JP2006003453A - 反射防止フィルムおよびその製造方法、偏光板、表示装置 - Google Patents

反射防止フィルムおよびその製造方法、偏光板、表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 低反射効果とアンチグレア効果とを有する反射防止フィルムおよびその製造方法、その反射防止フィルムを有する偏光板および表示装置を提供する。
【解決手段】
偏光板1は、TAC2上に、反射防止フィルム10を備えており、被覆粒子5を構成する第2反射防止層7が、疎水性材料から形成されている。これにより、第2反射防止層7にハードコート層3が付着しにくいため、ハードコート層3の付着による、第2反射防止層7による低反射効果が損なわれるのを防止できる。また、偏光板1の表面には、被覆粒子5による凹凸が形成されているため、偏光板1は、アンチグレア効果も有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、低反射効果とアンチグレア効果とを兼ね備えた反射防止フィルムおよびその製造方法、そのような反射防止フィルムを備えた偏光板および表示装置に関するものである。
液晶ディスプレイでは、パネル面での表面反射を防止するために、偏光板にアンチリフレクション処理や、アンチグレア処理が施される。
アンチリフレクション処理は、光学的に屈折率の異なる膜を多層化することによって、偏光板への外来光の表面反射を低減する技術である。アンチグレア処理は、表面に凹凸を有する凹凸層を形成し、その表面で光散乱を起こすことによって、外光の偏光板への映りこみを防止する技術である。
従来のアンチグレア処理では、例えば、偏光板の構成部材であるTAC(トリアセチルセルロース)の表面に、ビーズ(粒子・微粒子)を分散した透明な樹脂を塗布して、表面から飛び出したビーズにより、凹凸層が形成される。そして、この凹凸層で光散乱を起こすことによって、アンチグレア効果(防眩効果)が得られる。一方、この凹凸層上に、反射防止層を形成すれば、アンチリフレクション効果(反射防止効果;低反射効果)が得られる。
このような、アンチグレア処理・アンチリフレクション処理が施された反射防止層は、例えば、特許文献1および2に記載されている。
具体的には、特許文献1には、図7に示すように、外来光反射防止層100を一体構成した偏光板101が開示されている。この外来光反射防止層100では、偏光板101上に形成されたアクリル樹脂110に、シリカビーズなどの微粒子112が散在している。そして、各微粒子112の表面には、反射防止層114が形成されている。
また、特許文献2には、粒子によって形成された微細な凹凸を有する防眩層上に、屈折率の異なる層を積層してなる反射防止層を有する防眩性低反射フィルムが開示されている。
そして、上記各構成では、表面の凹凸による光散乱によって、アンチグレア効果を得るとともに、特許文献1では、微粒子の表面に形成した反射防止層(屈折率1.2±0.1の低屈折率層)、特許文献2では、防眩層上に形成した高屈折率層(屈折率1.55〜2.5)および低屈折率層(1.3〜1.5)によって、界面反射が光学的に打ち消すように、厚みが設定され、低反射効果を得ている。
特開2001−350140(平成13年(2001)12月21日 公開) 特開2003−121620(平成15年(2003)4月23日 公開)
しかしながら、特許文献1の構成では、反射防止層114は、微粒子112の表面に、形成されているものの、アクリル樹脂110上には、形成されていない。このため、低反射効果が非常に小さいという問題がある。
また、特許文献2の構成では、低反射効果が十分得られず、粒子の反射光が大きくなり、しかも、その反射光が黄色味を帯びるという問題がある。防眩層に存在する粒子は、表面処理が施されていない。このため、防眩層上に反射防止層を形成すると、粒子があるところと、ないところとで、反射防止層の厚さが異なる。粒子の頂部(凸部の先端)付近は、急な曲面となっているため、その部分は、特に、反射防止層を形成するのが非常に困難であり、非常に薄い膜となっていた。その結果、薄い膜では、低反射の条件となる膜厚に達しないため、低反射効果が得られず、粒子の反射光が大きくなってしまう。また、この構成では、防眩層および反射防止層に反射した光をうまく打ち消すことができず、その光が、緑と赤の波長の光が浮き上がった状態となり、黄色味を帯びて反射されてしまう。
さらに、図7の構成において、アクリル樹脂110、および、反射防止層114が形成された微粒子112の表面の略全面に、さらに別の反射防止層を形成する場合(特許文献1と2とを組み合わせた場合)、反射防止層114が形成された微粒子112を、アクリル樹脂110に分散させる工程で、反射防止層114に、アクリル樹脂110が付着してしまう。通常、反射防止層114の屈折率は、アクリル樹脂110よりも低いものである。このため、反射防止層114にアクリル樹脂110が付着すると、反射防止層114による低反射効果が得られなくなるという問題も生じる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、低反射効果とアンチグレア効果とを有する反射防止フィルムおよびその製造方法、その反射防止フィルムを有する偏光板および表示装置を提供することにある。
