JP2006007305A - 複合部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 Al系板材と、アルミ−非金属無機材系板材とを積層して接合一体化した板状の複合部材として、低コストで生産性も高く、信頼性も高くて、ブレーキロータに適したものを提供する。
【解決手段】 アルミニウムに5〜25Vol%の非金属無機材粒子(例えばSi、あるいはAl23)が分散されてなるアルミ−非金属無機材系材料からなる2枚の皮材用素板2A,2Bに、予め一方の板面から他方の板面まで貫通する貫通孔3A,3Bを形成しておき、その2枚の皮材用素板を、Al材料からなる芯材用素板1の両面に重ね合わせて積層体4とし、その積層体を両面側から圧縮し、その圧縮力によって芯材用素板の材料を前記貫通孔内に侵入するように塑性流動させ、かつ芯材用素板の材料が貫通孔内に充満された後にもさらに圧縮が進行するように圧縮して、芯材用素板と皮材用素板とを接合する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる板状部材と、アルミ−非金属無機材系の材料からなる板状部材とを重ね合わせて接合一体化してなる板形状の複合部材の製造方法に関するものであり、特に車輌のディスクブレーキのブレーキロータ等、耐熱性や耐摩耗性を要求される用途に最適な複合部材を製造する方法に関するものである。
一般に四輪自動車やオートバイ等に使用されるディスクブレーキのロータ(ブレーキロータ)は、全体として円盤状をなす金属製基板の中央に取付孔を形成するとともに、周辺部分に環状の摺動面を形成し、取付孔を介してホイール等に取付けて使用されるものであり、制動面をブレーキパッドにより挟着することにより初期の制動力を発揮することができる。この種のブレーキロータの金属製基板としては、従来は、鋳鉄やステンレス鋼板等の一体物の鉄系材料を素材とし、これに切削加工やプレス加工を施して所定の形状に加工することによって製造するのが通常であった。
ところで自動車部品については、燃費向上等のために軽量化することが強く望まれており、ブレーキロータについても軽量化することが強く望まれる。しかしながら前述のような鋳鉄やステンレス鋼等の鉄系材料を素材として一体物で形成したブレーキロータでは、その軽量化には限界があった。
一方、軽量な金属としてはアルミニウム系材料が知られているが、アルミニウム系材料をブレーキロータに適用した場合、耐摩耗性の点で問題がある。またブレーキロータは制動時の発熱により高温となるものであり、高温強度が鉄系材料よりも格段に低いアルミニウム材料単独でブレーキロータを製造した場合、高温強度の点で問題が生じる。
そこで耐摩耗性や高温強度に優れた材料からなる板材と軽量なアルミニウム材料とからなる板材を接合一体化して、複合板材からなるブレーキロータとし、これにより全体として必要な耐摩耗性と高温強度を確保しつつ、軽量化を図ることが考えられている。
ところで同種金属を接合するための方法としては、直接溶融接合法が従来から広く適用されているが、この直接溶融接合法をアルミニウム材料と異種材料との接合に適用した場合、脆い金属間化合物を生成してしまうことが多く、そのためアルミニウム材料と異種材料との接合に適用することは実際上困難である。そこでアルミニウム材料と異種材料との接合一体化の方法としては、圧接法や機械的接合法、トランジション・ジョイント法、ろう付け法等が従来から適用されている。
また一方、アルミ基地中にセラミック粒子を分散させた複合材では、軽量性と耐摩耗性とを両立させることが可能であり、そこで軽量でかつ耐摩耗性に優れたブレーキロータを製造するための方法として、特許文献1には、アルミニウム合金板の表面に、レーザー光によりセラミック粒子を5〜25vol%ブランキングする方法が開示されている。但しこの方法の場合、実際にブレーキロータを得るためには、前述のようにしてセラミック粒子をレーザー光によりブランキングしてなるセラミック粒子含有合金板をアウターロータとし、そのアウターロータと、鉄系の異種金属からなるインナーロータとをフローティングピンを介して接続することが、実施例として開示されている。
特開平06−185551号公報
前述のようなアルミニウム材料と異種材料とを接合するために実用的に適用されている種々の方法のうち、先ず圧接法によれば、優れた継ぎ手を得ることが比較的容易ではあるが、形状面から棒状形状に制限されるのが通常であって、板材への適用は困難とされており、ブレーキロータへの適用も実際上困難である。またトランジション・ジョイント法は、予め圧接法や爆接法で作成したアルミニウム材料と異種金属からなるトランジション・ジョイントと称する接合部材に、それぞれの共金を溶接する方法であるが、異種金属のトランジション・ジョイント自体の製造コストが高価となり、また接合形状に応じた接合部材が得にくいため、特殊な用途にしか使用されておらず、低コスト化が要求されるブレーキロータ等の自動車部品には不向きである。