)等が挙げられる。
本発明における(a)成分のアニオン性シリカ微粒子の表面をアルミナで被覆したシリカ微粒子の粒径は、下限が好ましくは1nm以上、より好ましくは10nm以上であり、上限が好ましくは1μm以下、より好ましくは100nm以下、更に好ましくは30nm、特に好ましくは20nm以下以下である。シリカ微粒子の粒径がこの範囲内にあると、低温及び高温安定性に優れるので好ましい。このシリカ微粒子の粒径は、BET法による比表面積から換算されるものである。
本発明における(a)成分のアルミナ微粒子とは、Al2O3を主骨格とする水不溶性の微粒子を指し、アルミナ水和物をコロイド状に分散させたアルミナゾルが挙げられる。アルミナゾルとしては、アルミナゾル−100、アルミナゾル−200、アルミナゾル−520(何れも日産化学工業(株)製)等が挙げられる。本発明における(a)成分のアルミナ微粒子の粒径は、下限が好ましくは1nm以上、より好ましくは10nm以上であり、上限が好ましくは1μm以下、より好ましくは100nm以下、更に好ましくは30nm以下、特に好ましくは20nm以下である。アルミナ微粒子の粒径がこの範囲内にあると、低温及び高温安定性に優れるので好ましい。
本発明の組成物中における(a)成分のアニオン性シリカ微粒子の表面をアルミナで被覆したシリカ微粒子とアルミナ微粒子からなる群から選択される1種以上の微粒子の配合量は、下限が好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上であり、上限は5質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下である。(a)成分の配合量がこの範囲内にあると、花粉破裂抑制効果及び経済性に優れるので好ましい。(a)成分の微粒子の中で最も好ましいものは、花粉破裂抑制効果と高温での安定性の点で、アルミナ変性したコロイダルシリカである。
本発明における(b)成分は、上記一般式〔I〕で示される4級アンモニウム塩である。本発明の(b)成分は、繊維製品の帯電性を低下させ花粉が繊維製品に付着するのを抑制するばかりでなく、ウール等の繊維製品に対する花粉破裂防止剤組成物の浸透性を向上させる働きを示す。特に濃色で且つ毛羽だったウールフラノ地等に花粉破裂防止剤組成物をスプレーした場合、浸透性が不足すると全面が白化した様になり見栄えが非常に悪くなる。更には本発明で用いる広範囲に花粉破裂防止剤組成物を噴霧するタイプのトリガースプレー容器を用いた場合、本白化現象は顕著に発生し商品としては致命的な欠陥に繋がる。本発明における(b)成分は、この様な白化現象を抑制する働きを示すものである。
4級アンモニウム塩の具体的な例としては、牛脂アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、牛脂アルキルトリメチルアンモニウムブロマイド、牛脂アルキルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、牛脂アルキルエチルジメチルアンモニウムエチルサルフェート、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、ステアリルエチルジメチルアンモニウムエチルサルフェート、オレイルトリメチルアンモニウムクロライド、オレイルトリメチルアンモニウムブロマイド、オレイルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、オレイルエチルジメチルアンモニウムエチルサルフェート、パルミチルオレイルトリメチルアンモニウムクロライド、パルミチルトリメチルアンモニウムブロマイド、パルミチルオレイルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、パルミチルエチルジメチルアンモニウムエチルサルフェート、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムブロマイド、ジデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジデシルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、ジドデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジドデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジドデシルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェート、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジオクチルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェート、デシルドデシルジメチルアンモニウムクロライド、デシルドデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、デシルドデシルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェート、デシルオクチルジメチルアンモニウムクロライド、デシルオクチルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、デシルオクチルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェート等が挙げられる。