本発明にかかる反射防止フィルムは、上記の課題を解決するために、樹脂層上に、第1反射防止層と、粒子の表面が第2反射防止層に覆われた被覆粒子とを備え、上記被覆粒子によって、反射防止フィルム表面に凹凸部が形成された反射防止フィルムであって、上記第2反射防止層が、疎水性材料から形成されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、第2反射防止層が、疎水性材料から形成されているため、樹脂層が第2反射防止層に付着しにくい。これにより、粒子頭部への樹脂層の付着による第2反射防止層による低反射効果が損なわれることを防止できる。このため、表面の微細な凹凸の層によるアンチグレア効果とともに、低反射効果(反射防止効果)の機能を複合して、高機能化することが可能である。また、反射光が黄色味を帯びることを防ぐこともできる。
本発明にかかる反射防止フィルムにおいて、上記第1反射防止層は、上記樹脂層と被覆粒子との表面に形成されている構成であってもよい。
これにより、第2反射防止層による低反射効果に加えて、第1反射防止層による低反射効果も得られる。従って、より高い低反射効果が得られる。
本発明にかかる反射防止フィルムにおいて、上記樹脂層の表面に形成された第1反射防止層の厚さと、上記被覆粒子の表面に形成された第1反射防止層の厚さ、および、その被覆粒子における第2反射防止層の厚さの和とが略等しいことが好ましい。
上記の構成によれば、低反射フィルムの全表面に渡って、均一な厚さの反射防止層が形成されている。従って、さらに高い低反射効果が得られる。
本発明にかかる反射防止フィルムにおいて、上記第2反射防止層の屈折率は、上記粒子の屈折率よりも小さいことが好ましく、その屈折率差が大きいことがより好ましい。
これにより、光干渉の原理により、第2反射防止層による低反射効果が得られ、より高い低反射効果が得られる。
本発明にかかる反射防止フィルムにおいて、上記第2反射防止層は、屈折率の異なる2層からなる第1の積層体から構成されており、かつ、上記被覆粒子の表面に、上記第1の積層体を構成する屈折率の異なる2層のうち、相対的に屈折率の高い層が形成されていることが好ましい。また、本発明にかかる反射防止フィルムにおいて、上記第2反射防止層は、上記第1の積層体を複数備えている、言い換えれば、第2反射防止層は、複数の第1の積層体が積層された構成であることが好ましい。
これにより、光干渉の原理により、第2反射防止層による低反射効果が得られ、より高い低反射効果が得られる。
本発明にかかる反射防止フィルムにおいて、上記第1反射防止層は、上記粒子の屈折率よりも大きい高屈折率層と、粒子の屈折率よりも小さい屈折率の層とからなる第2の積層体から構成されており、かつ、上記第2の積層体を構成する屈折率の異なる2層のうち、上記樹脂層側に上記高屈折率層が形成されていることが好ましい。また、上記第1反射防止層は、上記第2の積層体を複数備えている、言い換えれば、第1反射防止層は、複数の第2の積層体が積層された構成であることが好ましい。
これにより、光干渉の原理により、第1反射防止層による低反射効果が得られ、より高い低反射効果が得られる。
本発明にかかる反射防止フィルムにおいて、上記第2反射防止層と、第1反射防止層との屈折率が同じであることが好ましい。
これにより、粒子の表面に形成された第1反射防止層と、第2反射防止層との間で、反射ロスが生じない。このため、より高い低反射効果が得られる。
本発明にかかる反射防止フィルムにおいて、上記第2反射防止層と、第1反射防止層とが、同じ材料からなるものであることが好ましい。
これにより、第2反射防止層と、第1反射防止層との密着性(接着性)がよくなる。
本発明にかかる反射防止フィルムにおいて、上記凸部が、反射防止フィルム100μmあたり、50〜500個形成されていることが好ましい。これにより、特に大きいアンチグレア効果が得られる。
本発明にかかる反射防止フィルムにおいて、上記粒子は、上記樹脂層のガラス転移温度よりも、50℃以上高い材料からなることが好ましい。これにより、樹脂層のガラス転移温度よりも高温で、第2反射防止層を形成できる。反射防止層を形成する材料は一般に柔らかく耐擦傷性が問題となる。しかし、高い温度で膜形成を行えば、硬度が上がる。このため、第2反射防止層の耐擦傷性を高くできる。
本発明にかかる反射防止フィルムにおいて、上記粒子の粒子径が、0.1μm以上5μm以下であることが好ましい。これにより、被覆粒子による反射面積が小さくなりすぎず、また、表面の凹凸も大きくなりすぎない。このため、適度な低反射効果とアンチグレア効果が得られる。
本発明の反射防止フィルムの製造方法は、樹脂層上に、第1反射防止層と、粒子の表面が第2反射防止層に覆われた被覆粒子とを備え、上記被覆粒子によって、反射防止フィルム表面に凹凸部が形成された反射防止フィルムの製造方法であって、粒子の表面を疎水性材料からなる第2反射防止層によって被覆し被覆粒子を形成する工程と、上記被覆粒子を、樹脂層または第1反射防止層上に分散する工程と、上記樹脂層または第1反射防止層上に分散した被覆粒子を焼成する工程とを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、第2反射防止層が、疎水性材料から形成されているため、樹脂層が第2反射防止層に付着しにくい。これにより、樹脂層の付着による第2反射防止層による低反射効果が損なわれることを防止できる。このため、表面の微細な凹凸の層によるアンチグレア効果とともに、低反射効果(反射防止効果)の機能を複合して、高機能化した反射防止フィルムを製造することが可能である。また、反射光が黄色味を帯びることを防ぐこともできる。
