JP2006009033A - 抽出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 廃プラスチックに含有される難燃剤などの添加剤を溶剤を利用して高い除去率(抽出率)で抽出除去することが困難であった。
【解決手段】 抽出されるべき難燃剤を含む熱可塑性樹脂に、難燃剤を抽出するための所定の抽剤を注入する抽剤注入部4と、熱可塑性樹脂に、注入された所定の抽剤を混合する混練部6と、所定の抽剤が混合された熱可塑性樹脂から、所定の抽剤を排出する抽剤排出部5とを備え、
混練部6は、混合を行うためのスクリュー軸と、スクリュー軸が長手方向に内部を貫通する、所定の抽剤が混合された熱可塑性樹脂を加熱するための加熱手段をもつバレルとを有し、
熱可塑性樹脂は、長手方向に搬送および圧縮される抽出装置。
【選択図】 図1
【解決手段】 抽出されるべき難燃剤を含む熱可塑性樹脂に、難燃剤を抽出するための所定の抽剤を注入する抽剤注入部4と、熱可塑性樹脂に、注入された所定の抽剤を混合する混練部6と、所定の抽剤が混合された熱可塑性樹脂から、所定の抽剤を排出する抽剤排出部5とを備え、
混練部6は、混合を行うためのスクリュー軸と、スクリュー軸が長手方向に内部を貫通する、所定の抽剤が混合された熱可塑性樹脂を加熱するための加熱手段をもつバレルとを有し、
熱可塑性樹脂は、長手方向に搬送および圧縮される抽出装置。
【選択図】 図1
Description
本発明は、たとえば、樹脂や動植物素材などの固形原料からの有用または不要成分の抽剤による抽出を行うための抽出装置に関するものである。
液体からの一部成分の抽出装置としては、混和性のない別の液体を向流で揺動しながら接触抽出する往復回転式抽出塔などが存在する。また、固体からの低分子成分の抽出装置としては、ソクスレー抽出装置などが存在する。
一方、スクリュー状の機構を有する抽出装置としては、水溶媒などを貯めた槽内に被抽出物を搬送するスクリューを設置したスクリューコンベア式連続抽出装置が例示されている。
このような例示は、たとえば、特許文献1(図1)、特許文献2(第1頁、図1)、特許文献3(第1頁、図1)などに見られる。
さらに押出機を用いた、主成分として熱可塑性ポリマーおよび分離すべき副成分として低分子化合物を含有する多成分からなる物質混合物を分離する方法は、向流抽出および平行流抽出について例示されている。
このような例示は、たとえば、特許文献4(第1〜5図)などに見られる。
一方、二軸スクリュー押出機を用いた材料からの揮発成分の除去(脱揮)技術としては、含水プラスチック原料に適用する二軸脱水押出機などが例示されている。
このような例示は、たとえば、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9などに見られる。
これらの押出機は、圧搾のためにせきとめ部を設置すること、そのせきとめ部としてニーディングディスクとシールリングを用いること、ニーディングディスク及び逆スクリューブロックを用いることなどを利用する。
また、切り欠き部を設けた順ネジフライトスクリューの利用が、液体の逆流の促進に有効であること、ニーディングディスクや切り欠き部を設けた順ネジフライトスクリューの利用が抽出性能への影響が期待される混練効果に有効であることが、例示されている。
このような例示は、たとえば、特許文献10などに見られる。
特開平10−99021号公報(たとえば図1)
特開平11−266786号公報(たとえば第1頁、図1)
特開2000−254406号公報(たとえば第1頁、図1)
特開平7−149818号公報(たとえば第1〜5図)
特開平7−214553号公報
特開2001−322155号公報
特開2001−322154号公報
特開2001−219424号公報
特開平10−3473010号公報
特開2001−191385号公報
しかしながら、熱可塑性樹脂からの添加剤の抽出操作を液体同士の抽出操作として実施しようとすると、熱可塑性樹脂を溶媒に溶解して、抽剤となる他の溶媒と接触させることになる。樹脂の溶解溶媒とこれと抽剤となる溶媒は混和性が少ないので、樹脂溶液と抽剤が接触した場合にはすぐに熱可塑性樹脂成分の再沈殿・析出現象が発生する。そして、抽出したい低分子成分も多くは再沈殿・析出する樹脂中に閉鎖されてしまうので、効率のよい抽出は困難である。
たとえば、ソクスレー抽出装置では、高温の溶剤が固体に接触・拡散して内部成分を抽出するのだが、固体が熱可塑性樹脂である場合には、樹脂の膨潤や溶融が発生する。このため、固体を保持する濾材を閉塞させてしまい、抽出操作を継続的に実施することは不可能であった。なお、高温で接触しても樹脂の膨潤を誘発しないような抽剤をもちいても、樹脂と抽剤の相互作用が小さく、ほとんど抽出を行うことができない。
また、スクリューコンベア式連続抽出装置では、熱可塑性樹脂が被抽出材である場合、熱可塑性樹脂が溶剤と接触してブロッキングしたり、熱可塑性樹脂からの溶剤の分離が不十分であったりする。そして、溶剤に抽出された成分が溶剤とともに熱可塑性樹脂側に残存する結果、満足な抽出を行えないことがある。
なお、スクリュー押出機を利用した抽出方法としては、熱可塑性樹脂から水溶性低分子成分を水や、二酸化炭素などの超臨界流体によって抽出を行う方法について開示されているが、水溶性でない成分の抽出に対する適用例は、開示されていない。
特に、リサイクル処理において適切な処理が求められる難燃剤を配合した難燃性樹脂をマテリアルリサイクルを実施する上では、再使用がふさわしくない成分は除去する処理を行うことが好ましいが、このような抽出除去処理を連続的に実施する方法は、存在しないと思われる。
