JP2006005977A - ジョイント電線の製造方法及び電線皮剥き装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】先端側に残された切れ端の皮剥きを一括して行うことができ、作業性の向上を図ることができるジョイント電線の製造方法及び電線皮剥き装置を提供する。
【解決手段】芯線部の先端から絶縁被覆部の先端を突出させるように、所定長さにカットされた絶縁被覆部の切れ端を芯線部に沿って移動させ、先端から離れた位置で芯線部を露出させたセミストリップ状態にある複数本の被覆電線を複数の電線挿入孔39の一端側からそれぞれ挿入させて先端を揃えた状態に保持する電線ホルダ37と、電線ホルダ37の背面側で電線挿入孔39の他端側から突出する絶縁被覆部を両側から挟む開閉自在の電線チャックと、電線チャックを備え、駆動手段25により電線チャック55を電線ホルダ37から離れる方向に移動させて切れ端を皮剥きする移動自在のスライドブロック45とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数本の被覆電線の端末側芯線部を相互接続させてジョイント電線を形成するために適用されるジョイント電線の製造方法及び電線皮剥き装置に関するものである。
従来、抵抗溶接や超音波溶接、熱圧着やスエージングなどにより複数本の被覆電線の端末側芯線部を電気的に相互接続させてジョイント電線を形成する場合には、溶接やスエージング等を行う前に、各電線の絶縁被覆部を所定の長さに亘って皮剥きし、各電線が相互移動しないように一体に保持した状態で電線端部を揃える作業が必要とされていた。
図12は、この種のジョイント電線の製造方法の一例を示したものである(例えば、特許文献1)。(a)には、布線工程(ワイヤハーネスアッセンブリ工程)において、布線板上に備えられたU字状の電線保持具80にワイヤハーネス幹線から分岐された複数の電線81が取り出し可能に保持された状態が示されている。保持された各電線81は、先端側の絶縁被覆部81bが皮剥きされて芯線部81aが露出された、フルストリップ状態の被覆電線である。
(b)には、布線工程に続く端末処理工程(集中ジョイント部形成工程)において、電線保持具80から取り出された複数の電線81の先端を揃えた状態が示されている(例えば、特許文献2)。各電線81は、相対移動しないように手83等により保持された状態で、その先端を当て板82に当接させることで、整列されるようになっている。各電線81の先端を揃えた後、各電線81の芯線部81aが溶接等により相互接続されて集中ジョイント部が形成されるようになっている。
しかしながら、上述したジョイント電線の製造方法では、芯線部81aの先端側が完全に露出された状態となっているため、先端を揃えている作業中に、芯線部81aが解れたり、曲がったりするという問題があった。
図13は、芯線部85aが解れたり、曲がったりするという上記問題点の解決を図ったものであり、先端側に絶縁被覆部85bを残した状態で芯線部85aを露出させた、いわゆるセミストリップ状態の電線85を用いて先端揃えが行われるものである。芯線部85aは、絶縁被覆部85bにより覆われているため、先端揃えを行う際に、芯線部85aが解れたり、曲がったりすることが防止され、フルストリップ状態の電線85を用いた場合に比べて、作業性の向上が図られるようになっている。
特開2003−134631号公報(第2頁) 特開平8−190820号公報(第4−5頁)
しかしながら、セミストリップ状態の電線85を用いた場合であっても、作業者は、先端を揃えつつ各電線85が相互に相対移動しないように手や冶具などにより保持しなければならず、作業性が良いものではなく、殊に電線85の本数が多い場合や電線85が重い場合には作業負担が増大するという問題があった。先端揃えを行った後は、先端側に残された絶縁被覆部85bを各電線85から分離しなければならず、電線85本数が多い場合には、作業性が悪く、時間が掛かってジョイント電線の生産性が低下するという問題もあった。
本発明は、上記した点に鑑み、複数本の電線の先端揃えを行う際に、芯線部の解れや曲がりが生ずることを防止でき、先端側に残された切れ端の皮剥きを一括して行うことができ、作業性の向上を図ることができるジョイント電線の製造方法及び電線皮剥き装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、芯線部の先端から絶縁被覆部の先端を突出させるように、所定長さにカットされた該絶縁被覆部の切れ端を該芯線部に沿って移動させ、先端から離れた位置で該芯線部を露出させたセミストリップ状態にある被覆電線を用い、複数本の該被覆電線の先端を揃えた状態で相互に相対移動できないように該被覆電線を保持し、前記切れ端を挟みつつ前記被覆電線から離れる方向に移動させて皮剥きした後、露出された芯線部同士を相互接続することを特徴とする。
上記構成によれば、セミストリップ状態にある被覆電線が用いられることで、端末側の芯線部が解れたり、曲がったりすることが防止される。複数本の被覆電線が相互に相対移動できないように保持されることで、揃っている先端が不揃いになることが回避される。被覆電線が保持された状態から、先端側に残された切れ端を挟みつつ移動させることにより、複数の被覆電線の切れ端が一括して皮剥きされる。
