JP2006002211A - 溶接歪の少ない鋼板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 常温強度を必要とされる範囲内に保持しつつ、中温強度が高く溶接歪の少ない鋼板及びその製造方法を提供することを目的とする。また、板厚毎に異なる条件を明確にし、どのような板厚であっても溶接歪の少ない鋼板製造を可能にする。
【解決手段】 Nb:0.003〜0.050%、Mo:0.05〜0.50%、V:0.005〜0.10%、W:0.05〜0.50%、Ta:0.05〜0.50%のうち1種以上を含有し、ミクロ組織が、平均粒径20μm以下のベイナイト及びマルテンサイトの一方又は両方を面積%で50%以上、平均粒径20μm以下のフェライト及びパーライト組織の一方又は両方からなり、Nb、Mo、V、W、Taの固溶量(質量%)が下記(1)式を満足することを特徴とする溶接歪の少ない鋼板。
14[Nb]+3.4[Mo]+5.6[V]+2.0[W]+3.6[Ta]≧0.25 (1)
【選択図】 図1

Description

本発明は、造船、海洋構造物、建築、橋梁、土木等に用いられる鋼板の溶接作業時に発生する溶接歪の少ない鋼板及びその製造方法に関するものである。
従来、各種鋼構造物における鋼材の溶接時には溶接金属の凝固収縮およびその後の冷却と相変態による収縮、膨張により、例えば、隅肉溶接の継ぎ手形状の場合には、角変形と呼ばれる変形が発生する。角変形は、圧縮荷重が負荷されると座屈強度の低下をもたらし、構造強度を低下させる。また、角変形を拘束治具により強制的に防止しようとする場合には過大な残留応力の発生、寸法精度の低下という現象が生じることとなる。そこで、溶接時に発生した残留応力を局所的な加熱により矯正する手法が経験的に多数提案され実施されている。しかし、溶接部の再加熱によって鋼材の材質劣化を生じること、矯正作業にかかる多大の時間と費用は実質的に重大な障害となっており、これを軽減もしくは省略することが可能な鋼材の開発が切望されている。
上記問題点を解決するための一つの技術として、ミクロ組織に所定量以上のベイナイトを含ませることで降伏強度を高め、溶接歪を低減できる鋼板が特許文献1に開示されているが、構成組織のサイズや炭窒化物の状態については何ら言及しておらず、必ずしも実用上十分な材質特性、および溶接歪低減効果を得るに至っていない。
特許文献2によると、一般に溶接時には、ビードに近い位置は高温にさらされるため、熱応力が降伏強度を直ちに超えて塑性変形が進む。この部分は冷却時に収縮するために、変形を生じる。一方、溶接ビードから離れた位置では鋼板温度があまり上昇しないため、ビードの位置よりかなり遅れて熱応力が降伏強度を超える。このときの降伏強度が十分高ければ、溶接ビードに近い位置が収縮して変形を起こそうとしても、その変形の大きな抵抗となる。
特許文献2では上記知見に基づき、溶接変形を最小限に抑えるためには、400〜600℃という中温域における降伏強度を高めることが有効であるとした上で、400〜600℃の中温降伏強度は、組織の影響を受けつつ、析出物の寄与が大きくなってくる領域であり、中温強度を高めるためには、構成組織の粒径を微細に保ち、ベイナイトまたはマルテンサイトを一定量以上確保した上で、微細な分散・析出粒子を多量に存在せしめる必要があるとした。そして特許文献2には、ミクロ組織が、平均粒径20μm以下のベイナイト及び/又はマルテンサイトを面積%で20%以上、平均粒径20μm以下のフェライトおよび/又はパーライト組織からなり、更に、平均粒径0.2μm以下の炭窒化物を面積%で0.1〜10%含むことを特徴とする溶接歪の少ない鋼板が記載されている。
特開平6−172921号公報 特開2003−268484号公報
特許文献2に記載の発明においては、400〜600℃の中温域における降伏強度を高めるために、ベイナイト組織とともに炭窒化物等の析出物を活用している。しかし、炭窒化物等の析出物は、中温強度のみならず常温強度を顕著に高くするために、伸びや靭性の低下が問題となることがある。また、常温強度を高すぎない強度として仕様を満足させようとすると、中温強度を高めることが困難となり、実用上十分な溶接歪低減効果が得られない場合もある。さらに、降伏強度は析出物のサイズや分布状態に大きく依存するため、鋼板全体にわたって均一に制御することが困難であり、板内強度ばらつきが生じる結果、部材全体で安定して歪低減効果が得られない場合もある。また、一定の板厚の鋼板では所定の中温強度を確保して溶接歪を低減することができた場合において、板厚が変わると同じ中温強度では溶接歪を十分に低減できないという事態が生じることがあった。