また、添加剤種は多岐に渡り、一品種においても性質が大きく異なる種類が使用されるケースがある。そのため、一種の抽出溶剤(抽剤)では抽出を行うことができない場合も多い。すなわち、熱可塑性樹脂中の添加剤の抽出などのように、原料から原料中成分の抽出を実施するためにスクリュー押出技術を利用するという例は、知られていないと思われる。
本発明は、上記従来のこのような課題を考慮し、たとえば、廃プラスチックに含有される難燃剤などの添加剤を溶剤を利用してより高い除去率(抽出率)で抽出除去することができる抽出装置を提供することを目的とするものである。
第1の本発明は、抽出されるべき難燃剤を含む熱可塑性樹脂に、前記難燃剤を抽出するための所定の抽剤を注入する抽剤注入手段と、前記熱可塑性樹脂に、前記注入された所定の抽剤を混合する混合手段と、前記所定の抽剤が混合された熱可塑性樹脂から、前記所定の抽剤を排出する抽剤排出手段とを備え、
前記混合手段は、前記混合を行うためのスクリュー軸と、前記スクリュー軸が長手方向に内部を貫通する、前記所定の抽剤が混合された熱可塑性樹脂を加熱するための加熱手段をもつバレルとを有し、
前記熱可塑性樹脂は、前記長手方向に搬送および圧縮される抽出装置である。
前記混合手段は、前記混合を行うためのスクリュー軸と、前記スクリュー軸が長手方向に内部を貫通する、前記所定の抽剤が混合された熱可塑性樹脂を加熱するための加熱手段をもつバレルとを有し、
前記熱可塑性樹脂は、前記長手方向に搬送および圧縮される抽出装置である。
本発明は、たとえば、廃プラスチックに含有される難燃剤などの添加剤を溶剤を利用してより高い除去率(抽出率)で抽出除去することができるという長所を有する。
以下では、本発明にかかる実施の形態について、図面を参照しつつ説明を行う。
(実施の形態1)
はじめに、本発明の実施の形態1の抽出機の概略全体構成図である図1を参照しながら、本実施の形態の抽出機の構成および動作について説明する。なお、本実施の形態の抽出機の動作について説明しながら、本発明の抽出方法の一実施の形態についても説明する(その他の実施の形態に関しても同様である)。
はじめに、本発明の実施の形態1の抽出機の概略全体構成図である図1を参照しながら、本実施の形態の抽出機の構成および動作について説明する。なお、本実施の形態の抽出機の動作について説明しながら、本発明の抽出方法の一実施の形態についても説明する(その他の実施の形態に関しても同様である)。
なお、本発明の混合手段は混練部6に対応し、本発明の抽剤注入手段は抽剤注入部4に対応し、本発明の抽剤排出手段は抽剤排出部5に対応する。また、本発明の抽出装置は、本実施の形態の抽出機に対応する。
本実施の形態の抽出機は、原料搬送機構1と原料供給部2と固形分排出口3を有し、さらに原料供給部2と固形分排出口3の間に抽剤排出部5と抽剤注入部4を有し、さらに抽剤排出部5と抽剤注入部4の間に混練部6を有する。
抽剤排出部5と抽剤注入部4の位置関係は逆転していてもよい。
原料供給部2から原料を供給し、抽剤注入部4から抽剤を注入して原料と抽剤を接触混練することにより原料中成分の抽出を行うことができる。
抽出がなされる原料には、一般的に多種の添加剤が処方・含有される熱可塑性樹脂以外に、香料や生理活性物質など有用な成分を含有する動植物組織(熱硬化性樹脂)などがある。
抽剤は、原料から抽出を行うための溶剤であり、原料すべてではなく抽出したい成分をよく溶解する溶剤であれば特に限定されるものではない。
このような本実施の形態の抽出方法を適用すべき対象としては、不適正な処分により環境負荷を生成する可能性が考えられる難燃剤を含有する熱可塑性樹脂がある。本実施の形態の抽出方法を適用することにより難燃剤を抽出除去し、有害性がない熱可塑性樹脂として再利用することを可能にする。
難燃剤の種類としては、臭素や塩素などの元素を含有するハロゲン系難燃剤や、燐系の難燃剤、あるいはハロゲン系難燃剤とともに難燃助剤として用いられる三酸化アンチモンなどを挙げることができる。
熱可塑性樹脂の種類としては、酢酸ビニル系樹脂、ポリオキシメチレン、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリオレフィン樹脂の群から選ばれる樹脂を挙げることができる。
より具体的には、酢酸ビニルとその(共)重合体やさらにそれらの部分鹸化物などの酢酸ビニル系樹脂、ポリオキシメチレン、アクリル系樹脂(ポリアクリル酸エステル類、またはPMMAなど)、各種のポリアミド系樹脂(ナイロン6、ナイロン12、または6、6−ナイロンなど)、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリブテンなど)を挙げることができる。
これら樹脂をほとんど溶解することなく含有される添加剤成分だけを溶解抽出しうる好適な抽剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、乳酸エチル、ジプロピレングリコールの郡から選ばれる溶剤を挙げることができる。
特に、熱可塑性樹脂が難燃剤として臭素系難燃剤を含有するものである場合には、抽剤としてジプロピレングリコールを用いることが、難燃剤の抽出除去性能の確保、樹脂への低い抽剤残存率ならびに、抽剤の再利用性の確保の上で有効である。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2の抽出機の概略全体構成図である図2を主として参照しながら、本実施の形態の抽出機の構成および動作について説明する。
なお、本発明の逆流手段は、昇圧機構10に対応する。
つぎに、本発明の実施の形態2の抽出機の概略全体構成図である図2を主として参照しながら、本実施の形態の抽出機の構成および動作について説明する。
なお、本発明の逆流手段は、昇圧機構10に対応する。