さらに被覆法は、例えばアルミニウム板をつば付き容器形状に加工し、そのつば付き容器の内部に異種材料製のナット、例えば鋼製ナットを挿入して、ボルト貫通穴を形成した接合対象のアルミニウム板に溶接し、穴を合せてつば部先端を溶接する方法である。この方法は、信頼性は高いものの、アルミニウムのつば付き容器の製造コストが高い問題があるとともに、薄板では溶接が困難となるため適用対象が厚板に限定され、また生産性も劣る問題がある。さらにろう付け法のうち、異種金属との接合に適用される方法としてははんだ付け法があり、はんだには低融点金属のZn、Sn、Cdが用いられているが、接合強度が低い点と低融点金属の環境への影響等の点からその使用が制限されざるを得ず、ブレーキロータには不適当であった。さらに機械的接合法の場合、接合強度が低い欠点があり、特に振動を伴なうブレーキロータのような部材では、がたつきが発生しやすいため信頼性に欠け、ブレーキロータには不適当であった。
以上のように、アルミニウム系材料の板材と異種材料の板材とを接合一体化させるための従来の接合方法としては、コスト面や生産性、さらには信頼性その他の全ての要求を充分に満足する方法はなく、いずれも特に板状のブレーキロータ用の複合部材を製造するための方法に適用するには問題があった。
また前記特許文献1に開示されているようなセラミック粒子含有合金板からなるアウターロータと鉄等の異種金属からなるインナーロータとをフローティングピンを介して接続する構造のブレーキロータを製造するにあたっては、厚さ5mmのセラミック粒子含有アルミニウム合金板からドーナツ板形状に切断するために、セラミック含有アルミニウム合金材料を多量に使用し、無駄が多くならざるを得ず、またそればかりでなく、異種金属からなるアウターロータとインナーロータとが分離されていてフローティングピンで結合されているだけであるため、制動面をブレーキパッドで挟着した際にアウターロータ側で発生した熱がインナーロータ側へ放熱され難く、さらにはアウターロータとして用いているセラミック粒子を5〜25vol%含有するアルミニウム合金板は、張出し加工や曲げ加工性が著しく劣り、そのため平板形状の部品以外には利用しづらいという問題もある。
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、アルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる板材とアルミ−非金属無機材系の材料からなる板材とを接合一体化した板状の複合部材を製造するための方法として、比較的低コストでかつ生産性も高く、また信頼性も高く、また特にブレーキロータ用の複合部材を製造するための方法として、耐摩耗性、放熱性に優れたブレーキロータが得られ、かつ材料の無駄も少なく、さらには製品形状の制約も少ない方法を提供することを課題とするものである。
本発明者等が前述の課題を解決するべく種々実験・検討を重ねた結果、アルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる平板上の芯材の両面に、アルミニウム基地中にSiやセラミック等の非金属無機材粒子が分散されたアルミ−非金属無機材系の材料からなる平板状の皮材を重ね合わせて接合一体化することにより平板状の複合部材を製造することとし、かつその接合一体化のための具体的手段として、基本的には圧接法をベースとしながらも、従来の一般的な圧接法とは異なり、圧縮時に特殊な変形挙動を生じさせるようにして、アルミニウム系材料とアルミ−非金属無機材系の材料という異種材料の板材同士で良好な接合が得られる方法を見出し、この発明をなすに至った。
具体的には、請求項1の発明は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる平板状の芯材の両面に、アルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる基地中に5〜25vol%の非金属無機材粒子が分散されたアルミ−非金属無機材系の材料からなる平板状の皮材を重ね合わせて、これらを接合一体化してなる複合部材の製造方法において、前記アルミ−非金属無機材系の材料からなる2枚の皮材用素板に、予めその一方の板面から他方の板面まで貫通する貫通孔を形成しておき、その2枚の皮材用素板を、アルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる芯材用素板の両面に重ね合わせて積層体とし、その積層体についてその両面側から圧縮し、その圧縮力によって芯材用素板の材料を前記貫通孔内に侵入するように流動変形させ、かつ芯材用素板の材料が貫通孔内に充満された後にもさらに圧縮が進行するように圧縮して、芯材用素板と皮材用素板とを接合することを特徴とするものである。
また請求項2の発明は、請求項1に記載の複合部材の製造方法において、前記皮材用素板の貫通孔の最大径dL0と、芯材用素板の初期外径の最小径dC0との関係が、次の(1)式:
50>dC0/dL0>1 ・・・(1)
