JP2006003257A - 文字板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 文字板の質感および視認性を向上させること。
【解決手段】 透明樹脂の基板9と、基板9の一方の面に形成される金属層11とを備え、基板9は他方の面に目付処理7が施され、目付処理7が施された面から透明樹脂の文字または図形(5)を突出させ、金属層11は、基板9の金属層11が設けられた面側からの光を透過可能とすることにより、文字板の質感および視認性を向上させることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】 透明樹脂の基板9と、基板9の一方の面に形成される金属層11とを備え、基板9は他方の面に目付処理7が施され、目付処理7が施された面から透明樹脂の文字または図形(5)を突出させ、金属層11は、基板9の金属層11が設けられた面側からの光を透過可能とすることにより、文字板の質感および視認性を向上させることができる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、文字板に係り、特に、自動車の計器類や時計などに好適な文字板に関する。
例えば、自動車には、移動速度などを表示する種々の計器類が搭載されている。このような計器や表示器類の文字板を金属製とした場合、高い質感が得られる反面、高価となり、さらには、照明方法が文字板の表示面側からの照射照明に限定されるため、文字板に設けた文字や図形などの視認性が制限される。
一方、文字板を光透過性を有する樹脂製とした場合、質感は金属製に劣るが、文字板の表示面と反対側、つまり文字板の裏側から光を透過させ、文字や図形などを照明することにより、視認性を向上できる。
そこで、光透過性を有する樹脂製の文字板を用い、文字や図形などを金属調で表示して、文字板の質感を向上させることが考えられている。例えば、透明樹脂製の基板の表示側と反対の面、つまり裏面の全体に、光を透過する金属層としてマジックミラー層を形成し、このマジックミラー層の基板側と反対の面に、基板に形成される文字や図形に対応する部位を残して遮光層を形成した文字板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような構成により、例えば、日中は、表示側から入射する光をマジックミラー層の基板側の面で反射させ、金属調の質感を得る一方、夜間は、マジックミラー層に基板側と反対方向から照明した光を透過させ、表示面の文字や図形などを照らして浮き立たせて、視認性を向上させることを考えている。
また、透明樹脂製の基板の表示側と反対の面、つまり裏面に凹部を形成すると共に、この面における凹部以外の面に遮光層を形成し、基板の凹部に嵌入した状態で、上記と同様の金属層を形成した文字板が提案されている(例えば、特許文献2参照)。このような構成により、金属層に基板側と反対方向から照明した光を透過させ、基板の表示面に凹部に対応する部位を照らして浮き立たせ、立体的に表示させることにより、視認性および質感を向上させることを考えている。
しかしながら、特許文献1のような文字板では、基板の裏面全体にマジックミラー層が形成されるため、例えば、日中は、文字板全体で金属層の光の反射が生じ、質感の低下と共に視認性の低下を招く。また、本文献において、基板の表示面に文字や図形などを突出させて形成する技術が開示されているが、日中は、上記のように文字板全体で金属層の反射が生じるため、文字や図形などの視認性が低下することには変わりがない。
一方、特許文献2のような文字板では、見る角度によっては、文字や図形が立体的に見え難い場合があるため、視認性および質感を向上することは難しい。
本発明は、文字板の質感および視認性を向上させることを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の文字板は、透明樹脂製の基板と、この基板の一方の面に形成される金属層とを備え、基板は他方の面に目付処理が施され、目付処理が施された面から透明樹脂の文字または図形を突出させ、金属層は、基板の金属層が設けられた面側からの光を透過可能とするものである。
すなわち、基板の表示側となる面に目付を施すことにより、この面における光の反射、いわゆる照り返しが抑制されると共に、金属色と光沢が加減され、さらに、目付された基板面から文字または図形を突出させているから、目付部分の質感と異なる立体的な金属調で表現され、視認性および質感を向上させることができる。