本実施の形態の抽出機は、原料供給部2と固形分排出口3の間に、複数組の抽剤排出部5、抽剤注入部4、抽剤排出部5と抽剤注入部4の間のスクリュー軸8部分に位置する混練部6を有する。
本実施の形態の抽出機は、異なる抽剤が使用される組の間にベント口13を有することを特徴とする。
このような本実施の形態の抽出機を用いて、異なる抽剤を用いる組へ原料が搬送される前にベント口13からの排気により残留溶剤を揮発除去を行うことを特徴とする抽出方法について説明する。
原料から抽出除去したい添加剤が複数種存在し、かつ単独の抽剤だけで抽出できない場合には、複数種の抽剤で繰り返し抽出を行うことが有効である。
しかし、1種類目の抽剤が原料に残存したまま、他種の抽剤を注入して混合されると、排出される抽剤の純度が低くなってしまい、溶剤回収を行う上での収率や効率の低下を招く。
そこで、図2のように原料供給部2と固形分排出口3の間に、複数組の抽剤排出部5、スクリュー軸8に設けた混練部6、抽剤注入部4、昇圧機構10が順に搬送方向(図2上では右向き)に並ぶ機構を利用する。
真空ポンプ14などを用いたベント口13からの排気により残留溶剤を揮発させることにより、後段での抽剤排出部5から昇圧機構10までの抽出ゾーンへの1種類目の抽剤の持ち出しを防止することができる。このときベント口13と真空ポンプ14の経路の間に排気を冷却するトラップ15を設置することで、ベント口13から揮発する抽剤を効率よく凝縮捕集することができる。
同様な仕組みを、向流抽出のあとに平行流抽出で実施する場合の構成としては、図3のように昇圧機構10と固形分排出口3の間に、さらに残留溶剤を揮発除去するためのベント口13、抽剤注入部4、スクリュー軸8に設けた混練部6、抽剤排出部5、昇圧機構10が順に搬送方向に並ぶ機構を有する構成を挙げることが出来る。
2種類目の抽剤と原料の相溶性がより小さい場合には、後段での原料の流動性が悪くなり、向流抽出を行うことが容易でない場合がある。しかし、そのような場合でも、平行流抽出は行えることが多い。
もちろん、段数は上述のように2段に限定されることはなく、3段以上有していてもよいし、その場合各段で使用される抽剤が重複してもよい。
ここまでで、実施の形態1〜2について詳細に説明したが、その要点について以下で再論する。
ここまでで、実施の形態1〜2について詳細に説明したが、その要点について以下で再論する。
上述においては、原料搬送機構1と原料供給部2と固形分排出口3を有し、原料供給部2と固形分排出口3の間に抽剤排出部5と抽剤注入部4を有し、さらに抽剤排出部5と抽剤注入部4の間に混練部6を有する抽出機について説明した。
また、このような抽出機に対して、原料供給部2から原料を供給し、抽剤注入部4から抽剤を注入して原料と抽剤を接触混練して原料中成分の抽出を行うことを特徴とする抽出方法について説明した。
特に、バレル7内に設けられたスクリュー軸8を用いて溶媒抽出の対象物である原料を搬送し、スクリュー軸8による搬送方向に対して順に、原料供給部2、抽剤排出部5、スクリュー軸8に設けられた混練部6、抽剤注入部4、昇圧機構10、ならびに固形分排出口3を有するスクリュー抽出機について説明した。
また、このような抽出機に対して、原料供給部2から原料を供給し、抽剤注入部4から抽剤を注入して原料と抽剤をバレル7中で向流を利用して接触混練して原料中成分の抽出を行う抽出方法について説明した。このような抽出方法により、樹脂や動植物素材などの固形原料からの不要成分の抽剤による抽出(廃プラスチックのマテリアルリサイクルにおいて障害となる添加剤の抽出除去)を行う上で、なるべく少量の溶剤の使用量で高い除去率を実現することができる。
また、原料供給部2と固形分排出口3の間に、複数組の抽剤排出部5、スクリュー軸8に設けた混練部6、抽剤注入部4、昇圧機構10の順に搬送方向に並ぶ機構を有し、異なる抽剤が使用される組の間にベント口13を有することを特徴とするスクリュー抽出機について説明した。
また、このような抽出機を用いて、異なる抽剤を用いる組へ原料が搬送される前にベント口13からの排気により残留溶剤を揮発除去を行うことを特徴とする抽出方法について説明した。このような抽出方法によれば、後段での抽剤排出部5から昇圧機構10までの抽出ゾーンへの1種類目の抽剤の持ち出しをかなり防止することができるため、溶剤の回収コストの低減を図ることができる。
異なる抽剤を使用して添加剤などの不要成分を抽出除去することが有効な対象としては、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリオレフィン樹脂の群から選ばれた、三酸化アンチモンを添加剤として含有する樹脂を挙げることが出来る。
なお、このような樹脂が難燃性樹脂である場合には、他にハロゲン系難燃剤が難燃主剤として含有され、三酸化アンチモンは重合触媒残渣や難燃助剤として添加・含有されていることが多い。
何れにせよ、三酸化アンチモンは、加熱条件下でエチレングリコールまたはプロピレングリコールと接触させることにより抽出除去することができる。
ただし、三酸化アンチモンは、他の添加剤と同時に存在する場合には抽出効率が低いが、予め共存するほかの添加剤を除去した後であれば高効率で抽出除去することができる。
本発明者は、共存する他の添加剤と三酸化アンチモンの相互作用が三酸化アンチモンと錯塩化するエチレングリコールまたはプロピレングリコールとの相互作用よりも大きいために、共存時には三酸化アンチモンの抽出除去が困難になることがその理由であると、考えている。
すなわち、特に原料がポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリオレフィン樹脂の群から選ばれた、三酸化アンチモンを添加剤として含有する樹脂であり、後に注入する抽剤がエチレングリコールまたはプロピレングリコールである場合には、異種の抽剤による処理が有効である。
