JP7145787B2 - 繊維製品の処理方法 - Google Patents

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本発明は、繊維製品の処理方法、繊維製品にスプレーないし塗布により適用される水性組成物に関する。
洗濯習慣の変化により、着用した衣料はその都度洗濯することが一般的になっているが、スーツや制服、セーター等の衣料は一般家庭では洗濯が難しく、洗濯回数も一般の衣料に比べて格段に少ない。さらに、お気に入りの衣類の中には、微妙な色味や質感を損なわないように、数回着用してから洗濯するといった洗濯習慣が増えている。また、布団、絨毯、玄関マット、カーテン、ソファー等のいわゆるインテリアファブリックと呼ばれる繊維製品も同様に洗濯することが難しく、部分的な汚れに菌体が関与して、衛生面に問題がある。また繊維製品に生じる臭いと菌体との関係を考慮すると、除菌は繊維製品の消臭を達成する上で重要な要点でもあり、消臭剤に除菌機能を持たせた技術が多く開示されている。
このような繊維製品を除菌するための成分として、第4級アンモニウム塩が知られている。
特許文献1には、特定のアミンオキシド型界面活性剤及び陽イオン性界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤(a)、無機性陽イオン(b1)及び無機性陰イオン(b2)、並びに溶媒(c)を含有し、(b1)及び(b2)となる水溶性無機塩(b)を、(a)と(b)の質量比(a)/(b)が0.1以上10以下となる量で配合してなる、簡便に使用でき、粉じんや花粉等の微粒子の付着を抑制できる帯電防止剤が開示されている。
特許文献2には、セルロース系繊維を含む不織布と、前記不織布に含浸させた、第四級アンモニウム塩及び無機塩を含む水溶液とを含有し、セルロース系繊維を含む不織布に対して第四級アンモニウム塩の吸着が抑制でき、均一に第四級アンモニウム塩を含む水溶液を含浸させることが、従来の技術よりも短時間で可能であり、有効に殺菌効果及び防カビ性を発揮することができ、かつ、液の泡立ちと拭き残りを同時に抑制できる、ウェットワイパーが開示されている。
特許文献3には、繊維材料から構成された基布に、正電荷を帯びた殺菌消毒成分と、アミノ酸と、ノニオン系界面活性剤を含む水溶液を含浸させることで、基布への吸着を防止して有効に殺菌消毒効果を発揮することができる殺菌消毒剤が開示されている。
特開2016-125019号公報 特開2018-15442号公報 特開2010-37295号公報
本発明は、低濃度の水溶性4級アンモニウム塩を含む水性組成物を、繊維製品に局所的にスプレーないし塗布した場合の、該化合物の繊維製品における拡散を促進させる繊維製品の処理方法、繊維製品にスプレーないし塗布により適用される水性組成物、及び繊維製品における水溶性4級アンモニウム塩の拡散を促進させる方法を提供する。
本発明は、(a)炭素数8以上18以下の炭化水素基を1つ又は2つ有する水溶性4級アンモニウム塩(以下、(a)成分という)を0.1質量%以上0.5質量%以下、(b)下記(b1)成分の無機性陽イオン、及び下記(b2)成分の無機性陰イオンの組合せからなる1種以上の水溶性無機塩(以下、(b)成分という)を0.5質量%以上5質量%以下、(c)下記一般式(c1-1)で示されるアミンオキシド型界面活性剤、一般式(c1-2)で示されるアミンオキシド型界面活性剤、及び一般式(c2)で示されるノニオン界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤(以下、(c)成分という)を0.05%質量以上0.6%質量以下、並びに水を含有し、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の合計含有量が0.8質量%以上である水性組成物を、繊維製品にスプレー又は塗布する、繊維製品の処理方法に関する。
(b1)成分:カリウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、及びアルミニウムイオンから選ばれる1種以上の無機性陽イオン
(b2)成分:硫酸イオン、フッ素イオン、及び塩素イオンから選ばれる1種以上の無機性陰イオン
Figure 0007145787000001
〔式中、R1cは炭素数1以上22以下のアルキル基又は炭素数3以上22以下のアルケニル基であり、R2cは炭素数1以上22以下のアルキル基、炭素数3以上22以下のアルケニル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシルアルキル基又はベンジル基であり、R3cは炭素数1以上3以下のアルキル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基又はベンジル基である。〕
Figure 0007145787000002
〔式中、R4cは炭素数1以上22以下のアルキル基又は炭素数3以上22以下のアルケニル基であり、R5cは炭素数1以上22以下のアルキル基、炭素数3以上22以下のアルケニル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシルアルキル基又はベンジル基であり、R6cは炭素数1以上3以下のアルキル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基又はベンジル基である。R7cは炭素数1以上5以下のアルキレン基であり、Zは-C(=O)NR8c-、-NR8cC(=O)-、-C(=O)O-又は-OC(=O)-である。ここで、R8cは水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基である。〕
9c-O-[(EO)(PO)]-H (c2)
〔式中、R9cは炭素数8以上18以下の炭化水素基であり、a及びbは平均付加モル数であり、aは3以上50以下、bは0以上3以下の数であり、aとbの合計は6以上53以下の数である。EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基であり、EOとPOが存在する場合、それらの配列状態は問わない。〕
また本発明は、(a)成分を0.1質量%以上0.5質量%以下、(b)成分を0.5質量%以上5質量%以下、(c)成分を0.05質量%以上0.6質量%以下、並びに水を含有し、(a)成分、(b)成分、及び(c)成分の合計含有量が0.8質量%以上である、水性組成物であって、繊維製品にスプレー又は塗布により適用される水性組成物に関する。
