JP2006005339A - 化学機械研磨パッド及び化学機械研磨方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 研磨面、それと対向する非研磨面およびこれらの面を規定する側面を有し、研磨面は、
(i)研磨面の中心部から周辺部に向う1本の仮想直線と交差する第1溝の複数本からなる第1の溝群、この複数本の第1溝同士は互に交差することがない、あるいは研磨面の中心部から周辺部に向って次第に螺線が拡大する1本の第1螺旋状溝のいずれか、および
(ii)研磨面の中心部から周辺部に向う方向に伸び且つ上記第1溝群の第1溝または第1螺旋状溝のいずれかと交差する第2溝の複数本からなる第2溝群、この複数本の第2溝同士は互に交差することがない、
を有する、
化学機械研磨パッド。
【選択図】 なし
Description
従来、化学機械研磨では微細な気泡を含有するポリウレタンフォームを研磨パッドとして用い、この樹脂の表面に開口する穴(以下、「ポア」という)にスラリーを保持させて研磨が行われている。このとき、化学機械研磨用パッドの表面(研磨面)に溝を設けることにより研磨速度及び研磨結果が向上することが知られている(特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)。
しかし、近年、半導体装置の高性能・小型化に伴い、配線の微細化・多積層化が進んでおり、化学機械研磨および化学機械研磨用パッドへの要求性能が高くなってきている。上記特許文献1においては詳細に化学研磨用パッドのデザインが記載されているが、研磨速度及び研磨後の被研磨面の状態は未だ満足できるものではない。特に、引っ掻き傷状の表面欠陥(以下、「スクラッチ」という。)が発生する場合があり、改善が望まれている。
本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から明らかになろう。
研磨面、それと対向する非研磨面およびこれらの面を規定する側面を有し、研磨面は、それぞれ複数本の溝からなる少なくとも2つの溝群を有し、上記2つの溝群は
(i)研磨面の中心部から周辺部に向う1本の仮想直線と交差する第1溝の複数本からなる第1溝群、この複数本の第1溝同士は互に交差することがない、および
(ii)研磨面の中心部から周辺部に向う方向に伸び且つ上記第1溝群の第1溝と交差する第2溝の複数本からなる第2溝群、この複数本の第2溝同士は互に交差することがない、
からなる、
ことを特徴とする化学機械研磨パッド(以下、本発明の第1研磨パッドということがある)によって達成される。
研磨面、それと対向する非研磨面およびこれらの面を規定する側面を有し、研磨面は、
(i)研磨面の中心部から周辺部に向って次第に螺線が拡大する1本の第1螺旋状溝および
(ii)研磨面の中心部から周辺部に向う方向に伸び且つ上記螺旋状溝と交差する第2溝の複数本からなる第2溝群、この複数本の第2溝同士は互に交差することがない、
を有する、
ことを特徴とする化学機械研磨パッド(以下、本発明の第2研磨パッドということがある)によって達成される。
本発明の上記化学機械研磨パッドを使用することを特徴とする化学機械研磨法によって達成される。
第1溝群における複数本の第1溝同士は交差することがない。
これらの第1溝は、研磨面の中心部から周辺部へ向かう1本の仮想直線と複数回交差するように研磨面上に設けられている。例えば溝の形状が上記複数個の環からなる場合、2つの環では交差点が2個であり、3つの環では3個となり、同様にn個の環ではn個となる。また、2本の螺旋状溝の場合にはふた巻(360度でひと巻とする)に入る前に交差点の数は2個となり、ふた巻に入ったときに交差点を3個とすることができ、n巻では(n+1)個とすることができる。
複数個の環や多角形からなるとき、複数個の環や多角形は互いに交差しないように配置されるが、その配置は同心であっても偏心であってもよいが、同心であることが好ましい。同心状に配置されている研磨パッドは他のものに比べて上記機能に優れる。複数個の環が複数個の円環からなることが好ましく、それらの円環が同心に配置されるのがさらに好ましい。また、円環溝が同心円状であることにより、さらにこれらの機能に優れ、また、溝の作製もより容易である。