もちろん、予め共存するほかの添加剤を除去することで、排出後の抽剤に他の抽剤成分の混入が少なくなり、抽剤の蒸留などによる回収が容易になる。
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3の抽出機の概略全体構成図である図4を主として参照しながら、本実施の形態の抽出機の構成および動作について説明する。
つぎに、本発明の実施の形態3の抽出機の概略全体構成図である図4を主として参照しながら、本実施の形態の抽出機の構成および動作について説明する。
本実施の形態の抽出機は、バレル7、バレル7内に設けられたスクリュー軸8、原料供給部2、抽剤排出部5、抽剤注入部4ならびに固形分排出口3を有し、バレル7内に設けられたスクリュー軸8を用いて、その旋回方向に原料を搬送・圧縮する。
また、本実施の形態の抽出機は、搬送方向に対して順に原料供給部2、固形分排出口3を有する。また、本実施の形態の抽出機は、原料供給部2と固形分排出口3の間に、抽剤排出部5と抽剤注入部4を有する。また、本実施の形態の抽出機は、抽剤排出部5と抽剤注入部4の間のスクリュー軸8部分に、混練部6を有する。
また、本実施の形態の抽出機は、混練部6がニーディングディスク(またはスクリューの山部にスクリューピッチ間の貫通部を設けたスクリュー)を有し、抽剤排出部5と抽剤注入部4のうち固形分排出口3に近い方の部位と、固形分排出口3との間に、昇圧機構10を有する。
なお、昇圧機構10は、抽剤注入部4と固形分排出口3の間のスクリュー軸8部分に設けられたシールリング(または逆送りスクリューエレメント、または逆送りニーディングディスク、またはバレル7の断面積を部分的に縮小するオリフィス)により構成されることを特徴とする。
バレル7は、通常1本または複数のバレルを直列に連結されている。
予めバレル7に加工してある開口を封止したり、開口をそのまま利用して原料供給部2の開口とし注液用の蓋を取り付けたりして、抽剤注入部4とすることができる。
このバレル7内には、原料搬送機構1の一形態でもあるスクリュー軸8が収納されており、これらスクリュー軸8には、順送りスクリューエレメント9が同方向に回転可能に並設されている。
各スクリュー軸8には、前述したように、順送りスクリューエレメント9ばかりでなく、ニーディングディスク(またはスクリューの山部にスクリューピッチ間の貫通部を設けたスクリュー)などを用いた混練部6及び昇圧機構10が組み合わせられ直列に設けられる。
スクリュー軸8が2軸や多軸の場合には、各順送りスクリューエレメント9は、互いに軸方向において外径部がかみ合うように構成される。
本実施の形態の抽出機は、スクリュー軸8による搬送方向に対して順に、原料供給部2、抽剤注入部4、スクリュー軸8に設けた混練部6、抽剤排出部5、昇圧機構10、ならびに固形分排出口3を有している。
原料供給部2から供給された樹脂は、順送りスクリューエレメント9上に落下し、スクリューの回転によって搬送される。
原料が熱可塑性樹脂である場合には、バレル7からの必要に応じた加熱操作と混練操作で溶融させることで搬送することができる。
スクリューピッチやスクリュー深さを段階的に小さくすることによってさらに原料の圧縮を行うこともでき、バレル7内の圧力を搬送方向に対して段階的に大きくすることができる。
一方、抽剤注入部4から抽剤が注入される。抽剤の注入は、ギアポンプ(図示省略)などを用いて抽剤注入部4に送液することで達成できる。
注入した抽剤が後段に流出してしまうことは、抽剤排出部5と抽剤注入部4のうち固形分排出口3に近い方と固形分排出口3との間の、スクリュー軸8に設けた昇圧機構10による内圧上昇で、防止される。
昇圧機構10には、バレル7内に設けたスクリーンメッシュなどを用いることもできるが、本実施の形態では、前述したように、スクリュー軸8に設けた昇圧機構10として、シールリングを用いる。
昇圧機構10をスクリュー軸8に設けることにより、バレル7内やスクリュー軸8の洗浄が、スクリーンメッシュをバレル7内に設けた場合やスクリーンチャンジャなどを押出流路に設けた場合に比べて容易になる。これとともに、スクリーンメッシュなどへの閉塞物の付着による昇圧程度の変化などが起こりにくく、安定に稼動させることができる。
シールリングは、図5に示すように、バレル7内の軸断面を閉鎖するような円板である。また、シールリングは、図6に示すように、一方のスクリュー軸に設けられたシールリングに対して、他方のスクリュー軸のシールリングが後段側でこれに接触するように配置される。
なお、シールリングには、搬送方向の上段側や下段側、あるいは両側にテーパを設けてあってもよい。
各シールリング外径とバレル7内径の間には、隙間が形成されている。このシールリング外径とバレル7内径の隙間や、各シールリング間の隙間や、テーパ部分によって形成されるリング間隙間は、樹脂の流路となる。よって、これらが前段の順送りスクリューエレメント9部分での流路より小さく設定されることで、流れが阻害され、昇圧機構10が機能する。
また、逆送りスクリューエレメントは、順送りスクリューエレメント9とは逆方向のスクリュー形状のエレメントである。
樹脂の搬送能力は、スクリューピッチやスクリュー深さで制御される。たとえば、上段の順送りスクリューエレメント9より小さな樹脂の搬送能力を有する逆送りスクリューエレメントを配することで、樹脂の搬送を阻害することができ、昇圧機構10が機能する。
また、逆送りニーディングディスクは、ニーディングディスクを多段に組み合わせて設けることができる。
