JP2006001139A - 孔版印刷用原紙 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一方の面に多数の微小凹部2が形成された熱可塑性樹脂フィルム材のみから孔版印刷用原紙1である。該原紙1において、幅方向及び長さ方向のうち、少なくとも印刷時の送り方向(矢印F方向)となる方向における50°Cの熱収縮率を3%以下とする。好ましくは、少なくとも印刷時の送り方向となる方向における80°Cの熱収縮率を25%以下とする。
【選択図】図8
Description
(1)部品点数が増えると共に接着剤による接着工程が必要になり、部品コストが高くなる。
本発明は、一方の面に多数の微小凹部を有する熱可塑性樹脂フィルム材からなる孔版印刷用原紙の前記利点を維持しつつ、イメージの伸びや耐刷性及び耐カール性も維持できる孔版印刷用原紙を提供することを目的としている。
図1は、本発明が適用される孔版印刷用原紙(以下、単に「原紙」と称する)1の平面図であり、印刷時には図1のような長方形に切断した状態で使用するが、原紙製造時は長尺紙としてロール状に巻かれており、製版後、印刷用のドラムに巻き付ける際に長方形に切断される。印刷時には、画像形成ドラムと押圧ローラの間に、矢印F方向(長さ方向)に送り込まれる。
図3は、微小凹部形成前の原紙1aに微小凹部2を形成する方法を示している。なお、微小凹部形成後の原紙1と区別するために微小凹部形成前の原紙の符号は前記のように「1a」と表記している。多数の微小突起12を有する型押しローラ10と支承ローラ11との間に、微小凹部形成前の原紙1aを矢印F方向に送り込み、該微小凹部形成前の原紙1aの一方の面に、前記微小突起12によって多数の微小凹部12を均一な密度で形成し、原紙1を完成する。微小凹部2を図3の装置で形成する場合に、型押しローラ10に内蔵される加熱手段により微小凹部形成前の原紙1aを加熱する場合もあり、この場合、ガラス転移点(およそ75°C)を大きく越える高温で加熱すると、凹部加工性が良くなると共に、凹部薄肉底部3に残留応力が残らなくなり、熱収縮率は小さくなる。
図4は、微小凹部形成後の原紙1を製版する装置及び方法を示しており、製版装置は、ゴム製のプラテンローラ33と前記サーマルヘッド31とを対向配置してなり、サーマルヘッド31は、薄膜タイプの全面グレーズ型サーマルヘッドであり、ヒータ部30と非ヒータ部30aは共に薄膜で形成されると共に平面状のグレーズ層32の上に形成されており、個々のヒータ部30は非ヒータ部32に対して窪んでいる。製版する場合には、プラテンローラ33とサーマルヘッド31間に、微小凹部形成面がプラテンローラ33側に向くように原紙1を挟持し、プラテンローラ33の回転により原紙1を所定の送りピッチで送り込みながら、サーマルヘッド31のヒータ部30により原紙1の凹部形成面と反対側を順次加熱し、所定箇所の微小凹部2の薄肉底部3を溶融開口する。図5は微小凹部2が製版により開口した状態を示しており、開口部8の直径は概ね微小凹部2の前記直径cに相当する。なお、符号eは薄肉底部3の厚さを示している。
図1において、本実施の形態では、原紙1の長さ方向(矢印F方向)及び幅方向のいずれの方向においても50°Cの熱収縮率が3%以下に設定されており、さらに好ましくは原紙1の長さ方向(矢印F方向)及び幅方向のいずれの方向においても80°Cの熱収縮率が25%以下に設定される。
(試験の概要)
図9の表に示すように、原紙厚さ、凹部ピッチ、凹部薄肉部厚さ、凹部直径及び微小凹部形成時の加圧条件を各種設定することにより、原紙長さ方向及び幅方向の熱収縮率の異なる5種類の原紙1を、実施例1〜4及び比較例1として製作し、それらの原紙1を製版し、印刷に使用することにより、図8の表に示すように印刷性及び耐刷性を比較した。
図9の表において、実施例1〜4では、凹部直径を20μmに統一し、凹部ピッチを60μmに統一しているが、原紙厚さと微小凹部薄肉底部3の厚さをそれぞれ異なる値とした。すなわち、実施例1は、原紙厚さを12μmとし、凹部薄肉底部3の厚さを9.5μmとしている。実施例2は、原紙厚さを実施例1よりも薄く8.0μmとし、凹部薄肉底部3の厚さも実施例1よりも薄くて7.5μmとしている。実施例3は、原紙厚さを実施例1と同じく12μmとし、凹部薄肉底部3の厚さを実施例2よりも薄く2.4μmとしている。実施例4は、原紙厚さを実施例2と同じ8μmとし、凹部薄肉底部3の厚さを7.0μmとしている。各実施例1〜4に対して比較例1は、凹部ピッチを前記実施例1〜4と同じ60μmとし、凹部直径も前記実施例1〜4と同じく20μmとしているが、原紙厚さは実施例2及び実施例4より薄く6μmとし、凹部薄肉底部3の厚さを5μmとしている。また、凹部形成時の加圧条件は、いずれの例においても、360mm幅の型押しローラに49000Nを印加することにより、102MPaの圧力とした。
(1)図9の各構造を有する5種類の原紙1をそれぞれ製造し、図1に破線で示すように、各原紙1から一辺L=50mmの正方形状のサンプルMを切り出し、採取する。該サンプルMは、一辺が原紙1の長さ方向(矢印F方向)と平行に、他辺が原紙1の幅方向と平行になるように採取する。サンプル数としては、各実施例及び比較例毎に10枚ずつ採取した。
前記50°Cの場合と同じであるので、簡単に説明すると、実施例1〜4及び比較例1の各サンプルMを10枚ずつ採取し、80°Cに設定した湯中(H)に1分間浸漬し、原寸法に対する収縮量の比を百分率で計算し、各10枚の平均を出して、図8の表に記載した。
