JP2005538018A - 着色されたダイヤモンド - Google Patents

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Abstract

着色されている単結晶CVDダイヤモンドを用意するステップと、所望の色を発現するのに適した条件下でダイヤモンドを熱処理するステップとを含む、所望の色の単結晶CVDダイヤモンドを作製する方法。発現することができる色は、例えばピンクから緑色の範囲である。

Description

本発明は、着色したダイヤモンド、より具体的には、例えば装飾用に適している着色した単結晶化学蒸着(以下CVDと称する)ダイヤモンドを作製する方法に関する。
真性ダイヤモンドは5.5eVの間接バンドギャップを有し、スペクトルの可視部で透明である。バンドギャップ内のエネルギーレベルに関連する欠陥すなわち色中心(以下そのように称することとする)を導入すると、色中心の種類及び濃度に応じた特徴的な色がダイヤモンドに付与される。この色は、吸収又は光ルミネッセンスのどちらか、或いはこの2つのある組合せによって得られる。合成ダイヤモンド中に存在する普通の色中心の1つの例は、中性電荷状態の置換型格子部位にある場合、伝導バンドより結合エネルギーレベルが約1.7eV低い窒素であり、得られる吸収によってダイヤモンドに特徴的な黄茶褐色(yellow/brown color)が付与される。
十分なエネルギーを有する粒子での照射又は放射(電子線、中性子線、ガンマ線等)などの、格子欠陥(間隙及び空位)をもたらすためのダイヤモンドの成長後処理、及びそれに続く適切なアニーリングは、ダイヤモンドに望ましい色を付与できる窒素空位[N−V]色中心などの色中心を生成させることができることはよく知られている(例えば欧州特許第0615954A1号、同第0326856A1号及びこれらに引用されている文献を参照されたい)。さらに、色中心の特徴及び人工的な作製について、John WalkerのReports on Progress in Physics、第42巻、1979年で考察されている。これらの報告書に概要が示されている、色中心を創造する人工的な作製方法は、電子ビーム照射によって結晶内で格子欠陥を形成させるステップ、及び必要ならアニーリングを行って、格子欠陥を結晶中に含まれる窒素原子と結合させるステップを含む。しかし、競争的欠陥形成の結果により、又ダイヤモンド中の窒素などの欠陥濃度に関連する強い成長分域依存性のため、生み出される色と均一性には限界がある。
成長後色中心生成法を用いて着色したダイヤモンドの色は、成長後処理の間に調節された又は生み出された1つ又は複数の色中心の色に対する効果と、成長後処理以前の未加工ダイヤモンドの色とが相まったものである。所望の装飾的価値を獲得し、かつ高い透明性と望ましい色の組合せを実現するためには、当初無色又は淡黄のどちらかであるダイヤモンドを使用することが実際には一般的であった。したがって、この方法は、茶褐色単結晶CVDダイヤモンドには容易に適用できない。
欧州特許第671482号、米国特許第5672395号及び同第5451430号には、ダイヤモンドの密度を高めるHPHT処理を用いてより透明な多結晶性CVDダイヤモンドを作製する方法が開示されている。
高温高圧でアニールすることによって、茶褐色の天然ダイヤモンドの色を変えることができることも知られている。例えば、安定化圧力下で非常に高温でアニールすることによって天然IIa型ダイヤモンドを無色にすることができる、或いは、同じく安定化圧力下で、多少低い温度でアニールすることによってピンクにすることができる。天然ダイヤモンドの茶褐色は塑性変形に関連すると考えられているが、茶褐色の正確な原因と、アニーリングによってどのように調節されるかということは依然知られていない。
色には3つの視覚属性がある。すなわち色相と明度と彩度である。色相は赤、緑色、青、黄、黒又は白、或いは、隣接するペアの間の中間の色相、又はこれらの基本色相の三重点である色相に分類することができる色の属性である。
白色、灰色及び黒色の物体は明から暗への明度スケールで識別する。明度は、白から出発してより暗いレベルの灰色へ進み、黒で終わる無彩色スケールとの相似性の程度によって定義される色の属性である。
彩度は、同一明度の無彩色からの差の程度によって定義される色の属性である。これは、色の強さに対応する記述用語でもある。ダイヤモンドの取引では、目視で評価した様々な程度の彩度を示すために、極めて強い(intense)、強い及び鮮やかなどの形容詞を用いる。CIE L表色系では、彩度は、無彩色軸からの乖離度である(彩度=[(a+(b1/2で定義される。以下を参照されたい)。明度は、彩度とは別に知覚される視覚的の特性である。
CVDを用いてダイヤモンドなどの材料を基板上に蒸着する方法は現在十分確立されており、特許や他の文献に広く記載されている。ダイヤモンドを基板上に蒸着する場合、この方法には一般に、解離して、原子状態の水素又はハロゲン(例えばF、Cl)、並びにC又は炭素含有ラジカル及び他の反応種、例えばCH、CF(xは1〜4でよい)を供給できるガス混合物を提供することが含まれる。さらに、酸素含有供給源が存在してもよく、又窒素やホウ素の供給源が存在してもよい。多くの形態で窒素を合成プラズマに導入することができる。一般にはこれらはN、NH、空気及びNである。多くのプロセスではヘリウム、ネオン又はアルゴンなどの不活性ガスも存在する。したがって、典型的な供給ガス混合物は、炭化水素C(x及びyはそれぞれ1〜10であってよい)又はハロゲン化炭素CHal(x及びzはそれぞれ1〜10であってよく、yは0〜10であってよい)、及び任意選択で以下のもの、すなわちCO(xは0.5〜2)、O、H、N、NH、B及び不活性ガスのうちの1つ又は複数を含む。それぞれのガスはその天然同位体比で存在してよく、或いは相対的同位体比を人工的に制御することができる。例えば水素は重水素又は三重水素として存在してよく、炭素は12C又は13Cとして存在してよい。供給ガス混合物の解離は電磁波、RF(高周波)エネルギー、火炎、熱フィラメント又は噴流をベースとした技術などのエネルギー源によってもたらされ、こうして生成した反応性ガス種によって、基板上への蒸着及びダイヤモンドの形成が可能になる。
CVDダイヤモンドは、様々な基板上で作製することができる。基板の特性とプロセス化学特性の詳細に応じて、多結晶性又は単結晶CVDダイヤモンドを作製することができる。
本発明によれば、所望の色の単結晶CVDダイヤモンドを作製する方法は、着色された単結晶CVDダイヤモンド(これはそれ自体が望ましいこともある)を提供するステップと、所望の色を発現させるのに適した条件下でダイヤモンドを熱処理するステップを含む。
出発材料として使用される単結晶CVDダイヤモンドは着色されたものであり、熱処理は、ダイヤモンド内で別の望ましい色を発現するのに適した制御条件下で実施する。
しばしば、ダイヤモンド内に2色以上の色を見ることができる。支配色は、標準的な照明と鑑賞の条件下で、1つの色だけで最も的確に表現するように求められた場合に観察者が選ぶ色である。所与の支配色を有するダイヤモンドは、後で述べるCIE L色空間などの三次元色空間で、支配色と境を接するある範囲の他の色によって調節される色を有することができる。例えば、三次元色空間では、ピンク色の領域は白、灰色、茶褐色、橙、紫及び赤色の領域と境を接する。したがって原理的には、ピンクのダイヤモンドは、調節剤(modifier)として様々な程度でこれらのどの色をも示すことが可能で、適切には、例えば灰色調ピンク、褐色調ピンク又はオレンジ調ピンクと表現することができる。本明細書及び本発明の特許請求の範囲では、個々の色について言及する場合(例えば、褐色のダイヤモンド、緑色のダイヤモンド)、このことは支配色を指す。二次的な色調節剤が存在してもよい。
一般に、ダイヤモンドは、意図的な方向から観た場合に、(上面)色が、その宝石を側面から観たときに最も見栄えの良いダイヤモンドの固有色とかなり異なるように研磨する。この原因の1つは、その宝石を意図的な方向から観た場合に観察者の目に届く光線に関して、1回又は複数回の内部反射によって、宝石内の経路長が著しく増加するように切子面を研磨することである。経路長の増加の色座標に対する影響は、以下に述べる方法でモデル化することができる。
出発材料として使用する単結晶CVDダイヤモンドの色は一般に茶褐色である。適切な熱処理の条件下で、茶褐色は、無色及びほとんど無色、さらに特にファンシーカラーを含む複数の望ましい色のうちのどれにも変換することができる。「ファンシー」という用語は、ダイヤモンドにおける、より彩度の高い、より望ましい色の宝石売買上の分類を指す。より具体的には、熱処理は、ダイヤモンドのある範囲のファンシー緑色及びファンシーピンク色を発現するためのものである。
