JP2006003182A - 力学量測定装置 - Google Patents

力学量測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006003182A
JP2006003182A JP2004179069A JP2004179069A JP2006003182A JP 2006003182 A JP2006003182 A JP 2006003182A JP 2004179069 A JP2004179069 A JP 2004179069A JP 2004179069 A JP2004179069 A JP 2004179069A JP 2006003182 A JP2006003182 A JP 2006003182A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
semiconductor substrate
strain sensor
mechanical quantity
strain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004179069A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4617732B2 (ja
Inventor
Takashi Sumikawa
貴志 澄川
Hiroyuki Ota
裕之 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2004179069A priority Critical patent/JP4617732B2/ja
Publication of JP2006003182A publication Critical patent/JP2006003182A/ja
Priority to US12/210,261 priority patent/US7707894B2/en
Priority to US12/719,977 priority patent/US8056421B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4617732B2 publication Critical patent/JP4617732B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Arrangements For Transmission Of Measured Signals (AREA)
  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Abstract

【課題】 力学量をセンシングし測定情報をワイヤレスで送信する半導体力学量測定装置に関して高精度且つ高信頼性を確保するための装置構造及び測定方法を提供する。
【解決手段】半導体力学量測定装置のシリコン基板において、例えば、測定方向の基板長さに対する基板厚の比を小さく、測定方向に対して垂直な方向の基板長さに対する基板厚の比を大きくする。或は、装置上面を保護材で被う。
【効果】 特定方向のひずみ測定が可能になり、誤差の少ない高精度な力学量測定を可能にする。さらに、装置自体の耐衝撃性、耐環境性が向上する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、力学量を計測する力学量測定装置に関する。
RFタグと呼ばれる、電磁誘導で供給された電力を用いることで回路が動作し、予め設定されたIDナンバーを電波で送信するタグが開発されており、物流管理や入場券等の管理に適用され始めている。このようなIDタグに物理量センサを接続して、センシングした値をワイヤレスで送信しようとする試みも行われている。例えば特開2001−187611号に見られるように、温度センサをRFタグ回路にプリント配線基板上で接続し、該プリント配線基板上に搭載された状態でプラスチックによって一体にモールドされたセンサ付きIDタグとして構成されている。また、特開平05−203682号公報や特開平09―264798号公報には、半導体基板上に回路が形成されたセンサが開示されている。
特開2001−187611号 特開平05−203682号公報 特開平09―264798号公報
しかしながら、ひずみセンサや、これを応用した力学量センサである圧力センサや振動センサ、加速度センサ等を、電磁誘導もしくはマイクロ波で供給された電力を用いることで動作して結果を送信する回路に接続しようとすると、力学量センサ特有の以下の問題が生じる。また、使用条件のもとでは様々な環境上の影響をうけるので、かかる条件下でも精度の高い計測ができるセンサが望まれる。前記公知技術では精度の高い計測をおこなう形態について具体的開示はない。
第一に、ひずみセンサはひずみに対する出力値がごく小さく、他の温度センサなどに比べて非常にノイズに弱いことが挙げられる。例えば、通常の用途では10−5ひずみ程度の分解能が必要であるが、最も多用されている抵抗線式ひずみゲージにおけるその時の抵抗変化(ΔR/R)は2×10−5程度となる。すなわち、無ひずみ時に1であった抵抗がひずみを受けて1.00002となるのを検知せねばならない。この時、ノイズの混入によって、大きな測定誤差が生じる危険性がある。特に電磁誘導もしくはマイクロ波で供給された電力を用いることで動作させようとした場合には、ひずみセンサも同時に電波を受けるためノイズが乗りやすい。また、電磁誘導もしくはマイクロ波で供給された電力を用いる場合には、ひずみセンサに供給できる電力量は非常に制限され、一般に市販されているひずみゲージとアンプを用いた場合に比べて2桁以上小さくする必要がある。このため、ひずみセンサに流れる電流値を200μA以下までに抑えると、ノイズの影響を受けやすく、実質ノイズに埋もれる恐れがある。また、ひずみ測定はセンサを被測定物に直接接着して測定されることが多く、この使用状態を考慮するとセンサおよびそのリード線を導体で覆い、完全に電磁シールドすることは難しい。また、通常ひずみ測定を行う際には、ひずみ発生状態のわからない測定対象に対してある特定方向のひずみ量の測定が求められるため、特定方向のひずみ量を精度良く検出することのできるひずみセンサも求められる。
よって、本特許の目的は前記課題の少なくとも一つを解決して、精度の高い測定を可能とした力学量測定装置を提供することにある。
上記のように、同一のシリコン基板中にピエゾ抵抗効果を利用したひずみセンサを形成した力学量測定装置において、高精度で高信頼性の測定を行うために力学量測定装置を構成するシリコン基板形状や力学量測定装置の設置を工夫した。これにより、課題の一つを解決することができる装置を構成することができる。例えば、電磁誘導もしくはマイクロ波で回路動作電力を供給した場合でもノイズの影響を受けにくく、精度の高い測定を可能とした力学量測定装置を提供できる。
また、ひずみ検出部に温度補償回路であるホイートストンブリッジ回路を構成する際、測定精度の向上を目的として抵抗形状や配置方式を考慮したものである。
半導体を用いた力学量センサでは測定値の温度依存性が、他の物理量を測定する場合に比べて相対的に大きいために、他のセンサと異なり温度補正が不可欠であることが挙げられる。そこで、通常はひずみセンサと、該ひずみセンサと温度依存性が同じダミー抵抗の組み合わせでホイートストンブリッジ回路を形成することにより、温度補正が行われる。また、ホイートストンブリッジ回路は外部からの電磁はノイズを低減できる。この際、後段における出力増幅処理を行いやすくするためには、無ひずみ時においてはホイートストンブリッジ回路の出力はほぼ0にできることが好ましい。よって、出力端での電位を可能な限り等しくするためにブリッジ回路を構成する四本の抵抗の抵抗値の差極力小さくすることが好ましい。本発明の他の形態では電磁誘導もしくはマイクロ波で回路動作電力を供給した場合でもノイズの影響を受けにくく、温度の影響が少ない、精度の高い測定力学量測定装置及びその製造方法を提供することができる。
本発明によって、課題の一つを解決することができる力学量測定装置を構成することができる。例えば、電磁誘導もしくはマイクロ波で回路動作電力を供給した場合でもノイズの影響を受けにくく、精度の高い測定を可能とした力学量測定装置を提供できる。