本発明においては、常温強度を必要とされる範囲内に保持しつつ、中温強度が高く溶接歪の少ない鋼板及びその製造方法を提供することを目的とする。また本発明は、溶接歪の少ない鋼板を実現するための条件であって、板厚毎に異なる条件を明確にし、どのような板厚であっても溶接歪の少ない鋼板及びその製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
(1)質量%で、C:0.05〜0.20%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.6〜2.0%、Al:0.005〜0.10%、N:0.0010〜0.0080%を含み、P:≦0.025%、S:≦0.010%であり、
加えてNb:0.003〜0.050%、Mo:0.05〜0.50%、V:0.005〜0.10%、W:0.05〜0.50%、Ta:0.05〜0.50%のうち1種又は2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、
ミクロ組織が、平均粒径20μm以下のベイナイト及びマルテンサイトの一方又は両方を面積%で50%以上、平均粒径20μm以下のフェライト及びパーライト組織の一方又は両方からなり、
Nb、Mo、V、W、Taの固溶量(質量%)をそれぞれ[Nb]、[Mo]、[V]、[W]、[Ta]と表したときに下記(1)式を満足することを特徴とする溶接歪の少ない鋼板。
14[Nb]+3.4[Mo]+5.6[V]+2.0[W]+3.6[Ta]≧0.25 (1)
(2)さらに質量%で、Cu:0.05〜1.5%、Ni:0.05〜3.5%、Cr:0.05〜1.0%、Ti:0.005〜0.10%、B:0.0002〜0.0030%、Ca:0.0003〜0.0050%、REM:0.0005〜0.0060%の1種または2種以上を含むことを特徴とする上記(1)に記載の溶接歪の少ない鋼板。
(3)400℃における降伏強度をYS400(N/mm2)、常温から600℃における降伏強度の温度積分値をIYS(K・N/mm2)、板厚をh(mm)としたときに、下記(2)式、(3)式を満足することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の溶接歪の少ない鋼板。
YS400≧17400/h2+290(N/mm2) (2)
YS≧7990000/h2+180000(K・N/mm2) (3)
(4)熱間圧延の加熱温度を1100〜1300℃とし、粗圧延温度を950〜1100℃、粗圧延累積圧下率を50%以上とし、仕上圧延温度を下記(4)式で定義されるCRT(℃)以上とするとともに仕上圧延累積圧下率を60%以下とし、圧延後の冷却開始温度をCRT−100(℃)以上、冷却速度を5℃/s以上、冷却停止温度を400℃以上とすることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の溶接歪の少ない鋼板の製造方法。
CRT=840−210×C+1500×Nb+190×Mo+170×W(℃) (4)
ただし、C、Nb、Mo、Wは各元素の含有量(質量%)である。
(5)熱間圧延の加熱温度を1100〜1300℃とし、粗圧延温度を950〜1100℃、粗圧延累積圧下率を50%以上とし、仕上圧延温度を下記(4)式で定義されるCRT(度)以上とするとともに仕上圧延累積圧下率を60%以下とし、圧延後の冷却開始温度をCRT−100(℃)以上、冷却速度を5℃/s以上とし、圧延後に600℃以下の温度30分以下の保持時間で熱処理を施すことを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の溶接歪の少ない鋼板の製造方法。
本発明は、ベイナイト及びマルテンサイトの一方又は両方(以下「ベイナイト等」ともいう。)を面積率で50%以上とし、ベイナイト等の平均粒径を20μm以下とし、フェライトパーライト平均粒径を20μm以下とすると同時に、Nb、Mo、V、W、Taの固溶量が上記(1)式を満足するように固溶強化の有効活用を図ることにより、常温強度を必要とされる範囲内に保持しつつ、中温強度が高く溶接歪の少ない鋼板及びその製造方法を提供することができる。