単結晶CVDダイヤモンドは、一層、又は、例えば宝石として切り出した一層の小片の形態をとってもよい。本発明は、厚いダイヤモンド層すなわち1mmを超える厚さを有するダイヤモンド層、及びそうした層から作られる小片に特に適用される。さらに、CVDダイヤモンド層がその厚さ方向を通して均一な結晶品質を有しており、その結果、層の任意の領域において、低い結晶品質に関係する欠陥によって望ましい色がまったく失われない、又は隠されないことが好ましい。そうした層又はそうした層の小片で、既知の方法で熱処理された既知の天然ダイヤモンド、又は既知の方法で処理された既知のHPHT合成材料からは予想されなかったような性質の、ある範囲のピンク及び緑色、特にファンシーピンク及びファンシー緑色を発現することが可能である。具体的には、1mm厚超の単結晶CVDダイヤモンドの層によって、直交する3寸法のそれぞれが1mmを超える製品、例えば宝石の作製が提供される。
本発明の条件下で熱処理すなわちアニールされた単結晶CVDダイヤモンドは、CIE L色空間で定義できるある範囲の望ましい色を発現することを見出した。より具体的には、ダイヤモンドから作製された1mm厚さの両面平行層の場合で、熱処理後の単結晶CVDダイヤモンドは、以下の範囲内のいずれかにあるCIELabのb座標を有していることを見出した。
0≦b≦8
0≦b≦4
0≦b≦2
0≦b≦1
上記したように、単結晶CVDダイヤモンドの熱処理によって無色若しくはほとんど無色のダイヤモンドをもたらすことができる。ほとんど無色のダイヤモンドはCIE L色空間で定義することができる。より具体的には、ダイヤモンドから作製した1mm厚さの両面平行層について、このような熱処理ダイヤモンドは10未満、5未満又は2未満の彩度(C)を有することができる。
熱処理は、成長したままの状態(as−grown)のCVDダイヤモンド、及びCVDダイヤモンド中で生み出される所望の色の性質によって変わることになる。例としては、茶褐色の単結晶CVDダイヤモンドの厚い層又はその層から切り出した小片を、ダイヤモンド安定化圧力下で、1600〜1700℃の範囲の温度で、ある時間、一般的には4時間、アニールして、望ましいピンクから緑色の範囲にすることができることがわかった。驚くべきことに、不活性若しくは安定化雰囲気中、グラファイト安定領域の圧力で1400〜1600℃の範囲の温度で、ある時間一般的には4時間層を熱処理することによって、このような厚さのダイヤモンド層又はその層から切り出した小片の色も、ピンクから緑色の範囲に色を変えることができる。不活性雰囲気の例はアルゴン(Ar)である。
本発明の一形態では、単結晶CVDダイヤモンドを、0.05〜50ppmの濃度の窒素をソリッドダイヤモンド中に混入させるプロセスを用いて作製する。この範囲の下限は好ましくは0.1ppm、より好ましくは0.2ppm、さらにより好ましくは0.3ppmである。この範囲の上限は好ましくは30ppm、より好ましくは20ppm、さらにより好ましくは10ppmである。例えば、窒素が気相中に存在する(最初はN、NH、又はいくつかの他のN含有分子の形態で)プラズマ法を用いて達成することができる。再現性のある結果を達成し、最終生成物を思い通りに仕上げるためには、プロセス中のNを制御する必要がある。気相中での一般的なNの濃度(本明細書では、窒素気相濃度はすべてN当量を基準とする。例えば1個のN分子は2個のNH分子に相当する)は0.5ppm〜500ppm、より好ましくは1ppm〜100ppm、より好ましくは2ppm〜30ppmである。しかし、当分野の技術者は、窒素の取りこみは温度、圧力及び気相組成などのプロセス条件の影響を非常に受けやすく、したがって本発明はこれらの限界に留まらないことを理解されよう。
窒素の異なる同位体、例えば14N又は15Nを用いることができる。窒素が一部を形成するいかなる欠陥も、原子質量の差によってそれらの関連した光学バンドをシフトさせることができる場合以外は、これらの異なる同位体の成長化学反応及び最終結果に対する影響は一般に問題にならない。実施例8を除いて、本明細書で示すデータを得るために14Nを使用した。しかし、本発明の範囲にはNのすべての同位体を包含する。
窒素などの不純物の取りこみも成長分域の影響を受け、最終層は、支配的に又は本質的に、完全に1つの成長分域、又は対称性が関係する成長分域のタイプであることが好ましい。{100}、{111}、{110}、{111}などの成長分域を使用でき、より好ましくは成長分域{100}及び{113}であり、最も好ましくは{100}である。さらに、ダイヤモンドはP、S及びBなどの他のドーパントを低濃度で含むことができるが、好ましい方法ではこれらを含まない。
熱処理(アニーリング)は一般に1200℃〜2500℃の温度範囲で実施する。この範囲の下限は一般に、反応の進行に伴う平衡欠陥濃度を選択すること以外に、アニーリングプロセスに望ましい各過程の許容し得る反応速度を達成することによって設定される。この範囲の上限は、2500℃超ではHPHTプロセスを実施することが困難であるという点を現実的に考慮して設定する。しかし、特にほとんど無色のダイヤモンドを形成するためのアニーリングは、この温度を超える適切なアニーリングによって増進させることができる。この範囲の下限は好ましくは1250℃、より好ましくは1300℃、さらにより好ましくは1400℃である。この範囲の上限は好ましくは2000℃、より好ましくは1900℃、さらにより好ましくは1800℃である。アニーリングは3〜3×10秒の範囲の時間で行う。この範囲の下限は好ましくは30秒間、より好ましくは100秒間、さらにより好ましくは300秒間である。この範囲の上限は好ましくは3×10秒間、より好ましくは1×10秒間、さらにより好ましくは2×10秒間、さらにより好ましくは7×10秒間である。
アニーリングは、ダイヤモンド安定化圧力下で行うことができ、又は、大気圧近傍若しくは大気圧以下、例えば不活性又は安定化雰囲気で、行うことができる。当分野の技術者はこれらの変数間で相互依存性があること、例えばより低い温度の場合、又は同じ温度で安定化圧力をかけた場合、より長いアニーリング時間が通常必要となることを理解されよう。したがって、特定の範囲の時間に対して、特定の範囲の温度がより妥当であり、どちらも、安定化圧力をかけるかどうかによって異なる。ダイヤモンド安定化圧力をかけないアニーリングプロセスの上限温度は、特に、アニーリング時間が長いか又はプロセスが注意深く制御されていない場合にそうであるが、一般に1600℃である。その理由は黒鉛化の問題があるためである。しかしダイヤモンド安定化圧力をかけないで、1800℃まで、極端な場合1900℃までアニーリングを実施することができる。
本明細書の目的のために、圧力領域を、しばしばダイヤモンド安定化圧力と称されるダイヤモンド安定領域と、グラファイト安定領域の2つの領域に分割することを考慮することができる。グラファイト安定領域で、最も容易に実現できる領域は、大気圧(1.01×10Pa)近傍の領域である。しかし、制御した気体雰囲気中で、より低い圧力、例えば1×10Pa〜1×10Pa、又はより高い圧力、例えば1.02×10Pa〜5×10Paを達成することは一般にかなり簡単である。5×10Pa以下の圧力範囲では、ダイヤモンドのボリューム内での欠陥アニーリングに対して識別できるほどの影響はない。さらに、5×10Paからダイヤモンド安定化圧力までの範囲の圧力によっては、ダイヤモンド安定領域か又は大気圧近傍のどちらかでのアニーリングで得られるものと基本的性質が異なる個々の欠陥の動きはもたらされないが、例えば反応速度を、これらの2つの極端な圧力の間の圧力のある平滑な関数(smooth function)として変化させ得ることが一般に理解されている。したがって、欠陥同士の間のバランスと相互作用もある程度変化させることができる。本発明の方法によるグラファイト安定領域でのアニーリングは、簡単なため一般に大気圧で実施されるが、そのことは、本発明の方法が、グラファイト安定領域における他の圧力でのアニーリングを含むことを制限するものではない。
高圧で用いられる圧力は通常キロバールで表される。一貫性をもたせるため、本明細書では圧力をすべてPaで表す。選択されたより高い圧力では、Paを、変換係数1バール=1.0×10Paを用いてバール又はキロバールに変換する。
本発明の着色CVDダイヤモンド結晶は望ましい色相を有することが好ましい。特定の色相に対する色相角は、以下に詳細に説明し、かつ図4に示すように、a色プロットで、その色相を表す点から線を原点に戻るように延ばすことによって求めることができる。熱処理後のCVDダイヤモンドの色相角は一般に65°未満、60°未満、55°未満又は50°未満である。広く認識されているその素晴らしい美しさと希少性によって、ピンクのダイヤモンドが宝石職人、収集愛好者及び消費者によって非常に高く評価され、かつ尊重されていることはよく知られている(「ピンクのダイヤモンド(Pink Diamond)」、John M. King等、Gems and Gemology、2002年夏)。ダイヤモンド業界では、緑色のダイヤモンドも大変高価で、非常に高く評価されている(「着色ダイヤモンドの収集と分類(Collecting and Classifying Coloured Diamond)」、Stephen C. Hofer、1998年、Ashland Press Inc.New York)。一般に、色がより純粋で、かつ、二次的色調節剤の影響が小さければ小さいほど、ピンク及び緑色のダイヤモンドはより尊重される。本発明の熱処理すなわちアニーリング条件は、色の調節に寄与する吸収を増大させる、除去する、低下させる又は調節することによって、色の純度を向上させることができる。同時に、広い領域のスペクトルにわたって、吸収を低下させる欠陥濃度を減少させることによって、アニーリング又は熱処理は明度を増大させることができる。