本発明の反射防止フィルムの製造方法では、上記被覆粒子を形成する工程は、樹脂層のガラス転移温度よりも、50℃以上高い温度で行うことが好ましい。これにより、樹脂層のガラス転移温度よりも高温で、第2反射防止層を形成できる。反射防止層を形成する材料は一般に柔らかく耐擦傷性が問題となる。しかし、高い温度で膜形成を行えば、硬度が上がる。このため、第2反射防止層の耐擦傷性を高くし、対擦傷性の高い反射防止フィルムを製造できる。
本発明の偏光板は、上記いずれかの反射防止フィルムを備えていることを特徴としている。また、本発明の表示装置は、上記いずれかの反射防止フィルムを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、例えば、液晶ディスプレイ,有機ELディスプレイ,プラズマディスプレイ,などの各種表示装置の使用時に、低反射効果による視認性の向上と、アンチグレア効果による反射像の映りこみを低減することができる。
本発明にかかる反射防止フィルムは、以上のように、上記第2反射防止層が、疎水性材料から形成されていることを特徴としている。それゆえ、第2反射防止層が、疎水性材料から形成されているため、樹脂層が第2反射防止層に付着しにくい。これにより、樹脂層の付着による第2反射防止層による低反射効果が損なわれることを防止できる。このため、表面の微細な凹凸の層によるアンチグレア効果とともに、低反射効果(反射防止効果)の機能を複合して、高機能化することが可能である。また、反射光が黄色味を帯びることを防ぐこともできるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の一形態について説明する。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の反射防止フィルムは、粒子の表面に疎水性の反射防止層を形成することによって、反射防止フィルム表面の凹凸により反射光を散乱させるアンチグレア効果と、光学干渉によって反射率を減少させる低反射効果とを兼ね備え、外光反射,2重像を抑えるとともに、視認性を向上するものである。
図1は、本実施形態の反射防止フィルムを備えた偏光板の断面図である。図1に示すように、偏光板1は、トリアセチルセルロース(以下「TAC」)2上に、反射防止フィルム10が積層された構成である。
TAC2は、偏光板1の基材となるものである。
反射防止フィルム10は、TAC2上に形成されており、ハードコート層(樹脂層)3および第1反射防止層4がこの順で積層された構成となっている。そして、第1反射防止層3には、被覆粒子5が散在している。すなわち、被覆粒子5の一部(図1では底部)は、第2反射防止層4に埋まるように形成されている。そして、被覆粒子5は、第1反射防止層4から突出している。反射防止フィルム10は、TAC2上に形成されたハードコート層3上に、被覆粒子5を有する第1反射防止層4が形成された構成ともいえる。
ハードコート層3は、TAC2の1の傷つき防止のために設けられており、例えば、アクリル樹脂からなるものである。ハードコート層3は、TAC2の屈折率と同じか、TAC2より屈折率の高いものを用いるのが良い。
第1反射防止層4は、光学干渉によって、反射率を低減する層である。
第1反射防止層4の層厚(各層の積層方向の厚さ;以下同様)は、λ/4条件(λ:波長(nm))となるように形成されていることが好ましい。ただし、前述のように、第1反射防止層4の厚さは、被覆粒子5の直径よりも小さくなっている。このように、第1反射防止層4をλ/4条件の厚さ(光学的層厚)とすることによって、理想的な(完全な)反射防止効果が得られる。なお、第2反射防止層7の膜厚の誤差は、λ/4条件±10%程度であればよい。
λ/4条件となる層厚は、第1反射防止層4の屈折率と、極小値の波長(視感度の極大値の波長 550nm付近)とから算出できる。すなわち、理想的な層厚は、下記(1)式から算出できる。
層厚(nm)=波長(nm)/4・屈折率 ・・・(1)
第1反射防止層4は、単一の層であっても、複数の層であってもよい。複数の層である場合、屈折率の異なる層を用いることが好ましく、TAC2側(内側)に粒子6よりも屈折率の高い層(高屈折率層)と、偏光板1の表面(外側)に粒子6よりも屈折率の低い層(低屈折率層)との2層からなる積層体(第2の積層体)を形成することがより好ましい。また、このような高屈折率層と低屈折率層との積層体を1組として、この積層体を複数形成してもよい。このように、屈折率の異なる層を形成し、外側に低屈折率層を、内側に高屈折率層を形成することにより、光学干渉による、低反射効果が得られる。また、第1反射防止層4を構成する層が多くなるほど、より高い低反射効果が得られる。