溶接変形を低減するためには、400〜600℃の中温域における降伏強度を高めることが必要で、そのためには結晶組織としてベイナイト及びマルテンサイトの一方又は両方(ベイナイト等)を面積率で50%以上としてベイナイト主体の組織にすることが有効である。ベイナイトは変態に伴って発生する高密度の転位を含んでおり、これが常温から中温域において塑性変形に対する抵抗となるために、降伏強度を高めることができる。
本発明はまた、中温域の降伏強度を高める手段として、炭窒化物等の析出物を利用するのではなく、固溶強化の有効活用を図る。析出物による強化では、常温強度が上がりすぎる一方、中温域の析出物の種類や状態によっては必ずしも中温域の強度が上がらず、鋼板内の強度ばらつきが生じてしまい、安定的に歪低減効果を得ることが困難であるという問題がある。それに対し固溶成分は、常温強度を過度に上げすぎずに中温域の強度を上げることができるとともに、板内での強度ばらつきを抑えることが比較的容易であるため、構造部材全体にわたって溶接歪の低減が可能な鋼板を実現することができる。具体的には、Nb、Mo、V、W、Taの1種又は2種以上を含有し、これら元素の固溶量が上記(1)式を満足するように固溶量を確保する。
さらに、ベイナイト等の平均粒径を20μm以下とし、フェライトパーライト平均粒径を20μm以下とする。ベイナイト等の平均粒径が20μm超であると、固溶強化に際しても中温域における転位の運動を抑えることができず、降伏強度が低下すると同時に、靭性も劣化してしまう。その結果溶接角変形δが大きくなってしまうからである。フェライト、パーライトの平均粒径を20μm以下と規定したのも同様の理由である。
次に本発明の鋼板の成分限定理由について説明する。
Cは、ベイナイトまたはマルテンサイト組織化および強度確保のために添加し、その効果の限界から下限を0.05%とし、また母材靭性への悪影響、溶接性の劣化、高炭素島状マルテンサイトの生成による溶接継手靭性の劣化を防止するために0.20%を上限とした。
Siは、脱酸上必要な元素であり、更に強度を高める上で有効な元素であるので0.05%を下限とし、溶接性、溶接継手靭性の劣化を防止するために1.0%を上限とした。
Mnは、ベイナイトまたはマルテンサイト組織化および強度と靭性を確保のために0.6%を下限として添加し、多量の添加は焼入れ性を増加させ硬化組織を生成させ、また溶接性を劣化させるので2.0%を上限とする。
Alは、脱酸上必要な元素であるので0.005%を下限とし、多量の添加は鋼の清浄度を損なうので0.10%を上限とした。
Nは、Alと結合し、鋼材の結晶粒を微細化し、靭性を高めるのに有効な0.0010%を下限とし、多量に添加すると鋼材の靭性を損なうので0.0080%を上限とした。
不純物であるPおよびSは、それぞれ母材および溶接継手靭性を所望のレベルに維持するため、P≦0.025%、S≦0.010%とした。
更に、上記元素に加え、Nb,Mo,V,W,Taの1種または2種以上を含有させ、これら元素による固溶強化を有効活用することにより、本発明による溶接歪みの少ない鋼板のミクロ組織と高降伏強度を得ることができる。その各添加元素の添加理由を説明する。
Nbは、ベイナイトまたはマルテンサイト組織化、組織微細化、固溶強化により常温及び中温域の降伏強度を高めるのに有効な元素であるので、0.003%を下限とし、多量の添加は溶接継手靭性を損なうので上限を0.050%とした。
Mo,V,W,Taは、ベイナイトまたはマルテンサイト組織化、固溶強化により常温及び中温域の降伏強度を高めるのに有効な元素であるので、Mo,W,Taについては0.05%、Vについては0.005%をそれぞれ下限とし、多量の添加は溶接性、溶接継手靭性を損なうので上限をMo,W,Taについて0.50%、Vについては0.10%をそれぞれ上限とした。
本発明は、Nb、Mo、V、W、Taの固溶量(質量%)をそれぞれ[Nb]、[Mo]、[V]、[W]、[Ta]と表したときに下記(1)式を満足することを特徴とする。
14[Nb]+3.4[Mo]+5.6[V]+2.0[W]+3.6[Ta]≧0.25 (1)
これにより、固溶成分を活用できることとなり、常温強度と中温域の強度をともに上げることができるので、常温強度を必要とされる範囲内に保持しつつ、中温強度が高く溶接歪の少ない鋼板を実現することができる。一方、炭窒化物等の析出物を低減し、析出物強化では常温強度が上がりすぎるという問題と中温域の強度が低下してしまうという問題をともに解消することができる。
