JP2017031532A - 液体柔軟剤組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
(a)成分において、(a−i)/[(a−i)+(a−ii)+(a−iii)]の質量比が、0.05以上0.40以下である、
液体柔軟剤組成物に関する。
(a)成分:(a−i)下記一般式(i)で示される化合物、(a−ii)下記一般式(ii)で示される化合物、及び(a−iii)下記一般式(iii)で示される化合物
〔式中、R1は、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキレン基を示す。R2は、それぞれ独立に炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。R3は、それぞれ独立に、炭素数13以上21以下の飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基から選ばれる1種以上の炭化水素基を示し、不飽和率が30質量%以上95質量%以下である。X−は陰イオン基を示す。〕
(b)成分:下記一般式(iv)で示される化合物
〔式中、R6は炭素数5以上19以下のアルキル基又はアルケニル基を示す。R7は、炭素数1以上6以下のアルキレン基、もしくは−(O−R10)n−を示す。R8は、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示す。Tは−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、又は
を示す。R9は炭素数1以上3以下のアルキル基、ベンジル基又は
を示す。R10は、炭素数2以上3以下のアルキレン基を示す。nは平均付加モル数を表し、1以上10以下の数である。mは0又は1の数である。Z−は陰イオン基を示す。〕
(c)成分:カルシウム及びマグネシウムから選ばれる1種以上
本発明の液体柔軟剤組成物は(a)成分として、前記一般式(i)で示される化合物〔以下、(a−i)成分という〕、前記一般式(ii)で示される化合物〔以下、(a−ii)成分という〕、及び前記一般式(iii)で示される化合物〔以下、(a−iii)成分という〕の3つの4級アンモニウム塩を含有する。
R2は、柔軟基剤合成効率の観点から、それぞれ独立に炭素数1以上3以下のアルキル基であり、好ましくはメチル基である。
すなわち、不飽和率は、原料となる脂肪酸であるR3COOHのR3基のアルケニル基等の不飽和炭化水素基の割合であってもよい。具体的に用いることが好ましい脂肪酸は、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸又はリノール酸あるいはこれらの混合物から選ばれる脂肪酸であるか、もしくは、パーム油、大豆油又はオリーブ油由来の組成を持つ脂肪酸が好ましく、本発明では抗菌効果の観点から、不飽和脂肪酸の割合が高い脂肪酸を用いる。
また、(a)成分の製造に用いる脂肪酸又は脂肪酸混合物のヨウ素価は、組成物の液性の点で、好ましくは30Ig/100g以上、より好ましくは40Ig/100g以上であり、そして、好ましくは100Ig/100g以下、より好ましくは95Ig/100g以下である。
なお、脂肪酸又は脂肪酸混合物の酸価及びヨウ素価は「岩波理化学辞典」 第4版 岩波書店に記載された方法により測定される値である。
本発明の液体柔軟剤組成物は、(b)成分として、前記一般式(iv)で示される化合物を含有する。
mは0又は1の数である。
R9は、炭素数1以上3以下のアルキル基、ベンジル基又は
また、本発明の(b)成分としては、長鎖アルキル基の炭素数が好ましくは8以上、より好ましくは10以上であり、そして、好ましくは18以下、より好ましくは14以下である長鎖アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、又は長鎖アルキル基の炭素数が好ましくは8以上、より好ましくは10以上であり、そして、好ましくは18以下、より好ましくは14以下である長鎖アルキルジメチル(エチルベンジル)アンモニウム塩を挙げることができる。
