JP2006000944A - 拡径切削工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 芯出しコア体2の後部側とコアドリル体の底壁部とを連結する丸棒体3を、備える。芯出しコア体2の後壁部2aは、丸棒体3がスライド自在に挿通される孔部4を、有する。丸棒体3は、前端3a側から長手方向に凹設された長さの相違する複数本の細溝条6と、全ての細溝条6を連繋する周状凹溝7を、外周面30に有する。さらに、孔部4の内周面に形成された凹部に嵌入され内周面から一部突出し細溝条6及び周状凹溝7にスライド可能に嵌合する小球体5と、丸棒体3の前端3aを芯出しコア体2の中空内部29へ進入する方向に弾発付勢するバネ部材8と、を備えた。
【選択図】 図3
Description
例えば、空調機器の室外機と室内機を連結する冷媒配管を通すための既設孔が壁体に形成されており、例えば、換気機能を具備した空調機器に変更しようとする場合、換気ホースが付加されるため、さらに大きな内径の孔を明ける必要がある。
このような場合に、別の位置に新しく孔を切削形成せずに、既設孔を、拡径することができる。
また、上記棒体は、その外周面に、長手方向に刻まれた目盛りを、有する。
また、上記芯出しコア体の外周面は、前方側の外径が後方側の外径より大きくなるように、段付部をもって形成された。
様々な長さ寸法のコアドリル体に変える場合に、その長さ寸法に応じて、芯出しコア体を、コアドリル体の前方開口部から適切な状態で前方突出状となるように変更させることができる。しかも、その変更作業を容易かつ迅速に行い得る。
よって、コアドリル体の長さ寸法に応じた長さの芯出しコア体を、揃える必要がない。 また、バネ部材の弾発付勢力により、切削中に、芯出しコア体が後退することがなく、しかも、小球体が細溝条の後端に係合するので、芯出しコア体が、コアドリル体と確実に共廻りする。よって、拡径孔の切削作業中に確実に芯出しすることができる。
さらに、丸棒体を芯出しコア体から引っ張り、軸心廻りに回転するだけで、小球体が、周状凹溝を経て長さの相違する複数本の細溝条を移動させられるので、芯出しコア体の位置を、容易に切り換えることができる。
あるいは、棒体が、長手方向に所定ピッチで複数形成された位置決め用凹部を有する場合は、棒体を芯出しコア体に対してスライドさせるだけで長さを切り換えて位置決めできるので、一層迅速に作業でき、効率が上昇する。
図1,図2に於て、本発明に係る拡径切削工具は、壁体10に明けられた既設孔17と同心状に拡径孔18を切削形成するための有底円筒状コアドリル体1の前方開口部16から前方突出状として有する。そして、このコアドリル体1の前方開口部16に、中空短円柱状芯出しコア体2が付設される。この芯出しコア体2の後部側と、コアドリル体1の底壁部12とは、丸棒体3にて連結されている。
壁体10は、コンクリート,木材,ALC,モルタル,サイディング等であり、コアドリル体1は、壁体10の材質に適した切削部を、前端11に有する。そして、コアドリル体1は、回転軸部材15を介して、電気ドリル14に取り付けられる。
コアドリル体1の外径φ1 は既設孔17の内径φ17よりも大きく、かつ、芯出しコア体2の外径Dは既設孔17の内径φ17よりも僅かに小さく設定されている。
先ず、芯出しコア体2は、後ろ面中央に短円筒部21が突出されると共に周辺に短円筒状折曲部23が前方へ折曲げられた円形鍔部22を有する保持円盤体20と、保持円盤体20の折曲部23の外周面に嵌込固定される円筒部材28と、円筒部材28の前端に取付分離自在に付設される塞ぎ蓋9と、を備える。
保持円盤体20の短円筒部21は、その中央に、丸棒体3がスライド自在に挿通される貫通孔部4と、孔部4の前端に孔部4より拡径状に形成され(後述するように丸棒体3の周囲に巻設される)コイル状バネ部材8の他端8b側が嵌入する保持孔部26を、有する。
また、孔部4は、断面U字状の凹部4aが、その内周面の前後中間に形成される。この凹部4aには、小球体5が嵌入され、孔部4の内周面から、小球体5の一部が、突出する。さらに、短円筒部21は、孔部4の内周面において凹部4aと対向する位置に、径方向の孔24が、貫通形成され、小球体5を、孔24を介して、短円筒部21の外部側から凹部4aに嵌入できる。