を満たすように各素板を用意して、積層体を圧縮することを特徴とするものである。
さらに請求項3の発明は、請求項1もしくは請求項2に記載の複合部材の製造方法において、前記積層体を圧縮するにあたり、圧縮過程中途の前記貫通孔内に芯材用素板の材料が充満された時点での芯材用素板における皮材用素板に挟まれている部分の芯材用素板の厚みをhC1、貫通孔内に芯材用素板の材料が充満された後さらに圧縮が行なわれて最終的に圧縮が終了した時点での芯材における皮材に挟まれている部分の芯材厚みをhC2とし、これらの厚みhC1、hC2が、次の(2)式:
0.01≦(hC1−hC2)/hC1 ・・・(2)
を満たすように圧縮することを特徴とするものである。
そしてまた請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3に記載の複合部材の製造方法において、前記積層体を圧縮するにあたり、芯材用素板の温度を180℃以上350℃未満の範囲内の温度に制御した状態で圧縮することを特徴とするものである。
さらにまた請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかの請求項に記載の方法によってブレーキロータ用素板を製造することを特徴とするものである。
この発明の方法によれば、接合不良が生じることなく良好な接合性でアルミニウム系材料の芯材とアルミ−非金属無機材系材料の皮材とを接合一体化することができ、また信頼性、生産性、コスト面のいずれの面でも優れている。またこの発明の方法によれば、予め最終的な形状(例えば取付孔を有するブレーキロータの如く環状部材)を予測した形状の芯材用素板や皮材用素板を使用することによって、材料歩留りを大幅に向上させることができるとともに、複合部材で問題となりやすいリサイクルについての問題を大幅に軽減することができる。さらにこの発明の方法をブレーキロータの製造に適用すれば、両面側に皮材としてアルミ−非金属無機材系材料が存在するため、良好な耐摩耗性を確保できると同時に、高い高温強度を確保することができ、一方軽量なアルミニウム系材料が芯材として用いられることから、鉄系材料の一体物からなるブレーキロータと比較して格段に軽量化することができるとともに、芯材のアルミニウム系材料の熱伝導率が高いところから、芯材が伝熱媒体として機能して放熱を効果的に行なうことができ、結局、耐摩耗性、高温強度、放熱性が良好でかつ軽量なブレーキロータを得ることができる。
またブレーキロータの製造方法として前記特許文献1に開示されている方法と比較すれば、この発明の方法は、アルミ−非金属無機材系材料(セラミック粒子含有アルミニウム合金に対応する)をアウターロータの制動面のブレーキパッドで挟着する部分にのみ接合する方法であるため、アルミ非金属無機材系材料の使用量も少なくて済み、またアウターロータとインナーロータとを分離せずに一体型としているため、制動面のブレーキパッドで挟着する部分で発生した摩擦熱を効率良く放散することができる利点があるとともに、インナーロータに相当する部分に張出しや曲げ等の加工を施すことが可能となり、ブレーキロータを含む機械構造部品を製造する際に形状の制約を受けにくいという利点もある。
この発明の方法においては、芯材用素板としては、純アルミニウムもしくは種々のアルミニウム合金が用いられる。その芯材用素板のアルミニウムもしくはアルミニウム合金の具体的な成分組成は限定されるものではなく、最終の用途、使用環境等によって適宜選択すればよい。例えばブレーキロータとして用いる場合、JIS A5052合金、A5454合金等を用いることが望ましい。
一方、皮材用素板として用いるアルミ−非金属無機材系の材料は、要はアルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる基地中にSiやセラミック等の非金属無機材粒子が5〜25Vol%分散された耐熱性、耐摩耗性に優れた材料であれば良く、具体的には、Siを6%以上含んで共晶Siや単体Siがアルミニウムマトリックス中に晶出、析出しているAl−Si系合金、あるいは非金属無機材粒子として酸化物、窒化物、炭化物系等のセラミック粒子(繊維を含む)がアルミニウムマトリックス中に分散配合されている複合材等を用いることができる。
より具体的には、前者の例としては、耐熱合金として知られるSiを6%以上含む共晶型Al−Si系合金の4032、4043、4343等や、AC3A(12%Siの共晶組成のシルミン)等を用いることができ、また後者の例としては、Al23、SiC、Si34、B4C等のセラミック粒子や繊維を分散配合した金属基複合材料(MMC:Metal matrix composites)等を用いることができる。
なおここで皮材用素板に用いるアルミ−非金属無機材系の材料中に含まれる非金属無機材粒子の割合が5Vol%未満では、耐熱性、耐摩耗性が不足するおそれがあり、一方25Vol%を越えれば加工性が低下するから、非金属無機材粒子の割合は5〜25Vol%の範囲内とした。