(b)成分の対イオンである陰イオン基は、好ましくは塩化物イオン、メチル硫酸エステルイオン、エチル硫酸エステルイオンであり、より好ましくは塩化物イオンである。
(b)成分としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム及び塩化ラウリルベンジルジメチルアンモニウムから選ばれる1種以上が好ましい。
本発明の液体柔軟剤組成物は、(c)成分としてカルシウム及びマグネシウムから選ばれる1種以上を含有し、好ましくはカルシウムを含有する。
カルシウム及びマグネシウムは、本発明の組成物中では、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン又はマグネシウムイオンと無機性陰イオンとの塩として組成物中に存在する。
(c)成分は、貯蔵安定性の観点から、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、及び硫酸マグネシウムから選ばれる1種以上の無機塩として、更には、塩化カルシウム、及び塩化マグネシウムから選ばれる1種以上の無機塩として組成物中に配合することが好ましい。
(c)成分は(a)成分及び(b)成分の2種類の陽イオン性界面活性剤の分散安定性の観点から有効な成分であり、分散安定性は優れた抗菌性を発揮させる。
本発明の液体柔軟剤組成物は、水を含有する。組成物の残部が水である。水は特に問題なければ水道水を用いてもかまわないがイオン交換水を用いることが好ましい。また水は少量の次亜塩素酸塩で滅菌したものを用いることが好ましい。
本発明の液体柔軟剤組成物中の水の含有量は、貯蔵安定性の観点から、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下である。
本発明の液体柔軟剤組成物は、貯蔵安定性を向上させる目的から、(d)成分として非イオン界面活性剤を含有することが好適である。
(d)成分としては、(d1)炭素数8以上22以下の飽和又は不飽和脂肪酸とエチレンオキシドを含んでもよい多価アルコールとのエステル化合物〔以下、(d1)成分という〕、及び(d2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル〔以下、(d2)成分という〕から選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤が挙げられる。(d)成分は、(d2)成分から選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤が好ましい。
ここで、水溶性有機溶剤について、水溶性であるとは、25℃の水100gに20g以上溶解するものを指す。本発明の液体柔軟剤組成物における上記水溶性有機溶剤の含有量は、0質量%以上、更に1.0質量%以上、そして、5.0質量%以下、更に3.0質量%以下が好ましい。
カラーインデックス酸性黄色染料の具体例としては、C.I.Acid Yellow 1、C.I.AcidYellow 7、C.I.Acid Yellow 23、及びC.I.Acid Yellow 141が挙げられる。
カラーインデックス酸性青色染料の具体例としては、C.I.Acid Blue 5、C.I.Acid Blue9、及びC.I.Acid Blue 74が挙げられる。
また本発明の液体柔軟剤組成物は、ポリマー染料として入手可能な染料も使用することができる。
なお一方で、本発明の液体柔軟剤組成物は、微生物由来の臭いを抑制することができることから、香料成分をほとんど含有しなくても良く、本質的に、微香性ないし無香性の柔軟剤組成物を得ることもできる。
粘度は、B型粘度計を用いて、No.1〜No.3ローターのうち測定対象の粘度に合ったローターを用い、60r/minで、測定開始から1分後の指示値である。柔軟剤組成物は30±1℃に調温して測定する。条件を満たすローターが複数存在するようならば、番号の小さい方のローターを用いた時の数値を採用する。
pHは、JIS K 3362;2008の項目8.3にしたがって30℃において測定した値である。
本発明の液体柔軟剤組成物は、繊維製品に柔軟効果を付与すると共に、好ましくは木綿又は木綿を含む繊維製品の抗菌性を付与するために用いられる。