上記(1)式の各元素固溶量に付された係数は、固溶量を種々調整した鋼板を用いてT字隅肉溶接継手の変形挙動を調査したときの角変形量を基に、重回帰分析を行って求めたものである。
合金固溶量は、抽出残渣分析により析出物・介在物として存在している量を求めて、添加量から引くことによって算出した。なお、抽出残渣分析法としては、「最新の鉄鋼状態分析」(著者:鎌田仁、発行年:1979年、発行元:(株)アグネ)のp.33以降に記載されている30Nりん酸溶解法を採用した。
本発明は更に、上記元素に加え、Cu,Ni,Cr,Ti,B,Ca,REMの1種または2種以上を含有することで、本発明による溶接歪みの少ない鋼板のミクロ組織と高降伏強度を得ることができる。その各添加元素の添加理由を説明する。
Cu及びCrは、ベイナイトまたはマルテンサイト組織化とともに強度を高めるのに有効な元素であるので、0.05%をそれぞれ下限とし、多量の添加は溶接継手靭性を損なうので、Cuについては1.5%、Crについては1.0%を上限とした。
Niは、靭性を損なうことなくベイナイトまたはマルテンサイト組織化するのに有効な元素であるが一方で高価な元素であるので、経済性の点から0.05〜3.5%の範囲で添加する。
Tiは、溶接熱影響部の靭性確保に有効な元素であるため0.005%を下限とし、更に過剰な添加による靭性の劣化を防止するために0.10%を上限とする。
Bは、ベイナイトまたはマルテンサイト組織化とともに鋼材の強度を高め、かつ溶接熱影響部の結晶粒微細化に有効な元素であるが過剰な添加は靭性を劣化させるので0.0002〜0.0030%の範囲に限定した。
Caは、硫化物の形態制御に有効な元素であるが多量の添加は鋼の清浄度を損なうので0.0003〜0.0050%の範囲に限定した。また、REMは、溶接熱影響部の組織を微細化し、靭性を高めるのに有効な元素であるが、多量の添加は鋼の清浄度を損なうので0.0005〜0.0060%の範囲に限定した。
次に、本発明において規定した鋼のミクロ組織の限定理由について説明する。
一般に溶接時には、ビードに近い位置は高温にさらされるため、熱応力が降伏強度を直ちに超えて塑性変形が進む。この部分は冷却時に収縮するために、変形を生じる。一方、溶接ビードから離れた位置では鋼板温度があまり上昇しないため、ビードの位置よりかなり遅れて熱応力が降伏強度を超える。このときの降伏強度が十分高ければ、溶接ビードに近い位置が収縮して変形を起こそうとしても、その変形の大きな抵抗となる。溶接変形を最小限に抑えるためには、400〜600℃という中温域における降伏強度を高めることが有効である。
一般に常温強度は、結晶粒径、ベイナイトやマルテンサイト等の低温変態相の分率、合金元素固溶量、炭窒化物に代表される分散・析出粒子のサイズおよび量に支配される。中温強度を高めるためには、構成組織の粒径を微細に保つ必要がある。ここで、結晶粒径というのは、組織がフェライト及び/又はパーライトの場合はフェライト、パーライトの平均粒径、ベイナイトまたはマルテンサイトの場合は、旧オーステナイト粒径ではなく、結晶方位のほぼ等しいパケットやブロックと呼ばれる領域の平均粒径である。
ベイナイトまたはマルテンサイトの面積分率が50%未満、あるいは平均粒径が20μm超であると、中温域における転位の運動を抑えることができず、降伏強度が低下すると同時に、靭性も劣化してしまう。その結果溶接角変形δが大きくなってしまう。フェライト、パーライトの平均粒径を20μmと規定したのも同様の理由である。
図1にベイナイト分率と角変形量δとの関係を示す。ベイナイト分率以外の条件については、いずれのプロットも本発明の範囲内にある。図1に示すように、ベイナイト分率が本発明の50%以上であれば、角変形量δを0.5×10-2radian以下と極めて小さい値とすることができる。
本発明の鋼板は、400℃における降伏強度をYS400(N/mm2)、常温から600℃における降伏強度の温度積分値をIYS(K・N/mm2)、板厚をh(mm)としたときに、下記(2)式、(3)式を満足することによっていずれの板厚であっても溶接歪の少ない鋼板とすることができる。
YS400≧17400/h2+290(N/mm2) (2)
YS≧7990000/h2+180000(K・N/mm2) (3)
本発明においては、上述のとおりの鋼成分、金属組織及び固溶量を具備することにより、上記(2)式、(3)式を満足することが可能となる。
