JP2006008694A - 全身性エリテマトーデスの診断、治療製剤製造用ペプチド - Google Patents

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Abstract

【課題】 SLE患者の自己抗体による免疫原決定基を有するペプチドを提供する。
【解決手段】 SLE患者の抗体とまったく同様に特異的であるモノクローナル抗体および抗イディオタイプ抗体を形成する。これらのモノクローナル抗体またはSLE患者の自己抗体それぞれに対する抗イディオタイプ抗体を作る。

Description

この発明は、全身性エリテマトーデス(SLE)患者の体液中の自己抗体により認識されることのできる、抗原または免疫原決定基を有するペプチドに関する。
“リューマチ群”疾病は、多数の臨床現象および広範囲の自己抗体を示すという特徴がある。後者は、正常細胞の種々の異なる成分と反応する。この疾病としては、自然に発病するかあるいは薬物により発病する可能性のある全身性エリテマトーデス(SLE)が挙げられる。SLEの場合、細胞核の成分(抗核抗体、ANA)に対する自己抗体が特に頻繁に発生する。これらの自己抗体としては、酵素のほか、とりわけ二本鎖デオキシリボ核酸(DS−DNA)、ヒストン蛋白質、リボ核酸(RNA)、DNAとヒストンの複合体などが挙げられる。ヒストンは、多数のクラスの蛋白質、即ち、ヌクレオソーム中に見出されるいわゆるコアヒストンH2A、H2B、H3およびH5、並びにクロマチン形成時に結合作用をするリンカーヒストンH1およびH5からなっている。特別の抗原に対する自己抗体の頻度を、いくつかのリューマチ症候群と関連づけようとする試みが、多数行なわれている。
SLE患者の場合、ヒストンに対する自己抗体(AHA、抗ヒストン自己抗体)が、更に頻繁に発生することが見出されている。患者および健常対照被検者の血清を精製細胞成分(即ち抗原)でテストする場合、通常は、“酵素結合免疫吸着測定法”(ELISA)が測定に利用される。なかでも、純ヒストンが、SLE血清の試験用抗原として用いられる。
さらに、合成ペプチドまたは天然ヒストンの分解により作られるペプチドが用いられ、これらのペプチドは、該ヒストンの配列部分からなる。
この点に関し、個々のヒストンおよびヒストンペプチドを使用する場合、次のことがわかっている。
(i)ELISAにおける陽性反応の頻度は、50%以下である。
(ii)他のリューマチ病に関連する患者血清の場合における陽性反応の頻度は大きい(偽陽性結果)。
最近、非特許文献1:SLE患者のAHAの認識予測値に関する研究から、次の結論が得られた。SLE患者の95%はLE試験で陽性であったが、LE試験が陽性の患者がSLEにかかっている可能性は、27%に過ぎなかった。
SLE患者のAHAの認識予測値に関する研究(LE細胞試験による、Smeenk et al., Scand. J. Rheumatology, Suppl. 56, 78−92 (1985))
従って、SLEの診断試験の予測値を改善することができれば、即ち、偽陽性結果に対して真陽性結果の割合を高めることができれば、それは貴重な貢献となるであろう。
さらに、SLE患者の抗体とまったく同様に特異的であるモノクローナル抗体および抗イディオタイプ抗体を形成することができれば、そして、これらのモノクローナル抗体またはSLE患者の自己抗体それぞれに対する抗イディオタイプ抗体(モノクローナル抗体)を作ることができれば、それは有効であろう。
本発明の1つの目的は、これらの目標を達成することにある。
この目的および/または本明細書、請求範囲からわかる他の目的を達成するために、本発明においては、特に全身性エリテマトーデス(SLE)患者の体液中で、自己抗体により認識される、抗原または免疫原決定基を有するペプチドは、単一文字符号(下記参照)で表わしたアミノ酸配列が、(1)KPKAA KPKAA KPKAA KPKKA APKKK(2)PEPAK SAPAP KKGSK KAVTK AQKKD GKKRK RSEKE および(3)SYSVY VYKVL KQVHP DTGIS SKAMG IMNSF VNDIF ERIAGEであることを本質的に特徴とする。