丸棒体3は、前端3a側から長手方向に凹設された長さ寸法L6 の相違する複数本の細溝条6…を、外周面30に有する。図例では、丸棒体3は、2本の細溝条6,6が、その横断面において 180°の位置に、配設される。細溝条6は、小球体5の一部がスライド自在に嵌合するように、横断面弯曲状に形成されていると共に、その後端60に、小球体5が係合可能である。
2本のうち長い方の細溝条6の長さ寸法L6 は、小球体5がこの細溝条6Aの後端60に係合する際に丸棒体3の前端3aが芯出しコア体2の中空内部29において塞ぎ蓋9の後ろ面に近接するように、設定される(図3参照)。
一方、短い方の細溝条6の長さ寸法L6 は、小球体5がこの細溝条6Aの後端60に係合する際に丸棒体3の前端3aが鍔部22より前方に突出するように、設定される(図4参照)。
さらに、丸棒体3は、全ての細溝条6の前後中間部位を連繋する周状凹溝7を、外周面30に有し、小球体5の一部がスライド自在に嵌合するように、縦断面弯曲状に形成されている。この周状凹溝7が、細溝条6の後端60よりも前側に形成されているので、小球体5が後端60に係合した場合、丸棒体3は、芯出しコア体2と、確実に共廻りする。
また、丸棒体3は、その前端3a近傍に、C型止め具31を嵌入するための周状溝33を有する。かつ、丸棒体3の前端3aには、固定リング部材32が、圧入固定され、C型止め具31が前方へ外れるのを防ぐ。
具体的には、バネ部材8は、コイル(スプリング)状のものであり、丸棒体3の外周に巻設される。バネ部材8の他端(後端)8bは、芯出しコア体2の保持円盤体20の保持孔部26に嵌入される。また、バネ部材8が丸棒体3に巻設された後で、C型止め具31が取り付けられ、バネ部材8の一端(先端)8aは、C型止め具31に当接する。
さらに、丸棒体3は、コアドリル体1の底壁部12に形成された孔部に取外固定自在に差し込まれる固定用雄部3bを、後端に有する。
具体的には、円筒部材28が、その外周面の前後中間位置において、前方側28Aの外径D1 が後方側28Bの外径D2 より大きくなるように、段付部27をもって形成されている。
鉄筋コンクリート等用のコアドリル体1は、その前端11に、複数の刃13…を有しており、夫々が、コアドリル体1の内径方向へ突出状である(図11(b)参照)。円筒部材28の前方側28Aの外径D1 は、既設孔17への芯出しをするのに適した大きさとして設定され、かつ、円筒部材28の後方側28Bを、刃13…の内側部に当接させることなく、コアドリル体1の前方開口部16内に、セットすることができる。
4本の細溝条6…のうち、最長・最短の細溝条6,6は、図3,図4,図6,図7及び図9にて説明した最長・最短の細溝条6と同様の長さ寸法L6 を、有し、他の2本の細溝条6は、それらの中間の長さである。
即ち、図14,図15に示す拡径切削工具に於ては、芯出しコア体2に形成された雌ネジ孔41に、ネジ部材42が螺着されて、棒体3の外周面30を押圧固定する。かつ、棒体3が、その外周面30に、長手方向に刻まれた目盛り44を有する。
具体的には、芯出しコア体2の突出ボス部40(保持円盤体20の短円筒部21)は、雌ネジ孔41が、孔部4に連通状として径方向に開設されている。また、ネジ部材42は、六角レンチ等で押圧取外自在に螺着されるネジやボルト等で、弯曲凹状の先端部を、有する。
さらに、目盛り44は、棒体3の外周面30に、先端近傍から基端側中途部までの長手方向に、(例えば、5mm単位の等間隔で、)刻まれた線から成り、棒体3が突出ボス部40から突出している長さを、確認できる。
即ち、棒体3は、長手方向に、1本の細溝条6が凹設される。
かつ、棒体3は、外周面30に、複数の位置決め用凹部36…が、長手方向に所定ピッチで形成されている。図例では、複数の凹部36…は、棒体3の横断面において、細溝条6と 180°の位置に、配設されている。なお、図例では、2個の凹部36…が形成されているが、3個以上の凹部36…が形成されてもよい。
かつ、芯出しコア体2の突出ボス部40は、孔24が、孔部4に連通状として径方向に開設されている。この孔24に、位置決め球体35が嵌入され、この球体35の一部が、芯出しコア体2の孔部4の内周面から一部突出して、棒体3の凹部36…に、嵌合する。