この場合において、金属層の基板側と反対の面に遮光性の遮光層を形成し、この遮光層は、基板に突出させて設けた文字または図形に対応する部位を除いて形成するようにする。これによれば、金属層を基板側と反対の方向から照明することにより、金属層を透過した光が文字または図形のみを照明し、立体的且つ鮮明に浮き上がらせるから、視認性および質感が一層向上する。
また、上記課題を解決する他の文字板としては、透明樹脂の基板と、この基板の一方の面から透明樹脂を突出させて形成される文字または図形と、基板の他方の面に形成される遮光性の遮光層とを備え、遮光層は基板に突出させて設けた文字または図形に対応する部位を除いて形成され、文字または図形に対応する基板の他方の面の部位には金属層が設けられ、この金属層は、基板の金属層が設けられた面側からの光を透過可能とするものである。
これによれば、基板の表示面において、文字または図形は金属調で立体的に表現され、背景は遮光層によって金属以外の色調で表現されるから、文字板全体が金属調で表現される場合と比べて、高い質感および視認性を得ることができる。また、金属層に基板側と反対方向から照明した光を透過させることにより、文字または図形のみを照明し、立体的且つ鮮明に浮き上がらせ、質感および視認性を向上することができる。
また、文字または図形は、断面が略半円状に形成されていることが好ましい。これによれば、レンズ効果が発揮され、文字または図形の立体感をより強調できる。
本発明によれば、文字板の質感および視認性を向上させることができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を適用してなる文字板の第1の実施形態について図1及び図2を参照して説明する。図1は、車両用速度表示器の文字板を示す正面図である。図2は、図1の文字板の要部の拡大断面図である。以下、本実施形態の文字板は、自動車などの車両用速度表示器に用いられる文字板を一例として説明する。
以下、本発明を適用してなる文字板の第1の実施形態について図1及び図2を参照して説明する。図1は、車両用速度表示器の文字板を示す正面図である。図2は、図1の文字板の要部の拡大断面図である。以下、本実施形態の文字板は、自動車などの車両用速度表示器に用いられる文字板を一例として説明する。
本実施形態の文字板は、図1に示すように、円板状のプレート1からなり、中央部を含む2箇所に、指針の軸などを挿入する貫通孔が設けられている。プレート1の表示側の面(以下、表示面という。)の外縁部には、時速を表す数字3および目盛り5が周方向に等間隔で配置され、いずれも運転者の方向に向かって突出して形成されている。また、プレート1の表示面には、中央から周方向に等間隔で放射状の目付7が施されている。
文字板は、さらに図2で示すように、基板9と、金属層11と、数字3または目盛り5とを備えて構成される。数字3または目盛り5は、その他の例として、例えば、ロゴマークや各種記号などといった文字板で表示される文字や図形が適用されるが、以下の説明では、目盛り5を代表して説明する。
基板9は、透明なプラスチック(例えば、ポリカーボネートなど)の平板であり、表示面には目付7の処理が施される一方、表示面と反対側の面には、例えば、アルミニウムやインジウムなどの金属を蒸着させた金属層11が形成されている。基板9の表示面は、目付7が施された状態で、透明な樹脂インクを用いた印刷により、目盛り5が表示面から略垂直方向に突出して形成されている。透明な樹脂インクとしては、例えば、エポキシ系インクなどが用いられる。目盛り5は、表示面に垂直な断面が、例えば、略半円状に形成されている。
金属層11は、蒸着に限らず、例えば、ホットスタンピングによる薄膜転写やスポッティングなどによって形成してもよい。また、目付7は、本実施形態の放射状に限らず、例えば、渦状、同芯円状、縦、横、格子状などでもよい。
次に、本実施形態の機能について説明する。本構成によれば、基板9を透過して入射した光が金属層11で反射することにより、文字板は一面金属調で表示される。ここで、一般に、基板9の表示面が平坦に形成される場合、金属による光の反射、いわゆる照り返しによって、逆に金属調が見え難くなり、質感や視認性が低下することがある。そこで、本実施形態では、基板9の表示面に目付7を施している。これによれば、図の矢印2bで示すように、光は目付7により乱反射して照り返しが抑制されると共に、金属色と光沢が加減され、質感が向上する。