以下、本発明の実施例を図1から図19を用いて説明する。図1には本発明に用いる力学測定量装置1を示す。力学測定量装置1は、半導体基板ここでは一例として単結晶シリコン基板2を用いる例を示す。この基板の上に少なくともピエゾ抵抗効果を使用したひずみセンサ3、ひずみセンサ3より得られた電圧値を増幅するアンプ群4、アナログ/デジタルコンバータ5、整流・検波・変復調回路部6、通信制御部7、接着部8、アンテナ9、電源供給装置10から構成されていることを特徴とするものである。ここで電源供給装置10は、蓄電池や太陽電池といった電池であっても良いし、振動発電や圧電効果等を利用した電力発生装置などであっても良い。とくに本実施例においては、力学量測定装置1の駆動電源は図2に示すように外部に設けられたリーダ201におけるリーダアンテナ202からの電磁波供給によって発生する誘導起電力とするものとする。なお、以下では、シリコン基板2と基板上に形成された薄膜郡を総称して、チップ101とする。アンテナ9は、アンテナの巻き数を増やし、さらにアンテナが囲む面積を大きくすることでアンテナ内を通過する磁束の量が大きくなり多くの電力を発生させることができることから電波の送受信の感度が良くなる。このため、アンテナ9はチップ101の外部に設けても良い。以下ではチップ101内にアンテナ9が内蔵されている場合を例として説明する。アンテナ9を内蔵している場合にはチップ101がすなわち力学量測定装置1に相当し、アンテナ9を外付けとした場合にはチップ101とアンテナ9をあわせて力学量測定装置1と称する。チップ101内にアンテナを内蔵すると外部接続用の電極パッドが不要となるため、電極がチップ表面に露出することがなく、劣悪な環境下で用いる場合にも電極パッドの腐食等が起こらず、また、チップとアンテナ間の配線上において不要なノイズが発生することを極力抑えることができる。また、チップを取り扱う際にも静電破壊の心配が無くなるため信頼性の点で望ましい。また、チップ101内にアンテナを内蔵することで配線長の増加やパッド上に形成された酸化層に起因する抵抗値の増加が無くなり、通信制御部7とアンテナ9間における消費電力量を低減させることができるため本力学量測定装置1のように供給電力量が限られる場合において非常に有利となる。回路が形成された主面について見ると、ひずみセンサより前記シリコン基板端部側に前記伝送回路が配置されている。或は、ひずみセンサは他の回路よりシリコン基板中央部側に配置されている。
本発明の第一の実施例を図3から図6を用いて説明する。図3に本発明の第一の実施例である力学量測定装置構造の概要を示す。力学量測定装置1を用いて被測定物のひずみ量を検出するためには、図3に示すようにチップ101の素子形成面に対向する面である接着部8を被測定物11に貼り付けて該被測定物11に発生したひずみ量をシリコン基板2に伝達させ、該チップ101上のひずみセンサ3を用いて電気量に変換する。接着部8を直接測定対象物11に貼り付ける場合は、シリコン基板、測定対象物ともに特別な加工を必要としないため、力学量測定装置1の取り付けやひずみ量測定が容易になる。また、被測定物11に接着した状態で温度が上昇すると、チップ101と被測定物11の間に大きな熱応力が発生する場合がある。力学量測定装置1はフォトリゾグラフィー技術による半導体プロセスを用いて作製されることから、ひずみセンサ3を含んだ薄膜郡はシリコン基板上面に形成される。本発明ではシリコン基板2裏面に接着部8を配しており、シリコン基板裏面の方がガラス等で構成されているチップ上面よりも接着強度や破壊強度が大きいため、被測定物11の温度が上昇した場合でも、接着部8での破壊や剥離が起きず、信頼性ある測定ができる利点がある。この接着部8はシリコンの裏面を荒らした構造を有しており、凹凸の大きさは荒さで1ミクロン以上と、チップ表面の凹凸に比べて大きくする。これにより凹凸によるアンカー効果が発生し、被測定物11との接着性がさらに向上する利点がある。ひずみセンサ3は、シリコン単結晶に不純物を打ち込んだ拡散抵抗によって形成されており、ひずみが加わるとピエゾ抵抗効果によって抵抗値が変化する。この抵抗値変化に伴う出力電圧量の変化は、ひずみセンサアンプ群4、アナログ/デジタルコンバータ5を通してデジタル信号に変換される。該デジタル信号は通信制御部7、整流・検波・変復調回路部8を経て電波信号に変換され、アンテナ9からリーダに送信される。誘導起電力による電源供給の際には、リーダから送られた電力用高周波信号をアンテナ9で受信し、整流・検波・変復調回路部7で平滑化し、一定電圧の直流電力にして力学量測定装置の各回路に電源として供給する。
また、その際アンテナ9は、誘導起電力によって大きな電力を発生させるためにはアンテナが囲む領域に多くの磁束を通過させる必要があることから、図3に示すようにシリコン基板の縁に対して沿って配置することが望ましい。ところで、シリコン基板2の裏面を接着面とした場合、シリコン基板横方向長さに対する厚さの比が大きくなればなるほど、非測定物からシリコン基板上面に伝達されるひずみ量は小さくなる。つまり、ひずみセンサ3はシリコン基板2の上面に位置していることから、シリコン基板横方向長さに対する厚さの比が大きくなればなるほど力学量測定装置1の感度は大きく低下する。よって、ひずみ測定方向の基板長さに対する基板厚さを小さくする。図3に矢印で示す方向をひずみ測定方向とする。シリコン基板の前記回路が形成された主面の端部に形成される主辺については、ひずみセンサのひずみ測定方向に近い方向に位置する主辺は前記主辺に交わる方向に位置する他の主辺より少なくとも長く形成されている。或は、ひずみセンサのひずみ測定方向がシリコン基板の主面の長手方向に沿った方向に形成される(ひずみ測定方向が長手方向に交わる方向よりも長手方向に近い)。
またはシリコン基板の厚さと前記ひずみの測定方向における前記半導体基板の長さの比が0.3以下である。或は、ひずみ感度を持たせない方向のシリコン基板長さとシリコン基板の厚さとの比が0.3以下である。具体的には、ひずみ測定方向のシリコン基板2の長さをL1、シリコン基板2の厚さをtとした場合、発明者らが行った解析によると、t/L1が0.3以上になった場合、シリコン基板2上面に伝わるひずみ量は測定対象物11に発生したひずみ量に対して10%以下になることが明らかになった。一般的に構造物のひずみ測定に必要とされるひずみ量の範囲は10‐6〜10‐1のオーダーであること、シリコンの拡散抵抗で作製したひずみセンサの感度が10‐7のオーダーであることから、測定精度の高いひずみ量測定を行うためには、チップ101の厚さtとチップ101のひずみ測定方向の長さL1の比t/L1を0.3以下にすることが望ましい。さらに解析結果より、シリコン基板2上面の中央部においてひずみ感度は最大値を示し、端部に近づくにつれてひずみ感度は減少することが明らかになった。このことから、ひずみセンサ3は他の回路に比べて、感度の高いシリコン基板2上面中央部側近くに配置する。例えば、ひずみセンサよりチップの端部側のい前記回路が配置される。回路より端部側にアンテナが配置される領域を有するようにしてもよい。このときひずみセンサの周囲をアンテナ部が囲むような配置することができる。これらによってひずみに対する感度の高い力学量測定装置を提供することができる。
アナログ/デジタルコンバータ5、整流・検波・変復調回路部6、通信制御部7、電源供給装置10などの回路もシリコン基板上面に形成されており、ひずみセンサ3と同様にひずみの影響を受けることが懸念され、この場合、精度低下する可能性がある。例えば、オペアンプ4は複数の拡散抵抗によって構成されており、ひずみの影響を受けた場合、ひずみセンサ3と同様に抵抗値が変化するため、オペアンプ4の増幅度が変化してしまう恐れがある。また、アナログ/デジタルコンバータ5、整流・検波・変復調回路部6、通信制御部7、電源供給装置10などの回路についても、ひずみの影響を受ける可能性があり、高精度且つ高信頼性のひずみ量測定を行うためには、ひずみセンサ3以外の回路がひずみの影響を極力受けないことが望ましい。そこで、ひずみ量を測定するひずみセンサ3は、感度を最も有するシリコン基板2上面中央部近傍に配置し、該ひずみセンサ3以外のひずみの影響を極力排除すべき回路はチップ上面端部付近に配置する。とくに不純物拡散層によって構成され、アナログ回路であるオペアンプ4がひずみの影響を受けた場合には出力に大きな影響を及ぼす。さらにひずみセンサ3からの出力はすぐにオペアンプ4によって増幅処理が施されるため、オペアンプ3はシリコン基板2上面中央部付近に設けられたひずみセンサ3に隣接する。センサ以外の他の回路はそれより外部に近い側にあることが好ましい。少なくとも該ひずみセンサ3よりは該シリコン基板2上面の外縁に近い領域に配置することが望ましい。これにより高信頼性の力学量測定装置を提供することができる。ここで、ひずみセンサ3は必ずしもシリコン基板2の上面中央に正確に配置されている必要はなく、アナログ/デジタルコンバータ5、整流・検波・変復調回路部6、通信制御部7、電源供給装置10などの回路に対してシリコン基板2上面中央に近い領域に配置していればよい。また、アナログ/デジタルコンバータ5、整流・検波・変復調回路部6、通信制御部7、電源供給装置10などの回路は、必ずしもチップ101上面の端部に接して配置される必要はなく、ひずみセンサ3に比べて端部に近い部分に配置されていればよい。
ひずみ量を測定する際には、特定方向のひずみ成分の測定が求められる場合が多い。ところが測定対象物11内において、複数の異なる方向のひずみが混在している場合、ひずみセンサ3によって得られる出力は複数方向のひずみからの影響を含んだものとなる。特定の一方向に限定したひずみ量を測定するためには、特定方向のひずみ感度を有するひずみ測定装置が要求される。前述のように、チップ101の素子形成面に対向する面である接着部8を測定対象物に張り付けた場合、ひずみセンサ3の感度はシリコン基板の長さと厚さの比によって大きく影響を受ける。そこで図3に示されるように、ひずみ量測定方向におけるシリコン基板2の厚さとシリコン基板の長さの比t/L1を0.3以下とし、ひずみ量測定方向に対して垂直な方向のt/L2を0.3以上にする。これにより、ひずみ測定を目的とする特定方向のひずみ量に感度を有する力学量測定装置を提供することができる。この場合においてもオペアンプ郡4、アナログ/デジタルコンバータ5、整流・検波・変復調回路部6、通信制御部7などの回路は、ひずみの影響を受けにくいシリコン基板2上面端部に近い領域に配置することにより、ひずみ測定方向を特定の方向に限定した高精度・高信頼性の測定を行うことができる。
