JP2006007087A - 汚泥の濃縮方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】汚泥の処理サイクルの時間短縮をはかりつつ、濃縮汚泥の濾材からの剥離性を高め、かつ、濃縮汚泥濃度を高めることができるようにした汚泥の濃縮方法を提供する。
【解決手段】汚泥を処理槽内の濾過筒の濾材で濾過し、固形分は濾材で捕捉するとともに、濾液を濾過筒内部から処理槽外へ排出し、濾過終了後には、処理槽内から未濃縮汚泥を排出するとともに、濾過筒内部に加圧気体を供給して濾材表面に付着した濃縮汚泥を剥離させる方法において、濾過終了後に処理槽内から未濃縮汚泥を排出した後、真空吸引手段により濾過筒内を負圧に保持した状態下で、濃縮汚泥が濾材表面に付着した濾過筒の外部に加圧気体を供給し濾過筒外部の圧力を高めて、濾過筒内部の濾液を排出するとともにその排出速度を高めることを特徴とする汚泥の濃縮方法。
【選択図】図1
【解決手段】汚泥を処理槽内の濾過筒の濾材で濾過し、固形分は濾材で捕捉するとともに、濾液を濾過筒内部から処理槽外へ排出し、濾過終了後には、処理槽内から未濃縮汚泥を排出するとともに、濾過筒内部に加圧気体を供給して濾材表面に付着した濃縮汚泥を剥離させる方法において、濾過終了後に処理槽内から未濃縮汚泥を排出した後、真空吸引手段により濾過筒内を負圧に保持した状態下で、濃縮汚泥が濾材表面に付着した濾過筒の外部に加圧気体を供給し濾過筒外部の圧力を高めて、濾過筒内部の濾液を排出するとともにその排出速度を高めることを特徴とする汚泥の濃縮方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、汚泥の濃縮方法に関し、とくに外面に濾材を有する濾過筒を処理槽内に設けた汚泥濃縮装置において、汚泥の処理サイクルの時間短縮をはかりつつ、濃縮汚泥濃度を高めることができるようにした汚泥の濃縮方法に関する。
外面に濾材(例えば、濾布)を有する濾過筒を処理槽内に設けた汚泥濃縮装置が知られている(例えば、特許文献1)。この種の汚泥濃縮装置は、例えば図2に示すように構成され、処理槽1内に外面に濾材を有する濾過筒2を位置させ、濾過筒2の外部に供給される汚泥を濾材で濾過し、固形分は濾材で捕捉するとともに、濾液を濾過筒2内部から処理槽1外へ排出する汚泥の濃縮方法において、濾過終了後、例えばコンプレッサー3、空気貯槽4から剥離用空気管5を介して供給される圧縮空気で濾材表面の濃縮汚泥を剥離する前に、濾材から濃縮汚泥の一部が離脱してしまうことを防ぐために、例えば真空ポンプ6、真空管7により濾過筒2内の濾液を真空濾液管8を介して真空タンク9へと吸引し、濾過筒2内を負圧にする工程がある。この際、濾過筒2内の濾液の一部が排出される。しかし、濾液の排出速度は遅いため、通常、濾過筒2内の濾液がすべて排出されることはなく、濾過筒2内に濾液が残っている状態で、濾過筒2内部に剥離用空気管5を介して圧縮空気が送られ、濾材外面に付着している濃縮汚泥が濾材から剥離される。剥離時に濾過筒2内から外部に戻る濾液と濾材表面に付着していた汚泥が混合し、最終的に濃縮汚泥として濃縮汚泥排出管10から処理槽1から排出される。
濾過時には、例えば、原汚泥貯槽11から圧入ポンプ12により処理対象汚泥が圧入タンク13に移送され、圧力調整用空気ライン14を介して空気貯槽4から供給される圧縮空気による圧力により、汚泥圧入管15を介して処理槽1内に導入される。導入された汚泥は、濾過筒2で濾過され、固形分は濾過筒2の濾材表面に捕捉され、濾過筒2内部に至った濾液は、濾液管16を介して排出される。濾過終了時には、吸気管17が開放された状態にて、処理槽1内の未濃縮汚泥が返送ライン18を介して原汚泥貯槽11へと排出され、上述の如く、濾材外面に付着している濃縮汚泥の剥離処理が行われる。
特公平6−77653号公報
上記のような汚泥の濃縮方法において、濾過終了後における濃縮汚泥の剥離処理においては、濾過筒内部の濾液は剥離する濃縮汚泥に混合し濃縮汚泥の濃度を低下させてしまうため、濃縮汚泥濃度を上げる観点からは、この濾液をできるだけ多く排出させることが望ましい。一方、濾材表面に付着している汚泥を良好に剥離させるためには、濾過筒内部にある一定量の濾液が残っており、圧縮空気とともに濾液による押し出し効果も必要であることがわかっている。このことから、濃縮汚泥濃度を上げるには、濃縮汚泥の剥離性を保持するのに必要な量の濾液だけを残し、他を排出してしまうのが効果的である。濾過筒内濾液は、上記のような系では真空ポンプによる吸引時間を長くするほどより多く排出できる。しかし、吸引圧による排出速度は遅いので、単に吸引時間を長くするだけでは、工程1サイクルの時間が長くなり、結局、ある期間における実質的な汚泥処理速度(つまり、濾過操作と上記濃縮汚泥剥離操作とを含めた処理の速度)が大きく低下してしまうという問題が生じる。
そこで本発明の課題は、このような問題点に着目し、汚泥の処理サイクルの時間短縮をはかりつつ、濃縮汚泥の濾材からの剥離性を高め、かつ、濃縮汚泥濃度を高めることができるようにした汚泥の濃縮方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る汚泥の濃縮方法は、処理槽内に、外面に濾材を有する濾過筒を位置させ、濾過筒の外部に供給される汚泥を濾材で濾過し、固形分は濾材で捕捉するとともに、濾液を濾過筒内部から処理槽外へ排出し、濾過終了後には、処理槽内から未濃縮汚泥を排出するとともに、濾過筒内部に加圧気体を供給して濾材表面に付着した濃縮汚泥を剥離させる汚泥の濃縮方法において、濾過終了後に処理槽内から未濃縮汚泥を排出した後、真空吸引手段により濾過筒内を負圧に保持した状態下で、濃縮汚泥が濾材表面に付着した濾過筒の外部に加圧気体(例えば、加圧空気)を供給し濾過筒外部の圧力を高めて、濾過筒内部の濾液を排出するとともにその排出速度を高めることを特徴とする方法からなる。
この汚泥の濃縮方法においては、濾過終了後に濾過筒内部から処理槽外へ濾液を排出するに際し、濾過筒内部に予め定められた所定量の濾液を残すことが好ましい。濾過筒内部に残される濾液量は、濾過筒内部からの濾液の排出量にて計量することが可能である。この濾過筒内部に残された濾液を、濾過筒内部に供給される加圧気体とともに濾材を通して濾過筒外部に排出し、濾材表面に付着した濃縮汚泥を剥離させることができる。
上記濾過筒外部の圧力を高める加圧気体は、濾過筒内部への加圧気体の供給手段から供給することも可能である。ただし、濾過筒外部の圧力を高めるための加圧気体を、別の専用ラインを介して供給してもよい。
本発明に係る汚泥の濃縮方法によれば、濾過筒内部を吸引により負圧にするだけでなく、濾過筒外部に加圧気体を供給して濾過筒外部側の圧力を積極的に高めるようにしたので、濾過筒内部の濾液が迅速に排出され、次の濃縮汚泥剥離処理までの時間を大幅に短縮できる。その結果、とくに処理サイクルが繰り返される場合の全体としての汚泥の濃縮処理速度を著しく速めることが可能になる。
加えて、濾過筒内に濃縮汚泥剥離操作に最適な量の濾液を残しておくことにより、つまり、濃縮汚泥の良好な剥離にとって必要最小限の量だけを濾過筒内に残しておくことにより、より確実かつ円滑な濃縮汚泥剥離が可能になるとともに、濃縮汚泥濃度を最大限上げることが可能になる。濃縮汚泥濃度を上げることにより、後段の機械脱水処理や自然乾燥による脱水処理をより効率的に行うことができる。
さらに、本発明方法は、濾過筒外部に加圧気体の供給源として、従来の汚泥濃縮装置に既にある剥離用空気貯槽を利用することができるため、新たな気体供給源を設ける必要がなく、設備的にも安価にかつ容易に実施できる。
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る汚泥の濃縮方法を実施するための汚泥濃縮装置を示している。本実施態様においては、通常の濾過運転に関する系統は、実質的に図2に示した従来装置と同等の構成を備えている。したがって、図2に示した装置と同等の機器や部位には、図2と同じ符号を付すことにより説明を省略する。ただし、図1において、図2では説明しなかった部分に関して、21は汚泥供給制御弁、22は、未濃縮汚泥排出弁、23は濃縮汚泥排出弁、24は剥離用空気供給制御弁、25は吸気弁、26は濾液弁、27は真空濾液管開閉弁、28は真空濾液ドレイン弁を、それぞれ示しており、これらの機器は基本的に図2に示した従来装置でも設けられている。
図1は、本発明の一実施態様に係る汚泥の濃縮方法を実施するための汚泥濃縮装置を示している。本実施態様においては、通常の濾過運転に関する系統は、実質的に図2に示した従来装置と同等の構成を備えている。したがって、図2に示した装置と同等の機器や部位には、図2と同じ符号を付すことにより説明を省略する。ただし、図1において、図2では説明しなかった部分に関して、21は汚泥供給制御弁、22は、未濃縮汚泥排出弁、23は濃縮汚泥排出弁、24は剥離用空気供給制御弁、25は吸気弁、26は濾液弁、27は真空濾液管開閉弁、28は真空濾液ドレイン弁を、それぞれ示しており、これらの機器は基本的に図2に示した従来装置でも設けられている。
そして、本実施態様では、さらに、剥離用空気管5から分岐させて、処理槽1内の濾過筒2外部へと加圧気体としての加圧空気を供給可能な加圧空気供給管29が設けられている。この加圧空気供給管29には、加圧空気を適切な圧力に減圧する減圧弁30(圧力調整弁)と、その加圧空気の供給を制御する加圧空気供給制御弁31が設けられている。また、真空タンク9には、吸引されてきた濾液の量(水位)を検知するためのレベルスイッチ32が設けられており、レベルスイッチ32による検知信号により、濾過終了後に濾過筒2から吸引、排出されてきた濾液の量が目標とする量に達したか否かを判断可能となっている。さらに、本実施態様では制御装置33が設けられており、制御装置33からは、加圧空気供給制御弁31、真空濾液管開閉弁27に開閉信号が自動で送られ、レベルスイッチ32による検知信号が制御装置33に送られて、濾過筒2から吸引、排出されてきた濾液の量が目標とする量に達した場合には、制御装置33から真空ポンプ6に自動停止信号が送られ、濃縮汚泥剥離工程に移行できるようになっている。なお、真空濾液の一定量引き抜き検知手段としては、真空濾液排出管に積算流量計を設け、その積算流量が一定量に達したら、同様に濃縮汚泥剥離工程に移行する制御機構とすることもできる。
このような制御系を用いて、本発明に係る汚泥の濃縮方法は次のように実施される。
濾過工程までは、真空濾液配管8および加圧空気供給管29の自動弁27、31は閉じられており、従来の濃縮装置と同様の濾過濃縮が行われる。濾過工程終了後、濾液管16の自動開閉弁26が閉じられ、真空濾液管8の自動開閉弁27が開き、真空ポンプ6が起動する。真空ポンプ6が起動し、濾過筒2内部が負圧になると、内部の濾液が真空濾液管8を通って真空タンク9へと排出され始める。この排出開始と同時にレベルスイッチ32(あるいは、積算流量計)により排出濾液量が計測されはじめる。また、この濾液排出と並行して、吸気弁25が開とされ未濃縮汚泥排出弁22が開とされて処理槽1内の未濃縮汚泥が排出され、原汚泥貯槽11へと戻される。
濾過工程までは、真空濾液配管8および加圧空気供給管29の自動弁27、31は閉じられており、従来の濃縮装置と同様の濾過濃縮が行われる。濾過工程終了後、濾液管16の自動開閉弁26が閉じられ、真空濾液管8の自動開閉弁27が開き、真空ポンプ6が起動する。真空ポンプ6が起動し、濾過筒2内部が負圧になると、内部の濾液が真空濾液管8を通って真空タンク9へと排出され始める。この排出開始と同時にレベルスイッチ32(あるいは、積算流量計)により排出濾液量が計測されはじめる。また、この濾液排出と並行して、吸気弁25が開とされ未濃縮汚泥排出弁22が開とされて処理槽1内の未濃縮汚泥が排出され、原汚泥貯槽11へと戻される。
未濃縮汚泥排出後、吸気弁25および未濃縮汚泥排出弁22が閉じられ、剥離用加圧空気貯槽4から加圧空気供給管29を通して、処理槽1内の濾過筒2外部に加圧空気が供給される。この加圧空気の供給により、濾過筒2内が単に負圧にされる場合に比べ、濾過筒2内濾液の排出速度が著しく高められる。処理槽1内における加圧空気の圧力が高いほど、濾過筒2内濾液の排出速度は速いが、通常、0.03〜0.10MPa(0.3〜1.0kgf/cm2)程度で、実用上十分な排出促進効果がみられる。
排出濾液量が、真空タンク9のレベルスイッチ32または真空濾液管の積算流量計で、予め定めた、目標とする一定量に達したことが検知されると、真空濾液管8の自動弁27および加圧空気供給管29の自動弁31が閉じられ、真空ポンプ6が停止される。この後、濃縮汚泥剥離工程に移行し、剥離用空気供給制御弁24が開かれて濾過筒2内部に加圧空気が送られ、濾過筒2の濾材外表面に付着していた濃縮汚泥が剥離される。この際、濾過筒に所定量残存させていた濾液が加圧空気とともに、濾過筒2の濾材外表面の濃縮汚泥を効果的に剥離させる。
ここで、排出させる真空濾液の量は、濃縮汚泥の剥離に悪影響を与えない最大量とするのが望ましく、この量は、事前に実験などで求めておく。換言すれば、濾過筒2内に残す濾液量を、濃縮汚泥の剥離が良好に行われ、かつ、剥離された汚泥と剥離に使用された濾液が混合状態となる排出濃縮汚泥の濃度の低下が極力抑えられるよう、必要最小限の量にとどめておくことが好ましい。
このような実施形態をとることにより、濾過筒2内の濾液が短時間で排出され、汚泥の処理速度が著しく低下することなく、剥離により排出される濃縮汚泥濃度が増大する。また、汚泥剥離工程において、濾過筒表面の濃縮汚泥がより確実に剥離される。
ある共通の汚泥を用いて、図2に示した従来の汚泥濃縮装置(比較例)と図1に示した本発明に係る汚泥濃縮装置(実施例)により濃縮を行い、本発明の効果を確認した。従来装置および本発明に係る装置の仕様、運転条件を以下に示すが、本発明に係る事項以外は、同じである。
<実験条件>
・濃縮対象汚泥
汚泥の種類:ある表流水を原水とした凝集沈澱処理において発生した汚泥
固形分濃度:1.36%
・共通仕様
処理槽寸法:φ0.2m×長さ2.0m
濾過筒:φ50mm×長さ1.6m、有効濾過面積0.25m2、1 本
真空タンク容量:1500mL
・共通運転条件
濾過圧力:0.2MPa
濾過時間:60分
真空濾液排出開始:濾過終了後直ちに開始
未濃縮汚泥排出:濾過終了5分後に開始
加圧空気による濃縮汚泥の剥離:剥離圧0.2MPa
<実験条件>
・濃縮対象汚泥
汚泥の種類:ある表流水を原水とした凝集沈澱処理において発生した汚泥
固形分濃度:1.36%
・共通仕様
処理槽寸法:φ0.2m×長さ2.0m
濾過筒:φ50mm×長さ1.6m、有効濾過面積0.25m2、1 本
真空タンク容量:1500mL
・共通運転条件
濾過圧力:0.2MPa
濾過時間:60分
真空濾液排出開始:濾過終了後直ちに開始
未濃縮汚泥排出:濾過終了5分後に開始
加圧空気による濃縮汚泥の剥離:剥離圧0.2MPa
比較例1〜3:
従来装置による濃縮の結果を表1に示す。
比較例1は、通常の一般的な運転条件における濃縮であり、濃度1.36%の原汚泥が3.51%にまで濃縮された。このときの濾過速度(処理速度)は、0.41 kgDS/m2h であり、濾材に付着した濃縮汚泥はすべて剥離された。濾過終了後の真空ポンプによる吸引時間(この間に未濃縮汚泥を排出)は8分行っているが、この工程で濾液量は0.46 kgであった。
従来装置による濃縮の結果を表1に示す。
比較例1は、通常の一般的な運転条件における濃縮であり、濃度1.36%の原汚泥が3.51%にまで濃縮された。このときの濾過速度(処理速度)は、0.41 kgDS/m2h であり、濾材に付着した濃縮汚泥はすべて剥離された。濾過終了後の真空ポンプによる吸引時間(この間に未濃縮汚泥を排出)は8分行っているが、この工程で濾液量は0.46 kgであった。
比較例2は、濾過条件は比較例1と同じであるが、濾過終了後の真空ポンプの吸引を真空濾液が出なくなるまで延長した場合である(濾液排出量約1.8 L)。すなわち、濾過筒内部の濾液をすべて排出させた場合である。剥離された濃縮汚泥の濃度は5.43%にまで上昇していたが、濾材に付着した濃縮汚泥のうち約1/3が剥離されなかった。
比較例3は、濾過終了後の真空ポンプの吸引を真空濾液量1.3Lまで行った場合である。真空ポンプによる引抜量1.3Lは、濾過筒内部に約0.5L濾液が残留しており、事前の実験で、確実に濾材表面の濃縮汚泥が剥離される最大引抜き量として確認した値である。この場合、濃縮汚泥濃度は4.45%であり、比較例1の濃縮汚泥濃度より約1%も増大している。しかし、真空ポンプによる吸引時間が長く、1サイクルの時間として27分も長くなっているため、濾過速度は0.30kgDS/m2hであり、比較例1の濾過速度の73%にまで大幅に低下してしまっている。
なお、表1において、合計雑時間とは、濾過工程以外の汚泥張込、真空ポンプによる吸 時間、剥離、濃縮汚泥排出および休止工程の合計時間を示しており、濾過速度(処理速度)は、以下の式で計算したものである。
濾過速度(kgDS/m2h)=〔濃縮汚泥濃度(%)×濃縮汚泥量(kg)×60(分)〕/
〔濾過面積(0.25m2)×1サイクル時間(分)×100 〕
濾過速度(kgDS/m2h)=〔濃縮汚泥濃度(%)×濃縮汚泥量(kg)×60(分)〕/
〔濾過面積(0.25m2)×1サイクル時間(分)×100 〕
実施例:
本発明に係る汚泥濃縮装置による濃縮の結果を表2に示す。この装置は、真空タンクの水量1.3Lの水位にレベルスイッチが装着され、1.3L引き抜くと真空ポンプによる吸引および加圧空気送入を停止する機構が設けられている。引抜き量1.3Lは、上記比較例3と同等である。加圧空気の圧力(処理槽内)は0.07MPaであり、未濃縮汚泥排出終了後(吸引ポンプ起動から8分後)、加圧空気の送入が開始され、濾液1.3 Lが真空タンクに排出されると、送入が停止される設定になっている。
本発明に係る汚泥濃縮装置による濃縮の結果を表2に示す。この装置は、真空タンクの水量1.3Lの水位にレベルスイッチが装着され、1.3L引き抜くと真空ポンプによる吸引および加圧空気送入を停止する機構が設けられている。引抜き量1.3Lは、上記比較例3と同等である。加圧空気の圧力(処理槽内)は0.07MPaであり、未濃縮汚泥排出終了後(吸引ポンプ起動から8分後)、加圧空気の送入が開始され、濾液1.3 Lが真空タンクに排出されると、送入が停止される設定になっている。
この装置により、濃度1.36%の濃縮汚泥は、4.51%にまで濃縮された。この濃縮汚泥濃度は、同等の濾液量を引き抜きした比較例3とほぼ同等の値であり、通常の運転条件である比較例1の3.51%よりも1%増大している。
1.3Lの濾過筒内濾液の排出に要した時間は、加圧空気送入の効果により18分となっており、同等の濾液量を引抜いた比較例3の35分よりも大幅に短縮されている。濾過速度は、0.36 kgDS/m2h であり、比較例3よりは高く、また、通常条件である比較例1と比較すると約10%の低下にとどまっている。
また、剥離工程においては、すべての濃縮汚泥が濾材から良好に剥離された。以上の結果から、本発明の効果が確認された。
1 処理槽
2 濾過筒
3 コンプレッサー
4 空気貯槽
5 剥離用空気管
6 真空ポンプ
7 真空管
8 真空濾液管
9 真空タンク
10 濃縮汚泥排出管
11 原汚泥貯槽
12 圧入ポンプ
13 圧入タンク
14 圧力調整用空気ライン
15 汚泥圧入管
16 濾液管
17 吸気管
18 未濃縮汚泥返送ライン
21 汚泥供給制御弁
22 未濃縮汚泥排出弁
23 濃縮汚泥排出弁
24 剥離用空気供給制御弁
25 吸気弁
26 濾液弁
27 真空濾液管開閉弁
28 真空濾液ドレイン弁
29 加圧空気供給管
30 減圧弁(圧力調整弁)
31 加圧空気供給制御弁
32 レベルスイッチ
33 制御装置
2 濾過筒
3 コンプレッサー
4 空気貯槽
5 剥離用空気管
6 真空ポンプ
7 真空管
8 真空濾液管
9 真空タンク
10 濃縮汚泥排出管
11 原汚泥貯槽
12 圧入ポンプ
13 圧入タンク
14 圧力調整用空気ライン
15 汚泥圧入管
16 濾液管
17 吸気管
18 未濃縮汚泥返送ライン
21 汚泥供給制御弁
22 未濃縮汚泥排出弁
23 濃縮汚泥排出弁
24 剥離用空気供給制御弁
25 吸気弁
26 濾液弁
27 真空濾液管開閉弁
28 真空濾液ドレイン弁
29 加圧空気供給管
30 減圧弁(圧力調整弁)
31 加圧空気供給制御弁
32 レベルスイッチ
33 制御装置
Claims (5)
- 処理槽内に、外面に濾材を有する濾過筒を位置させ、濾過筒の外部に供給される汚泥を濾材で濾過し、固形分は濾材で捕捉するとともに、濾液を濾過筒内部から処理槽外へ排出し、濾過終了後には、処理槽内から未濃縮汚泥を排出するとともに、濾過筒内部に加圧気体を供給して濾材表面に付着した濃縮汚泥を剥離させる汚泥の濃縮方法において、濾過終了後に処理槽内から未濃縮汚泥を排出した後、真空吸引手段により濾過筒内を負圧に保持した状態下で、濃縮汚泥が濾材表面に付着した濾過筒の外部に加圧気体を供給し濾過筒外部の圧力を高めて、濾過筒内部の濾液を排出するとともにその排出速度を高めることを特徴とする、汚泥の濃縮方法。
- 濾過終了後に濾過筒内部から処理槽外へ濾液を排出するに際し、濾過筒内部に予め定められた所定量の濾液を残す、請求項1の汚泥の濃縮方法。
- 濾過筒内部に残される濾液量を、濾過筒内部からの濾液の排出量にて計量する、請求項2の汚泥の濃縮方法。
- 濾過筒内部に残された濾液を、濾過筒内部に供給される加圧気体とともに濾材を通して濾過筒外部に排出し、濾材表面に付着した濃縮汚泥を剥離させる、請求項2または3の汚泥の濃縮方法。
- 前記濾過筒外部の圧力を高める加圧気体を、濾過筒内部への加圧気体の供給手段から供給する、請求項1〜4のいずれかに記載の汚泥の濃縮方法。
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0342004A (ja) * | 1989-07-10 | 1991-02-22 | Ebara Infilco Co Ltd | 濾過濃縮装置 |
JPH0677653B2 (ja) * | 1984-12-28 | 1994-10-05 | オルガノ株式会社 | スラリーの濃縮方法 |
-
2004
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