中でも4級アンモニウム塩としては、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジデシルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェートが好ましい。
4級アンモニウム塩は花粉破裂防止剤組成物中に、好ましくは0.05〜1質量%、更に好ましくは0.05〜0.5質量%配合される。4級アンモニウム塩の配合量が0.05質量%未満では白化現象抑制効果が不十分であり、1質量%を超えて配合すると皮膚への刺激等が強くなる為、好ましくない。
4級アンモニウム塩は花粉破裂防止剤組成物中に、好ましくは0.05〜1質量%、更に好ましくは0.05〜0.5質量%配合される。4級アンモニウム塩の配合量が0.05質量%未満では白化現象抑制効果が不十分であり、1質量%を超えて配合すると皮膚への刺激等が強くなる為、好ましくない。
本発明において、上記(a)(b)成分を含有する花粉破裂防止剤組成物を吐出孔径が0.3〜0.6mmのスプレー容器、好ましくはトリガースプレー容器にて噴霧し、使用される。本発明において使用できるスプレー容器とは、例えば図1に示されものを使用できる。図1において、吐出孔部180は、凹部172に対応した位置に、吐出孔180aを有する。吐出孔180aは、吐出ノズルの先端に位置し、凹部172のほぼ中央に位置するのが好ましい。吐出孔径の更に好ましい大きさとしては035〜0.55mmの範囲である。吐出孔径がこのような範囲内にあると、一ヶ所に集中して噴霧されることがなく、シミを作成しにくくなるので好ましい。また、カーテンのように広い繊維製品に噴霧する場合であっても、何度もスプレーを繰り返さすことなく噴霧できるので好ましい。なお、吐出孔径が0.6mmよりも大きい場合には、噴霧された花粉破裂防止剤組成物の大半が空中に飛散する為、ムセたり床面を汚したりする事から好ましくない。
本発明において、上記(a)(b)成分は、任意の溶媒に溶解ないし分散して使用される。具体的には、水、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール等、及びこれらの混合物があげられる。中でも、エタノールと水の質量比がエタノール:水=80:20〜5:95の範囲であるエタノール水溶液が好ましい。エタノールとの水との混合溶媒を分散媒として使用すると、本発明の花粉破裂防止剤組成物を衣類等に適用した後短時間に乾燥し、臭気も強くないので、使用時に周辺環境に悪影響を与える懸念もないので好ましい。ただし、エタノールと水の質量比がエタノール:水=80:20を超え、エタノールが多くなると噴霧使用時に“ムセ”が生じたり不慮の引火による事故の危険性が高まる為、好ましくない。エタノールと水の質量比がエタノール:水=5:95未満で水が更に多くなると乾燥時間が長くなる為好ましくない。
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、以下の任意成分を配合することができる:炭素数12〜18のアルキル基を有し、ポリオキシエチレンの付加モル数が5〜50、プロピレンオキサイドの付加モル数が0〜5のポリオキシアルキレンアルキルエーテル、炭素数8〜18のアルキル基を有し、グルコースユニットの平均付加モル数1〜10のアルキルポリグルコシド、炭素数8〜18のアルキル基を有し、グリセリンユニットの平均付加モル数1〜3のアルキルグリセリルエーテル、炭素数10〜20の脂肪酸ジエタノールアミド、炭素数10〜18アルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数1〜30のメトキシポリオキシエチレンアルカノエート等の非イオン界面活性剤;炭素数8〜18のアルキル基を有するアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の両性界面活性剤。エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、下記一般式[1]で表されるもの)ポリプロピレングリコール、ポリアルキレングリコールブチルエーテル、ポリアルキレングリコールフェニルエーテル等のグリコール系溶剤;ポリエーテル変性シリコーン(例えば、下記一般式[2]で表されるもの)、ジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーン(例えば、信越化学工業(株)製、POLON−MF−14)等のシリコーン化合物。メチルパラベン、安息香酸塩、ケーソンCG/ICP等の防腐剤;特開2002−146399号公報記載の香料成分、溶剤及び安定化剤等を含有する香料組成物;硫酸、水酸化ナトリウム等のpH調整剤。