チップ101上面にはアナログ/デジタルコンバータ5、整流・検波・変復調回路部6、通信制御部7、電源供給装置10といった回路が剥き出しになっている。
そこで、図4に示されるように回路が形成されたチップ101上面に保護材12を配置する。シリコン基板2の上面に例えば樹脂のような保護材を配置することで、外部からの衝撃や腐食などから回路を防護することができ、強度信頼性を確保することができる。さらに、保護材12を遮光性のあるものにした場合、チップ101上面に配置された薄膜群は外部から遮光される。ひずみセンサ3等の回路を形成する不純物拡散層内を移動する電子は光の影響を受けることによりその移動度が大きく変化することから、光が当たる場合には実際発生しているひずみ量に対する正確な出力が得られない。遮光性のある保護材12を用いて不純物拡散層を遮光した場合には、ひずみセンサ3における光の影響による電子移動度の変化を無くすことができるため、高精度・高信頼性のひずみ測定を行うことができる。さらに保護材12は、図5に示すようにアンテナ9には覆い被さらないように配置されていてもよい。基板上に形成された回路を覆う樹脂膜を有し、前記アンテナ9が形成された領域との間にその樹脂膜の端部が位置する。この場合、アンテナ9とリーダ間に介在物が無くなることから、電波の伝達が容易になり、通信精度が向上する。
さらに図5(1)に示すように、シリコン基板を覆う被覆材部材を設け、半導体基板の側面に一部が連絡し、他の一部が被測定物に連絡しうるよう形成される。なお、被覆部材はここでは、保護材13を用いることができる。保護材13はシリコン基板全体を必ずしも覆わなければならないわけではない。保護材13はチップ101の側面を含む全体を覆っていてもよい。保護材13は一方がチップ101に接触し、被計測物11にも接触するような形態であることが好ましい。この場合には、該チップ101の側面方向が該樹脂13によって拘束されるため、被測定物11に生じたひずみに対する該チップ101の応答が良くなり、精度が向上する。
力学量測定装置1を被測定物に取り付け、被測定物生じたひずみ量を高精度で測定するためには、測定対象物のひずみ量に対するチップ101のひずみ応答性が良くなるような取り付け方法が望まれる。つまり、力学量測定装置1を構成するシリコン基板2は被測定物に生じたひずみ量に精度よく追従した変形を行うことが要求される。
そこで、図5(2)に示すように力学量測定装置1を接着・固定用介在物13を用いて測定対象物11に直接埋め込む。チップ101は、被測定物に設置された状態で、シリコン基板の側面には被測定物の一部が対向して位置する領域を有するように形成されている。力学量測定装置1は、リーダとの間におけるひずみ量情報のやりとりを無線形式で行うことができる場合、埋め込みを行った場合であっても測定に支障をきたさない。また、本発明における力学量測定装置1は、一辺や厚さが数ミリ以下と非常に小さいことから、非測定物に埋め込み用の凹部分を形成した場合であっても、測定物の強度低下を招くことがない。図7に示すように力学量測定装置1を直接被測定物11に埋め込んだ場合には、接着面8のみだけでなくチップ101の側面及び上面も同時に拘束されることになるから、測定対象物11に生じたひずみ量に対するチップ101のひずみ応答性が良くなり測定感度が向上する。また、力学量測定装置1は測定対象物11に埋め込まれることによって外界から遮断される。このため、ひずみ測定箇所に外部からの物理的な接触もしくは摩擦が起こる環境、あるいは腐食環境下などの場合であっても、力学量測定装置1を保護することができ、信頼性を確保することができる。また、接着・固定用介在物に遮光性があるものを用いた場合には、光の影響による散抵抗内の電子や正孔の移動度の変化を抑制することができるため、誤作動を起こさず高精度な力学量測定装置を提供することができる。また、接着・固定用介在物樹脂として例えば樹脂を用いる場合、樹脂のヤング率は約10〜20GPa程度であり、一方、チップ101の基板となるシリコン基板2のヤング率は約百数十GPa、測定対象物11が例えば鉄系の金属の場合には約200GPaとなることから、樹脂部分においてひずみの緩和が起こり、感度の低下が生じる。このため、チップと測定対象物との間の隙間は極力薄いほうが感度の低下を現象させることができ、その隙間は1mm以下であることが望ましい。
また、図5(3)に示すように力学量測定装置1の上面を外部に露出させた状態あるいは接着・固定用介在物を用いて測定対象物に対してシリコン基板上面のアンテナ部を露出した状態で埋め込んで測定するようにすることができる。又は図5(4)に示すように力学量測定装置1の一部を埋め込んだ状態にしてもよい。被測定部材の凹部にシリコン基板が設置され、少なくとも基板の側壁の一部が凹部の側壁と対向するように位置する。或は、シリコン基板の上面側が、シリコン基板が設置される領域の周囲の被測定部材の表面より高く位置し、シリコン基板の下面側が同表面より低くなるよう配置される。
このような形態でも、チップ101の側面が拘束されているため、接着面8のみを接着した場合に比べて高いひずみ感度を得ることができる。チップ上面が露出された場合、アンテナ9が外部に曝されるため電波の障害がなくなることから測定精度が向上し、無線電波到達距離も増大することから、力学量測定装置1がリーダから遠く離れた場所に配置された場合あってもひずみ量測定が可能となる。図5(3)に示すように力学量測定装置1の上面のみを外部に露出させた場合は、被測定物の表面形状は埋め込み前と変わらないことから、例えば被測定物表面が摩擦を受ける回転体である場合、回転運動の妨げにならない。
また、図5(4)に示すように力学量測定装置1の一部を埋め込んだ場合、周囲に接着・固定用介在物を挿入する際、力学量測定装置1の上面に流れ込むことがなく、該力学量測定装置1上面に配置されたアンテナ9に覆いかぶさることがなく、安定した通信を可能にする。
チップ101を構成するシリコン基板2はシリコン単結晶である。シリコン単結晶の破壊応力は最大でも400MPa程度であることから、シリコン単結晶のヤング率130〜160GPaを考慮に入れると、シリコン単結晶は2.5〜3.0×10-2程度のひずみで破壊することになる。しかしながら、通常のひずみ測定においては、10−1程度の測定範囲が要求される場合があり、該シリコン基板2の臨界ひずみ量を一桁上回る。この場合は、図6に示すようにチップ101と被測定物11の間に、シリコン単結晶よりもヤング率の小さい樹脂応力緩和層56を設ける。これにより、シリコン基板2に加わるひずみを低減させることができる。予め応力緩和層56を設けた場合のひずみ量の減衰率を求めておくことで、シリコン単結晶の破壊臨界ひずみ量よりも大きな範囲におけるひずみ測定を可能にすることができる。前記樹脂層56はシリコン基板より一桁ヤング率が小さいものを用いることが望ましい。
本発明の第二の実施例を図7から図11を用いて説明する。第一実施例においては、チップ101上にアンテナ9が配置されている場合について述べたが、前述のように、アンテナ9はチップ101の外部に設けてもよい。リーダ201の電波に十〜数百メガヘルツの周波数帯を用いた場合には、力学量測定装置1とリーダ201の間に水分が存在した場合にも電波は影響を受けにくいという特徴を持っている。前記周波数帯を用いた場合、電磁束の密度が小さいことから、長距離での安定した通信を行うためには比較的大きなアンテナを必要とする。そこで、図7は、樹脂テープ51と、樹脂テープ51に形成されたアンテナ9の層と、樹脂テープ51に設置されたシリコン基板チップ101とを備え、チップ101の一主面上に、少なくともひずみセンサと、ひずみセンサからの信号を増幅してデジタル信号に変換する増幅変換回路と、変換された該デジタル信号を前記半導体基板の外部に電送する伝送回路と、電源回路と、を設けており、前記伝送回路はアンテナ9と電気的に連絡されるよう形成されている。そして、図のように、シリコン基板チップ101は周囲を前記アンテナ9に囲まれて配置されていることが好ましい。樹脂テープ上に形成されたアンテナにパット120などで接合して形成されている。
具体的には同図に示すように、ポリイミド等の樹脂テープ51上にチップ101を配置し、樹脂テープ51上にアンテナ層及びパッド120に対応する部分を形成する。該チップ101の周囲を囲むようにアンテナを張り巡らして配置される。これにより、力学量測定装置1の中でのアンテナ9が占有する面積を活用できるからチップ101に十分な電力量を供給することができ、高精度の測定を行うことができる。また、高精度な測定を行うためには、チップ101は被測定物に直接設置することが望ましい。そこで、図9に示すように、チップ101の回路が形成された上面にアンテナ9に接続するパット120を設け、アンテナ9に対して直接接合し、チップ101の下面側を接着部8として測定対象物に接着する。該チップ101の裏面に当たる接着部8を直接被測定物に接合することができることから、精度の良いひずみ測定を行うことができる。また、リーダ201の電波の周波数にギガヘルツ帯を用いた場合、十〜数百メガヘルツの周波数帯に比べて電波エネルギが高いことから小さなアンテナでも長距離測定が可能となる。
