JP2005538930A - ヒトfoxc2タンパク質およびfoxc−2相互作用タンパク質の複合体 - Google Patents

ヒトfoxc2タンパク質およびfoxc−2相互作用タンパク質の複合体 Download PDF

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Abstract

本発明は、FOXC2タンパク質と他のタンパク質、特にp621、NOLP、HSC71、FTP3、CLH1およびキナーゼAアンカータンパク質84/149(AKAP)と命名されたタンパク質とFOXC2との複合体に関する。タンパク質複合体は変調されたFOXC2活性により処置されうる病状、例えば肥満症、高トリグリセリド血症、食事誘導インスリン耐性および/または2型糖尿病などの処置のために有用な物質を同定する方法にて用いることが可能である。

Description

(技術分野)
本発明は、FOXC2タンパク質と他のタンパク質との複合体、特にFOXC2とp621、NOLP、HSC71、FTP3、CLH1およびキナーゼAアンカータンパク質84/14(AKAP)と命名されたタンパク質との複合体に関する。前記複合体は、変調されたFOXC2活性によって処置されうる病状、例えば肥満症、高トリグリセリド血症、食事誘導インスリン抵抗性および/または2型糖尿病の処置に有用な物質を同定する方法にて用いられ得る。
(発明の背景)
肥満症、高脂血症およびインスリン抵抗性は、2型糖尿病に共通の前兆である。ヒト・ウイングド・ヘリックス/フォークヘッド転写因子遺伝子であるFOXC2は、脂肪細胞代謝の主要な調節因子として同定された(Cederberg, A. et al.(2001)Cell 106:563−573)。脂肪細胞におけるFOXC2発現の増大は、徐脂肪およびインスリン感受性表現型を誘導する、遺伝子発現における多面的効果を有する。FOXC2は、脂肪細胞のPKAホロ酵素組成物の変化を介するベータ−アドレナリン−cAMPタンパク質キナーゼA(PKA)シグナル伝達経路の感受性を増加させることによって脂肪細胞の代謝に影響する。高脂肪の食事によって誘導されるFOXC2レベルの増大は、高トリグリセリド血症および食事誘導インスリン抵抗性を含む肥満症に関する多くの症状を軽減するようようである;つまり2型糖尿病に対する予防となり得る。
ヒトFOXC2タンパク質(配列番号:1)の核酸およびアミノ酸配列はFKHL14、FREAC−11、またはS12としても知られ、マウス間充組織フォークヘッド−1(MFH−1)タンパク質に相当し、当業者に周知である(N. et al. (1993) FEBS letters 326: 171-176; Miura, N. et al. (1997) Genomics 41: 489-492; WO 98/54216 and WO 01/60853を参照のこと)。
FOXC2がどのようにして遺伝子の発現を調節する働きをするのかという様々なメカニズムが提案されている。1つの可能性としては、FOXC2がノッチデルタ(Notch−Delta)シグナル伝達経路の下流にある因子と相互作用するというものである(Kume, T. et al. (2001) Genes & Development 15:2470-2482)。例えば、Grouchoタンパク質はbHLH転写因子と共に転写抑制複合体を形成する。Grouchoが2つのFOXタンパク質、FOXG1およびFOXA2に結合し得ることを示唆され(Wang, J.-C. et al. (2001) J. Biol. Chem. 275: 18418-18423; Yao, J. et al. (2001) Mol. Cell. Biol. 21:1962-1972)、そして同種の相互作用がFOXCタンパク質で起こりうることが示唆された。しかし、FOXC2タンパク質とGrouchoの相互作用は、未だ示されていない。さらに、FOXC2と所望のタンパク質、例えばp621、NOLP、熱ショック同族タンパク質71(HSC71)、FTP3、CLH1またはAキナーゼアンカータンパク質84/149(AKAP)との相互作用も未だ記載されていない。
(発明の開示)
本発明は、FOXC2と相互作用するタンパク質の同定に基づく。FOXC2相互作用タンパク質の同定は、この転写因子シグナル経路の理解に貢献する。さらに、そのような相互作用タンパク質は、それ自身が肥満症および糖尿病の処置に有用な物質の同定に有用となり得る。
よって、本発明の第一の態様は、FOXC2タンパク質のタンパク質複合体、例えば、ヒトFOXC2タンパク質およびFOXC2相互作用タンパク質を提供し、ここにFOXC2相互作用タンパク質は、p621(例えば、配列番号:2)、NOLP(例えば、配列番号:3)、熱ショック同族タンパク質71(HSC71;例えば、配列番号:4)、FTP3(例えば、配列番号:5)、CLH1(例えば、配列番号:6)およびAキナーゼアンカータンパク質84/149(AKAP;例えば、配列番号:7)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
1つの具体例にて、本発明は第一ポリペプチドおよび第二ポリペプチドからなる実質的に純粋なタンパク質複合体を特色とし、ここに、第一ポリペプチドは配列番号:1のアミノ酸配列を含み、そして第二ポリペプチドは配列番号:2、3、4、5、6または7のアミノ酸配列を含む。
いくつかの具体例にて、第一ポリペプチドは配列番号:1のアミノ酸配列と1つまたはそれ以上の残基にて異なる配列を含む。さらにいくつかの具体例にて、第二ポリペプチドは配列番号:2、3、4、5、6または7のアミノ酸配列と1つまたはそれ以上の残基にて異なる配列を含む。好ましくは、その相違が非必須残基における相違または変異、あるいは同類置換である。もう1つの実施例にて、第一または第二ポリペプチドは配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8として示される配列と少なくとも約60%の相同性を有するアミノ酸配列またはその断片を含む。好ましくは、ポリペプチドは配列番号:1、2、3、4、5、6または7と少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%またはそれ以上の相同性を有する。好ましいポリペプチド断片は、配列番号:1、2、3、4、5、6または7として示される配列の長さの少なくとも10%であり、好ましくは少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%またはそれ以上の長さである。好ましい第一ポリペプチドは、配列番号:2、3、4、5、6または7のポリペプチドに結合する能力を有する。いくつかの実施例にて、第一ポリペプチドはFOXC2転写活性を有する。好ましい第二ポリペプチドは、配列番号:1のポリペプチドに結合する能力を保有する。
特定のタンパク質複合体またはポリペプチドに関して本明細書にて用いる「実質的に純粋」とは、タンパク質複合体またはポリペプチドが他の生物学的マクロ分子を実質的に含まないことを意味する。例えば、実質的に純粋なタンパク質複合体またはポリペプチドとは、乾燥重量で少なくとも25%、50%、75%、80%、85%、95%または99%の純度である。純度は当業者に周知の適した標準的な方法、例えば、カラムクロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動またはHPLC分析によって測定することができる。
もう1つの態様において本発明は、治療的または予防的な有効量の、ヒトFOXC2タンパク質とFOXC2相互作用タンパク質との複合体、および製薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物を提供し、ここに、FOXC2相互作用タンパク質は配列番号:2、3、4、5、6、7または8からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する。
本発明の他の具体例は、変調されたFOXC2活性によって処置可能な医学的状態の処置にて用いるための医薬組成物であり、治療的または予防的な有効量の配列番号:2、3、4、5、6、7または8からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するFOXC2相互作用タンパク質、および製薬的に許容可能な担体を含む。
本発明の他の具体例は、FOXC2発現または活性に関して病状の処置または予防に有効な量の本明細書に記載のタンパク質および製薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物である。
さらに本発明の他の態様は、FOXC2発現または活性を変調する方法であり、FOXC2、例えばヒトFOXC2を発現する細胞を、細胞にてFOXC2の発現または活性を変調するのに十分な量の本明細書に記載のポリペプチド、例えば実質的に純粋なポリペプチド(例えば、配列番号2、3、4、5、6または7のアミノ酸配列からなるポリペプチド)またはポリペプチドをコードする核酸と接触させることを包含する方法である。
さらに本発明の態様は、変調されたFOXC2活性によって処置可能な病状の処置または予防のための方法であり、かかる処置または予防を必要とする患者に、変調されたFOXC2活性により処置可能な病状を処置または予防するのに有効な量の本明細書に記載のポリペプチド、例えば実質的に純粋なポリペプチド(例えば、配列番号:2、3、4、5、6または7のアミノ酸配列からなるポリペプチド)および製薬的に許容可能な担体を投与することを含む。
病状とは、増大するFOXC2活性によって処置可能な病状であり、例えば肥満症、高トリグリセリド血症、食事誘導インスリン耐性または2型糖尿病などでありうる。あるいはまた、病状とは減少するFOXC2活性によって処置可能な病状であり、例えば食欲不振であり得る。
用語「処置する」とは、ほ乳類における疾患の処置を意味し、例えば(i)疾患の予防、すなわち疾患の臨床症状の原因を発展させないこと(予防法);(ii)疾患の抑制、すなわち臨床症状の発展を抑止すること;および/または(iii)疾患の緩和、すなわち臨床症状の回復を促すこと、を含む。用語「有効量」とは、処置下の疾患状態の処置に対して有効な投与量を意味する。これは患者、疾患および実行している処置に依存して変わるであろう。
他の態様にて、本発明はFOXC2タンパク質複合体の形成を変調(増加または減少)する物質を同定する方法を特徴とし、該方法は:(i)候補物質の存在下で本明細書に記載する第一ポリペプチド(例えば、配列番号:1のアミノ酸配列を含むポリペプチド)および第二ポリペプチド(例えば、配列番号:2、3、4、5、6または7のアミノ酸配列を含むポリペプチド)を接触させ;(ii)候補物質の存在下で第一ポリペプチドおよび第二ポリペプチドの複合体の形成を測定し;そして(iii)候補物質の不存在下での第一ポリペプチドおよび第二ポリペプチドの複合体の形成と候補物質の存在下での第一ポリペプチドおよび第二ポリペプチドの複合体の形成を比較し、そのことにより候補物質がFOXC2タンパク質複合体の形成を変調するかどうかを決定すること、を含む。
本発明はまた、FOXC2活性を変調する物質を同定する方法を特徴とし、該方法は:(i)候補物質の存在下で本明細書に記載する第一ポリペプチド(例えば、配列番号:1のアミノ酸配列を含むポリペプチド)および第二ポリペプチド(例えば、配列番号:2、3、4、5、6または7のアミノ酸配列を含むポリペプチド)を接触させ;(ii)候補物質の存在下で第一ポリペプチドのFOXC2活性を測定し;そして(iii)候補物質の存在下での第一ポリペプチドのFOXC2活性と候補物質の不存在下での第一ポリペプチドのFOXC2活性を比較し、そのことにより候補物質がFOXC2活性を変調するかどうかを決定すること、を含む。
本発明はまた、FOXC2活性を変調する物質を同定する方法を特徴とし、該方法は:(i)候補物質と本明細書に記載する第一ポリペプチド(例えば、配列番号:2、3、4、5、6または7のアミノ酸配列を含むポリペプチド)を接触させ;(ii)第一ポリペプチドと結合する候補物質を決定し;(iii)候補物質と本明細書に記載する第二ポリペプチド(例えば、配列番号:1のアミノ酸配列を含むポリペプチド)を接触させ;(iv)候補物質の存在下で第二ポリペプチドのFOXC2活性を測定し;そして(v)候補物質の存在下での第二ポリペプチドのFOXC2活性と候補物質の不存在下での第二ポリペプチドのFOXC2活性を比較し、そのことにより候補物質がFOXC2活性を変調するかどうかを決定すること、を含む。
本方法にて用いた第一ポリペプチドおよび/または第二ポリペプチドは、任意に実質的に純粋なポリペプチドであり得る。本発明の方法は、細胞存在系または無細胞系に用いて行われうる。本発明の方法にて測定されうるFOXC2活性の例としては、FOXC2転写活性がある。
本発明はまた、変調されたFOXC2活性によって処置可能な病状の処置または予防のための方法を提供し、該方法は変調されたFOXC2活性によって処置可能な病状の処置または予防に有効量の本明細書に記載した方法によって同定される物質、および製薬的に許容可能な担体をそのような処置または予防を必要とする患者に投与することを含む。
病状とは、増加するFOXC2活性によって処置されると推定される病状であってよく、例えば肥満症、高トリグリセリド血症、食事誘導インスリン耐性または2型糖尿病であり得る。別の病状とは、減少するFOXC2活性によって処置されると推定される病状であってよく、例えば食欲不振であり得る。
さらに別の態様にて、本発明はヒトFOXC2タンパク質およびFOXC2相互作用タンパク質の複合体、すなわち本発明にて上記に定義した複合体に対して指向される抗体を提供する。そのような抗体は、当業者に周知の方法にて調製されうる。該抗体は、例えばヒトFOXC2タンパク質および/またはFOXC2相互作用タンパク質の特徴付けおよび/または精製のための方法にて有用であり、そこでは該複合体に対する抗体の特異的結合が利用される。そのような方法としては、例えば免疫沈降法、免疫ブロット法または免疫親和性クロマトグラフィーを含み得る。免疫沈降法は、細胞溶解、特異的抗原と抗体の結合、抗原−抗体複合体の沈降、洗浄および免疫複合体からの抗原の分離、を含む複数の決められた段階からなる(Current Protocols in Molecular Biology, Chapter 10:Analysis of Proteins, 1991, John Wiley & Sons, Inc.)。免疫ブロット法は、ゲル電気泳動の分離能と免疫化学検出の特異性を組み合わせた方法である。免疫ブロット法は、タンパク質抗原の多数の重要な特徴(すなわち、試料の存在および量、分子量など)を決定するために用いられ得る。それは、少量の抗原の鋭敏な検出を可能にし、かつ抗原間の特定の相互作用を研究するために免疫沈殿と合わせて用いられ得る(抗体、A Laboratory Manual, Chapter 12: Immunoblotting, 1998, Harlow & Lane, CSH)。免疫親和性クロマトグラフィーは、細胞または均一化した組織からの可溶性成分または膜結合タンパク質抗原の精製を可能にする。前記技術は、非特異的に吸着されたタンパク質の溶出の前後に免疫親和性カラムからの単一タンパク質の溶出を伴う(Current Protocols in Protein Science, Chapter 9: Affinity purification, 1996, John Wiley & Sons, Inc.)。
1つの具体例にて、本発明はFOXC2相互作用タンパク質の精製のための方法を特徴とし、前記方法は:(i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むFOXC2タンパク質および配列番号:2、3、4、5、6、7または8のアミノ酸配列を含むFOXC2相互作用タンパク質を包含するタンパク質複合体を、タンパク質複合体と結合する抗体と接触させ;そして(ii)タンパク質複合体からFOXC2相互作用タンパク質を精製すること、を含む。タンパク質複合体と結合する抗体はまた、タンパク質複合体および/またはFOXC2タンパク質の精製に用いられ得る。本明細書に記載する第一および/または第二ポリペプチドは、本発明の抗体を用いる精製方法にて用いられ得る。
本明細書における用語「標準プロトコール」および「標準手法」は、分子生物学的技術に関して用いられる場合は、例えば:Current Protocols in Molecular Biology, editors F. Ausubel et al., John Wiley and Sons, Inc. 1994、またはSambrook, J., Fritsch, E.F. and Maniatis, T., Molecular Cloning: A laboratory manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY 1989のような通常の研究室マニュアルにおけるプロトコールおよび手法として理解されている。
他に定義されなければ、本明細書にて用いられるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般に理解されるのと同様の意味を有する。好適な方法および材料を下記に記載するが、本明細書に記載する方法および材料と相似または等価であるものを本発明の実行または試験に使用することもできる。本明細書にて言及された出版物、特許出願、特許および他の参考文献はすべて、参照によって本明細書の全体に組み込まれる。不一致の場合には、定義を含む本明細書が支配的となる。さらに、材料、方法および実施例は単なる具体例であって、保護の範囲を制限するものではない。
以下の本発明は、添付した実施例に記載され、実施例は本明細書を例証するためのものであり、保護の範囲を制限するものではない。
(実施例)
実施例1:SRS酵母ツーハイブリッド系による推定陽性FOXC2相互作用クローンの同定
1.1 Sos採用系(SRS)の概要
Sos採用系(SRS)を、ヒトFOXC2ポリペプチドと相互作用するポリペプチドアッセイに用いた。SRSは、最初にFields & Song (1989) Nature 340, 245-246に記載されたような周知の酵母ツーハイブリッド系の変形である。
CytoTrap(登録商標)SRS (http://www.stratagene.com/vectors/signal_trans/cytotrap; また、 Aronheim, A. et al. (1997) Mol. Cell. Biol. 17:3094-3102;および米国特許番号5,776,689をも参照のこと)にて、タンパク質は細胞質、すなわち核ではない場所にて発現し、転写後修飾を受け得る。細胞質におけるタンパク質−タンパク質相互作用は、Ras経路を活性化する場所である細胞膜へのヒトSos遺伝子産物(hSos)の動員によって検出される。サイトトラップ(CytoTrap)系は、hSosの酵母ホモログであるcdc25遺伝子における温度感受性変異を含む独特の酵母株cdc25Hを用いる。このグアニル核酸交換因子であるタンパク質は、Ras経路の活性化に必須であり、つまり細胞の生存および増殖に必須である。cdc25タンパク質における変異は温度感受性であり;細胞は、25℃では増殖可能であるが37℃では増殖できない。このcdc25変異は、hSos遺伝子産物によって補完され37℃での増殖を可能とするが、hSosタンパク質がタンパク質−タンパク質相互作用によって膜に局在することが条件となる。
pMyrベクターは、cDNAライブラリー構成物として設計される。遺伝子は、タンパク質を細胞膜に標的化し固定化して、遺伝子産物を細胞質内へと押し出すsrcミリスチル化シグナルとの融合タンパク質として、このベクター内で発現する。タンパク質発現は、GAL1プロモーターによって制御され、ガラクトースの存在下では誘導されるがグルコースの存在下では抑制される。
ベイト(bait)タンパク質(FOXC2)は、pSosベクターからhSosタンパク質との融合タンパク質として発現する。cDNAライブラリーおよびベイト構成物をcdc25H酵母株へ同時形質転換する時、ガラクトース培地上で37℃で増殖可能な細胞のみが、タンパク質−タンパク質相互作用によって救助されhSosを細胞膜へ動員する。
1.2 pSosにおけるヒトFOXC2のクローニング
CSIX−17(配列番号:9)およびCSIX−18(配列番号:10)プライマーを用いてpCB6プラスミド(Cederberg, A. et al. (2001) Cell 106: 1-20)からヒト全長FOXC2(アミノ酸1−501)を、標準的な手法によってPCRにより増幅した。増幅断片をプライマーに含まれるBamH1部位を用いてpSosベクター(Stratagene catalog No. 217433)へクローンした。挿入位置は、制限酵素での消化によって分析し、そしてFOXC2配列は標準的な手法により核酸配列の確認を行った。
1.3 酵母におけるpSos−FOXC2の発現
酵母株cdc25H(Stratagene catalog No. 217437)を取り扱い説明書(Stratagene; CytoTrap Vector Kit; catalog No. 217438)に従ってpSos−FOXC2で形質転換し、そしてSD/PDO−Leu平板にプレートした。タンパク質抽出物をMoilanen A. et al. (1998) Mol. Cell Biol. 18: 5128-5139に記載のように作製し、続いて抗マウスSos抗体(BD Transduction Laboratories; catalog No. S15520-050)を用いたPAGEおよびウエスタンブロッティングによって分析した。ウエスタンブロッティング分析は、Sos−FOXC2(MW178 kDa)およびSos(MW127 kDa)に対応する予期される分子量で移動するタンパク質バンドを示した。さらに、抽出処理中または酵母細胞が増殖している間に起こるタンパク質分解によるものと推定される低分子量のバンドが見られた。
1.4 酵母細胞の形質転換
ヒト胎児脳cDNAライブラリー(Stratagene catalog No. 975204)を、酵母細胞の形質転換に用いた。そのライブラリーをLB−Kan(直径14cm)に約200,000コロニー/プレートとなるようにプレートし増幅した。ライブラリー価は全50プレートで0.3×10cfu/mlであるから、プレートに対してライブラリー溶液0.66μlをインキュベートし用いた。細胞を37℃で一晩インキュベートし、その後ピンポイントサイズのコロニーを殺菌剥離グラスを用いて2×4mlのLBと共に集菌した。さらにLB−Kan培地を終容量1.5lまで加えた。細胞溶解液を37℃で2時間インキュベートした。細胞を10分間6,000×gにて遠心して集め、プラスミドDNAをキアゲンの取り扱い説明書に従ってプラスミドマキシプレップカラム(Qiagen catalog No. 12162)を用いて調製した。
形質転換を逐次行う、すなわち2工程で行う点で異なるが、ストラトジーン(CytoTrap XR Library Construction Kit; Instruction Manual; catalog No. 200444)により記載されたように行った。まず、酵母をpSos−FOXC2プラスミドで形質転換した。pSos−FOXC2プラスミドを持つCdc25H酵母細胞をコンピテントの作製に用い、cDNAライブラリーのDNA80μlで形質転換した。グルコースプレート(−Leu,−Ura)にて25℃で72時間増殖後ガラクトース培地に置換し、37℃で最大11日間インキュベートした。形質転換を復帰試験のためにストラトジーンの取り扱い説明書に従ってスクリーンした。
約8×10個の酵母形質転換体をスクリーンし、4,000個のガラクトース依存候補クローンを得た。非許容温度におけるグルコース培地中およびガラクトース培地中での並行増殖試験後、これらのうち230個のクローンのみが、ガラクトース培地にて増殖しさらに分析された。グルコースおよびガラクトース培地両方にて増殖したクローンを復帰変異したものとし、それゆえ捨てた。
実施例2:推定陽性相互作用クローンの分析
2.1 推定FOXC2相互作用クローンの配列分析
全酵母DNAをストラトジーン(CytoTrap XR Library Construction Kit; Instruction Manual; catalog No. 200444)に記載のように調製した。最終ペレットをHO 20μlに溶解しPCR増幅または大腸菌細胞の形質転換のためのテンプレートとした。40μlのTOP10 7’エレクトロコンピテント細胞(electro competent cell)を、2μlの前記DNAで形質転換した(2.5 kV, 25 μF and 200Ω)。直ちにSOC培地1mlを加え、細胞を37℃で1時間インキュベートした。すべての細胞をクロラムフェニコール30μ/mlを含むLB平板にプレートした。形質転換体をプラスミドDNAの調製に用いた(QIAGEN)。
プレイ(prey)挿入体を増幅するために抽出酵母DNAをテンプレートとして用いた。PCR反応は、所望の酵母DNA1μl、1×PCR緩衝液、5ユニットTaqPol、それぞれ40pmolのNA15プライマー(配列番号:11)およびNA1149(配列番号:12)、および200μMdNTP’sを混合して調製し、最終容量50μlとした。PCR反応は以下のように行った。:初め95℃で5分加熱後、95℃で30秒、55℃で30秒および72℃で1.5分からなる35サイクルを実行し、最後に72℃で7分間加熱した。得た断片を、精製しシークエンスした。
PCRレベルにて、またはESTのない希少核酸データベースに対するBLAST相同性検索によるプラスミドDNAにて配列分析を行った(EMBL およびGenBank)。
2.2 7つのFOXC2相互作用タンパク質の同定
予期された偽陽性の中からhSos、RasおよびRas−GTPase族の他の群をコードするいくつかのクローンを同定し、本分析に関するrasシグナル経路の読み出しを確認した。残りのクローンは、既に特性化した遺伝子(139クローン)および未知遺伝子(16クローン)に相当していた。どちらの場合もライブラリー増幅の結果、いくつかのコロニーが同じクローンとして何度か発見された。未知クローンを、上述の酵母における検認試験に用いてさらに分析した。これらのクローンは、FOXC2との特異的な相互作用能を有するタンパク質を発現しないことが示され、よって無視した。既知の遺伝子に相当するクローンを、以下のタンパク質区分に分類することが可能である:その分類とは、転写制御、マトリックスタンパク質、転写因子、キナーゼ−サブユニットおよび核タンパク質である。全部で43クローンが推定「ヒット」として同定され、さらに分析を行った。
FOXC2と非特異的に相互作用するヒット体(例えば、Sos標的タンパク質と相互作用するタンパク質)を除くため、43の同定したクローンに対し偽陽性試験を行った。この試験は、ヒットタンパク質(pMyrHit)とそれぞれ(a)pSos−FOXC2;(b)pSos;または(c)対照としてのMafB融合Sosとでcdc25H酵母を同時形質転換することによって行った(Stratagene; CytoTrap Vector Kit; catalog No. 217438)。プラスミド(a)で形質転換した場合に37℃でのみガラクトースにて増殖する細胞を、真の陽性相互作用を有するクローンと見なした。本手法によって、7つのタンパク質(表1)が推定FOXC2相互作用タンパク質と同定された。これら7つのタンパク質について、上述の実験を対照としてColl(Stratagene; CytoTrap Vector Kit; catalog No. 217438)を用いて繰り返し、同様の結果を得た。
酵母におけるFOXC2とFOXC2相互作用タンパク質との間の相互作用をさらに特徴付けるために、Sos−FOXC2ハイブリッドタンパク質の相互作用をMafBタンパク質間のそれと比較した。MafBタンパク質は、二量体を形成することが知られている(Kataoka, K. et al. (1994) Mol. Cell. Biol. 14: 7581-7591)。p621遺伝子はFTP3、GrouchoおよびClathrinの次にFOXC2との強い相互作用を示した。PKAアンカータンパク質、NOLPおよびHSC71は弱い相互作用を示した。
表1は、SRSによって同定された推定FOXC2相互作用タンパク質の一覧である。相互作用の強さを同様の状態におけるMafBタンパク質との相互作用(++++)と比較して決定した。
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実施例3:FOXC2相互作用タンパク質の特徴付け
3.1 p621
p621(配列番号:2;部分配列)は、Sp1転写因子と相互作用する機能未知のタンパク質である(Gunther, M. et al. (2000) Mol. Cell. Biol. 210: 131-142)。マウスホモログであるATFa−結合因子(mAM)が最近クローン化され、特性化された(De Grave, F. et al. (2000) 19: 1807-1819)。それは、転写抑制補因子として機能し、NLS(核局在化シグナル)およびATPase活性の両方を含む。
本発明のSRSスクリーンにおいて、酵母におけるFOXC2とp621タンパク質との間の相互作用は、得られた12クローンにより支持され、これらのクローンは3つの異なる重複配列を含んでいた。同定した断片により、核酸580−1320からなるp621部位は、FOXC2−p621相互作用に十分である。
3.2 NOLP
NOLP(「核小体局在タンパク質」を示す)は、ヒト胎児脳cDNAライブラリー(Ueki, N. et al. (1998) Biochem. Biophys. Res. Comm. 252: 97-10)からクローンされた核小体タンパク質である。NOLP遺伝子は、大腸菌ヘリカーゼ相同領域、酸−豊富ドメイン、3つの塩基−豊富推定核局在化シグナル、セリン−豊富領域およびコイルドコイルドメインを伴う524個のアミノ酸のポリペプチドをコードしている。ノーザンブロット分析およびRT−PCRは、NOLPが胎児脳、成体脳および組織にて3.5kbのmRNAとして発現されることを明らかにした。欠失研究は、NOLPが機能的核および核小体局在化シグナルを含むことを明らかにした。本発明のSRSスクリーンにて、単一のNOLPクローンが同定され、前記NOLPはNOLP配列のD145残基(配列番号:3)で始まる配列から構成されていた。
3.3 熱ショック同族タンパク質71(HSC71)
熱ショック同族タンパク質71タンパク質(HSC71;配列番号:4)は、最近ヒト脳組織から同定された(GenBank Accession No. BC007276)。HSC71タンパク質はhsp70ドメインを含み(Pfam-PF00012; Bateman et al. (2002) Nucleic Acids Research 30:276-280)、このhsp70スーパーファミリータンパク質の他のメンバーと同様に、タンパク質の折り畳みおよびタンパク質複合体の集合/脱集合に関与すると推測されうる。このことは、ニジマスから分離されたHSC71タンパク質より示唆されている(Zafarullah, M. et al. (1992) Eur. J. Biochem. 204: 893-900)。
本発明のSRSスクリーンにて、9つのHSC71クローンを得た。それらを、4つの異なる重複クローンに分類することができた(K67からHSC71タンパク質のストップコドンまで)。
3.4 FTP3
FTP3(配列番号:5)は、不均一核内リボヌクレオタンパク質−H’(hnRNP−H’)であり、遍在的に発現する。前記FTP3は、3つのRNA結合モチーフを含み、その機能としてプレmRNAプロセシングおよび輸送を含むことができる。hnRNPsは、RNAポリメラーゼIIにより生産される転写物である不均一核内RNAと結合することが知られている(Honor B. et al. (1995) J. Biol. Chem.270: 28780-28789)。本発明のSRSスクリーンにて、単一のFTP3クローンが同定され、FTP3のC末端部位に相当していた(D348−A449)。
3.5 CLH1
CLH1(配列番号:6)は、ヒトクラスリン重鎖タンパク質である。クラスリン重鎖は、被覆小窩および小胞の細胞質表面の主な構造タンパク質であり、レセプター誘導エンドサイトーシス、分泌および膜結合物の細胞内輸送に働く。前記CLH1は、被覆小窩および小胞の細胞質相に局在し、ほとんどのヒト成人組織に発現し、ヒト17番染色体に位置する(Dodge, GR. et al. (1991) Genomics 1:174-178)。
本発明のSRSスクリーンにて、13の同じクローンを同定し、それらはCLH1配列のN853アミノ酸残基とN末端にてアライメントした。
3.6 AKAP149(キナーゼアンカータンパク質149)
個々のタンパク質キナーゼ(PKAs)イソ型の効果は、その細胞内局在によって決定され、独特のAキナーゼアンカータンパク質(AKAPs)と特異的に結合する。AKAP149(配列番号:7;Trendelenburg, G. et al. (1996) Biochem. Biophys. Res. Comm. 225: 313-319)は、S−AKAP84(Linらによる既報の J. Biol. Chem. 270: 27804-27811(1995); GenBank Accession No. U34074)の推定スプライシング異型であり、RNA結合モチーフ(KHドメイン)の重要な新規特性を有する。Trendelenburgらは、試験したすべての上皮組織にてAKAP149が4.2kbの転写産物として発現され、前立腺および小腸にてRNAの強力なシグナルが検出されたことを明らかにしている。さらに、3.2kbの転写産物が睾丸のみに発現していた。Trendelenburgらは、AKAP149がcAMP依存性シグナル伝達経路およびRNAを特異的な細胞区分に配向することに関与すると推測した。
本発明のSRSスクリーンにて、2つのクローンが同定され、双方ともAKAP149の全CDSアミノ酸配列を含んでいた。
3.7 AES1−2/Groucho
AES1−2/Groucho(配列番号:8)は、ショウジョウバエの「分割Grouchoのエンハンサー」タンパク質(Miyasaka, H. et al. (1993) Eur. J. Biochem. 216: 343-352)のN末端部位と約50%の相同性を示すヒトタンパク質である。前記AES1−2/Grouchoは、WD40反復を含む負の制御タンパク質として働く可能性がある。それは核に局在しており、主に筋肉、心臓および胎盤で発現する。本発明のSRSスクリーンにて、2つのクローンが同定された。
3.8 まとめ
要約すると、7つのFOXC2相互作用タンパク質を分離した。これらのタンパク質のうち2つ(p621およびAES1−2/groucho)は転写に関与し、FOXC2転写活性の抑制に作用することができる。さらに、細胞内およびマトリックス局在化、およびタンパク質の折り畳み活性に関与する3つの細胞質タンパク質(AKAP、クラスリンおよびHSC71)が同定された。最後に、2つの核局在化タンパク質が同定され;1つは、RNAプロセシングに関与し(FTP3)、もう1つは、機能未知であった(NOLP)。
実施例4:FOXC2相互作用タンパク質の発現分布
実施例3に記載のFOXC2相互作用タンパク質に関する組織転写発現評価を決定するため、脂肪組織、肝臓および筋肉由来のヒト転写物を含むアフィメトリクス・チップのコンピューター分析を行なった。
polyAおよびmRNAをDynabeads mRNA DirectTM kit(Dynal A.S., Norway)を用いて健全な患者のヒト組織から抽出した。白色脂肪、肝臓および筋肉組織を生検した。mRNAsをT7標識したオリゴdTプライマーを用いて逆転写し、そして二本鎖cDNAを調製した。その後、これらのcDNAを増幅し、T7RNAポリメラーゼおよびビオチン化ヌクレオチドと共にインビトロ転写(IVT)を用いて標識した。IVT後に得たcRNAの集団を精製し、加熱して断片化し、約35〜200塩基サイズのRNA断片区分を調製した。5つのGeneChip(登録商標)プローブアレイ(アフィメトリクス; カタログ番号:900303、900305、900307、900309および900311)のHuman GenomeU95SETを、推奨緩衝液を用いて45℃にて一晩変性したcRNA試料とハイブリダイズした。その後、前記アレイを洗浄し、アフィメトリクスフライディクスステーションを用いてR−フィコエリトリン・ストレプタビジンで染色した。カートリッジをHewlett-Packard 共焦点スキャナーを用いてスキャンし、映像をGeneChip 4.1 ソフトウェア(アフィメトリクス)で分析した。プローブ配列に存在する遺伝子の同定を、商業的に利用可能なタンパク質配列データバンクであるBLASTを用いた検索にて行った(Altschul et al. (1990) J. Mol. Biol. 215: 403-410)。
その結果、NOLPおよびクラスリンを除くすべての同定されたFOXC2相互作用タンパク質が、脂肪および肝臓組織に存在すること明らかとなった。筋肉では、NOLPを除くすべての同定されたFOXC2相互作用タンパク質が存在していた。FOXC2相互作用タンパク質はエネルギー代謝に関与する組織にて発現し、よって糖尿病および肥満症に関する病状に関与すると推定されると結論づけることができる。
実施例5:共免疫沈降法
全細胞抽出物からのタンパク質の共免疫沈降は、所望のタンパク質間の物理的相互作用に関する試験手段として有用である(Current Protocols in Molecular Biology, Chapter 20: Analysis of protein interactions, 2000, John Wiley & Sons, Inc. 2000)。例えば、FOXC2および同定されたFOXC2相互作用タンパク質それぞれは、35Sメチオニンの存在下にてTNT(登録商標)Coupled Reticulocyte Lysate システム (Promega, 2800 Woods Hollow Road, Madison-WI53711, USA) を用いた研究にてT7プロモーターの制御下においてインビトロで転写/翻訳され得る。FOXC2−ヒット複合体は、FOXCに対する抗体またはタグ融合タンパク質(例えば、Clontech のc-myc モノクローナルまたは AH-ポリクローナル)として発現させたタンパク質に存在するエピトープタグを用いて免疫沈降することができる。複合体はSDS−PAGEによって分離することができる。これらのタンパク質がFOXC2と相互作用する場合、X線フィルムまたは蛍光映像スクリーンへのゲルの露光により、FOXC2−ヒット複合体に対する予期されたサイズのバンドの存在を識別することができる。
実施例6:抗−FOXC2抗体の調製
抗体は、タンパク質−タンパク質相互作用の分析にて重要な手段である(例えば、Current Protocols in Molecular Biology, Chapter 11: Immunology, John Wiley & Sons, Inc.を参照のこと)。ヒトFOXC2タンパク質、または特異的かつ抗原性のFOXC2配列の合成断片は、ウサギのような動物への免疫に用いうる。ポリクローナル抗体は、以下の標準的な取り扱い説明書(抗体、A laboratory Manual, Chapter 5: Immunizations, 1988, Harlow & Lane, CHS)に従って使用可能であり、抗原としてペプチドを用いた場合の全血清からアフィニティー精製されうる。抗体は、FOXC2/FOXC2相互作用タンパク質複合体の共免疫沈降に有用であり、分離した複合体のウエスタンブロット分析に有用である。
【配列表】
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Claims (23)

  1. 第一ポリペプチドおよび第二ポリペプチドを包む実質的に純粋なタンパク質複合体であって、第一ポリペプチドが配列番号:1のアミノ酸配列を含み、第二ポリペプチドが配列番号:2、3、4、5、6または7のアミノ酸配列を含むものであるタンパク質複合体。
  2. 第二ポリペプチドが配列番号:2のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のタンパク質複合体。
  3. 第二ポリペプチドが配列番号:3のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のタンパク質複合体。
  4. 第二ポリペプチドが配列番号:4のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のタンパク質複合体。
  5. 第二ポリペプチドが配列番号:5のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のタンパク質複合体。
  6. 第二ポリペプチドが配列番号:6のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のタンパク質複合体。
  7. 第二ポリペプチドが配列番号:7のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のタンパク質複合体。
  8. FOXC2発現または活性に関する病状の処置または予防に有効な量の請求項1のタンパク質複合体および製薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物。
  9. FOXC2発現または活性を変調する方法であり、細胞にてFOXC2の発現または活性を変調するために十分な量の配列番号:2、3、4、5、6または7のアミノ酸配列を含むポリペプチド、またはポリペプチドをコードする核酸と、FOXC2を発現する細胞とを接触させることを包含する方法。
  10. 変調されたFOXC2活性によって処置可能な病状の処置または予防のための方法であり、変調されたFOXC2活性によって処置可能な病状の処置または予防に有効な量の配列番号:2、3、4、5、6または7のアミノ酸配列を含むポリペプチドおよび製薬的に許容可能な担体を、そのような処置または予防を必要とする患者に対して投与することを包含する方法。
  11. 病状がFOXC2活性の増大によって処置され得る、請求項10に記載の方法。
  12. 病状が肥満症、高トリグリセリド血症、食事誘導インスリン抵抗性または2型糖尿病である、請求項11に記載の方法。
  13. 病状がFOXC2活性の減少によって処置され得る、請求項10に記載の方法。
  14. 病状が食欲不振である請求項13に記載の方法。
  15. FOXC2タンパク質複合体の形成を変調する物質を同定する方法であって、
    (i)候補物質の存在下にて配列番号:1のアミノ酸配列を含む第一ポリペプチドと配列番号:2、3、4、5、6または7のアミノ酸配列を含む第二ポリペプチドとを接触させ;
    (ii)候補物質の存在下における第一ポリペプチドと第二ポリペプチド間の複合体の形成を測定し;そして、
    (iii)候補物質の存在下における第一ポリペプチドと第二ポリペプチド間の複合体の形成と、候補物質の不存在下における第一ポリペプチドと第二ポリペプチドの複合体の形成とを比較し、
    そのことにより候補物質がFOXC2タンパク質複合体の形成を変調するかどうかを決定することを含む方法。
  16. FOXC2活性を変調する物質を同定する方法であって、
    (i)候補物質の存在下にて配列番号:1のアミノ酸配列を含む第一ポリペプチドと配列番号:2、3、4、5、6または7のアミノ酸配列を含む第二ポリペプチドとを接触させ;
    (ii)候補物質の存在下における第一ポリペプチドのFOXC2活性を測定し;そして、
    (iii)候補物質の存在下における第一ポリペプチドのFOXC2活性と候補物質の不存在下における第一ポリペプチドのFOXC2活性を比較し、
    そのことにより候補物質がFOXC2活性を変調するかどうかを決定することを含む方法。
  17. FOXC2活性を変調する物質を同定する方法であって、
    (i)配列番号:2、3、4、5、6または7のアミノ酸配列を含む第一ポリペプチドと候補物質とを接触させ、
    (ii)第一ポリペプチドと結合する候補物質を決定し、
    (iii)配列番号:1のアミノ酸配列を含む第二ポリペプチドと候補物質を接触させ、
    (iv)候補物質の存在下における第二ポリペプチドのFOXC2活性を測定し;そして、
    (v)候補物質の存在下における第二ポリペプチドのFOXC2活性と候補物質の不存在下における第二ポリペプチドのFOXC2活性を比較し、
    そのことにより候補物質がFOXC2活性を変調するかどうかを決定することを含む方法。
  18. 変調されたFOXC2活性によって処置可能な病状の処置または予防のための方法であって、変調されたFOXC2活性によって処置可能な病状の処置または予防に有効な量の請求項15の方法によって同定された物質および製薬的に許容可能な担体を、そのような処置または予防の必要な患者に投与することを包含する方法。
  19. 病状がFOXC2活性の増大によって処置され得る、請求項18に記載の方法。
  20. 病状が肥満症、高トリグリセリド血症、食事誘導インスリン抵抗性または2型糖尿病である、請求項19に記載の方法。
  21. 病状がFOXC2活性の減少によって処置され得る、請求項18に記載の方法。
  22. 病状が食欲不振である請求項21に記載の方法。
  23. FOXC2相互作用タンパク質を精製するための方法であって、
    (i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むFOXC2タンパク質および配列番号:2、3、4、5、6または7のアミノ酸配列を含むFOXC2相互作用タンパク質を包含するタンパク質複合体と、前記タンパク質複合体に結合する抗体とを接触させ;そして、
    (ii)前記タンパク質複合体からFOXC2相互作用タンパク質を精製することを含む方法。
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