[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図5を参照して説明する。図1は本実施の形態の可撓管が適用される内視鏡1を備えた内視鏡装置のシステム全体の概略構成を示している。内視鏡1は、体腔内に挿入される細長い挿入部2と、挿入部2の基端部に連結される操作部3とを有する。
挿入部2は、細長い可撓管部4の先端部に湾曲部5を介して先端構成部6が連結されている。湾曲部5は操作部3上に設けられている後述する湾曲ノブ7により、図示しないワイヤーを介して遠隔的に湾曲操作させることができ、これにより先端構成部6の向きが変えられるようになっている。
先端構成部6には図示しない観察光学系の観察窓、照明光学系の照明窓、鉗子チャンネルの先端開口部、送気・送水ノズルなどが設けられている。観察窓の後方には対物光学系の結像位置に図示しない撮像装置等が内蔵されている。撮像装置には図示しない像伝送ケーブルが接続されている。照明窓の後方にはライトガイドファイバーの先端の照明光出射部が配設されている。鉗子チャンネルの先端開口部には鉗子チャンネルのチャンネルチューブの先端部が連結されている。送気・送水ノズルには送気チューブおよび送水チューブの先端部を連結させた共通チューブが連結されている。
図示しない像伝送ケーブル、送気チューブ、送水チューブ、鉗子チャンネル、ライトガイドファイバーおよび湾曲操作ワイヤーなどは挿入部2の内部を通して操作部3側に延出されている。
操作部3には、湾曲ノブ7、吸引ボタン8、送気・送水ボタン9、鉗子口10およびその他のスイッチSなどがそれぞれ設けられている。さらに、操作部3には、ユニバーサルコード11の基端部が連結されている。このユニバーサルコード11の先端部にはコネクター部12が連結されている。コネクター部12にはライトガイドファイバーの光導入端部13と、電気コネクター14と、吸引口金、送気送水口金などが設けられている。
電気コネクター14には像伝送ケーブルの基端部が接続されている。そして、撮像装置から取り込まれる映像信号がコネクター部12上の電気コネクター14に伝送されるようになっている。
また、内視鏡装置のシステムは、内視鏡1の他に、光源装置15と、プロセッサー装置16と、観察モニター17などの周辺装置を有する。内視鏡1はコネクター部12を介して光源装置15に接続される。光源装置15からの光はライトガイドファイバーを介して先端構成部6に伝送され、照明窓から外部に照明光が出射されるようになっている。電気コネクター14はプロセッサー装置16と接続される。そして、撮像装置により撮像され、電気信号に変換された映像信号はプロセッサー装置16に入力される。このプロセッサー装置16により処理されて出力される信号は観察モニター17に送信され、観察光学系の観察窓で観察される映像が観察モニター17に表示されるようになっている。
また、操作部3上の送気・送水ボタン9により、送気チューブ、送水チューブを介して送気・送水を行なうことができ、撮像装置の先端レンズ面(観察窓)を洗浄できるようになっている。さらに、操作部3上の吸引ボタン8により、鉗子チャンネルを介して体腔内の気体や液体等の吸引を行なうことができる。また、操作部3上の鉗子口10より処置具を鉗子チャンネルに挿通することができる。これにより、体腔内の観察と合わせ様々な処置が行なえるようになっている。
図2は、挿入部2の可撓管部4の外装体である可撓管22の断面図である。可撓管22は、フレックス23と、管状のブレード24と、外皮25とを有している。フレックス23は、例えばSUS等の金属材料の帯状板を螺旋状に巻回した螺旋管である。ブレード24は、例えばSUS等の金属材料や、アラミド繊維等の樹脂材料の繊維を網状に編成して形成された網状管で、フレックス23の外周に被覆されている。このブレード24によってフレックス23の捩れを防止する。
ブレード24の外周面には、樹脂材料製の外皮25が被覆されている。また、外皮25の外表面には、例えばポリウレタンや、フッ素樹脂等のコーティング剤によるトップコート26が被覆されている。
ブレード24と外皮25とは、例えば熱硬化型ポリウレタン樹脂や、湿気硬化型ポリウレタン樹脂等の接着剤27により一体的に固着されている。従って、ブレード24と外皮25との間には接着剤27の薄膜層27aが介在する。
なお、図2は、1枚の帯状板を螺旋状に巻回して1重のフレックス23を成形した場合を図示している。ここで、帯状板を螺旋状に巻回する巻き方向の異なる複数、例えば2枚、或いは3枚以上の帯状板を重ね合わせた2重、3重、あるいはそれ以上の多重巻きのフレックスでもよい。
次に、可撓管部4の外装体である可撓管22を製造する第1の内視鏡用可撓管の製造方法(第1の方法)を説明する。この第1の方法は、次の(1)〜(8)の工程より成る。
(1)芯材入れ
フレックス23の内側にシリコンゴムの芯材を通す。
(2)ブレード被覆
フレックス23にブレード24を被覆する。
(3)接着剤塗布
フレックス23にブレード24を被覆した一体構造物のワーク(以下、内部構造部材28)を、接着剤27が入った容器中に通す。このとき、内部構造部材28が接着剤27の容器から出てきたのち、内部構造部材28の外径とほぼ等しい内径のダイスに内部構造部材28を通すことにより、内部構造部材28の外周に付着している余分な接着剤27をかき落とす。これにより、内部構造部材28の外周面全体に接着剤27が均一に塗布されると同時に接着剤27がブレード24に染み込む。
(4)接着剤の溶剤除去
上記(3)の工程が終了した内部構造部材28を例えば80℃の雰囲気中に20分放置し、接着剤27の溶剤を蒸発させる。なお、温度条件、放置時間は接着剤の種別に応じて変化するためこれに限定されるものではない。
(5)チュービング
上記(4)の工程が終了した内部構造部材28を押し出し成形機に通し、例えばポリウレタン樹脂等の軟性エラストマーとポリエステル樹脂等の硬性エラストマーとの混合材を均一な厚みに被覆して外皮25を形成する。この際に、溶融した樹脂材料の温度と圧力により接着剤27の硬化が促進され、ブレード24と外皮25とが接着剤27を介して強固に固着される。
(6)コーティング
上記(5)の工程が終了した内部構造部材28を常温にて冷却した後、コーティング剤の入った容器に通し、形成された皮膜を乾燥させて薄膜のトップコート26を形成する。これにより、可撓管22の中間成形物が形成される。
(7)アニール
上記(6)の工程が終了した可撓管22の中間成形物を直線状にした状態で、外皮25の軟化点近傍温度の雰囲気中に放置して再加熱する。これにより、可撓管22の中間成形物の樹脂の成形歪が除去される。この処置の雰囲気温度は80℃〜120℃、放置時間は1時間〜8時間が一般的である。
なお、雰囲気温度が接着剤27の硬化開始温度の近傍にある場合には、接着剤27の未硬化部分を完全に硬化させることができる。この硬化作用を得るために、雰囲気温度は90℃〜110℃、放置時間は4時間〜8時間程度であることが望ましい。
(8)エージング
中心軸が回転自在に支持された1つのプーリ29に上記(7)の工程が終了した可撓管22の中間成形物を図3に示すように略半周巻き付ける。この状態で、プーリ29に沿わせて可撓管22の中間成形物を全長に渡り往復させる。
また、可撓管22の中間成形物の1回の往復動作が終了する都度、可撓管22を軸回り方向に90°回転させる。図4は、可撓管22を軸回り方向に回転させる動作と、プーリ29に沿わせて可撓管22の中間成形物を全長に渡り往復させる動作との組合せ状態を説明する説明図である。なお、図4中で、Aは図3のようにプーリ29に可撓管22の中間成形物を略半周巻き付けた状態でその可撓管22の一端部の端面を矢印A方向から見た状態を示す。同様に、Bは、その可撓管22の他端部の端面を矢印B方向から見た状態を示す。
例えば、図4に示すように、開始時点t1では可撓管22の中間成形物のA方向から見た基準点aおよびB方向から見た基準点bの軸回り方向の回転角度がそれぞれ0°の状態である。この状態で、可撓管22の中間成形物の1回目の往復動作が行なわれる。
1回目の往復動作が終了した後、可撓管22を軸回り方向に90°回転させる。このように可撓管22の中間成形物の基準点aおよび基準点bの軸回り方向の回転角度が90°のt2時点で、2回目の往復動作が行なわれる。
同様に、2回目の往復動作が終了した後、可撓管22を軸回り方向にさらに90°回転させる。このように可撓管22の中間成形物の基準点aおよび基準点bの軸回り方向の回転角度が180°のt3時点で、3回目の往復動作が行なわれる。
さらに、3回目の往復動作が終了した後、可撓管22を軸回り方向にさらに90°回転させる。このように可撓管22の中間成形物の基準点aおよび基準点bの軸回り方向の回転角度が270°のt4時点で、4回目の往復動作が行なわれる。そして、可撓管22の基準点aおよび基準点bの軸回り方向の回転が一回転(360°回転)したところで終了する。
このエージング工程により、可撓管22の軸線方向に沿う接着剤27の結合を断ち切り、可撓管22の可撓性を良好にすることができる。
なお、プーリ29の直径は、フレックス23の隣り合う帯状板同士が接触することによる座屈や、ブレード24と外皮25の剥離等の破壊を起こさない範囲で可能な限り小さいことが望ましく、そのような直径は30mm〜60mmであることが一般的である。
また、可撓管22の湾曲時の曲げ形状を均一にするために、プーリ29に可撓管22の中間成形物を略半周巻き付けた際に、可撓管22を完全にプーリ29の周面に密着させた状態で沿わせることが望ましい。さらに、プーリ29に可撓管22の中間成形物を略半周巻き付けた状態での可撓管22の中間成形物の往復動作は、可撓管22の可撓性変化が収束するまで行なうことが望ましく、そのような往復動作回数は2往復〜20往復の範囲であることが一般的である。
次に、上記本実施の形態の作用について説明する。すなわち、本実施の形態の内視鏡用可撓管22の製造方法では、可撓管22の製造工程中にエージング工程を設けている。このエージング工程では、1つのプーリ29に上記(7)のアニール工程が終了した可撓管22の中間成形物を図3に示すように略半周巻き付けた状態で、プーリ29に沿わせて可撓管22の中間成形物を全長に渡り往復させる動作と、可撓管22を軸回り方向に回転させる動作とを組合せた動作が行なわれる。このとき、可撓管22の湾曲動作中は湾曲の内側では圧縮方向の力、湾曲の外側では伸び方向の力がそれぞれ作用する。これにより、可撓管22の湾曲動作中は、ブレード24と外皮25との間の接着剤27が伸縮する動作が発生する。このときの接着剤27の伸縮動作により、図5(A)に示すようにブレード24に染み込んだ接着剤27が細断されて図5(B)に示すように微細な断裂部30が生じる動作が行なわれる。なお、図5(A)は、エージング工程の実施前の可撓管22の拡大図であり、図5(B)はエージング工程の実施後の可撓管22の拡大図である。図5(B)では、模式的に接着剤27の断裂部30をくさび状に表しているが、実際には可撓管22が屈曲されない限り断裂部30に空間が生じることはない。
また、可撓管22の湾曲動作中の接着剤27の伸縮動作は、特にブレード24の素線の束と束の間に発生しやすい。よって、図5(B)に示すように接着剤27の断裂部30は大半がブレード24の素線の束と束の間に生じる。そのため、ブレード24の素線の束がある部分の接着剤27は断裂せずに残るため、強度上必要とされるブレード24と外皮25の密着力は確保される。これにより、可撓管22の可撓性および反発弾性を良好にすることができるとともに、可撓性が良好になるのに応じて硬性エラストマーを増量することができる。
そこで、上記第1の内視鏡用可撓管の製造方法にあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の内視鏡用可撓管22の製造方法では、上記(1)〜(8)の工程を採用することにより次の効果が得られる。
・(7)のアニール工程により可撓管22の中間成形物の軸線方向の成形歪が除去されるため、可撓性の均一な可撓管22を製造することができる。
・(7)のアニール工程により可撓管22の縮径方向の成形歪が除去されるため、内部構造部材28の動きがスムーズになり、可撓性が良好でかつ反発弾性に富む可撓管22を製造することができる。
・(8)のエージング工程によりブレード24に染み込んだ接着剤27が断ち切られ、かつブレード24と外皮25との密着力が適度に弱められる。そのため、可撓管22の内部構造部材28の動きがスムーズになり、可撓性が良好でかつ反発弾性に富む可撓管22を製造することができる。
・(7)のアニール工程および(8)のエージング工程により可撓管22の可撓性が良好になる。そのため、可撓管22の可撓性を従来と同等に設定する場合には、反発弾性に富む硬性エラストマーの混合比率を増すことができ、より反発弾性に富む可撓管22を製造することができる。