そこで、図8に示すように棒状の樹脂テープ52上にチップ101を配置して、その両側もしくは片側に伸びるアンテナ9を配置する。この場合、力学量測定装置1の占有面積を小さくすることができるから、局所応力集中場のような狭い範囲で応力変動が生じている領域においても力学量測定装置1を用いて測定を行うことができる。また、力学量測定装置1は測定対象物に設置して測定を行うが、測定対象物が金属の場合、リーダ201から該力学量測定装置1に供給される電磁波の進行方向は、金属の影響によって金属表面近傍では面と水平方向に曲げられることからアンテナ9を通過することが困難となり、力学量測定装置1に十分な電力量を与えることができない。
そこで、図10に示すように、アンテナ9と測定対象物11との間に高透磁性体シート55を介して、設置されるようにする。高透磁性体シート55は測定対象物(金属)より高透磁性体である。アンテナ9の特定対象物11側に高透磁性シート55を設けることで、リーダ201からの電磁波がアンテナ9内を通過し易くなることから、測定対象物11が金属の場合であってもチップ101に十分な電力量を供給することができ、安定した高信頼性のひずみ測定を行うことができる。ここで、チップ101は高精度なひずみ測定を行うために直接測定対象物11に設置されたほうが望ましいことから、図10(2)に示すように高透磁性体シート55はチップ101を除いた領域に設けられることが望ましい。よって、シートには、チップ101の位置する領域に開口部を有することが望ましい。
力学量測定装置1内には、多数の金属配線やアンテナが存在することから高温多湿な場所など劣悪な環境においてはその腐食が問題となる。そこで、チップ101をポリイミド等の樹脂テープ51上に配置し、周囲を囲むようにアンテナ9を張り巡らせた場合、図11では、樹脂テープ51より剛性の高い樹脂58で、シリコンチップ101を覆うと共に、前記樹脂テープ51を覆っている。樹脂テープ51の少なくとも一部が覆われているような形態であってもよい。具体的には、図に示すように力学量測定装置1全体をポリエチレンテレフタラート等の樹脂58で覆いカード化する。樹脂58は樹脂テープ51より剛性が高い。また、カード上にはひずみ測定方向の印57をつけることが好ましい。力学量測定装置1全体を樹脂58でカード化することにより、耐腐食性を向上させることができる。また、樹脂58はリーダ201からアンテナ9へ送られる電波を妨げることが無く、シリコン基板2よりも接着性にすぐれていることから、被測定物に貼り付けた場合であっても剥がれにくく、信頼性の高いひずみ測定を行うことができる。また、チップ101側面を樹脂58で被覆して拘束するため、高精度のひずみ測定が可能となる。さらに、樹脂58を遮光性のあるものにしておくことで、ひずみセンサ8に及ぼす光の影響を抑止することができ、また、チップ101と被測定物11との間にヤング率の低い樹脂58が介在することにより、シリコン基板2に加わるひずみ量を低減させることができることから、信頼性が高く、広範囲のひずみ量における測定を行うことができる。
本発明の第三の実施例について図12を用いて説明する。より高精度のひずみ測定を行うためには、ひずみセンサ3をよりひずみの影響を受けやすい箇所に配置することが望まれる。そこで、図12では、被測定物に前記ひずみセンサが形成された主面に被測定物への設置領域を有する。具体的には、図に示すように薄膜群がチップの下側となるようにチップを裏返しにして被測定物11に取り付ける。本発明における力学量測定装置1は、ひずみセンサ3によって得られたひずみ情報を無線方式で外部のリーダに送信することから、裏返しに接着した状態であってもひずみ測定を行うことができる。前述のように、測定対象物11にチップ101を接着した場合、測定対象物11からシリコン基板2に伝達されるひずみ量は接着界面に近いほど大きい。このため、チップ101を裏返しに接着してひずみセンサ3を測定対象物11に近接させた場合、ひずみセンサ3はひずみ感度の大きい領域に配置されることになるから、測定感度が上昇するという利点がある。また、外界に曝されているのはシリコン基板のみとなり、アナログ/デジタルコンバータ5、整流・検波・変復調回路部6、通信制御部7といった回路への光の影響を抑制することができる。さらに、シリコン基板は単結晶であることから、腐食環境下で力学量測定装置1を使用した場合であっても、粒界腐食等の強度を低下させる諸因子を排除することができるため高い強度信頼性を確保することができる。さらに、チップ101を裏返しに配置した場合、接着面の周囲は自由表面に囲まれていることから、接着面端部ではひずみに対する感度が低く、中央部に近づくにつれて感度は減少する。よって、ひずみセンサ3は、チップ101の接着面において極力中央部に近い領域に配置し、アナログ/デジタルコンバータ5、整流・検波・変復調回路部6、通信制御部7、電源供給装置10等の回路は端部に近い領域に配置する。これにより、感度の高い、高信頼性を有する力学量測定装置を提供することができる。
本発明の第四の実施例を図13から図19を用いて説明する。本実施例は、基本的には第一の実施例と同様な構成及び特徴を持つが、加えてひずみセンサ3の抵抗層とダミー抵抗21の抵抗層からなるホイートストンブリッジ回路102を同一の単結晶シリコン基板2内に設けた力学量測定装置である。ホイートストンブリッジ回路の回路図を図13に示す。本実施例においては、ホイートストンブリッジ102はひずみセンサ3を二本とダミー抵抗21を二本用いることによって構成されたものについて記述を行う。ひずみセンサ3を一本、ダミー抵抗21を三本としたワンアクティブゲージ型のホイートストンブリッジ回路であっても良い。また、図13において、二つのひずみセンサ3をひずみセンサ3aとひずみセンサ3b、二つのダミー抵抗21をダミー抵抗21aとダミー抵抗21bと称する。ひずみセンサ3aから時計回りに、ダミー抵抗21a、ひずみセンサ3b、ダミー抵抗21bの順に結線されてホイートストンブリッジ回路を構成しているものとし、該ダミー抵抗21aと該ひずみセンサ3bとの間及び該ダミー抵抗21bと該ひずみセンサ3aとの間に入力電圧が印加され、該ひずみセンサ3aと該ダミー抵抗21aとの間及び該ひずみセンサ3bと該ダミー抵抗21bとの間から出力電圧が検出されるものとする。
ひずみセンサ3はひずみによる抵抗変化量が非常に小さいため、そのまま増幅すると、その後段の信号処理が複雑になる。そこで通常は、ひずみゲージの使い方に見られるように、ホイートストンブリッジ回路102を形成することにより、ひずみセンサ3の抵抗変化分に比例した出力電圧を得てから増幅し、ひずみに比例した値として用いる。また、ダミー抵抗21の抵抗値の温度状態を、ひずみセンサ3の温度状態と同じにすることにより、ホイートストンブリッジ回路102が温度補償回路となるという利点もある。このとき、ホイートストンブリッジ回路102におけるダミー抵抗21は被測定物に貼り付けず、無ひずみ状態を維持することが望ましい。
しかしながら、本力学量測定装置にホイートストンブリッジ回路102を形成しようとすると、本力学量測定装置は一つの単結晶シリコン基板2上に回路を形成し、該シリコン基板裏面を接着部8として被測定物に貼り付けて測定が行われるため、ひずみセンサ3以外の回路部分もひずみの影響を受けてしまう恐れがある。よって、同一のシリコン面内にホイートストンブリッジ回路102を形成すると、ダミー抵抗21もひずみセンサ3と同程度の抵抗変化を起こすおそれがある。
図14(1)には、本問題を回避することが可能となった、本実施例におけるホイートストンブリッジ回路102の配置図を示す。ブリッジ回路内における隣接した抵抗の比同士が対向する抵抗の比同士よりも差が小さくなるように形成する。該ホイートストンブリッジ回路102では、ひずみセンサ3a、3bはシリコン基板2中に局所的にp型の不純物層を拡散させて形成され、その長手方向は<110>方向とする。またダミー抵抗21は同様にシリコン基板中に局所的にp型の不純物層を拡散させて形成され、直線部分の長手方向は<100>となるようにする。さらにひずみセンサ3とダミー抵抗21の抵抗値はほぼ同じになるように形成することが望ましい。ひずみセンサ3をp型不純物拡散層で形成し、<110>方向を長手とすることで、長手方向の応力感度が大きくできるという利点がある。また、ダミー抵抗21をp型不純物拡散層で形成し、長手方向を<100>とすることで垂直応力に対する感度を最小に出来る。また、ひずみセンサとダミー抵抗は同じp型の不純物層により構成できるので、両者を同時に、例えば、同じマスクを用いて、或は、同じプロセスによって形成することで抵抗値をほぼ同一にできるという利点がある。例えば、p型不純物のイオン注入処理を同時に行って両者の不純物層を形成すると、ひずみセンサ3とダミー抵抗21でほぼ同一のシート抵抗値が得られるため、ホイートストンブリッジ回路の出力のオフセット量を最小にすることができる。この場合、不純物の拡散処理は、不純物のドーズ量の精度が高く、拡散プロファイルも再現性よく形成できるため、イオン注入とその後の活性化処理で行われるのが望ましい。また、ひずみセンサとダミー抵抗を同じp型の不純物層でワンチップ上に一括に形成することで拡散層の濃度分布のばらつきを抑えることができるため、シート抵抗値も同一にでき、抵抗値の温度依存性も同一にできるという利点もある。また、上記ではひずみセンサを<110>方向、ダミー抵抗を<100>方向に形成すると記述したが、これは理想状態であって、製造上、角度のズレが生じた場合でも効果は十分に有する。すなわち、ひずみセンサは<100>方向よりも<110>方向に近くなるように配し、ダミー抵抗は<110>方向よりも<100>方向に近くなるように配すれば効果を有する。