ここで芯材用素板および皮材用素板の形状について図1を参照して説明すると、芯材用素板1は、全体として平坦な板状(平板状)に作られている。芯材用素板1の平面的な形状は後に改めて説明するように特に限定されないが、通常は円形とされることが多い。一方皮材用素板2A,2Bは、全体として平坦な板状(平板状)に作られていて、それぞれその中央部分に一方の板面から他方の板面まで貫通する貫通孔3A,3Bが形成されている。これらの貫通孔3A,3Bの断面形状(板面側から見た穴形状)は特に制約されるものではないが、通常は円形とされ、場合によっては矩形その他の多角形状、あるいは星型としても良い。なお皮材用素板2A,2Bの全体の平面的形状も特に限定されないが、通常は芯材用素板1と同様に円形とされることが多い。
上述のようなアルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる芯材用素板1およびアルミ−非金属無機材系材料からなる皮材用素板2A,2Bを用いてこの発明を実施するにあたっては、先ず図2の(A)に示すように、芯材用素板1の両面側に皮材用素板2A,2Bを重ね、積層体4とする。このとき、一方の皮材用素板2Aの貫通孔3Aと他方の皮材用素板2Bの貫通孔3Bとの間の部分に芯材用素板1の中央部分が位置している状態、すなわち各貫通孔3A,3Bの一方の側が皮材用素板1によって塞がれている状態とする。そのためには、通常は芯材用素板1の中心と皮材用素板2A,2Bの中心とを一致させてこれらを重ね合わせれば良い。
このような積層体4を、平坦工具、例えばプレス装置の表面が平坦な金型によってその両面側から圧縮する。具体的には、図2の(A)〜(D)に示すように、プレス装置の上金型5A、下金型5Bとの間に積層体4を配置し、固定された下金型5Bに対して上金型5Aを下降させて積層体4を上金型5A、下金型5Bの間に挟み、さらに上金型5Aを下降させて積層体4の全体を圧縮する。この圧縮時においては、アルミ−非金属無機材系材料からなる皮材用素板2A,2Bよりも相対的に軟質で変形能の高いアルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる芯材用素板1の材料は、単に厚みが減少して外周方向へ径が拡大するだけではなく、図2の(B)に示すようにその芯材用素板の材料の一部が皮材用素板2A,2B内の貫通孔3A,3B内に侵入するように塑性流動し、さらに貫通孔3A,3B内に芯材用素板の材料が完全に充満した後にも、図2の(C)に示すように圧縮が進行して塑性流動が進むことにより、芯材と皮材との良好な接合が得られるのである。これらの塑性流動の挙動について図2を参照して次に詳細に説明する。
先ず仮に2種以上の材料をプレス等により圧縮接合するための従来の一般的な手法に準じて、貫通孔のない2枚の皮材によって芯材を挟んで積層体とし、平坦工具によりその両面側から圧縮した場合を想定すれば、その場合には芯材は圧縮されて厚さが減少し、外径方向に伸びて外周が拡大するだけである。この場合、外径方向に芯材の材料が流れるときには、中心付近に左右前後への流動の分岐点、すなわち中立点と称される材料の流動しない領域が発生することになる。このような中立点領域では、皮材と芯材との間の相対すべりがほとんどないため、両者の物理的接合が充分に行なわれない。またこのような圧縮接合時において皮材と芯材との間に介在する空気は接合の阻害要因となるが、前述のような貫通孔のない皮材を用いた場合、圧縮時には皮材と芯材との間の空気は外周方向へのみ逃げることになり、中立点領域付近では皮材と芯材との間の空気がそのまま封じ込まれてしまいやすい。そしてこれらが相俟って、中立点付近での接合が不充分となり、またこのように充分に接合されない範囲(非接合領域)の大きさのばらつきも大きく、したがってこのような方法を工業的に板材に適用することは不適当である。
これに対し、この発明の方法の場合は、皮材用素板2A,2Bに貫通孔3A,3Bを形成しているため、積層体4を、平坦工具(金型5A,5B)により圧縮すれば、先ず図2の(B)に示すように、芯材用素板1の材料は外周方向へ材料が流れると同時に、貫通孔3A,3B内に流入し、またそれに伴って芯材用素板1の材料は中心部に向けて材料が流れる。したがって芯材用素板1の材料は、内径方向(貫通孔3A,3Bに向う方向)と外径方向との2方向に流れるところから、貫通孔3A,3Bよりも外径側の皮材用素板2A,2Bに挟まれている円環状領域のうち、その中間位置において材料が塑性流動しない中立点Pが発生する。ここで、上述の状態で圧縮を終了してしまった場合には、円環状部位の中間の中立点Pの存在により、充分な接合が得られない。しかるにこの発明の方法の場合には、貫通孔3A,3B内に芯材用素板1の材料が充満された後にも圧縮を継続させることとしているため、中立点を排除することができる。すなわち貫通孔3A,3B内に芯材用素板1の材料が充満された後の圧縮過程では、芯材用素板1の材料は、図2の(C)に示すように圧縮により外径方向へのみ流動するため、前述のような円環状部分の中間の中立点Pが消滅し、芯材用素板1と皮材用素板2A,2Bとが接触している部分では全ての領域にわたってその接触面で相対滑りが生じ、その全ての領域にわたって充分に接合されることになる。
