JP4737162B2 - 薬剤の液化回収方法及び薬剤の液化回収装置 - Google Patents

薬剤の液化回収方法及び薬剤の液化回収装置 Download PDF

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Description

本発明は、薬剤を効果的に回収できる薬剤の液化回収方法及び薬剤の液化回収装置に関する。
近年になって、環境問題が重要視されるようになるにつれ、揮発性有機化合物(VOC)排出を削減することが大きな課題となっている。排出量を削減するために取られる一般的な方法として、触媒などを利用して完全にVOCを分解する方法やVOCの燃焼装置を系内の排気部に設けて系外に有害なVOCを排出しない方法などが挙げられる。
しかし、これらの方法は、燃焼や分解のための熱が必要であるので、VOCの排出を抑制するために熱エネルギが必要となるという問題がある。また、これらの方法は、回収できれば有機溶剤や燃料として利用できるVOCを熱エネルギで分解するので、エネルギ有効利用の観点から問題が残る。
これらの問題を考慮すると、排出したり分解しているVOCをできるだけ回収し、その回収物を再利用、リサイクルすることが最も効果的、効率的な環境対策になる。
一方、高分子化合物のリサイクルの気運が高まっている。その中で高分子化合物とVOCとなるような薬剤とを混合してリサイクルする研究も多く報告されている。
そのひとつとして、超臨界流体あるいは亜臨界流体等の高温高圧流体のポリマ類に対する特異な反応に関する研究が進み、例えば、シラン架橋ポリエチレンのシラノール縮合による架橋点のみを超臨界流体あるいは亜臨界流体中で選択的に切断して、熱可塑性ポリマに復元させてリサイクルする方法が開発されている(特許文献1)。
このような化学反応を利用するためのプロセス技術として、押出機などの混練機の中で架橋ポリマと薬剤と超臨界流体あるいは亜臨界流体とを混合して反応させ、再生材料を回収するまでを連続的に行う方法なども検討されている。この場合においても、高分子化合物との反応後に発生する薬剤の残渣を回収する方法が提案されている(特許文献2)。
特開2002−187976号公報 特開2007−084748号公報
しかしながら、特許文献2の設備においても、薬剤の回収率は十分とは言えない。
従来の方法においては、ガス状態で排出される薬剤を十分に回収することは困難である。そのため、薬剤として用いる物質が環境負荷の高い物質である場合、系外へVOCを排出したり熱エネルギを利用して分解する必要があり、環境配慮の面から問題である。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、薬剤を効果的に回収できる薬剤の液化回収方法及び薬剤の液化回収装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の方法は、高分子化合物と薬剤とを混練して反応させ、反応後の高分子化合物から上記薬剤をガス状態で分離し、その薬剤ガスを真空ポンプでコンデンサに送り込み、該コンデンサにて上記薬剤ガスを液化させ、該コンデンサ内で液化されなかった薬剤ガスを薬剤ガス戻し配管を通して上記真空ポンプに戻して再び上記コンデンサに送り込むようにし、かつ、上記薬剤ガス戻し配管に設けられたコンデンサ内圧力調整第1弁と、上記コンデンサから系外に繋がる一方の配管に設けられたコンデンサ内圧力調整第2弁の両者を調整することによって、上記コンデンサ内の圧力をコントロールしつつ上記薬剤ガスを上記真空ポンプに戻すようにし、上記コンデンサ内の圧力が所定値を超えたときには、上記コンデンサから系外に繋がる他方の配管に設けられた安全弁により、上記コンデンサ内の薬剤ガスを排出するようにしたものである。
上記高分子化合物と上記薬剤とを反応用押出機にて混練して反応させ、反応後の高分子化合物を脱気用押出機に送り込み、該脱気用押出機にて反応後の高分子化合物から上記薬剤をガス状態で分離し、その薬剤ガスをベントボックスに溜め、そのベントボックスから上記薬剤ガスを真空ポンプで吸引してもよい。
上記薬剤が超臨界状態となる温度及び圧力にて上記高分子化合物と上記薬剤とを混練してもよい。
上記高分子化合物が分子中にシロキサン結合を有するポリマであり、上記薬剤がアルコール類又はアルコール類を含む混合物であってもよい。
また、本発明の装置は、高分子化合物と薬剤とを混練して反応させ、反応後の高分子化合物から上記薬剤をガス状態で分離する樹脂混練機と、その分離された薬剤ガスを上記樹脂混練機から吸引する真空ポンプと、該真空ポンプから送り込まれた薬剤ガスを液化させるコンデンサと、該コンデンサ内で液化されなかった薬剤ガスを上記真空ポンプに戻す薬剤ガス戻し配管と、上記薬剤ガス戻し配管に設けられたコンデンサ内圧力調整第1弁と、上記コンデンサから系外に繋がる一方の配管に設けられたコンデンサ内圧力調整第2弁と、上記コンデンサから系外に繋がる他方の配管に設けられ、上記コンデンサ内の圧力が所定値を超えたときに上記コンデンサ内の薬剤ガスを排出する安全弁と、を備えたものである。
また、本発明の装置は、高分子化合物と薬剤とを混練して反応させる反応用押出機と、反応後の高分子化合物から上記薬剤をガス状態で分離する脱気用押出機と、その薬剤ガスを溜めるベントボックスと、そのベントボックスから薬剤ガスを吸引する真空ポンプと、該真空ポンプから送り込まれた薬剤ガスを液化させるコンデンサと、該コンデンサ内で液化されなかった薬剤ガスを上記真空ポンプに戻す薬剤ガス戻し配管と、上記薬剤ガス戻し配管に設けられたコンデンサ内圧力調整第1弁と、上記コンデンサから系外に繋がる一方の配管に設けられたコンデンサ内圧力調整第2弁と、上記コンデンサから系外に繋がる他方の配管に設けられ、上記コンデンサ内の圧力が所定値を超えたときに上記コンデンサ内の薬剤ガスを排出する安全弁と、を備えたものである。
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
(1)薬剤を効果的に回収できる。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1に示されるように、本発明に係る薬剤液化回収装置101は、高分子化合物と薬剤とを混練して反応させ、反応後の高分子化合物から上記薬剤をガス状態で分離する樹脂混練機102と、その分離された薬剤ガスを上記樹脂混練機102から吸引する真空ポンプ103と、該真空ポンプ103から送り込まれた薬剤ガスを液化させるコンデンサ104と、該コンデンサ104内で液化されなかった薬剤ガスを上記真空ポンプ103に戻す薬剤ガス戻し配管105とを備える。
樹脂混練機102は、高分子化合物と薬剤とをスクリューにより混合攪拌する押出機により構成される。一軸タイプ、二軸タイプのいずれの押出機でもよい。内部の圧力分布などが自由にコントロールでき、かつ混練能力が高い二軸押出機(例えば、外径45mm、L/D=65のもの)が好ましい。
樹脂混練機102には、反応前の高分子化合物を樹脂混練機102に投入するホッパ106と、薬剤が準備される薬剤タンク107と、薬剤タンク107に準備されている薬剤を取り出して樹脂混練機102に注入する薬剤注入ポンプ108と、注入する薬剤を加熱する薬剤加熱ヒータ109と、高分子化合物から薬剤を分離するベント槽110と、ベント槽110よりも下流で高分子化合物から薬剤を分離するベント111と、分離された高分子化合物を糸状のストランドとして排出するダイ112が設けられる。
薬剤注入ポンプ108は、薬剤を樹脂混練機102の内部の圧力以上に加圧できるものが好ましい。薬剤タンク107と薬剤注入ポンプ108とを結ぶ配管には、取り出す薬剤の量を調整する薬剤タンク弁113が設けられる。
薬剤加熱ヒータ109は、樹脂混練機102の中で加熱された高分子化合物の温度が下がらない程度に薬剤を昇温するためのものである。
ベント槽110の体積は、樹脂混練機102のシリンダの体積の2倍程度にすると、より安全に高分子化合物と薬剤とを分離できる。
樹脂混練機102と真空ポンプ103との間にはトラップ114が設けられており、ベント槽110及びベント111には、それぞれこのトラップ114に繋がる配管と系外に繋がる配管とが接続される。ベント槽110からトラップ114に繋がる配管には圧調整弁115が設けられ、ベント槽110から系外に繋がる配管には安全弁116が設けられ、ベント111からトラップ114に繋がる配管には圧調整弁117が設けられ、ベント111から系外に繋がる配管には安全弁118が設けられる。
ダイ112には、ストランド119として排出される高分子化合物を冷却する冷却器120が接続される。その冷却器120の出口側に、冷却固化されたストランド119を裁断してペレット121にするストランドカッタ122が設けられる。
トラップ114には真空ポンプ103の吸引口に繋がる配管が接続され、真空ポンプ103の出口にはコンデンサ104に繋がる配管が接続される。
コンデンサ104には、トラップ114と真空ポンプ103とを結ぶ配管に繋がる薬剤ガス戻し配管105と、系外に繋がる配管とが接続され、薬剤ガス戻し配管105にはコンデンサ内圧力調整第1弁123が設けられ、系外に繋がる一方の配管にはコンデンサ内圧力調整第2弁124が設けられ、系外に繋がる他方の配管には安全弁125が設けられる。
トラップ(トラッパとも言う)114は、大気や真空中で蒸発又はガス化された全てのエアゾールなど(空気中に拡散している液体・オイル・粉塵)を捕捉するためのものであり、ここでは樹脂混練機102のベント槽110及びベント111において高分子化合物から分離されたガス状の薬剤中に残るエアゾール様の不純物を捕捉するようになっている。
真空ポンプ103には、ドライ真空ポンプが用いられる。ドライ真空ポンプは、オイル真空ポンプや水封式真空ポンプとは違いポンプ油や水を使用しないクリーンな真空ポンプである。ドライ真空ポンプは、出口からコンデンサに供給する薬剤ガスに廃油や排水が混入しないため、ドライな薬剤ガスを得ることができる。そして、トラップ114と真空ポンプ103を組み合わせることにより、油による汚染がなく、水による汚染がなく、真空ポンプ内部のダスト停滞を防止することができ、クリーンな排気を行うことができる。
コンデンサ104は、一般には高温・高圧の冷媒ガスを冷却し液化させる熱交換装置である。本発明では、コンデンサ104は、真空ポンプ103の出口に接続することにより、真空ポンプ103から供給される、不純物が除去された薬剤を液化して貯蔵する目的に使用される。コンデンサ104内に貯蔵された薬剤は不純物が少ないため再利用することができる。
本発明が適用される高分子化合物は、架橋ポリマ、プラスチックやゴム等の熱硬化性樹脂の合成高分子、リグニン、セルロース、タンパク質等の天然高分子であり、これらのものが複数含まれたもの、例えば、合成高分子と天然高分子との混合物であってもよい。また、シュレッダーダストのように高分子化合物を主とし、その高分子化合物に他の材料が混合されたものにも本発明は適用してよい。
薬剤は、高分子化合物に応じて、例えば、高分子化合物に架橋切断反応を生じるものを用いる。高分子化合物が分子中にシロキサン結合を有するポリマであるとき、薬剤はアルコール類又はアルコール類を含む混合物である。アルコール類又はアルコール類を含む混合物としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、i−ペンチルアルコール、エチレングリコール、グリセリン、ベンジルアルコール、ステロイドアルコールなどを挙げることができる。これらアルコール類と同様に、ヒドロキシル基を有するフェノール、クレゾール、2,4,6−トリプロモフェノール、サルチル酸、ピクリン酸、ナフトール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキシン、ピロガロールなどのフェノール類も使用することができる。これらは単独で使用しても、二種以上併用してもよい。高分子化合物が架橋ポリエチレンのとき、薬剤には1−プロパノールを用いるとよい。架橋ポリエチレンの処理に用いる薬剤としては、この他に、エタノール、メタノール、これらの組み合わせ、これらのアルコールに炭酸エステルを加えたものなどがある。
薬剤は、温度と圧力のみで定められる物質固有の臨界点を超えた超臨界状態、又は臨界点近傍である亜臨界状態にて高分子化合物と混練されるのが好ましい。
コンデンサ104において薬剤を冷却する冷媒として水を使用する場合は、薬剤の沸点が20℃〜350℃であることが好ましい。これより低沸点の薬剤を使用するには、水以外の冷媒を用いるとよい。また、冷媒をより低温に冷却しておき、コンデンサ104の熱交換容量を増やせば、薬剤の回収効率を上げることができる。
図1の薬剤液化回収装置101の動作を説明する。
ペレット状又はナゲット状に粉砕された高分子化合物がホッパ106を介して樹脂混練機102に投入され。一方、反応に用いる薬剤が薬剤タンク107から薬剤タンク弁113を通り、薬剤注入ポンプ108で加圧されると共に、薬剤加熱ヒータ109によって加熱され、樹脂混練機102に注入される。その注入位置は、高分子化合物が樹脂混練機102内で充満率が100%になった位置よりも下流であることが好ましく、より好ましくはシリンダの圧力が1MPa以上になった位置より下流が好ましい。このように薬剤の注入位置を配慮することにより、気化した薬剤が上流側へ漏れることが防止できる。このとき、薬剤は、樹脂混練機102の中で加熱された高分子化合物の温度が下がらない程度に昇温して注入するのが望ましい。
このようにして、樹脂混練機102に高分子化合物と薬剤が混合攪拌される。この際、少なくとも樹脂混練機102の一部分において、薬剤が超臨界状態となる温度、圧力にすると、高分子化合物と薬剤の架橋切断反応が十分に進み、良好な高分子処理物(反応後の高分子化合物を言う)が得られる。
樹脂混練機102で可塑化された高分子処理物と薬剤の混合物は、ベント槽110の上流に設けられたシールゾーン(図示せず)において減圧される。シールゾーンとは、樹脂が通過する際、圧縮されて流路を塞ぐことができるように、スクリュー構造を樹脂の流路が狭くなるように設計している部分を言う。樹脂混練機102内では、粘調な高分子処理物が得られ、その高分子処理物が吐出方向、すなわち下流へ押し出される。一方、気体である薬剤ガスは、圧力の低いバックベントのベント槽110を通じてトラップ114の方に流れる。これにより、高分子処理物と薬剤ガスが分離される。
さらに、下流のベント111においても、高分子処理物から薬剤ガスが分離されるので、薬剤を完全に除去するにはベント111が設けられるのが望ましい。
樹脂混練機102のダイ112から押し出された高分子処理物は、糸状のストランド119に形成され、冷却器120においてほぼ常温まで冷却固化される。ストランド119は、ストランドカッタ122によってペレット121に加工される。
ベント槽110の薬剤ガスは、真空ポンプ103の吸引力により、圧調整弁115を介してトラップ114に送られる。トラップ114では、反応中に生成された不純物のうち沸点の高いものや樹脂粉末が捕集される。トラップ114で不純物が除去された薬剤ガスは、真空ポンプ103に吸引されてコンデンサ104に送り込まれる。
コンデンサ104では、薬剤ガスが冷却され液化され、液体となって薬剤が貯蔵される。このとき、コンデンサ104内の内圧は、コンデンサ内圧力調整第1弁123とコンデンサ内圧力調整第2弁124の両者を調整することによってコントロールされる。真空ポンプ103の排気能力及びコンデンサ104の耐圧能力が許される限り、コンデンサ内圧力調整第1弁123を開いてコンデンサ内圧力調整第2弁124を閉じた状態で真空ポンプ103を運転すれば、より完全に薬剤を回収することができる。
安全弁125は、動作基準の圧力をコンデンサ104の耐圧力又は真空ポンプ103の許容排圧のうち低い方に設定しておくのが好ましく、例えば、0.2MPaに設定しておくことにより、コンデンサ104内の圧力が動作基準の圧力に達すると安全弁125が開いて薬剤ガスが系外に排出される。コンデンサ104内の圧力の好ましい範囲は0.05MPa〜0.2MPaである。
このようにしてコンデンサ104内に回収、貯蔵された薬剤は、その後、再利用することができる。
以上説明したように、本発明は、反応後の高分子化合物から分離された薬剤ガスを真空ポンプ103でコンデンサ104に送り込み、コンデンサ104にて薬剤ガスを液化させ、コンデンサ104内で液化されなかった薬剤ガスを真空ポンプ103に戻して再びコンデンサ104に送り込むようにしたので、従来よりも高い収率で薬剤を回収することが可能になる。よって、本発明は、従来は回収できずに排出されていたVOCを回収し、排出量を削減することができる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。
図2に示されるように、本発明に係る薬剤液化回収装置201は、高分子化合物と薬剤とを混練して反応させる反応用押出機202と、反応後の高分子化合物から上記薬剤をガス状態で分離する脱気用押出機203と、その薬剤ガスを溜めるベントボックス204と、そのベントボックス204から薬剤ガスを吸引する真空ポンプ103と、該真空ポンプ103から送り込まれた薬剤ガスを液化させるコンデンサ104と、該コンデンサ104内で液化されなかった薬剤ガスを上記真空ポンプ103に戻す薬剤ガス戻し配管105とを備えたものである。
図1の薬剤液化回収装置101との相違点だけを述べると、薬剤液化回収装置201は、高分子化合物と薬剤とを混練して反応させる反応用押出機202と、反応後の高分子化合物から薬剤をガス状態で分離する脱気用押出機203とが別々に設けられている。その反応用押出機202には、下流側に流通式反応容器205が連結されており、さらに流通式反応容器205の下流には減圧をするための減圧弁206、さらに段階的に圧力を下げるために複数の穴の開いた抵抗体としてのブレーカプレート207が順に設けられ、ブレーカプレート207の下流側が配管により脱気用押出機203に接続されている。
反応用押出機202では、薬剤が超臨界状態となる温度、圧力となるよう、例えば、360℃、8MPaとする。これにより、高分子化合物と薬剤の架橋切断反応が十分に進み、良好な高分子処理物が得られる。
流通式反応容器205は、反応時間を十分に確保するためのもので、例えば、容積が50Lとする。
薬剤液化回収装置201のもう一つの相違点として、脱気用押出機203には、薬剤ガスを溜めるベントボックス204が設けられ、ベントボックス204には、圧調整弁115を介してトラップ114に繋がる配管と、安全弁116を介して系外に繋がる配管が設けられる。また、ベントボックス204には、ベントボックスヒータ208が設けられる。
ベントボックスヒータ208の代わりに、ベントボックス204の高分子処理物貯蔵部の外周に設けられた熱媒体が循環するジャケットと、熱媒体をジャケットに供給する熱媒体循環装置でベントボックス204を加熱してもよい。
ベントボックス204の体積は、流通式反応容器205の体積の2倍であり、例えば、100Lである。
図2に示した薬剤液化回収装置201では、反応用押出機202及び流通式反応容器205で可塑化された高分子化合物と薬剤の混合物が減圧弁206、ブレーカプレート207で段階的に減圧される。
脱気用押出機203では、粘調な高分子処理物が吐出方向、すなわち下流へ押し出される一方、気体である薬剤ガスは圧力の低いバックベントのベントボックス204に流れる。これにより、高分子処理物と薬剤ガスが分離される。ベントボックス204はベントボックスヒータ208によって熱せられ、高分子処理物が流動性を示す温度に保たれる。
このとき、流通式反応容器205の体積よりもベントボックス204の体積が大きいので、高分子処理物と薬剤の吐出が断続的になった場合もベントボックス204内部の圧力を流通式反応容器205の圧力の1/2以下に下げることができる。
ベントボックス204内の薬剤ガスは、ベントボックス204の上方から真空ポンプ103によってトラップ114へと吸引される。これ以降の動作は、図1の薬剤液化回収装置101と同じである。
実施例1として、図1の薬剤液化回収装置101において、高分子化合物を架橋ポリエチレンとし、薬剤を1−プロパノールとし、架橋ポリエチレンの処理量を樹脂混練機102の吐出能力が許す単位時間当たり2〜100kgとした。この架橋ポリエチレンを連続安定運転で処理した結果、コンデンサ104及びトラップ114から回収された1−プロパノールの収率は98.9%であった。これにより、1−プロパノールを効率よく再利用することができた。一方、コンデンサ104からコンデンサ内圧力調整第2弁124を介して系外に繋がる配管においては、1−プロパノールの濃度は0.005%であった。
実施例2として、図2の薬剤液化回収装置201において、高分子化合物を架橋ポリエチレンとし、薬剤を1−プロパノールとし、架橋ポリエチレンの処理量を樹脂混練機102の吐出能力が許す単位時間当たり2〜100kgとした。この架橋ポリエチレンを連続安定運転で処理した結果、コンデンサ104及びトラップ114から回収された1−プロパノールの収率は99.0%であった。これにより、1−プロパノールを効率よく再利用することができた。一方、コンデンサ104からコンデンサ内圧力調整第2弁124を介して系外に繋がる配管においては、1−プロパノールの濃度は0.005%であった。
比較例1として、図3に示す薬剤液化回収装置301で実施例1と同様の処理を行った。薬剤液化回収装置301は、薬剤液化回収装置101からコンデンサ内圧力調整第1弁123を有する薬剤ガス戻し配管105と、コンデンサ内圧力調整第2弁124を有し系外に繋がる配管とが取れ除かれたものである。このとき、コンデンサ104内の圧力を調整する手段がないので、安全弁125を開放したまま運転した。この結果、1−プロパノールの収率は94.7%であった。一方、コンデンサ104から安全弁125を介して系外に繋がる配管においては、1−プロパノールの濃度は0.3%以上であった。