・(8)のエージングに相当する現象は、内視鏡1の実使用の場面において可撓管22が曲げられることでも発生する。ここで、エージングを行なわない状態の可撓管22の可撓性が適度になるよう設定していた場合には、使用を繰り返すごとに可撓管22が軟化し、経時的な挿入性の悪化が引き起こされる。従って、エージングを行なった状態の可撓管22の可撓性が適度になるように設定することで、従来よりも経時的な挿入性悪化のない可撓管22を製造することができる。
・(7)のアニール工程により、成形歪の発生度合いが可撓性に与える影響を小さくすることができる。そのため、製品の個体間の可撓性のばらつきが小さい可撓管22を製造することができる。
・(8)のエージング工程により、ブレード24への接着剤27の染み込み具合、ブレード24と外皮25との密着度合いが可撓性に与える影響を小さくすることができる。そのため、製品の個体間の可撓性のばらつきがより小さい可撓管22を製造することができる。
したがって、本実施の形態の内視鏡用可撓管22の製造方法によると、現状の可撓管22の可撓性を維持しつつ反発弾性に富み、製品毎の個体間で可撓性のばらつきが小さく、かつ長期の使用によっても必要以上に軟化することのない内視鏡用可撓管22を製造することができる。さらに、ブレード24への接着剤27の染み込み具合が可撓性に与える影響を小さくすることができるため、製品の個体間の可撓性ばらつきを小さくすることができる。さらに、内視鏡1の使用時に発生するブレード24に染み込んだ接着剤27の断裂による必要以上の軟化が低減される。
なお、上記本実施の形態の内視鏡用可撓管22の製造方法の(6)コーティング〜(8)エージングの工程は必ずしも前述の順序で行なう必要はなく、例えば次の順序で行なっても良い。
・(6)コーティング→(8)エージング→(7)アニール
・(7)アニール→(8)エージング→(6)コーティング
・(8)エージング→(7)アニール→(6)コーティング
・(7)アニール→(6)コーティング→(8)エージング
・(8)エージング→(6)コーティング→(7)アニール
ただし、(8)エージングの効果を最大限に得るためには、接着剤27が完全硬化していることが必要であるため、(8)エージングは(7)アニールの後に行なうことが好ましい。また、(6)コーティングにおいて薄膜のトップコート26の乾燥条件が(7)アニールの雰囲気温度、放置時間に近いものである場合には、(7)アニールの工程を省略することができる。この場合、(8)エージングは(6)コーティングの後に行なうことが好ましい。
さらに、本実施の形態では上記エージング工程中の可撓管22の軸回り方向の回転動作は、1回転で終了とした例を示したが、これに限定されるものではなく、必要に応じて増やしても良い。また、エージング工程中の可撓管22の軸回り方向の回転方向は、時計回り方向でも、反時計回り方向でもいずれの方向に回転させても良い。さらに、本実施の形態ではエージング工程中の可撓管22の軸回り方向の回転角度は90°ピッチで行なっているがこの限りではなく、必要に応じ変更しても良い。例えば、エージング工程中の可撓管22の軸回り方向の回転角度を120°ピッチ、60°ピッチ、45°ピッチ、30°ピッチなど、360°を3以上の整数で割りきれる角度ピッチであることが望ましい。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態である可撓管22を製造する第2の内視鏡用可撓管の製造方法(第2の方法)を説明する。この第2の方法は、第1の方法とは(8)のエージング工程のみが異なる。従って、ここでは、(8)のエージング工程のみを説明する。
図6(A)〜(D)は、本方法のエージング工程を説明するための説明図である。本実施の形態のエージング工程では可撓管22の全長を複数のパートに分割し、各パートごとに第1の方法と同様のエージング工程を実施するものである。すなわち、図6(A)〜(D)では、可撓管22の全長を4つのパート(可撓管22−1〜可撓管22−4)に分割してエージングを行ない、かつ可撓管22の軸方向の往路牽引方向と復路牽引方向が平行である場合を示している。この場合、可撓管22の全長に渡り曲げをかけるためには、各パートの全長と往復ストロークとの間に以下の条件が成立している必要がある。
プーリ29による可撓管22の中心軸の屈曲半径をR、1つのパートの長さをL、往復ストロークをSとしたとき、
S≧L−πR … (1)
であること。
さらに、往路開始位置・復路開始位置の位置決め誤差eを考慮すると、
S≧L−πR+2e … (2)
であること。
往路牽引方向と復路牽引方向が平行ではなく、角度θをなしている際には、
S≧L−(π−θ)R … (3)
であること。
さらに、往路開始位置・復路開始位置の位置決め誤差eを考慮すると、
S≧L−(π−θ)R+2e … (4)
であること。
以上の工程を採用することで、第1の方法と同様の効果が得られると共に、本実施の形態では特に、次の効果が得られる。
可撓管22の一端から他端に向け順次曲げて行った場合、他端側に向けてフレックスが徐々に偏る傾向がある。この傾向は、曲げ半径が小さいほど強くなる。また、フレックス23が多重フレックスである場合の、内側フレックスに顕著に見られる。フレックスの偏りが大きくなると、可撓性が不均一になるとともに、帯状板同士の接触による座屈を発生する場合がある。
第1の方法では、往復運動であるため、往路において一端側に偏ったフレックスが、復路において他端側に戻されるため、フレックスの偏りを残留させることはない。しかし、一端側に偏ったフレックスを他端側に戻す前に座屈に至る場合がある。
第2の方法では、可撓管22の全長を複数のパートに分割し、各パートごとに往復を行なわせるため、1パートあたりの往復ストロークが小さく、発生するフレックスの偏りが小さい。従って、一端側に偏ったフレックスを他端側に戻す前に座屈に至ることがなくなる。また、第1の実施の形態と同様に、往路において一端側に偏ったフレックスは、復路において他端側に戻されるためフレックスの偏りが残留することもない。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態である可撓管22を製造する第3の内視鏡用可撓管の製造方法(第3の方法)を説明する。この第3の方法は、第1の方法とは(8)エージング工程のみ異なる。従って、ここでは、(8)のエージング工程のみを説明する。
図7は、本方法のエージング工程を説明するための説明図である。なお、図7中で、Aは図6(A)のようにプーリ29に可撓管22の中間成形物を略半周巻き付けた状態でその可撓管22の一端部の端面を矢印A方向から見た状態を示す。同様に、Bは、その可撓管22の他端部の端面を矢印B方向から見た状態を示す。
図7中で、左側のt0時点は、本実施の形態のエージング工程では、アニール工程が終了した可撓管22の中間成形物を図6(A)に示すように1つのプーリ29に略半周巻き付けてセットした状態である。この状態では、可撓管22の中間成形物のA方向から見た基準点aおよびB方向から見た基準点bの軸回り方向の回転角度がそれぞれ0°の状態である。
また、エージング工程の開始時には、プーリ29に沿わせて可撓管22の中間成形物を全長に渡り往復させる最初の往復動作を開始する前に、t0時点のセット状態から、可撓管22の一端(図6(A)のA端)のみを例えば時計回り方向に90°回転させてねじりを加える。その状態のまま、第1の方法乃至第2の方法と同様のエージングを行なう。
すなわち、図7中のt1時点は、可撓管22の一端(図6(A)のA方向端)のA方向から見た基準点aの軸回り方向(時計回り方向)の回転角度が90°の状態、可撓管22の他端(図6(A)のB方向端)のB方向から見た基準点bの軸回り方向の回転角度が0°の状態である。この状態で、可撓管22の中間成形物の1回目の往復動作が行なわれる。
1回目の往復動作が終了した後、可撓管22全体を軸回り方向に90°回転させる。このt2時点は、可撓管22の一端(図6(A)のA方向端)のA方向から見た基準点aの軸回り方向(時計回り方向)の回転角度が180°の状態、可撓管22の他端(図6(A)のB方向端)のB方向から見た基準点bの軸回り方向(反時計回り方向)の回転角度が90°の状態である。この状態で、2回目の往復動作が行なわれる。
同様に、2回目の往復動作が終了した後、可撓管22全体を軸回り方向にさらに90°回転させる。このt3時点は、可撓管22の一端(図6(A)のA方向端)のA方向から見た基準点aの軸回り方向(時計回り方向)の回転角度が270°の状態、可撓管22の他端(図6(A)のB方向端)のB方向から見た基準点bの軸回り方向(反時計回り方向)の回転角度が180°の状態である。この状態で、3回目の往復動作が行なわれる。
さらに、3回目の往復動作が終了した後、可撓管22全体を軸回り方向にさらに90°回転させる。このt4時点は、可撓管22の一端(図6(A)のA方向端)のA方向から見た基準点aの軸回り方向(時計回り方向)の回転角度が360°の状態、可撓管22の他端(図6(A)のB方向端)のB方向から見た基準点bの軸回り方向(反時計回り方向)の回転角度が270°の状態である。この状態で、4回目の往復動作が行なわれる。そして、可撓管22の基準点aの軸回り方向の回転が一回転(360°回転)したところで終了する。
このようにすることで、可撓管22には曲げのみでなくねじりもかけられるため、ブレード24に染み込んだ接着剤27の長手方向(可撓管22の軸方向)の結合が、第1の方法乃至第2の方法よりも多く断ち切られ、可撓管22の可撓性をより良好にすることができる。
なお、本方法では、可撓管22の軸回り方向のねじり角度を90°としたがこの限りではなく、ねじりによる可撓管22の蛇行が大きすぎて往復運動の実施が困難になることのない範囲内であればどのような角度であっても良い。
また、可撓管22の一端側(図6(A)のA端)のみの回転は、いずれの方向に行なっても良い。ただし、フレックスが二重である場合には、内側のフレックスを縮径させ、外側のフレックスを拡径させる方向に回転させることが好ましい。これは、内側のフレックスと外側のフレックスとの摩擦を低減させ、第2の方法において述べたフレックスの偏りが残留することを防止する効果が得られるためである。
以上の工程を採用することで、第1の方法および第2の方法と同様の効果が得られると共に、本実施の形態の方法では特に次の効果が得られる。すなわち、本実施の形態の方法では第1の方法および第2の方法よりも可撓管22の可撓性が一層良好になるため、反発弾性に富む硬性エラストマーの混合比率をさらに増すことができ、より反発弾性に富む可撓管22を製造することができる。
さらに、実使用の場面においては、可撓管22には曲げのみでなくねじりの力もかけられる。そこで、エージング工程において可撓管22に曲げのみを加える場合には、実使用において接着剤27の長手方向(可撓管22の軸方向)の結合がさらに断ち切られ、若干の軟化を発生する場合がある。従って、エージング工程において可撓管22に曲げとねじりを同時に加える本方法により、経時的な挿入性悪化のより少ない可撓管22を製造することができる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態である可撓管22を製造する第4の内視鏡用可撓管の製造方法(第4の方法)を説明する。この第4の方法は、第1の方法とは(8)のエージング工程のみが異なる。従って、ここでは、(8)のエージング工程のみを説明する。
図7(A)〜(C)は、第4の方法のエージング工程を説明するための説明図である。本実施の形態のエージング工程では、第1の方法乃至第3の方法のいずれかにおいて、プーリ29の数を複数にして並設し、可撓管22を各プーリに沿わせた状態で往復を行なわせるものである。
図7(A)は、プーリ29を2個使用した場合、図7(B)はプーリ29を3個使用した場合、図7(C)はプーリ29を5個使用した場合をそれぞれ示している。いずれの場合においても、プーリ29は、以下の条件を満たすよう配置されていることが好ましい。
・上記(7)のアニール工程が終了した可撓管22の中間成形物に無理な負荷をかけないために、各々のプーリ29に巻き付ける巻き付け角度(各々のプーリ29に巻き付けた状態で、可撓管22の長手方向(可撓管22の軸方向)向きが変えられる角度)が150°以下になるように設定する。
・可撓管22の十分な可撓性を得るために、各々のプーリ29に巻き付ける巻き付け角度(各々のプーリ29に巻き付けた状態で、可撓管22の長手方向(可撓管22の軸方向)向きが変えられる角度)が80°以上になるように設定する。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の方法では、複数のプーリ29を用いてエージング工程を実施する場合、可撓管22の中間成形物を全長に渡り往復させる動作(往復運動)において牽引側の逆にあるプーリ29が抵抗となる。そのため、牽引側のプーリ29に巻き付けた可撓管22を確実にプーリ29に接触させる状態で密着させることができる。また、可撓管22の中間成形物を軸方向に沿って複数箇所で同時にプーリ29に巻き付けて湾曲させるため、可撓管22の中間成形物を第1の方法乃至第3の方法に比べより小さな往復ストロークで広範囲の個所に曲げを加えることができる。