また、溝の幅方向すなわち溝方向に直角方向における断面形状は特に限定されない。例えば、平坦な側面と底面により形成された三面以上の多面形状、U字形状、V字形状等とすることができる。
溝の大きさは特に限定されないが、例えば、第1溝の溝幅は0.1mm以上とすることができ、好ましくは0.1〜5mm、更に好ましくは0.2〜3mmとすることができる。また、溝の深さは0.1mm以上とすることができ、好ましくは0.1〜2.5mm、更に好ましくは0.2〜2.0mmとすることができる。更に、溝の間隔は、上記仮想直線と複数本の第1溝との隣接する交差点間の距離のうち最小のものを0.05mm以上とすることができ、好ましくは0.05〜100mm、更に好ましくは0.1〜10mmとすることができる。これらの範囲の大きさの溝とすることにより、被研磨面のスクラッチ低減効果に優れ、寿命の長い化学機械研磨用パッドを容易に製造することができることとなる。
また、溝の幅と隣り合う溝の間の距離との和であるピッチは0.15mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.15〜105mmであり、更に好ましくは0.5〜13mmであり、特に好ましくは0.5〜5.0mmであり、就中0.5〜2.2mmである。
また、上記第1溝の内面の表面粗さ(Ra)は20μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.05〜15μm以下であり、更に好ましくは0.05〜10μm以下である。この表面粗さを20μm以下とすることにより、化学機械研磨工程の際に被研磨面に発生するスクラッチをより効果的に防止できることとなる。
Ra=Σ|Z−Zav|/N ・・・(1)
ただし、上記式において、Nは測定点数であり、Zは粗さ局面の高さであり、Zavは粗さ局面の平均高さである。
上記第2溝群の第2溝は、研磨面の中心部から周辺部へ向かう方向に伸びる複数の溝からなる。ここで、中心部とは、化学機械研磨パッド面上の重心を中心とした半径50mmの円で囲まれた領域をいう。第2溝群に属する各第2溝は、この「中心部」のうちの任意の一点から周辺部へ向かう方向に伸びていればよく、その形状は、例えば直線状若しくは円弧状又はこれらを組み合わせた形状であることができる。
第2溝群の第2溝の数は、好ましくは4〜65本であり、更に好ましくは8〜48本である。
第2溝の好ましい溝幅及び溝の深さは、上記第1溝の幅及び溝の深さと同様である。また、第2溝の内面の表面粗さ(Ra)の好ましい範囲も、第1溝の内面の表面粗さ(Ra)の好ましい範囲と同様である。
これら第2溝群の複数第2溝は、化学機械研磨パッド面上で、できるだけ均等に配置されることが好ましい。
本発明の化学機械研磨パッドの研磨面に形成される第2溝群は、例えば図1〜7に示した概略図のような構成であることができる。
第1螺旋状溝の巻回数は例えば20〜400であることができる。360度でのひと巻きが巻回数1に相当する。
第1螺旋状溝は、例えば0.1mm以上の溝幅および0.1mm以上の溝深さを有しそして該第1螺旋状溝と、研磨面の中心部から周辺部へ向う1本の仮想直線との隣接する交差点間の距離のうち最小のものが0.05mm以上であることができる。
第2研磨パッドについてここに特に記載のない事項は、第1研磨パッドについての記載事項がそのままあるいは当業者に自明の変更の下に、第2研磨パッドについても適用されると理解されるべきである。
図1において、パッド1は研磨面にパッドの中心から周辺部へ伸びる16本の直線溝2からなる第2溝群と、直径の異なる10本の同心円溝3からなる第1溝群とを有している。第2溝群における16本の直線溝2は互に交差していずまた第1溝群における10本の同心円溝3も互に交差していないが、直線溝と同心円溝とは交差している。また、図1のパッドでは、16本の直線溝は全てパッドの側面に達している。
