JP2005538128A - ペット用のおいしい制御放出処方物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ペット用のチュワブル放出多様微粒子医薬組成物及びその製法に関する。

Description

これは、その全体の内容を、参照により本明細書に含めるものとする2002年3月5日に出願された係属中のUSSN10/091,202の一部継続出願である。
本発明は、ペットへの経口投与用のおいしい制御放出医薬組成物に関する。有利なことには、組成物はチュワブルであり、制御放出の動きに対する咀嚼による著しく不利な影響はない。特に、組成物は、制御放出多様微粒子の形態の薬学的に活性な物質、及びおいしさ改善物質から成る。
ペット、例えばイヌおよびネコ用薬物の経口剤形は、医薬が、特にペット所有者により長期にわたり投与されることになる場合、特に価値あることが分かっている。典型的には、これらの剤形は、゛突っ込む゛方法による投与に適合することのできるサイズおよび形状であり、それで、医薬は、取扱者により動物の舌又は口中の他のどこかに置かれ、その後飲み込ませるよう特別の操作が行われる錠剤等の形態である。時々、医薬の味が本質的に嫌いではないならば、動物は、好ましい場合(゛自由選択゛法)突っ込む技法に頼らずに自分の意志でそれを消費するであろう。これらの場合、しかしながら、動物が、剤形を飲み込む前にそれを噛むのが普通である。これは、通常、即時放出剤形、即ち付帯的因子が薬学的に活性な物質の放出を遅らせない形態には何ら重要性を持たないが、噛むことは、今まで知られている制御放出剤形にとって明確に不適切である。
制御放出剤形は、薬学的に活性な物質の放出速度が、侵食される、または活性物質が透過しなければならず、それにより延長放出パターンをもたらす特殊な被覆のような剤形それ自体に関係する付帯的因子により制御されるものである。
治療上、制御放出剤形は、過度に短い半減期のような特定の活性物質に固有の薬物動態制限を克服することができることから望ましい。他の場合には、それらは、食物の影響、即ち、活性物質吸収の速度および程度が、摂食後(満腹状態)または断食後(断食状態)にそれを取ったかどうかに依存する状況もやはり克服することができる。制御放出剤形は、特定の状況において、活性物質の血漿濃度の変動を抑えることができるという更なる利点がある。例えば、血漿濃度があまりに低く変動する場合、活性物質は効果がなくなりかねず、治療を台無しにするし;あまりに高い場合、望ましくない副作用が現れかねない。更に、即時放出剤形と比較して、制御放出剤形の結果として起こるピーク血漿濃度は、より低く、ピーク血漿濃度に到達する時間は、より長く、みかけの末端半減期も同様である。有利なことには、これは、より頻繁でない服用ならびに消化管の高薬物濃度と関係した副作用(局所または局部副作用)および非常に高い血漿濃度(中枢作用)と関係した副作用の軽減に帰することができる。更に、制御放出剤形は、また、必要とされる用量を低減し、活性物質の毎日の総必要量を減らすこともできる。これらの特性ゆえに、制御放出剤形を用いる治療は、しばしば、即時放出剤形より好ましい。
経口的に投与される制御放出剤形は、代表的には、制御放出マトリックス錠剤として成形される。普通には、これらの錠剤は、薬学的に活性な物質と速度制御ポリマーおよび任意に他の成分(担体等)と混合した後、錠剤の形状に圧縮することにより製造される。速度制御ポリマーは、通常、親水性または親油性ポリマーである。機能的には、親水性マトリックス錠剤の場合、摂取された場合のように水または水性環境に露出された場合、ポリマーは膨潤し、それを通じて活性物質が錠剤の外に徐々に拡散するゲルを形成する。拡散に加えて、活性物質は、ポリマーの緩慢な破壊という第二のメカニズムを通じても放出される。親油性マトリックス錠剤の場合、放出の主要なメカニズムは、孔が活性物質または錠剤に組み込まれた他の水溶性不活性成分の浸出により形成されるマトリックスの孔を通じた拡散を経る。
ペットによる制御放出マトリックス錠剤の咀嚼は、さもなければこの様式の剤形により提供される真の有用性を損なう。即ち、剤形の表面積は、制御放出の速度を支配する重要な因子である。噛むことは、その設計が前もって準備されてとりわけ表面積に根拠が置かれている剤形を粉々に破壊する。これは、活性物質の粒子をより小さくし、従って全体の表面積を増やし放出速度を速めるだけでなく、ポリマー被覆の背後からより多くの活性物質を露出し、従って前述のものにより課された制御を回避し、そして他の点では活性物質と被覆の表面間の距離を短くすることにより拡散時間等を減らす。極端な場合、ペットは、錠剤を粉末へと噛み砕き、速度制御メカニムズの完全な喪失を効果的に引き起こす。要するに、ペットのための従来知られている制御放出剤形は、噛まれた場合、前述の性能特性を着実に失い、ますます前述の全ての欠点を有する即時放出剤形のようになる。
マトリックス錠剤のような従来の制御放出剤形の咀嚼は、錠剤がおいしさ改善物質を含有する場合、特に悪化し、強化されたフレーバーは、動物による一層更に熱心な咀嚼をもたらしかねない。
噛むことに伴う問題に加え、従来の制御放出剤形は、典型的には、制御された放出速度が維持される、より少ない用量へと容易に分割できない単一単位剤形として提供される。例えば、ペットの経口療法は、しばしば、体重キログラム当たりのミリグラムの用量を基準とする服用を伴い、とりわけ、これは、動物の体重における種に依存した差異を考慮に入れる。従って、所定の体重を有する所定の動物にとって最も適切な量を得るために錠剤を容易に分割することができることが重要である。代案は、複数の用量または錠剤の強さを採用することであるが、どちらも実用的ではない。しかしながら、制御放出マトリックス錠剤が分割されるとしても、上記で説明されたような剤形を粉々に破壊するという問題は伴う。即ち、活性物質は、減少した粒子サイズ、その結果生じた表面積および放出速度の増加、並びにその存在が放出速度を制御するよう設計されているポリマー被覆下からの露出または被覆からの距離の減少に苦しみかねない。
イヌおよびネコのような動物は、ヒトのための制御放出薬物の安全性および性能特性を評価するために前述のものの開発におけるモデルとして利用されてきたし、今も利用されているが、これらの努力は、典型的には、剤形の咀嚼、例えば、突っ込む方法、および結果として制御送達メカニズムを破壊するという不利な影響が関心事ではない投与様式を含む。更に、これらの慣習は、制御放出の付随する喪失を伴う断固とした咀嚼を招きかねないおいしさ改善物質の含有を伴わない。
よって、その形態が、おいしい物質を含有することができ、そして制御放出作用の著しい喪失無しに動物により噛まれるかまたは分割され得る、ペットに経口的に投与することができる制御放出剤形に対する要求が存する。
本発明は、前記の切望するものを満たす。
一態様において、本発明は、制御放出多様微粒子形態物中の治療上効果的な量の薬学的に活性な物質;および医薬組成物をこのペットにとっておいしくするのに十分な量のおいしさ改善物質を含む、ペットへの経口投与用のおいしくてチュワブルの制御放出医薬組成物に関する。
別の態様において、本発明は、約5000μmまでの平均粒子サイズを有する粒子の形態に治療上効果的な量の薬学的に活性な物質を調製し;医薬組成物の約5重量%から約100重量%の量の遅延放出ポリマー、持続放出ポリマー、または前記の組み合わせでこれらの粒子を被覆し;これらの被覆した粒子においしさ改善物質をこの医薬組成物の約0.025重量%から約99重量%の量で混合し;そしてこの混合物をペットへの経口投与に適した形状に形成することを含む、ペットへの経口投与用のおいしくてチュワブルの制御放出医薬組成物を調製する方法に関する。
本発明は、獣医、ペット所有者または他の世話をする人により経口的に投与することのできるペット用の制御放出医薬組成物に関する。本発明の組成物は、チュワブルであり、それにより制御放出特性の顕著な喪失が生じない。換言すれば、上記で説明したような制御放出療法と関連した利点が、動物による咀嚼後でさえ実質的に維持される。従って、この文脈のチュワブルとは、剤形の制御放出性能が噛むことに対し効果的に耐えることを意味することと理解されるであろう。本発明は、その組成物の咀嚼を明確に想定しているが、本発明の組成物は、また、前述の゛突っ込む゛方法により投与することもできること、そしてこのような投与は、本発明の範囲内にあると考えられることと理解されるであろう。従って、例えば、動物が、病気または他の要素により自由選択により医薬を受け入れることができない場合、適切なサイズおよび形状の剤形の本発明の組成物を用いて突っ込む技法を採用することができる。
本発明により意図される゛制御放出゛(CR)は、剤形の或る特性の機能としての薬学的に活性な物質の放出速度を指す。本発明により考えられる制御放出システムとしては、1)薬学的に活性な物質が、延長された時間にわたり緩慢な速度で放出される持続放出;2)剤形の投与後と薬学的に活性な物質の放出が開始される前に時間のずれがある遅延放出;および3)薬学的に活性な物質が即時放出または改変放出様式、例えば、持続または遅延、続いて僅かしか又は全く放出がない時間、続いて尚も別の即座または改変放出の時間等で放出される(従って1回以上のパルスの放出が得られる)パルス放出のような改変システムが挙げられるが、限定される訳ではない。
当業者等により理解されるように、他の送達プロファイルが可能であり、全てが、本発明の目的とする制御放出の範囲内にあると考えられる。
それにより医薬組成物がチュワブルであり尚も更に制御放出であり得るという本発明の実施は、制御放出多様微粒子形態の薬学的に活性な物質を提供することを伴う。特定の実施において、剤形が動物により噛まれる場合、活性物質(粒子)がかなりの程度まで更に細かく砕かれないようなサイズを有する粒子の形態で、活性物質が提供される。即ち、被覆された粒子のいくらかは噛むことにより本当に粉砕されるかもしれないが、このような粒子の多様性(多様微粒子形態)があるという事実が、制御放出療法を提供するのに十分なものが実質的に無傷で残ることを保障する。従って、たとえ、従来のマトリックス錠剤が、噛むことから帰結する容積に対する表面積比率(やはり比表面積としても知られる)の増加故に、制御放出の動きを失うとしても、本発明の多様微粒子は、初めから高い比表面積を有しているのだが、制御放出であることにより、例えば被覆されたことにより、容積に対する高い初めの表面積比率にもかかわらず、それらの十分な数が咀嚼により妥協させられるという可能性を減らす。