被覆粒子5は、粒子6の表面が第2反射防止層7に覆われており、光学干渉によって、反射率を低減する層である。さらに、被覆粒子5の少なくとも一部は、第1反射防止層4から突出して散在している。すなわち、被覆粒子5の粒径(直径)は、第1反射防止層4よりも厚くなっている。このため、偏光板1の表面は、被覆粒子5の存在する部分が凸部、存在しない部分が凹部となり、偏光板1表面には凹凸が形成されている。偏光板1(および反射フィルム10)は、この凹凸によって、光散乱を起こし、アンチグレア効果を有するようになっている。なお、後述するように、第2反射防止層7による粒子6表面の被覆は、反射防止フィルム7の製造時に、予め行われているものである。
なお、図1の反射防止フィルム10における、この凸部は、ハードコート層3と被覆粒子5とからなり、凹部は、ハードコート層3と第1反射防止層4とからなっている。この凸部では、ハードコート層3と被覆粒子5との間に、第1反射防止層4が形成されていないが、第1反射防止層4が形成されていてもよい。例えば、第1反射防止層4上に、被覆粒子5が形成されていてもよい。
被覆粒子5を構成する粒子6は、特に限定されるものではなく、有機物であっても、無機物であってもよい。粒子6の屈折率は、特に限定されるものではないが、第1反射防止層4の屈折率と粒子6の屈折率との差が大きいほど、反射防止効果が大きくなるため好ましい。粒子6としては、例えば、アクリル樹脂、シリカなどを用いることが可能である。
第2反射防止層7は、第1反射防止層4と同様に、光学干渉によって、反射率を低減する層である。このため、第2反射防止層7の層厚は、第1反射防止層4と同様に、λ/4条件となるように形成されていることが好ましい。これにより、理想的な(完全な)反射防止効果が得られる。なお、第2反射防止層7の膜厚の誤差は、λ/4条件±10%程度であればよい。
また、第2反射防止層4の屈折率は、光干渉の原理に基づき、粒子6の屈折率よりも小さいことが好ましい。また、第2反射防止層4は、ハードコート層3の屈折率よりも低いことが好ましい。例えば、本実施形態では、ハードコート層3の屈折率を、1.50前後に設定しているため、第2反射防止層4の屈折率は、1.22以上1.49以下とすることが好ましい。ここで、最低反射率は屈折率が1.22のときであるため、屈折率が1.22より小さいと、最適な光干渉条件からずれるため、反射率が上がってしまう。一方、ハードコート層3の屈折率を、1.50程度に設定した場合、第2反射防止層7の屈折率が1.49以下でないと低反射の効果が無くなる。なお、ハードコート層3の屈折率を1.50以上にすると、さらに反射防止効果が大きくなる。
また、第2反射防止層7は、第1反射防止層4と同様に、単一の層であっても、複数の層であってもよい。複数の層である場合、屈折率の異なる層を用いることが好ましい。この場合、第2反射防止層7は、屈折率の異なる2層からなる積層体(第1の積層体)から構成されており、かつ、被覆粒子5の表面に、この積層体における、相対的に屈折率の高い層が、被覆粒子5表面に形成されていることが好ましい。また、このような積層体を1組として、この積層体を複数形成してもよい。このように、屈折率の異なる層を形成し、外側に相対的に屈折率の低い層を、内側に相対的に屈折率の高い層を形成することにより、光学干渉による、低反射効果が得られる。また、第2反射防止層7を構成する層が多くなるほど、より高い低反射効果が得られる。
偏光板1の構成は、図2に示す構成であってもよい。図2は、本実施形態の別の反射防止フィルムを備えた偏光板1’の断面図である。
図2に示すように、偏光板1’と偏光板1との相違点は、被覆粒子5が、ハードコート層3に散在しており、ハードコート層3および被覆粒子5を覆うように、第1反射防止層4が形成されていることである。その他の各層の構成や材料は、偏光板1と同様であるので省略する。
偏光板1’では、ハードコート層3上に、被覆粒子5が散在している。被覆粒子5は、ハードコート層3から突出している。すなわち、被覆粒子5の一部(図1では底部)は、ハードコート層3に埋まるように形成されている。そして、被覆粒子5は、第1反射防止層4から突出している。反射防止フィルム10’は、TAC2上に、被覆粒子5を有するハードコート層3が形成されており、ハードコート層3と被覆粒子5とを覆うように第1反射防止層4が形成された構成ともいえる。
偏光板1’では、被覆粒子5の表面に形成された第1反射防止層4の厚さ(d1)および第2反射防止層7の厚さ(d2)の和(D1)と、ハードコート層3の表面に形成された第1反射防止層4の厚さ(D2)とが略等しい。ここで、厚さ(d1)は、被覆粒子5の表面に形成された第1反射防止層4のうち、最も薄い部分の厚さである。通常、被覆粒子5の頭部は、急な曲面であるため、その部分の第1反射防止層4の厚さが最も薄くなる。偏光板1’では、ハードコート層3上の被覆粒子5がない領域では、第1反射防止層4のみによって低反射効果を得ており、被覆粒子5がある領域では、第1反射防止層4と第2反射防止層7とによって低反射効果を得ている。すなわち、全表面に渡って、均一な厚さ(D1=D2)の反射防止層が形成されることによって、より高い低反射効果が得られるようになっている。