ニーディングディスクは、図7に示すような軸に設けられた断面が楕円形状である板であり、両軸に設けられたディスクの長軸方向が直交するように組み合わされる。また、両ディスクの外周は、常時接触する。
後段のニーディングディスクの長軸とのねじれ角が90度以上の場合には、樹脂を搬送する向きが逆になり、全体として搬送能力が低下し、昇圧機構10が機能する。
流動性が低い溶融樹脂は、順送りスクリューエレメント9によってより高圧側へ送られる。しかし、樹脂との相互溶解性が低い抽剤は、流動性が高いために、樹脂の隙間から低圧側へ漏れることになる(流体は、元来圧力の高いところから低いところへ流れる)。本実施の形態の抽出機では、前述のような昇圧機構10を設けており、この挙動によって抽剤を原料の搬送方向とは逆方向へ送ることができる。
なお、抽剤を排出するための抽剤排出部5は、バレル7に開口を設け、原料から分離湧出する抽剤を配管などでバレル7外へ誘導することで設ければよい。開口は、上面にあってもよい。また、開口は、側面や下面にあって、スリットなどで原料がバレル7外へ漏れることを防止していてもよい。
そして、混練部6が、抽剤と原料の接触を促進するために、抽剤排出部5と抽剤注入部4の間のスクリュー軸8に設けられている。混練部6は、前述のような断面が楕円形状である板であるニーディングエレメントや、順送りスクリューエレメント9や、図8のようなスクリュー歯の外周に切り欠きがある順送りスクリューエレメント9などを適宜組み合わせて構成することができる。
なお、ニーディングエレメントは、2軸以上の抽出機において用いられる。ここに、各軸に設けられたディスクの長軸方向が直交するように組み合わされ、両ディスクは常時外周が接触する。ただし、前段のニーディングエレメントの長軸と後段のニーディングエレメントの長軸とのねじれ角が90度以下の場合には、樹脂を順方向に搬送する力も発生する。逆に、上述のねじれ角が90度以上の場合には樹脂を搬送する向きが逆になる。
抽剤が分離された固形分を排出する固形分排出口3は、昇圧機構10の後段に設けられる。
なお、排出される固形分が樹脂である場合には、固形分排出口3は、そのような固形分を繊維状や棒状、フィルム状の断面形状で排出するような排出口であってもよい。
このように、バレル7内に抽出機の各要素を格納することにより、加熱に伴う抽剤の揮発放散を抑制したり、昇圧機構10の設置による排出固形分への抽剤の含有を低減したりすることが可能になる。その結果、抽出をより効率的に実施することが可能になる。
特に、原料供給部2と固形分排出口3の間に、抽剤排出部5と抽剤注入部4をこの順に有する抽出機においては、原料供給部2から原料を供給し、抽剤注入部4から抽剤を注入して、バレル7中で向流を利用して原料と抽剤を接触混練して原料中成分の抽出を行うことになる。
このとき、昇圧機構10は、バレル7内の圧力勾配の形成と固形分排出口3への抽剤の持ち出しの抑制を両立する形で昇圧能力を発揮するため、安定に抽出操作を実施できる。
また、抽剤の流通方向が原料搬送に対して反対向きであるので、抽剤中の抽出成分濃度勾配は原料搬送方向に対して小さくなる。このため、抽剤の昇圧機構10の後段への持ち出しはたとえ存在しても少量なので、比較的少量の溶剤で抽出を実施することができるのである。
なお、抽剤と原料とを混練し、原料の押出方向と逆方向に抽剤を流動させるためには、スクリュー軸8が前述のようにスクリューの山部にスクリューピッチ間の貫通部が設けられたスクリュー形状を有することが好ましい。
より具体的には、図9のようにスクリューの山部(フライト部)を切り欠いた形状のスクリューや、図10のように断面がギア状のスクリューや、図11のように山部に貫通穴が開いている形状のスクリューなどを挙げることができる。
スクリューは回転によって送り方向に原料を圧縮するが、送り方向とその手前のピッチ間では圧力差が存在する。
よって、前述のようにスクリューピッチ間の貫通部が設けられている場合には、貫通部を通じて、送り方向側ピッチから手前のピッチへの原料ならびに抽剤の流動が起こりえる。この流動により、原料と抽剤の混練が促進され、抽出率が向上する。
原料に対してより粘度が低い抽剤は、原料より流動性が高いので、スクリューの回転による圧縮にピッチ間の圧力差の影響が打ち勝って送り方向に対して逆方向に流動することができる。
しかし、スクリューの山が完全に存在する通常のフルフライトスクリューでは、抽剤が逆方向に流動するためのスペースが十分に存在しない(そのようなスペースがたとえ存在しても、抽剤はスクリューとバレル7の間をながれ、原料との混練が進みにくい)。
そこで、前述のようにスクリューピッチ間の貫通部を設けることで、貫通部を積極的に利用して、粘度が低い抽剤の逆方向への流動を促進する。この結果、原料と抽剤との混練が進み、高い効率で抽出を行うことができる。このような抽出機の構成例を図12に示す。
さらに昇圧機構10の後段にベント口13を設け、抽出が行われた原料中の残存する抽剤を排気除去する場合の構成について、図13(2軸の場合の抽出機の概略全体構成図である)に示した。
なお、図14は、本実施の形態による一軸の場合の抽出機の概略全体構成図である。一軸の場合には、スクリュー間の相互のかき取り効果などが期待できないが、バレル7の内面に溝などを設けて混練性を高めることができる。
もちろん、バレル7は、1本または複数の円筒状のバレルが直列に連結されることにより構成されていても良い。また、バレル7は、スクリュー軸8に対して縦断分割されていても良い。
バレル7内に収納されるスクリュー軸8は、順送りスクリューエレメント9や逆送りスクリューエレメントが一体化され、シールリング相当の形状加工がなされた一体型スクリュー軸であって構わない。