このようにして圧縮過程が終了すれば、結果的に芯材用素板の材料が流動しない部分、すなわち中立点と称される領域は、貫通孔3A,3B内の位置のみに存在することになり、その他の皮材用素板2A,2Bに挟まれている部分の芯材用素板1の材料は全て塑性流動することになる。また皮材用素板2A,2Bと芯材用素板1との間に介在する空気は、圧縮時の初期においては、外側のものは外周方向に逃げる一方、中心部寄りのものは貫通孔3A,3B内に逃げ、また圧縮の後期においては、もっぱら外周方向に逃げ、その結果芯材と皮材との間の空気の封じ込めはほとんど生じない。
このように、この発明の方法の場合、貫通孔を除く部分、すなわち皮材と芯材とが接合されるべき部分では、圧縮時に塑性流動のない中立点が残ることがなく、全ての領域にわたって芯材材料の塑性流動が生じ、また皮材と芯材との間における空気の封じ込みも生じないため、皮材と芯材とは非接合領域が生じることなく、確実かつ充分に接合されるのである。
ここで、皮材用素板に形成しておく貫通孔の断面形状は特に限定されるものではなく、円形のほか、矩形、外筒形状、星型等任意で良いが、その貫通孔の最大径をdL0mmとし、芯材用素板の初期外径の最小径をdC0mmとすれば、これらを次の(1)式
50>dC0/dL0>1 ・・・(1)
を満たすように定めることが望ましい。但しここで芯材用素板の初期外径の最小径とは、圧縮前における芯材の中心位置(貫通孔の中心位置に対応する)を基準とした外径直径の最小値を意味し、円形の芯材用素板の場合は通常はその直径自体が初期最小径に相当する。
ここで、(1)式の条件が望ましい理由は次の通りである。すなわち、芯材用素板に貫通孔を形成しておく目的は、塑性流動の中立点の排除と、空気の封じ込め排除とにあることから、貫通孔の形状は特に問わないが、芯材の初期外径の最小径dC0と貫通孔の最大径dL0との比dC0/dL0が1以下では、最初から芯材が貫通孔内に入ってしまうか、または貫通孔の一部に芯材用素板で覆われない部分が生じてしまうため、その積層体を圧縮しても、芯材用素板と皮材用素板とが塑性流動面で接触することが全くできないか、または少なくとも塑性流動面で接触できない部分が局部的に生じ、その結果塑性流動面による接合が全く行なわれないか、または少なくとも一部に塑性流動面での接合が生じずに、接合不良が発生することがある。
一方、dC0/dL0の比が50以上となれば、芯材用素板の材料の塑性流動する範囲が大きくなって、圧縮に多大な荷重が必要となり、そのため圧縮のためのプレス装置が大型化してコスト面で不利となり、また同時に中立点の排除が充分でなくなることもある。
したがって(1)式に示すようにdC0/dL0の比は、1を越え50未満の範囲内と定めた。なお実用上は、その範囲内でも特に10>dC0/dL0>1.5の範囲内が好ましい。
さらにこの発明の方法を実施する場合、積層体の圧縮過程において皮材用素板の貫通孔内に芯材用素板の材料が充満された時点での芯材用素板における皮材用素板に挟まれている部分の厚みをhC1mm、また貫通孔内に芯材用素板の材料が充満された後、最終的に圧縮が終了した時点での芯材用素板における皮材用素板に挟まれている部分の厚み(したがって圧縮接合後の同部分の芯材厚み)をhC2mmとすれば、これらの厚みhC1、hC2が、次の(2)式
0.01≦(hC1−hC2)/hC1 ・・・(2)
を満たすように圧縮することが望ましい。具体的には、(2)式が満たされるように芯材用素板の厚みや皮材用素板の厚み、貫通孔の大きさ(容積)、圧縮量(圧下率)等を定めることが望ましい。
このように(2)式を満たすように圧縮することが望ましい理由は次の通りである。
すなわち、圧縮開始によって芯材用素板の材料が塑性流動を開始し、貫通孔内に芯材用素板材料が充満されるまでの間においては、空気の封じ込みは貫通孔により排除されているが、その間、芯材用素板の材料は、前述のように内径方向(貫通孔に向う方向)と外径方向との2方向に流れるところから、貫通孔よりも外側の皮材用素板に挟まれている領域のうち、貫通孔内径と芯材用素板外径との中間の円環状部分に中立点が発生する。したがってその状態で圧縮を終了してしまった場合には、既に述べたように円環状の中立点の存在により、充分な接合が得られない。しかるにこの発明の方法の場合、既に述べたように貫通孔内に芯材用素板の材料が充満された後にも圧縮を継続させて、芯材の材料を外径方向へのみ流動させているため、前述のような円環状の中立点が消滅し、芯材用素板と皮材用素板とが接触している部分では全ての領域にわたってその接触面で相対滑りが生じ、その全ての領域にわたって充分に接合されることになる。このような接合メカニズムにおいて、(hC1−hC2)/hC1の値、すなわち貫通孔内に芯材用素板の材料が充満された時点より後の圧縮過程における厚み減少率(圧下率)が0.01より小さければ、貫通孔内に芯材用素板の材料が充満された後の圧縮過程での塑性流動が充分ではなくなって、前述の円環状中立点を充分に消滅させることが困難となり、充分な接合が得られなくなるおそれがある。なお(2)式の範囲内でも特に0.2≦(hC1−hC2)/hC1≦0.7の範囲内とすることが望ましい。ここで(hC1−hC2)/hC1の値が0.7を越えれば、芯材のアルミニウムもしくはアルミニウム合金板の厚みが薄くなり過ぎて、構造部材等としての強度が不足するおそれがある。