拡散抵抗層をn型とした場合にも図14(2)に示すように同一基板上にひずみセンサ3とダミー抵抗21を形成することができる。ひずみセンサ3はシリコン基板2中に局所的にn型の不純物層を拡散させて形成され、その長手方向は<100>方向とする。またダミー抵抗21は同様にシリコン基板中に局所的にn型の不純物層を拡散させて形成され、直線部分の長手方向は<110>となるようにする。さらにひずみセンサ3とダミー抵抗21の抵抗値はほぼ同じになるように形成する。ひずみセンサ3をn型不純物拡散層で形成し、<100>方向を長手とすることで、長手方向の応力感度が大きくできるという利点がある。また、ダミー抵抗21をn型不純物拡散層で形成し、長手方向を<110>とすることで垂直応力に対する感度を最小に出来る。こうして作製されたn型不純物拡散層によるホイートストンブリッジ回路は、p型拡散層同様に、抵抗値をほぼ同一にでき、出力のオフセット量を最小にすることやオフセット量の温度依存性もほぼ同一にできることといった利点を持つ。n型不純物拡散層でホイートストンブリッジを作製した場合には、p型不純物拡散層の場合に比べるとダミー抵抗のチップ上面法線方向の応力感度が大きくなるが、ひずみセンサ3の感度が高くなるという利点を持つ。また、上記ではひずみセンサを<100>方向、ダミー抵抗を<110>方向に形成すると記述したが、これは理想状態であって、製造上、角度のズレが生じた場合でも効果は十分に有する。すなわち、ひずみセンサは<110>方向よりも<100>方向に近くなるように配し、ダミー抵抗は<100>方向よりも<110>方向に近くなるように配すれば効果を有する。
なお、ひずみセンサとダミー抵抗の不純物濃度を一致させない設計を行った場合でも、オフセット量の温度補償に若干の誤差が生じる可能性があり、さらに、ひずみセンサ3とダミー抵抗21の抵抗値の偏差がばらつくことが予想されるが、それ以外の有効な効果は同様に得ることができる。
さらに、ひずみの発生方向がある一軸の特定方向に決定しており、その方向のひずみ量を測定する場合、図14(3)及び図14(4)に示すようにひずみセンサ3をひずみ測定方向、ダミー抵抗21をひずみ測定方向から垂直な方向に電流が流れる長手方向を持つように配置する。p型拡散層の場合は<110>方向にひずみセンサ3とダミー抵抗が直交するように配置し、n型拡散層の場合は<100>方向にひずみセンサ3とダミー抵抗が直交するように配置する。シリコン単結晶において、前述のように拡散層を配置した場合、ひずみ測定方向に平行に配置されたひずみセンサ3に対して垂直に配置されたダミー抵抗21には、ひずみセンサ3とは正負反対の抵抗値変化が起こるという特徴を持っていることから、ブリッジ回路からの出力量は増加し、小さいひずみ量においても大きな出力を得ることができ、高精度なひずみ測定が可能となる。
ブリッジの拡散層の順番について以下に説明する。
p型拡散抵抗を用いてシリコン基板2上にホイートストンブリッジを作製した場合、図14(1)で示したように長手方向がシリコン結晶の<110>方向と平行な二本のひずみセンサ3a、3bと長手方向がシリコン結晶の<100>方向と平行な方向に形成された二本のダミー抵抗21a、21bによってホイートストンブリッジは構成されている。ホイートストンブリッジ回路においては、理想的には無ひずみ状態で四本の抵抗の抵抗値が全く同一であることが望まれる.四本の抵抗の抵抗値が等しい場合には、図13におけるVinに電圧を負荷した際、抵抗3aと抵抗21b、抵抗3bと抵抗21aにおける電圧降下量は等しくなることから、Voutでは電圧差は発生せず出力は0となり、後段における増幅処理を容易にする。しかしながら、設計上全く抵抗値が同一となる設計を行っていても、実際シリコン基板上に拡散層を作製する際には、不純物原子のガス濃度のばらつきなどが影響を及ぼし、形成された抵抗の抵抗値が異なってしまう可能性がある。
ガス濃度のばらつきによる抵抗値の変化を極力排除するために図14(1)に例として示すように四本の抵抗はできるだけ近接した領域で形成することが望ましい。さらに、たとえ四本すべての抵抗の抵抗値が一致していない場合であっても、ひずみが生じていない場合の出力電圧Voutのオフセットを0にするためには、少なくとも四本の抵抗値Rの比をR21a:R3b=R3b:R21bとすればよい。一般的にガス濃度のばらつきはシリコン基板面内においてある一定の傾斜を持っているものと考えられるため、例えば図14(1)に示すように、抵抗3aと抵抗21a、抵抗21bと抵抗3bをそれぞれ隣接させ、片方から抵抗3a→抵抗21a→抵抗21b→抵抗3bの順番に配置することで、四本の抵抗値の比をR21a:R3b=R3b:R21bという関係に近くすることができる。隣接する抵抗の同士を対向する抵抗の比同士より小さくする。無ひずみ状態における出力をほぼ0にすることのできるホイートストンブリッジ回路を実現することができる。尚、この配置は図14(1)に示したp型拡散抵抗に限らず、拡散抵抗形状や配置方向の異なるものやn型拡散抵抗の場合であっても同様の効果を得ることができる。また、この配置は、シリコン単結晶の拡散層によって形成されたホイートストンブリッジに限らず、例えば多結晶シリコン薄膜や金属薄膜で形成するホイートストンブリッジの場合であっても良く、この場合も同様の効果を得ることができる。
ホイートストンブリッジ回路102を構成する四本の拡散抵抗を作製する際、すべての拡散抵抗の抵抗値を等しくするためには、一本一本の拡散抵抗周辺領域の環境を同一にしておくことが望ましい。図14(1)から図14(4)に示す様に、本発明におけるホイートストンブリッジ回路は、拡散量のばらつきを低減するために方向の異なる抵抗を可能な限り近接して作製するという特徴を持っているため、四本の拡散抵抗の周囲の状況は異なったものとなる。この場合、拡散層形成のためのマスクに対してエッチングを行って抵抗形状を形成する際、エッチングにおいてそれぞれの拡散抵抗上方でのガス濃度分布が不均一となり、抵抗の拡散量にばらつきが生じる可能性がある。
そこで、図15に開示の形態は、シリコンチップ101の回路形成面上に、ひずみセンサ抵抗3a,3b及びダミー抵抗21a,21bを含む複数の抵抗層を備えたホイートストンブリッジ回路と、ホイートストンブリッジ回路からの信号に基いてデジタル信号に変換する変換回路と、該デジタル信号を前記半導体基板の外部に伝送する伝送回路と、電源回路と、を備え、ひずみセンサ抵抗の長手方向に沿って形成され、前記ホイートストンブリッジ回路を構成しない抵抗層であるダミー拡散層15を備える。また、前記ホイートストンブリッジ回路を構成しない抵抗層である拡散層15は、前記ホイートストンブリッジの前記抵抗層の長手方向の両側に形成されている。または、ブリッジ回路を構成する不純物拡散抵抗の周囲に、拡散抵抗と概ね同形状且つ平行なダミー拡散層を配置されている。
また、ホイートストンブリッジ回路を構成する抵抗層は、不純物の拡散層を備え、一の抵抗層から他の抵抗層より近い領域に、前記回路に電気的に非連絡の拡散層(ダミー拡散層)を設けている。よって、回路を構成する抵抗層は、回路に非連絡の拡散層を介して配置される。
示すようにブリッジ回路を形成する四本の拡散抵抗一本一本の周囲にダミー拡散層となる抵抗15を配置することで、それぞれの抵抗の周囲環境の差を小さくすることができる。抵抗15はホイーストンブリッジ回路を構成していない。なお、ダミー拡散層はブリッジ回路を形成する四本それぞれの拡散抵抗と概ね同形状であることが望ましい。また、ブリッジ回路を形成する四本の拡散抵抗における周囲環境を極力同一のものとするために、一本の拡散抵抗の長手方向両脇に該拡散抵抗と概ね平行となるようダミー抵抗を配置することが望ましい。さらにブリッジ回路を形成する四本の抵抗全体を囲むダミー拡散層16を作製することで、ひずみセンサの周囲に配置する他回路の形状をマスクに作製する際の拡散抵抗形状上方でのガス濃度の不均一を低減させることができる。これにより均一な拡散層形成を実現することが可能となり、すべての抵抗の抵抗値の差を極力小さくしたホイートストンブリッジ回路を作製することができ、ひずみ量測定精度が向上する。ダミー拡散層は四本の拡散抵抗の周囲のみに配置したものであっても良いし、ブリッジ回路周囲のみに配置したものであっても良い。これらの場合、マスクエッチング時のガス濃度の不均一を低減させるという効果は若干小さくなるが、ひずみセンサの占有する面積を小さくでき、ブリッジ回路を形成する四本の抵抗の位置が接近することから、不純物拡散層形成時の抵抗値のばらつきを低減できるという利点がある。
拡散層の抵抗値が大きいほどひずみが加わった際の抵抗変化量は大きくなることから測定精度は向上する。また、抵抗中を流れる電流量が少なくなるため低消費電力化につながる。抵抗の幅をw、長さをlとすると抵抗値はl/wに比例することから、l/wを増加させることによって抵抗値を大きくすることができる。しかしながら、l/wを大きくすると拡散抵抗は細長い形となる。本発明におけるホイートストンブリッジ回路では、各拡散抵抗における拡散濃度のばらつきが大きくなることを防止するために、極力狭い領域に拡散層を収めることが望まれる。
そこで図16に示すように、不純物拡散抵抗17を折り返して拡散抵抗の占有領域を小範囲に収めることで拡散濃度のばらつきを極力抑えることができる。また、一本の拡散抵抗中に折り返し部が存在する場合には、折り返し角部における外周領域と内周領域において電子速度の差が生じ、抵抗作製時の抵抗値の調整が困難となる。