処理方法としては、水を媒体として繊維製品に接触させる方法が好ましく、具体的には、乾燥時の繊維製品1.0kgに対して、本発明の液体柔軟剤組成物を5ml以上40ml以下溶解させた水溶液を接触させることで、抗菌効果を得ることができる。この場合、繊維製品は水道水で十分に漬かるだけの量が必要であり、例えば浴比〔繊維製品(kg)/処理液(L)〕として5以上60以下として使用される。本発明の液体柔軟剤組成物を水で希釈した分散液のpHは6.0以上8.0以下であることが好ましい。
乾燥した衣料に本発明の液体柔軟剤組成物を水で希釈した分散液に浸けてもよく、洗濯工程の濯ぎ時の仕上工程で添加してもよい。その場合は脱水して乾燥することで、本発明の抗菌効果が付与された繊維製品を得ることができる。したがって、本発明の液体柔軟剤組成物は、更に詳細に用途を限定する場合、本発明の目的から細菌増殖抑制防止剤組成物である。
トリエタノールアミン(分子量149.19)、表1の脂肪酸混合物1(酸価202、よう素価89)を、モル比で1.65になるよう混合し、1L4つ口フラスコに仕込み、90℃まで昇温する間、窒素置換を行い攪拌混合した。170℃まで約2時間かけて昇温し、200mmHgまで減圧し生成する水を除去しながら200℃で約5時間かけて反応を行った。その後冷却し、得られたエステル化合物全量を4つ口フラスコに仕込み、60℃まで昇温後、このエステル化合物に対して0.95モル当量のジメチル硫酸を加え約2時間攪拌混合した。その後、得られた化合物の質量の約10質量%となる量のエタノールを加え攪拌し、冷却し、柔軟基剤(a−1)を得た。
柔軟基剤(a−1)は、(a)成分の含有量が88質量%であった。
また、柔軟基剤(a−1)は、不飽和率が85.7質量%であった。
また、柔軟基剤(a−1)は、(a)成分の各質量比が、
(a−i)/[(a−i)+(a−ii)+(a−iii)]=0.25、
(a−ii)/[(a−i)+(a−ii)+(a−iii)]=0.48、
(a−iii)/[(a−i)+(a−ii)+(a−iii)]=0.27
であった。
トリエタノールアミン(分子量149.19)、表1の脂肪酸混合物1(酸価202、よう素価89)を、モル比で1.98になるよう混合し、1L4つ口フラスコに仕込み、90℃まで昇温する間、窒素置換を行い攪拌混合した。170℃まで約2時間かけて昇温し、200mmHgまで減圧し生成する水を除去しながら200℃で約5時間かけて反応を行った。その後冷却し、得られたエステル化合物全量を4つ口フラスコに仕込み、60℃まで昇温後、このエステル化合物に対して0.95モル当量のジメチル硫酸を加え約2時間攪拌混合した。その後、得られた化合物の質量の約10質量%となる量のエタノールを加え攪拌し、その後冷却し、柔軟基剤(a−2)を得た。
柔軟基剤(a−2)は、(a)成分の含有量が88質量%であった。
また、柔軟基剤(a−2)は、不飽和率が85.7質量%であった。
また、柔軟基剤(a−2)は、(a)成分の各質量比が、
(a−i)/[(a−i)+(a−ii)+(a−iii)]=0.15、
(a−ii)/[(a−i)+(a−ii)+(a−iii)]=0.45、
(a−iii)/[(a−i)+(a−ii)+(a−iii)]=0.40
であった。
トリエタノールアミン(分子量149.19)、表1の脂肪酸混合物2(酸価200〜210、よう素価40)を、モル比で1.65になるよう混合し、1L4つ口フラスコに仕込み、90℃まで昇温する間、窒素置換を行い攪拌混合した。170℃まで約2時間かけて昇温し、200mmHgまで減圧し生成する水を除去しながら200℃で約5時間かけて反応を行った。その後冷却し、得られたエステル化合物全量を4つ口フラスコに仕込み、60℃まで昇温後、このエステル化合物に対して0.85モル当量のジメチル硫酸を加え約30分間攪拌後、ジメチルアセトアミドを得られた化合物の質量の約8%となる量になるように加え、約3時間攪拌混合した。その後、得られた化合物の質量の約4質量%となる量のエタノールを加え攪拌し、その後冷却し、柔軟基剤(a−3)を得た。
柔軟基剤(a−3)は、(a)成分の含有量が88質量%であった。