また前述のように積層体を圧縮するにあたっては、芯材用素板の温度を180℃以上、350℃未満の範囲内の温度に維持した状態で圧縮を行なうことが望ましい。
すなわち、アルミニウムおよびアルミニウム合金は、一般に変形抵抗が小さく、圧縮加工に適した素材ではあるが、180℃未満の温度域では変形抵抗が未だかなり大きく、そのため大きな加圧力を必要としてプレス等の圧縮装置のコスト増大を招く。しかるに180℃以上では、変形抵抗の減少が著しくなり、わずかな圧縮力で圧縮変形可能となる。一方350℃以上の高温となれば、皮材用素板の貫通孔内に充満された芯材材料(アルミニウムもしくはアルミニウム合金)および皮材用素板のアルミ−非金属無機材系材料中のアルミ分が圧縮工具(平坦工具)表面に付着しやすくなって、作業性が低下し、また皮材用素板として用いられているアルミ−非金属無機材系材料の表面が酸化・変色して、接合しにくくなるおそれがある。したがって小さい圧縮力で接合性を高めかつ作業性も良好とするためには、前述のように180℃以上、350℃未満の温度域に芯材用素板を維持した状態で圧縮を行なうことが望ましい。
なお上述のように芯材用素板を180℃以上、350℃未満の温度域内に維持した状態で圧縮を行なうための具体的手段としては、たとえば積層体をその両面側から圧縮するための平坦工具(金型)にヒータと熱電対等の温度センサを埋め込んでおき、温度センサの検出温度によりヒータをフィードバック制御すれば良い。
なおまた、接合性をより高めるためには、芯材用素板、皮材用素板について、予め表面の酸化皮膜や油汚れ、人間汗、その他の異物等を除去しておくことが望ましい。すなわち、芯材用素板や皮材用素板の表面(接合界面)に酸化皮膜が存在すれば接合が不充分となるから、圧縮加工前に各素板の表面の酸化皮膜をエッチングあるいはサンドペーパー等により除去しておくことが望ましく、また油汚れや人間汗、異物が表面に存在しても接合が不充分となることがあるから、洗浄等によりこれらを確実に除去しておくことが望ましい。
以上のようにして圧縮接合された積層体状の複合部材、すなわちアルミニウムもしくはアルミニウム合金を芯材としてその両面にアルミ−非金属無機材系材料からなる皮材を接合してなる複合部材を、実際の最終製品に使用するにあたっては、適宜切削加工やプレス打抜加工等を行なって、最終製品形状に加工すれば良い。
例えばブレーキロータに使用する場合には、外周部分を真円状に加工するとともに、中央の貫通孔に相当する部分(芯材材料によって埋められている)を打抜きや切削により除去して、その部分をブレーキロータ取付孔とすれば良い。なお用途によっては貫通孔に相当する部分を除去せずに最終製品として使用することも考えられる。
実施例1
芯材用素板として、アルミニウム合金(A5052合金O材)からなる板厚5mm、外径50mmの円板状打抜材を用意した。一方、皮材用素板のアルミ−非金属無機材系の材料としては、Al−Si共晶型合金である4032合金(12%Si)を用い、かつ貫通孔の有無の影響、および貫通孔の最大径dLOと芯材用素板の初期外径の最小径dCOとの比dCO/dLOの値による影響を調べるため、中心部に貫通孔を形成していない皮材用素板、中心部に直径(dLO)が5mmの円形状の貫通孔を有する皮材用素板、同じく中心部に直径(dLO)が30mmの円形状の貫通孔を有する皮材用素板、合計3種類の素板を用意した。なおいずれの皮材用素板も厚みは0.4mm、外径60mmの円板状のものである。そして芯材用素板の両面を80番ペーパー砥石により表面を研磨し、その後メチルエチルケトン中にて超音波洗浄を行なった。一方、各皮材用素板の片面を320番ペーパー砥石にて研磨し、次いでメチルエチルケトン中にて超音波洗浄を施した。これらの芯材用素板および2枚の皮材用素板を重ね合わせ、その積層体を図3、図4に概略的に示すような50ton、4ポストタイプの油圧プレス装置により圧縮した。
ここで、図3において5A,5Bは圧縮用平坦工具としての表面が平坦な上下金型であり、上金型5Aは枠体6内を油圧シリンダ9により昇降可能なスライド7に保持されており、下金型5Bは枠体6に固定されたボルスター8に保持されている。そして上金型5A、下金型5Bには、図4に示すようにそれぞれ複数のヒータ10が埋め込まれるとともに、温度センサとしての熱電対11が埋め込まれており、温度コントローラ12によって温度制御されるようになっている。
上述のような油圧プレス装置によって前述の積層体を圧縮するにあたっては、予め上述の温度制御によって上金型5A、下金型5Bを種々の一定温度(室温〜400℃の範囲内)に加熱保持しておき、その一定温度の状態で上金型5A、下金型5Bの間に積層体を挟み、3分間保持した後、50tonの加圧力で加圧して圧縮し、接合した。なおここで300℃の金型で3分間挟んだ場合、通常は約1.5分で金型温度と同一となることが予想されるが、ばらつきに対する安全性を考慮して、3分間挟むこととした。なおまた、この圧縮接合過程では、芯材厚みに関する前記(2)式の値(hC1−hC2)/hC1を調べた。
得られた接合体(複合部材)について、中央部(但し貫通孔を有する芯材用素板を用いた場合は、貫通孔よりも外側の部分で、貫通孔寄りの部分、すなわち貫通孔内縁に近い接合部分を意味する)および外周に近い部分(外側部)における接合性と、中央部の浮きの有無(接合界面が密着せず、皮材と芯材との間が離れて皮材が浮き上がっている状態の有無)を断面を金属組織顕微鏡により観察し、接合界面が完全に金属接合されている場合に○印を付し、接合界面が充分に金属接合されていない場合に×印を付し、さらに一部に金属接合されていない部分があるが実用上支障のない程度の場合に△印を付した。また中央部の浮きの有無は、接合界面を観察して接合界面が離れている場合に×印を付し、密着している場合に○印を付した。
Figure 2006007305
表1に示すように、皮材用素板として貫通孔のないものを用いた製造番号1〜7の比較例のうち、180℃未満の低温で圧縮接合を行なった例(製造番号1,2)の場合は、中央部の板の浮きは認められないものの、中央部分、外側部分ともに接合しておらず、また180℃以上の温度で圧縮接合を行なった例(製造番号3〜7)の場合は、外側部分はいずれも接合されていたが、中央部では板の浮きが認められ、接合していなかった。
一方、中心に貫通孔を形成した皮材用素板を用いた例(製造番号8〜17)では、加工温度、圧縮値を種々変化させた全ての例において、中央部での板の浮きが認められなかった。そしてこれらのうち、180℃未満の低温で圧縮接合を行なった例(製造番号8〜11)の場合は、中央部および外側部分で良好な接合が得られなかったが、180℃以上350℃未満の範囲内の温度で圧縮接合を行なった例(製造番号12〜15)の場合は、中央部分、外側部分、ともに良好な接合が得られた。一方350℃以上の高温で圧縮接合を行なった例(製造番号16、17)の場合は、接合性が若干劣っていた。ここで、前述の製造番号12〜15の例の場合、dCO/dLOの値、および(hC1−hC2)/hC1の値もこの発明で規定する範囲内となっており、圧縮接合温度がこの発明で規定する範囲内となっていることと相俟って、優れた接合性が得られたものと思われる。
実施例2
この実施例2は、皮材用素板の貫通孔として正方形のものを形成した場合について、加圧による圧縮接合過程における芯材厚みの変化量(hC1−hC2)/hC1が及ぼす影響および圧縮接合温度(加工温度)が及ぼす影響を調べるためのものである。すなわち、芯材用素板としてA5052合金O材のアルミニウム板からなる外径50mmの円板状の種々の厚みのものを用い、皮材用素板として、実施例1の場合と同様なAl−Si共晶型合金の4032合金からなり、外径が60mmでかつ中央部に正方形状(一辺が10mm)の貫通孔を有する種々の厚みのものを用いた。そして実施例1と同様にこれらの素板について、研磨、洗浄を行なってから実施例1と同様に重ね合わせ、その積層体について実施例1と同様なプレス装置を用いて、加圧による圧縮接合を行なって、接合体(複合部材)を得た。なお加工温度(圧縮接合温度)および圧縮量は種々変化させた。またこの圧縮接合過程では、前記(2)式の値(hC1−hC2)/hC1を調べた。
得られた接合体(複合部材)について、断面の金属顕微鏡による観察によって接合界面の接合性を調べるとともに、中央部分の浮き(接合界面の離れ)と、平坦工具表面(平坦金型表面)へのアルミニウムの凝着の有無、および皮材の酸化の有無を調べた。これらの結果を表2に示す。
なお表2において、接合性は、中央部分、外側部分を問わず、完全に金属接合されている場合に○印を付し、一部に金属接合されていない界面が存在するが、実用上支障のない程度の場合に△印を付し、金属接合されていない部分が広くて実用上問題が生じる場合に×印を付した。また中央部の浮きについては、界面の離れが存在しない場合に○印を付した。さらに工具へのアルミ凝着は、凝着が全くなかった場合に○印、わずかに凝着が見られたが実用上支障のない程度の場合に△印、凝着が激しく、操業上問題が生じる場合に×印を付した。そしてまた皮材の酸化については、皮材の酸化が全く認められなかった場合に○印を付し、わずかに酸化が認められたが実用上支障がない場合に△印を付した。
Figure 2006007305
表2に示すように、圧縮接合温度が180℃未満の場合(製造番号18、19)には、良好な接合性が得られなかった。