茶褐色のCVDダイヤモンドの色に寄与する色中心のいくつかは、単結晶CVDダイヤモンド、又は単結晶CVDダイヤモンドの層から切り出され、若しくは作製された小片に独特のものであり、特に厚い層の感知される色に影響を及ぼすことができる。これらの色中心が、天然ダイヤモンドの吸収スペクトルに見られない吸収バンドをもたらすので、これらが、天然ダイヤモンドの色に寄与するものとは異なるという事実は明らかである。色中心のいくつかは、単結晶CVDダイヤモンド内で結合しているダイヤモンドの非常に局在化した崩壊に関係していると考えられている。これについての証拠は、赤外線励起源(例えば785nm又は1064nm)で観察できる非ダイヤモンド炭素のラマン散乱から得られる。そうしたラマン散乱は茶褐色天然ダイヤモンドでは観察されない。茶褐色単結晶CVDダイヤモンドのスペクトルの可視領域での吸収バンドの相対強度は、ラマンスペクトルの同時変化を伴うアニーリングによって変えることができる。吸収スペクトルの変化は、茶褐色の天然ダイヤモンドの色を変えるのに必要な温度よりずっと低い温度で観察される。大幅な色の変化は、大気圧での不活性雰囲気で、酸素の不在下でダイヤモンドが黒鉛化する温度よりはるかに低い温度、例えば1600℃以下でアニールすることによっても達成することができる。このことは予期されなかったことである。その理由は、非ダイヤモンド炭素のダイヤモンドへの変換は、通常、ダイヤモンドの安定状態における高温高圧条件下での処理を必要とするからである。
CVDダイヤモンド成長機構に付随する特徴によって、約350nm及び約510nmを中心とする吸収バンドと、可視スペクトルの赤領域へ延びる近赤外を中心とするバンドがもたらされる。したがってこれらのバンドをもたらす色中心は、成長したままのCVDダイヤモンドの色に対して重要な影響を及ぼす。これらの色中心は天然ダイヤモンド又は他の合成ダイヤモンドでは存在しない。成長したままのCVDダイヤモンドから研磨した宝石は、橙褐色及びピンク調茶褐色を含む望ましい色を有することができる。そうしたダイヤモンドを本発明の条件下で熱処理又はアニールする場合、色を強化するように、吸収バンドの相対強度を変える、例えば除去する、低減させる又は増大させることができる。色変化への寄与は、成長したままのダイヤモンド中に存在する欠陥の分解による色中心の生成からも、或いは欠陥の主電荷状態を変える電荷移動過程での変化によってももたらされる。したがって、アニーリング又は熱処理ステップは、色中心の組合せを、成長したままのCVDダイヤモンドでは生成できない組合せに変換することができ、色中心の新規組合せから得られる望ましい色を有する単結晶CVDダイヤモンドを得ることができる。当分野の技術者には知られているように、350nm及び510nmなどの広幅バンドは小さな最大強度位置の変動を示すことができるが、そのために各バンドの同一性が変わることはない。
本発明は、適切かつ制御された熱処理条件下で、着色単結晶CVDダイヤモンドの別の色への制御された変換を実現する。単結晶CVDダイヤモンドは、厚い層、又はそうした層から切り出され、又は作製された小片の形態であることが好ましい。単結晶CVDダイヤモンドの厚い層は、高品質のものでなければならず、実質的に結晶欠陥のない表面を有するダイヤモンド基板を提供し、供給ガスを提供し、供給ガスを解離させ、かつ実質的に結晶欠陥のない表面上でのホモエピタキシャルダイヤモンド成長を可能にすることによって作製することが好ましい。そうした方法で成長したCVDダイヤモンドは、HPHTダイヤモンド、特に単一の置換窒素にその色が支配されていないHPHTダイヤモンドに典型的である介在物を含まない。
一般にこの方法は、合成プラズマに加えられる窒素の存在下で実施する。窒素の存在によって、ダイヤモンド中に茶褐色の色中心が生み出される。制御された形で加えた場合、窒素は、非ダイヤモンドの形で結合している炭素が関係する色中心の取り込みをもたらすのに十分にダイヤモンドの成長を破壊し、同時に、X線トポグラフィーなどのX線技術で判定して、良好な単結晶品質を有するダイヤモンドを提供する。
高結晶性品質の厚い単結晶CVDダイヤモンドの作製のためには、実質的に結晶欠陥のないダイヤモンド表面上で成長が起こることが重要である。本文脈では、欠陥は、主に転位及び微小割れを意味するが、双晶境界、ドーパントN原子に本来関係のない点欠陥、小角粒界及び結晶格子への他の任意の伸長した破壊も含む。基板としては、低複屈折タイプのIa型天然ダイヤモンド、Ib型若しくはIIa型高圧/高温型合成ダイヤモンド又はCVD合成単結晶ダイヤモンドが好ましい。
十分に欠陥が除かれていない基板上での成長の質は、層がより厚く成長し、欠陥構造が増加するにつれて急速に劣化し、全般的な結晶劣化、双晶化及び核再形成を引き起こす。
欠陥密度は、例えば以下のタイプの簡易プラズマエッチングを用いて、欠陥を露出するように最適化されたプラズマ又は化学エッチング(露出型プラズマエッチングと称する)を用いた後、光学的評価を行うことによって極めて簡単に特性決定がなされる。2種類の欠陥を露出することができる。すなわち、
1)基板材料品質に固有のもの。選択された天然ダイヤモンドでは、これらの欠陥の密度は50/mmしかなく、より典型的な値では10/mmである。他のものでは10/mm以上もあり得る。
2)転位構造、及び研磨線に沿って振動トラック(chatter track)を形成する微小割れを含む、研磨の結果生じるもの。これらの密度はサンプルによってかなり変動する可能性がある。典型的な値は、研磨不十分な領域又はサンプルで、約10/mmから10/mm超までである。
好ましい低密度の欠陥とは、上記のような、欠陥関連の表面エッチングフィーチャ(feature)の密度が、5×10/mm以下、より好ましくは10/mm以下である。
したがって、CVD成長がその上で起こる基板表面及びその表面より下の欠陥レベルは、基板を入念に調製することによって最少化することができる。この調製の際に含まれるものは、鉱山採掘(天然ダイヤモンドの場合)又は合成(合成材料の場合)からの材料に適用される任意のプロセスである。それは、各段階は、基板としての調製が完了した時に最終的に基板表面を形成することになる、平面での材料内の欠陥密度に影響を及ぼすことができるからである。具体的な加工ステップには、機械切断、ラッピング及び研磨(本出願では、低欠陥レベルを目的として具体的に最適化される)などの従来のダイヤモンドプロセス、並びにレーザー加工又はイオン注入やリフトオフ技術、化学/機械研磨加工技術、及び液体とプラズマ化学の両加工技術などのより最近の技術が含まれる。さらに、表面R(触針式段差計で、好ましくは0.08mmの長さにわたって測定された、平らな面からの表面プロファイルの2乗平均平方根偏差)を最小にすべきであり、いずれのプラズマエッチングの前でも、一般的な値はせいぜい数ナノメーター、すなわち10ナノメーター未満である。
基板の表面損傷を最少にする1つの具体的な方法は、ホモエピタキシャルダイヤモンド成長が起こる表面上において、その場でのプラズマエッチングを含めることである。原理的には、このエッチングは、その場でも、成長プロセスの直前でなくてもよいが、その場であれば最も大きな利点が得られる。その理由は、どのようなさらなる物理的損傷又は化学的汚染のリスクもそれは回避するからである。成長プロセスがプラズマをベースとしたものである場合、一般にその場でのエッチングも最も好都合である。プラズマエッチングでは、蒸着又はダイヤモンド成長プロセスと同様の条件を用いることができる。ただし、炭素含有供給ガスをまったく存在させず、そして、エッチング速度をよりよく制御するために一般に若干低い温度で行う。例えば、それは以下の1つ又は複数のものによることができる。
(i)任意選択で少量のArを有する大部分を占める水素と、必要な少量のOを用いる酸素エッチング。典型的な酸素エッチング条件は、50〜450×10Paの圧力で、1〜4%含量の酸素、0〜30%含量のアルゴンを含み、残りが水素であるエッチングガス(%はすべて容積ベース)であり、基板温度は600〜1100℃(より典型的には800℃)で一般的な時間は3〜60分である。
(ii)(i)と同様の水素エッチング。ただし酸素は存在せず。
(iii)エッチングのための、アルゴン、水素及び酸素だけによらない代替方法を用いることができる。例えばハロゲン、他の不活性ガス又は窒素を用いるものなど。