以下に、複数のプーリ29を用いて第1の方法乃至第3の方法と同様のエージング工程を行なうための条件を示す。図9および図10はその説明図で、例えば3個のプーリ29−1,29−2,29−3を用い、可撓管22の全長を2つのパート(可撓管22−1と可撓管22−2)に分割してエージングを行なう場合を示している。
1つのパートにエージングをする時、そのパート内には、第1のプーリ29−1に沿って可撓管22の湾曲部が移動する範囲と、第2のプーリ29−2に沿って可撓管22の湾曲部が移動する範囲と、第3のプーリ29−3に沿って可撓管22の湾曲部が移動する範囲とが存在する。1つのパートの全長が、3個のプーリ29−1,29−2,29−3に沿って可撓管22の湾曲部が移動する3つの範囲の長さの和に対して長い場合、3つの各湾曲範囲間に間隔が生じ、曲げの加えられない部分が残されてしまう。これを発生させないためには、以下の条件が成立している必要がある。
・図9において、第1のプーリ29−1の中心O1と、第2のプーリ29−2の中心O2との間の横方向(x方向)の中心間隔をx1、第1のプーリ29−1の中心O1と、第2のプーリ29−2の中心O2との間の縦方向(y方向)の間隔をy1、第2のプーリ29−2の中心O2と、第3のプーリ29−3の中心O3との間の横方向の中心間隔をx2、第2のプーリ29−2の中心O2と、第3のプーリ29−3の中心O3との間の縦方向の中心間隔をy2、第1のプーリ29−1による可撓管22の中心軸の湾曲半径をR1、第2のプーリ29−2による可撓管22の中心軸の湾曲半径をR2、第3のプーリ29−3による可撓管22の中心軸の湾曲半径をR3、可撓管22の軸方向の往復ストロークをSとしたときに、
S≧max{(x1
2+y1
2−(R1+R2)
2)
1/2,(x2
2+y2
2−(R2+R3)
2)
1/2}
であること。さらに、往路開始位置・復路開始位置の位置決め誤差eを考慮すると、次の数3
の関係であること。
また、パート間に曲げのかからない部分を作らない為に、以下の条件が成立している必要がある。
の関係であること。さらに、往路開始位置・復路開始位置の位置決め誤差eを考慮すると、次の数5
の関係であること。
往路牽引方向と復路牽引方向が平行ではなく、第1のプーリ29−1側牽引方向が紙面右方向に対し時計回りに角度θ1をなし、第3のプーリ29−3側牽引方向が紙面右方向に対し時計回りに角度θ3をなすとき、次の数6
の関係であること。
さらに、往路開始位置・復路開始位置の位置決め誤差eを考慮すると、次の数7
の関係であること。
なお、可撓管22の両端の牽引方向をほぼ同一にし、可撓管22を軸方向に往復させる作業を容易にできることからプーリ29は奇数個であることが好ましい。また、可撓管22を破壊しない範囲で十分な負荷をかけるためには、プーリ29は3個乃至5個であることが好ましい。
そこで、上記方法を採用することで、第1の方法乃至第3の方法と同様の効果が得られるのに加え、本実施の形態では特に次の効果が得られる。すなわち、可撓管22にかかる張力を管理する等の煩雑な制御を行なうことなく、可撓管22をプーリ29に沿わせて確実に巻き付けた状態で密着させることが出来るため、安価な装置で自動化することが可能である。さらに、可撓管22の中間成形物を小さな往復ストロークで広範囲な個所に曲げをかけることができるので、本方法を実施するための装置を小型化することができる。また、エージング工程の時間を短縮でき、生産性を向上させることができる。
[第5の実施の形態]
また、図11(A),(B)乃至図22は本発明の第5の実施の形態を示す。図11(A),(B)は内視鏡用可撓管の製造方法の第1の方法乃至第4の方法におけるエージング工程を実施するための第1のエージング装置31を示す。
図11(A)に示すように、本エージング装置31は、エージング装置本体32と、エージング装置本体32を制御するための制御装置33とを有する。図11(B)に示すように、エージング装置本体32には、基台34が設けられている。この基台34上には可撓管22を軸方向に往復動作させるための右往復装置35および左往復装置36が設けられている。右往復装置35は、基台34上の一側部(図11(A)中で上端部)、左往復装置36は、基台34上の他側部(図11(A)中で下端部)にそれぞれ配置されている。
さらに、基台34上には、プーリ29を配置するための固定プーリマウント37および移動プーリマウント38と、移動プーリマウント38を移動させるためのプーリ移動装置39とが組み付けられている。
基台34上には右ベース部材40と左ベース部材41とが設けられている。そして、右ベース部材40に右往復装置35、左ベース部材41に左往復装置36がそれぞれ装着されている。右往復装置35には、右ベース部材40上に直線状の右往復レール42が設けられている。右往復レール42の一端側には、例えばサーボモータ等の右駆動装置43が設けられている。右往復レール42の他端側には、右ベルトプーリ44が設けられている。
さらに、右駆動装置43の回転軸には右駆動プーリ45が設けられている。右駆動プーリ45と右ベルトプーリ44との間には右タイミングベルト46が掛け渡されている。なお、右タイミングベルト46と右往復レール42とが平行になるように右駆動装置43および右ベルトプーリ44が配置されている。そして、右駆動装置43によって右駆動プーリ45が回転駆動され、この右駆動プーリ45の回転が右タイミングベルト46を介して右ベルトプーリ44に伝達されるようになっている。
右往復レール42上には、右チャックユニット47がスライド自在に取り付けられている。この右チャックユニット47には右ベルトプーリ44側より可撓管22の一端を着脱自在に取り付けられるようになっている。
また、右タイミングベルト46上には、右往復ヘッド48が設けられている。この右往復ヘッド48は、右チャックユニット47と連結されている。以上の構成により、右駆動装置43を駆動源として右チャックユニット47が右往復レール42に沿って往復運動をするようになっている。
図13および図14は、右チャックユニット47の拡大図を示している。右チャックユニット47は、右往復レール42に沿ってスライド自在に取り付けられている右往復台49の上に、右回転チャック50と、右チャック受け51と、右チャック回転装置52とを搭載したものである。
図14に示すように右往復台49は略U字状の部材で、右往復レール42の上面および両側の側面を覆う状態で取り付けられている。右往復レール42の両側面にはガイド溝53がこのレール42の延設方向に沿ってそれぞれ形成されている。右往復台49内面の、ガイド溝53と相対する位置にも同様の溝54が形成されている。ガイド溝53と溝54との間には、スライドボール55が介在しており、これにより右往復台49のはずれが防止されるとともに、スライド時の抵抗が低減されている。
右回転チャック50は、円柱部材56の一端側にチャック開閉機構57、他端側にフランジ部58を設けたものである。チャック開閉機構57には、図14に示すように3つの爪59が取り付けられている。この3つの爪59は、径方向に移動可能に支持されている。3つの爪59はチャック開閉機構57によって径方向に沿って移動する状態で開閉可能に支持されている。そして、チャック開閉機構57によって3つの爪59が径方向に沿って内部側に向けて駆動される閉動作により可撓管22の一端を把持してチャックするようになっている。
なお、チャック開閉機構57のチャック力量は、可撓管22を変形させることが無く、かつエージング工程において可撓管22がはずれることの無い範囲であることが必要である。本実施の形態では、爪59一つ当たりに例えば、50N〜200Nの範囲で力量を調整できるように設定されている。チャック力量の発生方式は、ばね式、ねじ式、エアーコンプレッサー式なとが考えられるが、その他どのようなものであっても良い。また、各爪59には、可撓管22を把持する面にすべり止め用の小さな凹凸を設けても良い。図17(A),(B)は、爪59の可撓管22を把持する面に例えば、ポリウレタンやゴム等摩擦係数の高い材質より成るすべり止め部材60を張りつけた状態を示す。このようにすることで、小さなチャック力量で可撓管22のはずれを防止することができ、可撓管22のつぶれを防止することができる。
また、円柱部材56のフランジ部58側の端面には、2箇所に伝達ピン61が突設されている。これら2つの伝達ピン61は右回転チャック50の中心軸に対して線対称となる位置に配置されている。伝達ピン61は、必ずしも2個である必要はなく、求められる力量に応じ1個以上の何個でも良い。
右チャック受け51には、中実な角材の一端側に軸受け孔62、他端側に座ぐり穴63がそれぞれ形成されている。軸受け孔62は、円柱部材56の外形とほぼ同内径に設定されている。座ぐり穴63は、フランジ部58の外径よりも大きな内径に設定されている。軸受け孔62および座ぐり穴63は同心軸上に形成されている。また、座ぐり穴63は、フランジ部58の肉厚よりも深く形成され、かつ軸受け孔62の全長が円柱部材56の全長よりも短くなるように形成されている。
右チャック回転装置52の回転軸には、伝達ディスク64が設けられている。図15に示すようにこの伝達ディスク64には、2つのピン穴65が形成されている。これらのピン穴65は、円柱部材56の中心軸と回転中心を合わせると伝達ピン61と相対する位置に配置されている。
右チャック受け51は、軸受け孔62の中心軸を右往復レール42と平行に配置し、座ぐり穴63を右駆動装置43側へ向けた状態で右往復台49上に固定されている。そして、右チャック受け51には、座ぐり穴63側より、爪59から順に右回転チャック50が挿通され、軸受け孔62および座ぐり穴63の境界面にフランジ部58が突き当てられている。また、右チャック回転装置52は、円柱部材56の中心軸と回転中心を合わせ、伝達ピン61をピン穴65に挿通した状態で右チャック受け51に固定されている。
以上の構成により、右チャックユニット47は、右ベルトプーリ44側より可撓管22の一端を把持できるとともに、右チャック回転装置52を駆動源として可撓管22を回転させることができる。
なお、選択使用パーツとして、図16に示す交換用伝達ディスク64−2を設けている。この交換用伝達ディスク64−2には、図15に示す伝達ディスク64のピン穴65を周方向に拡張した円弧形状の長穴65−2が形成されている。そして、必要に応じてこの交換用伝達ディスク64−2を伝達ディスク64と交換することで、右回転チャック50の回転に遊びを設けることが出来るようになっている。
左往復装置36は、右往復装置35と略同様に構成されている。左往復装置36には、左ベース部材41上に直線状の左往復レール66が設けられている。左往復レール66の一端側には、例えばサーボモータ等の左駆動装置67が設けられている。左往復レール66の他端側には、左ベルトプーリ68が設けられている。
さらに、左駆動装置67の回転軸には左駆動プーリ69が設けられている。左駆動プーリ69と左ベルトプーリ68との間には左タイミングベルト70が掛け渡されている。
左往復レール66上には、左チャックユニット71がスライド自在に取り付けられている。この左チャックユニット71には左ベルトプーリ68側より可撓管22の他端を着脱自在に取り付けられるようになっている。
また、左タイミングベルト70上には、左往復ヘッド72が設けられている。この左往復ヘッド72は、左チャックユニット71と連結されている。以上の構成により、左駆動装置67を駆動源として左チャックユニット71が左往復レール66に沿って往復運動をするようになっている。なお、左往復装置36上の構成物は、左往復レール66に平行な軸に対して右往復装置35と線対称になるように配置されている。
右往復装置35および左往復装置36は、右往復レール42および左往復レール66を床面に対し水平にし、右チャックユニット47および左チャックユニット71を上側にして基台34に固定されている。
また、右往復装置35および左往復装置36は、右往復レール42および左往復レール66を内側にして平行に対向させて固定されているが、右往復装置35と左往復装置36との間隔は任意に変えられるようになっている。
固定プーリマウント37は、床面に対し水平にして基台34に固定されている。また、固定プーリマウント37は、右往復装置35および左往復装置36よりも高い位置に配置され、かつ床面への投影上において、右往復装置35および左往復装置36と交差する方向に延設されている。