そこで図16(2)に示すように、前記抵抗層は長手方向が同方向に向いた奇数本の直線抵抗17からなる線状部と前記線状部同士をつなぐ偶数個所の連絡部とを備える。ここでは、ビア18用いている。 ここでは、折り返しをする回数より一本多い直線抵抗17を配置し、各拡散抵抗間を金属箔によるビア18を用いて接続して折り返し抵抗を作製する。直線抵抗の端部を金属薄膜によるビアを用いて接合することで折り返し角部における電子移動速度の遅延を排除することができ、目標をする抵抗値をより精度良く得ることができる。また、該ビアはコンタクトを用いて拡散抵抗形成面から上方に引っ張り上げても良いし、シリサイド反応を用いて金属化したものでもよい。結果として、四本の拡散抵抗における抵抗値のばらつきを抑えることができるから無ひずみ時のオフセット量を0にすることが可能となり、信頼度の高いひずみ量測定を行うことができる。ここで、ビア18は、拡散抵抗17に対してインピーダンスが小さいものを用いることが重要であり、特に金属箔には限らない。さらに、ひずみを測定する拡散抵抗の長手方向と異なる方向に長さ方向を有する拡散層を排除することができるので、精密な測定を行うことができる。また、図16(2)では二本の直線抵抗を一カ所で接続することによって折り返し抵抗を形成しているが、折り返し数は二回以上であってもよい。複数回折り返しを行った場合には、抵抗の全長に対する占有面積を小さくすることができるため、拡散層濃度のばらつきを抑えることができる。
さらに折り返し数は、図16(3)に示すように奇数本の直線抵抗を用いて、偶数回の折り曲げとすることが望ましい。本力学量測定装置は外部からの電磁波による電磁誘導により駆動起電力を得るものであるが、アンテナ8とホイートストンブリッジ102は同一基板上の微小領域に配置されているため、ホイートストンブリッジ内においても電磁波による影響を受け、誘導起電力を発生する可能性がある。電磁誘導は、ファラデーの法則により、周囲を配線で囲われている領域内部を通る磁力線が変化する場合、その磁力変化成分の影響により配線の特定方向に電流が発生する現象である。図16(3)で示した折り曲げ抵抗に対して紙面垂直方向に磁力変化が起こった場合、18a−18b−18cに発生する電流と、18b−18c−18dに流れる電流は逆向きとなることから、これらの電流は打ち消しあい、ひずみ量計測の際にノイズとなる起電力の発生を抑えることができるため、より高精度の測定を行うことができる。
また、ブリッジ回路を形成する四本の不純物拡散抵抗においては、ブリッジを構成する拡散抵抗が偶数本の抵抗を用いて奇数回の折り返しを行った場合であっても、図17に示すように任意の二本の抵抗に発生する誘導起電力の向きと反対の向きに起電力が流れるように残りの二本の拡散抵抗を配置することでブリッジ内に発生する誘導起電力を打ち消し、ノイズの少ない高精度なひずみ測定が可能となる。図17においては、紙面垂直方向において手前から奥に磁界の変化が起こった場合の電流の流れる方向を矢印で示してある。図18(1)と図18(2)にひずみセンサ3とダミー抵抗21が概ね45°の角度を有する場合のp型拡散抵抗とn型拡散抵抗の配置例、図18(3)と図18(4)にひずみセンサ3とダミー抵抗21が概ね90°の角度を有する場合のp型拡散抵抗とn型拡散抵抗の配置例をそれぞれ示す。
ひずみセンサ3で検出したひずみ情報は、アナログ/デジタルコンバータ5、整流・検波・変復調回路部6、通信制御部7、電源供給装置10等の回路を用いて外部へ伝達される。アナログ/デジタルコンバータ5、整流・検波・変復調回路部6、通信制御部7等の回路はひずみセンサ3と同一のシリコン基板上に形成されており、また、多数の拡散抵抗を含んでいることから、シリコン基板2にひずみが加わった際にはこれらの拡散抵抗も比抵抗に変化が生じるため、回路が正常に動作しない可能性がある。そこで、アナログ/デジタルコンバータ5、整流・検波・変復調回路部6、通信制御部7等の回路を構成する拡散抵抗の長手方向をp型拡散層の場合はシリコン結晶の<100>方向、n型拡散層の場合にはシリコン結晶の<110>方向と一致することで、拡散層のひずみ感度を低減させることができるため、力学量測定装置の正常な動作を補償することができる。
ひずみセンサ3をp型拡散層で形成すると、該ひずみセンサ3の測定方向に加わるひずみ量が引張りの場合は、比抵抗の変化量は正の値を示し、一方圧縮の場合は負の変化量を示す。ひずみセンサ3をn型抵抗で形成した場合にはp型拡散層の場合と正負が逆転し、引張りの場合は正の比抵抗の変化量を示し、圧縮の場合は負の比抵抗変化量を示す。つまり、ひずみセンサの出力電圧を増幅するオペアンプは正負両方の出力に応じた増幅機能を有する必要がある。しかし、一般に正負両方の出力に対応したオペアンプ回路は、符号が逆転する0近傍において非線形の増幅となり正確な増幅を行うことができない。そこで図19に例として示すようにオペアンプ回路の入力電圧にオフセットを設ける。例えば、ホイーストンブリッジ回路からの出力値に応じて変動する値の増幅値と所定値の増幅値(或は信号をオペアンプ回路の前に入力しない場合(回路の後等)は所定値)をオペアンプ回路の出力部で出力する。つまり、例えば、前記オペアンプ回路の出力は前記ホイートストンブリッジ回路からの出力に基く値に予め設定された値を加算した値になるよう構成する。これにより、ひずみ量が圧縮から引張りに移行するひずみ量が0となる領域近傍での増幅においても安定した線形出力を得ることができる。図19は一般的な作動増幅回路を示したものである。オフセット量は例えば、ひずみセンサ3に入力する電圧の1/2にすることが望ましい。これにより引張り及び圧縮のひずみに対して同程度の範囲の増幅を行うことができる。ここで、オフセット量はひずみセンサ3の入力電圧に対して正確には1/2となる必要はなく、ほぼ1/2とすることで同様の効果を得ることができる。また、正負の出力に対応したオペアンプは一般に対応してないものに比べて構造が複雑となることから消費電力量も膨大となる。本発明における力学量測定装置は低消費電力であることが必須であることから、オペアンプ回路にオフセットを付けることは回路全体の低消費電力化にも繋がる。
本発明における力学量測定装置の概要図である。 本発明における力学量測定装置の通信及び電源供給方法を示す概要図である。 本発明における第一の実施形態である力学量測定装置形状を示す図である。 本発明における第一の実施形態である力学量測定装置構造を示す図である。 本発明における第一の実施形態である力学量測定装置構造を示す図である。 本発明における第一の実施形態である力学量測定装置の設置方法を示す図である。 本発明における第二の実施形態である力学量測定装置の構造を示す図である。 本発明における第二の実施形態である力学量測定装置の構造を示す図である。 本発明における第二の実施形態である力学量測定装置の構造を示す図である。 本発明における第二の実施形態である力学量測定装置の構造を示す図である。 本発明における第二の実施形態である力学量測定装置の構造を示す図である。 本発明における第三の実施形態である力学量測定装置の設置方法を示す図である。 本発明における第四の実施形態に関するホイートストンブリッジ回路の概要を示す図である。 本発明における第四の実施形態である拡散層配置方向を示す図である。 本発明における第四の実施形態である拡散層配置を示す図である。 本発明における第四の実施形態である拡散層構造を示す図である。 本発明における第四の実施形態である拡散層配置方向を示す図である。 本発明における第四の実施形態である拡散層配置方向を示す図である。 本発明における第四の実施形態である回路の構造を示す図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・・・・・力学量測定装置
2・・・・・・・・・・・・・・・・・シリコン基板
3、3a〜3b・・・・・・・・・・・ひずみセンサ
4・・・・・・・・・・・・・・・・・アンプ郡
5・・・・・・・・・・・・・・・・・アナログ/デジタルコンバータ
6・・・・・・・・・・・・・・・・・整流・検波・変復調回路部
7・・・・・・・・・・・・・・・・・通信制御部
8・・・・・・・・・・・・・・・・・接着部
9・・・・・・・・・・・・・・・・・アンテナ
10・・・・・・・・・・・・・・・・電源供給装置
11・・・・・・・・・・・・・・・・被測定物
12・・・・・・・・・・・・・・・・保護材
13・・・・・・・・・・・・・・・・接着・固定用介在物
14・・・・・・・・・・・・・・・・配線
15・・・・・・・・・・・・・・・・ダミー拡散層
16・・・・・・・・・・・・・・・・ダミー拡散層
17・・・・・・・・・・・・・・・・不純物拡散抵抗
18、18a〜18d・・・・・・・・ビア
21、21a〜21b・・・・・・・・ダミー抵抗
51・・・・・・・・・・・・・・・・樹脂テープ
55・・・・・・・・・・・・・・・・高透磁性体シート
56・・・・・・・・・・・・・・・・樹脂製応力緩和層
57・・・・・・・・・・・・・・・・ひずみ測定方向の印
58・・・・・・・・・・・・・・・・樹脂
101・・・・・・・・・・・・・・・チップ
102・・・・・・・・・・・・・・・・ホイートストンブリッジ回路
120・・・・・・・・・・・・・・・・パッド
201・・・・・・・・・・・・・・・・リーダ
202・・・・・・・・・・・・・・・・リーダアンテナ