一般的にはエッチングは、酸素エッチングと後続する水素エッチングからなり、次いで、炭素供給ガスの導入による合成に直接移行する。エッチング時間/温度は、加工による残留表面損傷を除去し、どんな表面汚染も除去できるように選択する。ただし、非常に粗い表面を形成することなく、かつ、表面を横断しそれによって深いくぼみを生じる転位などの拡張欠陥に沿って、広範囲にエッチングしないように選択する。エッチングは攻撃的なものであるため、この段階では、プラズマによって気相又は基板表面へ材料が移動しないようにするためのチャンバー設計及びその成分の材料選択が特に重要である。酸素エッチングに続く水素エッチングは、結晶欠陥に対する特異性がより小さく、そうした欠陥を積極的に攻撃する酸素エッチングによってできた角張りに丸みをつけ、その後の成長のためにより滑らかでより良好な表面を提供する。
CVDダイヤモンド成長が起こるダイヤモンド基板の表面は、好ましくは{100}、{110}、{113}又は{111}表面である。加工上の制約のため、実際のサンプル表面方向は、これらの理想的方向から最大で5°、場合によっては最大10°まで異なってよい。しかし、再現性に悪影響を及ぼすのでこれは望ましくはない。
本発明の方法では、CVD成長が起こる雰囲気中の不純物含量を適切に制御することも重要である。より具体的には、ダイヤモンド成長は、意図的に加えた窒素又は他のドーパント以外の汚染物質が、雰囲気中に実質的に存在しない中で行われなければならない。窒素濃度は、(全ガス容積の分子の割合として)500ppbより良好又は気相中での目標濃度の5%より良好(どちらか大きい方)、好ましくは(全ガス容積の分子の割合として)300ppbより良好又は気相中での目標濃度の3%より良好(どちらか大きい方)、より好ましくは(全ガス容積の分子の割合として)100ppbより良好又は気相中での目標濃度の1%より良好(どちらか大きい方)に制御しなければならない。100ppbしかないような濃度での気相中での絶対窒素濃度及び相対窒素濃度の測定には、例えばガスクロマトグラフィーで行うことができるものなどの高度な監視装置が必要である。そうした方法の例を説明する。
標準的ガスクロマトグラフィー(GC)技術は以下のものからなる。ガスサンプルストリームは、最大流速及び最少デッドボリュームに関して最適化された狭い口径のサンプルラインを用いて該当するポイントから抜き出され、GCサンプルコイルを通過し、廃棄される。GCサンプルコイルは、一定の既知容積(一般に標準大気圧注入で1cm)で巻き上げたチューブの一部である。このチューブは、サンプルラインのその場所から、ガスクロマトグラフィーカラム中に供給するキャリアーガス(高純度He)ラインに切り替えることができる。これによって、カラムに流入するガス流れに、既知容積のガスサンプルが供給される。当技術分野ではこの手順はサンプル注入法と称されている。
注入されたサンプルは、キャリアーガスによって、第1のGCカラム(簡単な無機ガスの分離のために最適化されたモレキュラーシーブが充填されている)を通って送られ、部分的に分離される。しかし、高濃度の大部分を占めるガス(例えばH、Ar)がカラム飽和をもたらし、これによって例えば窒素の完全な分離が困難になる。次いで、第1のカラムからの流出ガスの適切な部分が第2のカラムのフィードへ切り替えられ、それによって、他のガスの大部分が第2のカラムへ送られるのを回避し、カラム飽和を回避して目的ガス(N)の完全な分離ができるようにする。この手順を「ハートカッティング(heart−cutting)法」と称する。
第2のカラムからの出口流れを、サンプルの存在によってもたらされたキャリアーガスによる漏れ電流の増加を検出する放電イオン化検出器(DID)に送る。標準ガス混合物で較正されたガス滞留時間によって化学構造を同定する。DIDの応答は、5桁を超える範囲で線形であり、重量分析で行って一般に10〜100ppmの範囲で検出される種を含有する、特別に較正したガス混合物を使用して較正される。次いでサプライヤーによって検証される。DIDの線形性は慎重に希釈実験を行うことによって検証できる。ターゲットのN含有種には、意図したドーパント(例えばN、NH)として使用した種類のガス、又は雰囲気からの汚染からもたらされることがあるN、並びに、測定条件に関連する他のいかなるN含有種も含まれる。
このガスクロマトグラフィーの既知の技術を、本出願のためにさらに以下のように調節し発展させた。すなわち、ここで分析するプロセスは一般に50〜500×10Paで操作される。通常のGC操作では、供給ガスの大気圧を超える圧力を用いて、サンプルラインを通してガスを送る。ここでは、ラインの排出端部に真空ポンプを備えてサンプルを送り、サンプルは大気圧以下で引き抜かれる。ただし、ガスが流れる間に、ライン抵抗によって相当なライン内の圧力低下が起こり、較正や感度に影響を及ぼす可能性がある。そのため、サンプルコイルの圧力の安定化と圧力計による計測を可能にするために、サンプルコイルと真空ポンプの間に、サンプル注入の前に短期間遮断する弁を配置する。十分な質量のサンプルガスが確実に注入されるようにするために、サンプルコイル容積を約5cmへ拡大する。サンプルラインの設計によっては、この技術は、約70×10Paまでの低い圧力で効率的に操作することができる。GCの較正は注入サンプルの質量によって変わり、最高の精度は、分析下にある供給源から得られるものと同一のサンプル圧力を用いてGCを較正することで得られる。測定の正確さを確実にするためには、非常に高水準の真空及びガスの取扱作業を行わなければならない。
サンプリングポイントは、流入ガスの特性評価のための合成チャンバーの上流、チャンバー環境特性評価のためのチャンバー内部、又はチャンバーの下流でよい。
供給ガスは当技術分野で知られている任意のものでよく、解離してラジカル又は他の反応種を生成する炭素含有材料が含まれる。ガス混合物には、原子状態の水素又はハロゲンを提供するのに適したガスも含まれる。
供給ガスの解離は反応器中で電磁波エネルギーを用いて実施するのが好ましい。その反応器の例は当技術分野で知られている。しかし、反応器からの不純物の混入はどれも最少にしなければならない。その上でダイヤモンドの成長が起こる基板表面とそのマウントを除いて、プラズマが確実にすべての表面から離して当たるようにするために、電磁波システムを使用することができる。好ましいマウント用材料の例は、モリブデン、タングステン、ケイ素及び炭化ケイ素である。好ましい反応器チャンバー材料の例は、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、金及び白金である。
高い電磁波出力(25〜300mmの基板直径で一般に3〜60kW)と高いガス圧力(50〜500×10Pa、好ましくは100〜450×10Pa)から得られる高いプラズマ出力密度を用いなければならない。
上記の条件を用いて、ガス流れへの0.1〜500ppmの範囲の窒素の添加で、茶褐色を有する高品質の厚い単結晶CVDダイヤモンド層を作製することができた。
次いで、高品質の厚い単結晶CVDダイヤモンド又はその小片を熱処理にかける。小片は、例えば宝石の形態をとることができる。
次に本発明の実施形態を説明することとする。以下の表1は、成長したままの茶褐色単結晶CVDダイヤモンドに見られる吸収バンドの7つの異なる組合せ(ケース1〜7と称する)を一覧表にしたものである。茶褐色のCVDダイヤモンドのスペクトルのこれらの吸収バンドへの細分は国際特許出願第WO03/052177A1号に論じられている。
各ケースにおいて、270nmの特性吸収があり、これはダイヤモンド格子内の置換型部位での孤立した窒素不純物に関係する。関連吸収が吸収スペクトルの可視領域内に拡がり、Ib型ダイヤモンドの特徴的な黄色の色相をもたらすことはよく知られている。
ケース1:傾斜部特性吸収は、赤から紫外までの吸収の全般的な増加を表す。これは、多くの単結晶CVDダイヤモンド層のスペクトルで観察され、それ自体、又は孤立した置換窒素との組合せで、くすんだ茶褐色の色相をもたらす点から望ましくない。
ケース2:約350nmと510の広幅バンドは、バンドギャップ内の状態を示すCVDダイヤモンド構造の局所的破壊と関連していると考えられる。単結晶CVDダイヤモンドの成長したままのサンプルでは、これらの特性吸収が一緒に現れる傾向がある。孤立した置換窒素と組み合わせると、これらは、3つの特性吸収の相対的寄与度に応じて橙茶褐色〜ピンク調茶褐色の範囲の色相を与えることができる。
ケース3:茶褐色単結晶CVDダイヤモンドは、スペクトルのNIR領域に中心をもつ広幅バンドも示すことができ、それがかなり強い場合、このバンドの短波長側に、可視スペクトルの赤色末端部で相当な吸収を生じることができる。これはそれ自体で青い色相をもたらすと思われる。孤立した置換窒素と組み合わせて見た場合、スペクトルの両端部で得られる吸収はダイヤモンドに緑色の色相をもたらす。
ケース4:多くの茶褐色単結晶CVDダイヤモンド層のスペクトルは、孤立した置換窒素、傾斜部及び350/510nmの各バンドの寄与合計として再構築することができる。この組合せは橙茶褐色の色相を示す傾向がある。
ケース5、6及び7は先に考察した吸収特性の他の3つの組合せを包含している。これらの組合せは、成分吸収特性の相対強度に応じて異なる茶褐色の色相の範囲を提供することができる。
茶褐色単結晶CVDダイヤモンドを様々な条件下でアニールし、その効果を観察した。
不活性雰囲気で大気圧における1400〜1600℃、4時間での処理で、傾斜部及び350nmバンドを実質的に取り除けることが分かった。ダイヤモンド安定化圧力下で、1600〜1700℃、4時間でのアニーリングによっても同様の効果を得ることができる。表2の例えばケース1、2、4、5、6及び7で示すように、これらの処理はそれ自体で、ダイヤモンドの色に対して著しい効果をもたらすことができる。
この温度範囲で、(637nmで零フォノン線を有する)負に荷電した窒素空位中心に関係する吸収を大幅に増大させることも可能である。関連吸収(約550nmにピーク)の増大は、サンプルの色をよりピンクに見せる傾向がある。この吸収の増大は、窒素空位中心のより多くを負の電荷状態にする電荷移動の変化によって引き起こすことができる。これは、孤立した窒素での放出空位の捕捉、又はより複雑な欠陥の解離の結果による、さらなる窒素空位中心の形成によって引き起こすことができる。負の窒素空位中心から励起されたルミネッセンスが増大することもあり、極端な場合、これはダイヤモンドの見かけの色に影響を及ぼす可能性がある。
したがって、適切な熱処理条件を選択することによって、ピンク〜緑色の範囲のファンシーカラーを有する着色単結晶CVDダイヤモンドを作製することができる。
ダイヤモンド安定圧力条件下、1800℃で4時間アニールすると、510nmバンドとNIRバンドの両方が若干小さくなり、検討したケースにおいて、表3に示すような色変化を起こすことが分かった。
ダイヤモンド安定化圧力下、1900℃以上の温度で4時間アニールすると、510nmバンドとNIRバンドの両方が除かれ、検討したケースにおいて、表4に示すような色変化がもたらされることが分かった。
これらのアニーリング条件下で、窒素空位中心は解離され、孤立した置換窒素と、移動して行く空位にされることができる。したがって、この温度以上では、窒素空位中心は、アニーリング処理後の(それ以前は茶褐色であった)ダイヤモンドの色にあまり影響を及ぼさないようである。しかし、そうした処理の後では、このようなダイヤモンドは、ある鑑賞及び照明条件下で緑色調の色相を示す強い緑色のルミネッセンスを示す。
325nm HeCdレーザー光線で励起させた場合、成長プロセスの際に形成された窒素空位欠陥を解離させるのに十分な高温でアニールした茶褐色のCVDダイヤモンドの光ルミネッセンススペクトルは、450と550nmとの間のスペクトル領域のバンドで支配される傾向がある。(503nmに零フォノン線を有する)H3ルミネッセンスを観察することができ、高温でアニールした後、(415nmに零フォノン線を有する)N3ルミネッセンスも検出することができる。上記のバンドギャップUV又は電子ビーム励起を用いると、最高温でのアニーリングでアニーリング時間が延びるにつれて、支配的な可視ルミネッセンスが緑色から青へ変化する傾向がある。
アニールされた(それ以前は茶褐色であった)単結晶CVDダイヤモンドのスペクトルに他の光ルミネッセンス線が存在する。例えば、約851nmの光ルミネッセンス線は785nmレーザーで容易に励起される。成長したままの茶褐色のCVDダイヤモンドでは見られないが、この線が1200℃と低い温度でアニールされた茶褐色のCVDダイヤモンドで検出された。この光ルミネッセンス線は、他の種類のダイヤモンドではまったく見られなかったものであり、したがって、色を変え得る条件下でアニールした茶褐色のCVDダイヤモンドに独特なものと見られる。
Nd:YAGレーザー励起(1064nm)を用いると、他の光ルミネッセンス線が1263nm、1274nm及び1281nmで観察される。これらも、色を変え得る条件下でアニールした単結晶茶褐色のCVDダイヤモンドだけに観察された。
アニーリング処理によって大幅に改善された色を有することが可能な、成長したままの茶褐色単結晶CVDダイヤモンドは、スペクトルの2800〜3000cm−1領域での炭素−水素結合の伸縮モードに関係する赤外吸収バンドを示す。これらのバンドは一般に変えられるが、高温アニーリング処理によって完全には取り除かれない。一般に天然又はHPHT合成ダイヤモンドの吸収スペクトルには見られない。
天然ダイヤモンドには、未処理CVDダイヤモンドのスペクトルでは決して見られない3107cm−1での水素関連吸収線を示すものがある。約1800℃超の温度での茶褐色単結晶CVDダイヤモンドのアニーリングは、3107cm−1の線をもたらすH関連欠陥の形成を引き起こす可能性がある。この欠陥は非常に安定しており、非常に高温でアニールしたサンプルのスペクトルで観察される。したがって、CVDであることが既知である材料で3107cm−1線が観察されることは、材料が、本発明の方法によってアニールされていることを示している。さらに、CH−伸縮特性吸収と一緒に3107cm−1の吸収線が観察されるということは、特に、そのダイヤモンドが、本明細書で述べた方法でその色を変えた種類の成長後高温アニーリング処理を施されたCVDダイヤモンドであることを示している。
上記のような光学特性は、発現する色の任意の調節以外に、ダイヤモンドサンプルの前歴の証拠を提供する利点を有している。本明細書で示した光学的特徴の有無の判定は、当分野の技術者であれば理解するものである。
多結晶性CVDダイヤモンドの場合、空隙は、より短波長方向への、光の透過率の減少をもたらすことがある。本発明の単結晶CVDダイヤモンドは、アニーリングの前後に空隙を有していない。そうしたダイヤモンドのサンプルを、高倍率(×1000)の光学顕微鏡で、断面と平面の両方向から綿密に調べた。空隙のようなものはまったく観察されなかった。したがって、光学顕微鏡は、空隙の寸法に200nmの程度の上限を設定する。
透過型電子顕微鏡(TEM)によって、ナノメートル未満の分解能でダイヤモンドの薄片を観ることができる。色が、拡張欠陥の存在によってもたらされる可能性について調査するために、TEMを用いて、アニールされた褐色のCVDダイヤモンドの複数のTEM用薄片を造影した。均一な色を発現するためには、そうした欠陥は、ダイヤモンド全体に十分に分散され、かつ高い密度のものであり、それによってTEMで検出可能なものである必要がある。したがって、この分布は、X線トポグラフィーなどの技術で観察される転位又は転位束の分布から完全に識別される。ここで、転位は、成長の方向を貫いて進み、基板欠陥か、又はCVD成長に用いられた基板上の粒子若しくは表面の欠陥のどちらからかもたらされる。数百平方ミクロンのアニールされた茶褐色のCVDダイヤモンドの造影では、空隙に相当するものは何も現れなかった。強暗茶褐色ダイヤモンドの試験片だけにしか、転位と積層不整欠陥(stacking fault defects)の形態の拡張欠陥は見られなかった。弱茶褐色及び中度茶褐色のサンプルの場合、TEMで検査した領域でそうした拡張欠陥はまったく観察されなかった。
他の種類や形態のダイヤモンドで見られるものと比較して、本発明の方法によって作製された単結晶CVDダイヤモンドのファンシーカラーの間の差を示す方策又は手段として、色度座標を用いることができる。
本発明のアニーリングすなわち熱処理した単結晶CVDダイヤモンドで重要なのは知覚色である。色度座標は、透過率スペクトルよりも知覚色により直接的に関係するので、色度座標を使用すると、こうしたダイヤモンドの新規な特徴を示す助けとなる。本発明のCVDダイヤモンドの吸収スペクトルの違いは、他のCVDダイヤモンド又はHPHT合成ダイヤモンドについて従来実証されたものと異なる可能性のある知覚色を提供する。
美しさは見る人の目の中にあり、色相は個人的な好みの問題であることは事実である。他方、ダイヤモンド業界では、ピンクと緑色のダイヤモンドは茶褐色のダイヤモンドより高く尊重され、色調節剤の影響が小さくなるのでさらに尊重されることになることが認識されている。所与の彩度に対して高い明度を有している場合、巧みに研磨されたその宝石において、ピンク又は緑色のダイヤモンドは望ましい色をもたらす可能性がより大きい。明度が低い場合、同一の色相と彩度を有する研磨されたダイヤモンドが魅力的な色をもたらす可能性はより低い。
さらに、例えば、ウィンドウが特定の吸収特性を有することが必要である、光学的透過及び電磁気透過の分野に応用例がある。これは、単に全般的な低い吸収であるか、又は特定のバンドでの低い吸収であることもあり、或いは、熱量測定の手段による放射を測定する用途などの特定の吸収ピークの必要性を含むこともある。したがって、本発明のダイヤモンドは光学用途で特に使用される。光学用途は、可視領域に限定されず、UVに、又IRやそれ以上に拡大することができる。具体的には、この材料が電磁波領域にも用途があることが予想される。
CIE L色度座標の誘導
物体の知覚色は、物体の透過/吸収スペクトル、照明源の分光分布及び観察者の目の応答曲線によって変わる。本特許出願で引用するCIELAB色度座標は以下に説明する方法によって得られたものである。標準D65照明スペクトル及び目の標準(赤、緑色及び青)応答曲線(G.Wyszecki及びW.S.Stiles、John Wiley、New York−London−Sydney、1967年)を用いて、ダイヤモンドの平行プレートCIE L色度座標を、350nmと800nmの間で1nmのデータ間隔での透過率スペクトルから以下の関係式を用いて得た。
λ=波長λでの透過率
λ=照明光の分光分布
λ=目の赤色応答関数
λ=目の緑色応答関数
λ=目の青色応答関数
X=Σλ[Sλλλ]/Y
Y=Σλ[Sλλλ]/Y
Z=Σλ[Sλλλ]/Y
ここで、Y=Σλλλ
=116(Y/Y1/3−16=明度 (Y/Y>0.008856について)
=500[(X/X1/3−(Y/Y1/3] (X/X>0.008856、Y/Y>0.008856について)
=200[(Y/Y1/3−(Z/Z1/3] (Z/Z>0.008856について)
=(a*2+b*21/2=彩度
ab=arctan(b/a)=色相角
Y/Y、X/X及びZ/Zの限界の外側では、これらの式の修正版を用いなければならない。その修正版は、Commission Internationale de L’Eclairage(Colorimetry(1986年))によって作成された技術報告に記載されている。
座標とb座標を、グラフ上でaをx軸とし、bをy軸としてプロットすることは一般的なことである。正のa値及びb値は、色相の赤成分及び黄成分にそれぞれ対応する。負のa値及びb値は、緑色成分及び青成分にそれぞれ対応する。次いでグラフの正の象限は、黄から橙を経て赤までの範囲の色相を包含する。彩度(C)は原点からの距離によって与えられる。
光学的経路長が変化するにしたがって、所与の吸収係数スペクトルを有するダイヤモンドのa座標がどのように変化するかを予測することが可能である。これを行うためには、まず測定した吸収スペクトルから反射ロスを差し引かなければならない。次いで、経路長の違いを考慮に入れるために、吸収をスケーリングし、次いで反射ロスを加え戻す。次いで、吸収スペクトルを、新たな厚さについてのCIELAB座標を得るために使用する透過率スペクトルに変換することができる。この方法で、色相、彩度及び明度の光学的経路長に対する依存性をモデル化し、所与の単位厚さ当たり吸収特性を有するダイヤモンドの色が、光学的経路長にどのように依存するかを理解できるようになる。
すなわち明度はCIELAB色空間の第3の次元を形成する。特定の光学的吸収特性を有するダイヤモンドについて、光学的経路長が変化するのにしたがった明度及び彩度の変化の仕方を理解することが重要である。これは、Lがy−軸に沿ってプロットされ、Cがx−軸に沿ってプロットされた色調ダイアグラムで図示することができる(図4など)。前章で説明した方法も、所与の吸収係数スペクトルを有するダイヤモンドのL座標の光学的経路長に対する依存性を予測するために用いることができる。
明度の幅広い尺度を次のような形で定義することができる。明るい:95>L>65、中度:65>L>35、暗い:35>L>05。
(彩度)の数を10C単位の彩度範囲に分け、以下のような記述用語を充てることができる。
0〜10 弱い
10〜20 弱い〜中度
20〜30 中度
30〜40 中度〜強い
40〜50 強い
50〜60 強い〜非常に強い
60〜70 非常に強い
70〜80+ 極めて強い
3.2mm厚のCVD層をHPHT合成ダイヤモンド基板上で成長させた。成長をその上で起こさせた基板表面は、国際特許出願第WO01/96634号に記載の方法によって調製した。
この基板を、ダイヤモンドに適した高温蝋付けを用いてタングステン基板上に載せた。これを電磁波反応器に入れ、基板表面を作製するためのエッチング及び成長のサイクルを用い、次いで成長を開始した。
より具体的には、
1)反応器に、ユースポイント(point of use)清浄器を予め備えておき、流入ガスストリーム中の窒素レベル(Nドーパントラインを除いて)を、上記の修正GC法で測定して80ppb未満まで低下させた。
2)その場での酸素プラズマエッチングを、30/150/1200sccm(標準立方センチメートル/秒)のO/Ar/Hを使用して、840℃の基板温度で235×10Paで実施した。
3)これを、ガス流れからOを除去して、中断することなく水素エッチングへ850℃で送り込んだ。
4)この場合は32sccmのCHである炭素供給源を加えることによって、成長プロセスに入った。この段階での成長温度は890℃であった。
5)10ppmの濃度で窒素(N)を成長プロセスに導入した。
6)成長期間が完了したら、基板を反応器から取り出し、基板からCVD層を外した。
この層における単一の置換窒素濃度を、吸収スペクトルの270nmの吸収特性から約0.40ppmと推定した。吸収スペクトルは、約360nm及び520nmを中心とした広幅バンドと、赤から紫外の吸収係数に全般的な高まり(傾斜部)も含んでいた。
この層を研磨し、0.55カラットの丸いブリリアントカットの切石にして、これは、ファンシーな薄い茶褐色、VS1と等級付けされた。次いで、約6.5×10Pa(65キロバール)のダイヤモンド安定化圧力下で、1700℃で4時間アニールした。さらなる加工を行うことなく、これはファンシーな薄いピンク調茶褐色、VS1と等級付けされた。
丸いブリリアントキューレットを拡大して、定量的な吸収スペクトルが記録できるようにした。それによると、単一置換窒素の濃度にそれほどの変化は見られなかった。吸収スペクトルの360nmのバンド強度と傾斜部は実質的に低下していたが、約520nmのバンドは殆んど変化しないままであった。77Kで記録された吸収スペクトルは、(関連振電バンドを伴って)637nmに負の窒素空位中心による弱い線を示した。光ルミネッセンススペクトルは、575nm及び637nmに零フォノン線を有する窒素空位欠陥によるルミネッセンスによって支配されていた。アニーリングの前後の、514nm励起での77Kで記録されたラマン正規化光ルミネッセンススペクトルは、アニーリング処理が窒素空位中心からの光ルミネッセンスの増大をもたらし、関連吸収の増大と一緒になって、これが知覚色の変化に寄与できることを示した。
3.1mm厚のCVD層を、実施例1で設定したのと同様のプロセスを用いてHPHT合成ダイヤモンド基板上で成長させた。このサンプルでの単一置換窒素濃度は、吸収スペクトルの270nm特性吸収の強度から約0.5ppmと推定された。
この層を研磨し、0.49カラットの丸いブリリアントにし、これは薄い茶褐色、VS1と等級付けされた。次いで、約7.5×10Pa(75キロバール)のダイヤモンド安定化圧力下で、2100℃で24時間アニールした。0.44カラットに再研磨した後、これはファンシーな薄い灰色調緑色、VS1と等級付けされた。
次いで、丸いブリリアントキューレットを拡大して、吸収スペクトルが記録できるようにした。それ自体では、吸収スペクトルは切石の緑色の色相を説明するのには不十分であった。光ルミネッセンススペクトル(HeCdレーザー又はXe傾斜部励起で)は、アニーリングプロセスで形成された欠陥(H3及び他の特定されていない欠陥)による強い緑色ルミネッセンスを示した。この場合、感知された緑色の色相は主に緑色光ルミネッセンスによる結果であり、その鑑賞条件に対する依存性はこの推論の結果と一致している。アニーリングの前後に、514nm励起での77Kで記録されたラマン正規化光ルミネッセンススペクトルは、アニーリング処理が窒素空位中心からの光ルミネッセンスの減少をもたらし、関連吸収の減少と一緒になって、これが知覚色の変化に寄与できることを示した。
3.10mm厚のCVD層を、実施例1で設定したのと同様のプロセスでHPHT合成ダイヤモンド基板上で成長させた。このサンプルにおける単一置換窒素濃度は、吸収スペクトルの270nm特性吸収の強度から約0.5ppmと推定された。約360nm及び515nmを中心とした広幅バンドと、赤から紫外の吸収係数に全般的な高まり(傾斜部)も含んでいた。
この層を0.51カラットの丸いブリリアントに研磨し、これは薄い茶褐色、I3と等級付けされた。次いで、約6.5×10Pa(65キロバール)のダイヤモンド安定化圧力下で、1700℃で24時間アニールした。さらなる加工を行うことなく、これは薄いオレンジ調ピンク、I3と等級付けされた。
次いで、丸いブリリアントキューレットを拡大して、吸収スペクトルが記録できるようにした。これは単一置換窒素の濃度に殆んど変化がないことを示した。(赤から紫外までの)吸収スペクトルにおける360nmのバンド強度と傾斜部は実質的に低下していたが、約515nmのバンドは殆んど変化しないままであった。光ルミネッセンススペクトルは、575nm及び637nmに零フォノン線を有するN−V欠陥からの光ルミネッセンスによって支配されていた。アニーリングの前後に、514nm励起での77Kで記録されたラマン正規化光ルミネッセンススペクトルは、アニーリング処理によってN−Vルミネッセンスの強度がそれほど影響を受けていなかったことを示した。知覚色の変化は主に吸収スペクトルの変化によるものであった。
単結晶CVDダイヤモンドを、実施例1で設定したのと同様のプロセスで{100}ダイヤモンド基板上で2mmの厚さに成長させた。ガス混合物は2.5ppmの窒素を含有していた。基板を取り出し、4.5mm×4.0mm×2mmの寸法の研磨したCVDサンプルEx−4を作製した。
このサンプルは茶褐色を有していた。そのUV/可視吸収スペクトルは図1の表記(a)である。単一置換窒素に関連する吸収特性に加えて、スペクトルは約515nm及び365nmに広幅バンドを含む。より短い波長方向に全体的な吸収係数の増大も見られる。
次いで、CVDダイヤモンドサンプルを、約8.0×10Pa(80キロバール)のダイヤモンド安定化圧力下で、2400℃で4時間アニールした。この処理の後でサンプルはほとんど無色であった。そのUV/可視吸収スペクトルは図1の表記(b)である。残存吸収は、単一置換型部位で約1.1ppmの窒素を含有する1b型スペクトルの形に合致する。アニーリング処理によって成長したままのサンプルで示された追加の吸収が除去された。
アニーリングの前後で測定したこのサンプルの吸収スペクトルから、前記のようにダイヤモンドのCIELAB座標が得られた。これを以下の表に示す。アニーリングプロセスによってb座標と彩度が大幅に減少し、他方、明度は増大した。
単結晶CVDダイヤモンドを、実施例1で設定したのと同様のプロセスで{100}ダイヤモンド基板上で3mmの厚さに成長させた。圧力は250×10Paであり、基板温度は815℃であり、ガス混合物は7.5ppmの窒素を含有した。基板を取り出し、3mm×2mm×0.86mmの寸法の横断面の研磨したCVDダイヤモンド薄片Ex−5を作製した。
このサンプルはオレンジ調茶褐色を有していた。そのUV/可視吸収スペクトルは図2の表記(a)である。単一置換窒素に関連する吸収特性に加えて、スペクトルは約515nmと365nmに広幅バンドを含む。より短い波長方向に全体的な吸収係数の増大も見られる。
次いでサンプルを、約7.0×10Pa(70キロバール)のダイヤモンド安定化圧力下、1900℃で4時間アニールした。この処理の後でサンプルはほとんど無色であった。そのUV/可視吸収スペクトルは図2の表記(b)である。残存吸収は、単一置換型部位で約2.2ppmの窒素を含有する1b型スペクトルの形にかなりよく合致する。したがって、アニーリング処理によって成長したままのサンプルで示された追加の吸収が除去され、これをほとんど無色にした。
アニーリングの前後で測定したこのサンプルの吸収スペクトルから、前記のようにダイヤモンドのCIELAB座標が得られた。これを以下の表に示す。アニーリングプロセスによってb座標と彩度が著しく減少され、他方、明度は増大した。
単結晶CVDダイヤモンドを、実施例1で設定したのと同様のプロセスで{100}ダイヤモンド基板上で1.8mmの厚さに成長させた。圧力は257×10Paであり、基板温度は812℃であり、ガス混合物は3.8ppmの窒素を含有した。基板を取り出し、得られた茶褐色のダイヤモンドプレートEx−6のUV/可視吸収スペクトル(図3で(a)と表示)を測定した。
次いでサンプルを、約6.5×10Pa(65キロバール)のダイヤモンド安定化圧力下で、1600℃で4時間アニールした。この処理の後で、この色の支配成分はピンクであった。アニールしたサンプルEx−6のUV/可視吸収スペクトルは図3の表記(b)である。このスペクトルは、約1.2ppmの濃度を有する単一置換窒素に関係する吸収、約515nmを中心としたバンド、及び紫外のいくらかの残存吸収からなっている。アニーリング処理によって約365を中心としたバンドが除かれ、より短い波長方向の全体的な吸収の高まりが大幅に低減されている。
Olympus BH−2顕微鏡(×10対物レンズ)を備えた、CCD検出器付きのRenishaw Ramanascopeを用いて、785nmレーザー励起を有するラマン/光ルミネッセンススペクトルを、アニーリング処理の前後で室温で記録した。アニーリング処理によって、スペクトルの近赤外領域に一連の光ルミネッセンス線が生成することが分かった。これらには、約851nmの線と、約816及び825nmでの2つのより広幅な線が含まれていた。
アニーリング処理の前後に測定したこのサンプルの吸収スペクトルから、前記のようにダイヤモンドのCIELAB座標が得られた。これを以下の表に示す。色相、彩度及び明度の光学的経路長に対する依存性を、上記のような形でモデル化して、成長したままのダイヤモンドとアニールしたダイヤモンドの異なる経路長によってもたらされた色についての理解が得られた。結果を図4及び5に示す。成長したままのダイヤモンド及びアニールしたダイヤモンドは、それぞれ(a)及び(b)と表記した。又図4のスペクトル(a)には、曲線上の任意の点(a、b)について、色相角(hab)を測定する手段も示した。
CVDダイヤモンドの2.84mm厚さの層を、実施例1で設定したのと同様のプロセスで1b型HPHT合成ダイヤモンド基板上で成長させた。成長の条件は、42/25/600sccm(標準立方センチメートル/秒)のCH/Ar/H、及び330×10Pa、及び基板温度880℃からなり、加えたNは24ppmであった。
基板を取り出し、得られたCVD層を研磨して長方形にカットした1.04カラットのCVD宝石とした。専門のダイヤモンド鑑定家によって、これは、ファンシーな暗橙色調茶褐色を有し、Sl1の品質グレードであると判定された。
宝石を約6.5×10Pa(65キロバール)のダイヤモンド安定化圧力下で、1600℃で4時間アニールした。このアニーリング処理後、これも同じダイヤモンド鑑定家によって、この宝石は、茶褐色調ピンク色を有し、Sl1の品質グレードであると判定された。
強暗褐色を有する1.3mm厚のCVD層を、実施例1で設定したのと同様のプロセスで{100}HPHT合成基板上で成長させた。成長の条件は、30/25/300sccm(標準立方センチメートル/秒)のCH/Ar/H、330×10Pa、基板温度780℃からなり、加えたNは46ppmであった。用いた窒素同位体は15Nであった。これは、質量効果のために、通常14Nで得られる値から、Nを含有する欠陥と関連する変位した線を有することができる。基板を取り出し、CVD層からアニーリング実験用の研磨した薄片を作製した。処理条件を以下に一覧表で示す。
大気圧(アルゴン中)で1200℃、1400℃及び1500℃でアニールしたものも含めて、アニールした薄片はすべて、その明度の対応した増加を伴って、スペクトルの可視領域で著しい透過率の増加を示した。以下の表に詳細に示すように、サンプルの吸収スペクトルは様々な線を示した。第1の表では、各記述(強い、中度、弱い、非常に弱い)は、スペクトルの特性吸収の相対的な大きさを近似的に示している。記述のない個所は、該当する特性吸収が観察されなかったものである。第2の表では、「Yes」は該当する特性吸収が観察されたことを示す。
これらの表から、本発明の方法によって成長させ、アニールしたダイヤモンドは、成長したままのCVDダイヤモンドには見られない吸収線を示すことができることがわかる。これらの線の多くは、これまで他のどんな方法で作製されダイヤモンドにも見られず、本発明の方法で作製されたダイヤモンドに独特のものと思われる。最も明白な例は表でアスタリクス印を付けたものである。これらの線の多くは、光ルミネッセンスにおいても見ることができる。

約8.0×10Pa(80キロバール)の圧力で、2400℃で4時間アニーリングをする前(a)と後(b)で記録したサンプルEx−4のUV−可視吸収スペクトルを示す図である。 約7.0×10Pa(70キロバール)の圧力で、1900℃で4時間アニーリングをする前(a)と後(b)で記録したサンプルEx−5のUV−可視吸収スペクトルを示す図である。 約6.5×10Pa(65キロバール)の圧力で、1600℃で4時間アニーリングをする前(a)と後(b)で記録したサンプルEx−6のUV−可視吸収スペクトルを示す図である。 約6.5×10Pa(65キロバール)の圧力で、1600℃で4時間アニーリングをする前(a)と後(b)で記録したEx−6のUV/可視吸収スペクトルから得られたCIELABのa値及びb値をプロットした図である。 約6.5×10Pa(65キロバール)の圧力で、1600℃で4時間アニーリングをする前(a)と後(b)で記録したEx−6のUV/可視吸収スペクトルから得られたCIELABのL値及びC値をプロットした図である。

Claims (61)

  1. 着色した単結晶CVDダイヤモンドを用意するステップと、所望の色を発現するのに適した条件下でダイヤモンドを熱処理するステップとを含む、所望の色の単結晶CVDダイヤモンドを作製する方法。
  2. 前記単結晶CVDダイヤモンドが層をなしている、請求項1に記載の方法。
  3. 前記単結晶CVDダイヤモンドの層が1mmを超える厚さを有する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記単結晶CVDダイヤモンド層が、その厚さ方向を通して均一な結晶特性を有する、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 前記単結晶CVDダイヤモンドが、前記層の一小片の形態である、請求項2から4までのいずれか一項に記載の方法。