また、請求項2記載の発明は、芯線部の先端から絶縁被覆部の先端を突出させるように、所定長さにカットされた該絶縁被覆部の切れ端を該芯線部に沿って移動させ、先端から離れた位置で該芯線部を露出させたセミストリップ状態にある複数本の被覆電線を多数列に並ぶ複数の電線挿入孔の一端側からそれぞれ挿入させ、該電線挿通孔に形成された位置規制部に当接させて前記切れ端の後端面を位置規制された状態で保持する電線ホルダと、該電線ホルダの背面側で前記電線挿入孔の他端側から突出する前記切れ端を挟む開閉自在の電線チャックと、該電線チャックを備え、駆動手段により該電線チャックを前記電線ホルダから離れる方向に移動させて前記切れ端を皮剥きする移動自在のスライドブロックとを備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、電線ホルダに挿入された複数本の被覆電線が、挿入反対方向に引っ張られることで、電線挿通孔の位置規制部に切れ端の後端面が当接して位置規制される。被覆電線がこの状態で保持されることで、従来例のように、作業者が複数本の被覆電線を手で保持しつつ先端揃えを行う必要がなくなり、作業負担が軽減する。電線ホルダに挿入された複数本の被覆電線は、切れ端の後端面が位置規制された状態で、スライドブロックとともに移動する電線チャックにより複数の被覆電線の切れ端が一括して皮剥きされる。
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の電線皮剥き装置において、前記位置規制部が、前記電線挿入孔の内壁面に前記被覆電線の挿入端側で固定された基端と、該基端に続き電線挿入方向に延びる自由端とを有し、両側の該自由端で切れ端を先端側に移動させて露出させた前記芯線部を挟む一対の板ばね片であることを特徴とする。
上記構成によれば、電線ホルダの各電線挿入孔に被覆電線が挿入されると、一対の板ばね片の自由端が被覆電線の絶縁被覆部に押されて基端を支点として内壁面に近づく方向に変形し、さらに被覆電線が奧へ挿入されると、先端側の絶縁被覆部が自由端を通過し、自由端が元の形状に弾性復元し、切れ端を先端側へ移動させて露出させた芯線部が両側の自由端で挟まれる。
また、請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の電線皮剥き装置において、前記スライドブロックの内側に、前記切れ端の先端面を当接させて位置規制する突き当て部が設けられたことを特徴とする。
上記構成によれば、電線ホルダに挿入され、電線ホルダの背面側で電線挿入孔の他端側から突出する切れ端の先端面が、スライドブロックの当て板に当接することで、被覆電線の挿入長さが規制される。
また、請求項5記載の発明は、請求項2〜4のいずれか1項に記載の電線皮剥き装置において、前記電線チャックが、前記切れ端を対向方向から挟む少なくとも一対の挟持部材と、回動軸の回りを回転する回動部材により前記挟持部材を開閉させる開閉機構とを備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、開閉機構により、回動部材の回転運動が直線移動に変換され、挟持部材が開閉して切れ端が対向方向から挟まれる。
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載の電線皮剥き装置において、前記挟持部材が板厚方向に重合して複数設けられ、相対向する各一対の挟持部材の電線チャック位置が上下に並ぶ前記被覆電線の位置に対応して上下にずれて形成され、前記挟持部材には、前記被覆電線を挟む方向と交差する方向に並び、上段又は下段に位置する複数の前記被覆電線を挿通させる逃がし孔が形成されたことを特徴とする。
上記構成によれば、各一対の挟持部材の電線チャック位置が上下にずれているから、複数本の被覆電線を上下に並べた状態で一括して挟むことができる。
また、請求項7記載の発明は、請求項5又は6記載の電線皮剥き装置において、前記開閉機構が、前記挟持部材に連結される連結部材と、前記回動部材に設けられ、該回動部材の回動中心とは異なる位置に円弧中心を有し、前記連結部材にスライド係合して前記挟持部材を開閉動作させる円弧状のガイド孔とを備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、連結部材にガイド孔が係合した状態で、回動部材を回転させることにより、連結部材に回動部材の回動方向に交差する方向の力が働き、連結部材を介して挟持部材を直線移動させることが可能となる。
また、請求項8記載の発明は、請求項7記載の電線皮剥き装置において、前記連結部材が、相対向する前記一対の挟持部材の双方に連結され、各連結部材に係合する前記ガイド孔が、前記回動部材の半径方向内側と半径方向外側とに形成されると共に、各ガイド孔の円弧中心が前記回動部材の回動中心の両側にそれぞれ位置することを特徴とする。
上記構成によれば、回動部材の一方のガイド孔に一方の連結部材を係合させ、回動部材の他方のガイド孔に他方の連結部材を係合させた状態で、回動部材を回転させることにより、両連結部材に回動部材の回動方向に交差する方向の力が同時に働き、連結部材を介して一対の挟持部材を相互に接近する方向又は相互に離れる方向に移動させることができる。
また、請求項9記載の発明によれば、請求項2〜8のいずれか1項に記載の電線皮剥き装置において、前記スライドブロックはベース上に移動自在に取り付けられ、該スライドブロックに自身の移動をガイドするガイド部が形成され、前記ベースに前記ガイド部に係合する被ガイド部が形成されたことを特徴とする。
上記構成によれば、スライドブロックのガイド部が、ブロックベースの被ガイド部にスライド係合することで、スライドブロックが位置決めされた状態でスライドする。
また、請求項10記載の発明は、請求項2〜9のいずれか1項に記載の電線皮剥き装置において、前記スライドブロックに、前記絶縁被覆部の先端面に対向する連通孔が貫通形成され、該連通孔に、弾性部材を介して出没自在に弾設され、該弾性部材のばね力に抗しつつ押し出されて突出端を前記絶縁被覆部に突き当てることにより、該絶縁被覆部を前記電線チャックから排出させる押出ピンが設けられたことを特徴とする。