薬学的に活性な物質の多様微粒子形態は、限定される訳ではないが、玉にすること(球状集塊としても知られている)、噴霧凝結、低温ペレット化を含む種々の従来技法のいずれかにより製造することができる。多様微粒子形態は、また、薬学的に活性な物質が、ロウのような物質の融点に加熱されたロウのような物質と混合され、次いで、ロータリー・ディスク・アトマイザーまたは他のアトマイザー、例えばスプレーノズルから凝結チャンバーに噴霧される溶融−噴霧凝結(MSC)技法により調製することもできる。その結果できた多様微粒子(この技法により製造される場合ミクロスフェアとも呼ばれる)は、次いで、被覆するか又は別な方法で以後に考察するように制御放出機能性を提供するよう製造することができる。続いて多様微粒子は、薬学的に活性な物質および任意にいずれかの速度制御医薬品添加物を含む他の成分を含有する溶液を噴霧乾燥することにより製造することもできる。代表的には、単純または複合コアセルベーション、界面重合および相分離法によるマイクロカプセル化のような化学的方法を用いて多様微粒子形態物を製造することもできる。このような化学的方法から得る多様微粒子は、しばしば、当業界でマイクロカプセル剤またはミクロスフェア剤とも呼ばれる。多様微粒子形態を得る他の方法としては、乾式または湿式造粒法が挙げられる。乾式造粒法では、薬物を含有する粉末配合物を円盤状に圧縮し、円盤を、次いで、粉砕して顆粒(多様微粒子)を得る。あるいは、粉末配合物を、ローラー圧縮し、圧縮物を、次いで、粉砕して多様微粒子を得る。湿式造粒法では、通常、粉末配合物は、水性または非水性溶媒を用いて湿塊にされる。その結果できた顆粒を、均一な粒子サイズを得るために任意に湿式粉砕しても良く、そして顆粒を、例えば、トレーまたは流動層乾燥器内で乾燥する。本発明の多様微粒子形態物は、また、粉末配合物を湿式造粒法と類似した方法で湿塊にし、次いで、押し出し成形機を通じて押し出してスパゲッティ様ひも状物質を得る押し出し成形−球状化法により得ることもできる。ひも状物質を、次いで、回転底板を有し、湿った粒子を程度の差はあれ球状の形に形作る球状化処理機に入れる。芯多様微粒子は、また、薬物−層化法によっても製造することができる。ここで、不活性の種、例えば、ノンパレル・シュガー・ビーズ(non-pareil sugar beads)または微結晶セルロース球体に、薬学的に活性な物質および結合剤を含有する溶液または懸濁液を噴霧する。あるいは、薬学的に活性な物質を含有する乾燥粉末を、同時に結合剤溶液を種に噴霧しながら種に加えることができる。
多様微粒子形態の薬学的に活性な物質を製造する前記方法は、例示しただけであり、当業者に理解されるように、他の技法および上記に対する変法も用いることができる。
好ましい実施では、制御放出微粒子形態物は、約5000μmまでの平均粒子サイズを有し;更に好ましいのは、約10μmから約5000μmの平均粒子サイズであり;尚も更に好ましいのは、約50μmから約2000μmの平均粒子サイズであり;いっそう尚も更に好ましいのは、約100μmから約1000μmの平均粒子サイズである。当業者により理解されるように、本発明の目的に適う粒子は、多様なサイズおよび形状であってもよい。やはり当業者により理解されるように、上記で例示したような多様微粒子を製造する方法論は、まず、操作条件の通常の調整および/またはメッシュ篩等のような適切なサイズ分け器の使用により適切な粒子サイズを作ることができる。本明細書で言及したような平均粒子サイズは、通常、球状粒子の平均直径を意味する。当業者に理解されるように、球状以外の形状では、2または3つの大きさを明確に挙げなければならないかもしれない。例えば、それは、普通、同等の球体の直径(即ち、粒子と同じ容積を有する球体の直径(dv)または粒子と同じ表面積を有する球体の直径(ds))を明確にする。進行中の文脈における平均直径は、通常、粒子サイズ分布における状態または最も普通に存在する価値を意味する。
限定される訳ではないが、粒子サイズおよび粒子サイズ分布を測定する目的の為に本発明により用いることのできる方法論としては、画像解析(例えば、光学的顕微鏡検査、電子顕微鏡検査、透過型電子顕微鏡検査);篩い分け(例えば、標準検定篩、エア−ジェット篩い分け、音波篩等);流体分級;沈降法;コールター(Coalter)の原理;低角レーザー光散乱法を含むレーザー法が挙げられる。好ましい実施において、篩(スクリーン、メッシュ)が用いられ;更に好ましい実施において、複数の方法が用いられる。本発明に適した種々の粒子サイズ測定戦略は、その全体の内容を参照により本明細書に含めるものとする情報源パーティクル・サイズ・メジャメント(Particle
Size Measurement)、1巻、第5版、テレンス(Terence)、アラン(Allan)、チャップマン(Chapman)およびホール(Hall)、1997に見つけられる。
制御放出のメカニズムは、好ましくは、このような薬物送達の従来の道筋により;限定するわけではないが、例えば、粒子を物質で被覆する、および/または医薬の持続、遅延、パルスまたは他の放出送達プロファイルを提供する目的にとって当業界で公知の物理的構成を用いることにより得られる。一般に、これに関してイサク・ジェブレ−セラシエ(Issac Ghebre-Sellassie)により編集された”マルチパーティキュレート・オーラル・ドラッグ・デリバリー(Multiparticulate
Oral Drug Deliverly)”、マーセル・デッカー社(Marcel Dekker, Inc.)1994を参照。
被覆剤の使用が好ましい。被覆処方物は、水性または有機溶媒または混合物のいずれかを用いた懸濁液または溶液のいずれかであってもよい。被覆処方物は、代表的には、被覆ポリマー、1種以上の可塑剤、限定するわけではないが、デタッキファイヤー(detackifiers)、消泡剤、表面活性剤等のような他の処方補助剤を含有する。
遅延放出被覆には、用いるポリマーは、pH感受性であり、代表的には通常胃で見られるような低いpH例えば1から約5のpHでは不溶性であるが、典型的に小腸で遭遇するようなより高いpH、例えば5.5より高いpHでは可溶性である。遅延放出被覆に使えるポリマーとしては、限定するわけではないが、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、オイドラギット(Eudragit)L100−55、オイドラギットS100およびオイドラギットL100−55/S100の混合物が挙げられる。
持続放出被覆には、用いることのできるポリマーとしては、限定する訳ではないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、オイドラギットRL100、オイドラギットRS100、オイドラギットRL100/RS100の混合物、オイドラギットS100、オイドラギットNE30D、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、シリコーン、エチルセルロース分散物(アクアコート(Aquacoat)(登録商標)FMCおよびシュアリース(Surrelease)(登録商標)(カラコン(coloron)として商業的に入手可能)が挙げられる。
全ての例における被覆の厚さは、必要な機械的安定性および適切な溶解性能を得るのに十分であるものである。適切な厚さの決定は、従って、当業界の技術の範囲であり、遅延放出被覆では、厚さが約20μmから約30μmであることが好ましい。持続放出被覆では、好ましい厚さは約5μmから約50μmである。
当業者により理解されるように、種々の公知の技法を用いて多様微粒子形態で薬学的に活性な物質を被覆することができる。単なる例示により、このような技法としては、水性物質および溶媒に基づく被覆システム、即ち混合した水と有機溶媒の使用、ならびに被覆ポリマーから成るラテックス分散液のような溶液または懸濁液の使用が挙げられる。多様微粒子は、また、上部噴霧、ロータリー流動化層、および例えばワースターインサートを有する底部噴霧層を含む流動化層装置により被覆することもできる。多様微粒子は、また、コーティング錠に典型的に用いる側口コーティングパンを用いて被覆することもできる。
被覆量は、所望する最終的放出プロファイル次第であり、その決定は、通常の技術の範囲内にある。制限するわけではないが、被覆剤は、重量の点から(w/w芯粒子)、好ましくは医薬組成物の約5重量%から約100重量%、更に好ましくは約5%から50%、尚も更に好ましくは約10%から約50%の量で存在する。
本発明の医薬組成物は、好ましくは、そのサイズおよび形状が突っ込む投与に適している剤形として供給され、更に好ましくは、剤形は、その上に、より少ない服用のためより小さいサイズへとその分割を可能にする手段、例えば刻み目等を有する。
本明細書で用いる場合、用語゛ペット゛は、飼いならされた動物を指す。ペットには、ヒトは含まれない。好ましくは、動物は、哺乳類である。ペットの例としては、イヌ、ネコおよびウマが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。好ましいペットは、イヌおよびネコである。
用語゛おいしさ゛は、受け入れ試験、選好試験または消費試験のような標準おいしさ試験により測定されるような、ペットによる医薬組成物の自発的(自由選択)受け入れまたは摂取を意味する。これらの試験は、本明細書に含めるものとする上記の2002年3月5日に出願されたU.S.S.N.10/091,202に説明されている。
本明細書で用いる用語゛おいしさ改善物質゛には、それが加えられる薬学的に活性な物質のおいしさを変える、更に詳しくは、受け入れ試験、選好試験または消費試験のような標準おいしさ試験により測定した場合、薬学的に活性な物質のおいしさを改善するいずれの組成物も含まれる。好ましくは、おいしさ改善物質を含有する医薬組成物とおいしさ改善物質を含有しない薬学的に活性な物質の自発的受け入れ速度間の差異は、95%信頼水準で統計的に有意である。好ましくは、おいしさ改善物質は、上述の試験により測定した場合、約80%以上の自発的受け入れ、更に好ましくは約90%の自発的受け入れである薬学的に活性な物質のペットによる自発的受け入れを提供する。
゛受け入れ゛または゛自発的受け入れ゛は、剤形が動物の口に自発的に取り込まれることを意味する。動物が、剤形を10分以内にその口の中に自発的に取り込むことが好ましい。動物が、剤形を5分以内にその口の中に自発的に取り込むことが好ましい。最も好ましいのは、動物が、剤形を2分以内にその口の中に自発的に取り込むことである。
゛(動物に)薬を飲ませることができる゛とは、錠剤を実質的に無傷の形態で飲み込むように錠剤をペットに与える従来法で剤形を投与することができることを意味する。これは、゛突っ込む゛方法としても知られている。
゛もろさ゛は、機械的力に対する錠剤の頑丈さの尺度である。標準錠剤もろさ試験は、米国薬局方、第24版、<1216>、錠剤のもろさに示されている。
゛錠剤の堅さ゛は、直径の圧縮試験において錠剤を割る又は粉砕するのに要する力である。試験は、2つのアンビルの間に錠剤を置き、錠剤が割れるまでアンビルに圧力を加えることから成る。力は、通常、キロポンド、ニュートン、ストロングコブ(strong cobb)またはポンドの単位で測定される。おいしいことに加えて、剤形は、(動物に)薬を飲ませることができる剤形の特徴である従来法(゛突っ込む゛としても知られている)でそれを服用させることができるようなものであることが好ましい。これは、非常に病んでいて自由選択方法で医薬を受け入れることができない動物、または或る場合に何らかの理由で自由選択により剤形を受け入れない特定の動物に投与される必要があるかもしれない剤形にとって重要な要件である。(動物に)薬を飲ませることができる剤形は、食物に振り掛ける若しくは混ぜる、液体に溶解する若しくは懸濁する、ピーナッツバターのような半固形食品と混合する、または直接投与する若しくは自身の毛づくろい中に動物による摂取のため毛(即ち、前足の裏)に塗ることができる毛球療法を満たすことができるように、所有者、世話をする人、薬剤師、獣医により粉砕またはすりつぶすことができる。
おいしいことに加えて、剤形は、(動物に)薬を飲ませることができる剤形の特徴である従来法(゛突っ込む゛としても知られている)でそれを服用させることができるようなものであることが好ましい。これは、非常に病んでいて自由選択方法で医薬を受け入れることができない動物、または或る場合に何らかの理由で自由選択により剤形を受け入れない特定の動物に投与される必要があるかもしれない剤形にとって重要な要件である。(動物に)薬を飲ませることができる剤形は、食物に振り掛ける若しくは混ぜる、液体に溶解する若しくは懸濁する、ピーナッツバターのような半固形食品と混合する、または直接投与する若しくは自身の毛づくろい中に動物による摂取のため毛(即ち、前足の裏)に塗ることができる毛球療法を満たすことができるように、所有者、世話をする人、薬剤師、獣医により粉砕またはすりつぶすことができる。薬学的に活性な物質へのおいしさ改善物質の添加は、動物にとって魅力的である非常にはっきりした望ましい物質の導入を通じて薬学的に活性な物質の味または匂いによるような受容性を改善することにより医薬組成物のおいしさを強化する又は改善する。従って、薬学的に活性な物質が苦い味を有する場合、あるいは中性の味を有する場合のように、それが動物にとって受け入れることができないならば、おいしさ改善物質は、薬学的に活性な物質と関係した望ましくないフレーバーを遮蔽するのみならず、おいしい医薬組成物に帰する医薬組成物を動物が自発的に摂取するように薬学的に活性な物質に動物を引きつける。゛受け入れることができない゛とは、イヌ、ネコまたはウマのようなペットにとって苦いまたは中性の味を意味する。
本発明のおいしさ改善物質は、肉に基づいても又は肉から誘導された肉以外に基づいても良い。用語゛肉゛は、牛肉、ラム肉、または家禽の肉を意味する。加えて、それは、魚に基づくか又は魚から誘導されても良い。おいしさ改善物質は、好ましくは、肉以外に基づくか又は肉以外に基づいて誘導されたもの、および魚以外に基づくか又は魚以外に基づいて誘導されたものである。薬学的に活性な物質と混合する又は混ぜ合わせる本発明に用いるおいしさ改善物質は、代表的には商業的に入手可能であり、通常、食物添加の用途にとって許容することができる。
本発明のおいしさ改善物質としては、例えば、乳製品に基づく着香物質、天然ハーブおよびスパイスの混合物、人工的卵フレーバー、人工的肉フレーバー、人工的チキンフレーバー、人工的魚フレーバー、もしくは酵母フレーバー、又はその組み合せが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。これらは、商業的に入手可能である。
乳製品に基づく着香物質は、牛乳またはチーズから誘導されるものであるが、好ましくは低脂肪チーズおよび牛乳、例えば、無糖練乳または脱脂乳または麦芽乳、乳漿または他の乳製品である。あるいは、着香物質は、偽物のチーズ(ナトリウムキャプスタン(sodium capstan)であってもよい。更に、大豆または野菜に基づくチーズ物質を、着香物質として用いることができる。
おいしさ改善物質は、組み合わせた天然ハーブおよびスパイスの混合物であってもよい。これらの天然のハーブおよびスパイスとしては、例えば、オールスパイス、アニスの実、キャラウェーの実、カルダモン、セロリの実、シナモン、カッシア、クローバー、コリアンダー、クミンの実、パプリカ、ディルの種、フェンネルの実、ショウガ、カラシナの種子、ナツメッグ、サフラン、黒コショウ、白コショウ等のようなスパイス、バジル、月桂樹、ディル、マージョラム、オレガノ、ローズマリー、セージ、セイボリ、タラゴン、ターメリックおよびタイムのようなハーブが挙げられる。
更に、おいしさ改善物質は、スパイスおよび/またはハーブならびに任意の更なる着香物質、塩、糖、およびデンプン類を含有する乾燥ミックス製品である調味料を含むことができる。
おいしさ改善物質は、更に人工的着香剤であってもよい。用語゛人工的゛は、自然の動物源から誘導されていないことを意味する。これらとしては、フルーツフレーバー、野菜フレーバー、チーズフレーバー、ナッツフレーバー等が挙げられる。これらの人工的フレーバーの多数が、その内容を参照により含めるものとするカーク−オスマー化学技術辞典(Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology),11巻,24−28ページ(1994)に掲載されている。
他のおいしさ改善物質としては、人工的肉、家禽、および魚着香物質が挙げられる。これらとしては、例えば、人工的牛肉または植物性牛肉、植物性ハム、植物性ベーコン、植物性ソーセージを含む人工的または植物性豚肉製品、人工的家禽肉(即ち、七面鳥、ニワトリ等)製品、人工的魚肉製品等のような製品が挙げられる。更に、おいしさ改善物質は、酵母から誘導されても良い。子嚢菌または胞子非形成性の群の酵母を用いることができる。やはり含まれるのは、黒穂菌目(担子菌類)の目に属する酵母様属ならびにスポロボロミケス属およびスポロボロミケス科に属する酵母様属である。しかしながら、酵母が、商業的に入手可能な乾燥酵母、例えば、第一乾燥酵母、即ちサッカロミセス・ケレビシアエ、第一乾燥トルラ属酵母、即ちトルロプシス・ユーチリス(utilis)ならびに第二酵母、即ちビール醸造者の乾燥酵母、即ちサッカロミセス・ケレビシアエ(ビール酵母菌)およびサッカロミセス・カルルスベルゲンシス(carlsbergensis)であることが好ましい。加えて、おいしさ改善物質は、植物源、即ち大豆ミールまたは綿実油から誘導することができる。
本発明に用いるおいしさ改善物質は、無毒であり、食物として許容することができる。それらは、好ましくは、消化可能であり、それと関係する不利な胃腸の副作用、例えば、過剰な鼓腸または胃腸痛等がない。更に、おいしさ改善物質は、それと関連する薬学的有効成分の効力に著しく影響しない、即ち、それが薬物の作用を著しく阻害しない、更に好ましくは阻害しないものである。
好ましいおいしさ改善物質としては、加水分解された植物性蛋白質、天然の着香物質およびスパイスの混合物、例えば、ジリゴ社(Dirigo Corp.)により製造されるシリウススタッフ(Sirius Stuff)(商標)およびドッグボーンマリネード(Dog
Bone marinade)(登録商標)、ジェネバイングリディエント社(Geneva Ingredients Inc.)により製造される植物性牛肉、植物性ベーコンおよびローストガーリック、乾燥脱脂乳、麦芽乳、乳漿および他の製品の混合物、例えばオールダイアリーブレンド(All
diary Blend)(商標)、酵母着香剤、特に100%サッカロミセス・ケレビシアエ、例えばブリューテク(Brewtech)(商標)乾燥したビール製造者の酵母、全卵を置き換えるために配合組成した動物蛋白質と脂肪の配合物、例えば、エッグサックト(Eggsact)(商標)、ならびに白色および黄色チーズ製品粉末、およびチーズ皮の配合物、例えば、インターナショナルイングリディエント社(International
Ingredients Corp.)により製造されるチーズプラスチーズ(Cheese Plus Cheese)(商標)、ブッシュベークアランアメリカズ(Bush
Bake Allan Americas)により製造されるピーナッツバターおよび人工的チキン、ネブラスカ州のシラクス(Syracuse)のファーマケミー(Pharmachemie)により製造される人工的牛肉、又はその混合物が挙げられる。
おいしさ改善物質は、医薬をペットにとっておいしくするのに効果的な量で、医薬が受け入れることのできないフレーバーを有する場合、悪いフレーバを遮蔽するのに効果的な量、即ちおいしさを改善する量で、おいしい医薬組成物中に存在する。おいしさ改善物質が、医薬剤形の約0.025重量%から約99重量%の範囲の量で存在することができることが好ましく、更に好ましくは、おいしさ改善物質は、おいしい医薬組成物の約0.75重量%から約50重量%、そして最も好ましくは、約1重量%から約25重量%の範囲の量で存在し;前記の両方の場合において、酵母は、好ましくは、これらのパーセンテージの制限から除外される。酵母着香剤に関しては、酵母が、医薬組成物の約2重量%から約25重量%の範囲の量で存在することが好ましく、更に好ましくは、医薬組成物の約5重量%から約20重量%である。
おいしさ改善物質は、薬学的に活性な物質、例えば、限定するわけではないが、抗アメーバ薬、抗トリコモナス薬、鎮痛薬、食欲低下薬、抗関節炎薬、抗菌薬、抗生物質、抗凝血薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、抗癌薬、抗パーキンソン病薬、解熱薬、鎮痙薬、抗コリン作動薬、抗ウィルス薬、心血管系作用薬、避妊薬、利尿薬、妊娠促進薬、造血薬、ホルモン類、緩下薬、副交感神経薬、副交感神経様作用薬、覚醒薬、鎮静薬、交感神経様作用薬、抗炎症薬、バルビツール酸誘導体、興奮薬、トランキライザー等を含む、ペットに通常与えられる獣医の薬物と関連してペットに与えられる。例としては、カルプロフェン、セレギリン、イコペキシル(icopexil)、メタンフェタミン、メトシクロチアジド(methcyclothiazide)、セファレキシン、セファログリシン、クロキサシリン、フェノキシエチルペニシリン、エリスロマイシン、パルギリン、エフェドリン、コデイン、メチクロチアジド、メタルビタール、デセルピジン、ペントバルビタール、イソプロテレノール、ペペラジン(peperazine)、エストロン、ヒドロクロロチアジド、エトクロルビノール、クロルアゼペート(chlorazepate)、スルファメチゾール、フェナゾピリジン、オキシテトラサイクリン、四硝酸ペンタエリスリトール、ジエチルスチルベストロール、1−ヒヨスチアミン、エタベリン、ペンチレンテトラゾール、グリセオフルビン、アンピシリン、フェンジメトラジン、メプロバメート、結合型エストロゲン類、テストステロン、プラリドキシム、ジクロキサシリン、イソニアジド、マンデル酸メタナミン(methanamine
mandelate)、フェナセチン、アスピリン、カフェイン、酒石酸水素ヒドロコドン、オキサシリン、フェンテルミン、ビサコジルNF、フェンメトラジン、エフェドリン、グアイアコール酸グリセリル(glyceryl
guaiacolate)(グアイフェネシン)、フェノバルビタール、テオフィリン、スルホンアミド、フェノキシメチルペニシリン、カナマイシン、テトラサイクリン、ヘタシリン、メタンピシリン、グリシン・アルミニウム塩、アセトアミノフェン、サリチルアミド、メチルテストステロン、ヒドロキシナフトエ酸ベフェニウム、四硝酸エリスリチル、プロシクリジン、ジゴキシン、シクリジン、トリメトプリム、スルファメトキサゾール、ベンジルペニシリン、パパベリン、ヒドララジン、アロバルビタール、アセトアミノフェン、メタンドロステノロン、ジメチンデン、キシロメタゾリン、トラゾリン、トリペナレナミン(tripenalennamine)、レセルピン、アジフェニン、エチナメート、ベラドンナ、ピペラセタジン、リファンピン(rifampin)、ワルファリン、プロメタジン、スルフィンピラゾン、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、カルバマゼピン、イミプラミン、フロセミド、三硝酸グリセロール、イソプロテレノール、ブロムワレリル尿素、ペンチレンテトラゾール、イソメトヘプテン、臭化オキシフェノニウム、アマンタジン、炭酸リチウム、ブチロフェノン、ヒドロキシジン類、胎盤性性腺刺激ホルモン、メノトロピン類、シアノコバラミン、ジピリダモール、カサンスラノール、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、メチルフェニデート、チロキシン、アンフェタミン、クロルジアゼポキシド、ジアゼパムおよびスルフイソキサゾール、セファレキシン;クロラムフェニコール;リンコマイシン;リンコマイシン塩酸塩一水和物;オキシテトラサイクリン;テトラサイクリン;チロシン、サリチルアゾスルファピリジン(゛アズルフィジン゛);スルファジメトキシン;トリメトプリム−スルファジアジン(゛トリブリッセン゛)、コルチコトロピン(ACTH);酢酸コルチゾン;酢酸デオキシコルチコステロン(Deoxycorticosterone
acetate)(DOCA);デキサメタゾン;酢酸ヒドロコルチゾン;フェニルブタゾン;プレドニゾロン、ミボレロン;プロゲステロン;L−チロキシン(T、テトラヨードチロニン)、アラコリン(Aracoline)、アセタルゾール;臭化水素酸アレコリン;エンボン酸(またはヒドロキシナフトエ酸)ベフェニウム;ブナミジン塩酸塩;クエン酸ジエチルカルバマジン;ジクロロフェン;ジソフェノール;ヘキシルレゾルシン;メベンダゾール;ニクロサミド;ピペラジン塩、バルビツール酸、フェノバルビタールナトリウム、チオペンタールナトリウム、アンフェタミン(Amphetamin)、デキストロアンフェタミン、ジフェニルヒダントイン、フェノバルビタール、マレイン酸アセプロマジン;クロルプロマジン;メペリジン塩酸塩;メプロバメート、ノルピネフリン(Norpinephrin)、エピネフリン、イソプロテレノール、エフェドリン、アトロピン、メチルスコポラミン、マレイン酸クロルフェニラミン;トリペレナミン、硫酸アンフェタミン、塩化ベタネコール;シクロホスファミド;ミトタン(o,p´DDD);D−ペニシラミン、メルカプトメリン、クロルメロドリン、アセタゾラミド、シクロチアジド、クロロチアジド、メペリジン、ダルバジン(Darbazine)、ジゴキシン、キニジン、プロカインアミド、リドカイン、アミノフィリン等が挙げられる。
通常、薬学的有効成分を含有するおいしい剤形の受け入れにおけるいかなる改善も、おいしさを増すよう処方されていない医薬剤形よりも好ましい。おいしい剤形が、約30%以上の受け入れ率を有することが好ましい。更に好ましいのは、約50%以上の受け入れ率を有するおいしい剤形である。尚も更に好ましいのは、約80%以上の受け入れ率を有するおいしい剤形である。最も好ましいのは、約90%以上の受け入れ率を有するおいしい剤形である。
薬学的に活性な物質は、特定の疾患を治療するのに効果的な量、または予防するのに効果的な量で存在する。薬学的に効果的な量は、それぞれの薬物と共に変化し、薬物を処方する獣医により決定される。
獣医が、最も適切であるその薬学的に活性な物質の用量を決定する。量は、いくつかの因子に依存する。例えば、それは、投与の形態および選択した特定の化合物と共に変わり、更に、治療下の動物、動物の年齢、動物の体重および治療する疾病の型と共に変わる。しかしながら、送達される薬物の効果的な量は、仮においしさ改善物質が存在しないとしたら、変わらないであろう。
おいしい医薬組成物は、例えば、不活性希釈剤もしくは吸収できる食用担体と共に経口的に投与することができる、または、それは、硬もしくは軟シェルゼラチンカプセルに封入することができる、または、それは、錠剤、もしくはトローチ剤の形態に圧縮することができる、または、それは、食餌の食物に直接含ませることができる。経口治療投与には、活性化合物および着香剤を医薬品添加物と共に包含させ、摂取可能な錠剤、トローチ剤、カプセル剤およびオブラートの形態で用いることができる、あるいは、液体の形態で投与することができる。
おいしさ改善物質は、剤形に被覆剤として加える、または、制御放出被覆剤に含有させる、もしくはそれと分けるかのいずれかであってもよい。あるいは、おいしさ改善物質は、医薬を含有する錠剤または丸剤の表面に噴霧することができる。医薬組成物は、抗真菌薬および/または抗菌薬を含有することができる。好ましくは、おいしさ改善物質は、薬学的に活性な物質の貯蔵寿命を増加させる、または少なくとも減少させない。更に、おいしさ改善物質は、ペット用治療プログラムの服薬遵守を強化する。
錠剤、トローチ剤、丸剤、カプセル剤等は、また、以下:デンプングリコール酸ナトリウム、トラガカントゴム、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、トウモロコシデンプンまたはゼラチンのような結合剤;リン酸二カルシウム、および微結晶セルロースのような医薬品添加物;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、アルギン酸等のような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ポリエチレングリコール、タルクまたはシリカのような滑沢剤を含有しても良い。単位剤形がカプセル剤である場合、それは、上記の型の材料に加え、液体担体を含有しても良い。
被覆剤または他の成分は、医薬組成物の物理的形態を変えるように存在してもよい。例えば、錠剤、丸剤、またはカプセル剤は、シェラック、糖または両方、甘味剤、保存剤としてのメチルおよびプロピルパラベン、着色剤、染料ならびにサクランボのような他の成分で被覆してもよい。おいしい医薬組成物は、好ましくは、単位剤形に調製する。このような形態において、製剤は、おいしさ改善物質と関連して薬学的に活性な物質の適切な量を含有する単位用量に更に分割される。単位剤形は、包装された錠剤、カプセル剤、丸剤、口中錠、トローチ剤等のような包装された製剤であってもよい。好ましい固形単位剤形は、硬い圧縮された錠剤である。当然のことながら、いずれの単位剤形を調製するのに用いるいずれの材料も、製薬的に純粋で、用いられる量では実質的に無毒であるべきである。
本明細書で用いる場合、゛薬学的に許容することのできる担体゛には、あらゆる溶媒が含まれ、薬学的に活性な物質用分散媒体は、当業界で周知である。従来の媒体または物質が有効成分と相容れない限りを除いて、本発明の治療組成物におけるその使用が考えられる。1種より多い有効成分が、やはり、おいしい医薬組成物に含まれてもよい。
本発明のおいしい医薬組成物の調製は、種々の異なる公知の方法のいずれか一つを用いることにより成し遂げることができる。一つのこのような方法は、成分、例えば、薬学的に活性な物質、おいしさ改善物質、および医薬品添加物を、混合装置内で、水性もしくは非水性溶媒または溶媒混合物、例えば水またはアルコールのような湿式造粒溶媒と混合する湿式造粒法である。当業界で公知の技法を用いて混合物を乾燥し、次いで、乾燥した配合物を、通常、粒子のサイズを小さくするために粉砕機を通じて造粒物を小さくすることにより更に処理する。次いで、滑沢剤および任意の更なる医薬品添加物を加え、混合して均一な均質混合物を得る。別の変形例では、配合物を、流動層造粒法を用いて、造粒手段内で同時に造粒し、乾燥する。その結果できた顆粒を粉砕し、次いで、滑沢剤と混合する。
本発明のおいしい医薬組成物は、薬学的に活性な物質、おいしさ改善物質および担体材料を完全に混合する乾式処方により調製してもよい。必要であれば、医薬品添加物、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、および着色剤を、均一に混合する。適切な医薬品添加物の例は、ラクトース、およびデンプングリコール酸ナトリウムである。
その結果できた配合物を、次いで、固形剤形にする。最終剤形が錠剤またはチュワブル錠である場合、組成物を、錠剤圧縮機に移し、好ましくは、約1600から約2000ポンド/平方インチの圧縮圧で、約5から約25kPの範囲の硬さを達成する適切な圧縮圧で錠剤へと圧縮する。このようにして得た製品は、所望の硬さ、および錠剤に見られる低水準のもろさを有する。
あるいは、配合物は、当業者に公知の技法を用い、ゼラチンシェルによりカプセル化してカプセルを形成してもよい。同様に、丸剤およびトローチ剤は、当業者に公知の従来法を用いて調製する。
あるいは、本発明のおいしい医薬組成物は、ビスケット、チーズ、肉の切れ端等のような食物に見せかけるために、形状、歯ざわり、および模倣構造に形成してもよい。
本発明者等は、本発明のおいしさ改善物質を薬学的に活性な物質に加える場合、ペットは、それに引き付けられるのみならず、おいしさ改善物質を含有する医薬組成物を自由に摂取し飲み込むことを発見した。これらを、以下の実施例で説明する。
更に、本発明者等は、本発明のおいしさ改善物質が存在する場合、おいしさを強化するのに効果的な量のおいしさ改善物質の添加が、医薬組成物をより安定にし、貯蔵寿命を延ばすことを発見した。そうではないことを示さない限り、パーセンテージは、医薬組成物の重量による。
用語薬物の゛効果的な゛量は、無毒であるが所望の治療または予防効果を提供するのに十分な化合物の量を意味する。
本明細書で用いる゛担体゛または゛賦形剤゛は、固形経口薬物投与に適した担体材料を指し、当業界で公知の任意のこのような材料、例えば、希釈剤、結合剤、顆粒化剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤等が含まれる。
実施例で用いる着香剤は、次の通りである:
ワウナキー(Waunakee),WIのジェネバイングリディエント社による植物性牛肉フレーバーは、マルトデキストリン、自己消化した酵母エキス、天然のフレーバー、部分的水素添加植物油(大豆および/または綿実)、タマネギ粉末、および二酸化ケイ素の混合物である。ワウナキー,WIのジェネバイングリディエント社による植物性ベーコンフレーバーは、マルトデキストリン、天然のフレーバー、落花生油、天然のスモークフレーバー、および二酸化ケイ素の混合物である。
ワウナキー,WIのジェネバイングリディエント社によるローストガーリックフレーバーは、塩、マルトデキストリン、自己消化した酵母エキス、天然のフレーバー、部分的水素添加植物油(綿実または大豆)および二酸化ケイ素の混合物である。
リンコールン(Lincoln),NEのファーマケミーによる人工的粉末化牛肉フレーバーは、加水分解した植物性蛋白質、天然のフレーバー、および水素添加植物油の混合物である。
ブリューテク(乾燥ビール酵母、セントルイス,MOのインターナショナルイングリディエント社)は、アルコールを除去するために蒸留され、自然に苦味を抜き、そしてローラー乾燥されるビール醸造産業由来の100%の乾燥サッカロミセス・ケレビシアエである。
エッグサックト(乾燥した卵置換物、セントルイス,MOのインターナショナルイングリディエント社)は、全卵を置き換える又は拡大するように処方された動物蛋白質および脂肪の特別の配合物である。セントルイス,MOのインターナショナルイングリディエント社のチーズプラスチーズ製品は、白色および黄色チーズ製品粉末、およびチーズ皮の配合物である。
セントルイス,MOのインターナショナルイングリディエント社の糖食品副産物は、包装された乾燥ドリンクミックス、乾燥したゼラチンミックス、ハードキャンディー、ならびに高糖含量およびクエン酸を有する同様の特殊食品の副産物から製造される。
シカゴ,ILのブッシュボークアランアメリカズ(Bush Boake Allan Americas)のツルジル(Trusil)N/Aピーナッツフレーバーは、FEMA/GRASリストのフレーバー品目の商業秘密混合物である。
シカゴ,ILのブッシュボークアランアメリカズの人工的チキンフレーバーは、FEMA/GRASリストのフレーバー品目の商業秘密混合物である。
ボストン,MAのジリゴ社のシリウススタッフ(商標)は、酵母、にんにく、塩、ハーブ、ケルプおよび醗酵大豆の配合物である。
以下の非制限的実施例は、本発明を更に具体的に説明する。
定義
3種の異なる親水性ポリマーを用いて本明細書で後に示すような制御放出マトリックス錠剤を処方した。これらは、以下のものである:
1)メトセル(Methocel)(登録商標)(ダウケミカル社(Dow Chemical Company),ミッドランド(Midland),ミシガン)は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)ポリマーである。それらは、USP、JP、EP等級で入手可能である。種々の粘度および含水速度を表す表Aに示すように、多数のポリマー等級が入手可能である。
Figure 2005538128
HPMCポリマーの含水は、表面におけるゲル形成をもたらし、その結果、錠剤の芯への水の浸透を遅らせる。ポリマーの含水速度が速ければ速いほど、素早い初めのゲル層形成故に適切な持続放出特性が観察されると考えられる。ゲル強度は、ポリマーの粘度および濃度の両方の直接的結果である。メタノール(Methanol)(登録商標)プレミアムプロダクツ(Premium products)では、゛K゛シリーズは、含水が最も速い(続いてメトセル(登録商標)Eプレミアムプロダクツ)。これは、疎水性メトキシル基のより低い置換水準とより高い水準の親水性ヒドロキシプロポキシル置換の組合せ効果による。メトセル(登録商標)ゲルの粘度は、比較的pHと無関係である;しかしながら、薬物溶解度が所定のpH範囲にわたり劇的に変化する場合、放出は、pH次第であるかもしれない。
メトセル(登録商標)製品は、50ポンド多層袋で入手可能であり36ヶ月の貯蔵寿命を有する自由に流動する白色からオフホワイト粉末である。メトセル(登録商標)プレミアム等級では、粒子サイズは、100%<30メッシュ(99%<40メッシュ)である。より速い含水であり、より小さい同様の粒子サイズ(Eシリーズ95%<100メッシュ、Kシリーズ90%<100メッシュ)を有する制御放出等級が入手可能である。
2)ポリオックス(Polyox)(水溶性樹脂(WSR)(ダウケミカル社,ミッドランド,ミシガン、以前はユニオンカーバイド社(Union Carbide
Corp.))は、非イオン性ポリ(エチレンオキシド)ポリマーである。それらは、表Bに示すように広い範囲の分子量で入手可能である。
Figure 2005538128
従来のマトリックス錠剤に用いる場合、ポリオックスは素早く含水して錠剤表面上にゲル層を形成する。薬学的に活性な物質の放出は、このゲル層を通じた拡散および続いての錠剤の緩慢な破壊により進行する。ポリオックス(登録商標)ポリマーは非イオン性であることから、活性薬物物質との相互作用は考えられない。
貯蔵安定性は、自動酸化を通じた連鎖分解の可能性のため、ポリエチレンオキシドから成る錠剤にとって問題になりかねない。例えば:
● ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)およびビタミンEは、貯蔵および使用条件下のポリオックス(WSR)を能率的に安定にする。
● 製品安定性は、高温および酸素へのポリマーの長期露出を最小にすることにより大きく改善される。
● 錠剤は、最終処方物中の酸化防止剤濃度を調節することにより効果的に安定にすることができる。
全てのポリオックス(登録商標)(WSR)等級が、酸化防止目的のため100から1000ppmのBHTと共に供給される。
3)カルボポール(Carbopol)(登録商標)樹脂(ノベオン社(Noveon, Inc.),クリーブランド(Cleveland),オハイオ)。
カルボポール(登録商標)樹脂は、ポリアルケニルアルコールまたはジビニルグリコールと化学的に架橋しているアクリル酸の非常に高分子量のポリマーである。カルボポール(登録商標)(水に溶解するのではなく、むしろコロイドゲル分散系を形成する樹脂)。カルボポール(登録商標)樹脂は、3種の等級:934P NF、971P NF、および974P NFで入手可能である。等級は、表Cに表されるように架橋度、架橋剤、および重合溶媒に基づいて区別される。934Pにおける低水準のベンゼン残基の存在ゆえ、971Pおよび974Pが好ましい等級である。
Figure 2005538128
カルボポール(登録商標)樹脂は水溶性ではないが、親水性であり容易に水を吸収する。カルボポール(登録商標)マトリックス錠剤からの放出のメカニズムは、水溶性ポリマーから成るマトリックス錠剤と概念的に異なる。含水により、カルボポール(登録商標)は素早く膨潤して表面の境界面にゲルを形成する。十分含水した時、内部からの浸透圧が作用して実質的にヒドロゲルの個々の片をはがすことにより構造を破壊する。これらのヒドロゲル片はそのまま残り、薬物はゲル層を通じた拡散により放出される。
カルボポール(登録商標)樹脂の膨潤は、取り囲む媒体のpHにより影響される。ピークの膨潤は、pH5−9の範囲で見られる。これは、カルボポール(登録商標)マトリックス錠剤からのpH依存薬物放出をもたらす。
カルボポール(登録商標)樹脂は、半合成または天然の製品よりも終始変わらない傾向がある合成ポリマーである。BFグッドリッチ(BF Goodrich)により行われた貯蔵安定性試験は、化学的安定性を示唆する。例えば、カルボポール(登録商標)934Pが、室温および80℃で2年間保持され、試験テオフィリン錠剤が毎月製造された。放出プロファイルにおいて、著しい変化は観察されなかった。
以下の実施例で用いる他の材料を、下記に説明する:
a)アクアコート(Aquacoat)(登録商標)(FMC社(FMC Corporation)、フィラデルフィア、ペンシルバニア)は、水中のポリマーエチルセルロースの水性分散系(合計固形物約30%)である。それは、また、少量のラウリル硫酸ナトリウムおよびセチルアルコールを含有する。表面上に噴霧された場合、分散媒体(水)が蒸発し、個々のミクロン未満のサイズのポリマー粒子が合体して薄膜を形成する。この薄膜は、長期にわたる薬物の持続放出を提供する、薬物分子にとっての拡散バリヤーを提供する。
b)オイドラギットS100(ロームファルマ(Rohm Pharma)、ピスカタウェイ、ニュージャージー)は、メタクリル酸およびメタクリル酸エステルから製造されたアニオン性コポリマーである。それは、酸中では不溶性であるが、pH7から上の腸液で可溶性になる。
実施例1
この実施例は、そのような物質を含有しない(着香しない)またはビトレックス(Bitrex)(公知の不快な苦い味を有する)を含有する錠剤に対する、その中においしさ改善物質を有する(着香した)プラシーボ錠剤のイヌによる自発的受け入れ(自由選択)の増加を示す。
この実施例は、イヌが、フレーバーを含有しない錠剤またはビトレックスのような公知の不快な味の物質を含有する錠剤よりも容易に、着香した錠剤を受け入れることを示す。
25匹の一群のイヌが試験され、各イヌは、5種の処置の内3種の選択を提供された。イヌは、一晩断食させられ、彼等の通常の食物皿の中の錠剤を提供された。皿は、5分後に取り出された。ビトレックスを有するプラセボが、別ではあるが同様の研究で評価された。試験結果を、表1に示す。
Figure 2005538128
実施例2
この実施例は、種々のポリマー被覆剤を用い先行技術の方法により製造されたカルプロフェン含有マトリックス錠剤の制御放出特性(時間にわたる溶解)を示す。
カルプロフェンを含有する基本型制御放出マトリックス錠剤を、マネスティ(Manesty)F型錠剤圧縮機(マネスティ、ノースリー(Knowsley)、メルシーサイド(Merseyside)、英国)を用い直接打錠法により製造した。錠剤は、カルプロフェンの放出を加減する重合添加剤を含有した。カルプロフェン、ラクトースファースト−フロ(fast-flo)(登録商標)、およびポリマーを、20分間共に混合した。混合物を、次いで、#40のメッシュ篩を通過させ、更に20分間混合した。ステアリン酸マグネシウム(混合物総重量の1%)を加え、更に3分間混合した。より小さい25mgの錠剤には、0.4゛X0.2゛金型(tooling)を用い、より大きい100mgの錠剤には、0.635゛X0.3175゛カプレット成形金型を用いた。処方物に依存して、112Kpから17Kpの錠剤硬度が達成された。製造ロットの概要を、表2に示す。平均溶解プロファイル(インビトロ、異なる被覆ポリマー水準および型のこれらの処方物について7.5のpHで時間の関数としてのパーセントで与えられた)を、表3に示す。
Figure 2005538128
Figure 2005538128
Figure 2005538128
実施例3
この実施例は、特定のポリオックスポリマーを用いカルプロフェンを含有するマトリックス錠剤の制御放出特性(時間にわたる溶解)を示す。20.08%カルプロフェン、フィルターとしてラクトースファースト−フロ、ポリマーおよび滑沢剤として1%ステアリン酸マグネシウムを含有する処方物を、実施例2で示したものと同様の直接打錠法により製造した。ポリマーおよびラクトースファースト−フロの割合を変化させた。錠剤の総重量および用いる金型は、錠剤の強度に依存した。3種の強度に関するポリマー水準は、表4に示す通りであった。これらの処方物について7.5のpHで時間の関数としてのパーセントで、平均溶解プロファイル(インビトロ)を、表5に示す。
Figure 2005538128

Figure 2005538128
実施例4
この実施例は、制御放出マトリックス錠剤のインビボ性能について報告する。
実施例は、選ばれた制御放出マトリックス錠剤処方物のインビボ性能を示す。即時放出処方物と比較して、制御放出処方物は、代表的には、より低い最大血漿濃度(Cmax;μg/mlの単位)およびCmax値に達するまでのより長い時間(Tmax;hrの単位)を示す。
カルプロフェンを含有する選ばれた制御放出マトリックス錠剤のインビボ薬物動態性能を、非交さ様式で実験用ビーグル犬において測定した。R−およびS−カルプロフェンの両方の濃度を測定したが、合計カルプロフェン濃度のデータのみを、ここに提供する。比較のため、および対照として、イヌは、1回量として及び1日2回(BID)様式で与えられる2X1mg/lbとして与えられる2mg/lbの即時放出(IR)カルプロフェン用量を投与(突っ込み)された。その結果生じた薬物動態パラメーターを算定し、表6に示す。CmaxおよびAUC値(血漿−時間曲線下の面積;μg/ml−hrの単位)を、2mg/lbに用量を標準化して示す。かっこ内の値は、標準偏差である。
Figure 2005538128
実施例5
この実施例は、カルプロフェンおよびおいしさ改善物質を含有する制御放出マトリックス錠剤を製造することができることを立証する。
この実施例は、着香した制御放出マトリックス錠剤を製造する方法を教示する。ビール醸造者の酵母および人工的粉末牛肉のような他のフレーバーを有する着香マトリックス錠剤は、同様に製造することができる。フレーバーの水準は、その結果できる錠剤が、目的とするイヌ、ネコ、または他のペットにとっておいしいように選ぶべきである。速度制御ポリマーの型(例えば、メトセル、ポリオックスまたはカルボポール)および錠剤処方物中のその水準は、錠剤に包含される薬理学的に活性な物質が所望のインビトロ放出速度で放出され、所望のインビボ性能特性を有するように選ぶべきである。錠剤総重量は、各錠剤が所望の量の活性物質を含有するようなものであるべきである。錠剤金型、および錠剤の硬度のような製造パラメーターは、適用に適切であるべきである。ローラー圧縮および流動層造粒法を含む乾式および湿式造粒法のような錠剤を製造する他の方法は、適切な場合、用いることができる。これらの選択は、当業者に明白である。
25mgのカルプロフェンを含有する着香した制御放出マトリックス錠剤を、実施例2で説明したものと類似の直接配合および打錠法により製造した。表7において、処方物37255−122Aは、16.7%カルプロフェン、60.3%ラクトースファースト−フロ、15%ポリオックス凝析剤(MW 5M)、フレーバー成分として7%シリウススタッフ、および1%ステアリン酸マグネシウムから成った。処方物37255−122Bは、16.7%カルプロフェン、59.8%ラクトースファースト−フロ、15%ポリオックス凝析剤(MW 5M)、フレーバー成分として7.5%チーズプラスチーズ、および1%ステアリン酸マグネシウムから成った。
実施例6
この実施例は、おいしさ改善物質をその中に有する制御放出マトリックス錠剤のインビボ性能について報告する。
この実施例は、選ばれた着香制御放出マトリックス錠剤処方物のインビボ性能を示す。即時放出処方物と比較して、制御放出処方物は、代表的には、より低いCmax及びより長いTmax値を示す。おいしさ改善物質の存在は、マトリックス錠剤の薬物動態特性を変えなかった。錠剤は、自由選択受け入れ法によらず、従来の(突っ込み)方法で薬物投与したことを記す。
実施例5で説明した着香CRマトリックス錠剤を、断食したビーグル犬で研究した。インビボ性能は、より低いCmax及びより長いTmaxを有する制御放出錠剤の特性である。即時放出処方物に相対する生物学的利用能は、〜30%に減少した。薬物動態パラメーターを、表7にまとめる。比較は、IR処方物に相対する。
Figure 2005538128
実施例7
この実施例は、着香薬物含有錠剤のおいしさ試験におけるイヌの試験行動を観察する。特に、この実施例は、イヌが、飲み込む前に着香錠剤を噛むことを示す。
おいしさ研究は、種々の血統の40匹の無作為源のイヌで行う。初めの研究は、フレーバーおよびサイズを変えたプラセボ錠剤の受け入れおよび消費を監視した。好きなフレーバーを、次いで、カルプロフェンを含有する圧縮錠剤で再試験した。これらの研究において、イヌの受け入れおよび消費行動が、特に、錠剤が飲み込む前に噛まれるかどうか監視された。
イヌが着香錠剤を受け入れ、それを消費する全ての場合において、研究監視者等は、大部分のイヌが飲み込む前に着香錠剤を噛むことを認めた。イヌは、錠剤を2回より多く噛むと推定された。或る場合には、イヌは、消費が数秒以内に起こった場合でさえ、錠剤を粉々に噛むと推定された。
実施例8
インビトロ溶解は、噛む問題に対処するために研究する。
この実施例は、カルプロフェンを含有する制御放出マトリックス錠剤が、インビトロ溶解試験において、全体、ニ分割、四分割、そして粉砕される場合、全体と比較して漸次、より速い速度で薬物を放出することを示す。
カルプロフェンを含有する制御放出マトリックス錠剤を次の通りに製造した:67.3%ラクトースファースト−フロ、15.0%ポリオックス凝析剤をタービュラ(Turbula)混合機内で20分間混合し;次いで、#40のメッシュ篩を通じて選別し、更に20分間混合し;1.0%ステアリン酸マグネシウムを加え、更に3分間混合し;その結果できたものを、600mg目標重量で0.635x0.2175゛カプレット成形金型を用いマネスティF圧縮機を用いて圧縮し;100mgの活性物質カルプロフェンを含有する錠剤を10から12Kp硬度で得た。
Figure 2005538128
実施例9
この実施例は、基本型制御放出マトリックス錠剤処方物を用いるインビボ試験について報告する。
マトリックス錠剤の制御放出特性の潜在的損失を評価するために、インビボ実験をイヌで行った。実験用ビーグル犬に交さ様式で以下の処方物を薬物投与した:
(A)それらが噛まれなかったことを保障するために゛突っ込み゛または従来の様式で薬物投与される着香マトリックス錠剤
(B)カプセル剤として薬物投与される故意に粉砕されたマトリックス錠剤
(C)自由選択としてイヌに提供される着香した制御放出マトリックス錠剤
これらの研究および薬物動態分析は、故意に粉砕した錠剤をイヌが投与された場合、マトリックス錠剤の制御放出特性が失われることを確認した。処置Cは、実験用ビーグル犬による着香マトリックス錠剤の自由選択受け入れが関与した。消費された錠剤の数が少ないことから、ごちそうCから信頼できる薬物動態データを得ることは可能ではない。それでもなお、ごちそうBの故意に粉砕されたマトリックス錠剤は、噛まれた錠剤を効果的に模倣した。
全体、ニ分割、四分割、および粉砕された錠剤のインビトロ溶解データならびに着香錠剤を消費するイヌの観察された噛む行動に基づき、ペット用に先行技術により製造されたような着香した制御放出マトリックス錠剤は、制御放出性能の部分的または完全な喪失をもたらすと結論づけることができる。これは、咀嚼に耐えるペット用おいしい制御放出処方物の必要性を強調する。
実施例10
この実施例は、湿式造粒法を用い、本発明による多様微粒子形態の薬学的に活性な物質の製造を示す。
290rpmの羽根車速度を用いる20Lの容量を有するロッジー(Lodige)M20R高せん断グラニュレーター(ロッジープロセステクノロジー社(Lodige Process Technology,
Inc.)、マールトン(Marlton)、ニュージャージー)に、以下の成分:30%カルプロフェン、4.93%予めのり化したデンプン、60.14%ラクトース、および4.93%デンプングリコール酸ナトリウムを充填した。成分を2分間乾燥混合し、続いて適切な量の脱イオン水を慎重に加えて湿式造粒物を得た。造粒物を取り出し、〜50℃で一晩トレーを乾燥した。
一晩の乾燥後、20−140メッシュ(106−850μm)篩で選別されたものをロットから取り出し、流動層被覆実験に用いた。
実施例11
この実施例は、噴霧乾燥による本発明による多様微粒子形態の薬学的に活性な物質の製造、およびこの多様微粒子の特徴づけを示す。
以下の処方物を、ロータリーアトマイザーを装備したニロポータブルスプレードライヤー(Niro Portable Spray Drier)(ニロ社(Niro, Inc.)、コロンビア、メリーランド)を用いて噴霧乾燥した。供給速度は、25g/分から100g/分にわたった。
a)カルプロフェン/アセトン溶液(20%固形物)(ロット34975−143)
b)カルプロフェン/オイドラギット/アセトン溶液(20%固形物、5:1ポリマー:薬物比率)(ロット34975−145−1から−3)
c)カルプロフェン/オイドラギット/アセトン溶液(10%固形物、5:1ポリマー:薬物比率)(ロット34975−145−4から−7)
噴霧乾燥実験操作の初めの処理条件は、表9に示す通りであった:
Figure 2005538128


噴霧乾燥ロットの物理的特徴づけ
噴霧乾燥粒子の粒子サイズを、マルバーン(Malvern)粒子サイズ分析器(マルバーンインストリューメンツ社(Malvern Instruments Inc.)、サウスボロー(Southborough)、MA)を用いて測定した。平均粒子サイズ(平均として表す)は、約20μmから約80μmの範囲であった;個々の結果は次の通りであった:
Figure 2005538128
噴霧乾燥粒子の示差走査熱量計(DSC)分析は、カルプロフェンの融解吸熱に相当するピークはポリマーが存在する混合物中には存在しなかったことを除いては親化合物からの著しい逸脱を示さなかった。
X線回折研究は、薬物が、噴霧乾燥後、無定形であることを示した。
走査電子顕微鏡写真は、粒子の形状が球状であることを示した。ポリマーを有する試料は、ポリマー゛尾部゛の証拠を示し、いくつかの空っぽの球体も認められた。顕微鏡写真の粒子サイズは、マルバーンのデータと一致した。
実施例12
この実施例は、その結果できた粒子サイズ(p.s.)に関して噴霧乾燥器操作パラメーターと機器の構成間の関係を示す。
いくつかの実験を、ロータリーアトマイザー対二流体ノズルおよび二点収集システムのような噴霧乾燥器の構成を調査するために実施した。二点収集システムは、遠心分離機による上部収集口および粒子に作用する重力による噴霧乾燥チャンバーの底の底部収集システムから成る。また、ノズル圧、供給速度、入口温度および収集点のようないくつかの操作上の可変因子も研究した。
実験結果の統計的分析は、特定の条件下で、噴霧乾燥器内で〜100μmの平均サイズを有する粒子を製造することが可能であることを立証した。より大きい粒子は、被覆により適合することから、より大きい粒子(〜100μm)が、より小さいサイズの粒子(〜20μm)より好ましい。実験をまとめる表10に示すように、操作上の可変因子が、約15μmから約120μmにわたる粒子サイズに著しく影響した。
実験を、表10にまとめる。
Figure 2005538128
Figure 2005538128
実施例13
この実施例は、本発明により考えられるような制御放出多様微粒子形態の薬学的に活性な物質の調製の態様を示す。この実施例において、多様微粒子形態物は、湿式造粒法により製造され;被覆は流動層によった。
実施例11の20−140メッシュ粒子を、グラット(Glatt)GPCG−5流動層被覆器(グラットエアテクニクス(Glatt Air Techniques)、ラムジー(Ramsey)、ニュージャージー)内で被覆した。2種の異なる被覆剤を用いた。
A)〜27%w/wのアクアコート被覆剤(エチルセルロースポリマーの30%懸濁液)を、1kgの芯顆粒(実施例11の20−140メッシュ粒子)に用いて持続放出被覆物を得た。
B)〜15%w/wのオイドラギットS100被覆剤を用いて(被覆剤総重量の23重量%)遅延放出被覆物を得た。
用いた流動層被覆パラメーターを、表11に示す。
Figure 2005538128
本発明の実施に必要ではないが、上記で得たオイドラギット被覆粒子のいくらかを、グラットGPCG−1流動層被覆器(グラットエアテクニクス、ラムジー、ニュージャージー)を用いオイドラギットS−100で更に被覆した。試料を、〜20%、25%および30%w/wオイドラギットS−100固形物から採取した。オイドラギット被覆粒子の溶解を、図1に示す。
30%被覆顆粒を、また、pH1.2で1時間、続いてpH6.0で2時間、そしてpH7.5でその残り時間であるpH交さ溶解試験(図2)でも試験した。より低いpHへの露出がないpH7.5のデータも、やはり示す。結果は、一貫してpH7.5とpH交さ溶解の間の放出プロファイルの著しい変化を示さない。
実施例14
遅延放出錠剤
対照として役立てるために、25mgのカルプロフェンを含有する遅延放出錠剤(多様微粒子形態ではない)を、12.5%カルプロフェン、43%微結晶セルロース、43%リン酸二水素カルシウム、少量のイエロー#10レーキ染料および1%ステアリン酸マグネシウムを含有する粉末混合物を用いて製造した。これらの錠剤芯を、6%および12%w/wポリマーになるようにオイドラギットS100を用い側口コーティングパン内で被覆した。被覆パラメーターを、表12に示す。
Figure 2005538128
溶解結果は、12%オイドラギットS100被覆物が、薬物の放出にとって適切な腸溶保護を提供することを示した。溶解結果を、図3に示す。
12%w/wオイドラギットS100被覆錠剤も、また、pH切り替え溶解法を用いて試験し、結果を図4に示す。溶解結果は、被覆物が適切な腸溶保護を提供することを示した。
実施例15
転相法を用いてカルプロフェン含有マイクロカプセル剤を製造した。カルプロフェンならびに適切な溶媒およびポリマー被覆剤を、マイクロカプセル化法に供し;濾過し;トレー乾燥器(流動層乾燥器も用いることができる)で乾燥し;そして#20メッシュの篩で篩にかけた。マイクロカプセル剤を他の不活性成分と混合し、圧縮して50mg有効成分の500mgの丸い錠剤を得た。錠剤を、カルバー加圧機で〜5および13kp硬度に圧縮した。
図5に示す溶解結果は、被覆がカルプロフェン放出を遅らせるのに効果的であり、予想されたことではあるが、15%から45%被覆の間で被覆水準が増すと共に放出速度が減少することを示した。25%被覆のマイクロカプセルの2つのロットは、ほとんど同一の放出プロファイルを示し(図6に示すように)、被覆法のある程度の再現性を示した。錠剤にした場合、全ての被覆水準で放出速度の著しい増加があったが、それにもかかわらず、゛軟゛(5kp)および゛硬゛(13kp)錠剤間の放出プロファイルにほとんど差異はなかった。これは、被覆剤に対する損傷が、配合物の初めの圧縮中に起こったことを示す。
実施例16
溶融噴霧凝結による本発明の多様微粒子形態(芯粒子)の薬学的に活性な物質
芯粒子を、次の通りに溶融噴霧凝結(MSC)法により製造する。薬学的に活性な物質、天然または合成の低温溶融(例えば、50℃から80℃)担体(例えば、ロウ類、例えばカルナウバロウ、脂肪酸、例えばステアリン酸、脂肪酸のモノ−、ジ−およびトリ−グリセリド及びそれらの混合物、例えばモノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、ガテフォセ社(Gattefosse S.A.),フランスにより商品名コムプリトール(Compritol)(登録商標)888ATOとして市販されているベヘン酸グリセリル、パラフィン、水素添加ひまし油、レシチン等)および任意に(0%から約15%)の表面活性剤(例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリソルベート類、ソルビタンエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、またはルトロール(Lutrol)(登録商標)およびプルロニック(Pluronic)(登録商標)の商品名で市販されているポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類またはガテフォセ社,フランスにより商品名ゲルシレ(Gelucire)(登録商標)44/14もしくはゲルシレ(登録商標)50/13として市販されているもののような他の両親媒性のロウ状物質)から成る配合物を調製する。この配合物を、溶融タンクまたは押し出し成形機内で適切な温度まで加熱する。熱い混合物を、単−流体もしくは二−流体スプレーノズルまたは冷却チャンバー(例えば、噴霧乾燥器)へのスロッティド・ホイールを有する回転ディスク装置のような遠心アトマイザーを用いて噴霧する。チャンバー内のより冷たい空気が、時々ミクロスフェアと呼ばれる多様微粒子を凝結する。
実施例17
押し出し成形−球状化による本発明の多様微粒子形態(芯粒子)の薬学的に活性な物質の製造
芯粒子を、次の通りに押し出し成形−球状化法により製造する。薬物(乾燥混合物の5重量%から95重量%)および1種以上の結合剤ならびに任意にラウリル硫酸ナトリウムのような表面活性剤から成る配合物を調製する。結合剤は、セルロースもしくは天然ゴム、合成ポリマー、または微結晶セルロースであってもよい。微結晶セルロース(アビセル(Avicel)(登録商標)FMC社等級PH101、PH102、RC−581、およびCL−611のような多数の異なる等級で入手可能)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン、および予めのり化したデンプン。水および水−アルコール混合物(造粒化液体と呼ばれる)を、次いで、押し出し成形である次の工程に適している硬さの湿塊を得るのに十分な量で配合物に加える。押し出し成形機(代表的には、一軸またはニ軸押し出し成形機)内で、湿塊をダイスに押入れてスパゲッティ状の円筒物を形成する。円筒物または押し出し成形物を、次いで、球状化処理機内で球状または多かれ少なかれ球状の粒子に変換する。球状化処理機は、実質的には、迅速に回転するボトムディスクを有する鉢である。ディスクは、その表面上に網目状の陰影をつけた又は放射状に模様を描いたみぞを有するように機械で作られる。最終工程で、押し出し成形−球状化により得られた芯粒子を、従来のトレー−乾燥器または流動層乾燥器内で乾燥する。
実施例18
薬物層化による本発明の多様微粒子形態(芯粒子)の薬学的に活性な物質の製造
芯粒子を、次の通りに薬物層化法により製造する。適切な小さいサイズのノンパレル種を、流動層ユニットまたは遠心グラニュレーターに詰め、固形形態または懸濁液もしくは溶液のいずれかの薬物含有組成物を種に加える。薬物を含有する組成物は、結合剤を含有するか、あるいは、薬物含有組成物を同時に加えながら結合剤溶液を種に噴霧してノンパレル種上に薬物を実質的に層にする。
実施例19
制御放出多様微粒子形態の薬学的に活性な物質を製造するための芯粒子の被覆
前の実施例で説明したいずれかの方法により製造した芯粒子を、改変放出の有効成分または薬物を得るために被覆する。被覆剤を用いて遅延放出(時々、腸溶被覆剤と呼ばれる)を達成するか、または持続放出を達成することができる。代表的には、粒子を、ワースターインサートを取り付けた流動層被覆ユニット内で被覆する。被覆処方物は、水性または有機溶媒または混合物のいずれかを用い、懸濁液または溶液のいずれかであってもよい。被覆処方物は、代表的には、ポリマー、可塑剤、およびデタッキファイヤー、消泡剤、表面活性剤等のような他の処方補助剤を含有する。遅延放出被覆物を得るのに用いるポリマーは、代表的には、低いpH(典型的に胃で見られる1から約5の範囲)では不溶性であるが、より高いpH(典型的に小腸で遭遇する5.5より高い)では可溶性である。遅延放出被覆に用いるポリマーとしては:酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、オイドラギットL100−55、オイドラギットS100およびオイドラギットL100/S100の混合物が挙げられる。持続放出被覆物を得るのに用いるポリマーとしては:ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、オイドラギットRL100、オイドラギットRS100及びそれらの混合物、オイドラギットS100、オイドラギットNE30D、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、シリコーン、アクアコート(登録商標)FMCおよびシュアリース(登録商標)カラコンの商品名で市販されているエチルセルロース分散物が挙げられる。遅延放出被覆物の代表的な被覆の厚さは、必要な機械的安定性および適切な溶解性能を得るよう20から30umである。持続放出被覆物の代表的な被覆の厚さは、5から50umの範囲である。重量(w/w芯)の見地から、被覆剤は、5%から約50%まで最高で100%までの範囲にわたってもよく、代表的には約10から50%である。多様微粒子上のポリマー被覆に関する更なる情報は、参考文献:イサクゲブレ−セラジ(Isaac Ghebre-Sellassie)により編集された多様微粒子経口薬物送達,マルセルデッカー社(Marcel Dekker,
Inc.)1994の重合溶液を用いる多様微粒子の被覆、処方および処理の考察(Coating of multiparticulates using
polymeric solutions, Formulation and Process Consideration), クラウスリーマン(Klaus
Lehmann),ローム(Rohm)有限会社、ダルムシュタット、ドイツにある。
実施例20
本発明のおいしいチュワブルの制御放出組成物の具体例の製造
実施例17から19で説明した通りの、実施例14、実施例16または実施例20で説明した通りに被覆した、そして適切な持続または遅延放出特性を有する多様微粒子を、希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤および着香剤のような代表的錠剤医薬品添加物と共に混合する。代表的希釈剤としては:ラクトース、デンプン、マンニトール、ソルビトール、微結晶セルロース、リン酸二水素カルシウム、白糖、硫酸カルシウム、乳酸カルシウム、加水分解したデンプン、デキストロース、アミロース等が挙げられる。代表的結合剤は、約1重量%から約20重量%の範囲で用いられ、それとしては、限定するわけではないが、アラビアゴム、セルロース誘導体、ゼラチン、グルコール、ポリメタクリル酸エステル、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、予めのり化したデンプン等が挙げられる。代表的崩壊剤は、1重量%から約20重量%の範囲で用いられ、それとしては、限定するわけではないが、天然のデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、予めのり化したデンプン、改変トウモロコシデンプン、微結晶セルロース、アルギン酸塩、ゴム類等が挙げられる。代表的滑沢剤は、約5重量%未満の量で用いられ、それとしては、限定するわけではないが、ステアリン酸マグネシウム、カルシム、もしくはナトリウム、ステアリン酸、タルク、ポリエチレングリコール等が挙げられる。時々、錠剤処方物は、タルクまたはトウモロコシデンプンのような固結防止剤およびコロイド二酸化ケイ素のような流動促進剤も含む。錠剤は、例えば、直接打錠法または乾式造粒法(錠剤塊作り、ローラー圧縮等)もしくは湿式造粒法により製造される。上述の錠剤成分に加え、着香した制御放出錠剤は、やはり、上文で説明した通りの1から30%のおいしさ改善物質も含有する。
錠剤用参考文献:参照により本明細書にそっくりそのまま含めるものとする、ハーバートA.リーバーマン(Herbert A. Lieberman),レオンラッチマン(Leon Lachman),およびヨセフB.シュワルツ(Joseph
B. Schwartz)により編集された医薬剤形:錠剤(Pharmaceutical dosage forms: tablets),1巻,マルセルデッカー,1989。
図1は、種々の水準のオイドラギットS100で被覆したカルプロフェン多様微粒子の溶解対時間を示すグラフである。
図2は、非被覆およびオイドラギットS100で被覆したカルプロフェン多様微粒子のpH交さを用いた溶解対時間を示すグラフである。
図3は、非被覆および種々のオイドラギットS100で被覆した錠剤形態のカルプロフェン多様微粒子の溶解対時間を示すグラフである。
図4は、非被覆および種々のオイドラギットS100で被覆した錠剤形態のカルプロフェン多様微粒子のpH交さを用いた溶解対時間を示すグラフである。
図5は、種々の被覆のカルプロフェン多様微粒子(マイクロカプセル態様)の溶解対時間を示すグラフである。
図6は、25%被覆水準のカルプロフェンマイクロカプセルについて錠剤化および錠剤の硬さの影響を溶解対時間で示すグラフである。
図7は、50mg即時放出カルプロフェン多様微粒子処方物のビーグル犬における血漿濃度対時間を示すグラフである。
図8は、遅延放出カルプロフェン多様微粒子処方物のビーグル犬における血漿濃度対時間を示すグラフである。
図9は、持続放出カルプロフェン多様微粒子処方物のビーグル犬における血漿濃度対時間を示すグラフである。
図10は、圧縮した及び圧縮していない持続放出カルプロフェン多様微粒子処方物のビーグル犬における血漿濃度対時間を示すグラフである。

Claims (15)

  1. ペットへの経口投与用のおいしくてチュワブルの制御放出医薬組成物であって、
    制御放出多様微粒子形態物中の治療上効果的な量の薬学的に活性な物質;および
    医薬組成物を当該ペットにとっておいしくするのに十分な量のおいしさ改善物質を含む前記組成物。
  2. 当該制御放出多様微粒子形態物が、約5000μmまでの平均粒子サイズを有する、請求項1の組成物。
  3. 当該制御放出多様微粒子形態物が、約10μmから約5000μmの平均粒子サイズを有する、請求項2の組成物。
  4. 当該制御放出微粒子形態物が、持続放出微粒子形態物、遅延放出微粒子形態物またはパルス放出微粒子形態物である、請求項1の組成物。
  5. 当該持続放出微粒子形態物が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、オイドラギット(Eudragit)RL100、オイドラギットRS100、オイドラギットRL100/RS100の混合物、オイドラギットS100、オイドラギットNE30D、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、シリコーン、エチルセルロース分散物、又はその組み合わせで被覆された粒子を含む、請求項4の組成物。
  6. 当該遅延放出微粒子形態物が、pH感受性材料で被覆された粒子を含む、請求項4の組成物。
  7. 当該pH感受性材料が、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、オイドラギットL100−55、オイドラギットS100およびオイドラギットL100−55/S100の混合物、又はその組み合わせである、請求項6の組成物。
  8. 当該薬学的に活性な物質が、抗アメーバ薬、抗トリコモナス薬、鎮痛薬、食欲低下薬、抗関節炎薬、抗菌薬、抗生物質、抗凝血薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、抗癌薬、抗パーキンソン病薬、解熱薬、鎮痙薬、抗コリン作動薬、抗ウィルス薬、心血管系作用薬、避妊薬、利尿薬、妊娠促進薬、造血薬、ホルモン類、緩下薬、副交感神経薬、副交感神経様作用薬、覚醒薬、鎮静薬、交感神経様作用薬、抗炎症薬、バルビツール酸誘導体、興奮薬、トランキライザー等から成る群から選ばれる、請求項1の組成物。
  9. 当該おいしさ改善物質が、肉由来、非肉由来、魚由来、非魚由来の物質、酵母、酵母ハイドロザラート(hydrozalate)又はその組み合わせである、請求項1の組成物。
  10. 当該おいしさ改善物質が、当該医薬組成物の約0.75重量%から約50重量%の量で存在する、請求項9の組成物。
  11. 当該おいしさ改善物質が、当該医薬組成物の約1重量%から約25重量%の量で存在する、請求項9の組成物。
  12. ペットへの経口投与用のおいしくてチュワブルの制御放出医薬組成物であって、
    多様微粒子形態物中の治療上効果的な量の薬学的に活性な物質(当該薬学的に活性な物質の粒子は、約5000μmまでの平均粒子サイズを有し、当該粒子は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、オイドラギットRL100、オイドラギットRS100、オイドラギットRL100/RS100の混合物、オイドラギットNE30D、酢酸酪酸セルロース、シリコーン、エチルセルロース分散物、又はその組み合わせ、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、オイドラギットL100−55、オイドラギットS100およびオイドラギットL100−55/S100の混合物、又はその組み合わせで被覆され、当該被覆は、当該医薬組成物の約5重量%から約100重量%の量で存在する);および
    肉由来、非肉由来、魚由来、非魚由来の物質、酵母、酵母ハイドロザラートであるおいしさ改善物質(当該おいしさ改善物質は、当該医薬組成物の約0.025重量%から約99重量%の量で存在する)を含む前記組成物。
  13. 当該薬学的に活性な物質が、約100μmから約1000μmの平均粒子サイズを有する抗炎症薬の粒子を含み、当該被覆剤が、当該医薬組成物の約10重量%から約50重量%の量で存在し;そして
    当該おいしさ改善物質が、当該医薬組成物の約1重量%から約5重量%の量で存在する、請求項12の組成物。
  14. 当該NSAIDが、カルプロフェンであり、当該被覆剤が、重合エチルセルロースまたはメタクリル酸およびメタクリル酸エステルから製造したアニオン性コポリマーであるアクリルポリマーである、請求項12の組成物。
  15. 経口投与用当該医薬組成物が、そのサイズおよび形状がイヌまたはネコに突っ込む投与に適している剤形である、請求項1の組成物。
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