偏光板1’では、被覆粒子5が、ハードコート層3から突出しており、それに沿って第1反射防止層4が形成されている。このため、偏光板1’には、凹凸が形成されている。そして、この凹凸によって、光散乱を起こし、アンチグレア効果を有するようになっている。反射防止フィルム10’における、この凸部は、被覆粒子5と第1反射防止層4とからなり、凹部は、ハードコート層3と第1反射防止層4とからなっている。この凸部では、TAC2と被覆粒子5との間に、ハードコート層3が形成されていないが、その間にハードコート層3が形成されていてもよい。例えば、ハードコート層3上に、被覆粒子5が形成されていてもよい。
なお、この偏光板1,1’を、液晶ディスプレイ,有機ELディスプレイ,プラズマディスプレイ,などの各種表示装置に適用する場合、偏光板1,1’の微細な凹凸を有する面(反射防止フィルム10が形成された面)が、表示側(観察者側)の面となる。
ここで、偏光板1,1’の特徴的構成について説明する。偏光板1,1’では、粒子6の表面を覆う第2反射防止層が、疎水性材料からなることを特徴としている。
従来も、粒子の表面を反射防止層で覆った被覆粒子によって、低反射効果が得られている。つまり、被覆粒子は、低反射条件となっている。しかしながら、従来の被覆粒子は、ハードコート層との密着性を取るため、粒子表面を覆う反射防止層に親水性の処理が成されている。このため、その被覆粒子を、ハードコート層に分散させると、ハードコート層が付着していた。通常、光干渉の原理から、ハードコート層の屈折率は、粒子表面を覆う反射防止層の屈折率よりも高い。このため、反射防止層にハードコート層が付着すると、被覆粒子による低反射効果が得られなくなるという問題が生じる。また、粒子の頭部(頂部)付近は、急な曲面形状であるため、その部分には、非常に薄くしか反射防止層を形成できない。これも、低反射効果が得られない原因となっている。
そこで、本実施形態の偏光板1・1では、第2反射防止層7を、疎水性材料から構成している。ここで、疎水性材料とは、ハードコート層3との親和性がない材料であれば、特に限定されるものではない。通常、ハードコート層3は、アクリル樹脂などから構成される。このため、第2反射防止層7は、例えば、フッ素系材料または、シリコン系の材料(シリカまたはポリシロキサンを含む材料)から構成すればよい。なお、第2反射防止層7を構成する疎水性材料は、その材料の濡れ性によって選択してもよい。例えば、ガラス上にその材料を形成し、その上に1滴の水滴を滴下した結果、接触角が、小さい材料は濡れやすく、大きい材料は濡れにくいと判断できる。従って、第2反射防止層7の材料として、接触角が大きく、濡れにくい材料を選択すればよい。
このような、疎水性材料からなる第2反射防止層7を用いた偏光板1の被覆粒子5表面の反射を、顕微分光装置(オリンパス社製)で測定した。図5および図6は、その結果を示すグラフである。
被覆粒子5が形成されていない表面(凹部)の反射率は、図5のグラフの◆で示すように、550nm〜600nmが底になっていた。グラフ中の■は、被覆粒子5表面の反射だけを捉えた反射特性である。反射率は、底が◆の底に対して、低波長側にシフトしていた。図6は、この結果を、最も単純な構造によってシミュレーションした結果を示すグラフである。すなわち、TACの屈折率(n)を1.50とし、そのTAC上に、屈折率が1.36の層が形成されているとする。このとき、反射光を打ち消す条件は、550nm、1/4λ条件で、厚みが101nmとなる(図6の◆)。この厚みを、図4に示すように、81nm(■)、73nm(▲)、61nm(×)と薄くすると、反射率のカーブはボトムが低波長側にシフトしていることがわかる。このように、被覆粒子5における第2反射防止層7の厚みが薄くなると、反射率のカーブがシフトし、反射光の黄色味が増すことになる。
このように、粒子6の表面の第2反射防止層7の厚さが、設定した厚さ(好ましくはλ/4条件)よりも薄くなってしまうと、反射光の黄色味が増す。
このため、特許文献2のように、被覆粒子5ではなく、単に、粒子による凹凸層の上に、反射防止層を形成する方法では、凹凸の上の反射防止層が薄くなって、反射光の黄色味が増してしまう。一方、特許文献1のように、粒子を被覆する反射防止層にハードコート層が付着してしまう場合には、低反射効果が充分得られない。
これに対し、本実施形態の構成では、第2反射防止層7を疎水性材料から構成している。図3は、被覆粒子5をハードコート層3に分散して硬化した状態を示す図である。図4は、図3のハードコート層3および被覆粒子5の表面に、第1反射防止層4を形成した図である。このように、被覆粒子5の表面に、ハードコート層3は付着しておらず(図3)、ハードコート層3および被覆粒子5を覆うように第1反射防止層4を形成することが可能である。これにより、表面の微細な凹凸の層に、反射防止(低反射)の機能を複合して、高機能化することが可能である。また、反射光が黄色味を帯びることを防ぐこともできる。
ここで、反射防止フィルム10,10’における各層の屈折率の関係について説明する。第1反射防止層および第2反射防止層7が単一の層である場合は、それぞれの屈折率は、比較的低屈折率である。これに対し、ハードコート層3および粒子6は比較的高屈折率である。
ハードコート層3と粒子6の屈折率は同程度であり、それ未満であるのが、粒子6の表面をコーティングする第2反射防止層7の屈折率である。そして、第2反射防止層7と第1屈折率層4の屈折率は同程度である。すなわち、
ハードコート層3≒粒子6屈折率>第1反射防止層4≒第2反射防止層7