さらに、目付7が施された基板9の面には、透明樹脂製の目盛り5が突出して形成されている。このため、図の矢印2aに示すように、金属層11で反射した光は、目盛り5において目付7で隠された金属調本来の質感や色調が立体的に表現され、目盛り5の視認性が向上する。
このように、本実施形態では、基板9の表示面に目付7を施すことにより、この面における光の照り返しが抑制されると共に、金属色と光沢が加減され、さらに、目付された表示面から目盛り5を突出させて形成しているから、目盛り5は目付7の質感と異なる立体的な金属調で表現され、視認性および質感を向上させることができる。
なお、基板9の透明樹脂は、表示面側から金属層11が見える光透過性を有する樹脂であればよく、無色透明に限らず、着色されているものを用いることができる。また、目盛り5においても、基板9と同様、光透過性を有する樹脂であればよく、無色透明に限られるものではない。ここで、目盛り5は、透明樹脂の基板9の光屈折率と近似した屈折率を有する透明樹脂を印刷により転写して、目付7を消し鏡面状態にすると共に、断面を略半円形とすることが好ましい。これによれば、レンズ効果が発揮され、目盛り5の立体感が強調されるとともに、広角度で立体感を得ることができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を適用してなる文字板の第2の実施形態について図3を参照して説明する。図3は、本実施形態の文字板の要部の拡大断面図である。なお、図2と同一の部分については、同一符号を付して説明を省略する。
以下、本発明を適用してなる文字板の第2の実施形態について図3を参照して説明する。図3は、本実施形態の文字板の要部の拡大断面図である。なお、図2と同一の部分については、同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態の文字板は、図3に示すように、金属層11の基板9側と反対の面、つまり裏面に、基板9に突出させて設けた目盛り5に対応する部位を除いて遮光性を有する遮光層13が印刷して形成されている。
金属層11は、基板9を透過して入射した光を反射し、裏面側からの光を透過させるマジックミラーとしての機能を備えている。このため、金属層11の裏面側を暗くして、基板9の表示面側から光を照らした場合、図2と同様、文字板は、一面金属調で表示されるのに対し、基板9の表示面側を暗くして金属層11の裏面側から光を照射した場合、金属層11を透過した光が目盛り5を立体的且つ鮮明に照明することから、質感および視認性を向上できる。なお、図中の矢印2cは、金属層11を裏面側から透過して目盛り5を立体的且つ鮮明に照明する光の光路を表し、矢印2dは、遮光層13により遮光される光の光路を表している。
本実施形態によれば、金属層11を裏側から照明することにより、金属層11を透過した光が目盛り5のみを照明し、しかも立体的且つ鮮明に浮き上がらせるから、質感および視認性を向上できる。
さらに、本実施形態では、基板9の表示面に目付を施さない例について説明したが、必要に応じて目付を施すことが好ましい。
(第3の実施形態)
以下、本発明を適用してなる文字板の第3の実施形態について図4を参照して説明する。図4は、本実施形態の文字板の要部の拡大断面図である。なお、既に説明した図と同一の部分については、同一符号を付して説明を省略する。
以下、本発明を適用してなる文字板の第3の実施形態について図4を参照して説明する。図4は、本実施形態の文字板の要部の拡大断面図である。なお、既に説明した図と同一の部分については、同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態の文字板は、図4に示すように、基板9の表示面と反対側の面に、基板9の表示面に突出させて設けた目盛り5に対応する部位を除いて、遮光層15が印刷して形成される一方、目盛り5に対応する部位には、金属層17が形成されている。
これによれば、基板9の表示面側を暗くして金属層17の裏面側から光を照射した場合、目盛り5のみ立体的且つ鮮明に照明される点で、図3と外観上の差は見られないが、金属層17の裏面側を暗くして基板9の表示面側から光を照らした場合、図3は全面金属調で表現されるのに対し、図4は目盛り5のみが、金属調で、かつ立体的に表現され、目盛り5以外の背景は遮光層15の色調となる。このため、文字板の背景全体が金属調で表現される場合と比べて、目盛り5の金属調が際立ち、高い質感と視認性を得ることができる。