前述のように製作した実施例1〜4及び比較例1の原紙1を、図4に示すようなサーマルヘッド式製版方式(熱量25mJ/mm2)によりそれぞれ製版し、その製版原稿を用いて印刷した印刷物のイメージの伸び及び破れを確認し、その結果を図8の右側の2つの欄に印刷性及び耐刷性として示した。すなわち、印刷性については、500枚印刷時点で、印字が鮮明で歪みの無いものを○印で表示し、印字は鮮明であるが、わずかに歪みのあるものを△印で表示し、印刷が鮮明でなく、歪みの目立つものを×印で表示した。また、耐刷性として、2000枚印刷時点での原紙1の破れを目視で確認し、破れが無い場合を○印で表示し、破れが有る場合を×で表示した。
図8において、比較例1は、50°Cの原紙長さ方向の熱収縮率が4.5%であり、80°Cの原紙長さ方向の熱収縮率が31.2%であった。この原紙1を製版し、印刷した場合、500枚印刷時点では印刷イメージの伸びが大きく、目立った歪みが生じた。ただし、2000枚印刷時点での破れは確認できなかった。すなわち、耐刷性は○印の評価であったが、印刷性は×印の評価であった。
一方の面の多数の微小凹部2を形成する原紙1において、図3のような型押しローラ10を利用したディンプル加工を行うと、矢印R1で示すように微小凹部形成面とは反対側にカールする傾向にあるが、前述のように、型押しローラ10に内蔵される加熱手段により微小凹部形成前の原紙1aを加熱しつつ微小凹部の加工をする場合に、ガラス転移点(およそ75°C)を大きく越える高温で加熱すると、凹部薄肉底部3に残留応力が残らなくなり、熱収縮率を小さくできると共に、カール量を低減することができる。ちなみに、前記図8の及び図9の実施例2で使用したサンプルMにおいて、カールにより巻いた状態の直径2mmだったものが、カールを伸ばした状態で80°Cの湯中に漬けると、カールによる巻きが消滅した。
特に試験を行っていないが、図1のように一方の面に多数の微小凹部2を形成された原紙の熱収縮率は、微小凹部形成前の原紙1aの同条件の熱収縮率の±10%程度内の収まるのが好ましい。
(1)原紙の熱収縮率は、長さ方向及び幅方向のいずれの方向においても、50°Cの熱収縮率が3.0%以下、好ましくは80°Cの熱収縮率が28%以下であるのが望ましいが、少なくとも、印刷時の送り方向(図1では矢印F方向)の熱収縮率が前記のように50°Cで3%以下、さらには80°Cで25.0%以下であれば、図8に示すような印刷性及び耐刷性を有することができる。したがって、図1の原紙の印刷方向が幅方向である場合には、原紙幅方向における熱収縮率が、前記50°Cで3%以下、さらには80°Cで25.0%以下となる。
2 微小凹部
3 薄肉底部
Claims (2)
- 一方の面に多数の微小凹部が形成された熱可塑性樹脂フィルム材のみからなる孔版印刷用原紙において、
孔版印刷用原紙の幅方向及び長さ方向のうち、少なくとも印刷時の送り方向となる方向における50°Cの熱収縮率が3%以下であることを特徴とする孔版印刷用原紙。 - 請求項1記載の孔版印刷用原紙において、
孔版印刷用原紙の幅方向及び長さ方向のうち、少なくとも印刷時の送り方向となる方向における80°Cの熱収縮率が25%以下であることを特徴とする孔版印刷用原紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004179964A JP2006001139A (ja) | 2004-06-17 | 2004-06-17 | 孔版印刷用原紙 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004179964A JP2006001139A (ja) | 2004-06-17 | 2004-06-17 | 孔版印刷用原紙 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006001139A true JP2006001139A (ja) | 2006-01-05 |
Family
ID=35769932
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004179964A Pending JP2006001139A (ja) | 2004-06-17 | 2004-06-17 | 孔版印刷用原紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006001139A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1134525A (ja) * | 1997-07-22 | 1999-02-09 | Toray Ind Inc | 感熱孔版印刷原紙用フィルム |
JPH11321149A (ja) * | 1998-05-18 | 1999-11-24 | Toray Ind Inc | 感熱孔版印刷原紙用フイルム |
JP2003039844A (ja) * | 2001-08-02 | 2003-02-13 | Duplo Seiko Corp | 感熱性孔版印刷用版材とその製造方法および製造装置、ならびに孔版印刷機 |
-
2004
- 2004-06-17 JP JP2004179964A patent/JP2006001139A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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