である。光干渉の原理から、下層(TAC2側)に屈折率の大きな層(高屈折率層)、上層(TAC2とは反対側;表面)に屈折率の小さな層(低屈折率層)を1/4λ条件の厚みで、重ねることで、より高い低反射効果が得られる。
例えば、各層の屈折率は、以下のように設定できる。ハードコート層3(屈折率=1.50),粒子6(1.50),第2反射防止層7(1.39),第1反射防止層4(1.39)。図1,図2に示すように、偏光板1・1’(反射防止フィルム10・10’)の最も簡単な構成は、各層を、1層ずつを重ねたものである。しかし、さらに、低反射効果を得るためには、第1反射防止層4または第2反射防止層7の少なくとも一方を、屈折率の異なる層の多層構造にすることが好ましい。具体的には、高屈折率層と低屈折率層との積層体を1組として、その積層体数組を重ねることが好ましい。
例えば、第2反射防止層7を、屈折率の異なる2層の反射防止層とする場合、粒子6側(内側)の層を第3反射防止層、外側の層を第4反射防止層とすると、屈折率の関係は、
第3反射防止層>ハードコート層3≒粒子6>第4反射防止層>第1反射防止層
とすることが好ましい。
具体的には、第3反射防止層(1.60),ハードコート層3(屈折率=1.50),粒子6(1.50),第4反射防止層(1.39),第1反射防止層(1.39)に設定できる。
各反射防止層,粒子6,ハードコート層3の材料は、上記の屈折率の条件を満たすものであれば、特に限定されるものではない。例えば、ハードコート層3は、アクリル樹脂や、UV硬化樹脂などの各種材料を使用できる。
粒子6は、アクリルビーズなどの粒子を使用できる。粒子6は、偏光板1・1’の基材であるTAC2およびハードコート層3の耐熱温度(ガラス転移温度)よりも、高い(好ましくは50℃以上高い)材料からなることが好ましい。偏光板1・1’および反射防止フィルム10・10’の製造時には、被覆粒子5を第1反射防止層4またはハードコート層3上に分散させて、被覆粒子5を接着(固定)する必要がある。このため、被覆粒子5を分散後、偏光板1・1’(または反射防止フィルム10・10’)を、加熱し、焼結することが必要となる。しかしながら、その加熱は、TAC2およびハードコート層3のガラス転移温度以上の温度で行うことはできない。例えば、TAC2を用いた場合の加熱温度は、約100℃が、上限となる。粒子6を分散後に第1反射防止層4または第2反射防止層7を形成する場合、100℃程度の低温での加熱(焼結)では、第1反射防止層4および第2反射防止層7の硬度は低い。このため、加熱後の偏光板1・1’または反射防止フィルム10・10’は、耐擦傷性が低くなる。
そこで、TAC2およびハードコート層3のガラス転移温度よりも高い(好ましくは50℃以上高い)材料の粒子6を用い、予め被覆粒子5を形成することにより、耐擦傷性を改善することが可能となる。すなわち、予め被覆粒子5を形成すれば、粒子6の耐熱温度(ガラス転移温度)未満で、第2反射防止層7を形成できる。一般に、焼結温度が高温になるほど、硬度は硬くなる。従って、TAC2およびハードコート層3のガラス転移温度よりも高い材料の粒子6の表面に予め、高温で第2反射防止層7を形成することにより、第2反射防止層7の硬度は、高くなる。このため、この被覆粒子5を有する偏光板1・1’(または反射防止フィルム10・10’)の耐擦傷性を、著しく向上することができる。
前述のように、偏光板1・1’および反射防止フィルム10・10’のアンチグレア効果は、被覆粒子5による凹凸から得られるものである。このため、粒子6の径(粒子6が円の場合は直径,その他の場合長径)は、0.1μm以上5μm以下(好ましくは1μm以上)であることが好ましい。粒子6の径が0.1未満だと、表面の凹凸も小さくなるため、被覆粒子5による反射面積が小さくなる。その結果、反射光の散乱の効果(アンチグレア効果)が十分得られない。一方、粒子6の径が、5.0μmを超えると、表面の凹凸が大きくなりすぎ、散乱強度が強くなる。その結果、ぎらぎら感が発生する。
また、被覆粒子5による表面の凹凸は、凸部を、100μmあたり、50個以上500個以下の範囲で設けることが好ましい。この範囲とすることにより、好適なアンチグレア効果が得られる。
また、被覆粒子5による凹凸のヘイズは、4.0以上25%以下(好ましくは10%以上20%以下)とすることが好ましい。ここで、ヘイズとは、凹凸の拡散度合いを示し、JIS K7105測定方法によって測定可能である。このヘイズが4.0%未満であると、表示面に写りこんだ蛍光灯の輪郭がくっきりと見えてしまう(残像が残る)。一方、ヘイズが30%より大きいと、蛍光灯の形がまったくわからない(残像は残らない)が、表示面(画面)全体に白味を帯びてしまう。
また、第1反射防止層4および第2反射防止層7は、略同じ屈折率であることが好ましい。屈折率が略等しければ、特に、図2のように、粒子6表面の第2反射防止層7と、その上に形成する第1反射防止層4との間で、反射ロスが発生しない。このため、より高い低反射効果が得られる。なお、屈折率が同じであれば、材料の種類は、同じでも異なっていてもよい。第1反射防止層4および第2反射防止層7は、例えば、薄い誘電体や酸化薄膜、またはそれらの積層膜から形成されてもよい。