固定プーリマウント37の下側には、複数、本実施の形態では3つの固定エージングプーリ73が固定される。なお、固定エージングプーリ73は、右往復レール42に交差する直線上の任意な位置に任意個数を固定することができる。図18に示すように、各固定エージングプーリ73は、回転軸74を床面に対して垂直方向に立設した状態で支持されている。各固定エージングプーリ73の外周には、全周に亙るV溝75が形成されている。
基台34上には、右ベース部材40と左ベース部材41との間に中央ベース部材76が配置されている。この中央ベース部材76には、プーリ移動装置39が設けられている。このプーリ移動装置39には、中央ベース部材76の上面に移動レール77が突設されている。図12に示すように移動レール77には、一端側に例えば、サーボモータ等のマウント駆動装置78、他端側にベルトプーリ79がそれぞれ設けられている。
マウント駆動装置78の回転軸には駆動プーリ80が設けられている。駆動プーリ80とベルトプーリ79との間にはタイミングベルト81が掛け渡されている。なお、移動レール77とタイミングベルト81とが平行になるようにマウント駆動装置78およびベルトプーリ79が配置されている。そして、マウント駆動装置78によって駆動プーリ80が回転駆動され、この駆動プーリ80の回転がタイミングベルト81を介してベルトプーリ79に伝達されるようになっている。
移動レール77には、マウント移動台82がスライド自在に取り付けられている。このマウント移動台82には、移動プーリマウント38が固定される。また、タイミングベルト81には移動ヘッド83が取り付けられている。この移動ヘッド83は、マウント移動台82と連結されている。以上の構成により、マウント移動台82はマウント駆動装置78により移動させることができるようになっている。
プーリ移動装置39は、移動レール77を右往復レール42および左往復レール66と平行にし、かつ移動レール77を右往復レール42および左往復レール66の中央に位置させ、マウント移動台82を上側にして基台34に固定されている。
移動プーリマウント38は、床面に対し水平にしてマウント移動台82に固定されている。移動プーリマウント38の上側には、固定エージングプーリ73と同形状の複数、本実施の形態では2つの移動エージングプーリ84が取り付けられる。各移動エージングプーリ84は、回転軸85を床面に対して垂直方向に立設した状態でスペーサ86を介して支持されている。
なお、移動エージングプーリ84は、右往復レール42と交差する直線上の任意な位置に任意個数を取り付けることができる。さらに、固定エージングプーリ73および移動エージングプーリ84は、例えばポリアセタールやフッ素樹脂等すべり性に富む材質で形成されていることが望ましい。また、エージング工程の実施の際には固定エージングプーリ73および移動エージングプーリ84の外表面にシリコンオイル等の潤滑剤を塗布しても良い。
ここで、右往復装置35と、左往復装置36と、固定プーリマウント37と、移動プーリマウント38との位置関係について以下の説明を補足する。
・右往復レール42に平行な方向における右往復装置35および左往復装置36の位置関係は等しい。
・右往復装置35および左往復装置36の床面からの高さは等しい。
・プーリ移動装置39の床面からの高さは、移動プーリマウント38が右往復装置35および左往復装置36の底面よりも下に位置するように設定されている。そして、スペーサ86および移動エージングプーリ84を取り外した状態であれば右往復装置35および左往復装置36を接触するまで近接させることができるようになっている。
・固定プーリマウント37の床面からの高さは、固定エージングプーリ73が右往復レール42および左往復レール66よりも上になるように設定されている。
・固定プーリマウント37の床面からの高さは、固定エージングプーリ73のV溝75の中心と円柱部材56の中心軸の床面からの高さが等しくなるように設定されている。
・固定プーリマウント37の位置は、移動プーリマウント38が最もベルトプーリ79側にある状態において、移動エージングプーリ84が固定エージングプーリ73よりもベルトプーリ79側に位置し、移動プーリマウント38が最も駆動プーリ80側にある状態において、移動エージングプーリ84が固定エージングプーリ73よりも駆動プーリ80側に位置するように設定されている。
・スペーサ86の高さは、固定エージングプーリ73および移動エージングプーリ84の床面からの高さが等しくなるように設定されている。
また、移動プーリマウント38が駆動プーリ80側からベルトプーリ79側に移動する途中で、固定エージングプーリ73が移動プーリマウント38に当たらず、移動エージングプーリ84が固定プーリマウント37に当たらないように設定されている。
前述したように、固定エージングプーリ73と移動エージングプーリ84は、それぞれ固定プーリマウント37および移動プーリマウント38の任意の位置に取り付けることができる。
以下に、エージング工程をスムーズに行ない、かつ十分な効果を得るための好ましい配置を説明する。
・可撓管22に無理な負荷をかけないために、固定エージングプーリ73および移動エージングプーリ84の各々において、可撓管22の中心軸の向きを変える角度が150°以下になるように設定する。
・十分な可撓性を得るために、固定エージングプーリ73および移動エージングプーリ84の各々において、可撓管22の中心軸の向きを変える角度が80°以上になるように設定する。
・複数プーリを用いてエージングを行う場合、外側に位置するプーリは両方固定エージングプーリ73であるか、両方移動エージングプーリ84であるように設定する。
・3個以上のプーリを用いてエージングを行う場合、外側から内側に向かうに従って固定エージングプーリ73と移動エージングプーリ84とが交互に配置されるように設定する。
・固定エージングプーリ73が外側にある場合、往復動作中には移動エージングプーリ84が固定エージングプーリ73よりも駆動プーリ80側に位置するよう配置する。
そして、可撓管22を回転させる際等、可撓管22を往復動作させる以外の動作を行う場合には、移動エージングプーリ84が固定エージングプーリ73よりもベルトプーリ79側に位置するよう移動プーリマウント38を移動させる。この際に、固定エージングプーリ73と移動エージングプーリ84が当たることが無いように、隣接する2つの固定エージングプーリ73と固定エージングプーリ73との間隔を移動エージングプーリ84の外径よりも大きくし、かつ固定エージングプーリ73の間を通過できる位置に移動エージングプーリ84を配置する必要がある。
一方、移動エージングプーリ84が外側にある場合(固定エージングプーリ73よりもベルトプーリ79側に位置している場合)、可撓管22を往復動作させる往復動作中には移動エージングプーリ84が固定エージングプーリ73よりもベルトプーリ79側に位置するよう配置する。そして、可撓管22を回転させる際等、可撓管22を往復動作させる往復動作以外の動作を行う場合には、移動エージングプーリ84が固定エージングプーリ73よりも駆動プーリ80側に位置するよう移動プーリマウント38を移動させる。この際に、固定エージングプーリ73と移動エージングプーリ84とが当たることが無いように、隣接する2つの移動エージングプーリ84と移動エージングプーリ84との間隔を固定エージングプーリ73の外径よりも大きくし、かつ移動エージングプーリ84の間を通過できる位置に固定エージングプーリ73を配置する必要がある。
最外部の固定エージングプーリ73から見た可撓管22の牽引方向が、右チャックユニット47および左チャックユニット71の往復方向と大きく異なる場合には、右チャックユニット47および左チャックユニット71にチャックされている可撓管22の端部に無理な屈曲をかけ、破壊してしまう恐れがある。
そこで、図19(A)〜(C)に示すように、固定エージングプーリ73および移動エージングプーリ84の個数・配置に応じて右往復装置35および左往復装置36の間隔を調整する。
・図19(A)〜(C)は、固定エージングプーリ73を外側に配置し、固定エージングプーリ73および移動エージングプーリ84の合計個数を5個、3個、1個とした場合の配置例を示している。図19(A)は、固定エージングプーリ73および移動エージングプーリ84の合計個数が5個の場合を示す。ここでは、固定エージングプーリ73が3個、移動エージングプーリ84が2個配置されている。図19(B)は、固定エージングプーリ73および移動エージングプーリ84の合計個数が3個の場合を示す。ここでは、固定エージングプーリ73が2個、移動エージングプーリ84が1個配置されている。図19(C)は、固定エージングプーリ73および移動エージングプーリ84の合計個数が1個の場合を示す。ここでは、1個の固定エージングプーリ73のみが配置されている。これにより、最外部の固定エージングプーリ73から見た可撓管22の牽引方向が、右チャックユニット47および左チャックユニット71の往復方向と略等しくなるように設定することができる。
移動エージングプーリ84を外側に配置した場合にも同様に、移動エージングプーリ84から見た可撓管22の牽引方向が、右チャックユニット47および左チャックユニット71の往復方向と略等しくなるように設定することが望ましい。
以上、エージング装置本体32の構造を説明してきた。エージング装置本体32は、制御装置33により次の4つの基本動作を行なうことができるようになっている。
・右チャックユニット47および左チャックユニット71を指定の速度、加速度で往復させることができる。
・右チャックユニット47および左チャックユニット71の牽引力量を指定の値に一定に保つことが出来る。
・右チャックユニット47および左チャックユニット71を指定の角度だけ回転させることができる。
・移動プーリマウント38を指定の位置へ移動させることができる。
そして、様々な条件に適したエージングを行うために、以下の項目を任意設定可能にしている。
・往復開始位置
・往復折り返し位置
・往復の速度・加速度
・往復の制御方式
・右チャックユニット47および左チャックユニット71の往復時の牽引力量
・右チャックユニット47および左チャックユニット71の往復時の抵抗力量
・右チャックユニット47および左チャックユニット71の往復時以外の牽引力量
・往路、復路の各々における牽引側スタート遅れ時間
・往復回数
・可撓管22のねじり方向
・可撓管22のねじり角度
・可撓管22の回転方向
・可撓管22の回転角度ピッチ
・可撓管22の回転数
・往復時の移動エージングプーリ84位置
・往復時以外の移動エージングプーリ84位置
上記項目を設定することで、1つのエージングパターンが定義される。制御装置33は、複数のエージングパターンを記憶できるようになっており、その中から複数のエージングパターンを選択し、連続して出力できるようになっている。
なお、制御装置33が記憶できるエージングパターンは、8個以上であることが望ましく、連続して出力できるエージングパターンは4個以上であることが望ましい。
次に、本実施の形態の第1のエージング装置31を用いたエージングの工程を、図20乃至図22に基いて説明する。図20および図21は、固定エージングプーリ73を2個、移動エージングプーリ84を1個使用してエージングを行う場合を例示している。
(1)第1のエージング装置31の使用時には移動エージングプーリ84を予め図20に示す可撓管22のセット位置に移動させる。このとき、移動エージングプーリ84が固定エージングプーリ73よりもベルトプーリ79側に位置するよう移動プーリマウント38を移動させる。このように指定された「往復時以外の移動エージングプーリ84位置」に移動させた状態で、固定エージングプーリ73と移動エージングプーリ84との間に可撓管22を通す。このセット状態では、図22中の開始時点t0の右チャックユニット47および左チャックユニット71による可撓管22の両端のチャック状態に示すとおり、可撓管22の両端は、互いにねじれのない関係にセットされる。
図22は、可撓管22を軸回り方向に回転させる動作と、3つのプーリ73,84,73に沿わせて可撓管22の中間成形物を全長に渡り往復させる動作との組合せ状態を説明する説明図である。なお、図22中で、22Aは図21のように3つのプーリ73,84,73に可撓管22の中間成形物をそれぞれ略半周巻き付けた状態で右チャックユニット47による可撓管22の一端部の端面側のチャック状態を矢印22A方向から見た状態を示す。同様に、22Bは、その可撓管22の他端部の端面側のチャック状態を矢印22B方向から見た状態を示す。
(2)次に、移動エージングプーリ84を図21に示す可撓管22のエージング工程開始位置に移動させる。このとき、移動エージングプーリ84が固定エージングプーリ73よりも駆動プーリ80側に位置するよう移動プーリマウント38を移動させる。