(2)式の導出に当たっては、種々の板厚、中温強度を有する鋼板を用いてT字隅肉溶接継手の変形挙動を調査した結果を基に、変形量を一定値以下に抑えるために必要となる400℃降伏強度を板厚毎に整理して、定式化を行った。(3)式は、400℃における降伏強度と、常温から600℃における降伏強度の温度積分値との相関が良好であったことから、(2)式を書き換えることによって導いたものである。
次に本発明の鋼板の製造方法について説明する。
本発明において、熱間圧延の加熱温度を1100〜1300℃とする。加熱温度が1100℃未満であると合金元素の溶体化が不十分で材質不均一の原因となり、1300℃を超えると加工オーステナイトが顕著に粗大化してしまい最終的な組織の微細化が困難となるからである。
本発明において、粗圧延温度を950〜1100℃、粗圧延累積圧下率を50%以上とする。粗圧延温度が950℃未満であると成分によっては部分再結晶となり材質ばらつきの原因となり、1100℃超では再結晶オーステナイトが粒成長して粗大化してしまうからである。また、粗圧延累積圧下率が50%未満では、再結晶オーステナイトが十分微細化されず、最終組織の微細化が達成されないからである。
本発明において仕上圧延温度を下記(4)式で定義されるCRT(℃)以上とするとともに仕上圧延累積圧下率を60%以下とする。仕上圧延温度がCRT未満、あるいは累積圧下率が60%超となると、圧延中から冷却開始までの間に窒化物の析出やフェライトの生成が生じるために、Nb、Mo、V、W、Taの固溶量、およびベイナイト分率が低下し、中温域の強度として必要な強度が確保できなくなるからである。
CRT=840−210×C+1500×Nb+190×Mo+170×W(℃) (4)
ただし、C、Nb、Mo、Wは各元素の含有量(質量%)である。
(4)式は小型シミュレーター試験によりフェライト生成、析出を抑制するための必要加工温度を求め、各元素含有量で重回帰分析することによって定式化したものである。
本発明において、圧延後の冷却開始温度をCRT−100(℃)以上、冷却速度を5℃/s以上とする。冷却開始温度がCRT−100(℃)未満となると、冷却前にフェライトが多量に生成してしまい、ベイナイト等の面積率の確保が困難となる。また、冷却速度が5℃/s未満の場合には、冷却中に炭窒化物の析出が顕著に生じるため、合金固溶量の確保が困難となり、中温域の強度が低下してしまう。
本発明において、圧延後の冷却を途中で停止する方法と、常温まで冷却した上で再度加熱して熱処理をする方法のいずれかを採用することができる。
圧延後の冷却を途中で停止する方法においては、冷却停止温度を400℃以上とする。停止温度が400℃未満となると、過度に焼きが入るために、使用性能上必要な伸びや靭性を担保することが困難になる。冷却停止温度の上限は600℃とすると好ましい。
圧延後に常温まで冷却した上で再度加熱して熱処理をする方法においては、圧延後に600℃以下の温度30分以下の保持時間で熱処理を施す。圧延後に熱処理を行うことにより、使用性能上必要な伸びや靭性を担保することができる。熱処理温度が600℃超、あるいは保持時間が30分超となると、炭窒化物の析出が顕著になり、合金固溶量が低下してしまう。熱処理温度の下限は300℃とすると好ましい。保持時間の下限は5分とすると好ましい。
表1に示す化学成分を有する鋳片を用いて本発明を適用した。表2に熱間圧延条件を示す。表3には製造した鋼板の板厚、固溶量、鋼板母材の組織を示す。No.1〜8が本発明例であり、No.9〜16が比較例である。
このようにして製造した鋼板を用い、図3に示すように評価対象材を配置し、4ヶ所について仮付け溶接して、立板を拘束したまま、表4に示す条件で両側1パス溶接してT型隅肉溶接を行った。溶接入熱条件は表3に示すとおりである。角変形量は図2に示すように、wとdの測定値から算出した。測定した角変形量を表3に示す。
Figure 2006002211
Figure 2006002211
Figure 2006002211
Figure 2006002211
表3から明らかなように、本発明例No.1〜8は、成分、製造条件、組織が本発明の範囲内であるために、溶接角変形量は0.5×10-2radian以下と極めて小さくなっている。