HO−(CH2CH2O)p−H …〔1〕
(式中、pはエチレンオキシドの付加モル数を示し、n=3〜50、好ましくは4〜30の範囲である。)
(式中、pはエチレンオキシドの付加モル数を示し、n=3〜50、好ましくは4〜30の範囲である。)
式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3の一価炭化水素基であり、溶解性の点から水素原子又はメチル基が好ましい。mは前記一般式〔2〕中で示されるエチレンオキサイドの平均付加モル数を表わし、mの範囲は、下限が1以上、好ましくは3以上、より好ましくは7以上であり、上限は50以下、好ましくは30以下、より好ましくは20以下である。mがこの範囲内にあると、繊維製品の風合い低下防止効果に優れるので好ましい。nは前記一般式〔2〕中で示されるプロピレンオキサイドの平均付加モル数を表わし、nの範囲は、下限が0以上、上限は10以下、好ましくは5以下、より好ましくは3以下である。nがこの範囲内にあると、繊維製品の風合い低下防止効果に優れるので好ましい。エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの重合形態は、ランダム付加及びブロック付加重合のどちらでもよい。xは前記一般式〔2〕中で示されるジメチルシロキサンの平均付加モル数を表わし、xの範囲は、下限が1以上、好ましくは20以上、より好ましくは60以上であり、上限は400以下、好ましくは300以下、より好ましくは250以下である。xがこの範囲内にあると、繊維製品の風合い低下防止効果及び溶解性に優れるので好ましい。yは前記一般式〔2〕中で示されるメチルポリオキシアルキレンプロピルシロキサンの平均付加モル数を表わし、yの範囲は、下限が1以上、好ましくは3以上、より好ましくは4以上であり、上限は40以下、好ましくは30以下、より好ましくは20以下の範囲である。yがこの範囲内にあると、繊維製品の風合い低下防止効果及び溶解性に優れるので好ましい。ジメチルシロキサンとメチルポリオキシアルキレンプロピルシロキサンの重合形態は、ランダム付加及びブロック付加重合のどちらでもよい。xとyのモル比x/yは、下限が好ましくは1以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは15以上であり、上限は、好ましくは100以下、より好ましくは50以下、更に好ましくは30以下である。x/yがこの範囲内にあると、繊維製品の風合い低下防止効果及び溶解性に優れるので好ましい。
本発明の組成物における上記任意成分の配合量は、上限が好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下であり、1質量%以下が更に好ましい。
本発明の組成物における上記任意成分の配合量は、上限が好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下であり、1質量%以下が更に好ましい。
本発明の組成物のpHは、特に限定されるものではないが、組成物のpHは(a)成分の微粒子の分散安定性に影響を及ぼすことから、下限が好ましくは2.0以上、より好ましくは3.0以上、更に好ましくは4.0以上であり、上限は好ましくは7.0以下、より好ましくは6.0以下、更に好ましくは5.0以下である。組成物のpHがこの範囲内にあると、安全性及び(a)微粒子の分散安定性に優れるので好ましい。
本発明の物品を対象となる繊維製品に噴霧して使用する場合の噴射量は、繊維製品の質量に対して、下限が好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、上限は好ましくは100質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
本発明の花粉破裂防止剤組成物を使用する対象の繊維素材としては特に限定されるものではなくポリエステル、ナイロン、アクリル等の合成繊維、アセテート等の半合成繊維、レーヨン、テンセル、ポリノジック等の再生繊維、綿、ウール、絹等の天然繊維及びこれら各種繊維の混紡品、混織品、混編品等幅広い用途に用いることができる。本発明の組成物を使用する対象の繊維製品としても、特に限定はされないが、例えば、Yシャツ、Tシャツ、ポロシャツ、ブラウス、チノパン、スーツ、スラックス、スカート、テーブルクロス、ランチョンマット、カーテン、寝具、カーペット等が挙げられる。更には本発明の花粉破裂防止剤組成物をフロアに噴霧しても効果的である。
下記に実施例及び比較例で使用した成分を示す。