このような抽出機(図14参照)は、スクリュー軸8による搬送方向に対して順に、原料供給部2、抽剤排出部5、スクリュー軸8に設けた混練部6、抽剤注入部4、昇圧機構10、ならびに抽剤排出部5を有している。
なお、昇圧機構10としては、逆送りスクリューエレメントを用いた構成を図示している(図14参照)が、図15のように昇圧機構10としてオリフィス11を用いることもできる。
また、軸方向にスクリュー軸8を抜き出すことは困難だが、図16のように上下分割式バレル12などの構成を利用することにより、スクリュー軸の取り出し時などに不便のない取り扱いが可能である。このような構成の抽出機の構成を図17に示す。
また、排出される抽剤は、バレル7内での混練・抽出操作におけるバレル7の加熱により高温に加熱されるが、注入される抽剤が低温である場合には、注入された抽剤が一時的に原料を冷却してしまう。そのため、抽出機としての消費電力が大きくなってしまうとともに抽出効率が阻害されることがある。そこで、図18のようにして排出抽剤と抽剤注入部4に送液する抽剤の熱交換機構17を設けることによって、消費電力を抑制し、抽出効率を高めることができる。
(実施の形態4)
つぎに、本発明の実施の形態4の抽出機の概略全体構成図である図19を主として参照しながら、本実施の形態の抽出機の構成および動作について説明する。
つぎに、本発明の実施の形態4の抽出機の概略全体構成図である図19を主として参照しながら、本実施の形態の抽出機の構成および動作について説明する。
本実施の形態の抽出機は、原料供給部2と固形分排出口3の間に、複数組の抽剤排出部5、抽剤注入部4、抽剤排出部5と抽剤注入部4の間のスクリュー軸8部分に位置する混練部6を有している。
また、本実施の形態の抽出機は、固形分排出口3側の抽剤排出部5から排出された排出抽剤を含む液体を、原料供給部2側の抽剤注入部4に抽剤として送液する機構を有することを特徴とする。
原料供給部2と固形分排出口3の間に、複数組の抽剤排出部5、抽剤注入部4、抽剤排出部5と抽剤注入部4の間のスクリュー軸8部分に位置する混練部6を有する抽出機では、多段の抽出により抽出効率を高めることができる。
さらに、後段の抽剤廃液は被抽出物の濃度が低いので、これを前段の抽剤に再使用しても十分に抽出が可能である。抽剤の再使用を行うことで、抽剤の利用効率が高まり、特に経済的に有効である。
さらに、後段の抽剤廃液は被抽出物の濃度が低いので、これを前段の抽剤に再使用しても十分に抽出が可能である。抽剤の再使用を行うことで、抽剤の利用効率が高まり、特に経済的に有効である。
また、前述の向流抽出が、抽剤排出部5での樹脂などの原料の沸きあがりなどにより困難であり、原料と抽剤が同一方向に流れる平行流抽出を行わざるを得ない場合でも、向流抽出に近い抽出効率を実現できるので好ましい。
なお、前述したように、いずれかの組間に残留溶剤を揮発除去するためのベント口(図示省略)を設けることにより、抽出の段間移行において原料が抱える抽剤が少なくなり、次段での原料への抽剤の浸透が積極的に行われる。
この結果、抽出効率が高まる効果を得ることができる(原料が抽剤を抱えたまま次段に移行してしまうと、抽剤の原料内への拡散や原料内の抽剤と新たな抽剤の間の被抽出物の拡散は遅くなってしまうからである)。
なお、注入された抽剤が原料の搬送方向とは逆方向に流れた後、抽剤排出口から排出されきれずに原料供給部2にまで達してしまい、原料供給口付近での原料のブリッジのような障害を発生することがある。
このような障害は、原料供給部2と抽剤排出部5の間のスクリュー軸8にシールリングにより構成される抽剤逆流防止機構16(図13参照)を有する構成とすることにより、かなり防止できる。
より具体的には、特開平7−149818号公報などで開示されているように、原料供給部2と抽剤排出部5の間にニーディングディスクなどにより間接的に形成された溶融樹脂ガスケットを利用して、抽剤の逆流を防止するための抽剤逆流防止機構16を設けることが好ましい。
なお、高分子化合物を主たる成分とし高分子化合物以外の成分を含有する高分子組成物を原料とし、原料と抽剤を接触混練して原料中成分の抽出除去を行い、いわゆるマテリアルリサイクルとして熱可塑性樹脂を製造することができる。
高分子組成物には、一般的に、可塑剤や強化剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤など種々の添加剤が配合され使用されている。
つまり、高分子組成物には、用途に応じた物性を付与するために添加配合されている。そのため、用途が異なる樹脂を混合して再利用しようとしても、これらの添加剤が複合し、性能がばらついたり性能が全般的に低下したりしてしまう。
そこで、上述のような製造方法を適用すれば、不要な添加剤成分を除去できるので、品位が高い熱可塑性樹脂を製造することができるのである。
もちろん、原料である高分子組成物が、使用済み製品から回収された熱可塑性樹脂である場合でも、劣化成分が抽出除去されるために、処理され製造される熱可塑性樹脂は物性低下が小さく有用性が高い。
たとえば、高分子化合物以外の成分が臭素系難燃剤である場合にも、処理され製造される熱可塑性樹脂からは、不要な添加剤成分が除去されている。そのため、このような熱可塑性樹脂は、再び使用された後に、野焼きなど低温焼却に見られるような不適正な処分がたとえ行われても、環境負荷物質を生成する可能性が低い。