本発明の更に有利な展開および便利な形態は、その後の請求範囲および次の記載からわかるであろう。
次の天然および合成ペプチドを試験した(下記のように、単一文字符号で表わす)。
GLY=G、ALA=A、VAL=V、LEU=L、ILE=I、PHE=F、PRO=P、SER=S、THR=T、CYS=C、MET=M、TRP=W、TYR=Y、ASN=N、GLN=Q、ASP=D、GLU=E、LYS=K、ARG=R、HIS=H
ヒストンH1ペプチドH1 N末端:3−31APAAP AAAPP AEKTP VKKKA AKKPA GAH1:55−75RSGVSLAALK KALAA AGYDVEH1:97−116TKGTG ASGSF KLNKK AASGEH1:76−116KNNS RIKLG LKSLV SKGTL VETKG TGASG SFKLN KKAAS GEH1:66−116ALAA AGYDV EKNNS RIKLG LKSLV SKGTL VETKG TGASG SFKLN KKAA SGEH1:55−166RSGVS LAALK KALAA AGYDV EKNNS RIKLGLKSLV SKGTL VETKG TGASG SFKLN KKAASGEH1 C末端:187−211KPKAA KPKAA KPKAA KPKAA APKKK
ヒストンH2BペプチドH2B:1−35PEPAK SAPAP KKGSK KAVTK AQKKD GKKRKRSEKEH2B:36−76SYSVY VYKVL KQVHP DTGIS SKAMG IMNSFVNDIF ERIAG EH2:77−93ASRLA HYNKR STITS REH2B:94−105IQTAV RLLLP GEH2B:106−113LAKHA VSEH2B:113−125GTKAV TKYTS SKH2B:N末端1−21PEPAK SAPAP KKGSK KAVTKAH2B:N末端4−11AKSAPAPK
ヒストンH2AペプチドH2A N末端SGRGK QGGKA RAKAK TRSSR AG
ヒストン配列H2A:SGRGK QGGKA RAKAK TRSSR AGLQF PVGRV HRLLR KGNYA ERVGA GAPVY LAAVL EYLTA ELLEL AGNAA RDNKK TRIIP RHLQL AIRND EELNK LLGKV TIAQG GVLPN IQAVL LPKKT ESHHK AKGK
ELISAにより、122のリューマチおよびSLE血清の自己抗体(80SLE血清、42リューマチ血清を含む)のエピトープをH1、H2BおよびH2Aペプチドでチャートにとった。SLE血清の80%および全血清の66%が、H1のC末端とH2BのN末端の両方に陽性に反応した。よって、この2つの領域の組合せは、マーカー配列、従って、SLE患者の判別基準と考えられるべきである。これらの領域に関する構造データおよび抗原性計算から、生体内および生体外で生成された患者自身の抗体の同種エピトープが、H2BのN末端およびH1のC末端の優性抗原形質を明らかにしている。
ELISA(酵素結合免疫吸着測定法)については、特別の高活性表面を有するヌンク社のF16モジュールを使用した。試験の目的に応じて、被試験抗体(直接ELISAまたはサンドイッチ試験で)あるいは抗原(間接ELISAで)のいずれかが、マイクロタイトレーションプレートの表面に結合した。抗原を、50μg/mlの濃度で、pH9.7の0.05M炭酸塩緩衝液に溶解した。抗体溶液、細胞からの上澄み液および尿サンプルを、同一緩衝液に1〜3倍に希釈し、それぞれの場合について、100μlをマイクロタイトレーションプレート上にピペットで分注した。4℃、24時間で、結合が起こった。翌日、ディッシュを空にした後、ディッシュ当り250μlの遮断薬で、36℃にて、マイクロタイトレーションプレートの活性基をブロックした。このためには、次の異なる遮断溶液を使用した。