  6. 単結晶CVDダイヤモンドの前記小片が宝石である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記宝石が、直交する3寸法を有し、各寸法が1mmを超える、請求項6に記載の方法。
  8. 前記単結晶CVDダイヤモンドが、0.05〜50ppmのソリッドダイヤモンド中の窒素濃度を有する、請求項1から7までのいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記範囲の下限が0.1ppmである、請求項8に記載の方法。
  10. 前記範囲の下限が0.2ppmである、請求項8に記載の方法。
  11. 前記範囲の下限が0.3ppmである、請求項8に記載の方法。
  12. 前記範囲の上限が30ppmである、請求項8から11までのいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記範囲の上限が20ppmである、請求項8から11までのいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記範囲の上限が10ppmである、請求項8から11までのいずれか一項に記載の方法。
  15. 窒素濃度が0.5ppm〜500ppmの範囲である気相を用いる合成法で、前記CVDダイヤモンドを作製する、請求項1から14までのいずれか一項に記載の方法。
  16. 気相中の窒素濃度が1ppm〜100ppmの範囲である、請求項15に記載の方法。
  17. 気相中の窒素濃度が2ppm〜30ppmの範囲である、請求項15に記載の方法。
  18. 熱処理後の前記CVDダイヤモンドの支配色が、茶褐色以外の色である、請求項1から17までのいずれか一項に記載の方法。
  19. 熱処理後の前記CVDダイヤモンドの色が、ピンクから緑色の範囲である、請求項1から18までのいずれか一項に記載の方法。
  20. 熱処理後の前記CVDダイヤモンドの色が、ピンクである、請求項19に記載の方法。
  21. 熱処理後の前記CVDダイヤモンドの色が、ファンシーピンクである、請求項19に記載の方法。
  22. 熱処理後の前記CVDダイヤモンドの色が、緑色である、請求項19に記載の方法。
  23. 熱処理後の前記CVDダイヤモンドの色が、ファンシー緑色である、請求項19に記載の方法。
  24. 熱処理後の前記CVDダイヤモンドがほとんど無色である、請求項1から18までのいずれか一項に記載の方法。
  25. 熱処理後の前記CVDダイヤモンドが無色である、請求項1から18までのいずれか一項に記載の方法。
  26. 熱処理後の前記CVDダイヤモンドの色相角が65°未満である、請求項1から21までのいずれか一項に記載の方法。
  27. アニーリング後の前記CVDダイヤモンドの色相角が60°未満である、請求項1から21までのいずれか一項に記載の方法。
  28. アニーリング後の前記CVDダイヤモンドの色相角が55°未満である、請求項1から21までのいずれか一項に記載の方法。
  29. アニーリング後の前記CVDダイヤモンドの色相角が50°未満である、請求項1から21までのいずれか一項に記載の方法。
  30. 熱処理後の前記ダイヤモンドから作製された1mm厚さの両面平行層が、0≦b≦8の範囲にあるCIELabのb座標を有する、請求項1から25までのいずれか一項に記載の方法。
  31. 熱処理後の前記ダイヤモンドから作製された1mm厚さの両面平行層が、0≦b≦4の範囲にあるCIELabのb座標を有する、請求項1から25までのいずれか一項に記載の方法。
  32. 熱処理後の前記ダイヤモンドから作製された1mm厚さの両面平行層が、0≦b≦2の範囲にあるCIELabのb座標を有する、請求項1から25までのいずれか一項に記載の方法。
  33. 熱処理後の前記ダイヤモンドから作製された1mm厚さの両面平行層が、0≦b≦1の範囲にあるCIELabのb座標を有する、請求項1から25までのいずれか一項に記載の方法。
  34. 熱処理後の前記ダイヤモンドから作製された1mm厚さの両面平行層が、10未満の彩度(C*)を有する、請求項1から20、22、24から25までのいずれか一項に記載の方法。
  35. 熱処理後の前記ダイヤモンドから作製された1mm厚さの両面平行層が、5未満の彩度(C*)を有する、請求項1から20、22、24から25までのいずれか一項に記載の方法。
  36. 熱処理後の前記ダイヤモンドから作製された1mm厚さの両面平行層が、2未満の彩度(C*)を有する、請求項1から20、22、24から25までのいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記熱処理を、色に寄与する吸収バンド又は他の成分を増加、調節、減少又は除去するのに適した条件下で実施する、請求項1から36までのいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記熱処理を、広範囲のスペクトルにわたる吸収を起こす欠陥濃度を減少させるのに適した条件下で実施する、請求項1から37までのいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記単結晶CVDダイヤモンドが約350nmを中心とする吸収バンドを有し、前記ダイヤモンドの色を強化するように、前記熱処理を、吸収バンドを変更するのに適した条件下で実施する、請求項1から38までのいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記単結晶CVDダイヤモンドが約510nmを中心とする吸収バンドを有し、前記ダイヤモンドの色を強化するように、前記熱処理を、吸収バンドを変更するのに適した条件下で実施する、請求項1から39までのいずれか一項に記載の方法。
  41. 吸収バンドの変更がバンドの減少又は除去である、請求項39又は40に記載の方法。
  42. 前記単結晶CVDダイヤモンドが、近赤外に中心があり可視スペクトルの赤色領域内に延びるバンドを有し、ダイヤモンドの色を強化するように、前記熱処理を、吸収バンドを変更するのに適した条件下で実施する、請求項1から41までのいずれか一項に記載の方法。
  43. 吸収バンドの変更がバンド強度を増大又は低下させるためである、請求項42に記載の方法。
  44. 前記熱処理をダイヤモンド安定化圧力下、又は不活性若しくは安定化雰囲気で、1200℃〜2500℃の温度範囲で実施する、請求項1から43までのいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記熱処理をダイヤモンド安定化圧力下で少なくとも1600℃の温度で行う、請求項44に記載の方法。
  46. 前記熱処理をダイヤモンド安定化圧力で1600〜1700℃の温度で行う、請求項45に記載の方法。
  47. 前記熱処理を、不活性若しくは安定化雰囲気内のグラファイト安定領域の圧力で、1900℃以下の温度で行う、請求項44に記載の方法。
  48. 前記熱処理を、不活性若しくは安定化雰囲気内のグラファイト安定領域の圧力で、1800℃以下の温度で行う、請求項44に記載の方法。
  49. 前記熱処理を、不活性若しくは安定化雰囲気内のグラファイト安定領域の圧力で、1600℃以下の温度で行う、請求項44に記載の方法。
  50. 前記熱処理を、不活性若しくは安定化雰囲気内のグラファイト安定領域の圧力で、1400℃超の温度で行う、請求項47から49までのいずれか一項に記載の方法。
  51. 前記不活性雰囲気がアルゴンである、請求項44及び47から50までのいずれか一項に記載の方法。
  52. 光学用途で使用するための、請求項1から51までのいずれかに記載の方法によって作製された単結晶ダイヤモンド層。
  53. 電磁気透過ウィンドウとして使用するための、請求項1から52までのいずれかに記載の方法によって作製された単結晶ダイヤモンド層。
  54. ピンク〜緑色の範囲の色を有する単結晶CVDダイヤモンド層。
  55. 前記色がファンシーピンクである、請求項54に記載の単結晶CVDダイヤモンド層。
  56. 前記色がファンシー緑色である、請求項54に記載の単結晶CVDダイヤモンド層。
  57. 少なくとも1mmの厚さを有する、請求項54から56までのいずれか一項に記載の単結晶CVDダイヤモンド層。
  58. その厚さ方向を通して均一な結晶特性を有する、請求項54から57までのいずれか一項に記載の単結晶CVDダイヤモンド層。
  59. 請求項54から58までのいずれか一項に記載の層から作製された一小片の単結晶CVDダイヤモンド。
  60. 宝石の形を有する、請求項59に記載の小片。
  61. 直交する3寸法を有し、各寸法が1mmを超える、請求項60に記載の小片。
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