また、柔軟基剤(a−3)は、不飽和率が38.4質量%であった。
また、柔軟基剤(a−3)は、(a)成分の各質量比が、
(a−i)/[(a−i)+(a−ii)+(a−iii)]=0.25、
(a−ii)/[(a−i)+(a−ii)+(a−iii)]=0.48、
(a−iii)/[(a−i)+(a−ii)+(a−iii)]=0.27
であった。
トリエタノールアミン(分子量149.19)、表1の脂肪酸混合物3(酸価209、よう素価32)を、モル比で1.65になるよう混合し、1L4つ口フラスコに仕込み、90℃まで昇温する間、窒素置換を行い攪拌混合した。170℃まで約2時間かけて昇温し、200mmHgまで減圧し生成する水を除去しながら200℃で約5時間かけて反応を行った。その後冷却し、得られたエステル化合物全量を4つ口フラスコに仕込み、60℃まで昇温後、このエステル化合物に対して0.85モル当量のジメチル硫酸を加え約30分間攪拌後、ジメチルアセトアミドを得られた化合物の質量の約8%となる量になるように加え、約3時間攪拌混合した。その後、得られた化合物の質量の約4質量%となる量のエタノールを加え攪拌し、その後冷却し、柔軟基剤(a−4)を得た。
柔軟基剤(a−4)は、(a)成分の含有量が88質量%であった。
また、柔軟基剤(a−4)は、不飽和率が30.1質量%であった。
また、柔軟基剤(a−4)は、(a)成分の各質量比が、
(a−i)/[(a−i)+(a−ii)+(a−iii)]=0.25、
(a−ii)/[(a−i)+(a−ii)+(a−iii)]=0.48、
(a−iii)/[(a−i)+(a−ii)+(a−iii)]=0.27
であった。
トリエタノールアミン(分子量149.19)、表1の脂肪酸混合物4(酸価204、よう素価1以下)を、モル比で1.65になるよう混合し、1L4つ口フラスコに仕込み、90℃まで昇温する間、窒素置換を行い攪拌混合した。170℃まで約2時間かけて昇温し、200mmHgまで減圧し生成する水を除去しながら200℃で約5時間かけて反応を行った。その後冷却し、得られたエステル化合物全量を4つ口フラスコに仕込み、60℃まで昇温後、このエステル化合物に対して0.85モル当量のジメチル硫酸を加え約30分間攪拌後、ジメチルアセトアミドを得られた化合物の質量の約8%となる量になるように加え、約3時間攪拌混合した。その後、得られた化合物の質量の約4質量%となる量のエタノールを加え攪拌し、その後冷却し、柔軟基剤(a’−1)を得た。
柔軟基剤(a’−1)は、(a)成分の含有量が88質量%であった。
また、柔軟基剤(a’−1)は、不飽和率が0質量%であった。
また、柔軟基剤(a’−1)は、(a)成分の各質量比が、
(a−i)/[(a−i)+(a−ii)+(a−iii)]=0.25、
(a−ii)/[(a−i)+(a−ii)+(a−iii)]=0.48、
(a−iii)/[(a−i)+(a−ii)+(a−iii)]=0.27
であった。
トリエタノールアミン(分子量149.19)、表1の脂肪酸混合物1(酸価202、よう素価89)を、モル比で1になるよう混合し、1L4つ口フラスコに仕込み、90℃まで昇温する間、窒素置換を行い攪拌混合した。170℃まで約2時間かけて昇温し、200mmHgまで減圧し生成する水を除去しながら200℃で約5時間かけて反応を行った。その後冷却し、得られたエステル化合物全量を4つ口フラスコに仕込み、60℃まで昇温後、このエステル化合物に対して0.95モル当量のジメチル硫酸を加え約2時間攪拌混合した。その後、得られた化合物の質量の約10質量%となる量のエタノールを加え攪拌し、その後冷却し、柔軟基剤(a’−2)を得た。
柔軟基剤(a’−2)は、(a)成分の含有量が88質量%であった。
また、柔軟基剤(a’−2)は、不飽和率が85.7質量%であった。
また、柔軟基剤(a’−2)は、(a)成分の各質量比が、
(a−i)/[(a−i)+(a−ii)+(a−iii)]=0.50、
(a−ii)/[(a−i)+(a−ii)+(a−iii)]=0.40、
(a−iii)/[(a−i)+(a−ii)+(a−iii)]=0.10
であった。
<HPLC条件>
カラム:Inertsil NH2 5μm(4.6×250mm)