このように、本実施形態によれば、基板の表示面において、目盛り5は金属調で立体的に表現され、背景は遮光層15によって金属以外の色調で表現されるから、文字板全体が金属調で表現される場合と比べて、高い質感および視認性を得ることができる。また、金属層17に基板9側と反対方向から照明した光を透過させることにより、目盛り5のみを照明し、立体的且つ鮮明に浮き上がらせ、質感および視認性を向上することができる。
なお、遮光層15の色は、基板9側から照明した場合に表現される、目盛り5の背景色となるため、色を適宜設定することにより、装飾効果と共に視認性を得ることができる。
さらに、本実施形態によれば、例えば、金属層17を基板9の内部に嵌入させなくても目盛り5を立体的に表現できるから、文字板の構造が簡単になり、製造コストを低減できる。また、金属層17は、上述したように目盛り5に対応する部位だけ形成すればよいから、金属層17の面積は比較的小さくて済み、製造歩留まりを向上できる。
また、金属層17の形成は、蒸着などに限定されず、例えば、スパッタリング法、無電解メッキ、化学蒸着法、イオンプレーティング法など様々な方法が考えられるが、金属箔を貼り付ける方法がより好ましい。これによれば、製造工程が簡単になり、歩留まりを向上できるから、製造コストを低減できる。
また、本実施形態では、遮光層15を形成しているため、基板9の表示面に目付を施していないが、必要に応じて目付を施すようにしてもよい。
上述した3つの実施形態において、目盛り5の樹脂層形成は、例えば、スクリーン印刷が好適であるが、これに限定されず、例えば、タンポ印刷や精密ディスペンサによるポッティングなど、文字や図形などの樹脂層を形成できる種々の方法を用いることができる。
なお、上記の実施形態で用いる文字板は、車両用速度表示器に限定されず、例えば、時計、その他の電子機器類などの種々の計器類や表示器類の文字板に適用できることは言うまでもない。
1 プレート
3 数字
5 目盛り
7 目付
9 基板
11,17 金属層
13,15 遮光層
3 数字
5 目盛り
7 目付
9 基板
11,17 金属層
13,15 遮光層
Claims (4)
- 透明樹脂の基板と、該基板の一方の面に形成される金属層とを備え、前記基板は他方の面に目付処理が施され、該目付処理が施された面から透明樹脂の文字または図形を突出させ、前記金属層は、前記基板の該金属層が設けられた面側からの光を透過可能である文字板。
- 前記金属層の前記基板側と反対の面に遮光性の遮光層を形成し、該遮光層は、前記基板に突出させて設けた前記文字または図形に対応する部位を除いて形成することを特徴とする請求項1に記載の文字板。
- 透明樹脂の基板と、該基板の一方の面から透明樹脂を突出させて形成される文字または図形と、前記基板の他方の面に形成される遮光性の遮光層とを備え、前記遮光層は前記基板に突出させて設けた前記文字または図形に対応する部位を除いて形成され、前記文字または図形に対応する前記基板の他方の面の部位には金属層が設けられ、該金属層は、前記基板の該金属層が設けられた面側からの光を透過可能である文字板。
- 前記文字または図形は、断面が略半円状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の文字板。
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JP2004180921A JP2006003257A (ja) | 2004-06-18 | 2004-06-18 | 文字板 |
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JP2008087694A (ja) * | 2006-10-04 | 2008-04-17 | Calsonic Kansei Corp | 車両用表示装置 |
JP2012022008A (ja) * | 2011-10-28 | 2012-02-02 | Casio Comput Co Ltd | 文字板、成形用金型および時計 |
JP2021099327A (ja) * | 2019-12-19 | 2021-07-01 | 周 文三 | 空気圧縮機の圧力計の表示構造 |
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2004
- 2004-06-18 JP JP2004180921A patent/JP2006003257A/ja active Pending
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