さらに、芯出しコア体2の突出ボス部40は、その外周に、横断面C字状の板バネ等から成り内径方向に弾発付勢するバネ部材38が、巻設される。そして、バネ部材38が、球体35を、孔部4の内周面へ突出するように、押圧する。39は、巻設されたバネ部材38を突出ボス部40から外さないためのC型止め具である。このC型止め具39は、突出ボス部40に形成された周状凹溝37に、嵌入される。かつ、バネ部材38の周状一端38aは、内方向に折り曲げられており、突出ボス部40の外周面に形成された凹溝43に、係止される。
さらに、棒体3が、外周面30に目盛り44を有し、かつ、ネジ部材42の螺着により棒体3を芯出しコア体2から不意に抜けるのを防ぐ点は、図14,図15で既述したものと同じ構成である。
なお、図示省略するが、棒体3は、細長四角柱等の角柱形状であってもよい。この場合、芯出しコア体2の孔部4は、棒体3の横断面形状に応じて形成される。かつ、棒体3は、長手方向の平坦外面に、細溝条6及び凹部36…が、形成される。
丸棒体3を芯出しコア体2にセットする前は、芯出しコア体2は、保持円盤体20と円筒部材28に対して、塞ぎ蓋9が分離した状態である。先ず、小球体5を、孔24から保持円盤体20に投入し、孔部4の凹部4aに嵌入させる。そして、丸棒体3の前端3aを、短円筒部21の孔部4を挿通させる。図1は、コアドリル体1の長さ寸法Xが比較的小さい場合であり、小球体5を、長い細溝条6Aに嵌めて後端60に係合させる。
そして、保持円盤体20と円筒部材28から成る有底筒体の開口端に、塞ぎ蓋9を取り付けて、図3の状態にする。
そして、丸棒体3の後端の雄部3bを、コアドリル体1の底壁部12の孔部に差し込んで取り付けて、図1の状態にして使用する。
切削中には、バネ部材8の弾発付勢力により、小球体5が細溝条6の後端60に係合し、芯出しコア体2がコアドリル体1の内方へ後退することなく保持されると共に、芯出しコア体2が、コアドリル体1と確実に共廻りする。
そして、図3に於て、丸棒体3を、バネ部材8の弾発付勢力に抗して、中空内部29から後方へ引っ張り、図9,図10に示すように、小球体5が周状凹溝7に嵌合する位置まで、丸棒体3をスライドさせる。
そして、小球体5が短い方の細溝条6上に位置するまで、丸棒体3を、軸心廻りに回転させる。そして、丸棒体3から手を離すと、バネ部材8の弾発付勢力により、丸棒体3の前端3aが、芯出しコア体2の中空内部29へ進入する方向へスライドし、図4に示すように、小球体5が細溝条6の後端60に係合する。
そして、丸棒体3の雄部3bを、コアドリル体1の底壁部に取り付けて使用する。
上述の方法手順と逆に操作すれば、図4の状態から図3の状態に変えられる。
このように、小球体5が周状凹溝7を経て長さの相違する複数本の細溝条6を移動して選択された1本の細溝条6Aの後端60に、小球体5が係合して、丸棒体3の前端3aが芯出しコア体2の中空内部29へ進入する長さ寸法Pを、設定する。
また、図示省略するが、コアドリル体1の前端11に形成される刃13は、図1,図2,図11のものに限定されず、木材,ALC,モルタル,サイディング等に対応したものとしてもよく、あるいは、それらの複合のものでもよい。
あるいは、小球体5が、細溝条6の中間位置にあり、後端60に係合していなくても、所望の位置であれば、ネジ部材42を螺着して、棒体3の外周面30を押圧固定してもよい。
このように、ネジ部材42で固定することにより、穿孔中等に、芯出しコア体2に前側への力が加わっても、芯出しコア体2は、棒体3に対し、不意にスライドしない。
この状態から、棒体3を芯出しコア体2の中空内部29からさらに引き出した状態にする場合は、ネジ部材42を緩めて、芯出しコア体2から、棒体3を引っ張る。すると、球体35は、バネ部材38の弾発付勢力に抗して、凹部36Aへの嵌合から外れて棒体3の外周面30をスライドし、棒体3の凹部36…のうち前側の凹部36Aに嵌合して、位置決めされる。
上述の方法手順と逆に操作すれば、図16の状態にすることができる。
このように、球体35が、棒体3の外周面30をスライド移動して選択された1つの凹部36に係合(嵌合)して、棒体3の前端3aが芯出しコア体2の中空内部29へ進入する長さ寸法Pが、設定される。
位置決めした後で、ネジ部材42を螺着して押圧固定することにより、芯出しコア体2は、棒体3に対し、強く固定されて、穿孔中等に不意にスライドすることがない。
上記スライドの際、小球体5が、棒体3の細溝条6に嵌合しているので、棒体3は、芯出しコア体2に対して回転することがなく、球体35が、棒体3の凹部36…に確実に嵌合して、位置決めされる。