移動相:0.05質量/容量%TFAヘキサン:MeOH:THF=85:10:5(容量比)
流速:測定開始から10分までは0.8mL/min、測定開始から10分超11分までは均一に1.2mL/minまで速度を上げ、11分超55分までは1.2mL/min、測定開始から55分超60分までは0.8mL/min
注入:20μL
温度:25℃
検出:CAD
上記柔軟基剤(a−1)〜(a−4)及び柔軟基剤(a’−1)〜(a’−2)、並びに下記の成分を用いて、以下の方法により、表2の液体柔軟剤組成物を調製し、抗菌性評価を行った。結果を表2に示す。
なお、表2には、(a)成分の欄に柔軟基剤の記号を示し、数値は当該柔軟基剤中の(a)成分の量又はトリエタノールアミンの4級化物の量、すなわち、有効分換算の量を示した。
なお、表2中では、(a’)成分を(a)成分とみなして(a)/(b)の質量比を示した。
〔(b)成分〕
(b−1):塩化ラウリルベンジルジメチルアンモニウム(アルキル塩化ベンザルコニウム(花王(株)製)[アルキル基が炭素数12の直鎖であり、窒素原子に結合するアルキル基の炭素原子が第1級炭素原子であるもの])
〔(c)成分〕
(c−1):カルシウム(塩化カルシウムを表2の量で配合した)
〔(d)成分〕
(d−1):ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数21)ラウリルエーテル(花王(株)製)[ラウリルアルコール1モルあたりにエチレンオキシドを21モル付加反応させたもの。]
300mLのガラスビーカーに、タービン型羽が3枚ついた攪拌羽を設置し(攪拌羽底部がビーカー底面より1cm上部になるように設置)、液体柔軟剤組成物の出来上がり質量が200gになるのに必要な量のイオン交換水(つまり組成物の残部に相当するイオン交換水)のうち、95%相当量のイオン交換水を入れ、ウォーターバスで65℃まで昇温した。500rpmで攪拌しながら、溶融した(d)成分を添加した。次いで、65℃で溶融させた(a)成分又は(a’)成分と(b)成分を予め混合させ、この混合物をビーカー内へ加えた。5分攪拌後、(c)成分を添加し、更に5分攪拌後、5℃のウォーターバスで30℃まで冷却し、液体柔軟剤組成物を得た。各成分は、液体柔軟剤組成物の組成が表2の通りとなるように用いた。
(1)柔軟剤組成物処理による試験布の作製方法
綿メリヤスニット布((株)色染社製、染色試材、綿ニット未シル)1.5kgを洗濯機(Panasonic製、全自動洗濯機NA−F702P)で洗濯した(エマルゲン108(花王株式会社製)の10%水溶液50g、水量設定47L(水温20℃)、洗い9分、ためすすぎ2回、脱水3分)。この洗濯操作を2回繰り返し、その後同様の洗濯条件でエマルゲン108を使用せずに水のみで洗濯を3回繰り返した後、25℃、40%RHの環境下で24時間放置し乾燥させた。この綿メリヤス布を4.5cm×4.5cm(重量約0.4g)にカットし、121℃で15分間オートクレーブにて湿式滅菌し、48℃の恒温槽中で24時間乾燥させた。これを、未処理布(ブランク)とした。200mLビーカーにイオン交換水135mLと上記の柔軟剤組成物の100倍希釈液1.5gを加え、マグネチックスターラー(三田村理研工業株式会社製)を用いて、予備撹拌1分間ののち上記の綿メリヤス布5枚を投入後5分間撹拌した。その後、軽く水気を切り、25℃、40%RHの環境下で24時間乾燥させ、試験布とした。
JIS L1902-1998(繊維製品の抗菌性試験方法(定量法))に基づき、対象菌としてMoraxellasp.(KMC4−1株 衣類単離菌)を用いて生菌数を測定し、静菌活性値を求めた。なおMoraxellasp.(KMC4−1株 衣類単離菌)は、2010年10月14日付で、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1−1−1つくばセンター中央第6)に、受託番号FERMP-22030として寄託された。
SCDLP寒天培地(日本製薬(株)製造)にMoraxellasp.(KMC4−1株 衣類単離菌)を塗布し、37℃中で24時間培養した。培養したMoraxellasp.を生理食塩水(大塚製薬製)10mL中に、ディスポループを用いて移し、O.D.=0.1(Abs.600)になるよう調製した。
生理食塩水で20倍希釈したNTB液体培地(Becton,Dickinsonand Company)10mL中に、上記調製した菌液を1000倍希釈し植菌液とした。遠沈管(50mL)に試験布1枚(4.5cm×4.5cm、0.4g)を入れ、植菌液を0.2mL接種した。これを密栓し、37℃で18±1時間保管した。
18時間保管した試験布入り遠沈管にLP希釈液を20mL入れ、30秒間ボルテックスすることで布から菌を抽出した。5分静置後生理食塩水を用いて5段階の希釈を行い、SCDLP寒天培地に混釈し、37℃で約24時間培養した。培養後菌数をカウントした。
生菌数=(コロニー数)×(希釈倍率)×(LP希釈液量=20[mL])
増殖値=log10(未処理布(ブランク)の18時間後の生菌数)−log10(ブランクの接種直後の生菌数)
で定義して、増殖値が1.5を超えた場合に試験成立と判断した。試験が成立した場合は、生菌数から静菌活性値を以下の式により算出し、抗菌性を評価した。
・静菌活性値=log10(未処理布(ブランク)の18時間後の生菌数)−log10(試験布の18時間後の生菌数)
なお、実施例1〜6の液体柔軟剤組成物を用いて処理したタオルには、柔軟効果が付与されていた。
また実施例1〜6の(b−1)塩化ラウリルベンジルジメチルアンモニウムに代えて(b−2)塩化ラウリルトリメチルアンモニウムを含有する液体柔軟剤組成物(実施例7〜11)も優れた静菌効果及び柔軟効果を示した。
Claims (5)
- 下記(a)成分を1質量%以上25質量%以下、(b)成分を0.2質量%以上4質量%以下、(c)成分を塩化物換算で0.5質量%以上10質量%以下、及び水を含有する液体柔軟剤組成物であり、
(a)成分において、(a−i)/[(a−i)+(a−ii)+(a−iii)]の質量比が、0.05以上0.40以下である、
液体柔軟剤組成物。
(a)成分:(a−i)下記一般式(i)で示される化合物、(a−ii)下記一般式(ii)で示される化合物、及び(a−iii)下記一般式(iii)で示される化合物
〔式中、R1は、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキレン基を示す。R2は、それぞれ独立に炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。R3は、それぞれ独立に、炭素数13以上21以下の飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基から選ばれる1種以上の炭化水素基を示し、不飽和率が30質量%以上95質量%以下である。X−は陰イオン基を示す。〕
(b)成分:下記一般式(iv)で示される化合物
〔式中、R6は炭素数5以上19以下のアルキル基又はアルケニル基を示す。R7は、炭素数1以上6以下のアルキレン基、もしくは−(O−R10)n−を示す。R8は、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示す。Tは−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、又は
を示す。R9は炭素数1以上3以下のアルキル基、ベンジル基又は
を示す。R10は、炭素数2以上3以下のアルキレン基を示す。nは平均付加モル数を表し、1以上10以下の数である。mは0又は1の数である。Z−は陰イオン基を示す。〕
(c)成分:カルシウム及びマグネシウムから選ばれる1種以上 - (a)成分と(b)成分の質量比(a)成分/(b)成分が2以上50以下である、請求項1に記載の液体柔軟剤組成物。
- (c)成分が塩化カルシウム及び塩化マグネシウムから選ばれる1種以上の無機塩に由来するカルシウム及び/又はマグネシウムである、請求項1又は2に記載の液体柔軟剤組成物。
- 更に(d)成分として、非イオン界面活性剤を含有する請求項1〜3の何れかに記載の液体柔軟剤組成物。
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