また、第1反射防止層4および第2反射防止層7が、単一の層からなる場合、同じ材料から構成されていることが好ましい。これらの層の材料が同じであれば、第1反射防止層4と第2反射防止層7との間の密着性を取りやすい。つまり、これらの層の接着性を強くすることができる。
なお、偏光板1・1’は、ハードコート層3を設けない構成とすることも可能である。この場合、TAC2が樹脂層に相当する。
このように、偏光板1では、第1反射防止層4に、被覆粒子5が散在しており、第1反射防止層4と被覆粒子5とによって、ハードコート層3のTAC2に対向する表面の略全面が覆われている。また、被覆粒子5の表面は、第2反射防止層7が形成されている。一方、偏光板1’では、ハードコート層3に、被覆粒子5が散在しており、第1反射防止層4によって、ハードコート層3のTAC2に対向する表面と被覆粒子5の表面の略全面が覆われている。すなわち、偏光板1・1’における反射防止フィルム10・10’側の表面は、被覆粒子5による凹凸が形成されているとともに、第1反射防止層4のみ、または、第1反射防止層4および第2反射防止層7に覆われている。これにより、凹凸面によるアンチグレア効果と、第1反射防止層4および第2反射防止層7による低反射効果とを、兼ね備えることが可能である。
次に、偏光板1の製造方法について説明する。偏光板1の製造は、各層を順次、積層して製造することが可能である。
例えば、偏光板1は、まず、基材となるTAC2上に、アクリル樹脂などを塗布して傷つき防止のためのハードコート層3を形成し、第1反射防止層4の材料を焼結後、ハードコート層3上に塗布して硬化し、λ/4条件となるように、第1反射防止層4を形成する。そして、これとは別に、予め、粒子6の表面を、第2反射防止層7で覆った被覆粒子5を形成する。被覆粒子は、ビーズ表面を、λ/4条件となるように第2反射防止層7の材料でコーティングして、焼成する。
次に、この予め形成した被覆粒子5を、第1反射防止層4上に散布し、被覆粒子5を仮固定する。最後に、被覆粒子5を仮固定した偏光板1を、焼成して、被覆粒子5を固定する。このようにして、偏光板1の製造が可能となる。
一方、偏光板1’は、まず、基材となるTAC2上に、アクリル樹脂などを塗布して傷つき防止のためのハードコート層3を半硬化状態で形成する。これとは別に、予め、粒子6の表面を、λ/4条件となるように第2反射防止層7で覆った被覆粒子5を形成する。そして、この被覆粒子5を、半硬化状態のハードコート層3に分散させ、ハードコート層3を硬化する。次に、ハードコート層3および被覆粒子5表面に、第1反射防止層4を塗布し、焼結する。このようにして、偏光板1’の製造が可能となる。
以下、偏光板1の製造例について説明する。偏光板1の構成材料であるTAC(トりアセチルセルロース)に、傷つき防止のため、ハードコート層としてアクリル樹脂を塗布し、硬化した。次に、ハードコート層上に、屈折率n=1.39のシリコン系コーティング材料(日産化学 LR−202B)を、550nmで1/4λ条件になるように(100nm)塗布し第1反射防止層を形成した。次に、これとは別に、ビーズ(粒子)表面に、同じ屈折率材料(日産化学 LR−202B)(第2反射防止層)を、100nm(550nmで1/4λ条件)コーティングして200℃以上で焼成し、被覆粒子を作成した。そして、この被覆粒子を、第1反射防止層に、散布し、仮固定する。被覆粒子を散布した偏光板を100℃で、焼成し、被覆粒子を固定し、偏光板1を製造した。
次に、偏光板1’の製造例について説明する。偏光板1’の構成材料であるTAC(トりアセチルセルロース)に、傷つき防止のため、ハードコート層としてアクリル樹脂のを塗布し、半硬化状態とした。これとは別に、ビーズ(粒子)表面に、屈折率n=1.39シリコン系コーティング材料(日産化学 LR−202B)(第2反射防止層)を、100nm(550nmで1/4λ条件)コーティングして200℃以上で焼成し、被覆粒子を作成した。そして、この被覆粒子を、半硬化状態のハードコート層に、分散し、被覆粒子の一部を、ハードコート層に埋め込んだ後、ハードコート層を硬化した。次に、被覆粒子およびハードコート層上に、同じ屈折率材料(日産化学 LR−202B)(第1反射防止層)を、厚さが550nmの光で1/4λ条件を満たすように塗布した後、100℃で焼成し、偏光板1’を製造した。なお、各製造例において、第1反射防止層および第2反射防止層の層厚は、100nm±10%とした。
なお、本実施形態では、1層の被覆粒子5によって、表面の凹凸が形成されているが、複数層の被覆粒子5の積層によって、表面の凹凸を形成するものであってもよい。
また、本実施形態では、基材として、TAC(トリアセチルセルロース)を用いたが、基材の種類は、これに限定されるものではない。例えば、ノルボルネン系樹脂などの樹脂を使用してもよい。
また、本実施形態では、ハードコート層として、アクリル樹脂を用いたが、ハードコート層の種類は、これに限定されるものではない。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の反射防止フィルムは、表面が低反射効果とアンチグレア効果とを有する処理がなされているため、フラットディスプレイパネル(FDP),液晶ディスプレイ(LCD),プラズマディスプレイパネル(PDP),有機ELパネル等の用途に適用できる。