なお、原料が抽剤に溶解する成分を含有する熱可塑性樹脂である場合には、その熱可塑性樹脂が含有する成分を前述のようにして抽出除去することができ、樹脂のマテリアルリサイクルを容易にすることができる。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル系樹脂(ポリ酢酸ビニルなど)、ポリオキシメチレン、スチレン系樹脂(ポリスチレン、またはABS樹脂など)、アクリル系樹脂(PMMAなど)、ポリエスエル系樹脂(PETなど)、ポリアミド系樹脂(ナイロン6など)、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂など熱溶融しうる熱可塑性樹脂を挙げることが出来る。
また、熱可塑性樹脂が含有する成分としては、熱や光に対する安定化剤、酸化防止剤、柔軟化剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃化剤、着色剤、物性強化剤など種々のものを挙げることが出来る。
特に難燃剤には、そのもの自体あるいはその熱反応物に有害性があることが疑われているものが多い。よって、難燃剤を抽出除去することにより、原料である熱可塑性樹脂のマテリアルリサイクルを安全に行うことができ、非常に有用である。
このような抽出除去処理により、環境負荷物質を含有している熱可塑性樹脂を、環境負荷物質を含有しない熱可塑性樹脂に変えることができる。すなわち、上述のような抽出除去処理が行われた熱可塑性樹脂は、環境負荷物質で汚染された熱可塑性樹脂を洗浄したようなものであり、再度安心して製品として利用できるのである。
(実施例)
(実施例1)
スクリュー径25mmの二軸スクリュー押出機を利用した。
(実施例1)
スクリュー径25mmの二軸スクリュー押出機を利用した。
より具体的には、抽剤注入部4と抽剤排出部5の設置位置を、図4のようにした。すなわち、原料供給部2、抽剤注入部4、スクリュー軸8に設けた混練部6、抽剤排出部5、昇圧機構10、ならびに固形分排出口3をこの順に設定した。
臭素系難燃剤を20重量%含有するハイインパクトポリスチレン樹脂と乳酸エチル抽剤を時間当たり各々3kgと9kg供給し、スクリュー回転数300回転/分で抽出操作を行った。
また、昇圧機構10を図5のようなシールディスクで構成した場合、ねじれ角120度の逆送りニーディングディスクで構成した場合についても実施した。
排出された樹脂の分析を行ったところ、臭素系難燃剤の含有率は各場合ともに3〜5重量%に低下していた。
(実施例2)
スクリュー径25mmの二軸スクリュー押出機を利用した。
スクリュー径25mmの二軸スクリュー押出機を利用した。
より具体的には、抽剤注入部4と抽剤排出部5の設置位置を、図6のようにした。すなわち、原料供給部2、抽剤排出部5、スクリュー軸8に設けた混練部6、抽剤注入部4、昇圧機構10、ならびに固形分排出口3をこの順に設定した。
臭素系難燃剤を20重量%含有するハイインパクトポリスチレン樹脂と乳酸エチル抽剤を時間当たり各々3kgと9kg供給し、スクリュー回転数300回転/分で抽出操作を行った。
また、昇圧機構10をシールリングで構成した場合、ねじれ角120度の逆送りニーディングエレメントで構成した場合についても実施した。
排出された樹脂の分析を行ったところ、臭素系難燃剤の含有率は各場合ともに2〜4重量%に低下していた。
(実施例3)
図14に示すような原料搬送機構1がスクリュー径25mmの一軸のスクリューで構成された抽出機を利用した。
図14に示すような原料搬送機構1がスクリュー径25mmの一軸のスクリューで構成された抽出機を利用した。
臭素系難燃剤を20重量%含有するハイインパクトポリスチレン樹脂と乳酸エチル抽剤を時間当たり各々3kgと9kg供給し、スクリュー回転数300回転/分で抽出操作を行った。
また、昇圧機構10を図17のようなオリフィス11で構成した場合についても実施した。
排出された樹脂の分析を行ったところ、臭素系難燃剤の含有率は各場合ともに3〜4重量%に低下していた。
(実施例4)
スクリュー歯の外周に切り欠きがある順送りスクリューエレメント9(図9参照)をスクリュー軸8に設けた混練部6に設定した図12のような抽出機を利用した。
スクリュー歯の外周に切り欠きがある順送りスクリューエレメント9(図9参照)をスクリュー軸8に設けた混練部6に設定した図12のような抽出機を利用した。
臭素系難燃剤を20重量%含有するハイインパクトポリスチレン樹脂と乳酸エチル抽剤を時間当たり各々3kgと9kg供給し、スクリュー回転数300回転/分で抽出操作を行った。
排出された樹脂の分析を行ったところ、臭素系難燃剤の含有率は約0.2重量%に低下していた。
(実施例5) スクリュー径25mmの二軸スクリュー押出機を利用した。
より具体的には、抽剤注入部4と抽剤排出部5の設置位置を、図2のようにした。すなわち、原料供給部2と固形分排出口3の間には、ベント口13を挟んでいる。また、抽剤排出部5、スクリュー軸8に設けた混練部6、抽剤注入部4、スクリュー軸8に設けた昇圧機構10は複数組設定されている。
昇圧機構10には逆送りスクリューエレメントを用いた。
臭素系難燃剤を20重量%、三酸化アンチモン難燃助剤5重量%を含有するハイインパクトポリスチレン樹脂と、第1の抽剤となる乳酸エチルと、第2の抽剤となるプロピレングリコールを、時間当たり各々3kgと9kgと9kg供給し、スクリュー回転数300回転/分で抽出操作を行った。
排出された樹脂の分析を行ったところ、臭素系難燃剤の含有率は3重量%に低下し、三酸化アンチモン難燃助剤の含有率は1.2重量%に低下していた。
2段目の抽剤排出部5から排出される抽剤中の乳酸エチルの含有率は2%であった。
排出された樹脂の全量の90%を蒸留したところ、プロピレングリコール純度は99.2%であり、十分高い純度で回収することができた。
(実施例6)
スクリュー径25mmの四軸スクリュー押出機を利用した。
スクリュー径25mmの四軸スクリュー押出機を利用した。