一方、圧縮接合温度が180℃以上の場合(製造番号20〜29)には、接合性はほぼ良好であった。そしてこれらのうち、圧縮接合温度がこの発明で規定する上限(350℃未満)を越える例(製造番号26〜29)の場合は、工具へのアルミの凝着が生じ、特に400℃以上の例(製造番号27〜29)では、皮材の酸化による変色が生じた。一方、圧縮接合温度がこの発明の範囲内(180℃以上、350℃未満)の例(製造番号20〜25)では、工具へのアルミの凝着は生じず、また皮材の酸化による変色も生じなかった。またここで、これらの製造番号20〜25の例の場合は、いずれもdCO/dLOの値、(hC1−hC2)/hC1の値がこの発明で規定する範囲内となっており、圧縮接合温度がこの発明で規定する範囲内となっていることと相俟って、優れた接合性が得られたものと考えられる。
実施例3
芯材用素板として、アルミニウム合金(A5052合金O材)からなる板厚5mm、外径50mmの円板状打抜材を用意した。一方皮材用素板のアルミ−非金属無機材系の材料としては、アルミニウム基地中に平均粒径2〜4μmのセラミック粒子(Al23もしくはSiC)が20Vol%で分散している複合材を用いた。そして皮材用素板は、上述のような複合材からなる板厚0.4mm、外径60mmの円板状板材の中央に直径30mmの円形状貫通孔を形成したものを用意した。そしてこれらの素板について、実施例1と同様に研磨、洗浄を行なった後、実施例1と同様に重ね合わせて、実施例1と同様に保持・加圧接合を行なった。なお加熱保持温度は300℃とした。またdCO/dLOの値は5.0、(hC1−hC2)/hC1の値は0.17とした。
得られた接合体(複合部材)について、接合部分の断面を金属顕微鏡により観察したところ、接合界面の不良はなく、全体にわたって良好かつ充分に接合されていることが確認された。
この発明の方法に用いられる芯材用素板および皮材用素板の一例を示す斜視図である。 この発明の方法に従って積層体を圧縮接合する状況を段階的に示す略解的な縦断面図である。 この発明の実施例において使用した油圧プレス装置の全体構成を概略的に示す正面図である。 この発明の実施例において使用した油圧プレス装置の金型部分の温度制御のための構成を示す平面図である。
符号の説明
1 芯材用素板
2A,2B 皮材用素板
3A,3B 貫通孔
4 積層体
5A 上金型
5B 下金型

Claims (5)

  1. アルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる平板状の芯材の両面に、アルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる基地中に5〜25vol%の非金属無機材粒子が分散されたアルミ−非金属無機材系の材料からなる平板状の皮材を重ね合わせて、これらを接合一体化してなる複合部材の製造方法において、
    前記アルミ−非金属無機材系の材料からなる2枚の皮材用素板に、予めその一方の板面から他方の板面まで貫通する貫通孔を形成しておき、その2枚の皮材用素板を、アルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる芯材用素板の両面に重ね合わせて積層体とし、その積層体についてその両面側から圧縮し、その圧縮力によって芯材用素板の材料を前記貫通孔内に侵入するように流動変形させ、かつ芯材用素板の材料が貫通孔内に充満された後にもさらに圧縮が進行するように圧縮して、芯材用素板と皮材用素板とを接合することを特徴とする、複合部材の製造方法。
  2. 請求項1に記載の複合部材の製造方法において、
    前記皮材用素板の貫通孔の最大径dL0と、芯材用素板の初期外径の最小径dC0との関係が、次の(1)式:
    50>dC0/dL0>1 ・・・(1)
    を満たすように各素板を用意して、積層体を圧縮することを特徴とする、複合部材の製造方法。
  3. 請求項1もしくは請求項2に記載の複合部材の製造方法において、
    前記積層体を圧縮するにあたり、圧縮過程中途の前記貫通孔内に芯材用素板の材料が充満された時点での芯材用素板における皮材用素板に挟まれている部分の芯材用素板の厚みをhC1、貫通孔内に芯材用素板の材料が充満された後さらに圧縮が行なわれて最終的に圧縮が終了した時点での芯材における皮材に挟まれている部分の芯材厚みをhC2とし、これらの厚みhC1、hC2が、次の(2)式:
    0.01≦(hC1−hC2)/hC1 ・・・(2)
    を満たすように圧縮することを特徴とする、複合部材の製造方法。
  4. 請求項1ないし請求項3に記載の複合部材の製造方法において、
    前記積層体を圧縮するにあたり、芯材用素板の温度を180℃以上350℃未満の範囲内の温度に制御した状態で圧縮することを特徴とする、複合部材の製造方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかの請求項に記載の方法によってブレーキロータ用素板を製造することを特徴とする、ブレーキロータの製造方法。
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