凹部の形状は特に限定されないが、円形又は多角形状であることが好ましく、円形が特に好ましい。凹部の形状が円形である場合、その直径の上限値は、被研磨物であるウェハの直径の好ましくは100%、更に好ましくは75%、特に好ましくは50%である。凹部の形状が円形である場合、その直径の下限は、被研磨物であるウェハのサイズに拘わらず好ましくは1mm、更に好ましくは5mmである。
例えば、円盤状外形を有するとき、対向する円形状上面および円形状下面がそれぞれ研磨面および非研磨面となる。
化学機械研磨パッドの大きさも特に限定されないが、例えば円盤状の化学機械研磨パッドの場合、直径150〜1200mm、特に500〜800mm、厚さ0.5〜5.0mm、特に厚さ1.0〜3.0mm、就中厚さ1.5〜3.0mmとすることができる。
このうち、前者の素材は、水溶性粒子が研磨時に水系媒体と固形分とを含有するスラリーの水系媒体と接触し、溶解または膨潤して脱離し、そして、脱離により形成されたポアにスラリーを保持できる。一方、後者の素材は、空洞として予め形成されているポアにスラリーを保持できる。
このうち、熱可塑性樹脂としては、例えば1,2−ポリブタジエン樹脂、ポリエチレンの如きポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル樹脂例えば(メタ)アクリレート系樹脂等、ビニルエステル樹脂(アクリル樹脂を除く)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニリデンの如きフッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂等を挙げることができる。
また、これらの有機材料は、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基等により変性されたものであってもよい。変性により、後述する水溶性粒子や、スラリーとの親和性を調節することができる。
これらの有機材料は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
この架橋重合体としては、上記有機材料の中でも架橋ゴム、硬化樹脂、架橋された熱可塑性樹脂および架橋されたエラストマー等を用いることができる。さらに、これらの中でも、多くのスラリー中に含有される強酸や強アルカリに対して安定であり、且つ吸水による軟化が少ないことから架橋熱可塑性樹脂および/または架橋エラストマーが好ましい。また、架橋熱可塑性樹脂および架橋エラストマーのうちでも、有機過酸化物を用いて架橋されたものが特に好ましく、さらには、架橋1,2−ポリブタジエンがより好ましい。
この水溶性粒子は、ポアを形成する効果以外にも、研磨パッド中においては、研磨パッドの押し込み硬さを大きくする効果を有する。例えば、水溶性粒子を含有することにより本発明の研磨パッドのショアD硬度を、好ましくは35以上、より好ましくは50〜90、さらに好ましくは50〜80そして通常100以下にすることができる。ショアD硬度が35を超えると、被研磨体に負荷できる圧力を大きくでき、これに伴い研磨速度を向上させることができる。さらに加えて、高い研磨平坦性が得られる。従って、この水溶性粒子は、研磨パッドにおいて十分な押し込み硬さを確保できる中実体であることが特に好ましい。
このような非水溶性マトリックス材中に分散する空洞の大きさは、平均値で、好ましくは0.1〜500μm、より好ましくは0.5〜100μmである。
本発明の化学機械研磨パッドは、上記のようなパッドの非研磨面上に支持層を備える多層型パッドであることもできる。
支持層を構成する材料も特に限定されないが、所定の形状および性状への成形が容易であり、適度な弾性等を付与できることなどから有機材料を用いることが好ましい。
なお、本発明の化学機械研磨パッドが、被研磨物の研磨面に発生するスクラッチを低減させる機構については未だ明らかではないが、従来知られている化学機械研磨パッドにおいては、化学機械研磨工程の際、パッドの中心部に化学機械研磨用水系分散体や研磨屑等が滞留する現象が見られたことから、上記滞留物がスクラッチの発生源として働いていたものと推定される。一方、本発明の化学機械研磨パッドを使用すると、化学機械研磨工程の際に上記のような滞留現象が観察されないことから、研磨面上に上記の如き溝を形成することにより滞留物が効果的に除去されることになったと思われ、これによりスクラッチの低減効果が発現したものと推定される。
その場合の被研磨面、使用する化学機械研磨用水系分散体の種類は問わない。
(1)化学機械研磨パッドの製造
架橋されて非水溶性マトリックスとなる1,2−ポリブタジエン(JSR(株)製、商品名「JSR RB830」)80体積部(72質量部に相当)と、水溶性粒子であるβ−サイクロデキストリン((株)横浜国際バイオ研究所製、商品名「デキシパールβ−100」、平均粒径20μm)20体積部(28質量部に相当)とを160℃に調温されたルーダーにより混練した。その後、ジクミルパーオキシド(日本油脂(株)製、商品名「パークミルD」)1.0体積部(1.1質量部に相当)を配合して、120℃にて更に混練し、ペレットを得た。次いで、混練物を金型内において170℃で18分加熱し、架橋させて、直径600mm、厚さ2.5mmの円盤状の成形体を得た。その後、この成形体の研磨面側に加藤機械(株)製の切削加工機を用いて、幅が0.5mm、深さが1.0mmの同心円状の溝を、ピッチが2.0mmとなるように形成した(第1溝群の溝)。更に、研磨面側に、パッドの中心から外周端に至る直線状の溝16本(それぞれの幅は1.0mmであり、深さは1.0mmである。)を、パッド研磨面の中心で互いに接し、隣接する直線溝となす角度はいずれも22.5°となるように形成した(第2溝群の溝)。ここで形成した溝群の構成は、図1に示した概略図に相当する。なお、ここで形成した溝群につき三次元表面構造解析顕微鏡(型式「Zygo New View 5032,」キヤノン(株)製)で内面の表面粗さを測定したところ、4.2μmであった。
上記で製造した化学機械研磨パッドを研磨装置((株)荏原製作所製、型式「EPO112」)の定盤上に装着し、化学機械研磨用スラリーとして3倍に希釈したCMS−1101(商品名、JSR(株)製)を使用し、以下の条件でパターンなしSiO2膜(PETEOS膜;テトラエチルオルトシリケート(TEOS)を原料として、促進条件としてプラズマを利用して化学気相成長で成膜したSiO2膜)を有するウェハ(直径8インチ)を研磨し、研磨速度及びスクラッチ数を評価した。その結果、研磨速度は、210nm/分であり、被研磨面にスクラッチは確認されなかった。
定盤の回転数;70rpm
ヘッドの回転数;63rpm
ヘッド押しつけ圧;4psi
スラリー供給量;200mL/分
研磨時間;2分
なお、上記研磨速度は光学式膜厚計により研磨前後の膜厚を測定し、これらの膜厚差から算出した。また、スクラッチは研磨後のSiO2膜ウェハの被研磨面をウェハ欠陥検査装置(ケーエルエー・テンコール社製、型式「KLA2351」)を使用して被研磨面の全面に生成したスクラッチの全数を測定した。
実施例1において、第2溝群の溝として、パッドの中心から外周端に至る直線状の溝4本(それぞれの幅は1.0mmであり、深さは1.0mmである。)を、パッド研磨面の中心で互いに接し、隣接する直線溝となす角度はいずれも90°となるように形成し、更に、パッド中心から25mmの点から外周端に至る直線溝を、いずれも隣接する直線溝となす角度が11.25°となるように、28本の直線溝を形成した他は、実施例1と同様にして化学機械研磨パッドを製造した。ここで形成した溝群の構成は、図2に示した概略図に相当する。なお、ここで形成した溝群の、内面の表面粗さは3.9μmであった。
上記で作成した研磨パッドを使用した他は実施例1と同様にして研磨速度、スクラッチ数を評価した。その結果、研磨速度は220nm/分であり、スクラッチは確認されなかった。
1,2−ポリブタジエン(JSR(株)製、商品名「JSR RB830」)64体積部(58質量部に相当)と、1,2−ポリブタジエンとポリスチレンのブロック重合体(JSR(株)製、商品名「TR2827」)16体積部(14質量部kに相当)と、水溶性粒子であるβ−サイクロデキストリン((株)横浜国際バイオ研究所製、商品名「デキシパールβ−100」、平均粒径20μm)20体積部(28質量部に相当)とを160℃に調温されたルーダーにより混練した。その後、ジクミルパーオキシド(日本油脂(株)製、商品名「パークミルD」)0.5体積部(0.56質量部に相当)を配合して、120℃にて更に混練し、ペレットを得た。次いで、混練物を金型内において180℃で10分加熱し、架橋させて、直径600mm、厚さ2.5mmの円盤状の成形体を得た。その後、この成形体の研磨面側に加藤機械(株)社製の切削加工機を用いて、幅が0.5mm、深さが1.0mmの同心円状の溝を、ピッチが1.5mmとなるように形成した(第1溝群の溝)。更に、パッドの中心から外周端に至る直線状の溝8本(それぞれの幅は1.0mmであり、深さは1.0mmである。)を、パッド研磨面の中心で互いに接し、隣接する直線溝となす角度はいずれも45°となるように形成し、更に、パッド中心から25mmの点から外周端に至る直線溝を、いずれも隣接する直線溝となす角度が5.625°となるように、56本の直線溝を形成した(第2溝群の溝)。ここで形成した溝群の構成は、図3に示した概略図に相当する。なお、ここで形成した溝群の、内面の表面粗さは4.7μmであった。
上記で作成した研磨パッドを使用した他は実施例1と同様にして研磨速度、スクラッチ数を評価した。その結果、研磨速度は185nm/分であり、スクラッチは確認されなかった。
1,2−ポリブタジエン(JSR(株)製、商品名「JSR RB830」)56体積部(48質量部に相当)と、ポリスチレン(エー・アンド・エンスチレン(株)製、商品名「GPPS HF55」)14体積部(12質量部に相当)と、水溶性粒子であるβ−サイクロデキストリン((株)横浜国際バイオ研究所製、商品名「デキシパールβ−100」、平均粒径20μm)30体積部(40質量部に相当)とを160℃に調温されたルーダーにより混練した。その後、ジクミルパーオキシド(日本油脂(株)製、商品名「パークミルD」)0.5体積部(0.56質量部に相当)を配合して、120℃にて更に混練し、ペレットを得た。次いで、混練物を金型内において180℃で10分加熱し、架橋させて、直径600mm、厚さ2.8mmの円盤状の成形体を得た。その後、この成形体の研磨面側に加藤機械(株)製の切削加工機を用いて、幅が0.5mm、ピッチが2.0mm、深さが1.4mmの同心円状の溝を形成した(第1溝群の溝)。更に第2溝群の溝として、溝深さを1.4mmとする以外は実施例2における第2溝群の溝と同様に形成した。ここで形成した溝群の、内面の表面粗さは3.5μmであった。
実施例1において、第2溝群の溝として、パッドの中心から外周部に至る直線状の溝4本(それぞれの幅は1.0mmであり、深さは1.0mmである。)を、パッド研磨面の中心で互いに接し、隣接する直線溝となす角度はいずれも90°となるように形成し、更に、パッド中心から25mmの点から外周端に至る直線溝を、いずれも隣接する直線溝となす角度が11.25°となるように28本の溝を形成し、更に、パッドの中心から75mmの点から、外周端に至る直線溝を、いずれも隣接する直線溝となす角度が5.625°となるように32本の溝を形成した他は、実施例1と同様にして化学機械研磨パッドを製造した。ここで製造した溝群の構成は、図8に示した概略図に相当する。なお、ここで形成した溝群の内面の表面粗さは4.0μmであった。
上記で製造した研磨パッドを使用した他は実施例1と同様にして研磨速度及びスクラッチ数を評価したところ、研磨速度は225nm/分であり、スクラッチは観測されなかった。
1,2−ポリブタジエン(JSR(株)製、商品名「JSR RB830」)80体積部(72質量部に相当)と、水溶性粒子であるβ−サイクロデキストリン((株)横浜国際バイオ研究所製、商品名「デキシパールβ−100」、平均粒径20μm)20体積部(28質量部に相当)とを160℃に調温されたルーダーにより混練した。その後、ジクミルパーオキシド(日本油脂(株)製、商品名「パークミルD」)0.12体積部(0.13質量部に相当)を配合して、120℃にて更に混練し、ペレットを得た。次いで、混練物を金型内において170℃で18分加熱し、架橋させて、直径800mm、厚さ2.5mmの円盤状の成形体を得た。その後この成形体に実施例1と同様の溝群を形成した。ここで形成した溝群の構成は、ここで形成した溝群の、内面の表面粗さは3.5μmであった。この直径800mmの研磨パッドの中心部分を直径600mmに切り取り、実施例1と同様にして研磨速度、スクラッチ数を評価した。その結果、研磨速度は254nm/分であり、スクラッチは確認されなかった。
実施例2において、最後に形成した28本の直線溝のそれぞれを、間隔2mmの2本の直線溝になるように形成した他は、実施例2と同様にして化学機械研磨パッドを製造した。ここで形成した溝群は図9示した概略図に相当する。ここで製造した研磨パッドを使用した他は実施例1と同様にして研磨速度、スクラッチ数を評価した。その結果、研磨速度は233nm/分であり、スクラッチは確認されなかった。
なお、間隔2mmの2本の直線溝はパッドの中心部から周辺部に向って、同じ2mm間隔で形成されているので、2本の直線溝のそれぞれはパッドの中心部から発しているものの、パッドの直径方向と一致せず、幾分ずれていることが理解されよう。
分子の両末端に2個の水酸基を有する数平均分子量650のポリテトラメチレングリコール(三菱化学(株)製、品名「PTMG650」)28.2質量部と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(住化バイエルウレタン(株)製、品名「スミジュール44S」)21.7質量部を反応容器に仕込み、攪拌しながら90℃で3時間保温して反応させ、その後冷却して、両末端イソシアネートプレポリマーを得た。
この原料混合物を直径60cm、厚さ3mmの金型に注入し、80℃で20分間保持してポリウレタンの重合を行い、更に110℃で5時間ポストキュアを行い、直径600mm、厚さ2.5mmの成形体を得た。その後この成形体に実施例1と同様の溝群を形成した。ここで形成した溝群の、内面の表面粗さは3.0μmであった。
上記で作成した研磨パッドを使用した他は実施例1と同様にして研磨速度、スクラッチ数を評価した。その結果、研磨速度は231nm/分であり、スクラッチは確認されなかった。
実施例1と同様にして同じ大きさの円盤状の成形体を作製し、研磨面側に市販の切削加工機を用いて、幅が0.5mm、ピッチが2.0mm、深さが1.0mmの同心円状の溝(第1溝群の溝)のみを形成した以外は、実施例1と同様にして、化学機械研磨パッドを製造した。ここで形成した溝群の、内面の表面粗さは4.8μmであった。
この研磨パッドを用い、実施例1と同様にして研磨速度、スクラッチの有無を評価した。その結果、研磨速度は200nm/分であり、スクラッチは15個であった。
実施例1と同様にして同じ大きさの円盤状の成形体を作製し、研磨面側に第1溝群の同心円状の溝を形成せず、第2溝群の溝のみを形成した以外は実施例1に従い研磨パッドを製造した。ここで形成した溝群の、内面の表面粗さは4.5μmであった。
この研磨パッドを用い、実施例1と同様にして研磨速度、スクラッチの有無を評価した。その結果、研磨速度は120nm/分であり、スクラッチは25個であった。
実施例1と同様にして同じ大きさの円盤状の成形体を作製し、研磨面側に市販の切削加工機を用いて、幅が1.0mm、ピッチが10.0mm、深さが1.0mmの格子状の溝を形成した以外は、実施例1と同様にして、化学機械研磨パッドを製造した。ここで形成した溝群の、内面の表面粗さは5.5μmであった。
この研磨パッドを用い、実施例1と同様にして研磨速度、スクラッチの有無を評価した。その結果、研磨速度は150nm/分であり、スクラッチは50個であった。
Claims (22)
- 研磨面、それと対向する非研磨面およびこれらの面を規定する側面を有し、研磨面は、それぞれ複数本の溝からなる少なくとも2つの溝群を有してなり、上記2つの溝群は
(i)研磨面の中心部から周辺部に向う1本の仮想直線と交差する第1溝の複数本からなる第1の溝群、この複数本の第1溝同士は互に交差することがない、および
(ii)研磨面の中心部から周辺部に向う方向に伸び且つ上記第1溝群の第1溝と交差する第2溝の複数本からなる第2溝群、この複数本の第2溝同士は互に交差することがない、
からなる、
ことを特徴とする化学機械研磨パッド。 - 円盤状外形を有しそして対向する円形状上面および円形状下面がそれぞれ研磨面および非研磨面である請求項1のパッド。
- 複数本の第1溝が、同心に配置された、直径の異なる複数本の溝からなるかあるいは複数本の螺旋状溝からなる、請求項1のパッド。
- 同心に配置された、直径のことなる複数本の溝の数が20〜400である請求項3のパッド。
- 複数本の螺旋状溝の数が2〜10である請求項3のパッド。
- 第1溝が0.1mm以上の溝幅および0.1mm以上の溝深さを有しそして複数本の第1溝と仮想直線との隣接する交差点間の距離のうち最小のものが0.05mm以上である、請求項1のパッド。
- 複数本の第2溝が中心部から発し周辺部へ向う直線状溝の複数本からなりそして少なくともその内の1本の溝はパッドの側面に達している請求項1のパッド。
- 複数本の第2溝が、中心部から発し周辺部へ向う直線状溝の複数本と、中心部と周辺部との途中から発し周辺部へ向う直線状溝の複数本とからなりそして少なくともその内の1本の溝はパッドの側面に達している請求項1のパッド。
- 複数本の第2溝が、2本の並列直線状溝のペアからなる請求項7または8のパッド。
- 複数本の第2溝が4〜65本の直線状溝からなる請求項7または8のパッド。
- 第2溝が0.1mm以上の溝幅と0.1mm以上の溝深さを有する請求項7のパッド。
- 請求項1の化学機械研磨パッドを使用することを特徴とする化学機械研磨法。
- 研磨面、それと対向する非研磨面およびこれらの面を規定する側面を有し、研磨面は、それぞれ複数本の溝からなる少なくとも2つの溝群からなり、上記2つの溝群は
(i)研磨面の中心部から周辺部に向って次第に螺線が拡大する1本の第1螺旋状溝および
(ii)研磨面の中心部から周辺部に向う方向に伸び且つ上記螺旋状溝と交差する第2溝の複数本からなる第2溝群、この複数本の第2溝同士は互に交差することがない、
を有する、
ことを特徴とする化学機械研磨パッド。 - 円盤状外形を有しそして対向する円形状上面および円形状下面がそれぞれ研磨面および非研磨面である請求項13のパッド。
- 螺旋状溝の巻回数が20〜400である請求項13のパッド。
- 第1螺旋状溝が0.1mm以上の溝幅および0.1mm以上の溝深さを有しそして該第1螺旋状溝と、研磨面の中心部から周辺部へ向う1本の仮想直線との隣接する交差点間の距離のうち最小のものが0.05mm以上である、請求項13のパッド。
- 複数本の第2溝が中心部から発し周辺部へ向う直線状溝の複数本からなりそして少なくともその内の1本の溝はパッドの側面に達している請求項13のパッド。
- 複数本の第2溝が、中心部から発し周辺部へ向う直線状溝の複数本と、中心部と周辺部との途中から発し周辺部へ向う直線状溝の複数本とからなりそして少なくともその内の1本の溝はパッドの側面に達している請求項13のパッド。
- 複数本の第2溝が、2本の並列直線状溝のペアからなる請求項17または18のパッド。
- 複数本の第2溝が4〜65本の直線状溝からなる請求項17または18のパッド。
- 第2溝が0.1mm以上の溝幅と0.1mm以上の溝深さを有する請求項17のパッド。
- 請求項13の化学機械研磨パッドを使用することを特徴とする化学機械研磨法。
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