より具体的には、抽剤注入部4と抽剤排出部5の設置位置を図3のようにした。すなわち、原料供給部2と固形分排出口3の間には、ベント口13を挟んでいる。また、(A)前段における配置順は、抽剤排出部5、スクリュー軸8に設けた混練部6、抽剤注入部4、スクリュー軸8に設けた昇圧機構10の順であり、(B)後段における配置順は、抽剤注入部4、スクリュー軸8に設けた混練部6、抽剤排出部5、スクリュー軸8に設けた昇圧機構10の順である。
昇圧機構10には逆送りスクリューエレメントを用いた。
臭素系難燃剤を20重量%、三酸化アンチモン難燃助剤5重量%を含有するハイインパクトポリスチレン樹脂と、第1の抽剤となるジプロピレングリコールと、第2の抽剤となるエチレングリコールとを、時間当たり各々5kgと15kgと15kg供給し、スクリュー回転数500回転/分で抽出操作を行った。
排出された樹脂の分析を行ったところ、臭素系難燃剤の含有率は1重量%に低下し、三酸化アンチモン難燃助剤の含有率は1.6重量%に低下していた。
また、2段目の抽剤排出部5から排出される抽剤中の乳酸エチルの含有率は1.8%であった。
排出された樹脂の全量の90%を蒸留したところ、プロピレングリコール純度は99.3%であり、十分高い純度で回収することができた。
(実施例7)
実施例4と同様な二軸スクリュー抽出機を利用した。
実施例4と同様な二軸スクリュー抽出機を利用した。
そして、表1に示す各種樹脂3kgに対し、表1に示す1段目及び2段目の抽出に用いる抽剤を時間当たり各々9kg供給し、スクリュー回転数400回転/分で抽出操作を行った。
排出された樹脂について臭素系難燃剤の含有率と三酸化アンチモンの含有率を測定した。
結果は表1のようになった。
以上においては、本発明の実施の形態および実施例について詳細に説明を行った。
本発明によれば、スクリュー押出機の技術を応用し、樹脂や動植物素材などの固形原料からの有用または不要成分の抽剤による抽出を行うことができる。
特に、廃プラスチックに含有される添加剤を溶剤により抽出除去する際、なるべく少量の溶剤で高い除去率を実現するとともに、抽剤の回収を低コストで実現できる。
また、使用済み樹脂から新たに有用な熱可塑性樹脂を製造することができる。
また、使用済み樹脂から新たに有用な熱可塑性樹脂を製造することができる。
本発明にかかる抽出装置は、たとえば、廃プラスチックに含有される難燃剤などの添加剤を溶剤を利用してより高い除去率(抽出率)で抽出除去することができ、樹脂や動植物素材などの固形原料からの有用または不要成分の抽剤による抽出を行うための抽出装置などとして有用である。
1 原料搬送機構
2 原料供給部
3 固形分排出口
4 抽剤注入部
5 抽剤排出部
6 混練部
7 バレル
8 スクリュー軸
9 順送りスクリューエレメント
10 昇圧機構
11 オリフィス
12 上下分割式バレル
13 ベント口
14 真空ポンプ
15 トラップ
16 抽剤逆流防止機構
17 熱交換機構
2 原料供給部
3 固形分排出口
4 抽剤注入部
5 抽剤排出部
6 混練部
7 バレル
8 スクリュー軸
9 順送りスクリューエレメント
10 昇圧機構
11 オリフィス
12 上下分割式バレル
13 ベント口
14 真空ポンプ
15 トラップ
16 抽剤逆流防止機構
17 熱交換機構
Claims (1)
- 抽出されるべき難燃剤を含む熱可塑性樹脂に、前記難燃剤を抽出するための所定の抽剤を注入する抽剤注入手段と、前記熱可塑性樹脂に、前記注入された所定の抽剤を混合する混合手段と、前記所定の抽剤が混合された熱可塑性樹脂から、前記所定の抽剤を排出する抽剤排出手段とを備え、
前記混合手段は、前記混合を行うためのスクリュー軸と、前記スクリュー軸が長手方向に内部を貫通する、前記所定の抽剤が混合された熱可塑性樹脂を加熱するための加熱手段をもつバレルとを有し、
前記熱可塑性樹脂は、前記長手方向に搬送および圧縮される抽出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005270107A JP2006009033A (ja) | 2002-03-20 | 2005-09-16 | 抽出装置 |
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---|---|---|---|
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JP2002078361 | 2002-03-20 | ||
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WO2024090696A1 (ko) * | 2022-10-27 | 2024-05-02 | 주식회사 엘지화학 | 첨가제 제거 장치 및 이를 이용한 첨가제 제거 방법 |
-
2005
- 2005-09-16 JP JP2005270107A patent/JP2006009033A/ja not_active Withdrawn
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WO2024090696A1 (ko) * | 2022-10-27 | 2024-05-02 | 주식회사 엘지화학 | 첨가제 제거 장치 및 이를 이용한 첨가제 제거 방법 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A761 | Written withdrawal of application |
Effective date: 20070531 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 |