また本発明は、(a)成分を0.1質量%以上0.5質量%以下、及び水を含有する水性組成物に、(b)成分を0.5質量%以上5質量%以下、(c)成分を0.05質量%以上0.6質量%以下で、且つ(a)成分と(b)成分と(c)成分の合計含有量が0.8質量%以上となるように含有させて、繊維製品にスプレー又は塗布することで、繊維製品における(a)成分の拡散を促進させる方法に関する。
本発明によれば、低濃度の水溶性4級アンモニウム塩を含む水性組成物を、繊維製品に局所的にスプレーないし塗布した場合の、該化合物の繊維製品における拡散を促進させる繊維製品の処理方法、繊維製品にスプレーないし塗布により適用される水性組成物、及び繊維製品における(a)成分の拡散を促進させる方法が提供される。
本発明者らは、特許文献1の帯電防止剤の技術に関し、その作用機作を解析していたところ、スプレーないし塗布等の部分処理による繊維処理に関し、繊維製品上で4級アンモニウム塩化合物が十分に拡散していないことを見出した。
特定構造の水溶性の4級アンモニウム塩は殺菌剤として知られており、該化合物を含有する水性組成物は、スプレーとして使用する場合は、空気中や対象面以外の不要な拡散を無くすためにスプレー時の噴霧面積は制限されるか、或いは該水性組成物中の4級アンモニウム塩濃度が低濃度に設計される。4級アンモニウム塩濃度が低濃度の場合、4級アンモニウム塩の繊維製品における拡散は殆ど見られず、噴霧面積も狭いため、繊維製品における4級アンモニウム塩の拡散性の改善が必要である。4級アンモニウム塩濃度が高い場合、繊維製品の拡散の影響は殆どない。これまでこのような4級アンモニウム塩濃度が低濃度の場合の繊維製品における拡散の課題を見出した者はいなかった。なお特許文献2、3は、溶液を不織布に浸漬してから1日ないしは数週間後の拡散を考慮していることから、本発明のような短時間で繊維製品に4級アンモニウム塩を拡散させるという技術課題を提案するものではない。
[繊維製品の処理方法]
本発明は、(a)成分を0.1質量%以上0.5質量%以下、(b)成分を0.5質量%以上5質量%以下、(c)成分を0.05%質量以上0.6%質量以下、並びに水を含有し、(a)成分(b)成分及び(c)成分の合計含有量が0.8質量%以上である水性組成物を、繊維製品にスプレー又は塗布する、繊維製品の処理方法を提供する。
本発明の繊維製品の処理方法に用いられる水性組成物が、本発明の水性組成物である。
以下に、本発明の水性組成物について説明する。本発明の水性組成物は、繊維製品にスプレー又は塗布により適用される用途に好適である。
<(a)成分>
(a)成分は、炭素数8以上18以下の炭化水素基を1つ又は2つ有する水溶性4級アンモニウム塩である。(a)成分の炭素数8以上18以下の炭化水素基は、エステル基、アミド基又はエーテル基で分断されていてもよい、
(a)成分は殺菌効果を示す化合物であり、また帯電防止効果も有する化合物である。
本発明の水溶性4級アンモニウム塩について、水溶性とは、20℃の水100gに溶解する量が5g以上であることをいう。
(a)成分は、殺菌性の観点から、下記一般式(a1)で示される水溶性4級アンモニウム塩が好ましい。
Figure 0007145787000003
〔式中、R1aは炭素数8以上18以下の炭化水素基であり、Yは、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NH-、-NHC(=O)-、又はフェニレン基(o-、m-、又はp-体)であり、pは0又は1の数である。R5aは、炭素数1以上6以下のアルキレン基、又は-(O-A)-であり、Aはエチレン基又はプロピレン基であり、kは、O-Aの平均付加モル数であり、0以上10以下の数であり、qは0又は1の数である。R2aは、R1a-[Y]-[R5a-、メチル基、エチル基、ベンジル基又は炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基である。R3a、R4aは、それぞれ独立にメチル基、エチル基、ベンジル基又は炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基である。XはCHSO 、CHCHSO 、又はハロゲンイオンである。〕
一般式(a1)中、R1aの炭素数は、殺菌性の観点から、8以上、そして、18以下、好ましくは16以下、より好ましくは14以下、更に好ましくは12以下である。R1aは、殺菌性の観点から、炭化水素基であり、好ましくは直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、又は直鎖若しくは分岐鎖アルケニル基であり、より好ましくは直鎖アルキル基又は直鎖アルケニル基である。R1aは天然油脂由来の炭化水素基が好ましい。
一般式(a1)中、pが1である場合、Yは、水溶性の観点から、-C(=O)O-、又は-C(=O)NH-が好ましい。pは0が好ましい。
一般式(a1)中、kは、水溶性の観点から、0以上、そして、10以下、好ましくは5以下、より好ましくは2以下の数である。
一般式(a1)中、qは好ましくは0である。
一般式(a1)中、Xは、十分な臭い抑制効果を得る観点から、CHSO 又はCHCHSO が好ましい。
(a)成分としては、例えば、下記(a11)成分~(a14)成分から選ばれる1種以上が挙げられ、殺菌性の観点から、(a11)成分、(a12)成分、及び(a14)成分から選ばれる1種以上が好ましく、(a14)成分が好ましい。
(a11)成分:一般式(a1)中、R1a及びR2aが炭素数8以上18以下の直鎖アルキル基であり、pが0、qが0であり、R3a及びR4aがメチル基又はエチル基である第4級アンモニウム塩
(a12)成分:一般式(a1)中、R1aが炭素数8以上18以下の直鎖アルキル基であり、pが0、qが0であり、R2a、R3a及びR4aが、それぞれ独立に、メチル基又はエチル基である第4級アンモニウム塩。
(a13)成分:一般式(a1)中、R1aが炭素数8以上18以下の分岐鎖アルキル基であり、R2a、R3a及びR4aが、それぞれ独立に、メチル基又はエチル基である第4級アンモニウム塩。
(a14)成分:一般式(a1)中、R1aが炭素数8以上18以下の直鎖アルキル基であり、R4aがベンジル基、R2a及びR3aがメチル基である第4級アンモニウム塩。
<(b)成分>
(b)成分は、下記(b1)成分の無機性陽イオン、及び下記(b2)成分の無機性陰イオンの組合せからなる1種以上の水溶性無機塩である。
(b1)成分:カリウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、及びアルミニウムイオンから選ばれる1種以上の無機性陽イオン
(b2)成分:硫酸イオン、フッ素イオン、及び塩素イオンから選ばれる1種以上の無機性陰イオン
本発明の水性組成物は、(b)成分として、(b1)成分の無機性陽イオン、及び(b2)成分の無機性陰イオンの組合せからなる1種以上の水溶性無機塩を配合してなる。すなわち、本発明の水性組成物は、(a)成分と(b)成分と(c)成分と水とを配合してなる水性組成物としてもよい。それにより、本発明の水性組成物は、(b1)成分の無機性陽イオン、及び(b2)成分の無機性陰イオンを含有する。(b)成分は、本発明の水性組成物中で、(b1)成分と(b2)成分とになる。
(b)成分は、(a)成分を含有する水性組成物を、繊維製品にスプレーないし塗布した時の、繊維製品における(a)成分の拡散を高める上で含有される成分である。
本発明の水溶性無機塩について、水溶性とは、20℃の水100gに溶解する量が10g以上であることをいう。
(b)成分は、(a)成分の拡散を高める観点から、(b1)成分が、好ましくはカルシウムイオン、マグネシウムイオン、及びアルミニウムイオンから選ばれる1種以上の無機性陽イオン、より好ましくはカルシウムイオン、及びマグネシウムイオンから選ばれる1種以上の無機性陽イオンであり、(b2)成分が、好ましくは硫酸イオン、及び塩素イオンから選ばれる1種以上の無機性陰イオンの組み合わせからなる1種以上の水溶性無機塩が好適である。
(b)成分は、(a)成分の拡散を高める観点から、好ましくは硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、及び塩化カリウムから選ばれる1種以上の水溶性無機塩であり、より好ましくは硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、及び塩化ナトリウムから選ばれる1種以上の水溶性無機塩であり、更に好ましくは硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、及び塩化マグネシウムから選ばれる1種以上の水溶性無機塩であり、より更に好ましくは硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、及び塩化マグネシウムから選ばれる1種以上の水溶性無機塩であり、より更に好ましくは塩化マグネシウムである。
<(c)成分>
(c)成分は、(a)成分の拡散を高める観点から、下記一般式(c1-1)で示されるアミンオキシド型界面活性剤(以下、(c1-1)成分という)、一般式(c1-2)で示されるアミンオキシド型界面活性剤(以下、(c1-2)成分という)、及び一般式(c2)で示されるノニオン界面活性剤(以下、(c2)成分という)から選ばれる1種以上の界面活性剤である。
Figure 0007145787000004

〔式中、R1cは炭素数1以上22以下のアルキル基又は炭素数3以上22以下のアルケニル基であり、R2cは炭素数1以上22以下のアルキル基、炭素数3以上22以下のアルケニル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシルアルキル基又はベンジル基であり、R3cは炭素数1以上3以下のアルキル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基又はベンジル基である。〕
Figure 0007145787000005
〔式中、R4cは炭素数1以上22以下のアルキル基又は炭素数3以上22以下のアルケニル基であり、R5cは炭素数1以上22以下のアルキル基、炭素数3以上22以下のアルケニル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシルアルキル基又はベンジル基であり、R6cは炭素数1以上3以下のアルキル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基又はベンジル基である。R7cは炭素数1以上5以下のアルキレン基であり、Zは-C(=O)NR8c-、-NR8cC(=O)-、-C(=O)O-又は-OC(=O)-である。ここで、R8cは水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基である。〕
9c-O-[(EO)(PO)]-H (c2)
〔式中、R9cは炭素数8以上18以下の炭化水素基であり、a及びbは平均付加モル数であり、aは3以上50以下、bは0以上3以下の数であり、aとbの合計は6以上53以下の数である。EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基であり、EOとPOが存在する場合、それらの配列状態は問わない。〕
(c1-1)成分において、R1cは、炭素数1以上22以下のアルキル基又は炭素数3以上22以下のアルケニル基であり、好ましくは炭素数3以上18以下のアルキル基であり、より好ましくは炭素数5以上16以下のアルキル基であり、更に好ましくは炭素数10以上14以下のアルキル基である。R2cは、炭素数1以上22以下のアルキル基、炭素数3以上22以下のアルケニル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシルアルキル基又はベンジル基であり、好ましくは炭素数1以上18以下のアルキル基、又はベンジル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、又は炭素数8以上12以下のアルキル基である。R3cは、炭素数1以上3以下のアルキル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基又はベンジル基であり、好ましくは炭素数1以上3以下のアルキル基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基ある。但し、(c1-1)成分において、ベンジル基は1つの構造式に2つ以上有することはない。
(c1-2)成分において、R4cは、炭素数1以上22以下のアルキル基又は炭素数3以上22以下のアルケニル基であり、好ましくは炭素数5以上18以下のアルキル基であり、より好ましくは炭素数5以上12以下のアルキル基であり、更に好ましくは炭素数7以上12以下のアルキル基である。R5cは、炭素数1以上22以下のアルキル基、炭素数3以上22以下のアルケニル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシルアルキル基又はベンジル基であり、好ましくは炭素数1以上3以下のアルキル基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基である。R6cは、炭素数1以上3以下のアルキル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基又はベンジル基であり、好ましくは炭素数1以上3以下のアルキル基、より好ましくはメチル基又はエチル基である。R7cは、炭素数1以上5以下のアルキレン基であり、好ましくは炭素数1以上3以下のアルキレン基であり、より好ましくはプロピレン基である。Zは、-C(=O)NR8c-、-NR8cC(=O)-、-C(=O)O-又は-OC(=O)-であり、好ましくは-C(=O)NR8c-又は-NR8cC(=O)-であり、より好ましくは-C(=O)NR8c-である。R8cは、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基であり、好ましくは水素原子である。
(a)成分の拡散を高める観点から、(c2)成分において、R9cの炭素数は、8以上、好ましくは10以上、そして、18以下、好ましくは14以下である。R9cは、炭化水素基であり、好ましくはアルキル基又はアルケニル基であり、より好ましくは直鎖アルキル基である。aは、3以上、好ましくは7以上、より好ましくは8以上、そして、30以下、好ましくは20以下、より好ましくは15以下の数である。bは、0以上、好ましくは1以上、そして、3以下の数であり、0であってもよい。aとbの合計は、6以上、好ましくは7以上、より好ましくは8以上、そして、53以下、好ましくは30以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは15以下の数である。
(a)成分の拡散を高める観点及び消臭性を付与する観点から、(c)成分としては、(c1-1)成分又は(c1-2)成分であって、窒素原子に結合する基のうち、1個が炭素数10以上14以下のアルキル基及び炭素数10以上14以下のアルカノイルアミノプロピル基から選ばれる基であり、残りが炭素数1以上3以下のアルキル基及び炭素数1以上3以下のヒドロキシル基から選ばれる基である、アミンオキシド型界面活性剤から選ばれる1種以上が好ましい。
本発明の水性組成物は、(c)成分として、消臭性の付与と安定性の観点から、(c1-1)成分、及び(c1-2)成分から選ばれる1種以上のアミンオキシド型界面活性剤と(c2)成分のノニオン界面活性剤とを含有することが好ましく、さらには(c1-2)成分、及び(c2)成分を含有することがより好ましい。そして各成分の好ましい構造は前記した好ましい条件であることがさらにより好ましい。
<組成等>
本発明の水性組成物は、(a)成分を、繊維製品への直接的なスプレーないし塗布を考慮する観点から、0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上、そして、0.5質量%以下、好ましくは0.4質量%以下含有する。(a)成分の含有量は、水溶性4級アンモニウム塩の塩が塩化物イオンに換算した値を用いる。
本発明の水性組成物は、(b)成分を、繊維製品における(a)成分の拡散を促進させる観点から、0.5質量%以上、好ましくは0.7質量%以上、そして、5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、更に好ましくは1.2質量%以下含有する。
本発明の水性組成物は、(c)成分を、(a)成分の拡散を促進させる観点及びスプレー吐出時の起泡抑制の観点から、0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上、そして、0.6質量%以下、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.4質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下、より更に好ましくは0.25質量%以下含有する。
本発明の水性組成物において、(a)成分、(b)成分、及び(c)成分の合計含有量は、スプレー吐出性の観点から、0.8質量%以上、好ましくは0.9質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、そして、好ましくは4.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下、より更に好ましくは1.5質量%以下である。
本発明の水性組成物において、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比(b)/(a)は、拡散性を高める観点から、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.5以上、より更に好ましくは2.0以上、そして、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは7.0以下、より更に好ましくは5.0以下である。
本発明の水性組成物において、(a)成分中、(a11)成分、(a12)成分及び(a14)成分から選ばれる1種以上の化合物の含有量が、殺菌性の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、そして、100質量%以下である。
本発明の水性組成物は、水を含有する。水は、脱イオン水、脱イオン水に次亜塩素酸塩を少量配合した滅菌した水、水道水等を用いることができる。
本発明の水性組成物は、水を、好ましくは75質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、そして、好ましくは99.2質量%以下、より好ましくは99質量%以下、更に好ましくは98質量%以下含有する。
本発明の水性組成物は、繊維製品に殺菌効果や帯電防止効果を付与するためのスプレー処理剤として使用される場合は、(d)成分として、エタノール等の共沸性化合物を含有することで、揮発性を高め、処理後の乾燥を早くすることができる。本発明の水性組成物は、スプレー処理剤として使用される場合、速乾性に応答するために必要な技術であり、速乾性が求められるほど、繊維製品における(a)成分の優れた拡散性が求められる。
(d)成分としては、エタノール、イソプロパノール等の炭素数2以上4以下の低級アルコールが挙げられ、エタノール及びイソプロパノールから選ばれる1種以上が好ましく、エタノールがより好ましい。
本発明の水性組成物は、(d)成分を含有する場合、(d)成分を、配合安定性の観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは2.0質量%以上、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは8質量%以下含有する。
本発明の水性組成物には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、更に、ポリヒドロキシアミン化合物、多価アルコール、他の界面活性剤(アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤等)、他の消臭剤、及び油剤、ゲル化剤、pH調整剤、酸化防止剤、防菌防カビ剤(プロキセル等の製品名で市販されているイソチアゾリン又はベンズイソチザゾリン系化合物)、香料、色素、紫外線吸収剤等の他の成分((a)~(d)成分を除く)を添加することができる。ポリヒドロキシアミン化合物を(e)成分として以下に説明する。
<(e)成分>
(e)成分としては、下記一般式(e1)で表されるポリヒドロキシアミン化合物及び/又はその塩が挙げられる。(e)成分は、繊維製品に消臭効果を付与する目的からも配合することが好ましい成分である。
Figure 0007145787000006
(式中、R1eは、水素原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、又は炭素数1以上5以下のヒドロキシアルキル基を表し、R2eは、水素原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、又は炭素数1以上5以下のヒドロキシアルキル基を表し、R3e及びR4eは、炭素数1以上5以下のアルキレン基を表す。R3e及びR4eは、同一でも異なっていてもよい。)
一般式(e1)において、R1eは、消臭性能及び入手性の観点から、水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、又は2-ヒドロキシエチル基が好ましく、水素原子、ヒドロキシメチル基、又は2-ヒドロキシエチル基がより好ましい。
一般式(e1)において、R2eは、消臭性能及び入手性の観点から、水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は炭素数1以上3以下のヒドロキシエチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
(e)成分の具体例としては、例えば、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-ヒドロキシエチル-1,3-プロパンジオール、4-アミノ-4-ヒドロキシプロピル-1,7-ヘプタンジオール、2-(N-エチル)アミノ-1,3-プロパンジオール、2-(N-エチル)アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、2-(N-デシル)アミノ-1,3-プロパンジオール、2-(N-デシル)アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール等、及びこれらを無機酸又は有機酸で中和した酸塩が挙げられる。酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸、炭素数1以上12以下の脂肪酸、炭素数1以上3以下のアルキル硫酸から選ばれる1種以上が好ましい。2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオールは、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンとも称される。
(e)成分は、消臭性能等の観点から、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-ヒドロキシエチル-1,3-プロパンジオール、及びこれらと塩酸等の無機酸との塩から選ばれる1種以上がより好ましい。
本発明の水性組成物は、(e)成分を含有する場合、(e)成分を、好ましくは0.02質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上、より更に好ましくは、0.1質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、より更に好ましくは1質量%以下含有する。
本発明の水性組成物は、香料を含有してもよい。本発明の水性組成物は、(a)成分の殺菌効果により、繊維製品に付着する菌由来の不快臭に対して消臭効果を発揮することができるが、香料成分によるマスキング効果を利用してもよく、香料成分によっては、そのものが消臭性能又は殺菌性能を有する基材も知られている。また本発明の水性組成物は、賦香のために香料を含有してもよい。
香料成分としては、例えば「香料と調香の基礎知識、中島基貴編著、産業図書株式会社発行、2005年4月20日 第4刷」に記載の香料及び特表平10-507793号公報記載の香料を使用することができる。また特開2014-213072に記載の賦香剤の技術を用いることができケイ酸エステル香料やマイクロカプセル香料もまた利用することができる。
本発明の水性組成物のpHは、保存安定性の観点から、25℃で、好ましくは6.0以上、より好ましくは7.0以上、そして、好ましくは9.0以下、より好ましくは8.0以下である。pHは、塩酸等の酸、又は水酸化ナトリウム等のアルカリを添加することにより調整することができる。pHは、アルカリ剤や前述の酸剤等のpH調整剤により調整することができる。ここでpHは、「JIS K 3362;2008」の項目8.3に従って25℃において測定された値を用いる。
本発明は、前記本発明の水性組成物を、繊維製品にスプレー又は塗布する、繊維製品の処理方法である。すなわち、本発明の水性組成物は、繊維製品にスプレー又は塗布により適用される用途として好適である。また本発明は、前記本発明の水性組成物を、希釈せずにそのまま、繊維製品にスプレー又は塗布する、繊維製品の処理方法である。
繊維製品とは、織布からなる衣料、タオル、シーツ等の繊維製品であって、ソファー、布団等の表面が織布で覆われている製品も対象とする。素材は特に問わないが、本発明は天然素材の繊維製品、特に綿、麻、ウール及び絹等の製品における、(a)成分の拡散性という本願の課題を解決するものとして好適である。
なお厳密には、スプレーとは液体を微小の液滴として適用する行為であり、塗布とは液体そのものを適用する行為であるが、繊維製品に適用する際の液滴の大きさに係らず本願の課題は存在し、実質的な違いはない。本発明は繊維製品にスプレー又は塗布することでそれら課題を解決することができる。
本発明の繊維製品の処理方法において、対象物である繊維製品に本発明の水性組成物を、スプレー又は塗布する量は、該水性組成物がスプレー又は塗布により付着した範囲の繊維製品の質量に対して、殺菌性の観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。対象物の質量が容易に測定できない場合(例えば、大型家具などの布張部分、建物等に固定されている繊維製品等)には、対象物の10cmの面積に対して、殺菌性の観点から、好ましくは0.5g以上、より好ましくは0.8g以上、そして、3.0g以下、より好ましくは2.0g以下となる量の本発明の水性組成物をスプレー又は塗布することが、本発明の効果が得られる点で好ましい。
[スプレー式水性組成物物品]
本発明の繊維製品の処理方法は、繊維製品にスプレーする場合、本発明の水性組成物をスプレー容器に充填して用いることが好ましい。
すなわち本発明により、本発明の水性組成物を、スプレー容器に充填してなる、スプレー式水性組成物物品が提供される。
本発明のスプレー式水性組成物物品は、本発明の水性組成物を、スプレー容器、好ましくはミストタイプのスプレー容器に充填してなり、一回の噴霧量が0.1ml以上1ml以下であるものが好ましい。
スプレー容器としては、トリガースプレー容器(直圧あるいは蓄圧型)やディスペンサータイプのポンプスプレー容器等の公知のスプレー容器を用いることができる。
本発明のスプレー式水性組成物物品では、噴霧液滴の平均粒径を所望の範囲に調整する観点から、水性組成物の20℃における粘度を15mPa・s以下、好ましくは1mPa・s以上10mPa・s以下に調整する。また上記粘度の範囲は、本発明の水性組成物に適用することができる。粘度は、東京計器株式会社製、B型粘度計(モデル形式BM)に、ローター番号No.1のローターを備え付けたものを準備し、試料をトールビーカーに充填し、20℃の恒温槽内にて20℃に調製し、恒温に調製された試料を粘度計にセットし、ローターの回転数を60r/minに設定し、回転を始めてから60秒後に測定した粘度である。
スプレー容器は、本発明の水性組成物の噴霧に用いる噴霧器を備えたものが好ましい。該噴霧器としては、噴射口から噴射方向に10cm離れた地点における噴霧液滴の平均粒径が10μm以上200μm以下となり、噴射口から噴射方向に15cm離れた地点における粒径200μmを超える液滴の数が噴霧液滴の総数の1%以下となり、噴射口から噴射方向に10cm離れた地点における粒径10μm未満の液滴の数が噴霧液滴の総数の1%以下となる噴霧手段を備えたものが好ましい。噴霧液滴の粒子径分布は、例えば、レーザー回折式粒度分布計(日本電子株式会社製)により測定することができる。
好適なスプレー式水性組成物物品としては、本発明の水性組成物を手動トリガー型の噴霧器に充填したものが挙げられる。噴霧口径は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上、そして、好ましくは0.7mm以下である。噴霧口の形状、材質等は特に限定されない。
[(a)成分の拡散を促進させる方法]
本発明は、(a)成分を0.1質量%以上0.5質量%以下、及び水を含有する水性組成物に、(b)成分を0.5質量%以上5質量%以下、(c)成分を0.05質量%以上0.6質量%以下で、且つ(a)成分と(b)成分と(c)成分の合計含有量が0.8質量%以上となるように含有させて、繊維製品にスプレー又は塗布することで、繊維製品における(a)成分の拡散を促進させる方法を提供する。
(a)成分を0.1質量%以上0.5質量%以下、及び水を含有する水性組成物に、(b)成分を0.5質量%以上5質量%以下、(c)成分を0.05質量%以上0.6質量%以下で、且つ(a)成分と(b)成分と(c)成分の合計含有量が0.8質量%以上となるように含有させた組成物が、本発明の水性組成物であり、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の好ましい態様を及びその含有量は、本発明の水性組成物と同じである。
本発明の(a)成分の拡散を促進させる方法は、本発明の繊維製品の処理方法、水性組成物、スプレー式水性組成物物品に記載した事項を適宜適用することができる。
<水性組成物の調製>
表1に示す配合処方の水性組成物を以下の通り調製した。イオン交換水に(a)成分、(b)成分、(c)成分を投入し、均一溶解する迄混合し、水性組成物を調製した。調製した各水性組成物の25℃のpHは、6~9であった。
実施例、及び比較例で用いた各配合成分をまとめて以下に示す。
(a)成分
・(a-1):アルキル(炭素数12~16)ジメチルベンジルアンモニウムクロライド(サニゾールC、花王株式会社製)、一般式(a1)中、R1aが炭素数12~16のアルキル基、pが0、qが0、R4aがベンジル基、R2a、及びR3aがメチル基、Xが塩素イオンである化合物
(b)成分
表中に記載した化合物を用いた。
(c)成分
・(c-1):ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド(ソフタゾリンLAO-C 川研ファインケミカル株式会社製)、一般式(c1-2)中、R4cが炭素数11のアルキル基、Zが-C(=O)NR8c-、R8cが水素原子、R7cがプロピレン基、R5c、及びR6cがメチル基である化合物
・(c-2):ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル(エマルゲン109P 花王株式会社製)、一般式(c2)中、R9cが炭素数12のアルキル基、aが9、bが0の化合物
<(a)成分の拡散性の評価>
予めエマルゲン120(ポリオキシエチレン(12)ラウリルエーテル、花王株式会社製)を用いて洗濯し乾燥させた綿メリヤス生地(大阪府大阪市東淀川区の谷頭商店より購入「綿メリヤス 蛍光晒し」)を6.0cm×6.0cm角に裁断し、試験布とした。この試験布に対し、表1に示す配合処方の水性組成物とブロムフェノールブルー0.1w/v%溶液(50v/v%のエタノール水溶液100mlにブロムフェノールブルーを0.10g溶解した水溶液)を9:1の質量比で混合したものを、マイクロピペットを用いて前記試験布に240μl滴下し、30分自然乾燥した後の状態を目視で観察した。(a)成分の拡散性の評価は、試験布におけるブロムフェノールブルー由来の色素の拡散状態を元に判断し、下記の評価基準で目視判定した。結果を表1に示す。また試験布におけるブロムフェノールブルー由来の色素の拡散面積(色素に染まった面積)を表1に示す。なおブロモフェノールブルーは、酸塩基指示薬の他に、Clイオンを対イオンとする化合物に吸着して変色する吸着指示薬としても知られており、本実施例では、(a)成分の対イオンがClイオンであるため、(a)成分の拡散と色素の拡散を同じとみなすことができる。
1:水性組成物を滴下したときと同じ程度であり、拡散しない(拡散面積2.5~4.5cm)。
2:水性組成物を滴下したときよりも若干拡散する(拡散面積4.6~7.5cm)。
3:水性組成物を滴下したときに濡れた部分全体の4割まで拡散する(拡散面積7.6~9.5cm)。
4:水性組成物を滴下したときに濡れた部分全体の5割まで拡散する(拡散面積9.6~10.9cm)。
5:水性組成物を滴下したときに濡れた部分全体の6割まで拡散する(拡散面積11.0~13.0cm)。
6:水性組成物を滴下したときに濡れた部分全体の7割以上拡散する(拡散面積13.1~16.0cm)。
Figure 0007145787000007


Claims (5)

  1. (a)炭素数8以上18以下の炭化水素基を1つ又は2つ有する水溶性4級アンモニウム塩(以下、(a)成分という)を0.1質量%以上0.5質量%以下、(b)下記(b1)成分の無機性陽イオン、及び下記(b2)成分の無機性陰イオンの組合せからなる1種以上の水溶性無機塩(以下、(b)成分という)を0.5質量%以上5質量%以下、(c)下記一般式(c1-1)で示されるアミンオキシド型界面活性剤、一般式(c1-2)で示されるアミンオキシド型界面活性剤、及び一般式(c2)で示されるノニオン界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤(以下、(c)成分という)を0.05%質量以上0.6%質量以下、並びに水を含有し、(a)成分(b)成分及び(c)成分の合計含有量が0.8質量%以上である水性組成物を、繊維製品にスプレー又は塗布する、繊維製品の処理方法。
    (b1)成分:カリウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、及びアルミニウムイオンから選ばれる1種以上の無機性陽イオン
    (b2)成分:硫酸イオン、フッ素イオン、及び塩素イオンから選ばれる1種以上の無機性陰イオン
    Figure 0007145787000008

    〔式中、R1cは炭素数1以上22以下のアルキル基又は炭素数3以上22以下のアルケニル基であり、R2cは炭素数1以上22以下のアルキル基、炭素数3以上22以下のアルケニル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシルアルキル基又はベンジル基であり、R3cは炭素数1以上3以下のアルキル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基又はベンジル基である。〕
    Figure 0007145787000009

    〔式中、R4cは炭素数1以上22以下のアルキル基又は炭素数3以上22以下のアルケニル基であり、R5cは炭素数1以上22以下のアルキル基、炭素数3以上22以下のアルケニル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシルアルキル基又はベンジル基であり、R6cは炭素数1以上3以下のアルキル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基又はベンジル基である。R7cは炭素数1以上5以下のアルキレン基であり、Zは-C(=O)NR8c-、-NR8cC(=O)-、-C(=O)O-又は-OC(=O)-である。ここで、R8cは水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基である。〕
    9c-O-[(EO)(PO)]-H (c2)
    〔式中、R9cは炭素数8以上18以下の炭化水素基であり、a及びbは平均付加モル数であり、aは3以上50以下、bは0以上3以下の数であり、aとbの合計は6以上53以下の数である。EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基であり、EOとPOが存在する場合、それらの配列状態は問わない。〕
  2. (b)成分が塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、及び塩化ナトリウムから選ばれる1種以上の水溶性無機塩である、請求項1に記載の繊維製品の処理方法。
  3. (a)成分が、下記一般式(a1)で示される水溶性4級アンモニウム塩である、請求項1又は2に記載の繊維製品の処理方法。
    Figure 0007145787000010

    〔式中、R1aは炭素数8以上18以下の炭化水素基であり、Yは、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NH-、-NHC(=O)-、又はフェニレン基(o-、m-、又はp-体)であり、pは0又は1の数である。R5aは、炭素数1以上6以下のアルキレン基、又は-(O-A)-であり、Aはエチレン基又はプロピレン基であり、kは、O-Aの平均付加モル数であり、0以上10以下の数であり、qは0又は1の数である。R2aは、R1a-[Y]-[R5a-、メチル基、エチル基、ベンジル基又は炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基である。R3a、R4aは、それぞれ独立にメチル基、エチル基、ベンジル基又は炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基である。XはCHSO 、CHCHSO 、又はハロゲンイオンである。〕
  4. (a)炭素数8以上18以下の炭化水素基を1つ又は2つ有する水溶性4級アンモニウム塩(以下、(a)成分という)を0.1質量%以上0.5質量%以下、(b)下記(b1)成分の無機性陽イオン、及び下記(b2)成分の無機性陰イオンの組合せからなる1種以上の水溶性無機塩(以下、(b)成分という)を0.5質量%以上5質量%以下、(c)下記一般式(c1-1)で示されるアミンオキシド型界面活性剤、一般式(c1-2)で示されるアミンオキシド型界面活性剤、及び一般式(c2)で示されるノニオン界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤(以下、(c)成分という)を0.05%質量以上0.6%質量以下、並びに水を含有し、(a)成分、(b)成分、及び(c)成分の合計含有量が0.8質量%以上である、水性組成物であって、繊維製品にスプレー又は塗布により適用される水性組成物。
    (b1)成分:カリウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、及びアルミニウムイオンから選ばれる1種以上の無機性陽イオン
    (b2)成分:硫酸イオン、フッ素イオン、及び塩素イオンから選ばれる1種以上の無機性陰イオン
    Figure 0007145787000011

    〔式中、R1cは炭素数1以上22以下のアルキル基又は炭素数3以上22以下のアルケニル基であり、R2cは炭素数1以上22以下のアルキル基、炭素数3以上22以下のアルケニル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシルアルキル基又はベンジル基であり、R3cは炭素数1以上3以下のアルキル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基又はベンジル基である。〕
    Figure 0007145787000012

    〔式中、R4cは炭素数1以上22以下のアルキル基又は炭素数3以上22以下のアルケニル基であり、R5cは炭素数1以上22以下のアルキル基、炭素数3以上22以下のアルケニル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシルアルキル基又はベンジル基であり、R6cは炭素数1以上3以下のアルキル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基又はベンジル基である。R7cは炭素数1以上5以下のアルキレン基であり、Zは-C(=O)NR8c-、-NR8cC(=O)-、-C(=O)O-又は-OC(=O)-である。ここで、R8cは水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基である。〕
    9c-O-[(EO)(PO)]-H (c2)
    〔式中、R9cは炭素数8以上18以下の炭化水素基であり、a及びbは平均付加モル数であり、aは3以上50以下、bは0以上3以下の数であり、aとbの合計は6以上53以下の数である。EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基であり、EOとPOが存在する場合、それらの配列状態は問わない。〕
  5. (a)炭素数8以上18以下の炭化水素基を1つ又は2つ有する水溶性4級アンモニウム塩(以下、(a)成分という)を0.1質量%以上0.5質量%以下、及び水を含有する水性組成物に、(b)下記(b1)成分の無機性陽イオン、及び下記(b2)成分の無機性陰イオンの組合せからなる1種以上の水溶性無機塩(以下、(b)成分という)を0.5質量%以上5質量%以下、(c)下記一般式(c1-1)で示されるアミンオキシド型界面活性剤、一般式(c1-2)で示されるアミンオキシド型界面活性剤、及び一般式(c2)で示されるノニオン界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤(以下、(c)成分という)を0.05%質量以上0.6%質量以下で、且つ(a)成分と(b)成分と(c)成分の合計含有量が0.8質量%以上となるように含有させて、繊維製品にスプレー又は塗布することで、繊維製品における(a)成分の拡散を促進させる方法。
    (b1)成分:カリウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、及びアルミニウムイオンから選ばれる1種以上の無機性陽イオン
    (b2)成分:硫酸イオン、フッ素イオン、及び塩素イオンから選ばれる1種以上の無機性陰イオン
    Figure 0007145787000013

    〔式中、R1cは炭素数1以上22以下のアルキル基又は炭素数3以上22以下のアルケニル基であり、R2cは炭素数1以上22以下のアルキル基、炭素数3以上22以下のアルケニル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシルアルキル基又はベンジル基であり、R3cは炭素数1以上3以下のアルキル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基又はベンジル基である。〕
    Figure 0007145787000014

    〔式中、R4cは炭素数1以上22以下のアルキル基又は炭素数3以上22以下のアルケニル基であり、R5cは炭素数1以上22以下のアルキル基、炭素数3以上22以下のアルケニル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシルアルキル基又はベンジル基であり、R6cは炭素数1以上3以下のアルキル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基又はベンジル基である。R7cは炭素数1以上5以下のアルキレン基であり、Zは-C(=O)NR8c-、-NR8cC(=O)-、-C(=O)O-又は-OC(=O)-である。ここで、R8cは水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基である。〕
    9c-O-[(EO)(PO)]-H (c2)
    〔式中、R9cは炭素数8以上18以下の炭化水素基であり、a及びbは平均付加モル数であり、aは3以上50以下、bは0以上3以下の数であり、aとbの合計は6以上53以下の数である。EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基であり、EOとPOが存在する場合、それらの配列状態は問わない。〕
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