一方、比較例のNo.9〜16は、成分、製造条件、組織のいずれかが本発明の範囲から逸脱しているために、中温域での強度が低下し、角変形量が大きくなっている。No.9、10、11は、それぞれ仕上圧延開始温度が低い、冷却速度が低い、冷却停止温度が高いために、ベイナイト等面積率が50%未満となった。No.12は冷却開始温度が低すぎたためにフェライト粒径が大きくなり、中温域の強度が低下した。No.13は仕上圧延の累積圧下率が大きすぎ、No.15は圧延後の熱処理が高温長時間であったために、Nb、Mo等の合金固溶量が低下し、中温域の強度が低下してしまった。No.14は加熱温度が高かったために、ベイナイトの平均粒径が大きくなり、中温域の強度と靭性が低下してしまった。No.16は、鋼中のC、Mn含有量が低かったために、ベイナイト等の面積率が低下し、中温域の強度が低下し、それぞれ角変形量が大きな値となった。
ベイナイト分率と角変形量δの関係を示す図である。 T型隅肉溶接を行った材料の角変形量の算定方法を説明する図である。 T型隅肉溶接の施工方法を説明する図である。

Claims (5)

  1. 質量%で、C:0.05〜0.20%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.6〜2.0%、Al:0.005〜0.10%、N:0.0010〜0.0080%を含み、P:≦0.025%、S:≦0.010%であり、
    加えてNb:0.003〜0.050%、Mo:0.05〜0.50%、V:0.005〜0.10%、W:0.05〜0.50%、Ta:0.05〜0.50%のうち1種又は2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、
    ミクロ組織が、平均粒径20μm以下のベイナイト及びマルテンサイトの一方又は両方を面積%で50%以上、平均粒径20μm以下のフェライト及びパーライト組織の一方又は両方からなり、
    Nb、Mo、V、W、Taの固溶量(質量%)をそれぞれ[Nb]、[Mo]、[V]、[W]、[Ta]と表したときに下記(1)式を満足することを特徴とする溶接歪の少ない鋼板。
    14[Nb]+3.4[Mo]+5.6[V]+2.0[W]+3.6[Ta]≧0.25 (1)
  2. さらに質量%で、Cu:0.05〜1.5%、Ni:0.05〜3.5%、Cr:0.05〜1.0%、Ti:0.005〜0.10%、B:0.0002〜0.0030%、Ca:0.0003〜0.0050%、REM:0.0005〜0.0060%の1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の溶接歪の少ない鋼板。
  3. 400℃における降伏強度をYS400(N/mm2)、常温から600℃における降伏強度の温度積分値をIYS(K・N/mm2)、板厚をh(mm)としたときに、下記(2)式、(3)式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の溶接歪の少ない鋼板。
    YS400≧17400/h2+290(N/mm2) (2)
    YS≧7990000/h2+180000(K・N/mm2) (3)
  4. 熱間圧延の加熱温度を1100〜1300℃とし、粗圧延温度を950〜1100℃、粗圧延累積圧下率を50%以上とし、仕上圧延温度を下記(4)式で定義されるCRT(℃)以上とするとともに仕上圧延累積圧下率を60%以下とし、圧延後の冷却開始温度をCRT−100(℃)以上、冷却速度を5℃/s以上、冷却停止温度を400℃以上とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の溶接歪の少ない鋼板の製造方法。
    CRT=840−210×C+1500×Nb+190×Mo+170×W(℃) (4)
    ただし、C、Nb、Mo、Wは各元素の含有量(質量%)である。
  5. 熱間圧延の加熱温度を1100〜1300℃とし、粗圧延温度を950〜1100℃、粗圧延累積圧下率を50%以上とし、仕上圧延温度を下記(4)式で定義されるCRT(℃)以上とするとともに仕上圧延累積圧下率を60%以下とし、圧延後の冷却開始温度をCRT−100(℃)以上、冷却速度を5℃/s以上とし、冷却後に600℃以下の温度30分以下の保持時間で熱処理を施すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の溶接歪の少ない鋼板の製造方法。
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