比較例2として、図4に示す薬剤液化回収装置401で実施例2と同様の処理を行った。薬剤液化回収装置401は、薬剤液化回収装置201からコンデンサ内圧力調整第1弁123を有する薬剤ガス戻し配管105と、コンデンサ内圧力調整第2弁124を有し系外に繋がる配管とが取れ除かれたものである。このとき、コンデンサ104内の圧力を調整する手段がないので、安全弁125を開放したまま運転した。この結果、1−プロパノールの収率は90.7%であった。一方、コンデンサ104から安全弁125を介して系外に繋がる配管においては、1−プロパノールの濃度は0.3%以上であった。
実施例1,2、比較例1,2の結果から、本発明は、薬剤を効果的に回収することができることが証明された。
本発明の一実施形態を示す薬剤液化回収装置の構成図である。 本発明の一実施形態を示す薬剤液化回収装置の構成図である。 比較例としての薬剤液化回収装置の構成図である。 比較例としての薬剤液化回収装置の構成図である。
符号の説明
101 薬剤液化回収装置
102 樹脂混練機
103 真空ポンプ
104 コンデンサ
105 薬剤ガス戻し配管

Claims (6)

  1. 高分子化合物と薬剤とを混練して反応させ、反応後の高分子化合物から上記薬剤をガス状態で分離し、その薬剤ガスを真空ポンプでコンデンサに送り込み、該コンデンサにて上記薬剤ガスを液化させ、該コンデンサ内で液化されなかった薬剤ガスを薬剤ガス戻し配管を通して上記真空ポンプに戻して再び上記コンデンサに送り込むようにし、かつ、
    上記薬剤ガス戻し配管に設けられたコンデンサ内圧力調整第1弁と、上記コンデンサから系外に繋がる一方の配管に設けられたコンデンサ内圧力調整第2弁の両者を調整することによって、上記コンデンサ内の圧力をコントロールしつつ上記薬剤ガスを上記真空ポンプに戻すようにし、
    上記コンデンサ内の圧力が所定値を超えたときには、上記コンデンサから系外に繋がる他方の配管に設けられた安全弁により、上記コンデンサ内の薬剤ガスを排出するようにしたことを特徴とする薬剤の液化回収方法。
  2. 上記高分子化合物と上記薬剤とを反応用押出機にて混練して反応させ、反応後の高分子化合物を脱気用押出機に送り込み、該脱気用押出機にて反応後の高分子化合物から上記薬剤をガス状態で分離し、その薬剤ガスをベントボックスに溜め、そのベントボックスから上記薬剤ガスを真空ポンプで吸引することを特徴とする請求項1記載の薬剤の液化回収方法。
  3. 上記薬剤が超臨界状態となる温度及び圧力にて上記高分子化合物と上記薬剤とを混練することを特徴とする請求項1又は2記載の薬剤の液化回収方法。
  4. 上記高分子化合物が分子中にシロキサン結合を有するポリマであり、上記薬剤がアルコール類又はアルコール類を含む混合物であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の薬剤の液化回収方法。
  5. 高分子化合物と薬剤とを混練して反応させ、反応後の高分子化合物から上記薬剤をガス状態で分離する樹脂混練機と、その分離された薬剤ガスを上記樹脂混練機から吸引する真空ポンプと、該真空ポンプから送り込まれた薬剤ガスを液化させるコンデンサと、該コンデンサ内で液化されなかった薬剤ガスを上記真空ポンプに戻す薬剤ガス戻し配管と、上記薬剤ガス戻し配管に設けられたコンデンサ内圧力調整第1弁と、上記コンデンサから系外に繋がる一方の配管に設けられたコンデンサ内圧力調整第2弁と、上記コンデンサから系外に繋がる他方の配管に設けられ、上記コンデンサ内の圧力が所定値を超えたときに上記コンデンサ内の薬剤ガスを排出する安全弁と、を備えたことを特徴とする薬剤の液化回収装置。
  6. 高分子化合物と薬剤とを混練して反応させる反応用押出機と、反応後の高分子化合物から上記薬剤をガス状態で分離する脱気用押出機と、その薬剤ガスを溜めるベントボックスと、そのベントボックスから薬剤ガスを吸引する真空ポンプと、該真空ポンプから送り込まれた薬剤ガスを液化させるコンデンサと、該コンデンサ内で液化されなかった薬剤ガスを上記真空ポンプに戻す薬剤ガス戻し配管と、上記薬剤ガス戻し配管に設けられたコンデンサ内圧力調整第1弁と、上記コンデンサから系外に繋がる一方の配管に設けられたコンデンサ内圧力調整第2弁と、上記コンデンサから系外に繋がる他方の配管に設けられ、上記コンデンサ内の圧力が所定値を超えたときに上記コンデンサ内の薬剤ガスを排出する安全弁と、を備えたことを特徴とする薬剤の液化回収装置。
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