a−1:アルミナ被覆型コロイダルシリカ(スノーテックスAK、日産化学工業(株)製、粒子径;10〜20nm)
a−2:アルミナ被覆型コロイダルシリカ(シリカドール20P、日本化学工業(株)製、粒子径;10〜20nm)
a−3:アルミナ微粒子(アルミナゾル−520、日産化学工業(株)製、粒子径;10〜20nm)
b−1:ジデシルジメチルアンモニウムクロライド(アーカード210−80E、ライオンアクゾ(株)製)
b−2:ジデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート(実験室合成品)比較品2:ポリエチレングリコール;平均重合度:136.4(PEG#6000、ライオン(株)製)
任意−1:ポリエーテル変性シリコーン(下記一般式〔II〕、m=15、n=0、x=150、y=25、実験室合成品)
a−1:アルミナ被覆型コロイダルシリカ(スノーテックスAK、日産化学工業(株)製、粒子径;10〜20nm)
a−2:アルミナ被覆型コロイダルシリカ(シリカドール20P、日本化学工業(株)製、粒子径;10〜20nm)
a−3:アルミナ微粒子(アルミナゾル−520、日産化学工業(株)製、粒子径;10〜20nm)
b−1:ジデシルジメチルアンモニウムクロライド(アーカード210−80E、ライオンアクゾ(株)製)
b−2:ジデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート(実験室合成品)比較品2:ポリエチレングリコール;平均重合度:136.4(PEG#6000、ライオン(株)製)
任意−1:ポリエーテル変性シリコーン(下記一般式〔II〕、m=15、n=0、x=150、y=25、実験室合成品)
任意−2:ポリエチレングリコール(PEG#300、ライオン(株)製)
エタノール:試薬1級、甘粕化学産業(株)製
香料:特開2002−146399号公報記載の表11〜18記載の香料組成物A
エタノール:試薬1級、甘粕化学産業(株)製
香料:特開2002−146399号公報記載の表11〜18記載の香料組成物A
トリガースプレーは吉野工業所(株)製、型番:AKSRMトリガーの吐出口径を調整したものを用いた。
トリガースプレーA:吐出孔径0.45mm
トリガースプレーB:吐出孔径0.50mm
トリガースプレーC:吐出孔径0.30mm
トリガースプレーD:吐出孔径0.70mm
トリガースプレーE:吐出孔径0.20mm
トリガースプレーA:吐出孔径0.45mm
トリガースプレーB:吐出孔径0.50mm
トリガースプレーC:吐出孔径0.30mm
トリガースプレーD:吐出孔径0.70mm
トリガースプレーE:吐出孔径0.20mm
〔花粉破裂抑制効果評価方法〕
調整した花粉破裂防止剤組成物:10mLをトリガースプレー容器にてスギ花粉:100mgに噴霧し、常温にて5分間静置後、遠心分離機にて300rpmで5分間処理する。濾過し、花粉を分別した後、常温で15時間乾燥する。この処理花粉を人工鼻汁液(0.1Mリン酸バッファー液〔pH:8.0〕1Lにリゾチーム1gを溶解した物)に浸し、5分後の破裂した花粉の数を計測した。
破裂率=(破裂した花粉/(未破裂の花粉+破裂した花粉)
〔判定基準〕 ◎:破裂率10%未満
○:破裂率10%以上、20%未満
△:破裂率20%以上、50%未満
×:破裂率50%以上
調整した花粉破裂防止剤組成物:10mLをトリガースプレー容器にてスギ花粉:100mgに噴霧し、常温にて5分間静置後、遠心分離機にて300rpmで5分間処理する。濾過し、花粉を分別した後、常温で15時間乾燥する。この処理花粉を人工鼻汁液(0.1Mリン酸バッファー液〔pH:8.0〕1Lにリゾチーム1gを溶解した物)に浸し、5分後の破裂した花粉の数を計測した。
破裂率=(破裂した花粉/(未破裂の花粉+破裂した花粉)
〔判定基準〕 ◎:破裂率10%未満
○:破裂率10%以上、20%未満
△:破裂率20%以上、50%未満
×:破裂率50%以上
〔白化性評価方法〕
調整した花粉破裂防止剤組成物トリガースプレー容器を用いて黒色のウールフラノ布(20cm×20cm)に、布質量に対し30質量%噴霧する。その時の表面の状態を観察する。
〔判定基準〕 ◎:液が速やかに浸透し、白化は認められない
○:噴霧直後は布がやや白く見えるが、すぐに消える
△:噴霧した後、布全体が白くなるが30秒ほどで消える
×:噴霧した後、布全体が白くなり30秒たっても消えない。
調整した花粉破裂防止剤組成物トリガースプレー容器を用いて黒色のウールフラノ布(20cm×20cm)に、布質量に対し30質量%噴霧する。その時の表面の状態を観察する。
〔判定基準〕 ◎:液が速やかに浸透し、白化は認められない
○:噴霧直後は布がやや白く見えるが、すぐに消える
△:噴霧した後、布全体が白くなるが30秒ほどで消える
×:噴霧した後、布全体が白くなり30秒たっても消えない。
〔ムセの評価方法〕
直径30cmの半球状ボウルに花粉破裂防止剤組成物をトリガースプレー容器で3ストローク噴霧し、反射してきた霧に口や鼻を近づけてムセの程度を判定した。