(3)その後、右チャックユニット47および左チャックユニット71を駆動して可撓管22の両端をチャックする制御信号が出力される(図22中のt1時点)。このとき、チャック開閉機構57の3つの爪59が径方向に沿って内部側に向けて駆動される。この3つの爪59の閉動作により可撓管22の一端が把持してチャックされる(図22中のt2時点)。
(4)その後、図22中のt3時点で可撓管22の一端側を回転させるねじり駆動信号が出力される。これにより、右チャックユニット47を、指定された「ねじり方向」、「ねじり角度」まで回転させて可撓管22にねじりを加える(図22中のt4時点)。なお、右チャックユニット47を回転させる代わりに左チャックユニット71を回転させても良い。
(5)続いて、右チャックユニット47の牽引力量を指定された「往復時以外の牽引力量」に保ちつつ、左チャックユニット71を指定された「往路スタート位置」まで移動させ、停止させる。
(6)その後、左チャックユニット71の位置を保持し、右チャックユニット47の牽引力量を指定された「往復時以外の牽引力量」に保ちつつ、移動エージングプーリ84を、指定された「往復時の移動エージングプーリ84位置」まで移動させて図21に示す状態にする。
(7)指定された「往復開始位置」と「往復折り返し位置」の間を、指定された「往復回数」往復させ、停止させる。なお、往復は、「往復の制御方式」で次のいずれかを選択して行う。
・右チャックユニット47および左チャックユニット71のうち牽引側に位置する方を指定された「往復時の牽引力量」に保ち、その牽引力に応じた方向に、追従側に位置する方を指定された「速度・加速度」にて駆動する。
・右チャックユニット47および左チャックユニット71のうち追従側に位置する方を指定された「往復時の抵抗力量」に保ち、その抵抗力量に反して牽引側に位置する方を指定された「速度・加速度」にて駆動する。
・右チャックユニット47および左チャックユニット71の双方を指定された「速度・加速度」にて駆動することで行う。
また、往路においては左チャックユニット71、復路においては右チャックユニット47のスタート時刻を、指定された「遅延時間」だけ遅延させる。これにより、可撓管22に適度なたるみを与え、過度のストレスがかかることを防止する。
(8)右チャックユニット47の牽引力量を指定された「牽引力量」に保ちつつ、移動エージングプーリ84を指定された「往復時以外の移動エージングプーリ84位置」まで移動させる。
(9)可撓管22の両端を、指定された「回転角度ピッチ」分だけ回転させる。
(10)(6)乃至(9)の手順を、可撓管22が指定された「回転数」だけ回転するまで継続し、停止する。
(11)次のエージングパターンに移行し、(4)乃至(10)を実施する。次のパターンが無ければ、右チャックユニット47および左チャックユニット71の牽引力量を0にし、可撓管22を取り外して終了する。
そこで、上記方法では本実施の形態の第1のエージング装置31を使用することで、次の効果が得られる。すなわち、可撓管22の取り付け・取り外し以外の作業を全て自動で行なうことができるため、作業者によらない安定したエージング工程を実施することができる。さらに、図16に示す交換用伝達ディスク64−2を使用することにより、可撓管22の回転に遊びを設けることが出来るため、可撓管22に無理なねじりが加えられることを防止できる。
また、固定エージングプーリ73、移動エージングプーリ84の配置を任意に設定することができ、かつそれに応じて右往復装置35および左往復装置36の配置を任意に設定することが出来る。そのため、可撓管22の種類に応じて最適な配置を選択することができる。
さらに、固定エージングプーリ73および移動エージングプーリ84の外周に設けたV溝75により、床面に対し垂直な方向の可撓管22の移動を防止することができ、可撓管22にかかるストレスを一定に保つことが出来る。
また、往復の速度・加速度、右チャックユニット47および左チャックユニット71の牽引力量、往路・復路各々における牽引側スタート遅れ時間、往復回数、可撓管22のねじり方向・ねじり角度、可撓管22の回転方向・回転角度ピッチ、可撓管22の回転数を任意に設定することができる。そのため、可撓管22の種類に応じ必要最小限のエージングを選択して実施することができる。
また、制御装置33によって複数のエージングパターンを記憶することができるため、可撓管22の種類に応じエージングパターンを容易に使い分けることができる。さらに、複数のエージングパターンを連続して出力できるため、第2の方法(図6参照)におけるエージングのように、可撓管22の全長を複数のパートに分けてエージングを行なう場合にも、可撓管22の取り付け・取り外し以外の作業を自動で行なうことができる。
また、移動エージングプーリ84を可動式としたことで、可撓管22の取り付け・取り外しが容易になる。また、図17(A),(B)に示すように爪59の可撓管22を把持する面に例えば、ポリウレタンやゴム等摩擦係数の高い材質より成るすべり止め部材60を張りつけることにより、可撓管22の回転に必要な力量を小さくすることができる。これにより、小さなチャック力量で可撓管22のはずれを防止することができ、可撓管22のつぶれを防止することができる。
さらに、次のエージングパターンへの移行時にかかる曲げを最小限に留めることができる。これは、複数のエージングパターンを利用して第2の方法におけるエージングを行なう場合に、次のパートへ移行する際のフレックス偏りを無くすことができるという点で有効である。
[第6の実施の形態]
図23は、本発明の第6の実施の形態を示す。本実施の形態は、第1の方法乃至第4の方法におけるエージング工程を実施するための第5の実施の形態(図11(A),(B)乃至図22参照)の第1のエージング装置31の一部を次の通り変更した第2のエージング装置91を設けたものである。
この第2のエージング装置91は、固定エージングプーリ73および移動エージングプーリ84のうち少なくとも1つのプーリの回転軸が、他のプーリの回転軸と非平行になるようにしたものである。
図23は、図11(A)の第1のエージング装置31を同図中で左側から見た側面図である。ここでは、2個の固定エージングプーリ73と1個の移動エージングプーリ84を用い、固定エージングプーリ73を外側に配置した場合を示している。
図23に示すように固定エージングプーリ73の回転軸92は、床面に向かうに従い互いに遠ざかるように傾斜している。一方、移動エージングプーリ84の回転軸93は、床面に垂直になっている。
また、固定エージングプーリ73のV溝75の中心の高さは、他方の固定エージングプーリ73から最も遠くなる所で円柱部材56の中心軸高さと等しくなるように設定され、かつ他方の固定エージングプーリ73に最も近い所で移動エージングプーリ84のV溝75の中心高さと等しくなるように設定されている。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の第2のエージング装置91では固定エージングプーリ73を傾けているので、各エージングプーリ73、84に沿って湾曲する可撓管22の各湾曲個所における湾曲方向を含む平面は互いに異なる。よって、可撓管22の両端が互いにねじれのないようにチャックすれば、可撓管22に往復運動を行なわせるのみで可撓管22に曲げとねじりをかけることができる。従って、第1のエージング装置31における工程(4)を省略することができ、制御装置33の制御プログラムを簡略化することができる。
[第7の実施の形態]
また、図24は本発明の第7の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第5の実施の形態(図11(A),(B)乃至図22参照)の第1のエージング装置31の一部を次の通り変更した第3のエージング装置101を設けたものである。
すなわち、本実施の形態の第3のエージング装置101は、固定エージングプーリ73および移動エージングプーリ84の床面からの溝中心高さが異なるようにしたものである。
図24は、図11(A)の第1のエージング装置31を同図中で左側から見た側面図である。ここでは、3個の固定エージングプーリ73と2個の移動エージングプーリ84を用い、固定エージングプーリ73を外側に配置した場合を示している。
このように固定エージングプーリ73が外側にある場合には、固定エージングプーリ73のV溝75の中心の高さを第1のエージング装置31と同様に円柱部材56の中心軸の高さと等しく設定する。これに対し、移動エージングプーリ84のV溝75の中心高さが円柱部材56の中心軸の高さと異なるようにする。
一方、移動エージングプーリ84が外側にある場合には、移動エージングプーリ84のV溝75の中心の高さを円柱部材56の中心軸の高さと等しく設定する。これに対し、固定エージングプーリ73のV溝75の中心高さが円柱部材56の中心軸の高さと異なるように設定する。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の第3のエージング装置101では固定エージングプーリ73および移動エージングプーリ84の高さを変えることで、各エージングプーリ73、84に沿って湾曲する可撓管22の各湾曲個所における湾曲方向を含む平面は互いに異なる。よって、可撓管22の両端が互いにねじれのないようチャックすれば、可撓管22に往復運動を行なわせるのみで可撓管22に曲げとねじりをかけることができる。従って、第1のエージング装置31における工程(4)を省略することができ、制御装置33の制御プログラムを簡略化することができる。
[第8の実施の形態]
また、図25は本発明の第8の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第5の実施の形態(図11(A),(B)乃至図22参照)の第1のエージング装置31の一部を次の通り変更した第4のエージング装置111を設けたものである。
この第4のエージング装置111は、第1のエージング装置31におけるエージング装置本体32を床面に対し垂直方向になるように設置したものである。これにより、右チャックユニット47と左チャックユニット71の往復動作の方向が鉛直方向に配置される。図25は、固定プーリマウント37をエージング装置本体32の上側に配置し、右駆動装置43と左駆動装置67をエージング装置本体32の下側に配置して設置した場合を示している。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の第4のエージング装置111は、エージング装置本体32を床面に対し垂直方向になるように設置したので、第1のエージング装置31のようにエージング装置本体32を床面に対し平行(水平方向)に設置した場合に比べて占有床面積を小さくすることができる。そのため、床面積の狭い場所に設置することが可能になる。
[第9の実施の形態]
図26は、本発明の第9の実施の形態を示す。本実施の形態は、第5の実施の形態(図11(A),(B)乃至図22参照)の第1のエージング装置31の一部を次の通り変更した第5のエージング装置121を設けたものである。
すなわち、本実施の形態の第5のエージング装置121は、固定エージングプーリ73および移動エージングプーリ84を合わせた全てのプーリのうち少なくとも1つにプーリ駆動装置122を設け、自動回転するようにしたものである。
本実施の形態では、図26に示すように1個の固定エージングプーリ73を用いてエージングを行なう場合を示している。ここでは、プーリ駆動装置122の回転軸123が床面に対し垂直下向きにして固定プーリマウント37に固定されている。その回転軸123に固定エージングプーリ73が固定されている。
プーリ駆動装置122の回転角速度は、プーリ73と可撓管22との接触部において、プーリ接線速度と可撓管22の往復速度とが等しくなるように設定されている。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の第5のエージング装置121では1個の固定エージングプーリ73にプーリ駆動装置122を設け、自動回転するようにしたので、可撓管22が固定エージングプーリ73に沿って湾曲しながら通過する際の摩擦抵抗が低減される。そのため、右チャックユニット47と左チャックユニット71の牽引力量を小さくすることができる。その結果、右駆動装置43および左駆動装置67に小型で安価なものを使用することができる。また、エージング工程中に可撓管22に作用するテンションを小さくすることができ、より可撓管22を破壊しにくいエージングを実施することができる。
[第10の実施の形態]
また、図27乃至図29は本発明の第10の実施の形態を示す。本実施の形態は第5の実施の形態(図11(A),(B)乃至図22参照)の第1のエージング装置31の一部を次の通り変更した第6のエージング装置131を設けたものである。
この第6のエージング装置131は、図27に示すように3個の固定エージングプーリ73a〜73cと、2個の移動エージングプーリ84a,84bを有する。固定プーリマウント37には第1のプーリ駆動装置132が固定されている。この第1のプーリ駆動装置132の回転軸には、3個の固定エージングプーリ73a〜73cのうちの1つ、ここでは固定エージングプーリ73aが固定されている。
さらに、固定エージングプーリ73aの回転軸には、第1のベルト駆動プーリ134が同軸的に固定されている。また、固定エージングプーリ73bの回転軸には第1のベルト連動プーリ135が同軸的に固定されている。固定エージングプーリ73cの回転軸には、第2のベルト連動プーリ136が同軸的に固定されている。
第1のベルト駆動プーリ134と第1のベルト連動プーリ135との間には第1の伝達ベルト137が掛け渡されている。さらに、第1のベルト連動プーリ135と第2のベルト連動プーリ136との間には第2の伝達ベルト138が掛け渡されている。
そして、第1の伝達ベルト137により第1のベルト駆動プーリ134の回転が第1のベルト連動プーリ135に伝達され、第2のベルト連動プーリ136により第1のベルト連動プーリ135の回転が第2のベルト連動プーリ136に伝達される。このようにして、第1のプーリ駆動装置132により固定エージングプーリ73aと、他の2つの固定エージングプーリ73b,73cとが連動して駆動される。
また、移動プーリマウント38には、第2のプーリ駆動装置139が固定されている。この第2のプーリ駆動装置139の回転軸には、2個の移動エージングプーリ84a,84bのうちの1つ、ここでは移動エージングプーリ84aが固定されている。
さらに、移動エージングプーリ84aの回転軸には、第2のベルト駆動プーリ140が固定されている。移動エージングプーリ84bには、第3のベルト連動プーリ141が同軸的に固定されている。
また、第2のベルト駆動プーリ140と第3のベルト連動プーリ141との間には第3の伝達ベルト142が掛け渡されている。そして、第3の伝達ベルト142により第2のベルト駆動プーリ140の回転が第3のベルト連動プーリ141に伝達される。このようにして、第2のプーリ駆動装置139により移動エージングプーリ84aと、他の移動エージングプーリ84bとが連動して駆動される。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の第6のエージング装置131では第1のプーリ駆動装置132によって固定エージングプーリ73aと、他の2つの固定エージングプーリ73b,73cとが連動して駆動され、第2のプーリ駆動装置139により移動エージングプーリ84aと、他の移動エージングプーリ84bとが連動して駆動される。そのため、第6のエージング装置131を用いることにより、可撓管22が各固定エージングプーリ73a,73b,73cおよび移動エージングプーリ84a,84bを通過する際の抵抗が低減され、右チャックユニット47と左チャックユニット71の牽引力量を小さくすることができる。その結果、右駆動装置43および左駆動装置67に小型で安価なものを使用することが可能となる。また、可撓管22にかかるテンションを小さくすることができ、より可撓管22を破壊しにくいエージングを実施することができる。
次に、本発明による効果のデータを示す。以下の製造条件により、樹脂の配合比率が異なる2種類の可撓管22をそれぞれ9本ずつ製造し、アニールおよびエージングを行なう以前と以後とで可撓性および反発弾性を測定した。なお、アニールおよびエージングは、コーティング完了の後に行なった。
アニール条件:100℃の雰囲気中に8時間放置。
エージング条件:可撓管22の全長を3つのパートに分割して実施。
3個のプーリを使用。
可撓管22のねじり角度は0°。
5往復の後、90°回転させ、可撓管が2回転するまで実施。
そして、以下の結果が得られた。1種目の可撓管22の9本において、アニールおよびエージングを行なった結果、可撓性は平均で31%良好になり、反発弾性は平均で5%向上していることが分かった。また、可撓性の標準偏差は55%減少していることが分かった。
2種目の可撓管22の9本において、アニールおよびエージングを行なった結果、可撓性は平均で28%良好になり、反発弾性は平均で4%向上していることが分かった。また、可撓性の標準偏差は44%減少していることが分かった。
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項A) 少なくともフレックスの外側にブレードを被覆するブレード被覆工程、熱可塑性エラストマーを軟化溶融し、これを前記ブレードに被着させて外皮を形成するチュービング工程を有する内視鏡用可撓管の製造方法において、該可撓管を少なくとも1つのプーリに沿うよう屈曲させた状態で往復させることにより、該可撓管の少なくとも一部に亙り屈曲させるエージング工程を有することを特徴とする内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項Aの従来技術) 一般に、内視鏡挿入部の主体を構成する可撓管は、少なくとも一重の弾性帯状板を螺旋状に巻回したフレックスを、金属細線等で編組されたブレードで被覆した内部構造部材の外表面に、軟化溶融させた熱可塑性エラストマーを被着して外皮を形成した構成となっている。また、外皮の剥離を防止するために、ブレードと外皮との間には、例えばポリウレタンなどの接着剤を介在させるのが一般的である。
ところで医療用内視鏡は、挿入部を体腔内の深部まで挿入して使用されるため、挿入部の主体を構成する可撓管には、体腔内の屈曲に沿うことができる良好な可撓性が求められるとともに、手元側の押し込みやねじり操作を確実に先端に伝達できる優れた反発弾性が求められる。
このような要求に応える手段として、特開平2−131738に示されるように、柔軟性に優れる軟性エラストマーと、反発弾性に優れる硬性エラストマーの2種類の熱可塑性エラストマーを軟化溶融させて均一に混合し、これを被着して可撓管の外皮を形成する方法が実施されている。この方法によると、軟性エラストマーと硬性エラストマーの混合比率を調整することで、可撓性と反発弾性のバランスが適切な可撓管を製造することができる。
(付記項Aが解決しようとする課題) しかしながら、前述の方法により製造された可撓管には、ブレードに染み込み硬化した接着剤により可撓性が悪化するとともに、反発弾性も低下してしまうという問題があった。エラストマーの混合比率以外の要因により可撓性が悪化するため、硬性エラストマーの混合量には限界があり、現状の可撓性を維持しつつ反発弾性を向上させることは困難であった。また、ブレードへの接着剤の染み込み具合の差異により個体間での可撓性に大きな差を生じてしまうという問題もあった。さらに、内視鏡の使用時に可撓管に屈曲やねじりが加えられることで、ブレードに染み込んだ接着剤が断ち切られるため、長期の使用で内視鏡挿入部が必要以上に軟らかくなり、手元側の押し込みやねじり操作を先端に伝達しにくくなるという問題があった。
(付記項Aの目的) 前記事情に鑑み、本発明は、現状の可撓性を維持しつつ反発弾性に富み、個体間のばらつきが小さく、かつ長期の使用によっても必要以上に軟化することのない内視鏡用可撓管と、その製造方法の提供を目的とする。
(付記項Aの課題を解決するための手段) 本発明は、上記目的を達成するために、少なくともフレックスの外側にブレードを被覆するブレード被覆工程、熱可塑性エラストマーを軟化溶融し、これを前記ブレードに被着させて外皮を形成するチュービング工程を有する内視鏡用可撓管の製造方法において、該可撓管を少なくとも1つのプーリに沿うよう屈曲させた状態で往復させることにより、該可撓管の少なくとも一部に亙り屈曲させるエージング工程を有することを特徴とする。
(付記項Aの作用) 本発明の作用を図5(A)および図5(B)に基づいて説明する。図5(A)は、エージング工程実施の形態の可撓管拡大図であり、図5(B)はエージング工程実施後の可撓管拡大図である。本発明によると、図5(A)に示すようにブレード24に染み込んだ接着剤27を、図5(B)に示すように細断することで可撓性および反発弾性を良好にすることができるとともに、可撓性が良好になるのに応じて硬性エラストマーを増量することができる。図5(B)は、模式的に接着剤27の断裂部をくさび状に表しているが、実際には可撓管が屈曲されない限り断裂部に空間が生じることはない。また、ブレード24への接着剤27の染み込み具合が可撓性に与える影響を小さくすることができるため、個体間の可撓性ばらつきを小さくすることができる。さらに、内視鏡の使用時に発生するブレード24に染み込んだ接着剤27の断裂による必要以上の軟化が低減される。
なお、可撓管を曲げることによる接着剤27の伸縮は、ブレード素線の束と束の間に発生しやすい。よって、図5(A)に示すように接着剤27の断裂は大半がブレード24の素線の束と束の間に生じ、ブレード24の素線の束がある部分の接着剤27は断裂せずに残るため、強度上必要とされるブレード24と外皮25の密着力は確保される。
(付記項Aの効果) 以上に述べたように、本発明によれば、現状の可撓性を維持しつつ反発弾性に富み、個体間のばらつきが小さく、かつ長期の使用を経ても必要以上に軟化することのない優れた内視鏡用可撓管を得ることができる。
(付記項1) 少なくとも帯状板を螺旋状に巻回した螺旋管であるフレックスの外側にブレード素線を網状に編組させた網管であるブレードを被覆して可撓管の内部構造部材を形成する内部構造部材形成工程と、熱可塑性エラストマーを軟化溶融し、これを前記内部構造部材のブレードの外周面に被着させて外皮を形成するチュービング工程と、前記チュービング工程の終了後、少なくとも一つのプーリの外周面の円周の一部分に沿わせて前記可撓管を巻き付けて湾曲させた状態で前記可撓管を軸線方向に往復させることにより、前記可撓管と前記プーリの円弧状の接触部との圧接部で前記ブレードに染み込んだ接着剤を細断するエージング工程とを設けたことを特徴とする内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項2) 前記チュービング工程の終了後、前記外皮の外表面にコーティング剤によるトップコートを被覆するコーティング工程を設け、前記コーティング工程後に、前記エージング工程を行なう工程順序にしたことを特徴とする付記項1に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項3) 前記チュービング工程の終了後、前記エージング工程を行ない、その後に前記外皮の外表面にコーティング剤によるトップコートを被覆するコーティング工程を行なう工程順序にしたことを特徴とする付記項1に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項4) 少なくとも帯状板を螺旋状に巻回した螺旋管であるフレックスの外側にブレード素線を網状に編組させた網管であるブレードを被覆して可撓管の内部構造部材を形成する内部構造部材形成工程と、熱可塑性エラストマーを軟化溶融し、これを前記内部構造部材のブレードの外周面に被着させて外皮を形成するチュービング工程と、前記チュービング工程の終了後、前記可撓管の中間成形物を前記外皮の軟化点近傍温度の雰囲気中にて加熱するアニール工程と、前記アニール工程の終了後、少なくとも一つのプーリの外周面の円周の一部分に沿わせて前記可撓管を巻き付けて湾曲させた状態で前記可撓管を軸線方向に往復させることにより、前記可撓管と前記プーリの円弧状の接触部との圧接部で前記ブレードに染み込んだ接着剤を細断するエージング工程とを設けたことを特徴とする内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項5) 少なくとも帯状板を螺旋状に巻回した螺旋管であるフレックスの外側にブレード素線を網状に編組させた網管であるブレードを被覆して可撓管の内部構造部材を形成する内部構造部材形成工程と、熱可塑性エラストマーを軟化溶融し、これを前記内部構造部材のブレードの外周面に被着させて外皮を形成するチュービング工程と、前記チュービング工程の終了後、前記可撓管の中間成形物を前記外皮の軟化点近傍温度の雰囲気中にて加熱するアニール工程とを有することを特徴とする内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項6) 前記エージング工程は、前記アニール工程の終了後、少なくとも一つのプーリの外周面の円周の一部分に沿わせて前記可撓管を巻き付けて湾曲させた状態で前記可撓管を軸線方向に往復させることにより、前記可撓管と前記プーリの円弧状の接触部との圧接部で前記ブレードに染み込んだ接着剤を細断することを特徴とする付記項4に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項7) 前記チュービング工程の終了後、少なくとも一つのプーリの外周面の円周の一部分に沿わせて前記可撓管を巻き付けて湾曲させた状態で前記可撓管を軸線方向に往復させることにより、前記可撓管と前記プーリの円弧状の接触部との圧接部で前記ブレードに染み込んだ接着剤を細断するエージング工程を設け、前記エージング工程の終了後、前記アニール工程を行なう工程順序にしたことを特徴とする付記項5に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項8) 前記外皮の表面に皮膜を形成するコーティング工程を有することを特徴とする付記項1乃至付記項6のいずれかに内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項9) 前記コーティング工程は、前記アニール工程および前記エージング工程の前に行なうことを特徴とする付記項8に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項10) 前記コーティング工程は、前記アニール工程および前記エージング工程の後に行なうことを特徴とする付記項8に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項11) 前記コーティング工程は、前記アニール工程と前記エージング工程との間に行なうことを特徴とする付記項8に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項12) 前記アニール工程は、90℃〜110℃の雰囲気中にて加熱する工程を有することを特徴とする付記項5乃至付記項11のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項13) 前記アニール工程は、90℃〜110℃の雰囲気中にて4時間〜8時間加熱する工程を有することを特徴とする付記項5乃至付記項12のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項14) 前記アニール工程は、前記アニール工程の後、室温にて冷却する工程を有することを特徴とする付記項4または付記項5のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項15) 前記アニール工程は、前記可撓管を略直線状にして行なうことを特徴とする付記項5乃至付記項14に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項16) 前記エージング工程は、直径30mm〜60mmのプーリを用いて行なうことを特徴とする付記項1乃至付記項4、付記項6乃至付記項15のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項17) 前記エージング工程は、前記可撓管のうち前記プーリに沿って湾曲される範囲の各部を、少なくとも異なる2つの方向に湾曲させることを特徴とする付記項1乃至付記項4、付記項6乃至付記項16のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項18) 前記エージング工程は、少なくとも一つのプーリの外周面の円周の一部分に沿わせて前記可撓管を巻き付けて湾曲させた状態で前記可撓管を軸線方向に往復させた後に、前記可撓管をその中心軸周り方向に回転させ、前記可撓管を軸線方向に再度往復させることを繰返し、前記プーリにより湾曲される範囲の各部を、少なくとも異なる2つの方向に湾曲させるように行なうことを特徴とする付記項17に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項19) 前記エージング工程は、前記可撓管に軸回り方向のねじり力を加えた状態で行なう工程を有することを特徴とする付記項1乃至付記項4、付記項6乃至付記項18のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項20) 前記エージング工程は、複数のプーリに前記可撓管を沿わせ、前記可撓管の湾曲個所を前記プーリの個数と同数にして行なう工程を有することを特徴とする付記項1乃至付記項4、付記項6乃至付記項19のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項21) 前記エージング工程は、前記可撓管を少なくとも1つの前記プーリに沿って湾曲させる部分と、前記プーリ以外のプーリに沿って湾曲させる部分とが連続するように行なうことを特徴とする付記項20に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項22) 前記エージング工程は、前記可撓管が前記プーリの1つに沿って湾曲する部分と、前記プーリ以外の前記プーリに沿って湾曲する部分とが、少なくとも端部と端部とで重複するように行なうことを特徴とする付記項20に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
が成立するように行なうことを特徴とする付記項20に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項24) 前記エージング工程は、奇数個の前記プーリに前記可撓管を沿わせ、湾曲個所を前記プーリの個数と同数にして行なうことを特徴とする付記項20乃至付記項23のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項25) 前記エージング工程は、3個の前記プーリに前記可撓管を沿わせ、湾曲個所を3箇所にして行なうことを特徴とする付記項24に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項26) 前記エージング工程は、5個の前記プーリに前記可撓管を沿わせ、湾曲個所を5箇所にして行なうことを特徴とする付記項25記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項27) 複数の前記プーリは、いずれの前記プーリにおいても前記可撓管の湾曲方向が、80°〜180°の範囲で変えられるように前記プーリを配置したことを特徴とする付記項20乃至付記項26のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項28) 前記可撓管は、軸方向に沿って複数の部分に区切り、各区切り部分ごとに、各々の区切り部分のうち少なくとも一部が湾曲されるように前記エージング工程を行なうことを特徴とする付記項1乃至付記項4、付記項6乃至付記項27のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項29) 前記複数の区切り部分のうち一部分に対し行なう前記エージング工程により湾曲される範囲と、前記一部分以外の少なくとも一部分に対し行なうエージング工程により湾曲される範囲とが連続するようにしたことを特徴とする付記項28に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項30) 前記複数の区切り部分のうち一部分に対し行なう前記エージング工程により湾曲される範囲と、前記一部分以外の少なくとも一部分に対し行なうエージング工程により湾曲される範囲とで少なくとも一部を重複させるようにしたことを特徴とする付記項28に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項31) 前記エージング工程は、前記可撓管の長さ方向の全体が湾曲されるように前記可撓管を往復動作させることを特徴とする付記項1乃至付記項4、付記項6乃至付記項30のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項32) 前記熱可塑性エラストマーは、ポリウレタンとポリエステルの混合体であることを特徴とする付記項1乃至付記項31のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項33) 前記熱可塑性エラストマーは、ポリウレタンであることを特徴とする付記項1乃至付記項31のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項34) 前記熱可塑性エラストマーは、ポリウレタンを主体とすることを特徴とする付記項1乃至付記項31のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項35) 前記熱可塑性エラストマーは、ポリエステルを主体とすることを特徴とする付記項1乃至付記項31のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
(付記項36) 少なくとも帯状板を螺旋状に巻回した螺旋管であるフレックスの外側にブレード素線を網状に編組させた網管であるブレードを被覆して可撓管の内部構造部材を形成する内部構造部材形成工程と、熱可塑性エラストマーを軟化溶融し、これを前記内部構造部材のブレードの外周面に被着させて外皮を形成するチュービング工程と、前記チュービング工程の終了後、少なくとも一つのプーリの外周面の円周の一部分に沿わせて前記可撓管を巻き付けて湾曲させた状態で前記可撓管を軸線方向に往復させることにより、前記可撓管と前記プーリの円弧状の接触部との圧接部で前記ブレードに染み込んだ接着剤を細断するエージング工程とを有する内視鏡用可撓管の製造方法によって製造されたことを特徴とする内視鏡用可撓管。
(付記項37) 少なくとも帯状板を螺旋状に巻回した螺旋管であるフレックスの外側にブレード素線を網状に編組させた網管であるブレードを被覆して可撓管の内部構造部材を形成する内部構造部材形成工程と、熱可塑性エラストマーを軟化溶融し、これを前記内部構造部材のブレードの外周面に被着させて外皮を形成するチュービング工程と、前記チュービング工程の終了後、前記可撓管の中間成形物を前記外皮の軟化点近傍温度の雰囲気中にて加熱するアニール工程とを有する内視鏡用可撓管の製造方法によって製造されたことを特徴とする内視鏡用可撓管。
(付記項37−2) 少なくとも帯状板を螺旋状に巻回した螺旋管であるフレックスの外側にブレード素線を網状に編組させた網管であるブレードを被覆して可撓管の内部構造部材を形成する内部構造部材形成工程と、熱可塑性エラストマーを軟化溶融し、これを前記内部構造部材のブレードの外周面に被着させて外皮を形成するチュービング工程と、前記チュービング工程の終了後、前記可撓管の中間成形物を前記外皮の軟化点近傍温度の雰囲気中にて加熱するアニール工程と、前記アニール工程の終了後、少なくとも一つのプーリの外周面の円周の一部分に沿わせて前記可撓管を巻き付けて湾曲させた状態で前記可撓管を軸線方向に往復させることにより、前記可撓管と前記プーリの円弧状の接触部との圧接部で前記ブレードに染み込んだ接着剤を細断するエージング工程とを有する内視鏡用可撓管の製造方法によって製造されたことを特徴とする内視鏡用可撓管。
(付記項38) 前記熱可塑性エラストマーは、ポリウレタンとポリエステルの混合体であることを特徴とする付記項36または37のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
(付記項39) 前記熱可塑性エラストマーは、ポリウレタンであることを特徴とする付記項36または37のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
(付記項40) 前記熱可塑性エラストマーは、ポリウレタンを主体とすることを特徴とする付記項36または37のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
(付記項41) 前記熱可塑性エラストマーは、ポリエステルを主体とすることを特徴とする付記項36または37のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
(付記項42) 内視鏡用可撓管の両端を把持する2つのチャック装置と、前記内視鏡用可撓管の両端間の部分が巻き掛けられるプーリと、前記可撓管の一端側にある前記チャック装置を前記可撓管の軸方向に牽引する動作にともない前記プーリの外周面に沿って湾曲する前記可撓管の湾曲部を介して前記可撓管の他端側にある前記チャック装置を追従させることにより、前記接着剤を前記可撓管と前記プーリの円弧状の接触部との圧接部で細断して前記可撓管の可撓性および反発弾性を調整するチャック往復装置とを具備することを特徴とする内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項43) 前記チャック往復装置は、牽引側にある前記チャック装置の牽引力量を一定に保ち、追従側にある前記チャック装置をその牽引力に応じた方向へ、定められた速度・加速度で追従させることで前記可撓管にエージング工程を施す手段を有することを特徴とする付記項42に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項44) 前記チャック往復装置は、牽引側にある前記チャック装置の牽引力量を任意に設定可能としたことを特徴とする付記項42に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項45) 前記チャック往復装置は、前記追従側にある前記チャック装置に一定の抵抗力量を発生させる抵抗力量発生部と、前記抵抗力量発生部の抵抗力量に抗して前記牽引側にある前記チャック装置を定められた速度・加速度で牽引することで前記可撓管を往復させる手段を有することを特徴とする付記項42に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項46) 前記チャック往復装置は、追従側にある前記チャック装置の抵抗力量を任意に設定可能としたことを特徴とする付記項42に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項47) 前記チャック往復装置は、牽引側にある前記チャック装置を定められた速度・加速度で牽引し、それに応じた方向へ同じ速度・加速度で、追従側にある前記チャック装置を追従させることで前記可撓管を往復させる手段を有することを特徴とする付記項42に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項48) 前記チャック往復装置は、前記可撓管のたるみ量を任意に設定させる手段を有することを特徴とする付記項42に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項49) 前記チャック往復装置は、前記可撓管の往復開始位置と折り返し位置とを任意に設定させる手段を有することを特徴とする付記項42に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項50) 前記チャック往復装置は、前記可撓管の往復速度を任意に設定させる手段を有することを特徴とする付記項42乃至付記項49のいずれかに記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項51) 前記チャック往復装置は、前記可撓管の往復加速度を任意に設定させる手段を有することを特徴とする付記項42乃至付記項50のいずれかに記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項52) 前記チャック往復装置は、前記可撓管の往復回数を任意に設定させる手段を有することを特徴とする付記項42乃至付記項51のいずれかに記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項53) 前記チャック往復装置は、前記チャック装置の把持する前記可撓管端部の中心軸を回転軸とし、前記チャック装置を回転させるチャック回転装置を有することを特徴とする付記項42乃至付記項52のいずれかに内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項54) 前記チャック往復装置は、前記可撓管を一定回数往復させ、前記可撓管を一定角度ピッチ分回転させることを、一定の回数繰り返す手段を有することを特徴とする付記項53に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項55) 前記チャック往復装置は、前記角度ピッチを任意に設定する手段を有することを特徴とする付記項54に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項56) 前記チャック往復装置は、前記繰返し回数を任意に設定する手段を有することを特徴とする付記項54または付記項55に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項57) 前記チャック往復装置は、前記チャック回転装置の一方に遊びを設けたことを特徴とする付記項53乃至付記項56のいずれかに記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項58) 前記チャック往復装置は、前記チャック装置の一方のみを回転させることで、前記可撓管にねじりを加える手段を有することを特徴とする付記項53乃至付記項57のいずれかに記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項59) 前記チャック往復装置は、前記可撓管にねじりを加えた状態で、前記可撓管を往復させる手段を有することを特徴とする付記項58に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項60) 前記チャック往復装置は、前記可撓管をねじる角度を任意に設定する手段を有することを特徴とする付記項58または付記項59に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項61) 前記チャック往復装置は、前記プーリの外周に、周方向に沿う溝部を有することを特徴とする付記項42乃至付記項60のいずれかに記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項62) 前記チャック往復装置は、前記溝部をV溝としたことを特徴とする付記項61に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項63) 前記チャック往復装置は、前記プーリを複数有し、前記可撓管を前記各プーリに沿わせることで、前記プーリと同数の湾曲個所を形成することを特徴とする付記項42乃至付記項62のいずれかに記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項64) 前記チャック往復装置は、前記プーリを任意の位置に取り付ける手段を有することを特徴とする付記項63に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項65) 前記チャック往復装置は、少なくとも一つの前記プーリの回転軸が、他の前記プーリの回転軸と非平行になるようにしたことを特徴とする付記項63または付記項64に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項66) 前記チャック往復装置は、全ての前記プーリの外周に、周方向に沿う溝部を設けたことを特徴とする付記項63乃至付記項65のいずれかに記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項67) 前記チャック往復装置は、前記溝部をV溝としたことを特徴とする付記項66に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項68) 前記チャック往復装置は、少なくとも2つの前記プーリの回転軸を互いに平行にし、前記溝部の回転長手方向の位置が互いに異なるようにしたことを特徴とする付記項66または付記項67に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項69) 前記チャック往復装置は、少なくとも1つの前記プーリを移動させるプーリ移動装置を設け、前記可撓管の湾曲の緩急を変更する手段を有することを特徴とする付記項63乃至付記項68のいずれかに記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項70) 前記チャック往復装置は、前記可撓管を往復させる際には、前記可撓管の湾曲を急にし、前記可撓管を往復させる際以外には湾曲を緩くする手段を有することを特徴とする付記項69に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項71) 前記チャック往復装置は、前記プーリの外表面のすべり性を良くする手段を設けたことを特徴とする付記項42乃至付記項70のいずれかに記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項72) 前記チャック往復装置は、前記プーリをすべり性に優れた材質で形成したことを特徴とする付記項71に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項73) 前記チャック往復装置は、前記プーリの材質をPOMとしたことを特徴とする付記項72に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項74) 前記チャック往復装置は、前記プーリの外表面に潤滑剤を塗布したことを特徴とする付記項71に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項75) 前記チャック往復装置は、少なくとも1つの前記プーリを能動的に回転させるプーリ駆動装置を設けたことを特徴とする付記項42乃至付記項74のいずれかに記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項76) 前記チャック往復装置は、前記プーリ駆動装置により回転する前記プーリの回転角速度を、前記可撓管との接触部における接線速度が前記可撓管の往復速度と等しくなるように設定したことを特徴とする付記項75に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項77) 前記チャック往復装置は、複数の前記プーリを能動的に回転させるようにしたことを特徴とする付記項75または付記項76に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項78) 前記チャック往復装置は、前記プーリ駆動装置により回転する前記プーリの回転を、他のプーリに伝達する回転伝達装置を設けたことを特徴とする付記項77に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項79) 前記チャック往復装置は、前記チャック装置により把持される前記可撓管の端部の中心軸を、前記チャック装置上の一定位置に保持する手段を設けたことを特徴とする付記項42乃至付記項78のいずれかに記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項80) 前記チャック往復装置は、前記チャック装置を、少なくとも3つの把持面で前記可撓管の端部を挟持する構造とし、前記3つの把持面は、把持される前記可撓管端部の中心軸に平行で、かつ隣り合う前記把持面同士が非平行となるようにしたことを特徴とする付記項79に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項81) 前記チャック往復装置は、前記把持面に、滑り止め手段を設けたことを特徴とする付記項80に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項82) 前記チャック往復装置は、前記3つの把持面の表面に凹凸を設けたことを特徴とする付記項81に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項83) 前記チャック往復装置は、前記3つの把持面の表面を、すべり性の悪い材質で形成したことを特徴とする付記項81または付記項82に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項84) 前記チャック往復装置は、前記把持面による把持力量を、50N〜200Nとしたことを特徴とする付記項80乃至付記項83のいずれかに記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項85) 前記チャック往復装置は、少なくとも1つの動作パターンを記憶する記憶手段を有することを特徴とする付記項42乃至付記項84のいずれかに記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項86) 前記記憶手段は、複数の動作パターンを記憶する手段を有することを特徴とする付記項85に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項87) 前記記憶手段は、複数の動作パターンを連続して出力する手段を有することを特徴とする付記項85または付記項86に記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。
(付記項88) 前記記憶手段は、出力する動作パターンを選択する手段を有することを特徴とする付記項85乃至付記項87のいずれかに記載の内視鏡用可撓管のエージング装置。