上記構成によれば、出没自在の押出ピンにより、スライドブロック内に残された絶縁被覆部が一括して排出される。
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、先端が揃っている複数本の被覆電線を相互に相対移動できないように保持した状態で、先端側に残された切れ端を挟みつつ移動させることにより、複数の被覆電線の切れ端が一括して皮剥きされる。したがって、複数本の被覆電線の先端揃え(位置規制)と皮剥きをそれぞれ一度に連続して行うことができ、作業性を向上することができる。
また、請求項2記載の発明によれば、電線ホルダに挿入された複数本の被覆電線が、電線ホルダ内で保持されることで、作業者が複数本の被覆電線を手で保持しつつ先端揃えを行う必要がなくなり、しかも電線が保持されたままの状態で、移動する電線チャックにより複数の被覆電線の切れ端を一括して皮剥きすることができる。したがって、請求項1記載の効果と同等の効果を奏すると共に、作業負担の軽減によって作業性を向上することができる。
また、請求項3記載の発明によれば、一対の板ばね片の自由端が被覆電線の絶縁被覆部に押されて基端を支点として内壁面に近づく方向に変形して、電線挿通孔に被覆電線が挿入される。電線挿入孔に挿入された被覆電線は、その芯線部が、可撓性を有する一対の板ばね片の自由端に挟まれつつ、切れ端の後端面が自由端の先端部に当接する。したがって、被覆電線をスムーズに挿入することができるとともに、挿入後は被覆電線の挿入長さが規制されて先端が揃う。また、不用意に被覆電線が電線ホルダから抜け出すことも防止される。
また、請求項4記載の発明によれば、電線ホルダに挿入され、電線ホルダの背面側で電線挿入孔の他端側から突出する切れ端の先端面が、スライドブロックの当て板に当接することで、被覆電線の挿入長さが規制される。したがって、切れ端の後端面を位置規制しやすくなり、作業性が向上する。
また、請求項5記載の発明によれば、開閉機構により、回動部材の回転運動が直線移動に変換され、挟持部材が開閉して切れ端が対向方向から挟まれる。したがって、電線チャックの構造を簡素化することができ、低コストで小型の電線皮剥き装置を提供することができる。
また、請求項6記載の発明によれば、各一対の挟持部材の電線チャック位置が上下にずれているから、複数本の被覆電線を上下に並べた状態で一括して挟むことができ、ジョイントされる被覆電線の本数変更にも柔軟に対応することが可能となる。
また、請求項7記載の発明によれば、連結部材にガイド孔が係合した状態で、回動部材を回転させることにより、連結部材に回動部材の回動方向に交差する方向の力が働き、連結部材を介して挟持部材を直線移動させることが可能となる。したがって、簡易な電線チャックの構造により、一対の挟持部材を手動で容易に開閉させることができる。
また、請求項8記載の発明によれば、回動部材の一方のガイド孔に一方の連結部材を係合させ、回動部材の他方のガイド孔に他方の連結部材を係合させた状態で、回動部材を回転させることにより、両連結部材に回動部材の回動方向に交差する方向の力が同時に働き、連結部材を介して一対の挟持部材を相互に接近する方向又は相互に離れる方向に移動させることができる。このため、一方の挟持部材だけを移動させる場合に比べて、回動部材の回転量を小さくすることができる。したがって、個々の挟持部材の移動量が小さくても、一対の挟持部材の開閉量を大きくすることができる。
また、請求項9記載の発明によれば、スライドブロックのガイド部が、ブロックベースの被ガイド部にスライド係合することで、スライドブロックが位置決めされた状態でスライドする。したがって、先端側の絶縁被覆部の皮剥きをスムーズに行うことができる。
また、請求項10記載の発明によれば、出没自在の押出ピンにより、スライドブロック内に残された絶縁被覆部が一括して排出される。したがって、皮剥き後の切れ端の排出を容易に行うことができ、清掃作業に時間を取られることなく、次の皮剥き作業を連続して行うことができる。
以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。図1及び図2は、本発明に係る電線皮剥き装置の一実施形態を示すものである。
この電線皮剥き装置10は、複数本のセミストリップ状態にある電線(被覆電線)12を上下3段(行)左右4列に整列させた状態で、先端揃えと皮剥きを一括して行うことができる装置である。絶縁被覆部12bが皮剥きされ芯線部12aが露出されると、溶接やスエージング等により芯線部12aが相互接続され、ジョイント電線が形成されるようになっている。複数本の電線12は、例えばワイヤハーネスアッセンブリ工程において、所定の配線パターンにしたがってワイヤハーネス幹線から分岐された分岐線である。
セミストリップ状態にある電線12は、芯線部12aの先端から絶縁被覆部12bの先端を突出させるように、所定長さにカットされた該絶縁被覆部12bの切れ端12cを該芯線部12aに沿って移動させ、先端から離れた位置で該芯線部12aを露出させた被覆電線である(図3,5)。セミストリップ状態にある電線12を用いたのは、芯線部12aの解れや曲がりを防止して、ジョイントされる複数本の電線12の先端揃えを正確に、しかも作業性良く行うことができるようにするためである。
本発明に係る電線皮剥き装置10は、布線台等のベーステーブル上に載置されて使用される小型で持ち運び可能な装置であり、ブロックベース(ベース)15と、ブロックベース15の前側に取り付けられ、電線挿入孔39に挿入された複数本の電線12を保持する電線ホルダ37と、挿入された電線12の先端側に残された切れ端12cを挟む電線チャック55(図5参照)と、ベース上に取り付けられ、この電線チャック55を電線ホルダ37から離れる方向に移動させる移動自在のスライドブロック45とから構成されている。