Claims (18)

  1. 単結晶半導体基板と、前記基板の一主面上に、ひずみセンサと、該ひずみセンサからの信号を増幅してデジタル信号に変換する増幅変換回路と、変換された該デジタル信号を前記半導体基板の外部に電送する伝送回路と、電源回路と、を設け、前記主面を構成する主辺のうち、前記ひずみセンサのひずみ測定方向に近い方向に位置する主辺は前記主辺に交わる方向に位置する他の主辺より長いことを特徴とする力学量測定装置。
  2. 単結晶半導体基板と、前記基板の一主面上に、ひずみセンサと、該ひずみセンサからの信号を増幅してデジタル信号に変換する増幅変換回路と、変換された該デジタル信号を前記半導体基板の外部に電送する伝送回路と、電源回路と、を設け、前記半導体基板の厚さと前記ひずみの測定方向における前記半導体基板の長さの比が0.3以下であることを特徴とする力学量測定装置。
  3. 単結晶半導体基板と、前記基板の一主面上に、ひずみセンサと、該ひずみセンサからの信号を増幅してデジタル信号に変換する増幅変換回路と、変換された該デジタル信号を前記半導体基板の外部に電送する伝送回路と、電源回路と、を設け、前記半導体基板の前記回路が形成された主面上を覆う遮光性材を配置することを特徴とする力学量測定装置。
  4. 単結晶半導体基板と、前記基板の一主面上に、ひずみセンサと、該ひずみセンサからの信号を増幅してデジタル信号に変換する増幅変換回路と、変換された該デジタル信号を前記半導体基板の外部に電送する伝送回路と、電源回路と、を設け、前記半導体基板の側面に一部が連絡し、他の一部が被測定物に連絡しうるよう形成された被覆部材を備えることを特徴とする力学量測定装置。
  5. 単結晶半導体基板と、前記基板の一主面上に、ひずみセンサと、該ひずみセンサからの信号を増幅してデジタル信号に変換する増幅変換回路と、変換された該デジタル信号を前記半導体基板の外部に電送する伝送回路と、電源回路と、を設け、被測定物に設置された状態で、前記半導体基板の側面には前記被測定物の一部が対向して位置する領域を有することを特徴とする力学量測定装置。
  6. 単結晶半導体基板と、前記基板の一主面上に、ひずみセンサと、該ひずみセンサからの信号を増幅してデジタル信号に変換する増幅変換回路と、変換された該デジタル信号を前記半導体基板の外部に電送する伝送回路と、電源回路と、を設け、被測定物に設置される領域に、応力緩和層を備えることを特徴とする力学量測定装置。
  7. 樹脂テープと、前記樹脂テープに形成されたアンテナと、前記樹脂テープに設置された単結晶半導体基板とを備え、前記半導体基板の一主面上に、ひずみセンサと、該ひずみセンサからの信号を増幅してデジタル信号に変換する増幅変換回路と、変換された該デジタル信号を前記半導体基板の外部に電送する伝送回路と、電源回路と、を設け、前記伝送回路は前記アンテナと電気的に連絡されることを特徴とする力学量測定装置。
  8. 請求項7において、前記半導体基板は周囲を前記アンテナに囲まれるように配置されたことを特徴とする力学量測定装置。
  9. 請求項7において、前記アンテナの前記被測定物と対向する側に高透磁性体フィルムを備えることを特徴とする力学量測定装置。
  10. 請求項8において、前記高透磁性体フィルムは、前記半導体基板が位置する領域に開口部を備えることを特徴とする力学測定装置。
  11. 請求項7において、前記樹脂テープより剛性の高い樹脂体で、前記半導体基板及び前記樹脂テープの少なくとも一部を覆われたことを特徴とする力学量測定装置。
  12. 請求項11において、樹脂体には前記ひずみ測定方向に基く標識を備えたことを特徴とする力学量測定装置。
  13. 単結晶半導体基板と、前記基板の一主面上に、ひずみセンサと、該ひずみセンサからの信号を増幅してデジタル信号に変換する増幅変換回路と、変換された該デジタル信号を前記半導体基板の外部に電送する伝送回路と、電源回路と、を設け、前記ひずみセンサが形成された主面に被測定物への設置領域を有することを特徴とする力学量測定装置。
  14. 単結晶半導体基板と、前記基板の一主面上に、ひずみセンサと、該ひずみセンサからの信号を増幅してデジタル信号に変換する増幅変換回路と、変換された該デジタル信号を前記半導体基板の外部に電送する伝送回路と、電源回路と、を設け、前記ひずみセンサより前記シリコン基板端部側に前記伝送回路が配置されたことを特徴とする力学量測定装置。
  15. 単結晶半導体基板の一主面上に、ひずみセンサ抵抗としての抵抗送を含む複数の抵抗層を備えたホイートストンブリッジ回路と、該ホイートストンブリッジ回路からの信号に基いてデジタル信号に変換する変換回路と、該デジタル信号を前記半導体基板の外部に伝送する伝送回路と、電源回路と、を備え、前記ひずみセンサ抵抗の長手方向に沿って形成され、前記ホイートストンブリッジ回路を構成しない抵抗層を備えることを特徴とする力学量測定装置。
  16. 請求項15において、前記ホイートストンブリッジ回路を構成しない抵抗層は、前記ホイートストンブリッジの前記抵抗層の長手方向の両側に形成されることを特徴とする力学量測定装置。
  17. 単結晶半導体基板の一主面上に、ひずみセンサ抵抗を含む複数の抵抗層を備えたホイートストンブリッジ回路と、該ホイートストンブリッジ回路からの信号に基いてデジタル信号に変換する変換回路と、該デジタル信号を前記半導体基板の外部に伝送する伝送回路と、電源回路と、を備え、前記抵抗層は長手方向が同方向に向いた奇数本の線状部と前記線状部同士をつなぐ偶数個所の連絡部とを備えることを特徴とする力学量測定装置。
  18. 単結晶半導体基板と、前記半導体基板の主面上に、ひずみセンサおよびダミー抵抗を備えたホイートストンブリッジ回路と、該ひずみセンサからの信号を増幅するオペアンプと、増幅された信号をデジタル信号に変換する変換回路と、該デジタル信号を該シリコン基板の外部に電送するための伝送回路と、該シリコン基板の外部から受けた電磁波エネルギを該回路の電源とする回路、を設け、前記オペアンプ回路の出力は前記ホイートストンブリッジ回路からの出力に基く値に予め設定された値を加算した値になるよう構成したことを特徴とする力学量測定装置