ゼラチンの0.5%(w/v)PBS/アジド溶液;BSAの1%(w/v)PBS/アジド溶液;BSAの5%(w/v)PBS/アジド溶液;ウマ血清の10%(v/v)PBS/アジド溶液
次いで、100μlの細胞培養上澄み液(一次抗体)または1〜250の希釈血清をそれぞれ添加し、暗所で、室温にて1時間インキュベートした。ツイーン(Tween)溶液(0.1%(v/v)ツイーン20と150mMNaClからなる)でマイクロタイトレーションプレートを1回洗浄した後、100μlの複合体(0.3%(v/v)ウサギ抗(マウス−IgG)IgG−HRPまたはウサギ−抗(ヒト−IgG)IgG−HRP)をそれぞれピペットで加え、室温で1時間インキュベートした。ツイーン溶液で5回洗浄することにより、未結合抗体を除去した。
100μlのマッキルバニー(McIlvanie)緩衝液(116mMNa2HPO4+2H2O2、42mMクエン酸、pH5.6、1.5mMのオルトフェニレンジアミンと0.9mMのH2O2を含む)を添加した後、ホースラディッシュペルオキシダーゼをウサギまたはヒツジ抗体とそれぞれ結合させ、100μlの2MH2SO4で反応を抑制しながら、暗所で呈色反応を完了させた。ブラインドサンプル(blind sample)に対して照合した後、ミニリーダー(Minireader)IIを用いて、490nmで個々のディッシュの吸光度を測定し、得られた値をプリントアウトした。
自己抗体について、ELISAで122のSLE血清を試験し、H2BのN末端範囲(1−35)およびH1のC末端範囲(187−211)がSLE自己抗体の好ましいエピトープを表わすことがわかった。更に、希釈率が1〜250であると、広範囲の高タイターおよび低タイター血清をELISAで検出するのに特に好適であることがわかった。この点で、本発明者らは、主な注意をIgG−自己抗体に向けた。
結果は、次のように評価された。すなわち、患者についてのELISAは、両吸光度>0.2(カットオフ(cut off)=ダミー測定値(dummymeasurements)から0.2で、ストレイ値(stray values)の場合の補正率>0.2)であり、他の全てのペプチドと比較してこれらの値よりも明白に高ければ、陽性と評価されるだけであった。
これらの122の血清のうち、68%は、ペプチドの組合せに関し陽性であった。これらの122の血清は、80のSLE血清と42のリューマチ血清からなっていた。リューマチグループはSLE疾患を含む。42リューマチ血清の意味は、SLE血清とは異なるリューマチ血清の意味である。80人のエリテマトーデス患者のうち、80%は、Hi−CT(ヒストンH1のC terminus(carboxy−terminus))およびE1(ヒストンH2BのN terminus(amino−terminus))陽性であり、一方、42人のリューマチ患者のうち、45%は、やはりHi−CTおよびE1陽性であった。従って、H2BのN末端範囲(1−31)およびH1のC末端範囲(187−211)が、エリテマトーデス患者の自己抗体から検出された主抗原決定基を構成していた。従って、これらの2つのペプチドの組合せは、SLE患者を類別し、リューマチ患者から区別する判別基準として作用する。
SLE患者の体液内の自己抗体に対するモノクローナル抗体(抗ヒストン抗体)を生成するために、本発明で採用された方法は、次の通りであった(スケジュールI)。
(1)ヒストン配列(数学モデル)の解析
(2)抗原範囲の予測
(3)抗原範囲によるペプチドの合成;このペプチドは、一部は遊離状態で生成され、一部はキャリアー(テンタゲル(TentaGel))に結合している。
(4a)(3)による合成ペプチドでの動物(マウス)の免疫;キャリアー(例えばテンタゲル上)に結合したペプチドを使用しなければならない。
(4b)(3)による合成ペプチドでの生体外脾臓細胞の免疫;この場合、遊離またはキャリアー結合ペプチドを用いることができる。
(5)脾臓細胞の分離およびハイブリドーマ細胞を得るための癌細胞との融合;個々の(陽性)クローンの選択
(6)滲出した抗ヒストン抗体(AHA)の分離
(7)抗原として(3)による合成ペプチドを用いた、ELISAによる合成AHAの特異性と活性の調査
本発明による抗イディオタイプ抗体を生成するための本発明による方法は、次の通りであった(スケジュールII)。
(1.1)抗原の選択;抗原は、例えば、SLE患者の血清中の自己抗体における、ヒストンペプチドH1(187−211)およびH2B(1−35)に対するエピトープであるか、または、(1.2)このペプチド/ペプチドの組合せに対して生じたモノクローナル抗体における、相当するエピトープである。
(2)抗原の生成(2.1)SLE血清の抗体画分を、常法により濃縮する。
(2.2.1)(1)で規定したエピトープを有するこれらの自己抗体を、アフィニティークロマトグラフィーにより、SLE血清の濃縮抗体画分から選択的に除去する。この目的のために、(1)で規定したペプチドを、適当な方法で、適当なキャリアー物質上に化学的または吸着的に結合させる。別の方法として、適当なキャリアー物質、例えばテンタゲル上で、ペプチドを合成することも可能である。従って、まず、SLE血清の濃縮抗体画分を、キャリアー−H1(187−211)−複合体のカラムに通し、それを洗浄し、次いで、複合体に結合している自己抗体を適当な方法で溶出することができる。次いで、第2工程で、キャリアー−H2B(1−35)−複合体のカラムに、この自己抗体画分を通す。次ぎに、問題の二重特異性(double specific)または交差特異性(cross specific)自己抗体を保持し、適当な方法でカラムを洗浄した後、溶出してもよい。更に、アフィニティー工程の順序を変えること、即ち、まずキャリアー−H2B(1−35)を使用し、次いでキャリアーH1Cを使用することも可能である。
(2.2.2)(1.2)に従って二重特異性エピトープを有するモノクローナル抗体を、スケジュールI(6)に従って分離し、次いで精製する。
(3)免疫法(3.1)生体内免疫;(2)に従って生成された自己抗体またはモノクロナール抗体を、通常の方法で免疫に使用する。それらは、適当なアジュバントと組み合わせて、あるいはテンタゲルのような適当なキャリアーに結合させて、自由に用いることができる。
(3.2)生体外免疫;適当な実験動物の脾臓細胞を、常法により生体外で免疫するために、(2)に従って生成された抗体を用いてもよい。
(4)抗イディオタイプ抗体を生成する脾臓細胞の分離およびハイブリドーマ細胞を得るための適当な癌細胞との融合
(5)個々のクローンの選択および培養
(6)モノクローナルイディオタイプ抗体の分離および精製
工程(3)を使用せず、SLE患者(または自己免疫疾患の動物)の血液からB−リンパ球を分離して、腫瘍細胞と融合し、(1)に述べた特異性を有する得られたハイブリドーマ細胞から、これらのクローンを分離することも可能であろう。これらのクローンの同定は、本発明によるペプチド/ペプチドの組合せを使用して、通常の試験、例えばELISAにより行なわれる。
SLE患者の自己抗体(抗ヒストン抗体)の濃度測定が、ELISA型の方法に限定されるものでないことは、明らかである。
更に、H2Bの放射性標識N末端ペプチドおよびH1の放射性標識C末端ペプチドを用いるラジオイムノアッセイ(RIA)により、あるいは蛍光を発するように標識したH2BのN末端ペプチドおよびH1のC末端ペプチドを用いた蛍光免疫測定法(fluorescence−immuno assay)により、AHA濃度を測定してもよい。AHAに関する濃度の検出および確認が、例えば尿のような、血清以外の他の体液およびその成分で行なわれてもよいことは、当業者にとって明らかであろう。
合成されたモノクロナール抗体とヒトの病原性自己抗体の両方が、ヒストンH1およびH2の抗原決定基の特徴であることが、本発明によって見出された。非常にわずかで弱い免疫原性ヒストンの自己原性性質を改善するために、精製等級のヒストンまたは選択された合成ペプチドを別のキャリアーに結合させる。
グルタルアルデヒド架橋ヒストン複合体での生体内免疫により、コンフォーメーション抗原に対するIgM抗体(1/A8/B1)が生ずる。ユーパージット(Eupergit)Cに結合したヒストンHでの生体内免疫によれば、更に3つのモノクローナルIgM抗体、即ち1/H4/C3(IgG2a)、I/H4/C6(IgG2a)および1/H4/C10(IgG2a)が生じ、この3つは、全て軽鎖のカッパ特異性を有している。この3つのモノクローナル抗体のエピトープは、H1のC末端(187−211)にあった。これらの抗体のH2BのT末端(22−35)との交差反応は、2つの末端ヒストン範囲の配列および電荷相同によるべきである。ユーパージットに結合した、H2Bからの2つのN末端ペプチドを、生体内免疫に使用した。
抗原としては、遊離ヒストン、遊離ペプチドおよびキャリアーに結合したペプチドを使用した。遊離ヒストンH1での生体外免疫により、カッパ鎖を有するIgG2a抗体が生じ、そのエピトープも、H1のC末端である。
本発明によれば、新しい合成キャリアー物質としてテンタゲルを使用して、好結果の生体外免疫を行なうことができた。テンタゲルは、新しいクラスのグラフト共重合体粒子を構成し、そのポリスチレン核は、“周辺ブラッシ状”ポリオキシエチレン触手で囲まれている。これらのキャリアーは、ペプチド合成後直ちに、“一工程法”で生体外免疫に用いてもよい。テンタゲルは、非常に高い生物学的適合性、化学的不活性、良好な親水性、そして最後に大切なことは、免疫応答性細胞との接触のための均一なハプテン構造の最適露出を特徴としている。
生成したモノクローナル抗体は、連続フローメトリイを実施するために蛍光を発するイソチオシアネート(FITC)およびホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)と結合後、免疫拡散法、血球凝集法、ドットブロット法、種々のELISA系のような種々の免疫試験系と、ウエスターンブロット試験の両方で用いられる。
また、SLE患者の体液中の病原性SLE自己抗体によって認識される抗原決定基(エピトープ)を有するヒストンペプチドの使用による全身性エリテマトーデス(SLE)を診断及び/又は治療する方法は、以下の通りである。
すなわち、2つのヒストンペプチドが選択されることと、第1のヒストンペプチドが、少なくとも1つのエピトープ(H1−エピトープ)を含むヒストンH1のC末端のアミノ酸配列187〜211またはその一部であることと、第2のヒストンペプチドが、少なくとも1つのエピトープ(H2B−エピトープ)を含むヒストンH2BのN末端のアミノ酸配列1〜35またはその一部であることと、少なくとも1つのエピトープを含む両ヒストンペプチドまたはその一部を使用して、in vitroで動物または脾臓細胞を免疫化し、H1およびH2B上の両エピトープに対応して認識し、それにより特異性に関してSLE患者中のSLE自己抗体に類似するモノクローナル抗ヒストン抗体を産生することと、前記モノクローナル抗ヒストン抗体を使用して、in vitroで別の動物または脾臓細胞を免疫化し、抗ヒストン抗体を認識し、それによりSLE自己抗体も認識するモノクローナル抗イディオタイプ抗体を産生することと、診断及び/又は治療のために、前記モノクローナル抗イディオタイプ抗体を患者の血清と反応させて、これらの患者の血清中の病原性SLE自己抗体を検出及び/又は除去することと、を特徴とする、SLE患者の体液中の病原性SLE自己抗体によって認識される抗原決定基(エピトープ)を有するヒストンペプチドの使用による全身性エリテマトーデス(SLE)を診断及び/又は治療する方法である。
また、前記選択されたヒストンペプチドのペプチド結合が、
−CON(CH)−、
−CH−CH−、
−CO−CH−、
などで改変される。
SLEの診断または治療のためのモノクローナル抗イディオタイプ抗体の生産は具体的には以下の通りである。
ポイント1:a)ヒストンH1アミノ酸シーケンス187−211例えば1のルーパスアンティゲンエピトープ(one lupus antigen epitope)とともに、b)ヒストンH2Bアミノ酸シーケンス1−35例えば1のルーパスアンティゲンエピトープ(one lupus antigen epitope)とともに、を選択する。
ポイント2:2つのコンタクトポイントを有するアンチH1/H2B抗体(anti−H1/H2B−anibodies)の生産のため、上記a)とb)とによる第1の動物細胞または脾臓細胞への免疫付与(immunization)。
2つのコンタクトポイントを有するアンチH1/H2B抗体(anti−H1/H2B−anibodies)は、第1のコンタクトポイントが上記ルーパス抗原エピトープ(lupus H1−antigen−epitope)を用いてロック(lock)する。その第2のコンタクトポイントが上記ルーパス抗原エピトープ(lupus H2B−antigen−epitope)を用いてロック(lock)する。
このアンチH1/H2B抗体(anti−H1/H2B−anibodies)が、SLE抗体に一致する。
ポイント3:選択された腫瘍細胞(tumor cells)とともにポイント2による、モノクローナルアンチH1/H2B抗体(anti−H1/H2B−antibody)の生産又は形成。
ポイント4:ポイント3による上記モノクローナルアンチH1/H2B抗体(anti−H1/H2B−anibody)の生産のため、上記a)とb)とによる第2の動物細胞または脾臓細胞への免疫付与。
アンチ(アンチH1/H2B抗体)、anti−(anti−H1/H2B−anibody)は、SLEオートアンチボディズ(autoantibodies)に対して向けられ、対応する2つのコンタクト(1)、(2)とともにあるアンチイディオティピック抗体、anti−idiotypic antibodyと同等である。
ポイント5:選択した腫瘍細胞とともにポイント4によるモノクローナルアンチイディオチピック(idiotypic)抗体の生産又は形成。
また、本願は要約すると以下の内容を含む。
すなわち、第1発明は、ヒストンH1のカルボキシ末端におけるアミノ酸残基187−211に対応する、下記の配列識別番号1に記述するアミノ酸配列を有するペプチドと、ヒストンH2Bのアミノ末端におけるアミノ酸残基1−35に対応する、下記の配列識別番号2に記述するアミノ酸配列を有するペプチドの両方と、特異的に結合することを特徴とするモノクローナル抗体である。
(1) Lys Pro Lys Ala Ala Lys Pro Lys Ala Ala
187 197
Lys Pro Lys Ala Ala Lys Pro Lys Lys Ala
201 206
Ala Pro Lys Lys Lys (配列識別番号1)
(2) Pro Glu Pro Ala Lys Ser Ala Pro Ala Pro
5 10
Lys Lys Gly Ser Lys Lys Ala Val Thr Lys
15 20
Ala Gln Lys Lys Asp Gly Lys Lys Arg Lys
25 30
Arg Ser Glu Lys Glu (配列識別番号2)
35
第2発明は、ペプチド結合を有する認識されたアミノ酸配列が、
-CON(CH3)-
-CH2-CH2-
-CO-CH2-
から構成される群より選択された1によって改変される第1発明に係るモノクローナル抗体である。
第3発明は、前記モノクローナル抗体が、全身性エリテマトーデス(SLE)を病む患者の血清内に見られる自己抗体と同様な、前記ペプチドに対する特異度を呈することを特徴とする第1発明に係るモノクローナル抗体である。
第4発明は、第1発明に記載のモノクローナル抗体と、SLE患者の自己抗体とに特異的に結合することを特徴とする抗イディオタイプ抗体である。
第5発明は、SLEの診断用、及び/又は治療用であることを特徴とする第3発明又は第4発明に記載の抗イディオタイプ抗体である。
本発明によれば、SLEの診断を高度な確実性を持って行なうことができ、自己抗体に対するモノクロナール抗体は、SLEの治療薬を製造するのに適している。

Claims (17)

  1. 全身性エリテマトーデス(SLE)患者の体液中で、自己抗体により認識される、抗原または免疫原決定基を有するペプチドにおいて、単一文字符号で表わしたアミノ酸配列が、(1)KPKAA KPKAA KPKAA KPKKA APKKK(2)PEPAK SAPAP KKGSK KAVTK AQKKD GKKRK RSEKE および(3)SYSVY VYKVL KQVHP DTGIS SKAMG IMNSF VNDIF ERIAGEであることを特徴とするペプチド。
  2. 抗原性または免疫原性を実質的に変えないまま、−CON(CH3)−、−CH2−CH2−および−CO−CH2−のような改変ペプチド結合および/または1つまたはそれ以上のアミノ酸の挿入および/または除去および/または置換により改変されたペプチドを有する請求項1に記載のペプチド。
  3. その一部が、少なくとも1つの抗原または免疫原決定基(エピトープ)を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のペプチド。
  4. アミノ酸配列部分が、ヒストンH1のC末端領域内および/またはヒストンH2BのN末端領域内に本質的にあることを特徴とする請求項1に記載のペプチド。
  5. ヒストンH1の配列部分187−211または少なくとも1つの抗原もしくは免疫原決定基(エピトープ)を有するその一部を本質的に含むことを特徴とする請求項4に記載のペプチド。
  6. ヒストンH2Bの配列部分1−35または少なくとも1つの抗原もしくは免疫原決定基(エピトープ)を有するその一部を本質的に含むことを特徴とする請求項4に記載のペプチド。
  7. ヒストンH2Bの配列部分36−76または少なくとも1つの抗原もしくは免疫原決定基(エピトープ)を有するその一部を本質的に含むことを特徴とする請求項4に記載のペプチド。
  8. 末端領域に、自己抗体と交差反応が可能な配列および電荷相同を有する前記請求項1〜請求項7のうちのいずれか1つに記載のペプチド。
  9. ヒストンH2BのN末端およびヒストンH1のC末端であることを特徴とする請求項8に記載のペプチド。
  10. SLEの診断物質としての前記請求項1〜請求項9のうちのいずれか1つに記載のペプチド。
  11. SLE患者の自己抗体濃度を測定するための請求項10に記載のペプチド。
  12. 該自己抗体が少なくとも2つのペプチドと交差反応が可能である、SLE患者の自己抗体濃度を測定するための請求項11に記載のペプチド。
  13. ヒストンH1とヒストンH2B、ヒストンH1とヒストンH2BのN末端の少なくとも1つの配列部分、ヒストンH2BとヒストンH1のC末端の少なくとも1つの配列部分、またはヒストンH1のC末端の少なくとも1つの配列部分とヒストンH2BのN末端の少なくとも1つの配列部分の組合せである請求項12に記載のペプチド。
  14. ヒストンH1のC末端が、配列部分187−211を本質的に含み、ヒストンH2BのN末端が、配列部分1−35および/または36−76を本質的に含むことを特徴とする請求項13に記載のペプチド。
  15. ペプチドまたはペプチドの組合せそれぞれの抗原または免疫原決定基(エピトープ)を認識することを特徴とする請求項1〜請求項12のうちのいずれか1つに記載の少なくとも1つのペプチドに対するモノクローナル抗体または請求項13もしくは請求項14に記載のペプチドの組合せにおけるペプチドに対するモノクローナル抗体。
  16. 体液内の抗体、更に詳しくは、SLE患者の血清内に存在する自己抗体を認識することを特徴とする請求項1に記載の自己抗体または請求項15に記載のモノクローナル抗体それぞれに対する抗イディオタイプ抗体。
  17. SLEの診断用/または治療用である請求項16に記載の抗イディオタイプ抗体。
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