よって、コアドリル体1の長さ寸法Xに応じた複数本の芯出しコア体2を揃える必要がない。
また、バネ部材8の弾発付勢力により、切削中に、芯出しコア体2が後退することがなく、芯出しコア体2が、コアドリル体1と確実に共廻りする。よって、拡径孔18の切削作業中に確実に芯出しすることができる。
また、棒体3を芯出しコア体2に対してスライドさせるだけで長さを切り換えて位置決めできるので、迅速に作業でき、効率が上昇する。
よって、既設孔17の軸心方向の長さに応じて、迅速に、コアドリル体1に対する芯出しコア体2の配置を、所望の状態にすることができる。
2 芯出しコア体
2a 後壁部
3 棒体
3a 前端
4 孔部
4a 凹部
5 小球体
6,6A 細溝条
7 周状凹溝
8 バネ部材
12 底壁部
16 前方開口部
17 既設孔
18 拡径孔
24 孔
27 段付部
29 中空内部
30 外周面
35 球体
36 凹部
38 バネ部材
40 突出ボス部
41 雌ネジ孔
42 ネジ部材
44 目盛り
60 後端
D1 外径
D2 外径
P 長さ寸法
Claims (6)
- 既設孔(17)と同心状に拡径孔(18)を切削形成するコアドリル体(1)の前方開口部(16)から前方突出状として、該前方開口部(16)に中空短円柱状芯出しコア体(2)を付設した拡径切削工具であって、
上記芯出しコア体(2)の後部側と上記コアドリル体(1)の底壁部(12)とを連結する丸棒体(3)を、備え、
上記芯出しコア体(2)の後壁部(2a)は、上記丸棒体(3)がスライド自在に挿通される孔部(4)を、有し、
上記丸棒体(3)は、前端(3a)側から長手方向に凹設された長さの相違する複数本の細溝条(6)と、該全ての細溝条(6)を連繋する周状凹溝(7)を、外周面(30)に有し、
さらに、該孔部(4)の内周面に形成された凹部(4a)に嵌入され該内周面から一部突出し上記細溝条(6)及び周状凹溝(7)にスライド可能に嵌合する小球体(5)と、上記丸棒体(3)の前端(3a)を上記芯出しコア体(2)の中空内部(29)へ進入する方向に弾発付勢するバネ部材(8)と、を備えたことを特徴とする拡径切削工具。 - 上記小球体(5)が上記周状凹溝(7)を経て長さの相違する複数本の上記細溝条(6)を移動して選択された1本の細溝条(6A)の後端(60)に、該小球体(5)が係合して、上記丸棒体(3)の前端(3a)が上記芯出しコア体(2)の中空内部(29)へ進入する長さ寸法(P)を、設定するようにした請求項1記載の拡径切削工具。
- 既設孔(17)と同心状に拡径孔(18)を切削形成するコアドリル体(1)の前方開口部(16)から前方突出状として、該前方開口部(16)に中空短円柱状芯出しコア体(2)を付設した拡径切削工具であって、
上記芯出しコア体(2)の後部側と上記コアドリル体(1)の底壁部(12)とを連結する棒体(3)を、備え、
上記芯出しコア体(2)の後壁部(2a)は、上記棒体(3)がスライド自在に挿通される孔部(4)を、有し、
上記棒体(3)は、前端(3a)側から長手方向に凹設された細溝条(6)と、長手方向に所定ピッチで複数形成された位置決め用凹部(36)とを、外周面(30)に有し、
さらに、該孔部(4)の内周面に形成された凹部(4a)に嵌入され該内周面から一部突出し上記細溝条(6)にスライド可能に嵌合する小球体(5)と、上記芯出しコア体(2)の後壁部(2a)の突出ボス部(40)に径方向に上記孔部(4)に連通状として開設された孔(24)に嵌入され上記孔部(4)の内周面から一部突出し上記棒体(3)の凹部(36)に嵌合する位置決め球体(35)と、上記芯出しコア体(2)に取り付けられ該球体(35)を上記孔部(4)の内周面へ突出状に弾発付勢するバネ部材(38)とを、備えたことを特徴とする拡径切削工具。 - 上記芯出しコア体(2)に形成された雌ネジ孔(41)に螺着され上記棒体(3)の外周面(30)を押圧固定するネジ部材(42)を、備えた請求項1,2又は3記載の拡径切削工具。
- 上記棒体(3)は、その外周面(30)に、長手方向に刻まれた目盛り(44)を、有する請求項1,2,3又は4記載の拡径切削工具。
- 上記芯出しコア体(2)の外周面は、前方側の外径(D1 )が後方側の外径(D2 )より大きくなるように、段付部(27)をもって形成された請求項1,2,3,4又は5記載の拡径切削工具。
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