本発明の実施形態を示すものであり、反射防止フィルムを備えた偏光板の断面図である。 本発明の実施形態を示すものであり、図1とは別の反射防止フィルムを備えた偏光板の断面図である。 被覆粒子をハードコート層に分散して硬化した状態を示す図である。 図3の被覆粒子とハードコート層に第1反射防止層を形成した図である。 疎水性材料からなる第2反射防止層を用いた偏光板の被覆粒子5表面の反射率を測定したグラフである。 図5において、層厚の違いによる反射率の違いを示すグラフである。 従来の反射防止フィルムを備える偏光板を示す断面図である。
符号の説明
1・1’ 偏光板
2 トリアセチルセルロース
3 ハードコート層
4 第1反射防止層
5 被覆粒子
6 粒子
7 第2反射防止層
10・10’ 反射防止フィルム

Claims (17)

  1. 樹脂層上に、第1反射防止層と、粒子の表面が第2反射防止層に覆われた被覆粒子とを備え、上記被覆粒子によって、反射防止フィルム表面に凹凸部が形成された反射防止フィルムであって、
    上記第2反射防止層が、疎水性材料から形成されていることを特徴とする反射防止フィルム。
  2. 上記第1反射防止層は、上記樹脂層と被覆粒子との表面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の反射防止フィルム。
  3. 上記樹脂層の表面に形成された第1反射防止層の厚さと、
    上記被覆粒子の表面に形成された第1反射防止層の厚さ、および、その被覆粒子における第2反射防止層の厚さの和とが略等しいことを特徴とする請求項2に記載の反射防止フィルム。
  4. 上記第2反射防止層の屈折率は、上記粒子の屈折率よりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止フィルム。
  5. 上記第2反射防止層は、屈折率の異なる2層からなる第1の積層体から構成されており、かつ、上記被覆粒子の表面に、上記第1の積層体を構成する屈折率の異なる2層のうち、相対的に屈折率の高い層が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止フィルム。
  6. 上記第2反射防止層は、上記第1の積層体を複数備えていることを特徴とする請求項5に記載の反射防止フィルム。
  7. 上記第1反射防止層は、上記粒子の屈折率よりも大きい高屈折率層と、粒子の屈折率よりも小さい屈折率の層とからなる第2の積層体から構成されており、かつ、上記第2の積層体を構成する屈折率の異なる2層のうち、上記樹脂層側に上記高屈折率層が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の反射防止フィルム。
  8. 上記第1反射防止層は、上記第2の積層体を複数備えていることを特徴とする請求項7に記載の反射防止フィルム。
  9. 上記第2反射防止層と、第1反射防止層との屈折率が同じであることを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止フィルム。
  10. 上記第2反射防止層と、第1反射防止層とが、同じ材料からなるものであることを特徴とする請求項1、2、または9に記載の反射防止フィルム。
  11. 上記凸部が、反射防止フィルム100μmあたり、50〜500個形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止フィルム。
  12. 上記粒子は、上記樹脂層のガラス転移温度よりも、50℃以上高い材料からなることを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止フィルム。
  13. 上記粒子の粒子径が、0.1μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止フィルム。
  14. 樹脂層上に、第1反射防止層と、粒子の表面が第2反射防止層に覆われた被覆粒子とを備え、上記被覆粒子によって、反射防止フィルム表面に凹凸部が形成された反射防止フィルムの製造方法であって、
    粒子の表面を疎水性材料からなる第2反射防止層によって被覆し被覆粒子を形成する工程と、
    上記被覆粒子を、樹脂層または第1反射防止層上に分散する工程と、
    上記樹脂層または第1反射防止層上に分散した被覆粒子を焼成する工程とを含むことを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
  15. 上記被覆粒子を形成する工程を、樹脂層のガラス転移温度よりも、50℃以上高い温度で行うことを特徴とする請求項14に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  16. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の反射防止フィルムを備えた偏光板。
  17. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の反射防止フィルムを備えた表示装置。
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