判定基準 ◎:全くムセがない
○:僅かに刺激を感じるがムセはない
×:刺激を感じ、ムセる
××:強い刺激を感じ、咳き込む
直径30cmの半球状ボウルに花粉破裂防止剤組成物をトリガースプレー容器で3ストローク噴霧し、反射してきた霧に口や鼻を近づけてムセの程度を判定した。
判定基準 ◎:全くムセがない
○:僅かに刺激を感じるがムセはない
×:刺激を感じ、ムセる
××:強い刺激を感じ、咳き込む
〔大型繊維製品への使い易さ評価方法〕
主婦(30歳)に、花粉破裂防止剤組成物をトリガースプレー容器にて、カーテン(2m×1.2m)全面に噴霧してもらいその感想を聞いた。
○:あまり疲れを感じずにカーテンの全面に噴霧することが出来た。
△:疲れるほどではなかったが何回もストロークするのがやや面倒に感じた。
×:何度も何度もスプレーしなければならず、非常に大変であり面倒。
主婦(30歳)に、花粉破裂防止剤組成物をトリガースプレー容器にて、カーテン(2m×1.2m)全面に噴霧してもらいその感想を聞いた。
○:あまり疲れを感じずにカーテンの全面に噴霧することが出来た。
△:疲れるほどではなかったが何回もストロークするのがやや面倒に感じた。
×:何度も何度もスプレーしなければならず、非常に大変であり面倒。
Claims (1)
- 吐出孔径が0.3〜0.6mmのスプレー容器に収容された、花粉破裂防止剤組成物であって、該組成物が、
(a)アニオン性シリカ微粒子の表面をアルミナで被覆したシリカ微粒子及びアルミナ微粒子からなる群から選択される1種以上の微粒子と、
(b)下記一般式〔I〕で示される4級アンモニウム塩とを含有することを特徴とする前記花粉破裂防止剤組成物:
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004191572A JP2006009218A (ja) | 2004-06-29 | 2004-06-29 | スプレー容器に収容された花粉破裂防止剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004191572A JP2006009218A (ja) | 2004-06-29 | 2004-06-29 | スプレー容器に収容された花粉破裂防止剤組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006009218A true JP2006009218A (ja) | 2006-01-12 |
Family
ID=35776763
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004191572A Pending JP2006009218A (ja) | 2004-06-29 | 2004-06-29 | スプレー容器に収容された花粉破裂防止剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006009218A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008024793A (ja) * | 2006-07-19 | 2008-02-07 | Genome Soyaku Kenkyusho:Kk | 花粉飛散防止剤、及び花粉飛散防止剤噴霧装置 |
JP2018002640A (ja) * | 2016-06-30 | 2018-01-11 | 小林製薬株式会社 | 花粉破裂抑制剤 |
WO2021018805A1 (en) * | 2019-07-30 | 2021-02-04 | Unilever Global Ip Limited | Fabric spray compositions |
-
2004
- 2004-06-29 JP JP2004191572A patent/JP2006009218A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008024793A (ja) * | 2006-07-19 | 2008-02-07 | Genome Soyaku Kenkyusho:Kk | 花粉飛散防止剤、及び花粉飛散防止剤噴霧装置 |
JP2018002640A (ja) * | 2016-06-30 | 2018-01-11 | 小林製薬株式会社 | 花粉破裂抑制剤 |
WO2021018805A1 (en) * | 2019-07-30 | 2021-02-04 | Unilever Global Ip Limited | Fabric spray compositions |
CN114174584A (zh) * | 2019-07-30 | 2022-03-11 | 联合利华知识产权控股有限公司 | 织物喷涂组合物 |
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