JP2005534132A - 保存寿命と再生性能の改良された限定再生式光媒体 - Google Patents

保存寿命と再生性能の改良された限定再生式光媒体 Download PDF

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Abstract

保存安定性に優れた限定再生式光媒体が、複数の層から、即ち(a)第1基板層(22)、(b)データ層(25)、(c)反射層(24)、(d)還元状態と酸化状態を有する色素を含有し、さらに前記色素を酸化状態から還元状態に転換する作用をなす還元剤を酸化形態で含有する反応性層(23;32,33)及び(e)第2基板層(21)をこの順で設けることにより形成される。還元状態の色素は光媒体の読み取りに用いる波長の光に実質的に透明であり、酸化状態の色素は光媒体の読み取りに用いる波長の光を吸収する。反射金属層を酸化形態の還元剤による有意な酸化を受けない金属又は金属合金から形成する。例えば反射金属層を銀又は金から形成するのが適当である。

Description

この発明は、保存寿命と再生性能の改良された限定再生式光媒体に関する。
光媒体をデータの保存と再生に利用する傾向が拡大している。本発明は、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスクもしくはデジタル汎用ディスク(DVD)などあらゆるタイプの機械読み取り可能な光ディスクに関する。従来から光ディスクが、音楽、ビデオ及び映画などのデジタル情報を保存するのに広範に使用されている。
用途によっては、光ディスクの寿命を制限するのが望ましい。例えば、現在音楽や映画の光ディスクが期間限定でレンタルされている。期限が過ぎると、ディスクを返却しなければならない。レンタル期間の終了後に返却する必要のない機械読み取り可能な光ディスクが必要とされている。限定再生式ディスクがこの問題を解決する。限定再生式光ディスクは、米国特許第6011772号「読み取り禁止剤内蔵の機械読み取り可能な光ディスク」(SpectraDisc Corp.)及び米国特許第5815484号「コピープロテクト可能な光媒体装置及び方法」(Hide and Seek Technologies,L.L.C.)に開示されている。さらに最近、SpectraDisc社は、米国特許第6343063号で「読み取り禁止剤内蔵の機械読み取り可能な光ディスク」を、また米国特許第6338933号で「光エンコードされた媒体を読み取り不能にする方法及び装置」を開示した。米国特許第5815484号の教示によれば、メチレンブルーなどの色素を酸素感応性な還元形態で含有する膜をディスクのデータ構造の表面上に設層することにより、限定再生式光ディスクを作製できる。酸素に露呈されると、ほぼ無色である還元形態の色素が酸化されて濃青色色素、即ちメチレンブルーを形成し、これが光媒体を読取る能力を妨害する。
図1に、従来周知のタイプの無制限再生式DVDの層構造を示す。DVDは第1及び第2外側ポリカーボネート層1及び2(当業界でL0及びL1と称することもある)、接着剤層3及びアルミニウム層4を有する。ディスクの再生時には、レーザ光がポリカーボネート層L0(1)から入射し、アルミニウム層3で反射される。
本発明は、保存寿命の改良された限定再生式光媒体を提供する。本発明の光媒体は、複数の層から構成され、(a)第1基板層、(b)データ層、(c)反射層、(d)還元状態と酸化状態を有する色素を含有し、さらに前記色素を酸化状態から還元状態に転換する作用をなす還元剤を酸化形態で含有する反応性層及び(e)第2基板層をこの順で備える。
還元状態の色素は光媒体の読み取りに用いる波長の光に実質的に透明であり、酸化状態の色素は光媒体の読み取りに用いる波長の光を吸収する。反射金属層は、酸化形態の還元剤による有意な酸化を受けない金属又は金属合金から形成する。例えば、反射金属層を銀又は金から形成するのが適当である。
本発明は、限定再生式光媒体を提供する。無制限再生式光媒体と同様、本発明の光媒体は、複数の層から構成され、(a)第1基板層、(b)データ層、(c)反射層、(d)還元状態と酸化状態を有する色素を含有し、さらに前記色素を酸化状態から還元状態に転換する作用をなす還元剤を酸化形態で含有する反応性層及び(e)第2基板層をこの順で備える。
還元状態の色素は光媒体の読み取りに用いる波長の光に実質的に透明であり、酸化状態の色素は光媒体の読み取りに用いる波長の光を吸収する。
本発明の限定再生式光媒体の1実施態様では、ボンド層に用いる色素がロイコメチレンブルーである。ロイコメチレンブルーを形成するには、反応性層材料の調製中に還元剤を添加することによりメチレンブルーを還元する。この還元を反応性層に用いるボンド用接着剤を含む混合物中で行うのが好都合であるので、光媒体の組立時に過剰分の還元剤と酸化形態の還元剤両方がボンド層内に残存する。本発明者らは、酸化形態の還元剤(そして潜在的には還元形態の還元剤も)が反射金属層と相互作用し、反射金属層を酸化し得、その結果限定再生式光媒体中の色素の酸素への露呈と無関係に、保存寿命が短くなる、ことを見いだした。
例えば、メチレンブルーをロイコメチレンブルーに転換するのに使用できる有用な還元剤は2−エチルヘキサン酸錫(II)である。これらの錫(II)化合物がメチレンブルーを還元するとき、錫(II)化合物は酸化されて錫(IV)種を形成する。一方、錫(IV)種は、従来の光媒体に用いられているアルミニウム合金を酸化することができ、その結果時間経過につれてデータエラー率が増大する、特にPISum8エラーが増大する。このため、ディスクの保存寿命が制限される。
この問題とその原因を解明することで、本発明者らは、限定再生式光媒体の保存寿命を改良することに成功した。具体的には、本発明の光媒体では、反射金属層を、酸化形態の還元剤による有意な酸化を受けない金属又は金属合金から形成する。
図2に、片面限定再生式光媒体である本発明の1実施態様の構造を示す。この実施態様では、2つの基板層21,22、ボンド接着剤及び色素両方を含有する反応性層23、反射金属層24及びデータ層25を設ける。図3に本発明の別の実施態様の構造を示す。この構造は、反応性層が接着剤層32及びアクリル被膜兼色素層33として存在する以外は図2の構造と同様である。
基板層は、光媒体の読み取り側に、読み取りレーザー波長で低い複屈折と高い光透過率を有する、即ち光媒体装置で読み取り可能な、少なくとも1つの基板(即ち基板21)を含む。代表的には、読み取りレーザー波長は、約390nm〜約430nmの範囲(青色及び青紫色レーザー)或いは約630nm〜約650nmの範囲(赤色レーザー)にある。この基板21は、データ記憶媒体を媒体装置で読み取り可能にするために、十分な光学的明澄度、例えば約±100nm以内の複屈折を有する材料から構成する。理論的には、このような特性を示すならばどのようなプラスチック材料でも読み取り側基板21として使用できる。別の基板22も同一材料から形成し、同じ光学特性としてよいが、このことは必須ではない。
第1基板及び第2基板両方に用いるプラスチック材料は、その後の加工パラメータ(例えば後続層の設層)、例えばほぼ室温(約25℃)から約150℃までのスパッタ温度や、その後の貯蔵条件(例えば温度が約70℃にも達する高熱の自動車)に耐えることができなければならない。即ち、プラスチック材料が、種々の設層工程中並びに最終ユーザによる保管中の変形を防止するのに十分な熱及び機械的安定性をもつのが望ましい。使用可能なプラスチック材料には、ガラス転移温度が約100℃以上、好ましくは約125℃以上、より好ましくは約140℃以上、さらに好ましくは約200℃以上である熱可塑性樹脂、例えばポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリイミド、ポリカーボネートなどがある。ガラス転移温度が約250℃を超える材料が一層好ましく、例えばポリイミド、上述したプラスチック材料の1種以上を含む組合せなど、そして特にm−フェニレンジアミンがスルホンジアニリン又はオキシジアニリンで置換されたポリエーテルイミドがある。一般にポリカーボネートを使用する。
第1基板及び第2基板材料の使用可能な例としては、アモルファス、結晶性及び半結晶性熱可塑性材料、例えばポリ塩化ビニル、ポリオレフィン(直鎖状及び環状ポリオレフィンを含み、具体的にはポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレンなどを含むが、これらに限定されない)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシルメチレンテレフタレートなどを含むが、これらに限定されない)、ポリアミド、ポリスルホン(水素化ポリスルホンなどを含むが、これらに限定されない)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ABS樹脂、ポリスチレン(水素化ポリスチレン、シンジオタクチック及びアタクチックポリスチレン、ポリシクロヘキシルエチレン、スチレン−コ−アクリロニトリル、スチレン−コ−無水マレイン酸などを含むが、これらに限定されない)、ポリブタジエン、ポリアクリレート(ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メチルメタクリレート−ポリイミド共重合体などを含むが、これらに限定されない)、ポリアクリロニトリル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル(2,6−ジメチルフェノール由来のもの及び2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体などを含むが、これらに限定されない)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、液晶重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、芳香族ポリエステル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、及びテトラフルオロエチレン(例えばテフロン)(テフロンは登録商標)が挙げられるが、これらに限定されない。
ここで用語「ポリカーボネート」及び「ポリカーボネート組成物」は、次式Iの構造単位を有する組成物を包含する。
Figure 2005534132
式中のR基の総数の約60%以上が芳香族有機基であり、残りが脂肪族、脂環式又は芳香族基である。好ましくは、Rは芳香族有機基であり、より好ましくは次式IIの基である。
Figure 2005534132
式中のA及びAはそれぞれ二価の単環アリール基であり、YはAとAとの間に介在する原子を0個、1個又は2個有する橋かけ基である。例えば1個の原子がAとAとの間に介在する。この種の基の具体例には、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−C(O)−、メチレン、シクロヘキシル−メチレン、2−[2,2,1]−ビシクロへプチリデン、エチリデン、イソプロピリデン、ネオペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロペンタデシリデン、シクロドデシリデン及びアダマンチリデンがあるが、これらに限定されない。別の例ではAとAとの間に原子が介在せず、その具体例はビフェノールである。橋かけ基Yは、炭化水素基又は飽和炭化水素基、例えばメチレン、シクロヘキシリデンもしくはイソプロピリデン又はヘテロ原子、例えばO−もしくはS−とすることができる。
ポリカーボネートは、AとAとの間に介在する原子が1個だけのジヒドロキシ化合物の反応により製造することができる。ここで用いる用語「ジヒドロキシ化合物」は、例えば以下の一般式IIIのビスフェノール化合物を包含する。
Figure 2005534132
式中のR及びRはそれぞれ独立に水素、ハロゲン原子又は一価の炭化水素基を示し、p及びqはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、Xは次式IVの基を示す。
Figure 2005534132
式中のR及びRはそれぞれ独立に水素原子又は一価の直鎖状又は環状炭化水素基を示し、Rは二価の炭化水素基を示す。
適当なジヒドロキシ化合物の具体例としては、二価フェノール類及び米国特許第4217438号に化合物名又は一般式又は特定式で記載されているようなジヒドロキシ置換芳香族炭化水素があるが、これらに限定されない。式IIIで表される種類のビスフェノール化合物の具体例を列記すると、以下のものがあるが、これらに限定されない。1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下「ビスフェノールA」又はBPA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−ブタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(以下DMBPA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、ビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、9,9”−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9”−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、4,4’−ビフェノール、並びにビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、例えば1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン及び1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン(以下DMBPC又はBCC)など、並びにこれらのビスフェノール化合物の1種以上を含む組み合わせ。
ホモポリマーよりもカーボネート共重合体を用いるのが望ましい場合には、2種以上の異なる二価フェノールの重合から得られるポリカーボネート、又は二価フェノールとグリコールとのあるいはヒドロキシもしくは酸終端ポリエステルとのあるいは二塩基酸とのあるいはヒドロキシ酸とのあるいは脂肪族二酸との共重合体を使用することもできる。一般に、脂肪族二酸は炭素原子数2〜約40のものが有用である。脂肪族二酸としてドデカン二酸が好ましい。
ポリアリーレート及びポリエステル−カーボネート樹脂又はそのブレンドも使用できる。分岐状ポリカーボネートも有用であり、直鎖状ポリカーボネートと分岐状ポリカーボネートのブレンドも有用である。分岐状ポリカーボネートは重合中に枝分かれ剤を添加することにより製造できる。
枝分かれ剤は周知であり、ヒドロキシル、カルボキシル、無水カルボン酸、ハロホルミル及びこれらの枝分かれ剤の1つ以上を含む混合物から選ばれる官能基を3個以上有する多官能性有機化合物を包含する。具体例としては、トリメリト酸、無水トリメリト酸、トリメリト酸トリクロライド、トリス−p−ヒドロキシフェニルエタン、イサチン−ビスフェノール、トリスフェノールTC(1,3,5−トリス((p−ヒドロキシフェニル)イソプロピル)ベンゼン)、トリス−フェノールPA(4(4(1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−エチル)α,α−ジメチルベンジル)フェノール)、4−クロロホルミル無水フタル酸、トリメシン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸など、並びにこれらの枝分かれ剤の1種以上を含む組合せがある。枝分かれ剤は、基体の全重量に基づいて約0.05〜2.0重量%のレベルで添加すればよい。枝分かれ剤及び分岐状ポリカーボネートの製造方法の例が、米国特許第3635895号及び同第4001184号に記載されている。ポリカーボネート末端基はどのようなタイプでもよい。
ポリカーボネートとしては、A及びAそれぞれがp−フェニレンで、YがイソプロピリデンであるビスフェノールAに基づくものが好ましい。ポリカーボネートの重量平均分子量が約5000〜約100000原子質量単位の範囲であるのが好ましく、約10000〜約65000原子質量単位の範囲がより好ましく、約15000〜約35000原子質量単位の範囲がもっとも好ましい。
ポリカーボネート合成をモニタし、評価する場合、ポリカーボネート中に存在するフリース生成物の濃度を測定するのが特に重要である。有意なフリース生成物の発生はポリマーの枝分かれにつながり、その結果溶融挙動の制御ができなくなる。ここで用語「フリース」及び「フリース生成物」はポリカーボネート中の次式Vの繰り返し単位を意味する。
Figure 2005534132
式中のR、R、p及びqは式IIIに関連して説明した通り、Xは上記式IIIに関連して説明した通りの二価の基である。
ポリカーボネート組成物は、この種の樹脂組成物に通常用いられる種々の添加剤を含有してもよい。このような添加剤としては、例えば充填剤又は補強材、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、可塑剤、帯電防止剤、離型剤、追加の樹脂、発泡剤など、ならびにこれらの添加剤の1種以上を含む組み合わせがある。
反応性層は単一層(即ち、接着剤系と色素の混合物)として形成することも、また2層以上(即ち、色素含有被膜及び別の接着剤ボンド層)から形成することもできる。本発明の光媒体に色素含有ボンド接着剤層を用いる場合、標準的接着剤又は活性な接着剤(例えばTIPSOC系)を用いて接着剤層を形成してもよい。後者では、特別な配合の接着剤をボンドプロセスに使用する。
色素は、基板表面上に堆積するか、基板表面の少なくとも一部分中に含浸するか、堆積と含浸の組合せを行って反応性層を形成するために、キャリヤと混合するのが適当である。色素を被覆組成物に含有させる場合、キャリヤは、被覆組成物の全重量に基づいて、代表的には約65〜85%の範囲、好ましくは約70〜80%の範囲で存在する。反応性材料を接着剤組成物に含有させる場合、キャリヤは、接着剤組成物の全重量に基づいて、代表的には約90〜99.9%の範囲、好ましくは約95〜99.5%の範囲で存在する。使用可能なキャリヤには、熱可塑性アクリルポリマー、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリチオレン、UV硬化性有機樹脂、ポリウレタン、熱硬化性アクリルポリマー、アルキド樹脂、ビニル樹脂など、並びにこれらのキャリヤの1種以上を含む組合せがある。ポリエステルには、脂肪族ジカルボン酸、例えばフマル酸又はマレイン酸と、グリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールなどとの反応生成物、並びにこれらの1種以上を含む反応生成物及び混合物がある。
キャリヤとして使用できるエポキシ樹脂には、1個又は複数個のエポキシ官能基を有する単量体、二量体、オリゴマー又はポリマー形態のエポキシ材料が含まれる。例えば、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンの反応生成物、エピクロロヒドリンとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂の反応生成物などがある。他の有機樹脂は、Kehrらの米国特許第3697395号及び同第3697402号に示されているような、ポリオレフィンとポリチオールの混合物の形態とすることができる。
ここで用いる用語「熱可塑性アクリルポリマー」は、1種以上のアクリル酸エステル単量体もしくはメタクリル酸エステル単量体の重合から得られる熱可塑性重合体を包含する。これらの単量体は次の一般式VIIで表される。
Figure 2005534132
式中のWは水素又はメチル基であり、Rはアルキル基、好ましくは炭素原子数約1〜20のアルキル基である。Rで表されるアルキル基の具体例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシルなどがあるが、これらに限定されない。
式VIIで表されるアクリル酸エステル単量体の具体例には、アクリル酸メチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどがあるが、これらに限定されない。式VIIで表されるメタクリル酸エステル単量体の具体例には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸プロピルなど、並びにこれらの1種以上を含む反応生成物及び組合せがあるが、これらに限定されない。
反応性層は代表的にはポリマーマトリックスと色素両方を含有する。反応性層は、初期にはデータ記憶媒体装置によるデータ読み出しを可能にするのに十分な透過性を有し、その後データ記憶媒体装置によるデータ読み出しを阻止する層(例えば、所定装置のレーザーの波長で十分な量の入射光、反射光又はその組合せを吸収する層)を形成する必要がある。代表的には、反射層からの初期反射率を約50%以上とする層を使用でき、初期反射率約65%以上が好ましく、初期反射率約75%以上がより好ましい。媒体が酸素、例えば空気に所定の期間(例えば媒体の許容再生時間)曝露された後は、層の反射率が約45%以下、好ましくは約30%以下、より好ましくは約20%以下、特に好ましくは10%未満となるのが望ましい。
反応性層の接着剤層成分は、酸素透過性層を形成することができ、データ読み出し装置からまたデータ読み出し装置への媒体を通しての光の伝達を実質的に妨害しない(例えば、データ読み出し装置が用いる光の波長で実質的に透明であるか、媒体からの反射率約50%以上、好ましくは反射率約65%以上、より好ましくは反射率約75%以上を可能にするか、その両方である)材料であれば、どのような材料から構成してもよい。さらに他の層を互いに結合するために、同様な構成の追加の接着剤層を光媒体に組み込むことができる。適当な接着剤材料には、UV材料、例えばアクリレート(例えば架橋アクリレートなど)、シリコンハードコートなど、並びにこれらの材料の1種以上を含む反応生成物及び組合せがある。UV材料の他の例が米国特許第4179548号及び同第4491508号(ここに先行技術として援用する)に記載されている。有用なモノアクリレート単量体には、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ドデシルなどがある。有用な多官能性アクリレート単量体には、ジアクリレート、トリアクリレート、テトラアクリレート及びこれらの組合せがある。
適当な色素には、酸素感応性ロイコもしくは還元形態のメチレンブルー、ブリリアントクレジルブルー、ベーシックブルー3及びトルイジンO並びにこれら材料の少なくとも1種を含む反応生成物及び組合せがある。これらの色素の構造を以下に示す。
Figure 2005534132
合成方法と着色形態のメチレンブルー色素を形成する酸素依存再酸化を以下に示す。
Figure 2005534132
代表的には、限定再生式記憶媒体が再生可能(再生不可能)になる臨界反射率は約20%未満であり、臨界反射率が約10%未満であるのが好ましい。好適な実施態様では、色素としてトリイソプロピルシリルオキシカルボニル−ロイコメチレンブルー(TIPSOC)を使用する。この化合物の製造と限定再生式DVDへの使用は、米国仮特許出願第60/295903号(2001年6月5日出願)からの優先権を主張している、Flex Play Inc.の米国特許出願に記載されている。この出願の本文を付録1として添付する。
光媒体の組立時に色素を還元し、色素を還元状態に維持するために、また場合によっては、後で空気に露呈されたときの還元色素の酸化速度を制御するために、接着剤層は還元剤及びこの還元剤の酸化形態のものを含有する。例えば、接着剤層は、還元剤としての2−エチルヘキサン酸錫(II)と、その酸化されたものである錫(IV)酸化体とを含有する。色素含有被覆溶液又は接着剤に溶解性のよい配位子との他の錫(II)化合物も使用でき、例えば酸化錫(II)、酢酸錫(II)、メタンスルホン酸錫(II)、シュウ酸錫(II)、錫(II)フタロシアニン、塩化錫(II)のリストから選ばれる還元剤がある。他の適当な還元剤には、銅(I)誘導体、具体的には(エチルシクロペンタジエニル)(トリフェニルホスフィン)銅(I)、[ビス(トリメチルシリル)アセチレン](ヘキサフルオロアセチルアセトナト)銅(I)、ビス(トリフェニルホスフィン)銅(I)ボロハイドライド、銅(I)チオフェノレート、銅(I)トリフルオロメタンスルホネートトルエン錯体、銅(I)トリフルオロメタンスルホネートベンゼン錯体、ヒドリド(トリフェニルホスフィン)銅(I)、ヘキサマーがあるが、これらに限定されない。酸化還元電位の低い電子リッチな共役ポリマー又はオリゴマー、例えばポリ(3,4−アルキレンジオキシチオフェン)及びポリ(3,4−アルキレンジオキシピロール)誘導体も使用できる。さらに、他の還元剤、例えばヒドラジン、フェニルヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、アスコルビン酸、ジチオクレゾール、グルタチオン、ジチオトレイトール、又は1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、並びに常用の還元剤、例えばFieser&Fieser,Reagents for Organic Synthesis,John Wiley,1967に列挙されたものを使用してもよい。
反射金属層は、ポリカーボネート層の1層を反射性金属でスパッタ被覆することにより形成する。使用する金属は、データ担持基板として用いるのに適当な反射率を与えるように選択する。さらに、本発明の光媒体では、接着剤層に含まれる酸化形態の還元剤による有意な酸化を受けないような金属を選択する。ここで、用語「有意な酸化を受けない」は、酸化レベルが十分に低く、55℃/50%RHで24時間後でもPISum8データエラー率の増加が50%超えとならないことを意味する。一般に、この耐酸化性レベルは、その酸化還元電位が使用する酸化形態の還元剤の酸化還元電位とは十分に異なる金属又は金属合金を選択することで達成できる。本発明の好適な実施態様では、この差が0.35V以上である。特定の実施態様、例えば還元剤として2−エチルヘキサン酸錫(II)を使用する実施態様では、反応M+n+ne→Mの酸化還元電位が0.5V以上である。本発明で使用するほぼすべての還元剤に適当な金属に、銀、金、白金、パラジウム及びケイ素及びこれらの混合物がある。さらに、これらの金属を少量の他の金属と組み合わせてなる合金も、その酸化還元電位が0.5V以上であれば、使用できる。
本発明に到達する過程で、本発明者らは、金属層の初期反射率が本発明の光媒体の再生時間に大きく影響しうることに気づいた。したがって、本発明の他の観点では、反射層の初期反射率が70%以上である、限定再生式光再生媒体が提供される。このような初期反射率は、金又は銀を主成分とする反射層を用いて達成できる。さらに本発明は、金属又は金属合金から形成された反射層を備える限定再生式光媒体を、反射層からの初期反射率が約65%以上となるように製造する工程を含む、限定再生式光媒体の再生時間を長くする方法を提供し、初期反射率が約70%以上であるのが好ましく、初期反射率が約75%以上であるのがより好ましい。この文脈で、「再生時間」は、限定再生式データ記憶媒体が再生装置でほぼエラーなしで再生される合計時間として定義される。
光媒体は、1つのポリカーボネート層のスパッタ被覆表面を他のポリカーボネート層に色素含有接着剤ボンド層で接着することによって組み立てられる。接着剤ボンド層は、組立前に、第2ポリカーボネート層上又は金属層上に形成してもよい。
以下に本発明を実施例について説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
実施例1:PMMA/ロイコメチレンブルー被覆溶液の調製
加熱マントル及び磁気スターラーを設けた1000mL一口丸底フラスコに、375gのDowanolPM(1−メトキシ−2−プロパノール)を入れた。次に、だまの形成を避けるため激しく撹拌しながら、75gのElvacite2010ビーズをゆっくり添加した。混合物を窒素下で還流状態まで加熱し、還流状態で10分間撹拌し、残留しているアゾ開始剤残渣を分解した。冷却後、ポリマー溶液を0.1μmのWhatman Polycap75TFカプセルを通して実験棟の数psiの窒素圧力にて濾過し、清浄な500mLNalgeneビンに保存した。
100mL一口丸底フラスコに、1.2gのメチレンブルー三水和物、800mgのカンファースルホン酸及び40gのDowanolPMを入れた。混合物を窒素下で撹拌しながら短時間で還流状態まで加熱し、ついでフラスコを熱いうちにゴム隔膜で密封した。アルゴンバブラーに連結したシリンジ針を隔膜に突き刺した。撹拌を続けながら、5.2gのオクタン酸第一錫をシリンジから添加した。固形分はほとんど溶解し、色素は漂白され、こうして暗い琥珀色の溶液が得られた。次に、かきまぜながら、シリンジからFC−431(600μL、3M製被覆添加剤)を添加し、ゴム隔膜を銅線でフラスコに固定した。
1000mL一口丸底フラスコに、360gの濾過したPMMA/DowanolPM溶液を入れた。この溶液をアルゴン中で還流下約10分間撹拌して溶存酸素を除去し、ついでアルゴン下で室温まで放冷した。次にフラスコにゴム隔膜を取り付け、窒素バブラーに連結したシリンジ針を隔膜に突き刺した。雄−雄ルアーアダプターを高圧側にして、2つの#18シリンジ針(長さ10インチ)をGelman Acrodisc CRシリンジフィルター(直径25mm、孔径0.2μmのPTFE膜)に連結することにより、カニューレフィルターを作製した。高圧端を100mLフラスコの隔膜から、ロイコメチレンブルー溶液の上に差し込み、カニューレをアルゴンでフラッシングし、ついで他端を1000mLフラスコ中に脱酸素したPMMA溶液の上に差し込んだ。次にカニューレをロイコメチレンブルー溶液中に差し込み、アルゴン圧力をかけることによりその溶液を0.2μmフィルターを介して撹拌中のPMMA溶液に移した。得られた透明な暗い琥珀色の被覆溶液を窒素充満キャビネット内で2つの清浄な透明ガラスビンに注入した。
実施例2
本例は、1ポット法によりPMMA/ロイコメチレンブルー被覆溶液を調製する具体例である。
窒素下で8.3gのElvacite2008PMMA及び2.8gのElvacite2010PMMAの混合物を60gの1−メトキシ−2−プロパノール中で約70℃に加熱して撹拌することにより、PMMAの1−メトキシ−2−プロパノール溶液を調製した。この溶液に0.11mLのBYK−301、0.48gのメチレンブルー三水和物、0.20gのカンファースルホン酸を加え、ついで2.09gの2−エチルヘキサン酸錫(II)を加えた。周囲温度まで冷却した後、溶液はそのまま使用できた。
実施例3
被覆ディスクを製造するために、実施例1のPMMA/ロイコメチレンブルー被覆溶液約3.5mLをスピンコーターに保持したDVDの内径のまわりに環状に塗工し、500rpmで60秒間回転した。被膜は不粘着性で、ほぼ無色であった。被膜の厚さはディスクの内径から外径まで約4μm〜5μmの範囲であった。
実施例4
被覆ディスクを製造するために、実施例2のPMMA/ロイコメチレンブルー被覆溶液約3.5mLをスピンコーターに保持したDVDの内径のまわりに環状に塗工し、500rpmで60秒間回転した。被膜は不粘着性で、ほぼ無色であった。
実施例5
本例は、別の1ポット法により色素溶液を調製する具体例である。
頭頂スターラー、窒素導入管及びバブラーに連結した窒素出口を設けた1L丸底フラスコに、655.7gの1−メトキシ−2−プロパノールを入れた。フラスコに、10.86gのメチレンブルー三水和物及び5.45gのカンファースルホン酸を加えた。約80℃に加熱しながら、窒素を溶液に約15分間バブリングし、その後47gの2−エチルヘキサン酸錫(II)を加えた。2−エチルヘキサン酸錫(II)の添加は、溶液が空気なし状態に維持されれば、溶液中に直接注入するか、溶液中にポンプ供給するいずれでもよい。約80℃で20分間撹拌した後、127.1gのElvacite2008PMMAを少しずつ撹拌溶液に添加し、ついで1.2mLのBYK−301及び12.7gのビスフェノールを添加した。冷却しながら溶液を撹拌した。溶液を濾過するために、ガス入口を設けた大容量(1L)を保持するように作製されたフリットガラスロート(ASTM40−60)を真空フィルターフラスコに取り付けた。フラスコ及びロートを通して真空に引く一方、窒素を入口から吹き込み両容器を脱気した。つぎに窒素を流しながら、被覆溶液をフリットガラスロートに注入し、濾過した。溶液を保存ビンに移すために、まず窒素(又はアルゴン)を50mL/secで約1分間流すことによりビンを脱気した。溶液を窒素流下で脱気ビンに注入することにより、溶液を空気中で移した。移送完了後、溶液を約50mL/secで15秒間噴霧し、その後ビンに蓋をし、テープで密封した。(理想的には、いつでも溶液を不活性雰囲気下におくため、ポンプ吸引又は圧力転送によりこの操作を行うべきである。)
実施例6
実施例1に記載した通りの、ロイコメチレンブルー、2−エチルヘキサン酸錫(II)、ポリメチルメタクリレート及びDowanolPMを含有するポリマー/色素溶液を用いて、サンプルC1〜C8を作製した。Headway研究用スピナーを用いて、これらのサンプルをDVDディスク半部(0.6mmポリカーボネート基板に下記の表に示す金属を光反射率が約60〜70%となるのに十分な厚さにスパッタしたもの)のデータ層にスピンコートした。スピンコート操作後、UV架橋アクリレート(ダイキュアSD698)を用いて、この被覆基板を0.6mmポリカーボネート基板に結合した。つぎに、サンプルを窒素中で24時間脱気してから、パッケージした。サンプルをパッケージから取りだし、CDアソシエートDVD200MG+DVDアナライザーを用いてサンプルに電気的測定(PISum8ECC)を行った。つぎにサンプルを窒素中で再パッケージし、55℃/50%RHの湿度オーブンに24時間入れた。つぎにサンプルをパッケージから取りだし、上記DVDアナライザーを用いて再測定した。経時試験の前後のPISum8ECC測定の結果を以下の表1に示す。サンプルC1〜C3では、経時後にAlスパッタ反射層が著しく腐食した。それに対して、Ag及びAuスパッタ反射層を設けたサンプルC4〜C8では、腐食が著しく少なく、PISum8ECCエラーが安定であった。さらに、被覆しないAlスパッタ基板を用いてサンプルC9を作製した。この対照サンプルも、安定なPISum8ECCエラーを示した。最後に、改良型CD−Rスピンコーターを用いて一層クリーンな被覆条件下でロイコメチレンブルー含有被膜を設層し、SteagDVDラインを用いて結合することにより、サンプルC10を作製した。このような作製条件下でも、経時試験後のPISum8ECCエラーの大幅な増加が認められた。
Figure 2005534132
実施例7
非金属化ディスク半部と金属化(下表に示すとおりにスパッタ)ディスク半部(いずれもデータ保持)を不活性(N)雰囲気下に24時間保持してから被覆した。DowanolPM(26383.9g)及びElvicate PMMA(635.6g)から調製したPMMA溶液の一部598.4gに、混合物の溶解後にメチレンブルー三水和物(54.3g)、カンファースルホン酸(27.27g)、オクタン酸第一錫(235.33g)、BYK−301(6.02g)、ビスフェノール(63.50g)を添加して調製した溶液を用いて、上記金属化ディスク半部を被覆した。つぎに、実施例6と同様にダイキュアSD698接着剤を用いてディスクを結合した。Headway研究用スピンコーターを用いて、アルミニウムスパッタサンプルを作製し、一方SteagDVD製造ラインで銀及び金スパッタディスクを作製した。表2に示すように、電気特性を定期的に測定した。測定からつぎの測定までの間サンプルを窒素ボックスに保存した。
Figure 2005534132
実施例8
TIPSOC DVDサンプルを作製し、AFMで分析した。サンプルは2−エチルヘキサン酸錫(II)含量0%又は4%で、剥離によりAl表面を露出させる分析を目的として作製した。2−エチルヘキサン酸錫(II)を含まないサンプルのトポグラフィ(表面性状)は良好な画像が得られ、金属結晶粒が明確に確定されていた。ピットの滑らかなエッジが明確に観察された。錫4%のサンプルのトポグラフィは幅75nm/高さ25nmの模様をもち、このため表面の画像化が極めて困難であった。ピットのエッジは、錫を含まないサンプルほど良好に確定されていなかった。
接着剤中に存在する2−エチルヘキサン酸錫(II)4%の一部がメチレンブルー(製造プロセスの間に形成された)を還元してロイコメチレンブルーに戻す。その反応中にSn4+が形成される。その後ディスクの劣化(腐食、さび発生)が認められたのは、つぎの酸化還元反応のためである。
Sn4++2e → Sn2+ 又は Sn2++2e → Sn(s)
Al(s) → Al3++3e
実施例9
TIPSOC及び2−エチルヘキサン酸錫(II)4%を含有する活性接着剤を有するTIPSOC系DVDサンプルを改良型M2ボンダー装置で作製した。比較のために、アルミニウム合金と金をスパッタターゲットとして使用した。測定からつぎの測定までの間サンプルを室温で乾燥窒素雰囲気中に保持した。PISum8測定値の変化を表3に示す。
Figure 2005534132
実施例10
銀反射層を有するDVDと金反射層を有するDVDは、金反射層の初期反射率(70%程度)に対して銀反射層の初期反射率(81%程度)が高いせいで、銀反射層を有するDVDの再生時間が延長されており、ともにアルミニウムと比較して優れた特性を有する。ディスクは実施例9で作製したものと同様に作製した。結果を表4にまとめて示す。
Figure 2005534132
従来の無制限再生式DVDの1例を示す断面図である。 本発明の限定再生式光媒体を示す断面図である。 本発明の限定再生式光媒体を示す断面図である。
符号の説明
21,22 ポリカーボネート基板層
23 反応性層
24 反射金属層
25 データ層
32 接着剤層
33 被膜・色素層

付録1
間隙反応性層を持つ再生制限付き光デバイス及びその製法
2001年6月5日に出願された同時係属仮特許出願第60/295903号からの優先権を米国特許法第119条(e)下でここに主張する。この仮特許出願の開示を、ここに引用してその全体を本明細書の一部とみなす。
(発明の分野)
本発明は光学的に読出可能なデータ記憶媒体、さらに詳しくは、当該データが有限な時間でアクセスできる光学的に読出可能なデータ記憶媒体の製造の方法、組成物及び製品に関する。
(発明の背景)
CD及びDVDのごとき光ディスクは消費者に販売され、レンタルされている。光ディスクの内容は音楽、映画、ビデオクリップ、ソフトウェア又はデータであり得る。CD及びDVDの購入価格は高い可能性がある。これは、光ディスクの製造コストよりはむしろ、映画又はソフトウェアのごとき、ディスクにエンコードされた情報の価値を反映する。しばしば、映画スタジオ又はソフトウェア会社のごとき内容物供給者は、市場で長い寿命を有するであろう情報のコピーを低価格で販売することを望まない。消費者は、しばしば、短い期間だけ、しかも低価格で内容物の情報にアクセスすることを欲する。CD及びDVDのレンタルは、消費者が媒体を購入する価格よりも低価格で消費者がコンテンツ情報にアクセスできるようにするが、物理的媒体を返却する必要性は不便である。使用者が低価格で購入でき、市場におけるコンテンツの寿命についての内容物供給者の心配に配慮し、かつ今日のビデオテープ映画レンタルの場合のように返却しなければならない不便のない、再生制限付き/期限付き光媒体を開発できれば望ましい。また、低価格で、現行の光ディスク製造プロセスに対して最小限の変更で、そのような光媒体を製造できれば望ましい。最後に、内容物の供給者が再生制限付き/期限付き光媒体を通じてコンテンツを供給しようと希望するためには、媒体の再生を制限するメカニズムは簡単に解除でき、意図した使用期間を超えて内容物にアクセスできてはならない。
従来、先に言及した低価格、制限されたコンテンツ寿命、レンタル返却の回避、解除しようとする試みに対する抵抗性、現存の製造プロセスへの最小限の変更などの要件は充分には満たされてはいなかった。これらの要件全てに同時に対処する解決策が必要とされている。本発明の一つの具体例は、とりわけ、これらの要件を満たすことを目指している。
光ディスク上の情報の信頼できる読出に干渉しない非干渉(「透明な」)状態から、光ディスク上のデータの読出に層が干渉する干渉(「不透明」)状態に変化する層に基づいて再生制限付き(期限付き)光ディスクを製造するために様々なアプローチが提案されている(例えば、Smithらに譲渡された米国特許第5,815,484号及びRollhausらに譲渡された米国特許第6,011,772号参照)。この干渉は、様々な可能性の中でも、層が暗転、高反射性化、高複屈折化、ピット形成、バブル形成、破砕、腐食、湾曲、屈折特性変化、又はこれらの組合せを生じることによって起こる。
雰囲気中の酸素への暴露、又は読出レーザーの光のごとき刺激に応答して透明状態から不透明状態に変化するそのような層を持つ光ディスクを用いて、(ある期間内の環境酸素への暴露のごとき)所定の方式で使用できなくなる(DVDのごとき)再生制限付き光ディスクを製造することができる。このようなディスクには、消費者が好きな時にビデオを鑑賞し、しかも期限のきた光ディスクを返却する必要性がないなどの、種々の商業的用途がある。
データの読出を阻害することによってディスクを再生不能にする干渉層は、種々の技術で光ディスクの表面に適用することができる。しかしながら、そのようなアプローチには多数の難点がある。例えば、酸化反応を逆行させる還元性化学物質へのディスクの暴露のごとき、干渉層の不透明状態への変換を逆行させる方法を見出すことによって、又は(溶媒のごとき)化学的手段又は(研磨又は研削のごとき)機械的手段を介して干渉層を全て除去することによって、干渉層を解除することができる。また、追加の層を加えることは、例えば、追加の高額な装置や製造プロセスへの追加の工程が必要となることによって、光ディスクの製造を複雑にするおそれがあり、かくして、光ディスクの製造についてコストを増大させ及び/又は歩留まりを減少させかねない。
ディスクの制限を解除する試みに抵抗するように工夫された保護層を干渉層の上に適用することができ、本発明者の少なくとも数名がこのようなアプローチを用いてきた。しかしながら、これは、製造プロセスにおいてさらにもう一つの工程を導入し、さらに、コストを増やし、恐らくは、製造歩留まりをさらに低下させる。さらに、保護層は依然としてディスクの表面に存在するので、保護層はやはり(溶媒のごとき)化学的手段又は(研磨又は研削のごとき)機械的手段によって除去することができるか、あるいは保護層を通って拡散し、反応性層に到達する化学物質によって制限を解除することができる。
先に説明したごとく、期限付き光ディスクを製造する場合、コスト的に有利な製造プロセスを使用し、簡単には制限を解除できないディスクを作成するのが望ましい。加えて、ディクスが再生できる状態から期限切れの状態へ迅速に転移するのが望ましい。様々な利点のうち、この利点があれば、市場で得られるプレイヤー及びドライブのディスク再生能力が、(読出レーザーの光に対する反射率のごとき)ディスクの物理的再生特性の劣化とともに、大きく変動するという事実にもかかわらず、異なる光媒体プレイヤー及びドライブ間での再生時間の変動が少なくなる。
(発明の概要)
本発明の第1の態様では、間隙反応性層を持つ再生制限付き光デバイス及びその製法が提供される。
本発明の第2の態様では、複数基板の光学的に読出可能な記憶媒体の基板を製造するためのマスターを創造する方法が提供され、この方法では、複数のピット及びランドを有するトポロジーを用いて、トポロジーの逆バージョンが作り、トポロジーの逆バージョンをマスターのトポロジーとして用いる。
本発明の第3の態様では、複数基板の光学的に読出可能な記憶媒体を形成する方法が提供され、ここに、該媒体は上方基板上に複数のピット及びランドとして規定された情報を有し、該情報は下方基板を透過する光によって読み出され、接着剤層が上方基板及び下方基板を一緒に結合する。
本発明の第4の態様では、反射性材料によって被覆された、複数のピット及びランドが設けられた第1の基板、及び第2の基板を有するデータ記憶デバイスが提供され、ここに、所定の刺激に応答して光の透過を阻害する反応性剤を含有する結合層が第1の基板と第2の基板の間に存在する。
本発明の第5の態様では、第1の基板及び第2の基板を結合するための接着剤が提供され、ここに、該接着剤はキャリヤ材料、及びデータがエンコードされた基板を読出不能とする反応性材料を含む。
本発明の第6の態様では、光学的に読出可能なデータ記憶媒体上に貯蔵されたデータをまず読出不能とし、第2に破壊するメカニズムが提供される。
本発明の第7の態様では、第1の基板及び第2の基板(ここに、該第1の基板及び該第2の基板のうちの少なくとも1つは情報エンコード要素を有し)、及び第1の基板及び第2の基板の間の結合層を有する光学的に読出可能なデータ記憶媒体が提供され、ここに、該結合層はキャリヤ材料及び反応性材料を含み、ここに、該反応性材料は、予め規定された刺激の結果として、透明状態から光学的に不透明の状態に変化する。
本発明の第8の態様では、第1の基板と第2の基板を結合するための接着剤の製造方法が提供され、ここに、ブロックされた色素がキャリヤ材料と組み合わされ、ここに、該ブロックされた色素は引き続いて脱ブロックされ、その結果、還元形態の非ブロック化色素が得られる。
(図面の簡単な説明)
図1は、DVD−5基板を複製するにおいて用いる物理的スタンパーを作成するプロセスにおける選択された段階の模式的断面図である。
図2は、単一層のDVD−5ディスクの模式的断面図である。
図3は、標準DVD−5の製造及び読出を説明する模式的断面図である。
図4は、片側単一層、片側二重層、二重層片側、及び二重層両側DVD構築体を現すダイアグラムである。
図5は、単一層及び二重層DVDについての基板の厚みの関数としての屈折率を示すグラフである。
図6は、単一層及びデュアル層DVDについての読出可能性を示す模式図である。
図7は、結合層が読出レーザーの光路中にある修飾されたDVD−5構築体を示す模式的断面図である。
図8は、結合層が読出レーザーの光路中にある改変されたDVD−5構築体の製造及び読出を示す模式的断面図であり、ここに、マザースタンパーを用いてL1基板を成形した。
図9は、標準DVD−5構築体のスタンパー基準面を示す模式的断面図であり、ここに、ピット及びランドがL0基板中に成形される。
図10は、修飾されたDVD−5構築体のスタンパー基準面を示す模式的断面図であり、ここに、ピット及びランドがL1基板中に成形される。
図11は、DVD−5ファーザースタンパーの原子間力顕微鏡の像を示すグラフである。
図12は、DVD−5マザースタンパーの原子間力顕微鏡の像を示すグラフである。
図13は、マザースタンパーから成形された修飾されたDVD−5のL1層の原子間力顕微鏡の像を示すグラフである。
図14は、修飾されたDVD−5の製造及び読出を示す模式的断面図であり、ここに、L1層はファーザースタンパーから成形され、ここに、ラセン状トラックの方向はマスタリングの間に逆とされた。
図15は、修飾されたDVD−5構築体のスタンパー基準面を示す模式的断面図であり、ここに、ピットはランドの表面の上方にあり、ランドはL1基板の基準面にある。
図16は、修飾されたDVD−5構築体のスタンパー基準面を示す模式的断面図であり、ここに、ピットはL1基板の基準面の上方にあり、ランドはL1基板の基準面にある。
図17は、トリイソプロピルシリルオキシカルボニルロイコメチレンブルーの合成のための可能な合成経路を示す。
図18は、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンの存在下における時間の関数としてのトリイソプロピルシリルオキシカルボニルロイコメチレンブルーで被覆した光学的に読出可能な記憶媒体のシアン反射率密度を示す。
図19は、メチレンブルーのスペクトル吸収を示すグラフである。
図20は、修飾されたDVD−9構築体を示す模式的断面図であり、ここに、L0層は部分的に金属化されている。
図21A及び21Bは、修飾されたDVD−5構築体についてのKochテストの結果を示すグラフであり、ここに、ピットはファーザースタンパーを用いてL1基板中の窪みとして成形され、ここに、ラセン状トラックの方向はマスタリングの間に逆にされる。
(詳細な記載)
DVDのごときある種の光ディスクは、2つのプラスチック半体(「基板」)を金属化し、間隙結合層で一緒に結合た構成である。ディスクの読出を妨げるために、2つの基板の間に読出レーザーに干渉する間隙層を用いるのが望ましい。この結果得られる光ディスクは、ディスクの2つの半体が干渉層を保護するので、制限を解除するのが一層困難になる。干渉層として間隙層を用いても、依然として、ディスクの期限が切れるプロセスの開始が可能である。例えば、典型的には、DVD基板を製造するのに用いられるポリカーボネートは、酸素の伝播を許し、酸素が間隙反応性層に到達し、ディスクの期限切れを引き起こす反応をトリガーする。
さらに、例えば、反応性物質の配合を介して結合層の化学的組成を変化させることによって、干渉層として結合層自体を用いるのが望ましい。これは、追加の層を導入しないので、再生制限付き光ディスクの製造を単純化する。また、結合層は光ディスクの一体性にとって必須であるので、この層を除去することによって再生制限のメカニズムを解除しようとする試みは光ディスクそれ自体を破壊することになる。しかしながら、DVD−5のごときあるタイプの光ディスクにおいては、結合層は光路に存在しない。図2はDVD−5構築体に典型的な層の断面図である。かくして、結合層は、(例えば、結合層に接触している反射性金属層を腐食させることによって)読出レーザーとの直接的干渉に依拠しないDVD−5についての期限切れプロセスで役割を果たすが、読出レーザーがディスク上のデータを読み出すのを妨げる状態に結合層を変化させることによって、このタイプのディスクを期限切れにすることが可能であろう。しばしば、読出レーザーに干渉するプロセスによってディスクを再生できなくするのが望ましいので、間隙結合層が光路中にあるDVD−5に類似のディスクを製造するのが望ましい。
期限切れプロセスが読出レーザーへの干渉に依拠する使用制限付き光ディスクにおいて、読出レーザーでエンコードされた情報を読み出すことは妨げられるが、(ポリカーボネート基板上の金属化されたピットのごとき)データエンコード構造が典型的には期限の切れたディスクに残っている。これらのデータ構造が存在する限り、読出レーザーが情報にアクセスできるようにすることによってディスクの制限を解除する可能性が常に存在する。かくして、光ディスク上のデータ構造の一体性を危うくすることによるデータの永久的消去のごとき、データの回復を妨げる追加のメカニズムを有するのが望ましい。
本発明のこれら及び他の目標及び具体例は、以下の記載及び添付の図面と組み合わせて考慮すると良く認識され理解されるであろう。しかしながら、以下の説明は、本発明の好ましい具体例及びその多数の具体的詳細を示すが、あくまでも例示のためであり、本発明を制限するものではないと理解されるべきである。本発明の要旨から逸脱することなく多くの改変や変更を本発明の範囲内でなすことができ、本発明は全てのそのような変更を含む。
本発明を構成する利点及び特徴並びに本発明を設けたモデルシステムの構成要素及び作動についての明瞭な認識が、添付の、本明細書の一部を形成する図面に示された例示的な、非限定的具体例を参照することによってより容易に明らかとなろう。なお、図面で説明した特徴は必ずしも縮尺通りには描かれていない。
以下に、本発明の異なる観点、ならびにそれに対応するいくつかの具体例及び実施例を記載する。
DVDは、映画の配布に用いられる最も普通の光ディスクである。DVDは、典型的には、2つの結合したプラスチック基板、即ちL0と称される底部基板とL1と称される頂部基板から作成される。ここに、「頂部」及び「底部」とは、通常の約定の通り、底部から読み出される再生位置にあるDVDについていう。これらの基板は、ポリカーボネート、アクリル又はポリオレフィンのような材料から成形され、具体的には材料を溶融形態で金型に射出し、スタンパーに対してプレスする。DVD基板を複製するのに用いられる物理的スタンパーを作るプロセスはマスタリングといわれる。以下の手法が用いられ、これは図1に示される。
1.フロートガラスブランク5を研磨し、プライマー10で被覆して、フォトレジスト層15との接着を増強させる。
2.フォトレジストコーティング15を適用し、ベークし、次いで、記録用のレーザーに露光する。フォーマット済みデータシグナルを用いて、レーザービームレコーダー(LBR)マシーンのカッティングレーザーを変調し、こうしてガラスディスク中にピット20を作り出す。
3.次いで、露光されたガラスを現像し、表面にピット20及びランド25を得る。
4.つぎに、この「ガラスマスター」に薄い(110nm)金属層をスパッタ形成し、表面を電気メッキ用に導電性とする。
5.次いで、ガラスマスターを電気メッキ溶液に入れ、そこでニッケルを所望の厚さに形成する。(典型的には0.300nm)。
6.次いで、この「金属ファーザー」(又は「ファーザースタンパー30」)をガラスマスター35から分離し、洗浄する。この工程において、金属ファーザー30は成形プロセスで用いることができるが、もしパーツが複製中に破壊されるか又は損傷されれば、全プロセスを反復しなければならない。
7.従って、ほとんどの製造業者は、ファーザー30のネガである「金属マザー」(又は「マザースタンパー40」)を成長させる。典型的には、品質低下なくして4つのマザースタンパー40を1つのファーザー30から成長させることができ、各マザー40から8つまでのスタンパー(「サン45」)を成長させることができる。
8.スタンパーは複製施設に送られ、マザー40はレコーダー又は交換部品として貯蔵される。
図2に示した単一層ディスクであるDVD−5の場合、スパッタリングプロセスによって、L0基板100をアルミニウムの薄い反射層105で被覆する。これにより、60〜100オングストロームの厚さの金属コーティングを得る(L0層)。次いで、図3に示すごとく、L0基板100をブランクL1基板110に結合する110。二層のディスクであるDVD−9では、L0層は非常に薄い半反射性金属層として形成され、これは、典型的には金から作成される。充分に反射性のアルミニウム層がL1基板上に形成される(L1層)。その後2つの基板を、透明な結合層を形成する適当な接着性材料で結合して、DVD−9ディスクを形成する。
図4におけるDVDファミリーの説明で分かるように、DVDディスクは各基板について1つ又は2つの情報層を含むことができ、DVD−5 200(片面、単一層、4.7ギガバイト容量)、DVD−9 205(片面、デュアル層、8.5ギガバイト容量)、DVD−10 210(両面、単一層、9.4ギガバイト容量)、DVD−14(両面、片面は単一層、片面はデュアル層、13.2ギガバイト容量)、及びDVD−18 215(両面、デュアル層、17ギガバイト容量)のごとき異なるタイプのディスク容量が得られる。
DVD−9 205のごときデュアル層ディスクは「読出専用ディスクについてのDVD規格、パート1物理的規格バージョン1.0」に適合しなければならず、これは以下のことを要求する:
1.結合層110、スペーサー(単複)及びラベル(単複)を含めた合計ディスク厚みは1.20mm+0.30mm/−0.06mmでなければならない。
2.透明基板の屈折率(RI)は1.55+/−0.10でなければならない。スペーサーの屈折率は(基板のRI+/−0.10)でなければならない。
3.透明基板の厚みはその屈折率の関数として特定される。典型的には、RI=1.56のポリカーボネートでは、ディスク基板についての厚みの値は0.57mm〜0.63mmとなる(図5A及びB参照)。
合計ディスク厚みがDVD規格に適合し、かつ半体ディスク(成形された基板)が前記したRI関連規格に適合する限り、DVD−5 200及びDVD−10210スペーサー層(結合層110)についての規格はない。
DVDにおける情報はピット20及びランド25(ピットではないデータ領域)においてエンコードされ、これは、基板に成形され、引き続いて、金属化されて対応するデータ層を形成する。ピット及びランドはラセン状のトラックに統合され、これは、DVD−5 200の場合には、ディスクの内側で始まり、ディスクの外側に向けて進行する時計方向に読み出される。データによって占有されていないディスクの参照領域は、読出レーザーのトラッキングに用いる。読出レーザーは、真空中で630〜650ナノメーターの波長を有し、半反射性L0層100を通って侵入することによって、DVD−5 200又はDVD−9 205のL0層100の上に、又はDVD−9のL1層115上に焦点を結び、反射されてフォトディテクターに戻る。ピット20からランド25への変位の間、又はその逆の間の、干渉パターンが発生し、これはフォトディテクターによって検出され、その電気的出力が変化する。フォトディテクターの電気的出力のこれらの変化は、プレイヤーがDVDに記録された情報を読み出すことを可能とする。
DVD−9 205のごときデュアル層ディスクは、典型的には、ディスク情報の読出のために2つの方法のうちの1つを利用する:
デュアル層平行トラック経路(PTP)ディスク299は、図6に示すごとく、両方の層にリードイン領域300及びリードアウト領域305を有する。各層では、リードイン領域300はディスクの内径に位置し、リードアウト領域305はディスクの外径に位置する。このレイアウトの構造は単一層320ディスクのレイアウトに匹敵する。データの読出は、DVD−5 200におけるごとく、双方の層について、ディスクの内径から外径に向けてなされる。ディスク上の内容物が適切に創製されていれば、PTP方法は層から層への迅速なアクセスを可能として、例えば、1つのトラックにおける映画と共に別のトラックにおいてバックグラウンド情報及び注釈を供することができる。
図6にも示されたデュアル層対向トラック経路(OTP)325ディスクは、L0層100からL1層115への再生のシームレスな連続の可能性を供する。第1の情報層(L0)100はディスクの内径におけるリードイン領域で始まり、外径におけるいわゆる中間領域330で終わる。第2の情報層は外径における中間領域330で始まり、該ディスクの内径におけるリードアウト領域300で終わる。ディスクに貯蔵されたデータ335の読出は第1の情報層の内径で始まり、この層の中間領域330に到達するまで進行する。次いで、第2の情報層において中間領域へのスイッチを行なって、第2の層(L1)115の内径におけるリードアウト領域305まで外径からのデータの読出を継続する。
単一層の光ディスク
本発明の1つの具体例はDVD−5と同様な光ディスクであり、ここに、標準的なDVD−5とは異なり、典型的には結合層401として用いられる間隙層400は読出レーザーの光路405中にある(例えば、図7参照)。(以後「特殊DVD−5設計番号1」として表す)本発明の1つの具体例において、このディスクは、標準DVD−5の反射性層410を逆転させることによって製造され、非情報担持基板415及び結合層401を通して情報を読み出す。(以後「特殊DVD−5設計番号2」として表す)本発明のもう1つの具体例において、ラセン状トラックの向きはマスタリングの間に逆にされ、情報を担持する基板は「裏返し」にし、非情報担持基板415及び結合層401を介して情報を読み出す。このタイプの光ディスクにおいては、結合層401は読出レーザーの光路405の一体化部分である。本明細書中に記載された「特殊DVD−5」ディスクの構造が標準DVD−5とは異なっても、プレイヤーはこのディスクをあたかもそれが標準DVD−5であるかのように再生する。
本発明のこの具体例は、制限を解除しようとする試みに対して強い低コストの「再生制限付き」光ディスクの製造を可能とする点ですぐれた利点を有する。特に、本具体例は標準DVD−5と比較して追加の層を組み込まないので、DVD−5ディスクを製造するように設計された器具で、器具に最小限の変更を加えるだけで、製造することができる。さらに、結合層401が光路405中にあるので、所定の刺激に応答してデータの読出に干渉するように結合層を改質する結果として、干渉層400は光ディスクの、各々、2つの基板415及び420によって保護されているので、制限を解除するのが非常に困難なディスクが得られる。例えば、干渉層400をディスクから研削除去するのは、ほぼディスクを破壊することになるので非現実的である。同様に、他の方法で結合/干渉層を無効にしようとする試みは光ディスクの構造的一体性を破壊するようである。
つぎに、「特殊DVD−5」設計1、2及び3と表す本発明の3つの具体例の製造を詳細に記載する。
特殊DVD設計番号1
本発明の1つの具体例において、前記プロセスは、L1ディスク基板420を複製するためにマザースタンパーを用いることによって変更される。図3は、スタンパー又はファーザーを用いて通常の単一層DVD−5基板を成形する方法を示す。図8は、マザースタンパー40を用い、光路405中に結合層401を有するディスクを作り出すことによって、本発明のこの具体例を製造する過程を示す。
通常に成形された標準DVD−5において、図2、図3及び図9に示すごとく、情報は、L0基板100上に成形され、反射性金属コーティング105で金属化された「ピット」20及び「ランド」25でL0基板100側にエンコードされる。本発明の1つの具体例において、マザースタンパー40を用いて、図8に示すごとく、L1側420を成形する。この側は引き続いて金属化し、ブランクL0基板415で結合し、図10に示すごとく、光路405中に結合層401を得る。0.055mm+/−0.015の特定の層厚を用い、L0基板100の厚みは成形時に0.55〜0.57mmを目標とし、標準DVD規格に適合した(結合層を含めた)ディスク厚みの焦点長さが得られ、プレイヤーがL0層100を読み出すための通常の焦点合わせ範囲にあることを可能とする。かくして、プレイヤーはディスクを標準単一層DVD−5と解釈する。現場実験で、スペーサー層厚みを生産中には終始一貫して0.045〜0.065mmに維持できることが確認された。この生産中のばらつきの抑制と、成形ディスクの厚みの減少とにより、焦点及び光学因子をDVDライセンシング当局及びハードウェア製造業者が設定した規格内に維持することができる。
複製施設では、ほとんどの操作は、生産の現実のプレス及びボンド部分で不変であろう。大きな変化のある領域はマスタリングのLBR(レーザービーム記録)及び現像領域におけるものであろう。典型的には、マスターをより大きなピット容量でカッティングして、プラスチックの収縮及び複製の不十分性を補う。ディスク上のピット対ランドの面積比は、「非対称」という用語によって評価される。非対称はピット対ランドの面積比であるので、また典型的には、I3ないしI14ピットによって規定される各ピット領域について、同等かつ反対のランド領域I3ないしI14ランドがあるので、典型的には、製造業者が、プラスチック基板に対する複製でのロスを埋め合わせるために正の非対称(より大きなピット領域)を標的とするのが簡単である。例えば、マスターは正の非対称10〜12%でもってカッティングすることができ、他方、成形からの最終結果は5〜7%となる。ディスク基板についての規格は−0.05<非対称<+0.15である。DVDディスクの場合、正の非対称はランド領域と比較したより大きなピット容量を表す。
本発明のこの具体例では、LBRについての非対称設定点を変化させて、ファーザースタンパーにつきより高い非対称値を与え、引き続いて、成形で用いるマザースタンパーについての非対称性を増大するのが望ましい。露光のパワー、焦点合わせ強度及びオフセット、現像時間/終点検出、又はベースライン(いかに速くレーザーダイオードが露光の間にレーザー露光ビームを遮断するかの制御)を修飾することによって、非対称性をマスターで変化させることができる。非対称性を制御する可能な方法はほかにも多数あるが、基本的なプロセス又は設定点は最も容易に実行できるものであろう。このマザースタンパーから成形するプロセスは、追加のスタンパーを成長させる必要とその後のファミリープロセスに帰せられる歩留まり低下とをなくす。
本発明のこの具体例において、図10に示すごとく、マザースタンパー40を用いてピット20をL1層420に成形し、その結果、ピット20の表面はL1層420の基準面450に対して上昇する。基準面450は、典型的には、ディスクプレイヤーによるトラッキングに用いられる(トラッキング領域)。対照的に、通常のDVD−5では、図9に示すごとく、ピット20はL0基板100中のキャビティとして成形される。あたかも底部から読み出される再生位置にあるようにディスクを記載する通常の約定、及び本発明者らが特記しない限り以後従う約束を用い、通常のDVD−5において、ピット20は基準面450よりも低く、他方、ランド25は基準面450にある(図9参照)。前記した本発明の具体例において、ブランクL0基板415及び結合層401は読出レーザーの光路405中のL1基板420の下方にあり、L1基板420におけるピット20の表面は基準面450の下方にあり、他方、ランド25は基準面450にある(図10参照)。この構成では通常とは異なる方法でピット25を成形する必要があり(ピットがディスクの基準面450から突出する)、これはマザースタンパー40からL1基板420を成形することによって達成される。図11はDVD−5についてのファーザースタンパー30の原子間力顕微鏡(AFM)像を示し、図12は対応するマザースタンパー40のAFM像を示し、及び図13はマザースタンパー40から成形された特殊なDVD−5設計番号1のL1層のAFM像を示す。
本発明のこの具体例で必要なこの成形にはある挑戦的な面がある。典型的な射出成形プロセスでは、ポリマー材料は、基準面450から隆起したスタンパー上のピット20のまわりを流れる。これは、マザーから成形するよりも容易であり、マザーから成形する場合、ポリマー材料がキャビティ(分離されたパーツ上にピット20を形成する)に流れ込まなければならない。ポリマー材料がマザースタンパー40の表面を流れるにつれ、分子鎖はスタンパーの比較的冷たい基準表面との接触を介して冷却される。金型が完全に充填された後、圧力をかけて、より冷たいポリマー材料を押しまげ、ピット20のキャビティに入れなければならない。この方法は標準DVD−5立体配置の規格内でディスクを再現することができるが、成形プロセスはより困難である。しかしながら、当業者であれば、成形マシーンのプロセス特性を調整することによって、例えば、金型表面温度及びサイクル時間を増加させることによって、そのような挑戦に立ち向かうことができる。別法として、PMMA又は高メルトフローレートのポリカーボネートのごとき、メルトフローレートの高い適当な材料を用いることができる。例えば、General ElectricのSPOQ研究グレードのポリカーボネートはメルトフローレートが、標準グレードのポリカーボネートのメルトフローレートの2倍である。
用いる結合接着剤の屈折率(RI)がL0基板415のRIとほぼ同等であり、結合層401の厚みが均一であり、L0基板415の厚みが、読出層の光路405中の結合層401の存在を補うように調整されていれば、プレイヤーは特殊DVD−5設計番号1を標準DVD−5から区別することができないであろう。実験では、これらの調整をしなくても再生可能なディスクを製造できることが確認された。なぜならば、規格からの逸脱が過剰ではない限り、ほとんどのプレイヤーはDVD規格に完全には適合していないディスクでも再生するからである。
実施例1:特殊DVD−5設計番号1
ファーザースタンパー30はわずかに増大した対称性でもってマスター作成された(正の非対称性=ランド25と比較してより大きなピット20)。非対称性は多くの方法で増加させるか又は減少させることができる。最も単純な方法及び本設計で用いるものは、現像時間(終点検出設定点)を増加させてピット20を過剰現像することであった。現像プロセスを長くすることによって、露光されたものを囲うピット容量は容量が増大し、正の非対称性へのシフトを引き起こす。
マザースタンパー40は、通常のファミリープロセスの場合のようにファーザースタンパー30から成長させた。ディスク基板をマザースタンパー40から成形し、正の非対称性に起因するより大きな窪みをうまく利用した。マザー40での成形から得られたより大きなピット20は、標準成形プロセスにおけるごときキャビティよりはむしろ、基板の本体に対して今や先端であるピット20のさらなる収縮を補うのを助けた。典型的には、溶融したプラスチックは、丘のまわりを流れる川のように通常の(ファーザー30又はサン45)スタンパーにおいてピット20のまわりを流れる。レベルが上昇するにつれ、丘、つまりピット20は覆われる。溶融したプラスチックがより冷たいスタンパー表面を横切って流れるにつれ、スキン層が表面に直に形成され、これが断熱材として働く。これは、プラスチックが、過度な応力又は冷却なくしてピット容量を形成するのに必要なその流速を維持するのを可能とする。特殊DVD−5設計番号1の場合には、プラスチックは、ファーザースタンパー30/サンスタンパー45のバンプのまわりよりはむしろマザースタンパー40の窪みに流れ込まなければならない。しかしこれは困難である。プラスチックがマザースタンパー40の表面を横切って流れるにつれ、やはり表面にスキン層を形成するからである。従って、金型容量が継続した射出及び充填/保持時間と共に増加するにつれ、溶融したプラスチックを窪みに強制的に押し入れなければならない。このスキン層は、典型的には、プラスチックのガラス転移温度未満で固化するので、該材料は自由に窪みに流れ込まない。特殊DVD−5設計番号1のL1基板420におけるピット形成性プラスチックは読出レーザーの光路中にはないので、この材料は複屈折及び残留応力に対する心配なしにより大きな力で充填することができる。但し、プラスチックに対する過剰な充填圧力によって反り(傾斜)が引き起こされるため、圧力に制限はある。本実施例では、マザースタンパー40におけるより大きな窪みと金型温度の上昇とが相まって、所望のピット20を複製するのが容易になった。典型的には、金型の加熱及び冷却のための直接的水射出系において、120℃最高温度の安全性インターロックは水の温度を制限する。グリコール及び水の50/50溶液を用いることによって、温度を130℃の最高温度まで効率的に出すことができる。この加えられた温度は、スキン層を溶融状態に、そのガラス転移温度近くに保つ助けをし、これは、特殊DVD−5設計番号1についてのL1基板420の複製を容易とする。また、表面でのスキン形成を妨げるために、マザースタンパー40には溶融プラスチックを迅速に満たさなければならない。
L1基板420はマザースタンパー40を用いて前記したごとく成形した。図13は、マザースタンパー40から成形したL1層420の原子間力顕微鏡(AFM)像を示す。図11及び12は、同プロセスで用いたファーザー30及びマザー40スタンパーのAFM像を示す。形成されるべきこれらのディスクでは、100℃程度の標準温度と比較して121℃の金型温度を維持しつつ、溶融体温度を360℃から390℃に上昇させる必要があった。締め付け力は最大30トンに設定し、充填時間は0.13秒から0.09秒まで短縮した。適切なピット20の形成が達成されるまで、これらのパラメーターを調整した。
DVD−9製造で用いたごとく、光学グレードのUV硬化性DVD接着剤を用いて成形されたL1基板420をブランクL0基板415に結合させて、特殊DVD−5の設計番号1を製造した。L0基板415を0.55〜0.57mmの厚み(すなわち、標準DVD半体よりも30〜50ミクロン薄い)で成形して、光路中の結合層の分を補償し、かくして、情報担持層に標準DVD−5におけると同一の焦点深さを確保する。
特殊DVD−5設計番号2
DVDプレイヤーを含めた光媒体ドライブの電子回路は、典型的には、その層中の「ランド」25から「ピット」20への転移によって引き起こされた干渉パターンを同定することによって、ディスク上の層に含まれた情報を読み出すように設計されている。ピット20は、しばしば、読出レーザーの波長の1/4とほぼ同等な、典型的には、それよりは幾分小さな高さで成形される。例えば、DVDでは、読出レーザーの典型的な波長は真空中で635〜650ナノメートルであり、(DVD基板を製造するのに用いられる材料で典型的な)RI=1.55を持つ材料中で410〜420nmであり、かくして、標準DVD−5におけるピット20の高さはほぼ100〜105ナノメートルであるべきである。その結果、ランド25からピット20への転移、又はその逆は、読出レーザーの経路に対するほぼ波長の半分の変化、又はほぼ180度の相変化に対応する。180度の位相差を持つ2つの同一波は相互に干渉し、打ち消しあい、光ドライブの電子回路は得られた干渉パターンを検出するように設計される。下側から読み出されるディスクの標準的な約定を用い、標準DVD−5においては、ピット20の表面はランド25の表面の下方にあって、ランド25からピット20への転移は「下向き」転移であり、他方、ピット20からランド25への転移は「上向き」転移である。もしピット20の高さが読出レーザーの波長の1/4であれば、標準DVD−5におけるランド25からピット20への転移は「下向き」転移であり、これは、+180度の相変化に対応し、ピットからランド25への転移は「上向き」転移であり、これは−180度の相変化に対応する。もし「上向き」及び「下向き」転移が360度だけ異なれば、前記した場合におけるごとく、それらの効果は同一である。このことから、DVD−5のピット20は、反対方向に、すなわち、ピット表面がランド25表面よりもほぼ1/4波長だけ上方に突出するように成形できることが示唆される。光ディスクプレイヤーの電子回路は、検出された転移が「上向き」又は「下向き」方向にあるか、すなわち、ピット領域20がランド領域25よりも高いか低いかによって影響されないようである。
標準DVD−5においては、レーザーピックアップはL0基板100を通して読み出し、ラセン状トラックに整列されたピット20上に焦点を合わす。ディスクの回転は(読み出しレーザーの側からみて)反時計周り方向であり、ラセン状トラックは時計回り方向にある。ピット20の方向が、プレイヤーによって観察される電気的シグナルを変化させることなく逆とすることができるならば、本発明のもう1つの具体例において、ピット20は、図14に示すごとく、通常の(ファーザー/サン)DVD−5スタンパー30/45を使用することによって、L1基板420へのへこみ500として成形される。ラセン状トラックの方向はマスタリングの間に逆とされる。というのは、ディスクは、標準DVD−5におけるごとき基板を通してではなく、結合層401の側から読み出されるからである。得られるディスクには情報がDVD−5としてエンコードされるが、ピット20はL1層420において形成され、図15に示すごとく、ピット20の表面はランド25の表面の上方にあり、そしてランド25はL1層420の基準面にある。ピット20の幅、長さ、高さ及び形状は、DVD上のデータをデコードするのに必要な対応するHFシグナルを与える。シグナルは8対14変調(EFM)シグナルを利用してエンコードされる。ピット20のエッジ及び側壁の傾きは、0及び1の論理的変換を区別するよう働く。この結果、ピット20の長さ単位が3単位の長さから14単位の長さとして測定され、これは、ディスクから読み出されるEFMシグナルの周波数限界を設定する。この測定は通常3T〜14Tシグナルといい、Tは時間をいう。ピット20が標準的に複製される限り、プレイヤーは逆側から読み出しつつ、ピット20の開始位置と終了位置を区別することができて、そのデータの同一性を正しく確認することができる。多くの環境において、前記した特殊DVD−5設計番号1の場合のように、マザースタンパー40からの成形を必要としないので、これは本発明の好ましい具体例であろう。
DVD−5におけるピット20の現実の高さは、典型的には、読出レーザーの波長の1/4より幾分低い。これは、ピット及びランド間の転移の間に反射したレーザーの完全な打消しを回避することを意図し、これは、プレイヤー電子回路の機能を容易にする。例えば、0.88X(レーザー波長)/4の値が時々推奨される、すなわち、RI=1.55を持つ材料ではほぼ90ナノメートルである。かくして、本発明のこの具体例では、特殊DVD−5設計番号2におけるランド25からピット20への転移の間における読み出しレーザーの経路の変化が標準DVD−5の対応する変化よりも正確に1波長長くなるように、読出レーザーの波長の1/4よりは幾分高くピット20表面を成形するのが望ましいであろう。例えば、もし読出レーザーの波長が650ナノメートル(すなわち、RI=1.55のポリカーボネート基板においては420nm)であれば、標準DVD−5におけるピットは90ナノメートルであり、この具体例(特殊DVD−5設計番号2)におけるピット20は120ナノメートル、すなわち、設計番号1におけるピット20表面の位置から波長の半分(210nm)に成形することができる。
実施例2:特殊DVD−5設計番号2
レーザービームレコーダーターンテーブルの回転の方向がカッティングプロセスの間に逆にされ、その結果、通常のDVD−5におけるそれとは反対方向にラセン状トラッキング経路が得られる改変されたマスタリングプロセスを通じて、特殊DVD−5設計番号2についてのL1基板420を成形するための特殊なスタンパーを製造した。このスタンパーは、内容物の情報をDVD−5像としてレーザービームレコーダーに供給しつつ、ターンテーブルを通常のDVD−5のカッティングから逆の方向に回転させることによって製造した。通常はDVDフォーマットに予め設定される走査速度は手動によりDVD−5マスタリングに典型的な3.49m/sの速度に設定した。次いで、L1基板420を、DVD−5製造用に設定した標準成形マシーンで成形した。
成形されたL1基板420のいくつかを、光学グレードのUV硬化性DVD接着剤を用いてブランクL0基板415に結合して、特殊DVD−5の設計番号2を製造した。実施例1におけるごとく、L0基板415は0.55〜0.57mm(すなわち、標準DVD半体よりも30〜50ミクロン薄い)の厚みで成形して、光路中の結合層401の分を補償し、かくして、情報担持層に標準DVD−5におけると同一の焦点深さを維持した。ディスクを結合させるために、マシーンをDVD−9生産モードとし、L0層のための半反射性メタライザーをオフラインとした。次いで、硬化時間を調整して、半反射性層がなくなることによる必要な硬化暴露の減少を補った。硬化は基本的にはDVD−5ディスクについて設定したものであり、該ディスクを裏返してL0層を通じて硬化させた。この機能は、典型的には、DVD−9の製造で保持される。
次に、ディスクをKOCHのDVDテストシステムでテストし、4つの異なるDVDプレイヤーで再生した。図21及び図22に示すごとく、これらのディスクは正規のDVD−5ディスクと差異のない性能を示した。また、さらに3つのDVDプレイヤー及び2つのDVD−ROMドライブでエラーなく再生された。
成形された基板のいくつかを用いて、反応性結合層を持つディスクを製造した(実施例9参照)。
特殊DVD−5設計番号3
DVDプレイヤーを含めた光媒体ドライブの電子回路は、ディスク上の層に含まれる情報を読み出すのに、ピット20及びランド25の絶対的及び/又は相対的高さに基づいてその層におけるピット20及びランド25を同定し、かくして、層の基準面450に対するピット20及びランド25の高さによって影響されることなく、情報エンコード層における「上向き」転移と「下向き」転移を区別することによって、ディスク上の層に含まれる情報を読み出すように設計することができる。かくして、本発明のもう1つの具体例において、マスタリングの間に、ラセン状トラックの方向を逆にし、また、ピット20及びランド25を逆にし、従って、得られたスタンパー30上でピット20はランド25となり、ランド25はピット555となる。次いで、通常(ファーザー)スタンパー30を使用することによって550、L1基板420を成形し、ブランクL0基板415に結合させる。得られたディスクには情報がDVD−5としてエンコードされ、ピット及びランドの相対的高さ、及び情報エンコード層における「上向き」及び「下向き」転移はDVD−5と同一である。具体的には、ピットの表面はランドの表面の下方にある。しかしながら、標準DVD−5においては、ランドの表面はL0層の基準面にあるが、本具体例においては、図16に示すごとく、L1層の基準面にあるのは(標準DVD−5上のピットに対応する)ランド560の表面であり、(正規のDVD−5上のランドに対応する)ピット565はこの基準面の上方にある。
反応性結合層
本発明のもう1つの具体例は、反応性材料を間隙層に配合することである。1つの具体例において、間隙層はディスクの結合層である。
本発明の1つの具体例において、反応をトリガーする刺激は雰囲気酸素に対する暴露である。酸素に暴露されると、反応性材料、例えば、実質的に無色であるロイコメチレンブルーは酸化されて、不透明又は半透明層(例えば、濃青色素、メチレンブルー)を形成する。不透明/半透明層を持つデータ記憶媒体は、もはや、媒体プレイヤーで再生することはできない。不透明となる時間を調整することによって、この方法を用いて、所定の用途にふさわしい所望の寿命を有する再生制限付きデータ記憶媒体を提供することができる。
キャリヤ及び反応性材料双方を含む反応性層は、最初は、データ記憶媒体デバイスによるデータ読み出しを可能とするために充分な透過性を有すべきであり、その後、そのデバイスによるデータ読み出しを阻害する層(例えば、所定デバイスのレーザーの波長において充分な量の光、すなわち、入射及び/又は反射光を吸収する層)を形成すべきである。典型的には、反射性層からの初期反射率約50%以上を可能とする層を使用することができ、初期反射率約65%以上が好ましく、初期パーセント反射約75%以上がより好ましい。一旦媒体を酸素、例えば、空気に所望の時間(例えば、媒体の許容再生時間)暴露させると、層は、反射率約45%以下となるのが望ましく、反射率約30%以下が好ましく、約20%以下がより好ましく、約15%以下が特に好ましい。
可能な反応性材料はメチレンブルー、ブリリアントクレシルブルー、ベーシックブルー3、メチレングリーン、テーラーズブルー、メルドラズブルー、ニューメチレンブルー、チオニン、ナイルブルー、セレスチンブルー及びトルイジン0の酸素感受性ロイコ又は還元形態、ならびに前記材料の少なくとも1つを含む反応生成物及び組合せを含み;それらの構造を以下に記載する。
Figure 2005534132
Figure 2005534132
Figure 2005534132
ロイコメチレンブルーの合成及び着色形態のメチレンブルー色素を形成する酸素依存性再酸化の方法を以下に示す:

Figure 2005534132
データ記憶媒体を再生制限付きとするために、前記反応性材料に加え、多数の他の色素及び光ブロッキング材料を合成することができる。例えば、いくつかの他の可能な反応性材料は、以後引用して一体化させる米国特許第4,404,257号、及び以後引用して一体化させる米国特許第5,815,484号に見出すことができる。反応性材料は、さらに、前記反応性材料のいずれかの少なくとも1つを含む混合物を含むことができる。
反応性材料は、好ましくは、基板の表面の少なくとも一部への堆積及び/又は含浸のためにキャリヤと混合する。可能なキャリヤは熱可塑性アクリルポリマー、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリチオレン、UV硬化性有機樹脂、ポリウレタン、熱硬化性アクリルポリマー、アルキド、ビニル樹脂等、ならびに前記キャリヤの少なくとも1つを含む組合せを含む。ポリエステルは、例えば、フマル酸又はマレイン酸を含めた脂肪族ジカルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のごときグリコールとの反応生成物、ならびに前記の少なくとも1つを含む反応生成物及び混合物を含む。
有機樹脂として用いることができるいくつかのエポキシ樹脂は、1つ又は複数のエポキシ官能基を含むモノマー、ダイマー、オリゴマー又はポリマーエポキシ材料を含む。例えば、ビスフェノール−A及びエピクロロヒドリンの、又はエピクロロヒドリンとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂との反応生成物。他の有機樹脂は、ここに引用して本明細書の一部とみなすKehrらの米国特許第3,697,395号及び3,697,402号によって示されたごときポリオレフィン及びポリチオールの混合物の形態であり得る。
非結合性反応性層
所望により、塗装、浸漬、噴霧、スピンコーティング、スクリーン印刷等のごとき種々のコーティング技術を用い、反応性層を基板に適用することができる。例えば、反応性層を比較的揮発性の溶媒、好ましくは、ポリカーボネートに対して実質的に不活性な、すなわち、ポリカーボネートを攻撃せず、それに悪影響しないが、キャリヤを溶解させることができる有機溶媒と混合することができる。いくつかの適当な有機溶媒の例はエチレングリコールジアセテート、ブトキシエタノール、低級アルカノール等を含む。
表面コーティングでは、反応性層は、所望により、艶消剤、界面活性剤、チキソトロピー剤等のごとき種々の添加剤、及び前記添加剤の少なくとも1つを含む反応生成物及び組合せを含有することができる。反応性層の厚みは使用する特定の反応性材料、反応性層におけるその濃度、及び最初及び所望の時間の後、双方における層の所望の吸収特性に依存する。
ブロックされた反応性化合物の開発
本発明の1つの具体例は、反応性層におけるブロックされた形態の反応性化合物の使用である。これらの化合物は、ディスクが製造され又は包装された後、所定の時間の内、典型的には、ディスクが消費者によって使用される前に、ブロックが解除される。これは、ディスクを再生不能にする反応をトリガーする刺激(例えば、雰囲気酸素)がディスクの製造の間にこの反応をトリガーできる場合に望ましく、反応性化合物がディスクの製造の間に活性化されないように処置を取る必要がある。例えば、酸素でトリガーされる反応の場合には、ブロックされた形態の反応性化合物を用いなければ、製造は、窒素雰囲気のごとき酸素を含まない環境で行なう必要がある。
本発明の1つの具体例は、酸素に暴露された後に再生不能になる光ディスクを製造する目的に化学的にブロックされた反応性物質を用いるアイディア、特定のそのようなブロックされたロイコ色素、このロイコ色素前駆体を調製する方法、適切な速度でのロイコ色素前駆体の脱ブロッキング及び酸化を許容するこのロイコ色素前駆体を含む組成物、光ディスクの表面にまた光ディクス用の結合層として光ディスクにこの組成物を適用する方法、光ディスク中又はその上においてブロックされたロイコ色素含有層におけるメチレンブルー生成速度を増加させるための塩基の使用、及びコーティング液中のブロックされたロイコ色素を安定化するためのヘキサメチルジシラザンのごときシリル化剤の使用を含む。
パッケージから取り出された後に再生不能になる光ディスク(「再生制限付きディスク」を製造するための本発明の1つの具体例において、ディスクに、ロイコ色素を含有する組成を持つ反応性層を一体化させる。ロイコ色素は、酸化され、光ディスクプレイヤーの読出レーザーの波長において光を吸収する着色した色素となり、充分な読出レーザー光がディスクから反射されるのを防ぎ、ディクスを再生不能にする。ロイコ色素の酸化は、色素を含有するコーティングを雰囲気酸素に暴露することによって開始することができ、酸素はコーティングを通って拡散してロイコ色素の分子を酸化する。そのようなコーティングをディスクの表面に置くのに伴う1つの問題は、コーティングが使用者によって除去されてディスクを永久的に再生できるようにする可能性である。そのようなコーティングを光ディスクの表面に置くに伴うもう1つの問題は、コーティングが、ディスク製造プロセスにおいてさらなる工程を必要とし、これがより高いコスト、生産器具のための特殊なツール、及び不可避的に低い製造歩留まりを伴うことである。最後に、そのようなコーティングを作成するのに用いられる酸素感受性流体は、その酸素感受性のために取り扱いが困難である。
光ディスクの表面にロイコ色素含有流体をコーティングする方法(いくつかを前述した)において、コーティングは溶媒ベースのものであり、溶媒は蒸発して、典型的にはポリマーマトリックスに閉じこめられた、ロイコ色素及び必要な他の成分を含有するハードコートを生じるものでなければならない。そのような溶媒コーティングには幾つかの不利がある。まず、溶媒ベースの流体のほとんどはスピンコーティング製造プロセスの間にディスクから回転によりとばされ、溶媒蒸発のため回収するのが困難であるか又は不可能であり、これは流体を浪費し(プロセスのコストを増大させ)、コーティング器具を汚す。第2に、溶媒の蒸発に時間がかかり、これは、そのような被覆ディクスを製造する速度を低下させ、それにより、プロセスのコストを増大させる。第3に、コーティング及び乾燥プロセスの間に被覆ディスクから発生した溶媒の蒸気を製造器具から排気しなければならず、これは設置器具のコストを増大させ、この製造プロセスを採用しようと考えるディスク複製者にとってプロセス及び環境上の障害となる。
もしロイコ色素が無溶媒の光又は放射線で硬化した(以下、包括的に「UV硬化」という)層中にコートすることができれば、またもしこの層が、DVDのごときあるタイプの光ディスクを構成する2つの基板を結合するのに用いられる光ディスク結合層と同一にすることができれば、上の2つのパラグラフで記載した全ての問題は回避できる。そのようなシステムを作り出すのに対する主な障害は、多くのロイコ色素、特にロイコメチレンブルー(以下「LMB」、本発明者らが、溶媒ベースの表面コート系においてDVDを再生不能とするために用いている色素)が、DVD基板を結合するための接着剤として通常用いられるアクリレートのごときUV硬化性モノマーを硬化させるのに用いられるタイプのラジカル及びカチオン性重合反応を共に阻害することである。(メチレンブルーを含めた)酸化された色素もまたそのような重合反応の阻害剤である。それで、UV硬化性組成物中に(若干の酸化された着色色素を不可避的に含有する)ロイコ色素を入れると、UV硬化が起こるのを防ぐか、又はUV硬化を遅らせ、ディスクの製造速度を低下させることによってプロセスをかなり不経済にする。さらに、もし酸素又は他の酸化剤が硬化させるべき層に存在するならば、UV硬化のプロセスの結果、ロイコ色素の一部が酸化されることになり、その結果、最初から酸化された色素を含む生成物が生じ、これはディクスの読出可能性を妨害したり、酸素への暴露の後に読み出し不可能となる速度を変化させる恐れがある。
化学的にブロックされた(「保護された」ともいう)ロイコ色素(「ロイコ色素前駆体」とも呼ばれる)は公知であり、「ノーカーボンコピー紙」のごとき用途において数十年間用いられてきた。特に、ロイコメチレンブルーのブロックされた形態は知られており、そのような用途で用いられ、少なくとも1つのそのような化合物、ベンゾイル−ロイコメチレンブルー(BLMB)は商業的に入手可能である。しかしながら、本発明者らは、BLMBが、適切な再生制限付きDVD製品を得るのに充分なほど容易には脱ブロックされないことを見出した。他のブロックされたロイコメチレンブルー化合物もこの問題を共有しているか、あるいは酸化可能なロイコメチレンブルーが望ましい時間以前にコーティング流体中で発生するようにあまりにも簡単に脱ブロックされる。
本発明者らは、トリイソプロピルシリルオキシカルボニルロイコメチレンブルー(以下、「TIPSOCLMB」)が、再生制限付きDVDの作製に用いるのに望ましい以下の特性を有することを見出した。TIPSOCLMBの構造を図17に示し、合成例を実施例4に記載した。
1.TIPSOCLMBは、商業的に入手可能な出発材料から2工程で容易に合成される。図17に示すごとく第1の工程で生じたBOC―LMBを単離し精製することによって、TIPSOCLMBは、典型的には非常に不純なメチレンブルーからでなく純粋な化合物から調製される。
2.TIPSOCLMBは実施例5で記載したアクリレート処方に配合することができる。0℃未満の温度で少なくとも数週間(酸化されたメチレンブルーへの変換に対して)安定であるので、コーティング処方を、1つの設備で調製することが可能であり、かつ所望であればDVD製造のための別の施設へ輸送することが可能である。
3.TIPSOCLMBは1週間以下の間に、恐らくは水又は他の求核試薬が関与する加水分解反応によって脱ブロックされ得る。水又は他の求核試薬は、アクリレート処方中に供することができるか、あるいはDVDが製造される雰囲気から、又はDVDパッケージング材料中に吸収することができる。
4.脱ブロックされたLMBは、酸素の不存在下にて、(メチレンブルーの酸化に対して)安定である。脱ブロック化LMBが酸素の存在下で酸化される速度は、コーティング処方の有効pHを制御することによって制御することができる。環境のpHが高くなるにつれ、LMBの酸化速度が増大するのは当該分野で知られている。かくして、酸化速度は、脱ブロックされた又はブロックされたLMBを含有するマトリックスに可溶性であり、用いるマトリックス又は基板と反応しない塩基性物質の添加によって増加させることができる。1つのそのような塩基性化合物はDABCO(1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)アミンである。他のアミンを添加することができるか、あるいはそれで置き換えることができる。さらに、ショウノウスルホン酸のごとき強力なプロトン酸の添加は、ポリマーフィルム中でのLMBの酸化速度を低下させる。
5.水又は他の求核試薬の不存在下において、TIPSOCLMBは、酸素の存在下においてさえ、合成後少なくとも数ヶ月の間貯蔵することができる安定な固体である。PIPSOCLMBを含有するアクリレート系コーティング流体は、脱ブロッキング反応が起こる迄、酸素の存在下で取り扱うことができる。その反応は充分に遅く、DVD製造プロセスの間におけるコーティング流体の取り扱いが通常の(乾燥されていない)空気中で可能であり、困難ではない。
実施例3:BocLMBの製造
Figure 2005534132
2リットルの分液漏斗中、60.0gのヒドロ亜硫酸ナトリウム(ジチオン酸ナトリウム、Na)を300mLの冷蒸留水に溶解させた。この溶液に、数個の異なるビンからの60.0gのメチレンブルー(暗緑色粉末)を添加し、分液漏斗にストッパーを付け、30分間にわたって激しく振盪し、その間に、暗緑色固体は不溶性ロイコメチレンブルーの黄褐色懸濁液を徐々に形成した。この懸濁液に、各回60mLの10%水酸化ナトリウム水溶液を3回添加し、添加毎に、激しく振盪した。いくらか熱が発生し、より明るい懸濁液が得られる。混合物を短い時間放冷した後、700mLの塩化メチレンを添加し、分液漏斗にストッパーを付け、それを振盪して固体を溶解させた。琥珀色の有機層がエマルジョンの下方に分離し始めた。さらに60mLのNaOH水溶液を添加し、ストッパーを付けた漏斗を振盪し、エマルジョンを30〜60分間放置して、2つの液相に分離した。別法として、新鮮なNa及び適正に純粋なメチレンブルーを用いると、相分離がもっと速くかつ明瞭になる。
マグネチックスターラー及び窒素入口(1.5枚のしわくちゃの小さなKimwipeティッシュ(11×21cm)を充填した溝付のアダプター(Aldrich Z11,563−0)の内側)を装着した1リットルの三口丸底フラスコに、25mL塩化メチレンで希釈した81.0mLのジ−tert−ブチルジカーボネート(BocO)を添加した。窒素下で5〜10分間攪拌した後、3.0gの4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)を添加し、続いて、分液漏斗からKimwipe充填溝付管を通してロイコメチレンブルー溶液を滴下した。添加が窒素下で行なわれるように、分液漏斗のステムを1穴ゴムストッパーを介して溝付管に連結した。ガスの発生(CO)が直ちに始まった。2時間後、添加を完了して、くすんだ緑色の反応混合物が得られ、これを室温にて窒素下で1晩攪拌した。
翌日の朝、くすんだ緑色の反応混合物を大気圧蒸留の装置に入れた。約550mLのCHClを蒸留除去し、300mLのヘキサンで置き換えた。灰青色の固体が分離された。ヘッド温度が約55℃に到達するまで、蒸留を継続した。混合物を放冷し、次いで、焼結ガラス漏斗を通しての濾過によって固体を収集した。固体をヘキサン(2×50mL)で洗浄して過剰のBocOを除去し、次いでメタノール(量は特定されず、4×50mL見積もり)で洗浄して、洗浄液体がわずかに青色となるまで、未反応及び酸化されたロイコメチレンブルーを除去した。得られた灰色固体を空気中で乾燥し、次いで、室温にて真空下で乾燥した。収量47.0g(76%)。(BocLMBの分子量=385.53)。
5×10cmのWhatman K5Fシリカゲルプレートでの薄層クロマトグラフィー分析は、塩化メチレン中の5%アセトンで溶出させて、原点にわずかに青いスポットを示し、Rf=0.58に非常に弱いスポット、またRf=0.63に大きな生成物スポットを示した。最初無色の生成物スポットは、空気中に放置すると暗い青色になり、120℃オーブン中で加熱するとすぐにそうなった。
同一スケールでのこの反応の反復の結果、収量48.0g(78%)が得られた。
実施例4:TipsocLMBの製造
Figure 2005534132
マグネチックスターラー、滴加漏斗、及び窒素バブラー下のコンデンサーを装備した500mLの三口丸底フラスコで、200mLの塩化メチレンに35.61gのBocLMBを溶解させて青色溶液を得た。この溶液に26.0mLの2,6−ルチジンを添加し、続いて、39.0mLのトリフルオロメタンスルホン酸トリイソプロピルシリル(TipsOTf)を15分間にわたって滴下した。次いで、緑青色の反応混合物を還流下で6時間攪拌した。TLC分析(K5Fシリカ、5%アセトン/CHCl)は、Rf=0.74における大きな生成物スポット以外には、Rf=0.67に存在する少量のBocLMB出発物質しか示さなかった。次いで、反応混合物を室温にて窒素下で1晩攪拌した。
翌朝、緑青色の透明な反応混合物を還流下で再度1時間攪拌した。TLC分析は、痕跡量のBocLMB又は同様なRfの不純物が存在したことを依然として示した。次いで、真空下で溶液をロータリーエバポレーターで濃縮してほとんどの塩化メチレンを除去し、その結果、暗い緑青色シロップが得られた。200mLのヘキサンを添加した後、混合物を手で攪拌して、青灰色固体の分離を行なった。継続的に手で攪拌しつつこの混合物を還流下に加熱すると、TipsocLMB生成物は熱ヘキサンに溶解し、後に溶融体又は堅い固体としての暗青色塩残渣が残った。熱ヘキサン溶液を残渣からデカントし、残渣をさらに60mLの沸騰ヘキサンで抽出した。合わせた熱ヘキサン抽出物(色は緑色)をわずかに冷却し、次いで、Celiteの1.5cm厚みの層に通して濾過して、透明な淡黄褐色濾液を得た。Celiteを各回30mLの熱ヘキサンで2回洗浄した後、合わせた濾液(約320mL容量)をフリーザー中に(約―20℃)一晩入れた。
翌朝、緑色がかったオフホワイト色の固体が結晶化したことが観察された。混合物を冷濾過し、生成物を冷ヘキサン(2×50mL)で洗浄し、吸引乾燥し、室温にて真空下で乾燥してオフホワイト色固体を得た。収量33.3g(75%)。(TipsocLMBの分子量=485.77)。初期の実験からの融点は121〜123℃であった。
TLC分析(K5Fシリカ、3%アセトン/CHCl)は、原点及びRf=0.53に非常に弱いスポット(恐らくは未反応BocLMB)、Rf=0.61に主要スポットを示した。主要スポットは、最初は無色で、室温にて数時間、又は120℃のオーブン中で数分間放置すると暗い青色となる
実施例5及び6は、UV硬化してTIPSOCLMBを含有する反応性層を作り出すことができるコーティング流体にいかにしてTIPSOCLMBを配合することができるかを示す。実施例7は、いかにして、前記技術が、特殊DVD−5設計1,2及び3を用いて期限付き光ディスクを製造するのを可能とする間隙反応性層を製造できるかを示す。実施例8は、いかにしてTIPSOCLMBが脱ブロックし、表面又は間隙層いずれかにおいて酸素感受性LMBとなるかを示す。酸素に暴露すると、図18中のシアン密度の増加によって示されるごとく、LMBは酸化されてメチレンブルーになる;メチレンブルーは、図19に示されるごとく、650nmの波長の光を強力に吸収する。
実施例5:TIPSOCLMBを含有するコーティング液の処方
80mgのTIPSOCLMB
80mgのイルガキュア(Irgacure)819(Ciba Geigy;増感剤)
4.0mlのCD−501アクリレート(Sartomer;プロポキシル化[6]トリメチロールプロパントリアクリレート)
18.5mgの1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(「Dabco」;Aldrich;塩基)
155μlの1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(「HMDZ」;Aldrich;安定化剤)
TIPSOCLMB、イルガキュア819及びDabcoを茶色のガラス瓶中に秤量し、攪拌棒を加え、CD−501を適当な重量に注ぎ、シリンジによってHMDZを加える。乾燥窒素を数分間瓶に吹き込み、瓶にキャップをし、キャップをパラフィンで被覆する。内容物を少なくとも2時間室温にて攪拌して、固体を溶解させる。もしも物質の全量を用いないならば、瓶に窒素を噴きつけ、パラフィンでキャップし、シールし、フリーザー中に貯蔵し;開封前に瓶を加温して、水が瓶中に凝縮するのを防ぐ。
実施例6:TIPSOCLMB/アクリレート処方で表面被覆したディスクの製造
DVD透明半体ディスク(金属化していない厚さ0.6mm、直径120mmのポリカーボネートディスク)又はフルDVD(接着剤で2つの層を背中合わせで一緒に結合)を、ほぼ60rpmで回転する実験室スピンコーティングターンテーブルの中央に置く。次いで、実施例5からの4mlの溶液を、ディスクの中心から直径約34〜40mmの位置に、シリンジによって丸いリング状に均一に適用する。次いで、スピンスピードを迅速に約15秒間で約200rpmまで増加させ、その結果、厚さ約5μmのアクリレート/TIPSOCLMB液のコーティングを得る。スピンニングを遅くし、ティッシュと塩基溶媒(入手可能であれば)で過剰の液をディスクのエッジから拭い、次いで、取り出して実験室ベンチに移動させる。この時点で、ディスクに、最高設定のNorlite400キセノンフラッシュランプから約5回のフラッシュを行う。フラッシュ間の時間はフラッシュランプの充電によって決定されるが、硬化で生じる熱から追加の応力を誘導しないように充分な長い時間とすべきである(典型的には約5秒)。このプロセスにより透明で、着色しておらず、充分に硬化したアクリレートフィルムが得られる。Daboを含まないか、又は実施例5に記載した量の10倍のDabcoを含有する同様のアクリレート処方で他のディスクを調製する。
実施例7:TIPSOCLMB/アクリレート処方でサンドイッチ被覆したディスクの製造
DVD半体ディスクを、前記したターンテーブルの中心にデータ側を上にして置く。ターンテーブルを静止させた状態で、シリンジで液体をデータ側にほぼ3〜5mmの丸い液滴を生じるように分注する。液滴を30〜40mmの直径上で約3mmの等間隔に配置する。次いで、結合すべきディスクをデータ側を液体に向けて置き、エッジが底部ディスクから離れるようにわずかに反らす。液滴と頂部ディクスの最初の接触が起こるまで、頂部ディスクをある角度にて降下させる。空気が捕獲され、その結果気泡ができるので、頂部ディスクを直ちに底部ディスクに置くことはしたくない。従って、より均一な毛細管流動を得るために、液滴それぞれが毛細管ブリッジリングを形成し始めるまで、軽い圧力下でディスクをわずかに曲げた状態に保ちつつ、ディスクを時計方向に回転させることができる。一旦毛細管リングが完成すれば、頂部ディスクを開放することができ、毛細管作用は継続するであろう。毛細管流動が表面を覆うのを待つか、あるいは、材料が少なくとも最大直径ODに到達するまで100rpmにてディスクを回転させることができる。この時点で、ターンテーブルの回転を上げ、約500rpmにて5秒間回転させることができる。この回転によりスペーサー層(接着剤層)を平らにし、過剰の材料をODから除去する。次いで、ディスクエッジを拭うことができ、次いで、ディスクをUV硬化させる。硬化に先立ち、ディスク半体同士をできる限り近く心合わせして、中央の穴の誤整列やそれに伴う再生問題を回避するのが重要である。この時点で、ディスクに、最高設定のNorlite400キセノンフラッシュランプから約20〜30回フラッシュを行う。フラッシュの間の時間はフラッシュランプの充電によって決定されるが、硬化中に生じる熱から追加の応力を誘導しないように充分長い時間であるべきである(典型的には5秒)。このプロセスにより透明で、未着色で、充分に硬化したアクリレートフィルムが得られる。Dabcoを含有しないか、又は実施例5に記載した量の10倍のDabcoを含む同様のアクリレート処方で他のディスクを製造する。
実施例8:表面及びサンドイッチ被覆ディスクにおけるTIPSOCLMBの脱ブロッキング及び酸化、及びコーティング処方に含まれた塩基の効果。
実施例6及び7に記載したごとく製造したディスクをそれぞれ6つの「チップ」に切断し、チップを乾燥窒素、乾燥空気又は室内空気(平均RH約30%)のいずれかに保存し、それらのシアン反射率密度をX−Rite504デンシトメーターで定期的に記録した(窒素中に貯蔵した試料は、見た目は不変であり、酸素への暴露を最小限にしたかったので、実験の開始及び終了時のみテストした)。いずれの場合も、窒素中に貯蔵した試料は、予期したごとく、メチレンブルー(MB)の発生を示さなかった。TIPSOCLMBに対して1.0当量で1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(Dabco)をアクリレート処方に配合すると、対照と比較して脱ブロッキング/酸化速度が格段に加速され(図18)、他方、それより高濃度の同化合物は現実には効果が低かった。一般には、オープン試料(DVD半体の頂部にTIPSOCLMB層を被覆した、カバーなしのもの)はサンドイッチ構造よりもわずかに速くMBを発生し、これは、LMBの脱ブロッキング及び酸化が、未金属化0.6mmポリカーボネート層を通じての水又は酸素いずれかの移動によって有意に制限されないことを示す。むしろ、TIPSOCLMBの脱ブロッキングはこれらの系で律速であるようである。塩基を添加しない対照試料は、乾燥空気中におけるよりも室内空気中で著しく速いMBの発生を示し、これは、空気中の水分がこの試料中の脱ブロッキングをスピードアップすることを示唆する。
実施例9は、いかにして反応性結合層を特殊DVD−5設計番号2に取り込むか、かくして、通常はDVD−5のように再生可能であり、その後再生不能になるディスクの製造を示す。
実施例9:特殊DVD−5設計番号2の結合層へのTIPSOCLMBの組み込み
一連の実験を行なって、TIPSOCLMB、イルガキュア−819、Dabco、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(流体安定化剤として)、及びSartomer CD−501アクリレートモノマーを含有する処方をDVD接着剤として用いて、再生可能なDVDを製造することができるかをテストした。1.0μmガラスシリンジフィルターを通して濾過した実施例5に記載した処方を用い、液体を、実施例2におけるごとく製造した透明又は金属化特殊DVD−5設計番号2いずれかの上にシリンジで与えた。DVD半体ディスクを前記したごとくターンテーブルの中心にデータ側を上にして置く。ターンテーブルを静止した状態で、シリンジでほぼ3〜5mmの丸い液滴を作る方法で液体をデータ側に分注する。直径30〜40mmの周りに円上に液滴を等間隔で配置する。次いで、結合すべきディスクをデータ側を溶液に向けて置き、エッジが底部ディスクから離れるようにわずかに反らす。液滴と頂部ディクスの最初の接触が起こるまで、頂部ディスクをある角度にて降下させる。空気が捕獲され、その結果気泡ができるので、頂部ディスクを直ちに底部ディスクに置くことはしたくない。従って、より均一な毛細管流動を得るために、液滴それぞれが毛細管ブリッジリングを形成し始めるまで、軽い圧力下でディスクをわずかに曲げた状態に保ちつつ、ディスクを時計方向に回転させることができる。一旦毛細管リングが完成すれば、頂部ディスクを開放することができ、毛細管作用は継続するであろう。毛細管流動が表面を覆うのを待つか、あるいは、材料が最大直径ODに到達するまで100rpmにてディスクを回転させることができる。この時点で、ターンテーブルの回転を上げ、約500rpmにて5秒間回転させ、接着剤を薄くし、結果として(プロフィロメトリーで測定して)50μmの接着剤フィルムを達成することができる。この回転によりスペーサー層(接着剤層)を平らにし、過剰の材料をODから除去する。次いで、ディスクエッジを拭うことができ、次いで、ディスクをUV硬化させる。硬化に先立ち、ディスク半体同士をできる限り近く心合わせして、中央の穴の誤整列やそれに伴う再生問題を回避するのが重要である。この時点で、ディスクに、最高設定のNorlite400キセノンフラッシュランプから約20〜30回フラッシュを行う。フラッシュの間の時間はフラッシュランプの充電によって決定されるが、硬化中に生じる熱から追加の応力を誘導しないように充分長い時間であるべきである(典型的には5秒)。このプロセスにより透明で、未着色で、充分に硬化したアクリレートフィルムが得られる。これをDVDテストプレーヤーで再生する。
ディスクは通常の周囲条件下で製造し、引き続いて、窒素ボックスに3〜4日間入れて、基板中に溶解した酸素を除去し(これに12〜20時間要すると見積もられる)、またTIPSOCLMBをブロック解除してLMBとした(これに2〜3日間要するであろう)。
引き続いて、特殊DVD−5設計番号2ディスクを窒素ボックスから取り出し、650nm波長における反射率を時間の関数として測定した。ディスクは透明であり、12〜16時間再生可能であり、その後、ディスクは24時間以内に暗青色に変わり、650nmでの反射率2%未満で再生不能となった。
マルチ層の光ディスク
図4におけるDVDファミリ−の説明で分かるごとく、片側からのマルチ層を読み出すように設計されたデュアル層光ディスクにおいて、スペーサー(結合)層は光路中にある。デュアル層DVDの場合には、このスペーサー層厚みについての所与の規格は0.055+/−0.015mmである。光路結合を持つデュアル層DVDのための基板の厚みは、典型的には、0.55mm〜0.64mmである。
読出レーザーを阻害する反応性化合物をいずれかのタイプのデュアル層ディスクの結合層800に配合すると、結合層800はL0層810を読み出すための光路中にないので、プレイヤーがL1層805を読み出すのを阻害するのにすぎないであろう。さらに、L0層810中の金属815は、水分又は酸素のごとき所定の刺激が結合層800中の反応性化合物まで浸透するのを制御可能に妨げるバリアーとして働くであろう。
この潜在的問題についての1つの方法は以下の通りであろう。典型的には、プレイヤー又はドライブは、ディスクの読出を開始すると、L0層810につきリードイン領域中の内容物のテーブル(目次)又は情報領域を探す(図6参照)。ディスクを創製する場合、L1層805に直接アクセスする命令をL0リードイン領域820に含ませることが可能である。L0層810を読み出して、L1層805までのプレイ配列を指令するためには、L0側810を金属化しなければならないであろう。これは、恐らくは反応性接着性材料800と干渉し、金属層の浸透性に依存するであろう不安定な(つまり制御されない)反応動力学を引き起こす。これについての1つのアプローチは、典型的には、ディスク上の半径58mm〜59mmで途切れるL0半反射性層800についてのメタライザーマスキングを、L0上のリードイン又は情報データ領域により近くまで変化させることであろう。
反応性材料800の活性化を促進するためには、例えば、活性化刺激体が、L0金属層820のため反応性結合層800に到達するのが妨げられるであろう酸素又は水分である場合、反応性層の一部が刺激体に暴露されるのがより容易となり、かくして、L0層の対応する部分が無効化されるように、L0層810の一部を金属化の間にマスクすることができる。図20に示すごとく、これらのディスクは部分的に金属化されたL0層810を有するであろう。例えば、L0層810のリードイン領域又はプログラム開始部分のみを金属化する場合、プレイヤーはリードインデータを読み出すことができ、L1層805に貯蔵された情報にアクセスすることができる。L0層810上の小さな領域のみが金属化されるので、反応性結合層の実質的部分は、典型的には、酸素又は水分のごとき刺激体が浸透可能なL0基板810と直接接触するであろう。反応性結合層が適当な刺激体に応答し、読出レーザーとの干渉を開始すると、プレイヤーはもはやL1層805の対応する部分にアクセスすることができない。
本発明のもう1つの具体例は、ディスクのある部分を再生不可能とすることが、ディスクの他の部分又は全ディスクを再生するのに干渉することを保証するために、光媒体プレイヤーによって実行されるべきシーケンシング及びブランチング命令のごときオーサリング技術を利用することである。この目的で再生不可能とされたディスクの一部は1層ディスクの単一層、又はマルチ層ディスクの層のいずれか中にあり得る。例えば、本発明の1つの具体例は、L1層のある部分を再生不可能とすることが、ディスクの他の部分又はディスクの全体を再生するのに干渉するように創製されたDVD−9よりなる。例えば、L0層リードイン領域の読出は、プレイヤーがL1層の一部にアクセスするよう指令し、これは、反応性層が読出レーザーとの干渉を開始する場合に読出不能となり、これは、ディスクを使用できなくするであろう。DVD−9ディスクは、L1層の全て又は一部がL0及び/又はL1上のいずれかの情報を再生するのに必須であるようにオーサリングすることができる。例えば、ディスク上の各チャプターは、そこに進む前にL1上のある情報の読出を必要とするようにオーサリングすることができる。
本発明のもう1つの具体例において、反応性材料の活性化は、L0層の蒸着を制御することによって促進される。例えば、スパッタリングにより金、銀又はケイ素L0層を高速で堆積すると、酸素及び水分が侵入するのが容易な粒状デンドライト組織をもたらすことが知られている。また、より薄いL0層を堆積することができ、これは、酸素及び水分が侵入するのが容易である。粒状又は薄いL0層を堆積することは永久的記録管理品質のディスクでは許容されないであろうが、それは、しばしば、使用制限のある期限付きディスクでは適切である。
実施例10:反応性結合層にTIPSOCLMBが組み込まれたDVD−9ディスク
平行トラック経路エンコードでのDVD−9は再生用の2つのはっきりと異なる層を有することができる。エンコード又はデータマスタリングプロセスにおいて、L0ディスクで通常見出されるリードイン領域は、読出プレイヤーに、ディスク上のいずれか又は双方の層から読み出すよう指示する情報を有することができる。従って、反応性結合材料を用いるこの例では、反応性層は、L0層に悪影響せずにL1層からの再生を妨げることができよう。この例では、対応するL0及びL1マスターを製造し、L0及びL1基板は通常通りに成形され、金属化された。
実施例5に記載した処方:TIPSOCLMB、イルガキュア−819、Dabco、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(流体安定化剤として)、及びSartomer CD−501アクリレートモノマーを含有する接着剤を用い、DVD半体を実施例9におけるごとく結合させた。溶液を1.0μmのガラスシリンジフィルターを通して濾過した。DVD半体ディスクを前記したごとくターンテーブルの中心にデータ側を上にして置く。ターンテーブルを静止した状態で、シリンジでほぼ3〜5mmの丸い液滴を作る方法で液体をデータ側に分注する。直径30〜40mmの周りに円上に液滴を等間隔で配置する。次いで、結合すべきディスクをデータ側を溶液に向けて置き、エッジが底部ディスクから離れるようにわずかに反らす。液滴と頂部ディクスの最初の接触が起こるまで、頂部ディスクをある角度にて降下させる。空気が捕獲され、その結果気泡ができるので、頂部ディスクを直ちに底部ディスクに置くことはしたくない。従って、より均一な毛細管流動を得るために、液滴それぞれが毛細管ブリッジリングを形成し始めるまで、軽い圧力下でディスクをわずかに曲げた状態に保ちつつ、ディスクを時計方向に回転させることができる。一旦毛細管リングが完成すれば、頂部ディスクを開放することができ、毛細管作用は継続するであろう。毛細管流動が表面を覆うのを待つか、あるいは、材料が最大直径ODに到達するまで100rpmにてディスクを回転させることができる。この時点で、ターンテーブルの回転を上げ、約500rpmにて5秒間回転させ、接着剤を薄くし、結果として(プロフィロメトリーで測定して)50μmの接着剤フィルムを達成することができる。この回転によりスペーサー層(接着剤層)を平らにし、過剰の材料をODから除去する。次いで、ディスクエッジを拭うことができ、次いで、ディスクをUV硬化させる。硬化に先立ち、ディスク半体同士をできる限り近く心合わせして、中央の穴の誤整列やそれに伴う再生問題を回避するのが重要である。この時点で、ディスクに、最高設定のNorlite400キセノンフラッシュランプから約20〜30回フラッシュを行う。フラッシュの間の時間はフラッシュランプの充電によって決定されるが、硬化中に生じる熱から追加の応力を誘導しないように充分長い時間であるべきである(典型的には5秒)。このプロセスにより透明で、未着色で、充分に硬化したアクリレートフィルムが得られる。これをDVDテストプレーヤーで再生する。
ディスクを通常の周囲条件下で製造し、引き続いて、窒素ボックスに7日間入れて、基板に溶解した酸素を除去し(これに10〜20時間要すると見積もられる)、及びTIPSOCLMBがブロック解除されてLMBとなるようにした(これに5〜6日間要すると見積もられた)。引き続いて、ディスクを窒素ボックスから取り出し、それは、パイオニアプレイヤーでL0及びL1層双方で2〜3日間通常に再生可能であった。雰囲気酸素への7日間の暴露の後、ディスクはL0層では正常に再生されるであろうが、L1層では再生不能となった。
実施例11:部分的に金属化されたL0層を持つDVD−9ディスク
前記実施例10におけるごとく、DVD−9マスターテープを創製し、データ領域は、層L1に設けられ、L0層はリードイン及び引き続いてのディスクタイプ及び情報に関する内容物のテーブル(目次)を供するに過ぎない。再生の間、L0リードインはディスクがL1データ側から読み出すよう指令する。この場合、リードイン領域の外部には読み出すべき情報がないので、L0層の全表面を金属化する必要はない。従って、リードイン及び命令情報がL0にあり、データ領域がL1にあるDVD−9マスターテープを作成した。典型的には、メタライザーマスキングは、双方の層上の直径25mmから118mmまでの領域を被覆する。リードイン領域データが直径25.2mmから最大48mmまで被覆し、引き続いての情報領域が直径48mm以上で開始するので、メタライザーマスキングを少なくして、リードインのみを被覆することができる。これは、反射シグナルがL0層上のリードインを読み出し、次いで、データ再生のためにL1層にスイッチすることを可能とし、さらなる半反射性金属を介して読み出す必要なくす。
本実施例では、ドーナッツ−マスキングプレートを製造し、メタライザーODマスクアセンブリーに降下した。ODからマスキングを位置合わせすることによって、金属化直径を、リードイン再生を可能とする領域まで減少させることができる。マスキング位置についての偏心公差を補償するために、マスクをリードイン48mm直径のすぐ外側に拡大した。加えて、L1層を読み出す場合に、透明ディスク領域から金属化ディスク領域への移行からの反射の乱高下を防ぐために、マスキングのエッジをわずかにディスク上方に上げて、シャドーイング又はテーパー付き層の均一性を達成した。これは、大きな「スピードバンプ」効果よりはむしろ徐々に焦点合わせ補償を引き起こし、その径方向ノイズ及び焦点合わせエラーを規格外とし、恐らくはトラックをジャンプさせる。
得られたDVD−9半体を実施例10におけるごとく結合させた。構築されたDVD−9をパイオニアDVDプレイヤー及びDVD−ROMドライブで再生可能性につきテストし、引き続いて、TIPSOCLMBがブロック解除されてLMBとなるように、窒素ボックスに7日間入れた。引き続いて窒素ボックスから取り出したディスクは、透明で12〜16時間再生可能であり、24時間以内に暗青色に変化し、その後再生不能となった。ディスクは、L0又はL1いずれかからも情報が読み出されるのを防止するのに有効であった。
反応のタイミングの制御
好ましくは、ディスクのデータ品質は意図した使用期間中は高いままであり、次いで、迅速に減衰し、その結果、光ディスクからのデータ読出能力が迅速に劣化すべきである。本発明のこの具体例の1つの利点は、バリアー層を通じての物質の拡散を必要とするもののごとき広いクラスの刺激体では、反応性材料を間隙層に配合する結果、反応のタイミング特徴に関する実質的な利点が得られることである。
前記した望ましいタイミング特徴を達成する1つの方法は、前記したようにディスク基板を通じて拡散する必要がある物質と反応する反応性間隙材料をディスク基板間に用いることである。例えば、もし反応性材料が酸素に感受性であれば、酸素がディスク基板に拡散する間は反応が起こらない延長された期間がある。一旦酸素が反応性層に到達すれば、結果としての反応は速く、ディスクはすぐに期限切れになる。
酸素を拡散性物質として用いる場合、ディスク製造の異なる段階の間にディスクに溶解する酸素を除去する必要があろう。これは、例えば、ディスクを真空又は酸素フリーな環境に適当な時間貯蔵することによって成すことができる。24時間が、厚さ0.6mmのポリカーボネートディスク基板に溶存した酸素を追い出すのに適切な時間であることは理論的にも実験的にも立証されている。別法として、もしブロックされた反応性材料を前記したごとく用いれば、鉄又は有機金属化合物のごとき酸素スカベンジャー物質を用いて、ブロックされた反応性物質がブロック解除される前に光ディスクから酸素を追い出すことができる。この方法はいくつかの製造の利点を有する。例えば、ディスクのパッケージに酸素スカベンジャー物質を含ませることによって、ディスクが製造されパッケージされた後に酸素の追い出しが起こることになるので、ディスク製造時の酸素追い出しを回避することができる。
ディスクの期限切れのタイミングを制御するためのもう1つの手段は、反応性層が酸素と反応する場合には、抗酸化剤のごとき適当な保護物質の有限な制御された量を反応性層中に、又は反応性層に隣接させて含ませることである。保護物質は、抗酸化剤が消費され尽くすような時点まで、ディスクの期限切れを引き起こす反応を妨げ、その時点でディスクが迅速に劣化し、再生不可能となる。例えば、酸素と反応する有機金属化合物をディスクと共にパッケージして、パッケージ内にある間はディスクを酸化から保護することができる。別法として、有機金属化合物を基板に配合することができ、かくして、パッケージの開封後ある期間の間継続して金属層を保護する。
保護物質の枯渇を、ディスクの基板を通じてのトリガリング物質の拡散と組み合わせて、ディスクが期限切れになる前の遅延時間を長くしたり、反射率劣化の勾配のごとき期限切れプロセスの特徴の微調節を可能とすることができよう。
反応性層中の抗酸化剤の例
代表的なTLMB含有活性接着剤DVDに濃度4%のエチルヘキサン酸第一錫を添加したところ、再生時間約24時間のディスクとなり、一方還元剤を添加せずに同じ処方を用いて作製したディスクは再生時間約8時間である。実際、再生時間は、還元剤の量を変化させることによって広い範囲で調節できる(表I参照)。
Figure 2005534132
TIPSOCLMB−含有接着剤処方を用いてDVD−5ディスクを作成し、60℃にて48時間で酸素フリーの雰囲気中で脱ブロックした。その時点で、ディスクを周囲室内空気に暴露し、X−Rite反射デンシトメーターでメチレンブルー発色速度を定量した。短い再生時間は、シアン濃度が0.35だけ増加する時間であると選択され、これは、低品質のDVDプレイヤーに典型的な値である反射率45%における再生カットオフに概ね対応する。長い再生時間は、シアン密度が0.85だけ増加した時間であると選択され、これは、高品質のDVDプレイヤーに典型的な値である反射率10%における再生カットオフに概ね対応する。
この延長された再生についての最も可能性の高いメカニズムは、還元剤のほとんどが消費されるまでの、最初に形成されたメチレンブルー色素のロイコ形態への還元である。ロイコ色素が影響される前に酸素を消費するための重要な酸素スカベンジャーとして作用する第一スズ化合物のごとき別のメカニズムも可能である。
硬化されたマトリックス内の移動度は、還元速度に対して有意な効果を有すると予測される。事実、本実施例で用いたモノマーの計算されたガラス転移温度(Tg)は34℃である。そのような柔軟なマトリックスにおいては、還元剤と色素分子との接触を可能とする適切な分子移動度が存在すべきである。
別の還元剤には、アセチルアセトネートキレート、脂肪α−アミノ酸キレート及び塩のごときUV硬化処方に可溶性である他のSn(II)化合物;脂肪カルボキシレート及びアセチルアセトネートなどのキレートのごとき可溶性鉄(II)化合物;還元性糖;アスコルビン酸及びアスコルビルパルミテートのごときその誘導体;ヒドロキシルアミン;ヒドラジン;可溶化対イオンを持つジチオネート;アセトールのごときα−ヒドロキシケトン;適切に置換された水素化ホウ素がある。
光媒体プレイヤーは、典型的には、従来の世代のディスクを再生する能力を持つように作成される。例えば、CDプレイヤーはCDを読み出すのに780ナノメートルの波長のレーザーを用いる一方で、DVDプレイヤーは、典型的には、CDディスクを読み出すのに650ナノメートルの波長の読出レーザーを使用する。次世代DVD(「青色レーザーDVD」)は、450〜460ナノメートルの波長のレーザーで読み出すように設計され;「DVR」フォーマットは405nm付近で発光するレーザーを用いるであろう。将来の世代のプレイヤーは、その450〜460ナノメートル又は405ナノメートルのレーザーで現行のDVDを読み出すことができるようである。
現行の光ディスクプレイヤーにおいて読出レーザーを阻害するのに用いる色素は、典型的には、これらのプレイヤーが使用する読出レーザーに干渉するように設計されている。しかしこれらの色素は、もっと短い波長を用いるであろう将来のプレイヤーの読出レーザーには干渉しないであろう。この意味は、期限の切れたディスクでも、現在の世代のプレイヤーでは再生できなくても、将来の世代のプレイヤーが入手可能となれば、再生可能となるということである。現行のDVDプレイヤーにおける読出レーザーを阻害するのに用いる色素は、典型的には、650ナノメートルの読出レーザーに干渉するように設計されている。しかしながら、そのような色素は450〜460ナノメートル範囲の読出レーザーには干渉しないであろう。例えば、Smithらに提案された読出阻害色素のうちの1つであるメチレンブルーは、650ナノメートル波長においては強力に吸収性であるが、450〜460ナノメートル範囲では本質的に透明である(図19参照)。その意味は、期限の切れたDVDは青色レーザーDVDプレイヤーで再生できるということである。
本発明のもう1つの具体例は、将来の世代のプレイヤーでは再生されず、かくして、将来の世代のプレイヤー(例えば、青色DVDプレイヤー)が入手可能になる場合に消滅したディスクが再生可能となるのを妨げる光ディスクである。これは、将来の世代のプレイヤーの読出レーザーに干渉し、かくして、そのようなプレイヤーにおけるディスクの読出を阻害する選択的に干渉性の層をディスクの光路に取り込むことによって達成できる。そのような層は、あるタイプのプレイヤーでは読出レーザーに干渉しないが、他のタイプのプレイヤーでは読出レーザーに干渉する(又は変化して、所定の刺激に応答して干渉するようになる)色素又は顔料を配合することによって設計することができる。例えば、アクリジンイエロー[135−49−9]は635及び650ナノメートルの波長では本質的に透明であるが、450ないし460及び405ナノメートルの波長では強力に吸収する(462nmにおいてエタノール中で吸収最大、モル吸光係数=37,000M-1cm-1)。別法として、9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン[10075−85−1]もまた635ないし650ナノメートルの範囲では全く吸収しないが、450ないし460及び405ナノメートルの範囲では強力に吸収性である(シクロヘキサン中455nmにて吸光度最大、モル吸光係数33,000M-1cm-1)。(450ないし460又は405nmいずれかにおいて)青色レーザー光をブロックするのに用いることができる他のクラスの色素及び顔料は芳香族炭化水素、アゾ色素、シアニン、ポリメチン、カロチノイド、ヘミシアニン、スチリル、キナルジン、クマリン、ジ−及びトリアリールメチン、アントラキノン、ニトロ及びニトロソを含む。前記したごとく、メチレンブルーは450ないし460ナノメートルの波長において本質的に透明であるが、635ないし650ナノメートルの範囲で強力に吸収する。
本発明の1つの具体例において、選択的に干渉する層は、読出レーザーの光路中の専用層である。光ディスクに余分な設計要素を導入しないので好ましい具体例のようであるもう1つの具体例において、選択的に干渉する層は基板又は反応性層のごときディスクの別の要素と組み合わされる。例えば、この具体例は、アクリジンイエロー[135−49−9]又は9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン[10075−85−1]のごとき適当な色素又は顔料を、ディスクの基板を成形するのに用いられるポリカーボネート又はポリマーと、又は前記した特殊DVD−5設計における結合層のごとき、期限付きディスクにおける反応性層と混合することによって実現できる。
データの回復を妨げる追加メカニズムの使用
本発明のもう1つの具体例は、読出レーザーを阻害することによって光ディスクの読み出しを妨げるメカニズムと、ディスク上のデータ構造にエンコードされた情報の回復を妨げる追加メカニズムとを組み合わせることである。これらの追加メカニズムは、読出レーザーを阻害することによって働くメカニズムと比べて、その活性化のタイミングの制御の面でさほど正確でなく設計することができる。かくして、読出レーザーと干渉することによって光ディスクの期限切れを制御するメカニズムと、光ディスク上のデータの回復を永久に妨げる追加メカニズムとを組み合わせるのが望ましいであろう。例えば、制御された期間以内に、例えば、ディスクをパッケージングから取り出すごとき、所定の刺激の後ほぼ24時間以内に、光路中の層を透明から不透明に変換することによってディスクは再生不可能となるであろう。加えて、二次メカニズムはディスク上の金属層を腐食するメカニズムとすることもでき、そのようなメカニズムは1〜2週間のごとく長期間にわたって作用し、同一又は異なる刺激によってトリガーされる。ディスクを構成するポリカルボネート材料を劣化させる添加剤のごとき追加メカニズムも使用することができ、このプロセスは(周囲空気への暴露のごとき)同一刺激、又は(ディスクをCD又はDVDプレイヤーで再生する場合に発生する遠心力のごとき)異なる刺激によってトリガーすることができる。これらのバックアップメカニズムについての他のトリガリング刺激は空気の種々の成分、光、物理的運動、及び製造又はパッケージングからの時間を含むことができる。多くの他のメカニズムが可能である。
これを達成する1つの方法は、分離の目的のために組み込まれる材料、又は光ディスクの結合層又は基板のうちの1つのごとき現存材料を間に介在させて、情報担持アルミニウム層上に金属銀の層を堆積することである。この銀層はアルミニウム層の上方又は下方とすることができ、もし銀層が下方であれば(かくして、読出レーザーの経路中にあれば)、読出レーザーがアルミニウム層上の情報を読み出すことができるように、銀層は最初は充分に透明である必要がある。
本発明の1つの具体例において、DVD−9ディスクは、適当な誘電特性を持つ材料よりなる反応性結合層を用い、またL0及びL1のために金属を適切に選択して製造される。例えば、L0は銀より作成でき、L1はアルミニウムより作成できる。
銀層及びアルミニウム層が適当な誘電性材料によって分離される場合、酸素への暴露に際し、銀はカソードとして働き、その上でOが還元され、アルミニウムはアノードとして働く。銀及びアルミニウム層の間でショートが発生する場合のみ腐食は速い。ショートの発生は、分離材料を介しての銀デンドライトの成長に由来する。分離材料を介してデンドライトを成長させるためには、いくらかイオン伝導性を有する材料を用いるのが望ましい。いくつかのそのような分離材料はある種のポリアクリレートよりなるか含有する。もしポリアクリレートがわずかに加水分解されれば、あるいは例えば2−ヒドロキシエチルアクリレートコポリマーであれば、いくらかイオン伝導性があるであろう。好ましいのはポリ(アクリロニトリル)、ポリ(4−ビニルピリジン)、又はポリ(1−ビニルイミダゾール)のコポリマーである。これらの全ては銀、銅又はタリウムイオン(Ag、Cu又はTl)を伝導すべきである。タリウムはその毒性のためあまり好ましくない。
化学方程式は以下の通りである:
銀は空気酸化される:
4Ag+O→AgO(ラッカーと錯体化)
AgO+HO+錯形成剤→2Ag(錯体化)+2OH
Agはアルミニウムによって還元され、一方アルミニウムは酸化される(もしAgが、Agを伝導するように設計されたラッカー中で移動できれば)。
Ag+Al→Al3++3Ag
Al3++3OH→Al(OH)→Al(O)OH+H
銀デンドライトはアルミニウムから銀への成長を開始する。2つの層をショートさせると、電池の(Al)アノード及び(Ag)カソードの間の「スイッチ」が閉じられる。腐食は迅速かつ壊滅的である。当業者であれば、他の同様な金属を本実施例におけるAl及びAgに代えて置換することができるのを認識するであろう。
別法として、反応性層を介してデータ層を永久的に腐食させる他の方法を使用できる。例えば、本発明のある具体例は、反射性金属層の腐食を促進する結合層を有することができるか、あるいは結合層から反射性層(複数層)への適当な物質の拡散を採用することができる。他の具体例においては、追加メカニズムは結合材料の一部ではないであろう。例えば、腐食性物質の前駆体を金属層に隣接させて堆積することができる。酸素又は他の適当な物質が基板を通って拡散し、腐食性前駆体に到達すると、反応が開始され、その結果、ある期間にわたってディスク上のデータ構造を永久的に破壊する腐食性物質が生じる。別法として、ポリカルボネートのごときディスクの基板中の材料は、ある期間にわたって劣化し、かくして、ディスクを使用できなくするように作成できよう。そのような物質及び反応は当業者に知られている。
同様な機能を行なうもう1つの組成物は、基板それ自体が経時的に改質されるものである。基板の改質が原因で、基板がその光学的品質を変化させ、それにより、読み取り装置に到達するシグナルを劣化させる。このような光学的品質は屈折率や透明性を含むことができる。
さらに、基板の改質が原因で、前記したごとく、下側の金属層がその光学的特性を変化させることもある。このように、時間感受性基板及び/又はラッカーを、非反射性となる反射性層と組み合わせることができよう。
ポリマーフィルムの透明性は、フィルムと水との反応、フィルムと酸素との反応、又はポリマーの結晶化(フィルム中のポリマー分子の配向の増大を意味する)のうちのいずれかによって変化させることができる。
例として、酸素又は水のごとき空気中の成分によって変化する基板を選択することができよう。例えば、酸素は基板を酸化し、基板の透明性又は屈折率の変化を引き起こす。別法として、基板は空気中の水を吸収するように設計することができ、これにより基板が膨潤し、光学特性を変化させる。もう1つの例は、基板が酸素に対する透過性を経時的に変化させ、それにより、金属層の酸化を許容することである。後の場合、光媒体の全体的時間感受性は、基板及び/又はラッカー及び反射性層双方の特性の関数であろう。
基板又は金属層は特定の波長の光に対して感受性とすることができる。これらの波長への暴露は、層の光学特性の変化を引き起こし、それにより、読み取り装置に到達するシグナルを劣化させる。そのような例には基板の光解重合、酸の光発生、シングレット酸素の光発生、及びポリマーのジッピング解除(例えば、架橋性水素結合の開裂)がある。光活性化触媒を基板又は金属層へ配合することでこのプロセスを助長することができる。
以上、本発明を、その例示的実施態様についてある程度の具体性をもって説明した。しかしながら、本発明は、以下の請求の範囲によって規定され、先行技術に照らして解釈されるだけで、本明細書に含まれる発明的概念から逸脱することなく、本発明の例示的実施態様に対して変更や変形を施すことができる、と認識すべきである。

Claims (15)

  1. 複数の層を備える限定再生式光媒体において、
    (a)第1基板層(22)、
    (b)データ層(25)、
    (c)反射層(24)、
    (d)還元状態と酸化状態を有する色素を含有し、さらに前記色素を酸化状態から還元状態に転換する作用をなす還元剤を酸化形態で含有する反応性層(23;32,33)及び
    (e)第2基板層(21)をこの順で備え、
    還元状態の色素が光媒体の読み取りに用いる波長の光に実質的に透明であり、酸化状態の色素が光媒体の読み取りに用いる波長の光を吸収し、反射層(24)が酸化形態の還元剤による有意な酸化を受けない金属又は金属合金から形成された、
    限定再生式光媒体。
  2. 還元状態の色素がロイコメチレンブルーである、請求項1記載の光媒体。
  3. 還元剤が2−エチルヘキサン酸錫(II)である、請求項1又は請求項2記載の光媒体。
  4. 反射金属層が金から形成された、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の光媒体。
  5. 反射金属層が銀から形成された、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の光媒体。
  6. 第1及び第2基板がポリカーボネートを含む、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の光媒体。
  7. 反応性層が接着剤を含有する、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の光媒体。
  8. 反応性層が2つの層、即ち色素を含有する反応性被膜(33)及び接着剤層(32)を含む、請求項7に記載の光媒体。
  9. 反射層を構成する金属又は金属合金の酸化還元電位が使用した酸化形態の還元剤の酸化還元電位とは0.35V以上異なる、請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の光媒体。
  10. 反射合金が、反応M+n+ne→Mの酸化還元電位が0.5V以上である金属又は金属合金Mを含有する、請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の光媒体。
  11. 反射金属層の初期反射率が70%以上である、請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の光媒体。
  12. 金属又は金属合金から形成された反射層と、還元状態と酸化状態を有する色素を含有し、さらに前記色素を酸化状態から還元状態に転換する作用をなす還元剤を酸化形態で含有する反応性層とを備える限定再生式光媒体の保存寿命を延長するにあたり、
    前記金属又は金属合金を酸化形態の還元剤による有意な酸化を受けない金属及び金属合金から選択する、光媒体の保存寿命を延長する方法。
  13. 前記金属又は金属合金を、使用した酸化形態の還元剤の酸化還元電位とは0.35V以上異なる酸化還元電位を有する金属及び金属合金から選択する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記金属又は金属合金を、反応M+n+ne→Mの酸化還元電位が0.5V以上である金属及び金属合金Mから選択する、請求項12又は13に記載の方法。
  15. 金属又は金属合金から形成された反射層を備える限定再生式光媒体を、反射層からの初期反射率が約70%以上、好ましくは約75%以上となるように製造する工程を含む、限定再生式光媒体の再生時間を長くする方法。
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