スライドブロック45には、一対の軸孔(ガイド部)46a,46bが形成され、ブロックベースには、一対のガイドシャフト(被ガイド部)22a,22bが形成されており、一対のガイドシャフト22a,22bに一対の軸孔46a,46bが係合しつつスライドすることで、切れ端12cの皮剥きがスムーズに行われるようになっている。
以下に、電線皮剥き装置10の各構成部分について説明する。ブロックベース15は、ベース本体16と、ベース本体16に架設されてスライドブロック45を前後にスライドガイドする上下一対のガイドシャフト22a,22bと、3つのリンク26,27,28を介してスライドブロック45をガイドシャフトに沿ってスライドさせる回動自在のスライド操作用レバー25とを備えている。
ベース本体16は、底壁17と、この底壁17の前側及び後側で立ち上がる前壁18及び後壁20とを備えている。前壁18と後壁20との間には、前後に移動するスライドブロック45が配置される。前壁18は後壁20に比べて低く形成されており、前壁18の上部には、回動軸41を介して電線ホルダ37が回動自在に軸支されている。また、前壁18には、スライドブロック45と連結された緩衝用の圧縮コイルばね19が設けられている。後壁20は、一対のガイドシャフト22a,22bを挿通させた状態に支持する壁部であるとともに、後方に移動するスライドブロック45のストッパー壁として機能している。
上下一対の互いに平行なガイドシャフト22a,22bは、一端が前壁18の挿通孔18a,18bに挿通され、他端が後壁20の挿通孔20a,20bに挿通されて動かないように図示しないねじにより固定されている。この一対のガイドシャフト22a,22bは、スライドブロック45の下側に貫通形成された軸孔46a,46bにベアリング23を介して挿通されることで、スライドブロック45が一対のガイドシャフト22a,22bに沿って前後方向にスムーズに往復移動できるようになっている。
スライド操作用レバー25は、回動軸34を介してブロックベース15の後壁20に回動自在に軸支されるとともに、レバー先端部25aが第1のリンク26を介して第2,3のリンク27,28に連結されている。このスライド操作用レバー25は、長い柄を有するとともに、リンク機構を介してスライドブロック45に連結されているものであるから、てこの原理で力が倍加されるとともに、小さい摺動抵抗でスライドブロック45を移動させることができるようになっている。
第1のリンク26は、レバー先端部25aに回動軸30を介して一端26a(図10,11参照)が連結され、第2、第3のリンク27,28は、第1のリンク26の他端26b(図10,11参照)に回動軸33を介して一端27a,28aがそれぞれ連結されている。すなわち、第1〜第3のリンク26,27,28は、共通の回動軸33を介して相互に回動自在に連結されている。第2のリンク27の他端27bはブロックベース15の後壁20に回動軸31を介して連結され、第3のリンク28の他端28bはスライドブロック45に回動軸32を介して連結されている。
スライド操作用レバー25を倒した場合は、第2のリンク27及び第3のリンク28が同一直線上に並び、両方のリンク27,28の他端27b,28bが最も離れた状態となり、スライドブロック45がブロックベース15の前壁18に接触する。この状態は、スライドブロック45を移動させる前の初期状態であり、スライド操作用レバー25の操作力がリンク機構を介してスライドブロック45に効率的に伝達されるようになっている。
他方、図11に示されるように、スライド操作用レバー25を時計方向に回転させて起こした場合は、第2のリンク27と第3のリンク28とが一端27a,28a側でV字状に交差し、両リンクの他端27b,28bが接近し、スライドブロック45がブロックベース15の前壁18から離れた状態となる。この状態からスライド操作用レバー25をさらに時計方向に回転させて起こすと、図4に示すように、スライドブロック45の後面から後方に突出する押出ピン48がブロックベース15の後壁20内面に当接し、押出ピン48が前方に押し出されるとともに、スライドブロック45のそれ以上の移動が規制されるようになっている。
電線ホルダ37は、周壁38の内側に複数本の電線12を挿入させる複数の電線挿入孔39を有している。各電線挿入孔39は、図2に示されるように矩形状をなしていて、上下3段左右4列に形成されている。本実施形態では、左右に並ぶ電線挿入孔39には同一サイズの電線12が挿入され、上下に並ぶ電線挿入孔39にはサイズ違いの電線12が挿入されるようになっている。このように、サイズ違いの電線12の皮剥きを行えるようにすることで、一台で複数の電線サイズに対応でき、電線皮剥き装置10の共用化を図ることが可能となる。
この電線ホルダ37は、下側の周壁38がブロックベース15の前壁18に回動軸41を介して回動自在に連結されており、電線12の先端側に残された切れ端12cを皮剥きする際には、反時計方向に回転させられて状態で用いられる(図1で実線で示される状態)。皮剥き後は時計方向に回転させられ(図1で2点鎖線で示される状態)、皮剥きされた切れ端12cをスライドブロック45の内部から取り出すことができるようになっている。
電線挿入孔39の内部には、上下の互いに平行な内壁面39a,39aに、電線12の挿入端側で固定された基端40aと、基端40aに続き電線挿入方向に延びる自由端40bとを有する一対の板ばね片(位置規制部)40,40が設けられている。自由端40bは、その長手方向中間部を起点として内側に曲げられていて、挿入された電線12が自由端40bの先で挟まれるように間隔が狭くなっている。
図3には、電線挿入孔39に電線12が挿入された状態が示されている。電線12が挿入されると、一対の板ばね片40の自由端40bが電線12端部に押されて基端40aを支点として内壁面39aに近づく方向に変形し、この状態からさらに電線12が奧へ挿入されると、絶縁被覆部12b(切れ端12c)が自由端40bを通過し、板ばね片40が元の形状に弾性復元することで、露出した芯線部12aが両側の自由端40bの先で挟まれるようになっている。
先端側に残された切れ端12cの長さが一定の長さになるように寸法管理された電線12を用い、その露出した芯線部12aを一対の板ばね片40の先でスライド自在に挟みつつ、かつ挿入された電線12を僅かに後退させ、板ばね片40の先を切れ端12cの後端面12eに当接させることにより、切れ端12cの後端面12eが位置規制され、電線挿入孔39に挿入された複数の電線12の挿入長さがほぼ等しくなり、先端揃えが行われるようになっている。また、切れ端12cの後端面12e(図5)に板ばね片40の先が当接することにより、電線ホルダ37からの電線12の不用意な抜けも防止されるようになっている。
スライドブロック45は、ブロック本体46と、ブロック本体46の前面に設けられて電線ホルダ37の電線挿入孔39の後側から突出する切れ端12cを挟む開閉自在の電線チャック55と、ブロック本体46の内部に設けられ、皮剥きされた絶縁被覆部12bを排出させるシース排出手段とを備えている。
ブロック本体46の下側には、一対のガイドシャフト22a,22bを挿通させる一対の軸孔46a,46bと、ブロックベース15に設けられた緩衝用の圧縮コイルばね19の突出端を受け入れるばね収容部46cが形成されている。ブロック本体46の中央部には、電線ホルダ37の各電線挿入孔(図2参照)39に対向する上下3段左右4列の複数のばね収容室46dと、各ばね収容室46dに同軸に連通して押出ピン48の先端側を挿通させる連通孔46eと、複数のばね収容室46dの上下方向両側に位置し、チャック用レバー65の回動によりチャックプレート(挟持部材)56,57,58を開閉させる駒部材収容溝46fとが形成されている。
ブロック本体46の上側には、締結ボルト50aにより締結固定され、チャックプレート56,57,58を上側から覆う上蓋50が設けられている。上蓋50には、回動軸51を介してチャック用レバー65が回動自在に取り付けられるようになっている。
ブロック本体46の前側には、チャックプレート56,57,58を前側から覆う前蓋52が締結固定されている。前蓋52には、電線ホルダ37の各電線挿入孔39に対向する上下3段左右4列の複数の挿通孔52aが設けられている。挿通孔52aの挿入端にはテーパ面52bが形成され、絶縁被覆部12bが引っ掛かりなくスムーズに挿入されるようになっている。また、前蓋52の内面には、チャックプレート56,57,58に係合する駒部材(連結部材)62の係合突部62dを逃がす長溝52cが凹設されている。ブロック本体46の後側には、ばね収容部46cの後端開口を覆う後蓋53が締結固定されている。
図5に示されるように、電線チャック55は、電線12の先端側に残された切れ端12cを挟持する上下3対のチャックプレート56,57,58と、回動軸51の回りを回転するチャック用レバー(回動部材)65により各チャックプレート56,57,58を開閉移動させる開閉機構とから構成されている。開閉機構は、各チャックプレート56,57,58の横孔59aに一側の係合突部62dを係合させる駒部材62と、チャック用レバー65に設けられ、このチャック用レバー65の回動中心Sとは異なる位置に円弧中心P,Qを有し、駒部材62にスライド係合してチャックプレート56,57,58を開閉動作させる円弧状のガイド孔67a,67bとからなっている。
チャックプレート56,57,58は、互いに接触した状態で前後に重なっており、前蓋52と駒部材62のフランジ部62cとの間で開閉自在に取り付けられている(図3参照)。相対向する上下のチャックプレート56,57,58は、上下方向に所定距離離れており、相互に近づいたときに両先端の間で切れ端12cが挟まれるようになっている(図6〜8)。上下のチャックプレート56,57,58が最も離れたときは、両先端の間隔は切れ端12cの外径より広くなり、電線12が挿入される状態となる。上下のチャックプレート56,57,58の間隔は、電線12のサイズに応じて所定の間隔に設定可能である。
図6〜8に示されるように、3対のチャックプレート56,57,58は、上下3段に並ぶ電線12の切れ端12cを挟むことができるように、その電線チャック位置が上下方向に所定ピッチ間隔で互いにずれている。図6には、上段の切れ端12cを挟む前側に位置する一対のチャックプレート56,57が示されている。上側に位置するチャックプレート56は、下側に位置するチャックプレート57より上下方向に短い長さに形成されており、これにより電線チャック位置は上段の電線12と対向する位置に形成されている。
下側のチャックプレート57には、横方向に並ぶ縦長の挿通孔(逃がし孔)57aが形成されている。挿通孔57aは、中段及び下段の切れ端12cが干渉無く挿通される大きさに形成されており、これにより中段及び下段の切れ端12cが中間の一対のチャックプレート58,58及び後側の一対のチャックプレート57,56に挟まれるようになっている。各チャックプレート56,57には、駒部材62の係合突部62dに係合する横孔59aがそれぞれ形成されている。この横孔59aに駒部材62の係合突部62dが係合した状態で、チャック用レバー65の回動により駒部材62が上下に移動することで一対のチャックプレート56,57が開閉されるようになっている。
図7には、中間に位置する一対のチャックプレート58,58が示されている。上下のチャックプレート58,58には、同じ大きさのチャックプレート58が用いられており、電線チャック位置は中段の電線12と対向する位置に形成されている。上下の各チャックプレート58,58には、駒部材62の係合突部62dに係合する横孔59aと、横方向に並ぶ円形の挿通孔(逃がし孔)58aが形成されている。挿通孔58aは、上段及び下段の絶縁被覆部12bがそれぞれ干渉無く挿通される大きさに形成されている。各チャックプレート58,58の横孔59aに駒部材62の係合突部62dが係合した状態で、チャック用レバー65の回動により駒部材62が上下に移動することで一対のチャックプレート58,58が開閉されるようになっている。
図8には、後側に位置する一対のチャックプレート57,56が示されている。上側に位置するチャックプレート57は、下側に位置するチャックプレート56より上下方向に長く形成されており、電線チャック位置は下段の電線12と対向する位置に形成されている。各チャックプレート57,56には、図6と同じものが用いられている。上側のチャックプレート57には、駒部材62の係合突部62dに係合する横孔59aと、横方向に並ぶ縦長の挿通孔(逃がし孔)57aが形成されている。挿通孔57aは、中段及び下段の絶縁被覆部12bが干渉無く挿通される大きさに形成されている。各チャックプレート57,56の横孔59aに駒部材62の係合突部62dが係合した状態で、チャック用レバー65の回動により駒部材62が上下に移動することで一対のチャックプレート57,56が開閉されるようになっている。
なお、本発明は、電線12を上下3段(縦3列)に並べることに制約するものではなく、ジョイントされる電線本数に応じて、上下2段又は上下4段以上に並べることも可能である。上下に整列された電線12は、チャック用レバー65を操作することにより、同時に挟まれて、先端側に残された切れ端12cの皮剥きが一括して行われるようになっている。
駒部材62は、チャック用レバー65と3対のチャックプレート56,57,58の間に介在し、チャック用レバー65の回転運動をチャックプレート56,57,58の往復運動に変える連結部材であり、幅方向(左右方向、紙面に垂直な方向)に貫通形成された孔部62bを有する胴部62aと、胴部62aの一端に形成されたフランジ部62cと、フランジ部62cの端面に突設された係合突部62dと、胴部62aの孔部62bに圧入される係合ピン62eとから構成されている。係合突部62dと係合ピン62eは、互いに交差する方向に設けられていて、係合突部62dはチャックプレート56,57,58の横59aに係合し、係合ピン62eはチャック用レバー65のガイド孔67a,67bに係合するようになっている。
図9に示されるように、チャック用レバー65は、駒部材62の係合ピン62eに係合するガイド孔67a,67bを有する扇状のレバー本体66と、レバー本体66に続く把持する部分である棒状のレバーアーム68とからなっている。レバー本体66は、スライドブロック45の両側面を挟んだ状態に取り付けられるようになっている(図2)。このチャック用レバー65は、長手方向の中間部分において回動軸51を介してスライドブロック45の上蓋(図1)50に回動自在に軸支されている。
弧状のガイド孔67a,67bは、レバー本体66の半径方向内側と、半径方向外側とに一対設けられている。図9に示されるように、外側のガイド孔67bは溝長が長く形成されていて、その円弧中心Pは回転軸Sの中心から右にずれた位置にある。内側のガイド孔67aは溝長が短く形成されていて、その円弧中心Qは回動軸Sの中心から左にずれた点Qの位置にある。一対のガイド孔67a,67bの円弧中心P,Qを回動中心Sから左右にずらすことにより、ガイド孔67a,67bの長さ方向の両側と回動中心Sとを結ぶ半径に半径差δ1,δ2をそれぞれ生じることとなる。
外側のガイド孔67bの場合、チャック用レバー65を反時計方向に角度θ回転させると、点P1が点P1′に回転移動し、点P2が点P2′に回転移動し、点P2の位置にある係合ピン62eは点P1′の位置へ半径差δ1に相当する量だけ半径方向内側に移動することとなる。内側のガイド孔67aの場合、チャック用レバー65を反時計方向に角度θ回転させると、点Q1が点Q1′に回転移動し、点Q2が点Q2′に回転移動し、点Q2の位置にあるピンは点Q1′の位置へ半径差δ2に相当する量だけ半径方向外側に移動することとなる。
半径差δ1及びδ2は、一対の駒部材62,62の移動量に相当し、チャック用レバー65を反時計方向に回転させアンクランプ位置(実線の位置)からクランプ位置(2点鎖線の位置)へ倒すと、一対の駒部材62が接近する方向に移動して3対のチャックプレート56,57,58が同時に閉じて切れ端12cが挟まれることとなる。逆に、チャック用レバー65を時計方向に回転させクランプ位置からアンクランプ位置へ戻すと、一対の駒部材62,62が相互に離れる方向に移動して3対のチャックプレート56,57,58が同時に開くこととなる。
なお、半径差δ1及びδ2は、チャックプレート56,57,58と切れ刃12cの相対位置、上下のチャックプレート56,57,58のクランプ間隔、電線サイズなどによって定められるものであって任意であるが、本実施形態では、半径差δ1と半径差δ2とが等しくなるように回転角θ及びガイド孔67a,67bの形状が定められている。これにより、上下一対のチャックプレート56,57,58の間に位置する切れ端12cが上下方向から等しい力でバランス良く挟まれ、露出する芯線部12aに曲がりなどが生じないようになっている。所定長さの切れ端12cのうち、上下のチャックプレート56,57,58に挟まれる部分は、切れ端12cの先端側の部分、すなわち芯なしの部分が好ましい。
次に、上述した電線皮剥き装置10を用いたジョイント電線の製造方法について説明する。芯線部12aが相互接続される複数本の電線12には、先端側に切れ端12cが残るように絶縁被覆部12bが所定長さに亘って皮剥きされたセミストリップ状態にある電線12が用いられる(図3等参照)。セミストリップ状態にある電線12は、先端側から所定の位置で絶縁被覆部12bをカットして絶縁被覆部12cから切れ端12cを分離した後、切れ端12cを所定距離先端側に移動させ、先端から離れた位置で芯線部12aを一部露出させた電線であり、例えば、長手方向に移動自在なクランプにより電線12を把持した状態で、先端側から所定の位置で絶縁被覆部12bを一対のカッタでカットした後、一対のカッタを径方向外側に逃がし、切れ端12cをカッタに引っ掛けたままの状態でクランプを所定量後退移動させることにより、切れ端12cを芯線部12aから脱落しないようにして、残りの絶縁被覆部12bから分離して製造される。
複数本の電線12の皮剥きは次のようにして行われる。各電線12を電線ホルダ37の各端子挿入室39に挿入し(図3,10)、チャック用レバー65を反時計方向に回転させ、後端面12eが位置規制された切れ端12cを上下一対のチャックプレート56,57,58でそれぞれ挟み、複数本の電線12を相互に相対移動できないように保持した後、スライド用レバー25を時計方向に回転させ(図11)、スライドブロック45をブロックベース15に沿って電線12から離れる方向に移動させて切れ端12cを皮剥きする。
端子挿入室39に挿入された電線12は、端子挿入室39内の挿入端に基端40aを有する一対の板ばね片40の自由端40bで露出した芯線部12aが挟まれつつ、自由端40bの先が切れ端12cの端部に当接することにより挿入長さが規制されて先端揃えが行われる。先端揃えが行われた後、複数本の電線12が相互に相対移動できないように整列させた状態に図示しない結束バンド等で保持されることで、切れ端12cが皮剥きされる際に先端が不揃いになったり、電線ホルダ37から引き抜かれた複数本の電線12がばらけて先端が不揃いになったりすることが防止される。
切れ端12cが皮剥きされた後、電線ホルダ37から複数本の電線12を引き抜き、露出された芯線部12aを筒状の図示しない導電性スリーブに挿入させて一括して仮保持した後、図示しないロータリスエージング装置を用いて導電性スリーブの外周を均一に圧縮加工して集中ジョイント部を形成し、芯線部12a同士を相互接続する。集中ジョイント部は、従来技術の欄で述べたように、抵抗溶接や超音波溶接、熱圧着等により形成することも可能であるが、ロータリスエージング装置を用いて形成することで、作業性、接続信頼性を向上することができる利点がある。
切れ端12cが皮剥きされると、電線皮剥き装置10内には切れ端12cが残ったままの状態となるが、本発明の電線皮剥き装置10は、スライドブロック45に圧縮コイルばね(弾性部材)47を介して弾設されたシース排出手段としての押出ピン48を備えているため、スライドブロック45内に残された切れ端12cが一括して外に排出されるようになっている。
図4に示されるように、切れ端12cを排出させるには、電線ホルダ37を時計方向に回転させ、スライド操作用レバー25をさらに時計方向に回転させ、押出ピン48の後端をブロックベース15の後壁20に当接させ、圧縮コイルばね47のばね力に抗しつつ押出ピン48の先端を電線チャック55側に突出させ、上下一対のチャックプレート56,57,58の間にある切れ端12cの先端面12dに押出ピン48の先端面(突き当て部)48aを突き当てることにより、絶縁被覆部12bが外に排出されるようになっている。
押出ピン48の先端面48aは、切れ端12cの先端面12dに対する対向面であるから、電線ホルダ37に電線12が挿入されたされた際に、切れ端12cの先端面12dを押出ピン48の先端面48aに突き当てるようにして、電線12の挿入長さを規制することも可能である。このようにすれば、切れ端12cの後端面12eを一対のばね片40の先に近づけた状態で電線12を挿入でき、切れ端12cの後端面12eを位置規制しやすくなり、作業性を向上することができる利点がある。
次の作業を行う場合は、チャック用レバー65を時計方向に回転させ、スライド操作用レバー25を反時計方向に回転させ、電線ホルダ37を時計方向に回転させてから、再び複数本の電線12が電線ホルダ37に挿入されて同様の作業が繰り返し行われることとなる。
このように本実施形態によれば、セミストリップ状態にある電線12を用いたことにより、芯線部12aの解れや曲がりを防止することができることに加え、ジョイントされる複数本の電線12の先端揃えと、切れ端12cの皮剥きを連続して行うことができ、しかも切れ端12cを一括して皮剥きすることができ、ジョイント電線の作業性を向上することができる。先端を揃わせるために電線ホルダ37に挿入された複数本の電線12が、電線ホルダ37内で保持されることで、作業者が複数本の電線12を手で保持しつつ先端揃えを行う必要がなくなり、作業負担が軽減する。また、皮剥き後の絶縁被覆部12bの排出を容易に行うことができ、これによっても作業性を向上することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本実施形態では、上下の各チャックプレート56,57,58が移動できるように形成されているが、一方のチャックプレート56,57,58だけを移動できるように形成することも可能である。この場合、一方のチャックプレート56,57,58を可動側として上に配置し、他方のチャックプレート56,57,58を固定側として下に配置して、切れ端12cを固定側のチャックプレート56,57,58で支えるようにすることが有効である。
本発明に係る電線皮剥き装置の一実施形態を示す一部断面図である。 図1に示す電線皮剥き装置の正面図である。 同じく電線皮剥き装置に複数本の電線が挿入された状態を示す断面図である。 皮剥きされた絶縁被覆部が排出された状態を示す断面図である。 電線チャックの構造を説明するための断面図である。 図5に示す電線チャックにおいて、前側に位置する一対のチャックプレートを示す正面図である。 図5に示す電線チャックにおいて、中間に位置する一対のチャックプレートを示す正面図である。 図5に示す電線チャックにおいて、後側に位置する一対のチャックプレートを示す正面図である。 チャック用レバーの正面図である。 スライドブロックを移動させる前の状態を示す電線皮剥き装置の側面図である。 スライドブロックを後方に移動させた状態を示す電線皮剥き装置の側面図である。 従来のジョイント電線の製造方法の一例を示す説明図であり、(a)は電線保持具に電線が保持された状態を示す斜視図、(b)は先端を揃えている状態を示す斜視図である。 従来のジョイント電線の製造方法の他の一例を示す斜視図である。
符号の説明
10 電線皮剥き装置
12 電線(被覆電線)
12a 芯線部
12b 絶縁被覆部
12c 切れ端
15 ブロックベース(ベース)
22a,22b ガイドシャフト(被ガイド部)
25 スライド操作用レバー(駆動手段)
37 電線ホルダ
39 電線挿入孔
39a 内壁面
40 板ばね片(位置規制部)
40a 基端
40b 自由端
45 スライドブロック
46a,46b 軸孔(ガイド部)
46e 連通孔
47 圧縮コイルばね(弾性部材)
48 押出ピン
55 電線チャック
56,57,58 チャックプレート(挟持部材)
57a,58a 挿通孔(逃がし孔)
62 駒部材(連結部材)
62e 係合ピン
65 チャック用レバー(回動部材)
67a,67b ガイド孔

Claims (10)

  1. 芯線部の先端から絶縁被覆部の先端を突出させるように、所定長さにカットされた該絶縁被覆部の切れ端を該芯線部に沿って移動させ、先端から離れた位置で該芯線部を露出させたセミストリップ状態にある被覆電線を用い、複数本の該被覆電線の先端を揃えた状態で相互に相対移動できないように該被覆電線を保持し、前記切れ端を挟みつつ前記被覆電線から離れる方向に移動させて皮剥きした後、露出された芯線部同士を相互接続することを特徴とするジョイント電線の製造方法。
  2. 芯線部の先端から絶縁被覆部の先端を突出させるように、所定長さにカットされた該絶縁被覆部の切れ端を該芯線部に沿って移動させ、先端から離れた位置で該芯線部を露出させたセミストリップ状態にある複数本の被覆電線を多数列に並ぶ複数の電線挿入孔の一端側からそれぞれ挿入させ、該電線挿通孔に形成された位置規制部に当接させて前記切れ端の後端面を位置規制された状態で保持する電線ホルダと、該電線ホルダの背面側で前記電線挿入孔の他端側から突出する前記切れ端を挟む開閉自在の電線チャックと、該電線チャックを備え、駆動手段により該電線チャックを前記電線ホルダから離れる方向に移動させて前記切れ端を皮剥きする移動自在のスライドブロックとを備えたことを特徴とする電線皮剥き装置。
  3. 前記位置規制部が、前記電線挿入孔の内壁面に前記被覆電線の挿入端側で固定された基端と、該基端に続き電線挿入方向に延びる自由端とを有し、両側の該自由端で切れ端を先端側に移動させて露出させた前記芯線部を挟む一対の板ばね片であることを特徴とする請求項2記載の電線皮剥き装置。
  4. 前記スライドブロックの内側に、前記切れ端の先端面を当接させて位置規制する突き当て部が設けられたことを特徴とする請求項2又は3記載の電線皮剥き装置。
  5. 前記電線チャックが、前記切れ端を対向方向から挟む少なくとも一対の挟持部材と、回動軸の回りを回転する回動部材により前記挟持部材を開閉させる開閉機構とを備えたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の電線皮剥き装置。
  6. 前記挟持部材が板厚方向に重合して複数設けられ、相対向する各一対の挟持部材の電線チャック位置が上下に並ぶ前記被覆電線の位置に対応して上下にずれて形成され、前記挟持部材には、前記被覆電線を挟む方向と交差する方向に並び、上段又は下段に位置する複数の前記被覆電線を挿通させる逃がし孔が形成されたことを特徴とする請求項5記載の電線皮剥き装置。
  7. 前記開閉機構が、前記挟持部材に連結される連結部材と、前記回動部材に設けられ、該回動部材の回動中心とは異なる位置に円弧中心を有し、前記連結部材にスライド係合して前記挟持部材を開閉動作させる円弧状のガイド孔とを備えたことを特徴とする請求項5又は6記載の電線皮剥き装置。
  8. 前記連結部材が、相対向する前記一対の挟持部材の双方に連結され、各連結部材に係合する前記ガイド孔が、前記回動部材の半径方向内側と半径方向外側とに形成されると共に、各ガイド孔の円弧中心が前記回動部材の回動中心の両側にそれぞれ位置することを特徴とする請求項7記載の電線皮剥き装置。
  9. 前記スライドブロックはベース上に移動自在に取り付けられ、該スライドブロックに自身の移動をガイドするガイド部が形成され、前記ベースに前記ガイド部に係合する被ガイド部が形成されたことを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載の電線皮剥き装置。
  10. 前記スライドブロックに、前記絶縁被覆部の先端面に対向する連通孔が貫通形成され、該連通孔に、弾性部材を介して出没自在に弾設され、該弾性部材のばね力に抗しつつ押し出されて突出端を前記絶縁被覆部に突き当てることにより、該絶縁被覆部を前記電線チャックから排出させる押出ピンが設けられたことを特徴とする請求項2〜9のいずれか1項に記載の電線皮剥き装置。
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