JP2004179069A 2004-06-17 2004-06-17 力学量測定装置 Expired - Fee Related JP4617732B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004179069A JP4617732B2 (ja) 2004-06-17 2004-06-17 力学量測定装置
US12/210,261 US7707894B2 (en) 2004-06-17 2008-09-15 Apparatus for measuring a mechanical quantity
US12/719,977 US8056421B2 (en) 2004-06-17 2010-03-09 Apparatus for measuring a mechanical quantity

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004179069A JP4617732B2 (ja) 2004-06-17 2004-06-17 力学量測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006003182A true JP2006003182A (ja) 2006-01-05
JP4617732B2 JP4617732B2 (ja) 2011-01-26

Family

ID=35771693

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004179069A Expired - Fee Related JP4617732B2 (ja) 2004-06-17 2004-06-17 力学量測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4617732B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007255953A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Hitachi Ltd 力学量測定装置
JP2008082773A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Fujitsu Ltd 歪みセンサ
JP2008082907A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Hitachi Ltd 力学量計測装置
US7398164B2 (en) * 2006-03-07 2008-07-08 Hitachi, Ltd. Sensor network system, base station, and method to forward measured data
US7584668B2 (en) 2006-08-09 2009-09-08 Hitachi, Ltd. Monitoring system for valve device
JP2012026576A (ja) * 2011-09-12 2012-02-09 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 弁装置の監視システム
JP2012197938A (ja) * 2012-04-23 2012-10-18 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 弁装置の監視システム
JP2015092174A (ja) * 2014-12-18 2015-05-14 株式会社東芝 歪検知装置
US9790087B2 (en) 2011-09-27 2017-10-17 Kabushiki Kaisha Toshiba Strain and pressure sensing device, microphone, method for manufacturing strain and pressure sensing device, and method for manufacturing microphone
JP2019527882A (ja) * 2016-06-30 2019-10-03 華為技術有限公司Huawei Technologies Co.,Ltd. エレクトロニクス装置及び端末

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0425256U (ja) * 1990-06-25 1992-02-28
JPH07270109A (ja) * 1994-03-31 1995-10-20 Kyowa Electron Instr Co Ltd ひずみゲージ
JPH09264798A (ja) * 1996-03-29 1997-10-07 Fujikura Ltd 半導体センサ
JP2000124467A (ja) * 1998-10-20 2000-04-28 Yokogawa Electric Corp 半導体歪みゲージ
JP2001338382A (ja) * 2000-05-29 2001-12-07 Takenaka Komuten Co Ltd 計測装置及びモニタリングシステム
JP2004069358A (ja) * 2002-08-02 2004-03-04 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤの歪み状態検出方法、歪み状態検出装置及びそのセンサユニット並びにこれを備えたタイヤ

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0425256U (ja) * 1990-06-25 1992-02-28
JPH07270109A (ja) * 1994-03-31 1995-10-20 Kyowa Electron Instr Co Ltd ひずみゲージ
JPH09264798A (ja) * 1996-03-29 1997-10-07 Fujikura Ltd 半導体センサ
JP2000124467A (ja) * 1998-10-20 2000-04-28 Yokogawa Electric Corp 半導体歪みゲージ
JP2001338382A (ja) * 2000-05-29 2001-12-07 Takenaka Komuten Co Ltd 計測装置及びモニタリングシステム
JP2004069358A (ja) * 2002-08-02 2004-03-04 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤの歪み状態検出方法、歪み状態検出装置及びそのセンサユニット並びにこれを備えたタイヤ

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7398164B2 (en) * 2006-03-07 2008-07-08 Hitachi, Ltd. Sensor network system, base station, and method to forward measured data
JP2007255953A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Hitachi Ltd 力学量測定装置
US7584668B2 (en) 2006-08-09 2009-09-08 Hitachi, Ltd. Monitoring system for valve device
JP2008082773A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Fujitsu Ltd 歪みセンサ
JP4710779B2 (ja) * 2006-09-28 2011-06-29 株式会社日立製作所 力学量計測装置
US7893810B2 (en) 2006-09-28 2011-02-22 Hitachi, Ltd. Strain measuring device
JP2008082907A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Hitachi Ltd 力学量計測装置
US8186228B2 (en) 2006-09-28 2012-05-29 Hitachi, Ltd. Strain measuring device
JP2012026576A (ja) * 2011-09-12 2012-02-09 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 弁装置の監視システム
US9790087B2 (en) 2011-09-27 2017-10-17 Kabushiki Kaisha Toshiba Strain and pressure sensing device, microphone, method for manufacturing strain and pressure sensing device, and method for manufacturing microphone
US10246324B2 (en) 2011-09-27 2019-04-02 Kabushiki Kaisha Toshiba Strain and pressure sensing device, microphone, method for manufacturing strain and pressure sensing device, and method for manufacturing microphone
JP2012197938A (ja) * 2012-04-23 2012-10-18 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 弁装置の監視システム
JP2015092174A (ja) * 2014-12-18 2015-05-14 株式会社東芝 歪検知装置
JP2019527882A (ja) * 2016-06-30 2019-10-03 華為技術有限公司Huawei Technologies Co.,Ltd. エレクトロニクス装置及び端末
US10768743B2 (en) 2016-06-30 2020-09-08 Huawei Technologies Co., Ltd. Electronic device and terminal

Also Published As

Publication number Publication date
JP4617732B2 (ja) 2011-01-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8056421B2 (en) Apparatus for measuring a mechanical quantity
JP4329478B2 (ja) 力学量測定装置
KR100844092B1 (ko) 역학량 측정장치
JP2006220574A (ja) 回転体力学量測定装置および回転体力学量計測システム
JP4617943B2 (ja) 力学量測定装置
EP2310805B1 (en) Sensing environmental parameter through stress induced in ic
US7194923B2 (en) Strain detector and pressure sensor
KR101314365B1 (ko) 자계 센서, 이것을 이용한 자계 측정 방법, 전력 계측 장치 및 전력 계측 방법
US20070240519A1 (en) Mechanical quantity measuring apparatus
JP4617732B2 (ja) 力学量測定装置
JP6216879B2 (ja) トルク検出装置
WO2013175636A1 (ja) 力学量測定装置
JP2006105639A (ja) 圧力センサシステム
WO2021185004A1 (zh) 一种压力感应装置及压力感应设备
US7168326B2 (en) Compact pressure sensor with high corrosion resistance and high accuracy
EP3358326B1 (en) Dynamic quantity measuring apparatus
JP2018030561A (ja) タイヤ空気圧測定用センサおよびタイヤ空気圧測定装置
JPH04329328A (ja) 接触圧力センサおよびその測定方法
WO2022047739A1 (zh) 梁式压力传感器、压力传感装置以及电子设备
JP2008008694A (ja) ひずみ測定装置
KR20090038704A (ko) 맥박 측정 센서
JP2000171538A (ja) ホールプローブ
JP2006153515A (ja) 加速度センサ
JP2005172505A (ja) 電流検出装置および電力計,電力量計

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060424

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060929

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100305

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100713

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100908

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100928

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101011

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131105

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131105

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees